グラフィック情報生成装置
【課題】 リンクを継続した状態で引用先の変更を許し、似たようなリンクパーツを1つに纏めてパーツの粒度を大きくするカスタマイズができる、グラフィック情報生成装置を実現する。
【解決手段】 グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備える。
【解決手段】 グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計器のフェースプレートをグラフィック表示するためのリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用し、計器のフェースプレートオブジェクトファイルを生成する操作監視用表示装置については、特許文献1に技術開示がある。
【0003】
図8は、従来のグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。操作・監視装置10は、グラフィックオブジェクト表示部11を備え、制御バス20に接続されている。
【0004】
この制御バス20に接続されている制御装置31,32,…3nは、制御バス20を介して操作・監視装置10と通信すると共に、I/O装置40を介してプラントの機器51,52,…5Nと通信してこれらを制御する。
【0005】
制御バス20には、グラフィック情報生成装置60が接続されており、操作・監視装置10のグラフィックオブジェクト表示部11に表示するためのグラフィックオブジェクトファイルを生成し、制御バス20を介して操作・監視装置10にダウンロードする。
【0006】
グラフィック情報生成装置60は、リンクパーツツール61、グラフィックビルダ手段62、グラフィックオブジェクトファイル63、更新手段64を備えている。リンクパーツツール61は、グラフィック表示用のリンクパーツを保存しており、引用されているものについては、リンク登録情報を保持する。
【0007】
グラフィックビルダ手段62は、オペレータと対話して各種の処理を実行するグラフィックウィンドウを備えている。リンクパーツ編集機能は、グラフィックウィンドウの編集画面にリンクパーツツール61よりリンクパーツを呼び出して編集し、編集結果をリンクパーツツール61に保存する。
【0008】
グラフィックオブジェクトファイル生成機能は、グラフィックウィンドウの編集画面に、リンクパーツツール61よりリンクパーツを呼び出し、これを引用してグラフィックオブジェクトファイル63を生成して保存すると共に、引用したリンクパーツをリンクパーツツール61にリンク登録する。
【0009】
更新手段64は、グラフィックビルダ手段62が備えるグラフィックウィンドウのリンクパーツ更新ダイアログ画面から指令される更新指令により、リンクパーツツール61内のリンク登録パーツを呼び出し、グラフィックオブジェクトファイル63で引用されているリンク登録パーツ全てを最新データで一括更新する。
【0010】
図9は、リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。リンクパーツツールファイルは、リンクパーツツールウィンドウW1で管理される。リンクパーツの編集は、編集対象リンクパーツを編集ウィンドウW2に呼び出して編集し、その編集結果を、リンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツールファイルに保存する。
【0011】
リンクパーツの引用は、保存されているリンクパーツをリンクパーツツールウィンドウW1で呼び出し、グラフィックウィンドウW3及びW4で編集し、その編集結果をグラフィックオブジェクトファイルGR0001.edf及びGR0002.edfに保存すると共に、引用したリンクパーツをリンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツール61にリンク登録する。
【0012】
更新処理は、リンクパーツ更新ウィンドウW5にリンク登録されたリンクパーツファイルを呼び出し、引用先のグラフィックオブジェクトファイルで引用しているリンクパーツを最新データにより一括更新する。各グラフィックオブジェクトファイルは、更新履歴情報を保持しており、この情報を利用して引用先のリンクパーツとリンクパーツファイルの不一致を検出し、リンクパーツファイルの内容に更新する。
【0013】
グラフィック情報生成装置60は、オペレータに対してプラント運転がし易いように、主なラインやタンクやポンプや調節弁を描画するグラフィックオブジェクトファイルを生成するためのツールである。
【0014】
ここで生成されるグラフィックオブジェクトファイルは、表示画面を介してオペレータが運転中に操作・監視するため、原料の流れやポンプ等の機器の稼働状態やタンク内容量や圧力や温度などをグラフィカルに表現させる必要がある。
【0015】
そのため、エンジニアは色替えや表示桁数やタッチ機能を、グラフィックオブジェクトファイル上で多く設定する。一般的に、オペレータはP&ID(Pipe and Instrument Diagram)やPFD(Process Flow Diagram)をイメージし、高効率の生産稼動を目指して機器パラメータの調整を行う。
【0016】
従って、必然的に操作・監視装置10で表示されるグラフィックウィンドウも、P&IDベースのウィンドウが多くなり、1枚のグラフィックオブジェクトファイルに数千点もの設定を行う必要が出てくる。
【0017】
図10(A)及び(B)は、P&IDベースの表示を実現するグラフィックオブジェクトファイルの構成図である。両者は、相似した装置や機器の表現が多く連なり、またポンプや調節弁はどのグラフィックでも同じ色変化やタグ名の表示を行っている。
【0018】
尚、$で始まる文字(例えば$TAGや$Process)は、グラフィック汎用名であり、グラフィックウィンドウ表示時には、対象の機器名称(例えばタグ名)が汎用名と紐付けされて表示される。
【0019】
(A)及び(B)で表示されている装置は一見異なるような装置に見えるが、物理的な配置が異なるだけで、同じプロセスを表示している。プラントの操作・監視で使用するグラフィック表示画面は、実際の物理配置と一致しているのが好しい。つまり、プラントのラインは水平だけでなく、垂直にも伸びており、調節弁の位置も表側(右側)に見えるのか、あるいは裏側(左側)に見えるのかもオペレーションでは重要になる。
【0020】
このような表示形態の異なるグラフィック要素を、1項目ずつ作成するには多大の工数が必要である。このため、同一要素の異なる表示形態をリンクパーツ化して利用することができれば、グラフィックオブジェクトファイルのエンジニアリング効率を高めることができる。
【0021】
【特許文献1】特開2002−140114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
リンクパーツを利用する従来のグラフィック情報生成装置では、次のような問題がある。
(1)引用先でのリンクパーツの修正は一切許されないため、パーツの粒度、即ちパーツ化の単位を小さくしないとリンクパーツを汎用的に使用することができない。
【0023】
(2)図11は、従来手法によるリンクパーツの単位を説明する模式図である。水平配置されモディファイ条件が設定されたコントロールバルブがリンクパーツの単位であり、同一のコントロールバルブで向きの異なるリンクパーツとして使うことができず、別に編集して別のリンクパーツとして保存する必要がある。
【0024】
(3)パーツの粒度が小さいと、個々のグラフィックウィンドウ作成に対する設定項目がリンクパーツを使用しないケースと大差がなく、エンジニアリング効率アップが全く期待できない。
【0025】
(4)仮にパーツの粒度を小さく作成しても、表示色やモディファイ条件は引用先の条件で決まるため、実際は引用先でリンクを外して再設定することになる。再グループ化という概念がないため、一度グループを解除するとリンク登録が解除される。従って、引用元リンクパーツを変更しても引用先に反映されないために、引用先のグラフィックオブジェクトファイル毎にメンテナンス作業が発生してしまう。
【0026】
(5)再グループ化という概念がないため、リンクパーツの中に別のリンクパーツを入れた形態のリンクパーツを生成する、リンクパーツの入れ子ができない。従って、粒度の大きいリンクパーツを再生して作成することができない。
【0027】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、リンクを継続した状態で引用先の変更を許し、似たようなリンクパーツを1つに纏めてパーツの粒度を大きくするカスタマイズができる、グラフィック情報生成装置の実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このような課題を達成するために、本発明は次の通りの構成になっている。
(1)グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備えることを特徴とするグラフィック情報生成装置。
【0029】
(2)前記カスタマイズ処理部は、カスタマイズ情報を保持し、前記グラフィックオブジェクトファイルに引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズを優先する更新処理を実行することを特徴とする(1)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0030】
(3)前記カスタマイズ処理部は、前記リンクパーツツールに保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存することを特徴とする(1)または(2)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0031】
(4)前記カスタマイズ処理部は、前記グラフィックオブジェクトファイルを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0032】
(5)前記カスタマイズ処理部は、参照した前記グラフィックオブジェクトファイルの汎用名で表記されていない箇所を、汎用名に変換して前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする(4)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0033】
(6)前記カスタマイズ処理部は、前記カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする、設定項目選択手段を備えることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0034】
(7)前記設定項目選択手段は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかを選択することを特徴とする(6)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0035】
(8)前記カスタマイズ処理部は、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでカスタマイズパーツを生成する、入れ子機能を備えることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0036】
(9)前記カスタマイズ処理部は、グループ化されているリンクパーツのグループを解除し、編集後に再グループ化することによりカスタマイズを実行することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、次のような効果を期待することができる。
(1)引用先のリンクパーツがカスタマイズ可能なことと、引用元のリンクパーツに変更を施しても引用先でカスタマイズした内容を優先した更新が実行される。これにより、引用先での自由度が増し、実際のP&IDに似せたグラフィックオブジェクトファイルを短時間で作成できる。
【0038】
(2)また、パーツの入れ子が可能なため、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでより大きな粒度のリンクパーツ作成が可能になり、グラフィックオブジェクトファイル生成の効率を向上させることができる。例えば、機器より大きな粒度の装置に着目したパーツや調節弁とプロセスデータ文字表示とポンプを一緒にした粒度のパーツを作成することができる。
【0039】
(3)引用先で何でもカスタマイズ化が可能であると、リンクパーツ間の親子関係(引用元と引用先)がユーザにとって判断しにくくなる。このため、グラフィックビルダ手段は、カスタマイズ可能な設定項目をファイルに持ち、そのファイルに従って、引用先の設定項目に表示する項目を、カスタマイズ可能な項目だけに制限することができる。
【0040】
(4)一般的にソフトウェアで用いられているモデル化とインスタンスとの関係でなく、最大リソースでパーツを作成し、引用先でそれをビジュアルな視点で変更を加え、表示項目の表示有無が選択できる。エンジニアは特別なソフトウェアの知識がなくても、直感的に変更を加えることができる。
【0041】
(5)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して非表示を選択することで、リンクを継続したまま、引用先で必要な表示項目のみを表示することが可能となる。これにより、最大リソースでリンクパーツを作成することで、表示条件が最小リソースの箇所にも同じリンクパーツを使用することができる。
【0042】
(6)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して回転を選択することで、リンクを継続したまま、引用先条件に合った表示が可能になる。例えば、一般的にラインは水平と捉えがちであるが、実際のプラントでは垂直にも伸びており、その場合、調節弁の向きも垂直になる。従来は、別々のリンクパーツを作成していたため、水平垂直向けのパーツやラインの表面裏面向けのパーツ等、取り付け位置によりリンクパーツのバラエティーが増加していたが、本発明により機器や装置の種類毎のリンクパーツで十分になる。
【0043】
(7)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して位置変更を選択することで、リンクを継続したまま、自由な場所に個々のリンクパーツを配置することが可能になる。例えば、一般的に調節弁とポンプと流量計は同じ位置にあると捉えがちであるが、実際のプラントでは調節弁とポンプは水平ライン、流量計は垂直ラインに置かれていることがある。また、ポンプと調節弁と流量計が連なって置かれていることはなく、夫々独立して置かれている。これらを別々のリンクパーツで作成しているならば、エンジニアリング効率のアップは見込まれず、3つの機器を1つのパーツで作成し、引用先で各機器を移動させた方がグラフィックオブジェクトファイル作成の操作回数が少なくなり、結果としてエンジニアリング効率アップに繋がる。
【0044】
(8)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対してモディファイ条件使用有無を選択することで、リンクを継続したまま、引用先機器に合ったモディファイ条件だけを選択することが可能になる。例えば、コントロール調節弁でも単純にON/OFF系と流量監視系でモディファイ条件式が異なる。リンクパーツでは、最大のモディファイ条件のパターンを設定しておき、引用先で使用するモディファイを選択することで、異なる条件でも一つのリンクパーツだけ作成すればよくなる。
【0045】
(9)引用先のパーツの個々の表示項目に対して色変更を選択することで、リンクを継続したまま、引用先の背景に合った色を選択することができる。例えば、ボイラー系の赤色が主体のグラフィックだと、赤色の調節弁の閉が分かり難いため、紫色にすることも可能である。
【0046】
(10)既に作成済みのグラフィックオブジェクトファイルからパーツ候補を選び、リンクパーツを生成することができる。システムは汎用名を使用していない箇所に対し、自動的に汎用名を割付ける。また、グラフィックオブジェクトファイル側にも自動的にリンクパーツを適用する。リンクパーツ生成のエンジニアリング作業を最小にすることで、グラフィックオブジェクトファイルの生成作業を、リンクパーツ主体のエンジニアリングスタイルに定着させることができる。
【0047】
(11)引用先で各表示項目の設定を変更しても、システムは変更有無が情報として残っているため、引用先の変更を残したままリンクを継続することができる。例えば、グラフィックオブジェクトファイル生成後に、工業単位の表示色を白で固定にしたい時は引用元リンクパーツで表示色を変更することで引用先でのグラフィック表示が全て変更される。もちろん、引用先で表示色を変更した場合には、引用先での変更が優先される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は、本発明を適用したグラフィック情報生成装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。図2は、本発明を適用したグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図であり、図8で説明した従来システムと同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
本発明を適用したグラフィック情報生成装置100は、リンクパーツツール101、グラフィックビルダ手段102、グラフィックオブジェクトファイル103、更新手段104を備えている。これらの要素は、図8で説明した従来装置のリンクパーツツール61、グラフィックビルダ手段62、グラフィックオブジェクトファイル63、更新手段64と同一機能を備えている。
【0050】
グラフィックビルダ手段102は、グラフィックビルダ手段62と同様に、オペレータと対話して各種の処理を実行するグラフィックウィンドウを備えており、リンクパーツツールの編集機能、グラフィックオブジェクトファイル生成機能、リンクパーツ更新機能は、従来のグラフィックビルダ手段62の機能と同一である。
【0051】
グラフィックビルダ手段102において、従来装置の機能に追加された機能は、カスタマイズ処理機能102aである。このカスタマイズ処理機能は、同じく追加されたカスタマイズ処理部105と協業して本発明特有のカスタマイズ処理を実行する。
【0052】
カスタマイズ処理部105は、カスタマイズパーツ生成手段105a、設定項目選択手段105b、カスタマイズ情報保持手段105cを備える。基本機能としては、カスタマイズパーツ生成手段105aで生成したカスタマイズパーツを引用元のリンクパーツツールに保存およびリンク登録すると共に、カスタマイズ処理した情報をカスタマイズ情報保持手段105cに渡して保持する。
【0053】
更新手段104により、グラフィックオブジェクトファイル103に引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズ情報保持手段105cからのカスタマイズ優先指令に基づいて、カスタマイズを優先する更新処理を実行する。
【0054】
このカスタマイズを優先する一括更新により、リンク登録されたカスタマイズパーツは、リンクを継続した状態で引用元のリンクパーツにより強制的に書き換えられることがなく、グラフィックオブジェクトファイル103のリンクパーツの一括更新を実行することが可能となる。
【0055】
カスタマイズ処理部105は、リンクパーツツール101に保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、リンクパーツツール101に新たなリンクパーツとして保存する機能を備える。
【0056】
更に、カスタマイズ処理部105は、保存されているグラフィックオブジェクトファイル103を参照して生成したカスタマイズパーツを、リンクパーツツール101に保存及びリンク登録する機能を備える。
【0057】
この場合、参照したグラフィックオブジェクトファイル103の汎用名で表記されていない(実機器表示)箇所を、自動的に汎用名に変換してリンクパーツツール101に保存及びリンク登録する。
【0058】
更に、カスタマイズ処理部105は、設定項目選択手段105bにより、カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする機能を備える。設定項目の選択対象は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかである。
【0059】
図3は、本発明によるリンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。リンクパーツツールファイルは、リンクパーツツールウィンドウW1で管理される。リンクパーツの編集は、編集対象リンクパーツを編集ウィンドウW2に呼び出して編集し、この編集結果を、リンクパーツウィンドウW1を介してリンクパーツツールファイルに保存する。この機能は、図9で説明した従来装置と同一である。
【0060】
リンクパーツの引用は、保存されているリンクパーツP1をリンクパーツツールウィンドウW1で呼び出し、グラフィックウィンドウW3,W4,W5で編集し、編集結果をグラフィックオブジェクトファイルGR0001.edf,GR0002.edf,GR0003.edfに保存すると共に、引用したリンクパーツP1をカスタマイズしたカスタマイズパーツP2,P3,P4を、リンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツールにリンク登録する。
【0061】
更新処理は、リンクパーツ更新ウィンドウW6にリンク登録されたリンクパーツファイルを呼び出し、引用先のグラフィックオブジェクトファイルで引用しているリンクパーツを最新データにより一括更新する。
【0062】
各グラフィックオブジェクトファイルは、更新履歴情報を保持しており、この情報を利用して引用先のリンクパーツとリンクパーツファイルの不一致を検出しリンクパーツファイルの内容に更新されるが、カスタマイズ箇所については一括更新の対象から除外される。
【0063】
図4は、保存されているリンクパーツを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。リンクパーツとしてプロセスデータ文字表示パーツP1が保存されている。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0064】
(1)コントロールバルブ機器パーツP2をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、これにプロセスデータ文字表示パーツP1を入れ子にしたカスタマイズパーツを生成し、保存すると共にプロセスデータ文字表示パーツP1にリンク登録する。
【0065】
(2)保存したコントロールバルブ機器パーツP2をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、一旦グループを解除する。
【0066】
(2−1)調節弁をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動し、回転操作する。同様に、プロセスデータ文字表示をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。
【0067】
(2−3)再グループ化したカスタマイズパーツP2´を保存すると共に、コントロールバルブ機器パーツP2にリンク登録する。
【0068】
(3)ポンプ機器パーツP3をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、これにプロセスデータ文字表示パーツP1を入れ子にしたカスタマイズパーツを生成する。
【0069】
(3−1)表示項目を、タグ名および測定値表示に選択したカスタマイズパーツに編集して保存すると共に、プロセスデータ文字表示パーツP1にリンク登録する。
【0070】
(3−2)保存したポンプ機器パーツP3をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、一旦グループを解除する。
【0071】
(3−3)プロセスデータ文字表示をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。同様に、ポンプをマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。
【0072】
(3−4)再グループ化したカスタマイズパーツP3´を保存すると共に、ポンプ機器パーツP3にリンク登録する。
【0073】
図5は、プロセスデータ文字表示パーツP1および図4で生成したカスタマイズパーツP2,P2´,P3´を引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成するプロセスを示す遷移図である。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0074】
(1)パーツ一覧からクッションタンクパーツを呼び出してグラフィックウィンドウに貼り付け、保存されているカスタマイズパーツP2,P2´,P3´を呼び出しクッションタンク装置パーツ内に入れ子にすると共に、水平及び垂直パイプラインを描画し、カスタマイズされたクッションタンク装置パーツP4を生成して保存する。
【0075】
(2)グラフィックオブジェクトファイルの編集画面にボイラー部品及びその右横に温度温調機器部品の3ラインを貼り付けてボイラーとの接続を描画し、ファイル名をGR 0001とする。このファイルに、保存されているクッションタンク装置パーツP4を引用して所定の位置に貼り付ける。
【0076】
(3)コントロールバルブ機器パーツP2を呼び出し、夫々表示項目及び表示位置を変更したカスタマイズパーツP2″を、ボイラー左横の3ラインおよびボイラー下部に貼り付け、ボイラーとの接続を描画する。同様に、3ラインのコントロールバルブ機器パーツP2″とクッションタンク装置パーツP4との接続を描画する。
【0077】
(4)プロセスデータ文字表示パーツP1を呼び出し、その表示項目を変更したカスタマイズパーツP1´を、ボイラー右横の温調機器の3ライン上部に貼り付ける。
【0078】
(5)完成したグラフィックオブジェクトファイルGR 0001の汎用名に対して実タグ名をアサインし、編集内容を保存する。
【0079】
このようなステップにより、グラフィックオブジェクトファイルを作成する場合、ほとんどがリンクパーツ化されたカスタマイズパーツの引用であり、若干の接続描画および汎用名に実タグ名をアサインする作業だけで編集作業が終了する。
【0080】
図6は、保存されている既存のグラフィックオブジェクトファイルを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0081】
(1)作成済みのGR0002からJOBオリジナルのカスタマイズパーツを作成するために、グラフィックオブジェクトファイルGR0002を開く。
【0082】
(2)マウス操作でパーツ化したい領域を選び、右クリックメニューを表示し、右クリックメニュー上にあるパーツ化を選ぶ。
【0083】
(3)システムは、リンクパーツ編集ウィンドウを表示する。このとき、システムは実タグ名で設定されていた項目を全て汎用名に自動的に置き換える。
【0084】
(4)編集されたカスタマイズパーツを、リンクパーツ名「熱交換装置」として編集内容を保存する。システムは、グループ化した状態で編集内容を保存すると共に、パーツ化した領域をリンクパーツとしてリンク登録する。
【0085】
(5)システムは熱交換装置パーツ内の汎用名に実タグ名を自動的にアサインする。エンジニアは、グラフィックウィンドウGR0002を上書き保存する。
【0086】
図7は、リンクパーツの編集と更新のプロセスを示す遷移図である。この実施形態では、プロセスデータ文字表示に表示するタグ名の右横に「P&ID」計装記号を併記する実施形態を説明する。エンジニアは次のステップで更新処理を実行する。
【0087】
(1)リンクパーツ編集ウィンドウの編集対象リンクパーツを呼び出して表示し、タグ名の横に「P&ID」計装記号名を追記編集し、編集されたプロセスデータ文字表示パーツを上書き保存する。
【0088】
(2)パーツ更新ダイアログを表示する。システムは更新対象のリンクパーツと引用先グラフィックウィンドウの一覧を表示する。エンジニアは全て更新にチェックを入れる。
【0089】
(3)システムは、引用先グラフィックウィンドウで使用しているリンクパーツを一括更新する。この場合、引用先でカスタマイズした項目に対しては、引用元パーツの編集内容よりも引用先パーツでカスタマイズした内容を優先して適用する。
【0090】
以上説明したように、本発明では、パーツの入れ子ができることと、リンクを継続したまま引用先のパーツを粒度の大きいリンクパーツにカスタマイズできることで、グラフィックオブジェクトファイルの生成効率を向上させる仕組みを提供することが可能となる。
【0091】
従来手法では、引用元と引用先の完全なる一致が前提であったため、パーツ内のプリミティブ未使用、プリミティブの向き、表示位置等の変更が許されなかった。これにより、調節弁の絵ぐらいの小さな粒度の部品しかリンクパーツとして使用することができなかった。
【0092】
本発明によれば、最大リソースでカスタマイズパーツが作成でき、かつ、引用先のグラフィックオブジェクトファイルの条件に合わせての調整が可能になる。また、パーツの入れ子も可能になるため、より大きな粒度のリンクパーツの作成が可能になる。これにより、グラフィックオブジェクトファイルの生成エンジニアリングの大幅な効率アップを期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明を適用したグラフィック情報生成装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明を適用したグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。
【図4】保存されているリンクパーツを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。
【図5】グラフィックオブジェクトファイルの生成プロセスを示す遷移図である。
【図6】保存されている既存のグラフィックオブジェクトファイルを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。
【図7】リンクパーツの編集と更新のプロセスを示す遷移図である。
【図8】従来のグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図9】リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。
【図10】P&IDベースの表示を実現するグラフィックオブジェクトファイルの構成図である。
【図11】従来手法によるリンクパーツの単位を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0094】
100 グラフィック情報生成装置
101 リンクパーツツール
102 グラフィックビルダ手段
102a カスタマイズ処理機能
103 グラフィックオブジェクトファイル
104 更新手段
105 カスタマイズ処理部
105a カスタマイズパーツ生成手段
105b 設定項目選択手段
105c カスタマイズ情報保持手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計器のフェースプレートをグラフィック表示するためのリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用し、計器のフェースプレートオブジェクトファイルを生成する操作監視用表示装置については、特許文献1に技術開示がある。
【0003】
図8は、従来のグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。操作・監視装置10は、グラフィックオブジェクト表示部11を備え、制御バス20に接続されている。
【0004】
この制御バス20に接続されている制御装置31,32,…3nは、制御バス20を介して操作・監視装置10と通信すると共に、I/O装置40を介してプラントの機器51,52,…5Nと通信してこれらを制御する。
【0005】
制御バス20には、グラフィック情報生成装置60が接続されており、操作・監視装置10のグラフィックオブジェクト表示部11に表示するためのグラフィックオブジェクトファイルを生成し、制御バス20を介して操作・監視装置10にダウンロードする。
【0006】
グラフィック情報生成装置60は、リンクパーツツール61、グラフィックビルダ手段62、グラフィックオブジェクトファイル63、更新手段64を備えている。リンクパーツツール61は、グラフィック表示用のリンクパーツを保存しており、引用されているものについては、リンク登録情報を保持する。
【0007】
グラフィックビルダ手段62は、オペレータと対話して各種の処理を実行するグラフィックウィンドウを備えている。リンクパーツ編集機能は、グラフィックウィンドウの編集画面にリンクパーツツール61よりリンクパーツを呼び出して編集し、編集結果をリンクパーツツール61に保存する。
【0008】
グラフィックオブジェクトファイル生成機能は、グラフィックウィンドウの編集画面に、リンクパーツツール61よりリンクパーツを呼び出し、これを引用してグラフィックオブジェクトファイル63を生成して保存すると共に、引用したリンクパーツをリンクパーツツール61にリンク登録する。
【0009】
更新手段64は、グラフィックビルダ手段62が備えるグラフィックウィンドウのリンクパーツ更新ダイアログ画面から指令される更新指令により、リンクパーツツール61内のリンク登録パーツを呼び出し、グラフィックオブジェクトファイル63で引用されているリンク登録パーツ全てを最新データで一括更新する。
【0010】
図9は、リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。リンクパーツツールファイルは、リンクパーツツールウィンドウW1で管理される。リンクパーツの編集は、編集対象リンクパーツを編集ウィンドウW2に呼び出して編集し、その編集結果を、リンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツールファイルに保存する。
【0011】
リンクパーツの引用は、保存されているリンクパーツをリンクパーツツールウィンドウW1で呼び出し、グラフィックウィンドウW3及びW4で編集し、その編集結果をグラフィックオブジェクトファイルGR0001.edf及びGR0002.edfに保存すると共に、引用したリンクパーツをリンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツール61にリンク登録する。
【0012】
更新処理は、リンクパーツ更新ウィンドウW5にリンク登録されたリンクパーツファイルを呼び出し、引用先のグラフィックオブジェクトファイルで引用しているリンクパーツを最新データにより一括更新する。各グラフィックオブジェクトファイルは、更新履歴情報を保持しており、この情報を利用して引用先のリンクパーツとリンクパーツファイルの不一致を検出し、リンクパーツファイルの内容に更新する。
【0013】
グラフィック情報生成装置60は、オペレータに対してプラント運転がし易いように、主なラインやタンクやポンプや調節弁を描画するグラフィックオブジェクトファイルを生成するためのツールである。
【0014】
ここで生成されるグラフィックオブジェクトファイルは、表示画面を介してオペレータが運転中に操作・監視するため、原料の流れやポンプ等の機器の稼働状態やタンク内容量や圧力や温度などをグラフィカルに表現させる必要がある。
【0015】
そのため、エンジニアは色替えや表示桁数やタッチ機能を、グラフィックオブジェクトファイル上で多く設定する。一般的に、オペレータはP&ID(Pipe and Instrument Diagram)やPFD(Process Flow Diagram)をイメージし、高効率の生産稼動を目指して機器パラメータの調整を行う。
【0016】
従って、必然的に操作・監視装置10で表示されるグラフィックウィンドウも、P&IDベースのウィンドウが多くなり、1枚のグラフィックオブジェクトファイルに数千点もの設定を行う必要が出てくる。
【0017】
図10(A)及び(B)は、P&IDベースの表示を実現するグラフィックオブジェクトファイルの構成図である。両者は、相似した装置や機器の表現が多く連なり、またポンプや調節弁はどのグラフィックでも同じ色変化やタグ名の表示を行っている。
【0018】
尚、$で始まる文字(例えば$TAGや$Process)は、グラフィック汎用名であり、グラフィックウィンドウ表示時には、対象の機器名称(例えばタグ名)が汎用名と紐付けされて表示される。
【0019】
(A)及び(B)で表示されている装置は一見異なるような装置に見えるが、物理的な配置が異なるだけで、同じプロセスを表示している。プラントの操作・監視で使用するグラフィック表示画面は、実際の物理配置と一致しているのが好しい。つまり、プラントのラインは水平だけでなく、垂直にも伸びており、調節弁の位置も表側(右側)に見えるのか、あるいは裏側(左側)に見えるのかもオペレーションでは重要になる。
【0020】
このような表示形態の異なるグラフィック要素を、1項目ずつ作成するには多大の工数が必要である。このため、同一要素の異なる表示形態をリンクパーツ化して利用することができれば、グラフィックオブジェクトファイルのエンジニアリング効率を高めることができる。
【0021】
【特許文献1】特開2002−140114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
リンクパーツを利用する従来のグラフィック情報生成装置では、次のような問題がある。
(1)引用先でのリンクパーツの修正は一切許されないため、パーツの粒度、即ちパーツ化の単位を小さくしないとリンクパーツを汎用的に使用することができない。
【0023】
(2)図11は、従来手法によるリンクパーツの単位を説明する模式図である。水平配置されモディファイ条件が設定されたコントロールバルブがリンクパーツの単位であり、同一のコントロールバルブで向きの異なるリンクパーツとして使うことができず、別に編集して別のリンクパーツとして保存する必要がある。
【0024】
(3)パーツの粒度が小さいと、個々のグラフィックウィンドウ作成に対する設定項目がリンクパーツを使用しないケースと大差がなく、エンジニアリング効率アップが全く期待できない。
【0025】
(4)仮にパーツの粒度を小さく作成しても、表示色やモディファイ条件は引用先の条件で決まるため、実際は引用先でリンクを外して再設定することになる。再グループ化という概念がないため、一度グループを解除するとリンク登録が解除される。従って、引用元リンクパーツを変更しても引用先に反映されないために、引用先のグラフィックオブジェクトファイル毎にメンテナンス作業が発生してしまう。
【0026】
(5)再グループ化という概念がないため、リンクパーツの中に別のリンクパーツを入れた形態のリンクパーツを生成する、リンクパーツの入れ子ができない。従って、粒度の大きいリンクパーツを再生して作成することができない。
【0027】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、リンクを継続した状態で引用先の変更を許し、似たようなリンクパーツを1つに纏めてパーツの粒度を大きくするカスタマイズができる、グラフィック情報生成装置の実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このような課題を達成するために、本発明は次の通りの構成になっている。
(1)グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備えることを特徴とするグラフィック情報生成装置。
【0029】
(2)前記カスタマイズ処理部は、カスタマイズ情報を保持し、前記グラフィックオブジェクトファイルに引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズを優先する更新処理を実行することを特徴とする(1)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0030】
(3)前記カスタマイズ処理部は、前記リンクパーツツールに保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存することを特徴とする(1)または(2)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0031】
(4)前記カスタマイズ処理部は、前記グラフィックオブジェクトファイルを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0032】
(5)前記カスタマイズ処理部は、参照した前記グラフィックオブジェクトファイルの汎用名で表記されていない箇所を、汎用名に変換して前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする(4)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0033】
(6)前記カスタマイズ処理部は、前記カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする、設定項目選択手段を備えることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0034】
(7)前記設定項目選択手段は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかを選択することを特徴とする(6)に記載のグラフィック情報生成装置。
【0035】
(8)前記カスタマイズ処理部は、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでカスタマイズパーツを生成する、入れ子機能を備えることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【0036】
(9)前記カスタマイズ処理部は、グループ化されているリンクパーツのグループを解除し、編集後に再グループ化することによりカスタマイズを実行することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、次のような効果を期待することができる。
(1)引用先のリンクパーツがカスタマイズ可能なことと、引用元のリンクパーツに変更を施しても引用先でカスタマイズした内容を優先した更新が実行される。これにより、引用先での自由度が増し、実際のP&IDに似せたグラフィックオブジェクトファイルを短時間で作成できる。
【0038】
(2)また、パーツの入れ子が可能なため、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでより大きな粒度のリンクパーツ作成が可能になり、グラフィックオブジェクトファイル生成の効率を向上させることができる。例えば、機器より大きな粒度の装置に着目したパーツや調節弁とプロセスデータ文字表示とポンプを一緒にした粒度のパーツを作成することができる。
【0039】
(3)引用先で何でもカスタマイズ化が可能であると、リンクパーツ間の親子関係(引用元と引用先)がユーザにとって判断しにくくなる。このため、グラフィックビルダ手段は、カスタマイズ可能な設定項目をファイルに持ち、そのファイルに従って、引用先の設定項目に表示する項目を、カスタマイズ可能な項目だけに制限することができる。
【0040】
(4)一般的にソフトウェアで用いられているモデル化とインスタンスとの関係でなく、最大リソースでパーツを作成し、引用先でそれをビジュアルな視点で変更を加え、表示項目の表示有無が選択できる。エンジニアは特別なソフトウェアの知識がなくても、直感的に変更を加えることができる。
【0041】
(5)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して非表示を選択することで、リンクを継続したまま、引用先で必要な表示項目のみを表示することが可能となる。これにより、最大リソースでリンクパーツを作成することで、表示条件が最小リソースの箇所にも同じリンクパーツを使用することができる。
【0042】
(6)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して回転を選択することで、リンクを継続したまま、引用先条件に合った表示が可能になる。例えば、一般的にラインは水平と捉えがちであるが、実際のプラントでは垂直にも伸びており、その場合、調節弁の向きも垂直になる。従来は、別々のリンクパーツを作成していたため、水平垂直向けのパーツやラインの表面裏面向けのパーツ等、取り付け位置によりリンクパーツのバラエティーが増加していたが、本発明により機器や装置の種類毎のリンクパーツで十分になる。
【0043】
(7)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対して位置変更を選択することで、リンクを継続したまま、自由な場所に個々のリンクパーツを配置することが可能になる。例えば、一般的に調節弁とポンプと流量計は同じ位置にあると捉えがちであるが、実際のプラントでは調節弁とポンプは水平ライン、流量計は垂直ラインに置かれていることがある。また、ポンプと調節弁と流量計が連なって置かれていることはなく、夫々独立して置かれている。これらを別々のリンクパーツで作成しているならば、エンジニアリング効率のアップは見込まれず、3つの機器を1つのパーツで作成し、引用先で各機器を移動させた方がグラフィックオブジェクトファイル作成の操作回数が少なくなり、結果としてエンジニアリング効率アップに繋がる。
【0044】
(8)引用先のリンクパーツの個々の表示項目に対してモディファイ条件使用有無を選択することで、リンクを継続したまま、引用先機器に合ったモディファイ条件だけを選択することが可能になる。例えば、コントロール調節弁でも単純にON/OFF系と流量監視系でモディファイ条件式が異なる。リンクパーツでは、最大のモディファイ条件のパターンを設定しておき、引用先で使用するモディファイを選択することで、異なる条件でも一つのリンクパーツだけ作成すればよくなる。
【0045】
(9)引用先のパーツの個々の表示項目に対して色変更を選択することで、リンクを継続したまま、引用先の背景に合った色を選択することができる。例えば、ボイラー系の赤色が主体のグラフィックだと、赤色の調節弁の閉が分かり難いため、紫色にすることも可能である。
【0046】
(10)既に作成済みのグラフィックオブジェクトファイルからパーツ候補を選び、リンクパーツを生成することができる。システムは汎用名を使用していない箇所に対し、自動的に汎用名を割付ける。また、グラフィックオブジェクトファイル側にも自動的にリンクパーツを適用する。リンクパーツ生成のエンジニアリング作業を最小にすることで、グラフィックオブジェクトファイルの生成作業を、リンクパーツ主体のエンジニアリングスタイルに定着させることができる。
【0047】
(11)引用先で各表示項目の設定を変更しても、システムは変更有無が情報として残っているため、引用先の変更を残したままリンクを継続することができる。例えば、グラフィックオブジェクトファイル生成後に、工業単位の表示色を白で固定にしたい時は引用元リンクパーツで表示色を変更することで引用先でのグラフィック表示が全て変更される。もちろん、引用先で表示色を変更した場合には、引用先での変更が優先される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は、本発明を適用したグラフィック情報生成装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。図2は、本発明を適用したグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図であり、図8で説明した従来システムと同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
本発明を適用したグラフィック情報生成装置100は、リンクパーツツール101、グラフィックビルダ手段102、グラフィックオブジェクトファイル103、更新手段104を備えている。これらの要素は、図8で説明した従来装置のリンクパーツツール61、グラフィックビルダ手段62、グラフィックオブジェクトファイル63、更新手段64と同一機能を備えている。
【0050】
グラフィックビルダ手段102は、グラフィックビルダ手段62と同様に、オペレータと対話して各種の処理を実行するグラフィックウィンドウを備えており、リンクパーツツールの編集機能、グラフィックオブジェクトファイル生成機能、リンクパーツ更新機能は、従来のグラフィックビルダ手段62の機能と同一である。
【0051】
グラフィックビルダ手段102において、従来装置の機能に追加された機能は、カスタマイズ処理機能102aである。このカスタマイズ処理機能は、同じく追加されたカスタマイズ処理部105と協業して本発明特有のカスタマイズ処理を実行する。
【0052】
カスタマイズ処理部105は、カスタマイズパーツ生成手段105a、設定項目選択手段105b、カスタマイズ情報保持手段105cを備える。基本機能としては、カスタマイズパーツ生成手段105aで生成したカスタマイズパーツを引用元のリンクパーツツールに保存およびリンク登録すると共に、カスタマイズ処理した情報をカスタマイズ情報保持手段105cに渡して保持する。
【0053】
更新手段104により、グラフィックオブジェクトファイル103に引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズ情報保持手段105cからのカスタマイズ優先指令に基づいて、カスタマイズを優先する更新処理を実行する。
【0054】
このカスタマイズを優先する一括更新により、リンク登録されたカスタマイズパーツは、リンクを継続した状態で引用元のリンクパーツにより強制的に書き換えられることがなく、グラフィックオブジェクトファイル103のリンクパーツの一括更新を実行することが可能となる。
【0055】
カスタマイズ処理部105は、リンクパーツツール101に保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、リンクパーツツール101に新たなリンクパーツとして保存する機能を備える。
【0056】
更に、カスタマイズ処理部105は、保存されているグラフィックオブジェクトファイル103を参照して生成したカスタマイズパーツを、リンクパーツツール101に保存及びリンク登録する機能を備える。
【0057】
この場合、参照したグラフィックオブジェクトファイル103の汎用名で表記されていない(実機器表示)箇所を、自動的に汎用名に変換してリンクパーツツール101に保存及びリンク登録する。
【0058】
更に、カスタマイズ処理部105は、設定項目選択手段105bにより、カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする機能を備える。設定項目の選択対象は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかである。
【0059】
図3は、本発明によるリンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。リンクパーツツールファイルは、リンクパーツツールウィンドウW1で管理される。リンクパーツの編集は、編集対象リンクパーツを編集ウィンドウW2に呼び出して編集し、この編集結果を、リンクパーツウィンドウW1を介してリンクパーツツールファイルに保存する。この機能は、図9で説明した従来装置と同一である。
【0060】
リンクパーツの引用は、保存されているリンクパーツP1をリンクパーツツールウィンドウW1で呼び出し、グラフィックウィンドウW3,W4,W5で編集し、編集結果をグラフィックオブジェクトファイルGR0001.edf,GR0002.edf,GR0003.edfに保存すると共に、引用したリンクパーツP1をカスタマイズしたカスタマイズパーツP2,P3,P4を、リンクパーツツールウィンドウW1を介してリンクパーツツールにリンク登録する。
【0061】
更新処理は、リンクパーツ更新ウィンドウW6にリンク登録されたリンクパーツファイルを呼び出し、引用先のグラフィックオブジェクトファイルで引用しているリンクパーツを最新データにより一括更新する。
【0062】
各グラフィックオブジェクトファイルは、更新履歴情報を保持しており、この情報を利用して引用先のリンクパーツとリンクパーツファイルの不一致を検出しリンクパーツファイルの内容に更新されるが、カスタマイズ箇所については一括更新の対象から除外される。
【0063】
図4は、保存されているリンクパーツを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。リンクパーツとしてプロセスデータ文字表示パーツP1が保存されている。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0064】
(1)コントロールバルブ機器パーツP2をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、これにプロセスデータ文字表示パーツP1を入れ子にしたカスタマイズパーツを生成し、保存すると共にプロセスデータ文字表示パーツP1にリンク登録する。
【0065】
(2)保存したコントロールバルブ機器パーツP2をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、一旦グループを解除する。
【0066】
(2−1)調節弁をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動し、回転操作する。同様に、プロセスデータ文字表示をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。
【0067】
(2−3)再グループ化したカスタマイズパーツP2´を保存すると共に、コントロールバルブ機器パーツP2にリンク登録する。
【0068】
(3)ポンプ機器パーツP3をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、これにプロセスデータ文字表示パーツP1を入れ子にしたカスタマイズパーツを生成する。
【0069】
(3−1)表示項目を、タグ名および測定値表示に選択したカスタマイズパーツに編集して保存すると共に、プロセスデータ文字表示パーツP1にリンク登録する。
【0070】
(3−2)保存したポンプ機器パーツP3をグラフィックウィンドウ上に貼り付け、一旦グループを解除する。
【0071】
(3−3)プロセスデータ文字表示をマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。同様に、ポンプをマウスでクリックした状態で、そのまま目的の位置に移動する。
【0072】
(3−4)再グループ化したカスタマイズパーツP3´を保存すると共に、ポンプ機器パーツP3にリンク登録する。
【0073】
図5は、プロセスデータ文字表示パーツP1および図4で生成したカスタマイズパーツP2,P2´,P3´を引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成するプロセスを示す遷移図である。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0074】
(1)パーツ一覧からクッションタンクパーツを呼び出してグラフィックウィンドウに貼り付け、保存されているカスタマイズパーツP2,P2´,P3´を呼び出しクッションタンク装置パーツ内に入れ子にすると共に、水平及び垂直パイプラインを描画し、カスタマイズされたクッションタンク装置パーツP4を生成して保存する。
【0075】
(2)グラフィックオブジェクトファイルの編集画面にボイラー部品及びその右横に温度温調機器部品の3ラインを貼り付けてボイラーとの接続を描画し、ファイル名をGR 0001とする。このファイルに、保存されているクッションタンク装置パーツP4を引用して所定の位置に貼り付ける。
【0076】
(3)コントロールバルブ機器パーツP2を呼び出し、夫々表示項目及び表示位置を変更したカスタマイズパーツP2″を、ボイラー左横の3ラインおよびボイラー下部に貼り付け、ボイラーとの接続を描画する。同様に、3ラインのコントロールバルブ機器パーツP2″とクッションタンク装置パーツP4との接続を描画する。
【0077】
(4)プロセスデータ文字表示パーツP1を呼び出し、その表示項目を変更したカスタマイズパーツP1´を、ボイラー右横の温調機器の3ライン上部に貼り付ける。
【0078】
(5)完成したグラフィックオブジェクトファイルGR 0001の汎用名に対して実タグ名をアサインし、編集内容を保存する。
【0079】
このようなステップにより、グラフィックオブジェクトファイルを作成する場合、ほとんどがリンクパーツ化されたカスタマイズパーツの引用であり、若干の接続描画および汎用名に実タグ名をアサインする作業だけで編集作業が終了する。
【0080】
図6は、保存されている既存のグラフィックオブジェクトファイルを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。エンジニアは次のステップでカスタマイズする。
【0081】
(1)作成済みのGR0002からJOBオリジナルのカスタマイズパーツを作成するために、グラフィックオブジェクトファイルGR0002を開く。
【0082】
(2)マウス操作でパーツ化したい領域を選び、右クリックメニューを表示し、右クリックメニュー上にあるパーツ化を選ぶ。
【0083】
(3)システムは、リンクパーツ編集ウィンドウを表示する。このとき、システムは実タグ名で設定されていた項目を全て汎用名に自動的に置き換える。
【0084】
(4)編集されたカスタマイズパーツを、リンクパーツ名「熱交換装置」として編集内容を保存する。システムは、グループ化した状態で編集内容を保存すると共に、パーツ化した領域をリンクパーツとしてリンク登録する。
【0085】
(5)システムは熱交換装置パーツ内の汎用名に実タグ名を自動的にアサインする。エンジニアは、グラフィックウィンドウGR0002を上書き保存する。
【0086】
図7は、リンクパーツの編集と更新のプロセスを示す遷移図である。この実施形態では、プロセスデータ文字表示に表示するタグ名の右横に「P&ID」計装記号を併記する実施形態を説明する。エンジニアは次のステップで更新処理を実行する。
【0087】
(1)リンクパーツ編集ウィンドウの編集対象リンクパーツを呼び出して表示し、タグ名の横に「P&ID」計装記号名を追記編集し、編集されたプロセスデータ文字表示パーツを上書き保存する。
【0088】
(2)パーツ更新ダイアログを表示する。システムは更新対象のリンクパーツと引用先グラフィックウィンドウの一覧を表示する。エンジニアは全て更新にチェックを入れる。
【0089】
(3)システムは、引用先グラフィックウィンドウで使用しているリンクパーツを一括更新する。この場合、引用先でカスタマイズした項目に対しては、引用元パーツの編集内容よりも引用先パーツでカスタマイズした内容を優先して適用する。
【0090】
以上説明したように、本発明では、パーツの入れ子ができることと、リンクを継続したまま引用先のパーツを粒度の大きいリンクパーツにカスタマイズできることで、グラフィックオブジェクトファイルの生成効率を向上させる仕組みを提供することが可能となる。
【0091】
従来手法では、引用元と引用先の完全なる一致が前提であったため、パーツ内のプリミティブ未使用、プリミティブの向き、表示位置等の変更が許されなかった。これにより、調節弁の絵ぐらいの小さな粒度の部品しかリンクパーツとして使用することができなかった。
【0092】
本発明によれば、最大リソースでカスタマイズパーツが作成でき、かつ、引用先のグラフィックオブジェクトファイルの条件に合わせての調整が可能になる。また、パーツの入れ子も可能になるため、より大きな粒度のリンクパーツの作成が可能になる。これにより、グラフィックオブジェクトファイルの生成エンジニアリングの大幅な効率アップを期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明を適用したグラフィック情報生成装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明を適用したグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。
【図4】保存されているリンクパーツを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。
【図5】グラフィックオブジェクトファイルの生成プロセスを示す遷移図である。
【図6】保存されている既存のグラフィックオブジェクトファイルを参照してカスタマイズパーツを生成するプロセスを示す遷移図である。
【図7】リンクパーツの編集と更新のプロセスを示す遷移図である。
【図8】従来のグラフィック情報生成装置が接続された分散型制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図9】リンクパーツの編集と保存、引用とリンク登録、更新に関する機能相関図である。
【図10】P&IDベースの表示を実現するグラフィックオブジェクトファイルの構成図である。
【図11】従来手法によるリンクパーツの単位を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0094】
100 グラフィック情報生成装置
101 リンクパーツツール
102 グラフィックビルダ手段
102a カスタマイズ処理機能
103 グラフィックオブジェクトファイル
104 更新手段
105 カスタマイズ処理部
105a カスタマイズパーツ生成手段
105b 設定項目選択手段
105c カスタマイズ情報保持手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備えることを特徴とするグラフィック情報生成装置。
【請求項2】
前記カスタマイズ処理部は、カスタマイズ情報を保持し、前記グラフィックオブジェクトファイルに引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズを優先する更新処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項3】
前記カスタマイズ処理部は、前記リンクパーツツールに保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存することを特徴とする請求項1または2に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項4】
前記カスタマイズ処理部は、前記グラフィックオブジェクトファイルを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項5】
前記カスタマイズ処理部は、参照した前記グラフィックオブジェクトファイルの汎用名で表記されていない箇所を、汎用名に変換して前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする請求項4に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項6】
前記カスタマイズ処理部は、前記カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする、設定項目選択手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項7】
前記設定項目選択手段は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかを選択することを特徴とする請求項6に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項8】
前記カスタマイズ処理部は、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでカスタマイズパーツを生成する、入れ子機能を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項9】
前記カスタマイズ処理部は、グループ化されているリンクパーツのグループを解除し、編集後に再グループ化することによりカスタマイズを実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項1】
グラフィック表示用のリンクパーツを保存しているリンクパーツツールより所定のリンクパーツをグラフィックビルダ手段に引用してグラフィックオブジェクトファイルを生成すると共に、引用したリンクパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するグラフィック情報生成装置において、
引用された前記リンクパーツをカスタマイズすると共に、カスタマイズパーツを前記リンクパーツツールにリンク登録するカスタマイズ処理部を備えることを特徴とするグラフィック情報生成装置。
【請求項2】
前記カスタマイズ処理部は、カスタマイズ情報を保持し、前記グラフィックオブジェクトファイルに引用されているリンク登録パーツの一括更新の際に、カスタマイズを優先する更新処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項3】
前記カスタマイズ処理部は、前記リンクパーツツールに保存されている任意のリンクパーツを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存することを特徴とする請求項1または2に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項4】
前記カスタマイズ処理部は、前記グラフィックオブジェクトファイルを参照して生成したカスタマイズパーツを、前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項5】
前記カスタマイズ処理部は、参照した前記グラフィックオブジェクトファイルの汎用名で表記されていない箇所を、汎用名に変換して前記リンクパーツツールに保存及びリンク登録することを特徴とする請求項4に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項6】
前記カスタマイズ処理部は、前記カスタマイズパーツに付加される設定項目の選択を可能とする、設定項目選択手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項7】
前記設定項目選択手段は、表示の有無、サイズ、位置、回転、色、モディファイ条件の有無、の少なくともいずれかを選択することを特徴とする請求項6に記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項8】
前記カスタマイズ処理部は、リンクパーツの中に別のパーツを埋め込んでカスタマイズパーツを生成する、入れ子機能を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【請求項9】
前記カスタマイズ処理部は、グループ化されているリンクパーツのグループを解除し、編集後に再グループ化することによりカスタマイズを実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のグラフィック情報生成装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図3】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図3】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−305006(P2008−305006A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149432(P2007−149432)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
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