説明

クローラクレーン

【課題】リフト装置によるカーボディの支持の安定性の向上を図りつつ、カーボディの前後にウェイトを搭載してクローラクレーンの安定性の向上を図る。
【解決手段】クローラクレーンでは、前側ウェイト支持部44は、前側左ウェイト72と前側右ウェイト74が各々の作業時前側ウェイト位置と前側格納位置にある前側左リフト装置58及び前側右リフト装置60よりも前側に位置する各々の退避時前側ウェイト位置との間で変位可能となるように前側左ウェイト72及び前側右ウェイト74を支持し、後側ウェイト支持部46は、後側左ウェイト76と後側右ウェイト78が各々の作業時後側ウェイト位置と後側格納位置にある後側左リフト装置62及び後側右リフト装置64よりも後側に位置する各々の退避時後側ウェイト位置との間で変位可能となるように後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラクレーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のクローラクレーンでは、リフト装置により当該クレーンのカーボディを地面からジャッキアップし、そのカーボディの本体部から左右に突出するアクスルにクローラ装置を着脱することが行われている。リフト装置は、例えば下記特許文献1に示されているようにカーボディの前部と後部にそれぞれ2つずつ設けられる。アクスルは、カーボディの前部において本体部から左右に突出するように設けられているとともに、カーボディの後部において本体部から左右に突出するように設けられている。カーボディの前部に設けられるリフト装置は、カーボディの前部で本体部から左右に突出する各アクスルの前面にそれぞれ取り付けられ、カーボディの後部に設けられるリフト装置は、カーボディの後部で本体部から左右に突出する各アクスルの後面にそれぞれ取り付けられている。そして、各リフト装置は、カーボディから張り出してそのカーボディを地面に対して支える支持位置とカーボディに格納される格納位置との間で縦軸回りに回動可能となるように対応するアクスルに取り付けられている。カーボディの前部に設けられるリフト装置は、支持位置では、対応するアクスルから前方へ突出するように配置され、格納位置では、対応するアクスルの前面から本体部の前面に沿ってカーボディの幅方向内側へ延びるように配置される。また、カーボディの後部に設けられるリフト装置は、対応するアクスルから後方へ突出するように配置され、格納位置では、対応するアクスルの後面から本端部の後面に沿ってカーボディの幅方向内側へ延びるように配置される。
【0003】
ところで、このようなクローラクレーンでは、下記特許文献2に示されているように、車体の安定性を向上させるためにカーボディにウェイトが搭載されることがある。具体的には、この特許文献2では、カーボディの本体部の前端から前方へ突出する被取付部とその本体部の後端から後方へ突出する被取付部とを設け、その各被取付部上にウェイトをそれぞれ積載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−40579号公報
【特許文献2】特開2009−263020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のリフト装置と上記特許文献2に記載のカーボディウェイトを共に有するクローラクレーンでは、リフト装置とカーボディウェイトとの干渉を回避しつつ、リフト装置の張り出し長さを大きくすることが困難である。
【0006】
具体的には、上記特許文献2のようにカーボディの本体部から前後にそれぞれ突出する被取付部が設けられていてその被取付部上にカーボディウェイトが搭載されている構成において、上記特許文献1のようにリフト装置がその格納位置でカーボディの幅方向内側へ向かって延びるように配置される場合には、リフト装置の張り出し長さが前記被取付部及びカーボディウェイトと干渉しないような長さに制限される。その結果、リフト装置によるカーボディの支持の安定性を向上することが困難となる。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リフト装置によるカーボディの支持の安定性の向上を図りつつ、カーボディの前後にウェイトを搭載してクローラクレーンの安定性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明者は、カーボディの前部を支持するための前側リフト装置を、その前側リフト装置がカーボディの本体部の前端から前方へ前側のウェイトの支持部に沿って延びるように配置される前側格納位置とカーボディの本体部の前端から前方へ向かうにつれて前側のウェイトの支持部から側方へ離反するように斜めに延びる前側支持位置との間でその基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるようにカーボディの本体部に取り付け、カーボディの後部を支持するための後側リフト装置を、その後側リフト装置がカーボディの本体部の後端から後方へ後側のウェイトの支持部に沿って延びるように配置される後側格納位置とカーボディの本体部の後端から後方へ向かうにつれて後側のウェイトの支持部から側方へ離反するように斜めに延びる前側支持位置との間でその基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるようにカーボディの本体部に取り付けることを思いついた。このように構成すれば、各リフト装置の張り出し長さを拡大したとしても、各リフト装置が対応するウェイト支持部又はその支持部上に積載されたウェイトと干渉するのを避けることができるため、リフト装置によるカーボディの支持の安定性の向上を図りつつ、カーボディの前後にウェイトを搭載してクレーンの安定性の向上を図ることができる。
【0009】
しかしながら、この構成では、カーボディの前後に搭載可能なウェイトのサイズが著しく制限され、クローラクレーンの安定性を十分に向上するために必要な重量分のウェイトをカーボディに搭載することが困難であるという問題点が依然存在する。
【0010】
具体的には、カーボディのウェイト支持部上に搭載するウェイトの高さは、当該ウェイトと上部旋回体との干渉を回避可能な高さに制限される。また、ウェイト支持部上に搭載するウェイトの横幅は、格納位置に配置されたときに支持部に沿うように配置されるリフト装置とウェイトとの干渉を回避可能な横幅に制限される。また、ウェイト支持部上に搭載するウェイトの前後方向の長さは、クレーン作業時に吊荷がウェイト支持部に接近したときにその吊荷とウェイトとが干渉しないようにウェイト支持部の先端からあまり突出しないような長さに制限される。以上のように、格納位置に配置されるリフト装置とウェイトとの干渉の回避、上部旋回体とウェイトとの干渉の回避及びクレーン作業時の吊荷とウェイトとの干渉の回避を考慮すると、カーボディの前後に搭載可能なウェイトのサイズが著しく制限され、クローラクレーンの安定性を十分に向上するために必要なカーボディウェイトの積載重量を確保できない。
【0011】
そこで、本願発明者は、このような問題点を解消するために以下のようなクローラクレーンを発明した。この発明によるクローラクレーンは、吊り作業を行うための作業装置を有する上部旋回体と、前記上部旋回体が上下方向に延びる旋回軸回りに旋回自在となるようにその上部旋回体を下から支持するカーボディと、前記カーボディの左右に分かれて配置され、前記クローラクレーンを走行させるために用いられる2つのクローラ装置と、前記クローラクレーンが設置される所定の設置面に対して前記カーボディを持ち上げるためのリフト機構と、前記カーボディに搭載され、そのカーボディを安定させるための複数のウェイトとを備え、前記複数のウェイトは、前記カーボディの前部に搭載される前側ウェイトと、前記カーボディの後部に搭載される後側ウェイトとを含み、前記カーボディは、前記上部旋回体を下から支持する本体部と、その本体部から前方に突出し、前記前側ウェイトを支持する前側ウェイト支持部と、その本体部から後方に突出し、前記後側ウェイトを支持する後側ウェイト支持部とを有し、前記リフト機構は、前記前側ウェイト支持部の左右に分かれて配置され、前記本体部の前部を前記設置面に対して支えるための前側左リフト装置及び前側右リフト装置と、前記後側ウェイト支持部の左右に分かれて配置され、前記本体部の後部を前記設置面に対して支えるための後側左リフト装置及び後側右リフト装置とを含み、前記前側左リフト装置及び前記前側右リフト装置は、前記本体部の前端部から前方へ前記前側ウェイト支持部に沿って延びるように配置される前側格納位置と前記本体部の前端部から前方へ向かうにつれて前記前側ウェイト支持部から側方へ離反するように斜めに延びる前側支持位置との間で各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように前記本体部に取り付けられ、前記後側左リフト装置及び前記後側右リフト装置は、前記本体部の後端部から後方へ前記後側ウェイト支持部に沿って延びるように配置される後側格納位置と前記本体部の後端部から後方へ向かうにつれて前記後側ウェイト支持部から側方へ離反するように斜めに延びる後側支持位置との間で各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように前記本体部に取り付けられ、前記前側ウェイトは、前記カーボディの左右方向の中心に対して右寄りに配置される前側右ウェイトと、前記カーボディの左右方向の中心に対して左寄りに配置される前側左ウェイトとを含み、前記前側ウェイト支持部は、前記前側右ウェイトが当該前側ウェイト支持部の右外側に配置されるとともに当該前側ウェイト支持部の前端部の位置から当該前側ウェイト支持部の右側面に沿って後方へ延びるように配置される作業時前側右ウェイト位置とその位置よりも前側でかつ前記前側格納位置にある前記前側右リフト装置よりも前側に位置する退避時前側右ウェイト位置との間で変位可能となるようにその前側右ウェイトを支持するとともに、前記前側左ウェイトが当該前側ウェイト支持部の左外側に配置されるとともに当該前側ウェイト支持部の前端部の位置から当該前側ウェイト支持部の左側面に沿って後方へ延びるように配置される作業時前側左ウェイト位置とその位置よりも前側でかつ前記前側格納位置にある前記前側左リフト装置よりも前側に位置する退避時前側左ウェイト位置との間で変位可能となるようにその前側左ウェイトを支持し、前記後側ウェイトは、前記カーボディの左右方向の中心に対して右寄りに配置される後側右ウェイトと、前記カーボディの左右方向の中心に対して左寄りに配置される後側左ウェイトとを含み、前記後側ウェイト支持部は、前記後側右ウェイトが当該後側ウェイト支持部の右外側に配置されるとともに当該後側ウェイト支持部の後端部の位置から当該後側ウェイト支持部の右側面に沿って前方へ延びるように配置される作業時後側右ウェイト位置とその位置よりも後側でかつ前記後側格納位置にある前記後側右リフト装置よりも後側に位置する退避時後側右ウェイト位置との間で変位可能となるようにその後側右ウェイトを支持するとともに、前記後側左ウェイトが当該後側ウェイト支持部の左外側に配置されるとともに当該後側ウェイト支持部の後端部の位置から当該後側ウェイト支持部の左側面に沿って前方へ延びるように配置される作業時後側左ウェイト位置とその位置よりも後側でかつ前記後側格納位置にある前記後側左リフト装置よりも後側に位置する退避時後側左ウェイト位置との間で変位可能となるようにその後側左ウェイトを支持する(請求項1)。
【0012】
このクローラクレーンでは、各リフト装置によるカーボディの支持の安定性の向上を図るために各リフト装置の張り出し長さを拡大したとしても、格納位置に配置された各リフト装置と対応するウェイトとの干渉、上部旋回体と各ウェイトとの干渉及びクレーン作業時の吊荷とウェイトとの干渉を回避しつつ、クレーンの安定性を十分に向上するために必要な重量分のウェイトをカーボディに搭載することができる。
【0013】
具体的には、このクローラクレーンでは、前側ウェイトとして前側ウェイト支持部の左右に分かれて配置可能な前側左ウェイトと前側右ウェイトが設けられており、それらの前側左ウェイトと前側右ウェイトの合計の重量でカーボディの前部に搭載すべきウェイトの重量を確保することができる。しかも、このクローラクレーンでは、前側右リフト装置と前側右ウェイトとの干渉及び前側左リフト装置と前側左ウェイトとの干渉を避けつつ、前側右リフト装置及び前側左リフト装置の張り出し長さを大きくすることができる。具体的には、張り出し長さの大きい前側右リフト装置及び前側左リフト装置を各々の前側格納位置に配置するときに前側右ウェイトを退避時前側右ウェイト位置に配置するとともに前側左ウェイトを退避時前側左ウェイト位置に配置すれば、前側右ウェイトは前側右リフト装置よりも前側に配置されるとともに前側左ウェイトは前側左リフト装置よりも前側に配置されるため、それら前側の両リフト装置と対応する前側ウェイトとは干渉しない。このため、前側の両リフト装置と対応する前側ウェイトとの干渉を避けつつ、前側の両リフト装置の張り出し長さを大きくすることができる。同様に、前側右ウェイト及び前側左ウェイトの左右方向の幅(横幅)を大きくしても、各前側リフト装置を前側格納位置に配置するときに前側右ウェイト及び前側左ウェイトを退避時のウェイト位置に配置すれば、それら両ウェイトと対応する前側リフト装置とが干渉しない。このため、前側の両リフト装置と対応する前側ウェイトとの干渉を避けつつ、前側の両ウェイトの左右方向の幅を確保することができる。また、前側右ウェイト及び前側左ウェイトは、それらの作業時ウェイト位置において前側ウェイト支持部の対応する側面に沿うように配置されるため、前側ウェイト支持部上に前側ウェイトを積載するような構成とウェイトの高さが同じであっても前側ウェイト支持部から上方への前側ウェイトの突出量を抑えることができる。このため、上部旋回体と前側右ウェイト及び前側左ウェイトとの干渉を回避しつつ、前側右ウェイト及び前側左ウェイトの高さを確保することができる。また、前側右ウェイト及び前側左ウェイトの前後方向の長さを大きくした場合でも、前側の両ウェイトはそれらの作業時ウェイト位置において前側ウェイト支持部の前端部の位置から後方へ延びるように配置されるため、クレーン作業時に吊荷が前側ウェイト支持部に接近してきたときにその吊荷が前側の両ウェイトと干渉するのを避けることができる。従って、クレーン作業時に吊荷と前側の両ウェイトとの干渉を回避しつつ、前側の両ウェイトの前後方向の長さを確保することができる。
【0014】
また、このクローラクレーンでは、上記した前側リフト装置、前側ウェイト支持部及び前側の左右ウェイトに関する作用と同様の作用により、後側左ウェイトと後側右ウェイトの合計の重量でカーボディの後部に搭載すべきウェイトの重量を確保することができ、後側の各リフト装置と左右方向の幅を確保した後側の各ウェイトとの干渉を回避しつつ後側の各リフト装置の張り出し長さを大きくすることができ、上部旋回体と後側の左右ウェイトとの干渉を回避しつつ後側の左右ウェイトの高さを確保することができ、吊荷と後側の左右ウェイトとの干渉を回避しつつ後側の左右ウェイトの前後方向の長さを確保することができる。従って、このクローラクレーンでは、格納位置に配置された各リフト装置と対応する各ウェイトとの干渉、上部旋回体と各ウェイトとの干渉及びクレーン作業時の吊荷と各ウェイトとの干渉を回避しつつ、各リフト装置の張り出し長さを拡大してカーボディの支持の安定性の向上を図るとともに、各ウェイトのサイズを確保してクレーンの安定性を十分に向上するために必要な重量分のウェイトをカーボディに搭載することができる。
【0015】
上記クレーンにおいて、前記前側ウェイト支持部は、前記前側右ウェイトが前記作業時前側右ウェイト位置と前記退避時前側右ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその前側右ウェイトを支持するとともに、前記前側左ウェイトが前記作業時前側左ウェイト位置と前記退避時前側左ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその前側左ウェイトを支持し、前記後側ウェイト支持部は、前記後側右ウェイトが前記作業時後側右ウェイト位置と前記退避時後側右ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその後側右ウェイトを支持するとともに、前記後側左ウェイトが前記作業時後側左ウェイト位置と前記退避時後側左ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその後側左ウェイトを支持することが好ましい(請求項2)。
【0016】
この構成では、各ウェイトを縦軸回りに回動させて作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させることができるので、各ウェイトの重量を支持することなく、各ウェイトを作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させることができる。このため、例えば作業者が各ウェイトを作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させる場合に各ウェイトを軽い力で変位させることができる。
【0017】
上記クローラクレーンにおいて、前記2つのクローラ装置は、前記本体部の右側に配置された右側クローラ装置と、前記本体部の左側に配置された左側クローラ装置とからなり、前記カーボディは、前記本体部から右方に突出し、前記右側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその右側クローラ装置を支持する右側アクスルと、前記本体部から左方に突出し、前記左側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその左側クローラ装置を支持する左側アクスルとを有し、前記退避時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトは、前記右側クローラ装置の前端よりも前側に位置し、前記退避時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトは、前記左側クローラ装置の前端よりも前側に位置し、前記退避時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトは、前記右側クローラ装置の後端よりも後側に位置し、前記退避時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトは、前記左側クローラ装置の後端よりも後側に位置することが好ましい(請求項3)。
【0018】
この構成によれば、前側右ウェイト、前側左ウェイト、後側右ウェイト及び後側左ウェイトのそれぞれの左右方向の幅を大きくしたとしても、クローラクレーンが狭所を走行する時やクローラクレーンの搬送時に左右のクローラ装置を本体部側へ寄せてクレーンの左右方向の幅を縮小させた場合にそれらのクローラ装置と対応する各ウェイトとが干渉するのを防ぐことができる。具体的には、この構成では、各クローラ装置を本体部側に寄せるときに各ウェイトをそれぞれの退避時ウェイト位置に配置すれば、前側の各ウェイトはクローラ装置の前端よりも前側に配置されるとともに後側の各ウェイトはクローラ装置の後端よりも後側に配置されるため、各ウェイトの左右方向の幅を大きくしたとしてもそれら各ウェイトと対応するクローラ装置との干渉を避けることができる。従って、この構成では、右側クローラ装置及び左側クローラ装置をカーボディの本体部に寄せてクレーンの左右方向の幅を縮小できるようにしつつ、その右側クローラ装置と前側右ウェイト及び後側右ウェイトとの干渉及び左側クローラ装置と前側左ウェイト及び後側左ウェイトとの干渉を避けるとともに、各ウェイトの左右方向の幅を確保することができる。
【0019】
上記2つのクローラ装置を備えたクローラクレーンにおいて、前記2つのクローラ装置は、前記本体部の右側に配置された右側クローラ装置と、前記本体部の左側に配置された左側クローラ装置とからなり、前記カーボディは、前記本体部から右方に突出し、前記右側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその右側クローラ装置を支持する右側アクスルと、前記本体部から左方に突出し、前記左側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその左側クローラ装置を支持する左側アクスルとを有し、前記作業時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトの前記前側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトの前記前側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも小さく、前記作業時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトの前記前側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトの前記前側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも小さく、前記作業時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトの前記後側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトの前記後側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも小さく、前記作業時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトの前記後側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトの前記後側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも小さいことが好ましい(請求項4)。
【0020】
この構成によれば、前側右ウェイト、前側左ウェイト、後側右ウェイト及び後側左ウェイトのそれぞれの左右方向の幅を大きくしたとしても、クローラクレーンが狭所を走行できるようにするために左右のクローラ装置を本体部側へ寄せた場合にそれらのクローラ装置と対応する各ウェイトとが干渉するのを防ぐことができる。具体的には、この構成では、各クローラ装置を本体部側に寄せるときに各ウェイトをそれぞれの退避時ウェイト位置に配置すれば、各ウェイトのウェイト支持部から側方への突出量が対応するクローラ装置とそのウェイト支持部の対応する側面との間の間隔よりも小さくなるため、各ウェイトの左右方向の幅を大きくしたとしてもそれら各ウェイトと対応するクローラ装置との干渉を避けることができる。従って、この構成では、右側クローラ装置及び左側クローラ装置をカーボディの本体部に寄せてクレーンが狭所を走行できるようにしつつ、その右側クローラ装置と前側右ウェイト及び後側右ウェイトとの干渉及び左側クローラ装置と前側左ウェイト及び後側左ウェイトとの干渉を避けるとともに、各ウェイトの左右方向の幅を確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、リフト装置によるカーボディの支持の安定性の向上を図りつつ、カーボディの前後にウェイトを搭載することによるクローラクレーンの安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態によるクローラクレーンの概略的な側面図である。
【図2】図1に示したクローラクレーンを構成する下部走行体の平面図である。
【図3】クローラクレーンの分解作業又は組立作業が実施される時に左右のクローラ装置がカーボディの本体部から最も外側に配置された状態での下部走行体の前部の部分的な平面図である。
【図4】図3に示した下部走行体のIV−IV線に沿った部分的な断面図である。
【図5】図3に示した下部走行体の前側ウェイト支持部及び前側ウェイトを前方から後方に向かって見た図である。
【図6】クローラクレーンの狭所走行時又は搬送時において左右のクローラ装置がカーボディの本体部側に最も寄せられた状態での下部走行体の前部の部分的な平面図である。
【図7】図6に示した下部走行体の前側ウェイト支持部及び前側ウェイトを前方から後方に向かって見た図である。
【図8】本発明の一実施形態の一変形例によるクローラクレーンの下部走行体の図3に対応する平面図である。
【図9】図8に示した変形例によるクローラクレーンの下部走行体の図6に対応する平面図である。
【図10】本発明の一実施形態の他の変形例によるクローラクレーンの下部走行体の図3に対応する平面図である。
【図11】図10に示した変形例によるクローラクレーンの下部走行体の図6に対応する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0024】
まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるクローラクレーンの構成について説明する。なお、以下の説明において、「前」とは、クローラクレーンの通常の走行時(前進時)における前方を意味し、「後」とは、クローラクレーンの通常の走行時における後方を意味する。また、「右」とは、クローラクレーンの前進方向に向かって右方を意味し、「左」とは、クローラクレーンの前進方向に向かって左方を意味する。
【0025】
本実施形態によるクローラクレーンは、図1に示すように、上部旋回体2と、下部走行体3とを備えている。
【0026】
上部旋回体2は、旋回フレーム4と、その旋回フレーム4上に搭載された作業装置6とを有する。作業装置6は、吊荷の吊り作業(クレーン作業)等を行うためのものである。具体的には、作業装置6は、ブーム8と、吊りロープ10と、フック装置12と、吊用ウィンチ14と、ガントリ16と、ガイライン18と、上部スプレッダ20と、下部スプレッダ22と、起伏ロープ24と、起伏用ウィンチ26とを有する。
【0027】
ブーム8は、旋回フレーム4の前部に起伏自在に取り付けられており、そのブーム8の先端から吊りロープ10を介して吊荷を吊るためのフック装置12が吊り下げられている。吊用ウィンチ14は、旋回フレーム4上に搭載されており、吊りロープ10の巻き取り/繰り出しを行うことによりフック装置12の巻き上げ/巻き下げを行う。ガントリ16は、旋回フレーム4の後部上に立設されている。ガイライン18は、その一端がブーム8の先端部に接続されており、その他端部が上部スプレッダ20と接続されている。下部スプレッダ22は、ガントリ16の上端部に設けられており、この下部スプレッダ22と上部スプレッダ20とは互いに離間して配置されている。上部スプレッダ20と下部スプレッダ22には、起伏ロープ24が掛け回されている。起伏用ウィンチ26は、旋回フレーム4上に搭載されており、起伏ロープ24の巻き取り/繰り出しを行うことにより下部スプレッダ22に対する上部スプレッダ20の離間距離を縮小/拡大させる。この両スプレッダ20,22間の離間距離の縮小/拡大に伴って、ブーム8が起伏される。
【0028】
下部走行体3は、上部旋回体2を旋回自在に下から支持するとともに走行を行うものである。具体的には、下部走行体3は、カーボディ32(図2参照)と、左側クローラ装置34と、右側クローラ装置36と、左側クローラ変位装置37と、右側クローラ変位装置38と、リフト機構39と、複数のウェイト40とを備えている。
【0029】
カーボディ32は、上部旋回体2が上下方向に延びる旋回軸回りに旋回自在となるようにその上部旋回体2の旋回フレーム4を下から支持するものである。このカーボディ32は、本体部42と、前側ウェイト支持部44と、後側ウェイト支持部46と、左側前アクスル48と、左側後アクスル50と、右側前アクスル52と、右側後アクスル54とを有する。
【0030】
本体部42は、上部旋回体2を下から支持する部分である。本体部42は、上向きに配置された旋回座42aを有している。上部旋回体2の旋回フレーム4は、この旋回座42aに上から搭載され、その旋回座42aによって前記旋回軸回りに旋回自在となるように保持される。
【0031】
前側ウェイト支持部44は、後述する前側左ウェイト72及び前側右ウェイト74を支持するための部分であり、本体部42の前端部から前方に突出している。この前側ウェイト支持部44は、所定の重量を有しており、後述するように前部のカーボディウェイトの一部としての機能を有する。この前側ウェイト支持部44は、前側ウェイト支持部本体44aと、2つの前側左支持ブラケット44bと、2つの前側右支持ブラケット44cと、前側左固定ブラケット44dと、前側右固定ブラケット44eとを有する。
【0032】
前側ウェイト支持部本体44aは、本体部42の前端部から前方に突出してカーボディ32の前後方向に沿って延び、その左右方向の中心位置がカーボディ32(本体部42)の左右方向の中心位置に一致するように配置されている。また、前側ウェイト支持部本体44aは、上から見て略長方形を呈し、かつ、その長手方向(前後方向)に垂直な断面が矩形状を呈するように形成されている。前側ウェイト支持部本体44aの長手方向に直交する左右方向の幅(横幅)は、本体部42の同方向における幅よりも小さい。前側ウェイト支持部本体44aは、カーボディ32の前後方向に延びる左側面44g及び右側面44hを有している。また、前側ウェイト支持部本体44aの前端、すなわち前側ウェイト支持部44の前端は、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36がカーボディ32に装着された状態でそれら両クローラ装置34,36の前端よりも後側に位置する。
【0033】
2つの前側左支持ブラケット44b(図5参照)は、前側左ウェイト72が取り付けられる部分である。この2つの前側左支持ブラケット44bは、前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gの前端部から左方に突出するように設けられており、当該左側面44gの前端部の上端部と下端部とに分かれて配設されている。各前側左支持ブラケット44bは、水平に配置された平板状に形成されており、上下に貫通する貫通穴を有している。
【0034】
2つの前側右支持ブラケット44cは、前側右ウェイト74が取り付けられる部分である。この2つの前側右支持ブラケット44cの構成は、前記2つの前側左支持ブラケット44bを左右反転させて前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hに設けた構成となっている。
【0035】
前側左固定ブラケット44d(図4参照)は、前側左ウェイト72が後述する作業時前側左ウェイト位置に配置されたときにその位置で前側左ウェイト72を固定するためのものである。この前側左固定ブラケット44dは、前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gの前後方向の中間部の上端部から左方に突出するように設けられている。前側左固定ブラケット44dは、水平に配置された平板状に形成されており、上下に貫通する貫通穴を有している。
【0036】
前側右固定ブラケット44e(図6参照)は、前側右ウェイト74が後述する作業時前側右ウェイト位置に配置されたときにその位置で前側右ウェイト74を固定するためのものである。この前側右固定ブラケット44eの構成は、前記前側左固定ブラケット44dを左右反転させて前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hに設けた構成となっている。
【0037】
後側ウェイト支持部46は、後述する後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78を支持するための部分であり、本体部42の後端部から後方に突出している。この後側ウェイト支持部46は、所定の重量を有しており、後述するように後部のカーボディウェイトの一部としての機能を有する。この後側ウェイト支持部46は、前記前側ウェイト支持部44を本体部42の後端から後方へ延びるように配置したものと同様の構成を有する。具体的には、後側ウェイト支持部46は、前記前側ウェイト支持部本体44aに対応する後側ウェイト支持部本体46aと、前記2つの前側左支持ブラケット44bに対応する図略の2つの後側左支持ブラケットと、前記2つの前側右支持ブラケット44cに対応する図略の2つの後側右支持ブラケットと、前記前側左固定ブラケット44dに対応する図略の後側左固定ブラケットと、前記前側右固定ブラケット44eに対応する図略の後側右固定ブラケットとを有する。後側ウェイト支持部本体46aは、前記前側ウェイト支持部本体44aの左側面44g及び右側面44hに対応する左側面46g及び右側面46hを有する。また、後側ウェイト支持部本体46aの後端は、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36がカーボディ32に装着された状態でそれら両クローラ装置34,36の後端よりも前側に位置する。2つの後側左支持ブラケットは、後側左ウェイト76が取り付けられる部分であり、2つの後側右支持ブラケットは、後側右ウェイト78が取り付けられる部分である。後側左固定ブラケットは、後側左ウェイト76が作業時後側左ウェイト位置に配置されたときにその位置で後側左ウェイト76を固定するためのものであり、後側右固定ブラケットは、後側右ウェイト78が作業時後側右ウェイト位置に配置されたときにその位置で後側右ウェイトを固定するためのものである。
【0038】
左側前アクスル48及び左側後アクスル50は、左側クローラ装置34を支持するものであり、本体部42から左方に突出してカーボディ32の左右方向(幅方向)に沿って延びている。左側前アクスル48は、本体部42の前部から左方に突出しており、左側後アクスル50は、本体部42の後部から左方に突出している。左側前アクスル48及び左側後アクスル50は、左側クローラ装置34が左右方向に変位可能となるように当該左側クローラ装置34を支持する。
【0039】
右側前アクスル52及び右側後アクスル54は、右側クローラ装置36を支持するものであり、本体部42から右方に突出してカーボディ32の左右方向(幅方向)に沿って延びている。右側前アクスル52は、本体部42の前部から右方に突出しており、右側後アクスル54は、本体部42の後部から右方に突出している。右側前アクスル52は、左側前アクスル48と同一直線上に延びており、カーボディ32の左右方向の中心線に対して左側前アクスル48と対称となるように構成されている。また、右側後アクスル54は、左側後アクスル50と同一直線上に延びており、カーボディ32の左右方向の中心線に対して左側後アクスル50と対称となるように構成されている。そして、右側前アクスル52及び右側後アクスル54は、右側クローラ装置36が左右方向に変位可能となるように当該右側クローラ装置36を支持する。
【0040】
左側クローラ装置34と右側クローラ装置36は、クローラクレーンを走行させるために用いられるものであり、カーボディ32の左右に分かれて配置されている。左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36は、カーボディ32の前後方向に延びており、互いに等しい長さを有している。カーボディ32の前後方向における両クローラ装置34,36の前端の位置は、互いに同じ位置であり、カーボディ32の前後方向における両クローラ装置34,36の後端の位置は、互いに同じ位置である。左側クローラ装置34は、左側前アクスル48及び左側後アクスル50に沿ってカーボディ32の左右方向に移動可能となるようにそれら両アクスル48,50に支持される図略の左側クローラフレームと、その左側クローラフレームの周りを周回移動可能となるように当該左側クローラフレームに取り付けられる左側クローラベルト34bと、左側クローラベルト34bを周回移動させるための図略の左側駆動機構とを有する。右側クローラ装置36は、左側クローラ装置34と同様の構成を有しており、前記左側クローラフレームに対応する右側クローラフレーム36aと、前記左側クローラベルト34bに対応する右側クローラベルト36bと、前記左側駆動機構に対応する右側駆動機構とを有する。クローラクレーンの走行時には、各駆動機構によって対応する各クローラベルト34b,36bが周回移動させられることによりクローラクレーンの走行が行われる。
【0041】
左側クローラ変位装置37は、左側クローラ装置34を左側前アクスル48及び左側後アクスル50に沿って左右方向に変位させるものである。この左側クローラ変位装置37は、左側前アクスル48と左側後アクスル50との間の領域において本体部42と左側クローラフレームとの間に架設され、カーボディ32の左右方向に伸縮することにより左側クローラフレームを本体部42の左側端に対して離反/接近させる油圧シリンダからなる。
【0042】
右側クローラ変位装置38は、右側クローラ装置36を右側前アクスル52及び右側後アクスル54に沿って左右方向に変位させるものである。この右側クローラ変位装置38は、右側前アクスル52と右側後アクスル54との間の領域において本体部42と右側クローラフレーム36aとの間に架設され、カーボディ32の左右方向に伸縮することにより右側クローラフレーム36aを本体部42の右側端に対して離反/接近させる油圧シリンダからなる。
【0043】
クローラクレーンにおいて吊り作業が実施される時には、左右のクローラ変位装置37,38により左右のクローラ装置34,36が本体部42から左右方向(幅方向)において最も外側に離れた位置(図2及び図3参照)に配置される。一方、クローラクレーンの狭所走行時又は搬送時には、左右のクローラ変位装置37,38により左右のクローラ装置34,36が本体部42側に最も寄った位置(図6参照)に配置される。
【0044】
リフト機構39は、クローラクレーンが設置される設置面に対してカーボディ32を持ち上げるためのものである。リフト機構39は、カーボディ32の本体部42から張り出す、前側左リフト装置58、前側右リフト装置60、後側左リフト装置62及び後側右リフト装置64を備えている。
【0045】
前側左リフト装置58と前側右リフト装置60は、カーボディ32の本体部42の前部を設置面に対して持ち上げて支えるためのものである。これら前側左リフト装置58と前側右リフト装置60は、前側ウェイト支持部44の左右に分かれて配置されている。前側左リフト装置58及び前側右リフト装置60は、各々の前側格納位置と前側支持位置と前側吊作業時位置とを取り得るように各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように本体部42の前端部に取り付けられている。
【0046】
前側左リフト装置58と前側右リフト装置60は、例えばクローラクレーンの走行時や搬送時等に各々の前側格納位置(図6参照)に配置される。前側左リフト装置58は、その前側格納位置では上方から見て本体部42の前端部から前方へ前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gに沿って延びるように配置され、前側右リフト装置60は、その前側格納位置では上方から見て本体部42の前端部から前方へ前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hに沿って延びるように配置される。前側左リフト装置58及び前側右リフト装置60は、前側格納位置では本体部42の前部を設置面に対して持ち上げない。
【0047】
また、前側左リフト装置58と前側右リフト装置60は、クローラクレーンの分解時や組立時、具体的には左側アクスル48,50に対する左側クローラ装置34の着脱と右側アクスル52,54に対する右側クローラ装置36の着脱を実施する時等に、本体部42の前部を設置面に対して持ち上げて支えるための各々の前側支持位置(図3参照)に配置される。前側左リフト装置58は、その前側支持位置では上方から見て本体部42の前端部から前方へ向かうにつれて前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gから左側方へ徐々に離反するように斜めに延び、前側右リフト装置60は、その前側支持位置では上方から見て本体部42の前端部から前方へ向かうにつれて前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hから右側方へ徐々に離反するように斜めに延びる。
【0048】
また、前側左リフト装置58と前側右リフト装置60は、クローラクレーンにおいて吊荷の吊り作業が実施される時に、各々の前側吊作業時位置(図示せず)に配置される。前側左リフト装置58は、その前側吊作業時位置では左側前アクスル48の前面に沿って左方へ延び、前側右リフト装置60は、その前側吊作業時位置では右側前アクスル52の前面に沿って右方へ延びる。前側左リフト装置58及び前側右リフト装置60は、前側吊作業時位置では本体部42の前部を設置面に対して持ち上げない。
【0049】
前側左リフト装置58は、アーム58aと、油圧シリンダ58bと、接地部材58cとを有する。アーム58aは、本体部42の前端部から水平に張り出すように設けられる部材であり、その基端部が本体部42の前端部のうち前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gに隣接した部位に取り付けられている。このアーム58aの基端部は、上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるように本体部42の前端部に取り付けられている。油圧シリンダ58bは、アーム58aの先端部に設けられている。前側左リフト装置58が前側支持位置に配置されて本体部42の前部を設置面に対して持ち上げるときには、この油圧シリンダ58bは、設置面に対して垂直に配置され、当該油圧シリンダ58bの図略のロッド部の下端に接地部材58cが取り付けられる。また、油圧シリンダ58bは、アーム58aの上面に沿うように配置することも可能となっており、前側左リフト装置58が前側格納位置に配置されるときには、油圧シリンダ58bのロッド部から接地部材58cを取り外した後、その油圧シリンダ58bを収縮させた状態でアーム58aの上面に沿うように配置する。
【0050】
前側右リフト装置60は、前側左リフト装置58と同様に構成されており、前記アーム58aに対応するアーム60aと、前記油圧シリンダ58bに対応する油圧シリンダ60bと、前記接地部材58cに対応する接地部材60cとを有する。
【0051】
後側左リフト装置62と後側右リフト装置64は、本体部42の後部を設置面に対して持ち上げて支えるためのものである。これら後側左リフト装置62と後側右リフト装置64は、後側ウェイト支持部46の左右に分かれて配置されている。後側左リフト装置62及び後側右リフト装置64は、各々の後側格納位置と後側支持位置と後側吊作業時位置とを取り得るように各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように本体部42の後端部に取り付けられている。
【0052】
後側左リフト装置62と後側右リフト装置64は、例えばクローラクレーンの走行時や搬送時等に各々の後側格納位置に配置される。後側左リフト装置62は、その後側格納位置では本体部42の後端部から後方へ後側ウェイト支持部本体46aの左側面46gに沿って延びるように配置され、後側右リフト装置64は、その後側格納位置では本体部42の後端部から後方へ後側ウェイト支持部本体46aの右側面46hに沿って延びるように配置される。後側左リフト装置62及び後側右リフト装置64は、後側格納位置では本体部42の後部を設置面に対して持ち上げない。
【0053】
また、後側左リフト装置62と後側右リフト装置64は、クローラクレーンの分解時や組立時、具体的には左側アクスル48,50に対する左側クローラ装置34の着脱と右側アクスル52,54に対する右側クローラ装置36の着脱を実施する時等に、本体部42の後部を設置面に対して持ち上げて支えるための各々の後側支持位置に配置される。後側左リフト装置62は、その後側支持位置では上方から見て本体部42の後端部から後方へ向かうにつれて後側ウェイト支持部本体46aの左側面46gから左側方へ徐々に離反するように斜めに延び、後側右リフト装置64は、その後側支持位置では上方から見て本体部42の後端部から後方へ向かうにつれて後側ウェイト支持部本体46aの右側面46hから右側方へ徐々に離反するように斜めに延びる。
【0054】
また、後側左リフト装置62と後側右リフト装置64は、クローラクレーンにおいて吊荷の吊り作業が実施される時に、各々の後側吊作業時位置(図示せず)に配置される。後側左リフト装置62は、その後側吊作業時位置では左側後アクスル50の後面に沿って左方へ延び、後側右リフト装置64は、その後側吊作業時位置では右側後アクスル54の後面に沿って右方へ延びる。後側左リフト装置62及び後側右リフト装置64は、後側吊作業時位置では本体部42の後部を設置面に対して持ち上げない。
【0055】
後側左リフト装置62と後側右リフト装置64の具体的な構造は、前記前側左リフト装置58と前記前側右リフト装置60の構造と同様である。
【0056】
クローラクレーンの分解や組立(クローラ装置34,36の着脱)が実施されるときには、各リフト装置58,60,62,64が各々の支持位置に配置されるとともに、その各リフト装置58,60,62,64の油圧シリンダが設置面に対して垂直に配置される。そして、それらの油圧シリンダのロッド部の下端に接地部材が取り付けられ、その状態で各油圧シリンダが同様に伸長することにより各接地部材が設置面に接触し、その後、さらに各油圧シリンダが同様に伸長することによってカーボディ32が設置面に対して持ち上げられる。
【0057】
複数のウェイト40は、カーボディ32を安定させるために当該カーボディ32に搭載されるものである。なお、これらのウェイト40と前記前側ウェイト支持部44及び前記後側ウェイト支持部46とによって、カーボディウェイトが構成されている。複数のウェイト40は、前側左ウェイト72、前側右ウェイト74、後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78によって構成される。これら各ウェイト72,74,76,78は、等しい重量を有している。前側左ウェイト72及び前側右ウェイト74と前記前側ウェイト支持部44とによって、カーボディ32の前部のカーボディウェイトが構成されており、後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78と前記後側ウェイト支持部46とによって、カーボディ32の後部のカーボディウェイトが構成されている。
【0058】
前側左ウェイト72は、カーボディ32の左右方向の中心に対して左寄りに位置するように前側ウェイト支持部44に搭載されており、前側右ウェイト74は、カーボディ32の左右方向の中心に対して右寄りに位置するように前側ウェイト支持部44に搭載されている。また、後側左ウェイト76は、カーボディ32の左右方向の中心に対して左寄りに位置するように後側ウェイト支持部46に搭載されており、後側右ウェイト78は、カーボディ32の左右方向の中心に対して右寄りに位置するように後側ウェイト支持部46に搭載されている。
【0059】
具体的には、前側ウェイト支持部44は、前側左ウェイト72が上下方向に延びる縦軸回りに作業時前側左ウェイト位置(図3参照)と退避時前側左ウェイト位置(図6参照)との間で回動可能となるようにその前側左ウェイト72を支持するとともに、前側右ウェイト74が上下方向に延びる縦軸回りに作業時前側右ウェイト位置(図3参照)と退避時前側右ウェイト位置(図6参照)との間で回動可能となるようにその前側右ウェイト74を支持している。
【0060】
作業時前側左ウェイト位置は、前側左ウェイト72が前側ウェイト支持部44の左外側に配置されるとともに前側ウェイト支持部44の前端部の位置から前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gに沿って後方へ延びるように配置される位置である。この作業時前側左ウェイト位置では、前側左ウェイト72は、左側クローラ装置34の前端よりも後側に配置される。また、作業時前側左ウェイト位置に配置された前側左ウェイト72の後部は、前側支持位置に配置された前側左リフト装置58と前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gとの間のスペースに配置される。前側左ウェイト72は、クローラクレーンの分解時や組立時、吊荷の吊り作業時等にこの作業時前側左ウェイト位置に配置される。退避時前側左ウェイト位置は、前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置よりも前側でかつ前側格納位置にある前側左リフト装置58よりも前側に配置される位置であって、作業時前側左ウェイト位置から180度前方に回動した位置である。この退避時前側左ウェイト位置では、前側左ウェイト72の後述する前側左ウェイト本体72aは、前側ウェイト支持部44の前端の前方に配置され、それに伴って、前側ウェイト支持部44の左外側にスペースが確保される。前側左ウェイト72は、クローラクレーンの走行時や搬送時等にこの退避時前側左ウェイト位置に配置される。
【0061】
また、作業時前側右ウェイト位置は、前側右ウェイト74が前側ウェイト支持部44の右外側に配置されるとともに前側ウェイト支持部44の前端部の位置から前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hに沿って後方へ延びるように配置される位置である。この作業時前側右ウェイト位置では、前側右ウェイト74は、右側クローラ装置36の前端よりも後側に配置される。また、作業時前側右ウェイト位置に配置された前側右ウェイト74の後部は、前側支持位置に配置された前側右リフト装置60と前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hとの間のスペースに配置される。前側右ウェイト74は、クローラクレーンの分解時や組立時、吊荷の吊り作業時等にこの作業時前側右ウェイト位置に配置される。退避時前側右ウェイト位置は、前側右ウェイト74が作業時前側右ウェイト位置よりも前側でかつ前側格納位置にある前側右リフト装置60よりも前側に配置される位置であって、作業時前側右ウェイト位置から180度前方に回動した位置である。この退避時前側右ウェイト位置では、前側右ウェイト74の後述する前側右ウェイト本体74aは、前側ウェイト支持部44の前端の前方に配置され、それに伴って、前側ウェイト支持部44の右外側にスペースが確保される。前側右ウェイト74は、クローラクレーンの走行時や搬送時等にこの退避時前側右ウェイト位置に配置される。退避時前側左ウェイト位置に配置された前側左ウェイト72と退避時前側右ウェイト位置に配置された前側右ウェイト74は、その前側左ウェイト72の右側面と前側右ウェイト74の左側面とが近接した状態でカーボディ32の左右方向(幅方向)の中心位置を境に互いに向き合うように配置される。
【0062】
前側左ウェイト72は、前側左ウェイト本体72aと、2つの前側左ウェイト取付ブラケット72bと、前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cと、前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dとを有する。
【0063】
前側左ウェイト本体72aは、前側左ウェイト72の大部分を占めるものであり、略直方体状に形成された重量物である。
【0064】
2つの前側左ウェイト取付ブラケット72b(図5参照)は、前記2つの前側左支持ブラケット44bの対応するものに取り付けられる部分である。この2つの前側左ウェイト取付ブラケット72bは、前側左ウェイト本体72aのうち前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置に配置されたときに前方を向く面において右端部となる部位に設けられており、その部位の上端部と下端部とに分かれて配設されている。各前側左ウェイト取付ブラケット72bは、水平に配置された平板状に形成され、互いに上下に僅かに離間して配置された2枚のブラケット板72gからなる。各ブラケット板72gには、互いに対応する位置に上下に貫通する貫通穴が設けられている。各前側左ウェイト取付ブラケット72bの2枚のブラケット板72gの間には、前記2つの前側左支持ブラケット44bのうちの対応するものが挿入され、その状態で各前側左ウェイト取付ブラケット72bの2枚のブラケット板72gに設けられた貫通穴とその2枚のブラケット板72g間に挿入された前側左支持ブラケット44bに設けられた貫通穴にウェイト支持ピン72hがそれぞれ挿入されている。前側左ウェイト72は、ウェイト支持ピン72hを軸として前記作業時前側左ウェイト位置と前記退避時前側左ウェイト位置との間で回動可能となっている。
【0065】
ウェイト支持ピン72hの上端部は、それよりも下の部位に比べて拡径されており、上側のブラケット板72gの上側に配置されている。このウェイト支持ピン72hの上端部の外径は、前側左支持ブラケット44bに設けられた貫通穴及び各ブラケット板72gに設けられた貫通穴よりも大径となっており、ウェイト支持ピン72hがそれらの貫通穴を通じて下方に脱落しないようになっている。また、ウェイト支持ピン72hの下端部は、下側のブラケット板72gから下方に突出しており、その下端部には、径方向に貫通する穴部が設けられている。この穴部には、抜け止め部材72iの所定の部位が挿嵌されている。この抜け止め部材72iにより、前記2枚のブラケット板72gの貫通穴及び前側左支持ブラケット44bの貫通穴に挿入されたウェイト支持ピン72hがそれらの貫通穴から上方へ抜け出るのが防止される。なお、抜け止め部材72iは、ウェイト支持ピン72hに対して着脱可能となっている。抜け止め部材72iをウェイト支持ピン72hから取り外せば、ウェイト支持ピン72hをそれが挿入された前記各貫通穴から上方へ抜き出すことが可能である。そして、ウェイト支持ピン72hを前記各貫通穴から抜き出せば、前側左ウェイト72を前側左支持ブラケット44bから取り外すことが可能となる。
【0066】
前側左ウェイト作業時固定ブラケット72c(図4参照)は、前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置に配置されたときにウェイト固定ピン72kを介して前記前側左固定ブラケット44dに連結されるものである。この前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cは、前側左ウェイト本体72aのうち前記前側左ウェイト取付ブラケット72bが設けられた面と反対側の面、すなわち、前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置に配置されたときに後方を向く面において右端部となる部位の上端部に設けられている。前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cは、水平に配置された平板状に形成され、互いに上下に僅かに離間して配置された2枚のブラケット板72nからなる。各ブラケット板72nには、互いに対応する位置に上下に貫通する貫通穴が設けられている。前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置に配置されたときには、前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cの2枚のブラケット板72nの間に前記前側左固定ブラケット44dが挿入される。その状態で、各ブラケット板72nに設けられた貫通穴と前側左固定ブラケット44dに設けられた貫通穴とにウェイト固定ピン72kが挿入されることによって、前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cと前側左固定ブラケット44dとが連結され、前側左ウェイト72が作業時前側左ウェイト位置で固定される。ウェイト固定ピン72kの構成は、前記ウェイト支持ピン72hの構成と同様である。このウェイト固定ピン72kは、前記抜け止め部材72iと同様の抜け止め部材72pによって当該ウェイト固定ピン72kが挿入された貫通穴から抜け止めされる。
【0067】
前側左ウェイト退避時固定ブラケット72d(図7参照)は、前側左ウェイト72が退避時前側左ウェイト位置に配置されたときに後述する前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dに連結されるものである。この前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dは、前側左ウェイト本体72aのうち前側左ウェイト72が退避時前側左ウェイト位置に配置されたときに前方を向く面(前記前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cが設けられた面と同じ面)において右端部となる部位の上端部に設けられている。前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dは、水平に配置された平板状に形成され、互いに上下に僅かに離間して配置された2枚のブラケット板72qからなる。各ブラケット板72qには、互いに対応する位置に上下に貫通する貫通穴が設けられている。
【0068】
前側右ウェイト74は、前側右ウェイト本体74aと、2つの前側右ウェイト取付ブラケット74bと、前側右ウェイト作業時固定ブラケット74cと、前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dとを有する。前側右ウェイト本体74a、2つの前側右ウェイト取付ブラケット74b及び前側右ウェイト作業時固定ブラケット74cは、前記前側左ウェイト本体72a、前記2つの前側左ウェイト取付ブラケット72b及び前記前側左ウェイト作業時固定ブラケット72cと左右対称となるように配置されていること以外はそれらと同様の機能及び構成を有するものである。2つの前側右ウェイト取付ブラケット74b(図5参照)は、前記2つの前側右支持ブラケット44cの対応するものにウェイト支持ピン74hを介してそれぞれ取り付けられ、各ウェイト支持ピン74hは、前記抜け止め部材72iと同様の抜け止め部材74iによって、それが挿入された前側右ウェイト取付ブラケット74bの貫通穴及び前側右支持ブラケット44cの貫通穴から抜け出ないように抜け止めされている。前側右ウェイト作業時固定ブラケット74cは、前側右ウェイト74が作業時前側右ウェイト位置に配置されたときにウェイト固定ピンを介して前記前側右固定ブラケット44eに連結される。
【0069】
前側右ウェイト退避時固定ブラケット74d(図7参照)は、前側右ウェイト74が退避時前側右ウェイト位置に配置されたときにウェイト固定ピン75aを介して前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dに連結される。前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dは、前側右ウェイト本体74aのうち前側右ウェイト74が退避時前側右ウェイト位置に配置されたときに前方を向く面において左端部となる部位の上端部に設けられている。前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dは、水平に配置された平板状に形成されており、上下に貫通する貫通穴を有する。
【0070】
前側左ウェイト72が退避時前側左ウェイト位置に配置されるとともに前側右ウェイト74が退避時前側右ウェイト位置に配置されたときには、前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dの2枚のブラケット板72qの間に前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dが挿入される。その状態で、前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dの2枚のブラケット板72qに設けられた貫通穴と前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dに設けられた貫通穴とにウェイト固定ピン75aが挿入され、それによって前側左ウェイト退避時固定ブラケット72dと前側右ウェイト退避時固定ブラケット74dとが連結され、前側左ウェイト72が退避時前側左ウェイト位置で固定されるとともに前側右ウェイト74が退避時前側右ウェイト位置で固定される。また、ウェイト固定ピン75aは、前記抜け止め部材72iと同様の抜け止め部材75bによってそれら挿入された貫通穴から抜け出ないように抜け止めされる。
【0071】
後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78の構成は、前記前側右ウェイト72及び前記前側右ウェイト74の構成と同様である。また、後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78は、前側ウェイト支持部44に対する前側左ウェイト72及び前側右ウェイト74の取付構造と同様の取付構造で後側ウェイト支持部46に対して取り付けられている。このため、後側左ウェイト76及び後側右ウェイト78の構成及びそれら両ウェイト76,78の後側ウェイト支持部46に対する取付構造についての説明は省略する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、前側ウェイト支持部44に前側左ウェイト72と前側右ウェイト74が搭載されているため、それら両ウェイト72,74の合計重量でカーボディ32の前部に搭載すべきウェイトの重量を確保することができる一方、後側ウェイト支持部46に後側左ウェイト76と後側右ウェイト78が搭載されているため、それら両ウェイト76,78の合計重量でカーボディ32の後部に搭載すべきウェイトの重量を確保することができる。
【0073】
しかも、本実施形態では、張り出し長さの大きい前側左リフト装置58及び前側右リフト装置60を各々の前側格納位置に配置するときに前側左ウェイト72を退避時前側左ウェイト位置に配置するとともに前側右ウェイト74を退避時前側右ウェイト位置に配置すれば、前側左ウェイト72は前側左リフト装置58よりも前側に配置されるとともに前側右ウェイト74は前側右リフト装置60よりも前側に配置されるため、それら前側の両リフト装置58,60と対応する前側の左右のウェイト72,74とは干渉しない。このため、前側の両リフト装置58,60と対応する前側の左右のウェイト72,74との干渉を避けつつ、前側の両リフト装置58,60の本体部42からの張り出し長さを大きくすることができる。また、同様の作用により、後側の両リフト装置62,64と対応する後側の左右のウェイト76,78との干渉を避けつつ、後側の両リフト装置62,64の本体部42からの張り出し長さを大きくすることができる。
【0074】
また、本実施形態では、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅(横幅)を大きくしても、各リフト装置58,60,62,64を各々の格納位置に配置するときに各ウェイト72,74,76,78を各々の退避時ウェイト位置に配置すれば、それら各ウェイト72,74,76,78と対応する各リフト装置58,60,62,64との干渉を回避することができる。
【0075】
また、本実施形態では、前側の左右のウェイト72,74は、各々の作業時ウェイト位置において前側ウェイト支持部本体44aの対応する側面に沿うように配置され、後側の左右のウェイト76,78は、各々の作業時ウェイト位置において後側ウェイト支持部本体46aの対応する側面に沿うように配置されるため、前側のウェイト72,74の高さが前側ウェイト支持部上に前側ウェイトを積載するような構成における前側ウェイトの高さと等しく、後側のウェイト76,78の高さが後側ウェイト支持部上に後側ウェイトを積載するような構成における後側ウェイトの高さと等しい場合であっても、前側ウェイト支持部44の上面から上方への前側のウェイト72,74の突出量及び後側ウェイト支持部46の上面から上方への後側のウェイト76,78の突出量を抑えることができる。このため、上部旋回体2と各ウェイト72,74,76,78との干渉を回避しつつ、各ウェイト72,74,76,78の高さを確保することができる。
【0076】
また、本実施形態では、各ウェイト72,74,76,78の前後方向の長さを大きくしても、前側の左右のウェイト72,74は、各々の作業時ウェイト位置に配置されれば前側ウェイト支持部44の前端部の位置から後方へ延びるように配置され、後側の左右のウェイト76,78は、各々の作業時ウェイト位置に配置されれば後側ウェイト支持部46の後端部の位置から前方へ延びるように配置されるため、吊り作業時に本体部42側に接近する吊荷と各ウェイト72,74,76,78との干渉を回避することができる。その結果、吊荷と各ウェイト72,74,76,78との干渉を回避しつつ、各ウェイト72,74,76,78の前後方向の長さを確保することができる。
【0077】
従って、本実施形態では、格納位置に配置された各リフト装置58,60,62,64と対応する各ウェイト72,74,76,78との干渉、上部旋回体2と各ウェイト72,74,76,78との干渉及びクレーン作業時の吊荷と各ウェイト72,74,76,78との干渉を回避しつつ、各リフト装置58,60,62,64の張り出し長さを拡大してカーボディ32の支持の安定性の向上を図るとともに、各ウェイト72,74,76,78のサイズを確保してクレーンの安定性を十分に向上するために必要な重量分のウェイトをカーボディ32に搭載することができる。
【0078】
また、本実施形態では、各ウェイト72,74,76,78を縦軸回りに回動させて各々の作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させることができるため、各ウェイト72,74,76,78の重量を支持することなく、各ウェイト72,74,76,78を作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させることができる。このため、例えば作業者が各ウェイト72,74,76,78を作業時ウェイト位置と退避時ウェイト位置との間で変位させる場合に各ウェイト72,74,76,78を軽い力で変位させることができる。
【0079】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0080】
例えば、上記実施形態の一変形例として、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅を上記実施形態の場合よりも大きくしてもよい(図8及び図9参照)。そして、この場合には、前側左ウェイト72を作業時前側左ウェイト位置に配置したとき(図8参照)の前側ウェイト支持部本体44aから左方への前側左ウェイト72の突出量が左側クローラ装置34を最も本体部42寄りに配置したとき(図9参照)のその左側クローラ装置34と前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gとの間の間隔よりも大きくてもよく、前側右ウェイト74を作業時前側右ウェイト位置に配置したとき(図8参照)の前側ウェイト支持部本体44aから右方への前側右ウェイト74の突出量が右側クローラ装置36を最も本体部42寄りに配置したとき(図9参照)のその右側クローラ装置36と前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hとの間の間隔よりも大きくてもよい。同様に、後側左ウェイト76を作業時後側左ウェイト位置に配置したときの後側ウェイト支持部本体46aから左方への突出量が左側クローラ装置34を最も本体部42寄りに配置したときのその左側クローラ装置34と後側ウェイト支持部本体46aの左側面との間の間隔よりも大きくてもよく、後側右ウェイト78を作業時後側右ウェイト位置に配置したときの後側ウェイト支持部本体46aから右方への後側右ウェイト78の突出量が右側クローラ装置36を最も本体部42寄りに配置したときのその右側クローラ装置36と後側ウェイト支持部本体46aの右側面との間の間隔よりも大きくてもよい。
【0081】
この変形例において、各ウェイト72,74,76,78を各々の退避時ウェイト位置(図9参照)に配置すれば、前側ウェイト支持部本体44aの左側面44gから左方への前側左ウェイト72の突出量及び後側ウェイト支持部本体46aの左側面46gから左方への後側左ウェイト76の突出量は、左側クローラ装置34を最も本体部42寄りに配置したときのその左側クローラ装置34と前側ウェイト支持部本体44aの左側面44g及び後側ウェイト支持部本体46aの左側面46gとの間の間隔よりも小さくなり、前側ウェイト支持部本体44aの右側面44hから右方への前側右ウェイト74の突出量及び後側ウェイト支持部本体46aの右側面46hから右方への後側右ウェイト78の突出量は、右側クローラ装置36を最も本体部42寄りに配置したときのその右側クローラ装置36と前側ウェイト支持部本体44aの右側面44h及び後側ウェイト支持部本体46aの右側面46hとの間の間隔よりも小さくなる。このため、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅を大きくしたとしても、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36をカーボディ32の本体部42側に寄せるときに各ウェイト72,74,76,78を各々の退避時ウェイト位置に配置すれば、前側左ウェイト72及び後側左ウェイト76と左側クローラ装置34との干渉を避けることができるとともに前側右ウェイト74及び後側右ウェイト78と右側クローラ装置36との干渉を避けることができる。従って、この変形例では、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36をカーボディ32の本体部42に寄せてクローラクレーンの左右方向の幅を縮小できるようにしつつ、その左側クローラ装置34と前側左ウェイト72及び後側左ウェイト76との干渉及び右側クローラ装置36と前側右ウェイト74及び後側右ウェイト78との干渉を避けるとともに、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅を拡大してそれらのウェイトの重量の増大によるクレーンの安定効果の向上を図ることができる。
【0082】
また、上記実施形態の他の変形例として、前側ウェイト支持部44の前端の位置がクローラ装置34,36の前端よりも前側に位置し(図10及び図11参照)、後側ウェイト支持部46の後端の位置がクローラ装置34,36の後端の位置よりも後側に位置していてもよい。この場合には、各ウェイト72,74,76,78を各々の退避時ウェイト位置(図11参照)に配置すれば、前側の左右のウェイト72,74がクローラ装置34,36の前端よりも前側に配置されるとともに後側の左右のウェイト76,78がクローラ装置34,36の後端よりも後側に配置される。そのため、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅を大きくしたとしても、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36をカーボディ32の本体部42側に寄せるときに各ウェイト72,74,76,78を各々の退避時ウェイト位置に配置すれば、前側左ウェイト72及び後側左ウェイト76と左側クローラ装置34との干渉を避けることができるとともに前側右ウェイト74及び後側右ウェイト78と右側クローラ装置36との干渉を避けることができる。このため、この変形例でも、図8及び図9に示した変形例と同様、左側クローラ装置34及び右側クローラ装置36をカーボディ32の本体部42に寄せてクローラクレーンの左右方向の幅を縮小できるようにしつつ、その左側クローラ装置34と前側左ウェイト72及び後側左ウェイト76との干渉及び右側クローラ装置36と前側右ウェイト74及び後側右ウェイト78との干渉を避けるとともに、各ウェイト72,74,76,78の左右方向の幅を拡大してそれらのウェイトの重量の増大によるクレーンの安定効果の向上を図ることができる。
【0083】
また、各ウェイト72,74,76,78の退避時ウェイト位置は、上記した位置に限定されず、各ウェイト72,74,76,78が作業時ウェイト位置から退避時ウェイト位置へ変位可能となる構成は上記した縦軸回りに回動する構成に限定されない。具体的には、前側の左右のウェイトは、前側ウェイト支持部の対応する各側面に沿って前後方向にスライドできるように前側ウェイト支持部に支持されていて、その作業時ウェイト位置では前側ウェイト支持部の前端部から後方へ前側ウェイト支持部の対応する側面に沿って伸びるように配置され、退避時ウェイト位置では、作業時ウェイト位置から前方にスライドして格納位置にある対応する前側リフト装置よりも前側に配置されてもよい。また、後側の左右のウェイトも同様に作業時ウェイト位置から後方へスライドして退避時ウェイト位置に配置されるように後側ウェイト支持部に支持されていてもよい。また、上記実施形態では、各ウェイト72,74,76,78は、作業時ウェイト位置から180度回動して退避時ウェイト位置に配置されるようにしたが、各ウェイトの退避時ウェイト位置は、その位置において各ウェイトが格納位置にある対応するリフト装置と干渉しなければ、作業時ウェイト位置から180度以下の回動角度で回動した位置であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
2 上部旋回体
4 カーボディ
6 作業装置
34 左側クローラ装置
36 右側クローラ装置
39 リフト機構
42 本体部
44 前側ウェイト支持部
46 後側ウェイト支持部
48 左側前アクスル
50 左側後アクスル
52 右側前アクスル
54 右側後アクスル
58 前側左リフト装置
60 前側右リフト装置
62 後側左リフト装置
64 後側右リフト装置
72 前側左ウェイト
74 前側右ウェイト
76 後側左ウェイト
78 後側右ウェイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローラクレーンであって、
吊り作業を行うための作業装置を有する上部旋回体と、
前記上部旋回体が上下方向に延びる旋回軸回りに旋回自在となるようにその上部旋回体を下から支持するカーボディと、
前記カーボディの左右に分かれて配置され、前記クローラクレーンを走行させるために用いられる2つのクローラ装置と、
前記クローラクレーンが設置される所定の設置面に対して前記カーボディを持ち上げるためのリフト機構と、
前記カーボディに搭載され、そのカーボディを安定させるための複数のウェイトとを備え、
前記複数のウェイトは、前記カーボディの前部に搭載される前側ウェイトと、前記カーボディの後部に搭載される後側ウェイトとを含み、
前記カーボディは、前記上部旋回体を下から支持する本体部と、その本体部から前方に突出し、前記前側ウェイトを支持する前側ウェイト支持部と、その本体部から後方に突出し、前記後側ウェイトを支持する後側ウェイト支持部とを有し、
前記リフト機構は、前記前側ウェイト支持部の左右に分かれて配置され、前記本体部の前部を前記設置面に対して支えるための前側左リフト装置及び前側右リフト装置と、前記後側ウェイト支持部の左右に分かれて配置され、前記本体部の後部を前記設置面に対して支えるための後側左リフト装置及び後側右リフト装置とを含み、
前記前側左リフト装置及び前記前側右リフト装置は、前記本体部の前端部から前方へ前記前側ウェイト支持部に沿って延びるように配置される前側格納位置と前記本体部の前端部から前方へ向かうにつれて前記前側ウェイト支持部から側方へ離反するように斜めに延びる前側支持位置とを取り得るように各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように前記本体部に取り付けられ、
前記後側左リフト装置及び前記後側右リフト装置は、前記本体部の後端部から後方へ前記後側ウェイト支持部に沿って延びるように配置される後側格納位置と前記本体部の後端部から後方へ向かうにつれて前記後側ウェイト支持部から側方へ離反するように斜めに延びる後側支持位置とを取り得るように各々の基端部を中心として縦軸回りに回動可能となるように前記本体部に取り付けられ、
前記前側ウェイトは、前記カーボディの左右方向の中心に対して右寄りに配置される前側右ウェイトと、前記カーボディの左右方向の中心に対して左寄りに配置される前側左ウェイトとを含み、
前記前側ウェイト支持部は、前記前側右ウェイトが当該前側ウェイト支持部の右外側に配置されるとともに当該前側ウェイト支持部の前端部の位置から当該前側ウェイト支持部の右側面に沿って後方へ延びるように配置される作業時前側右ウェイト位置とその位置よりも前側でかつ前記前側格納位置にある前記前側右リフト装置よりも前側に位置する退避時前側右ウェイト位置との間で変位可能となるようにその前側右ウェイトを支持するとともに、前記前側左ウェイトが当該前側ウェイト支持部の左外側に配置されるとともに当該前側ウェイト支持部の前端部の位置から当該前側ウェイト支持部の左側面に沿って後方へ延びるように配置される作業時前側左ウェイト位置とその位置よりも前側でかつ前記前側格納位置にある前記前側左リフト装置よりも前側に位置する退避時前側左ウェイト位置との間で変位可能となるようにその前側左ウェイトを支持し、
前記後側ウェイトは、前記カーボディの左右方向の中心に対して右寄りに配置される後側右ウェイトと、前記カーボディの左右方向の中心に対して左寄りに配置される後側左ウェイトとを含み、
前記後側ウェイト支持部は、前記後側右ウェイトが当該後側ウェイト支持部の右外側に配置されるとともに当該後側ウェイト支持部の後端部の位置から当該後側ウェイト支持部の右側面に沿って前方へ延びるように配置される作業時後側右ウェイト位置とその位置よりも後側でかつ前記後側格納位置にある前記後側右リフト装置よりも後側に位置する退避時後側右ウェイト位置との間で変位可能となるようにその後側右ウェイトを支持するとともに、前記後側左ウェイトが当該後側ウェイト支持部の左外側に配置されるとともに当該後側ウェイト支持部の後端部の位置から当該後側ウェイト支持部の左側面に沿って前方へ延びるように配置される作業時後側左ウェイト位置とその位置よりも後側でかつ前記後側格納位置にある前記後側左リフト装置よりも後側に位置する退避時後側左ウェイト位置との間で変位可能となるようにその後側左ウェイトを支持する、クローラクレーン。
【請求項2】
前記前側ウェイト支持部は、前記前側右ウェイトが前記作業時前側右ウェイト位置と前記退避時前側右ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその前側右ウェイトを支持するとともに、前記前側左ウェイトが前記作業時前側左ウェイト位置と前記退避時前側左ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその前側左ウェイトを支持し、
前記後側ウェイト支持部は、前記後側右ウェイトが前記作業時後側右ウェイト位置と前記退避時後側右ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその後側右ウェイトを支持するとともに、前記後側左ウェイトが前記作業時後側左ウェイト位置と前記退避時後側左ウェイト位置との間で上下方向に延びる縦軸回りに回動可能となるようにその後側左ウェイトを支持する、請求項1に記載のクローラクレーン。
【請求項3】
前記2つのクローラ装置は、前記本体部の右側に配置された右側クローラ装置と、前記本体部の左側に配置された左側クローラ装置とからなり、
前記カーボディは、前記本体部から右方に突出し、前記右側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその右側クローラ装置を支持する右側アクスルと、前記本体部から左方に突出し、前記左側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその左側クローラ装置を支持する左側アクスルとを有し、
前記退避時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトは、前記右側クローラ装置の前端よりも前側に位置し、
前記退避時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトは、前記左側クローラ装置の前端よりも前側に位置し、
前記退避時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトは、前記右側クローラ装置の後端よりも後側に位置し、
前記退避時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトは、前記左側クローラ装置の後端よりも後側に位置する、請求項1又は2に記載のクローラクレーン。
【請求項4】
前記2つのクローラ装置は、前記本体部の右側に配置された右側クローラ装置と、前記本体部の左側に配置された左側クローラ装置とからなり、
前記カーボディは、前記本体部から右方に突出し、前記右側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその右側クローラ装置を支持する右側アクスルと、前記本体部から左方に突出し、前記左側クローラ装置が左右方向に変位可能となるようにその左側クローラ装置を支持する左側アクスルとを有し、
前記作業時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトの前記前側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時前側右ウェイト位置に配置された前記前側右ウェイトの前記前側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも小さく、
前記作業時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトの前記前側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時前側左ウェイト位置に配置された前記前側左ウェイトの前記前側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記前側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも小さく、
前記作業時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトの前記後側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時後側右ウェイト位置に配置された前記後側右ウェイトの前記後側ウェイト支持部から右方への突出量は、前記右側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその右側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の右側面との間の間隔よりも小さく、
前記作業時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトの前記後側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも大きく、前記退避時後側左ウェイト位置に配置された前記後側左ウェイトの前記後側ウェイト支持部から左方への突出量は、前記左側クローラ装置が最も前記本体部寄りに配置されたときのその左側クローラ装置と前記後側ウェイト支持部の左側面との間の間隔よりも小さい、請求項1又は2に記載のクローラクレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−197155(P2012−197155A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63560(P2011−63560)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】