説明

グルココルチコステロイド受容体アゴニストとして作用するステロイド誘導体

本発明は、式(I)


〔式中、n、p、R、R、X、X、X、R3a、R3b、R、RおよびRは明細書で定義した通りである。〕
の化合物、その製造方法、それを含む医薬組成物および治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルココルチコステロイド受容体アゴニスト活性を有する化合物、その製造方法、それを含む医薬組成物および特に炎症性およびアレルギー性状態の処置のための、その治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
抗炎症性特性を有するグルココルチコステロイド(GCs)は周知であり、炎症性関節炎(arthritides)(例えばリウマチ性関節炎、強直性脊椎炎および乾癬性関節症)、他のリウマチ様疾患、例えば全身性エリテマトーデス、強皮症、側頭動脈炎および結節性多発性動脈炎を含む血管炎(vascutitides)、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、肺疾患、例えば喘息および慢性閉塞性気道疾患、ならびに多くの他の状態、例えばリウマチ性多発筋痛症のような疾患の処置に広く使用されている。GCsはまた、その免疫抑制性特性のために、移植片拒絶反応の予防および処置にも非常に広く使用されている。最後にGCsは、その抗腫瘍効果のために多くの悪性腫瘍に使用されている。
【0003】
GCsは、核受容体スーパーファミリーのメンバーである特異的グルココルチコイド受容体(GR)を介して作用する。リガンド結合は、受容体二量体化、DNA結合、および転写活性化を促進する。GC作用のこの機構はインビトロで十分に定義されており、視床下部−下垂体−副腎軸、糖新生ならびにインビボでマイトージェン活性化タンパク質キナーゼホスファターゼ−1(MKP−1)および分泌性白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)のような抗炎症性遺伝子の転写の制御に重要である。リガンドに結合した受容体はまた二量体化非依存的方法で、炎症性応答に必須に関与するAP−1およびNFkBのような転写因子の活性を妨害することにより、遺伝子転写を抑制できる。
【0004】
リガンド結合後、GRは細胞の細胞質から核に移動し、標的遺伝子の制御領域におけるグルココルチコイド応答配列に結合する。次いで、活性化されたGRは、グルココルチコイド受容体相互作用タンパク質1(GRIP−1)およびステロイド受容体コアクティベーター1(SRC1)を含む補助因子を動員する。これらのアクセサリータンパク質は受容体に結合し、標的遺伝子の転写を駆動するようにGRと一般的転写機構を結びつける。
【0005】
転写に対するグルココルチコイド作用は、標的DNAへの活性化GRの直接結合、ホモ二量体化およびコアクティベーターの動員(“トランス活性化”として既知)だけでなく、AP−1およびNFkBを含む他の転写因子機能を、これらの他の転写因子と複合体形成し、それらがその標的遺伝子と結合することを妨げ、通常AP−1またはNFkBにより上方制御されている遺伝子の抑制をもたらすことにより妨害するGRにより(“トランス抑制”として既知)の両方により仲介され得る。受容体活性のこの二つのモードは分けることができず、NFkB活性に対する負の影響がトランス活性化非存在下で維持され得る。トランス抑制が、GRの治療的に望ましい抗炎症性活性の仲介を大部分担っているように見える。興味深いことに、AP−1またはNFkBの阻害についてのIC50(0.04nM)は、標的遺伝子の活性化のためのEC50(5nM)より低く、それでも炎症性疾患の患者を処置するために高用量のGCsが頻繁に必要とされる。炎症部位で発現されるサイトカインが、相対的なグルココルチコイド耐性を、例えばAP−1またはNFkBを活性化することにより誘発し得ることが一つの説明である。これは、多くの炎症促進性サイトカイン類がNFkBの活性化によりシグナル伝達され、GCsの主要な抗炎症性作用がNFkB作用を妨害することにより仲介されると考えられるため、重要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明により、驚くべきことに1日1回投与の可能性を有する長時間作用を有する新規なグルココルチコステロイド群を発見した。
【0007】
本発明によって、それ故に、式
【化1】

〔式中、
、XおよびXは各々CHであるか、または、X、XおよびXの1個は、さらに窒素原子であってよく;
nおよびpは各々独立して0または1であり;
はハロゲン原子またはメチルまたはメトキシ基であり;
は−COCH、ハロゲン原子、または所望によりヒドロキシルまたは−NRで置換されていてよいメチル基であり;
3aは水素原子であり、そしてR3bは水素またはフッ素原子であり;
は−C(O)CHOHまたは−C(O)−Y−CHであり;
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、これは、所望により、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;
およびRは各々独立して水素原子、またはC−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル基であるか、または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい、3−8員の飽和または部分的に飽和したヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;
mは0、1または2であり;
Yは酸素または硫黄原子または基>NHであり;そして
は水素またはハロゲン原子またはメチルまたはシアノ基である。〕
の化合物;またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
本明細書の文脈において、特に断りのない限り、アルキル置換基または置換基上のアルキル部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキル基/部分の例は、メチル、エチル、プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルを含む。同様に、アルキレン基/部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキレン基/部分の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンおよび1−、2−または3−エチルプロピレンを含む。C−Cヒドロキシアルキル置換基/部分は、少なくとも1個のヒドロキシル基、例えば1個、2個、3個または4個のヒドロキシル基を含み、その例は−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOHおよび−CH(CHOH)を含む。疑いを避けるため、RおよびRがヘテロ環式環を表すとして定義されているとき、この定義は不安定構造または何らかのO−O、O−SまたはS−S結合を含むことを意図せず、そして、存在するならば、置換基は適当な環原子に結合してよいことは理解すべきである。
【0009】
式(I)中の何らかの化学部分または基が所望に予知置換されていてよいと記載されているとき、その部分または基は、置換されていなくても、1個以上の特定した置換基で置換されていてもよい。置換基の数および性質は、立体的に望ましくない組合せを避けるように選択するのは当然である。
【0010】
式(I)において、X、XおよびXはCHであり(その結果フェニル環を形成する)または、X、XおよびXの1個は、さらに窒素原子であってよい(その結果ピリジル環を形成する)。
本発明の一態様において、X、XおよびXは各々CHである。
本発明の一態様において、nは1であり、そしてpは0または1である。
【0011】
はハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)またはメチルまたはメトキシ基である。
本発明の一態様において、Rはフッ素原子である。
【0012】
他の態様において、nが1であり、そしてXがCHであるとき、XはRにより置換されている。
は−COCH、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)または所望によりヒドロキシルまたは−NRで置換されていてよいメチル基である。
一態様において、Rは−COCHである。
【0013】
他の態様において、Rは1個のヒドロキシル基で置換されたメチル基、すなわち−CHOHである。
さらなる態様において、Rは−NR基で置換されたメチル基、すなわち−CHNRである。
【0014】
さらに他の態様において、Rは2個のヒドロキシル基と2個の−NR基または1個のヒドロキシル基と1個の−NR基で置換されたメチル基である。
本発明の一態様において、R3aおよびR3bは各々水素原子である。
は−C(O)CHOHまたは−C(O)−Y−CHである。
【0015】
本発明の一態様において、Rは−C(O)CHOHである。
他の態様において、Rは−C(O)−Y−CHであり、ここで、Yは酸素または硫黄原子であり、そしてRは水素またはハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)原子またはメチルまたはシアノ基である。
【0016】
さらに別の態様において、Rは−C(O)−Y−CHであり、ここで、Yは酸素または硫黄原子であり、そしてRはフッ素原子またはメチルまたはシアノ基である。さらなる局面において、Yは酸素、または特に、硫黄原子であり、そしてRはシアノ基である。
【0017】
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、それは、所望によりC−Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル)およびC−Cシクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)から選択される少なくとも1個の置換基(特に独立して1個または2個の置換基)で置換されていてよい。
【0018】
一局面において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、それは1個または2個のC−Cアルキル基で置換されていてよい。
【0019】
他の局面において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、それは1個または2個のメチルまたはn−プロピル基で置換されていてよい。
【0020】
さらに他の局面において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、それは1個のC−C、好ましくはC−C、シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基で置換されていてよい。
【0021】
1,3−ジオキソラニル基上の置換基は、好ましくは2位に結合し、すなわち、2個の環酸素原子の間の炭素原子に結合する。
【0022】
およびRは、各々独立して水素原子、またはC−Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル)またはC−Cヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル、−(CH)OH、−(CH)OHまたは−CH(CHOH))基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい、3−8員、好ましくは5−6員の、飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル)およびC−Cヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル、−(CH)OH、−(CH)OHまたは−CH(CHOH))から独立して選択される少なくとも1個の置換基、例えば1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0023】
3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環の例は、モルホリン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、3−ピロリン、イソインドリン、テトラヒドロキノリンおよびチオモルホリンを含む。
【0024】
一態様において、RおよびRは、各々独立して水素原子またはC−Cアルキル(特にエチル)またはC−Cヒドロキシアルキル基である。
【0025】
他の態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなる環員を含んでよい、5−6員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよい。
【0026】
さらに別の態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、硫黄および酸素から選択されるさらなる環員を含んでよい5−6員の飽和のヘテロ環式環を形成し(例えばピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニルまたはモルホリニル)、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよい。
【0027】
さらに他の態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、硫黄および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい5−6員の飽和のヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、メチルおよびヒドロキシメチルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよい。
【0028】
本発明の一態様において、mは0である。
本発明の一態様において、Yは硫黄原子である。
本発明の一態様において、Rはフッ素原子またはメチルまたはシアノ基である。
【0029】
本発明の一態様において、
、XおよびXが各々CHであり;
nが1であり;
pが0または1であり;
がフッ素原子であり;
が−COCH、または所望によりヒドロキシルまたは−NRで置換されていてよいメチル基であり;
3aおよびR3bが各々水素原子であり;
が−C(O)CHOHまたは−C(O)−S−CHCNであり;
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、これは、所望により、C−Cアルキルおよびシクロヘキシルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;
およびRが各々独立して水素原子、またはC−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル基であるか、または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい5−6員の飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、メチルおよびヒドロキシメチルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;そして
mが0である。
【0030】
本発明の化合物の例は、次のものを含む:
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{3−[(ジエチルアミノ)メチル]−4−フルオロフェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(チオモルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(チオモルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
【0031】
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
【0032】
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート;
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b−デカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−8−シクロヘキシル−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;
およびこれらのいずれか一つの薬学的に許容される塩。
【0033】
上に列記した化学化合物の各々は、本発明の特定のかつ独立した局面を表すことは注意すべきである。
【0034】
本発明は、さらに、上記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、式(II)
【化2】

〔式中、R3a、R3b、R、RおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(III)
【化3】

〔n、p、R、R、X、XおよびXは式(I)において定義の通り。〕
の化合物またはその酸付加塩(例えば塩酸塩)を反応させ、所望により、その後に下記工程:
・ 式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換する
・ 何らかの保護基を除去する
・ 薬学的に許容される塩を形成する
の1つ以上を行うことを含む、方法を提供する。
【0035】
上記方法は、有機溶媒、例えば酢酸/水混合物の存在下、室温(20℃)で、または、有機溶媒、例えばエタノールの存在下、室温(20℃)から90℃の範囲の温度で行う。好ましくは、本反応は、塩基、例えばアルカリ金属酢酸塩、例えば酢酸カリウムの存在下で行う。
【0036】
式(II)の化合物は、Wuest, F et al., Steroids, 68 (2003), 177-191により文献に記載された方法に準じて、式(IV)
【化4】

〔式中、R3a、R3b、R、RおよびRは式(II)において定義の通りである。〕
の化合物と、ギ酸メチルまたはギ酸エチルを、塩基、例えば水素化ナトリウムの存在下で反応させることにより、製造し得る。
【0037】
式(III)および(IV)の化合物は、市販されているか、文献において既知であるか、既知技術を使用して容易に製造できる。
【0038】
当業者には、本発明の方法において、反応体中のヒドロキシルまたはアミノ基のようなある種の官能基を保護基により保護する必要があるかもしれないことは当然である。故に、式(I)の化合物の製造は、適当な段階での1個以上の保護基の除去を含み得る。
【0039】
官能基の保護および脱保護は、‘Protective Groups in Organic Chemistry’, edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973)および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。
【0040】
上記式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩、好ましくは酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩に変換してよい。
【0041】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、溶媒和された形、例えば水和された形、ならびに溶媒和されていない形で存在してよく、本発明は、全てのかかる溶媒和された形を含む。
【0042】
式(I)の化合物は、立体異性形で存在できる。本発明は、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体(アトロプ異性体を含む)およびラセミ体を含むそれらの混合物の使用を包含することは理解されよう。互変異性体およびそれらの混合物の使用はまた、本発明の一つの局面を形成する。鏡像的に純粋な形が特に望まれる。
【0043】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、医薬として、特にグルココルチコイド受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、故に、次の処置に使用し得る:
1. 呼吸器:次のものを含む気道の閉塞性疾患:間欠性および永続性両方の、そして全ての重症度の、および気道過敏反応性の他の原因を含む、気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発を含む)および粉塵誘発性喘息を含む、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む、気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に合併する線維症を含む、肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態と関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む、鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む、急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む、通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス感染;
【0044】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む、薬剤誘発性障害;
【0045】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む、結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響する自己免疫性、変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0046】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0047】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後または輸血後の急性および慢性のもの;または慢性移植片対宿主病;
【0048】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む、他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0049】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0050】
8. 感染症:ウイルス疾患、例えば性器疣贅、一般的疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;細菌疾患、例えば結核およびマイコバクテリウム・アビウム、ハンセン病;他の感染症、例えば真菌疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、ニューモシスティス・カリニ、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染およびリーシュマニア症。
【0051】
故に、本発明は、治療において使用するための、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0052】
さらなる局面において、本発明は、治療において使用するための医薬の製造における、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0053】
本明細書の文脈において、用語“治療する”は、反する具体的な指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療”および“治療的”はこれに従い解釈すべきである。
【0054】
予防は、当該疾患または状態の以前のエピソードに罹患しているか、または他の方法で特にリスクが高いと見なされるヒトの処置に特に適すると期待される。特定の疾患または状態を発症するリスクが高いヒトは、該疾患または状態の家族歴があるか、または、遺伝子試験またはスクリーニングにより該疾患または状態の発症に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0055】
特に、本発明の化合物(薬学的に許容される塩を含む)は、喘息{例えば気管支、アレルギー性、内因性、外因性または粉塵喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発型喘息または気道過敏反応性)}、慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはアレルギー性鼻炎の処置に使用し得る。
【0056】
本発明はまた、閉塞性気道疾患または状態(例えば喘息またはCOPD)を処置するか、またはリスクを減らす方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。
【0057】
上記の治療的使用について、投与する投与量は、もちろん、用いる化合物、投与方式、望む処置および適応される障害により変わる。例えば、本発明の化合物の1日投与量は、吸入ならば、0.05マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)の範囲であり得る。あるいは、化合物を経口投与するならば、本発明の化合物の1日投与量は0.01マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100ミリグラム/体重キログラム(mg/kg)の範囲であり得る。
【0058】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、それ自体で使用してよいが、一般には式(I)化合物/塩(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わさった医薬組成物の形で投与される。適当な医薬製剤の選択および製造のための慣用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs”, M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0059】
投与の方式によって、本医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、なお好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0060】
本発明はまた、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物も提供する。
【0061】
本発明は、さらに、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造法を提供する。
【0062】
医薬組成物は、局所的に(例えば皮膚または肺および/または気道に)、例えば、クリーム、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形で;または全身的に、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤または顆粒剤の形で経口投与により;または注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または輸液を含む用滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンの形で非経腸投与により);または坐薬の形での直腸投与により投与してよい。
【0063】
本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩)の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアロゾルは、経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入用に、本化合物は望ましくは粉砕する。粉砕した化合物は、好ましくは10マイクロメーター(μm)未満の質量中央粒子径を有し、噴射剤混合物に、分散剤、例えばC−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイン酸)、胆汁塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤の助けを借りて分散し得る。
【0064】
本発明の化合物はまた乾燥粉末吸入器の手段により投与し得る。本吸入器は、単回または多回投与量吸入器であってよく、呼気駆動型乾燥粉末吸入器であってよい。
【0065】
一つの可能性は、粉砕した本発明の化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または多のポリオールの混合である。適当な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは、粉砕した化合物を他の物質でコーティングしてよい。本粉末混合物はまた硬ゼラチンカプセルに分配してもよく、各々所望量の活性化合物を含む。
【0066】
他の可能性は、粉砕した粉末の、吸入過程中に破壊する球体への加工である。この球体化粉末を、多回投与量吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)(投与ユニットが所望量を定量し、次いでそれが患者により吸入される)として既知の吸入器の薬剤貯蔵部に充填してよい。このシステムで、活性成分は、担体物質を伴って、または伴わずに、患者に送達される。
【0067】
経口投与用に、本発明の化合物をアジュバントまたは担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ポテトデンプン、コーンデンプンまたはアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン;および/または平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、蝋、パラフィンなどと混合し、次いで錠剤に圧縮してよい。コーティング錠が必要であれば、上記の通りに製造したコアを、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルクおよび二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液でコーティングしてよい。あるいは、錠剤を、易揮発性の有機溶媒に溶解した適当なポリマーでコートしてよい。
【0068】
軟ゼラチンカプセルの製造のために、本発明の化合物を、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬ゼラチンカプセルは、上記の錠剤用賦形剤のいずれかを使用して、化合物の顆粒を含み得る。また本発明の化合物の液体または半固体製剤を硬ゼラチンカプセルに充填してよい。
【0069】
経口適用用液体製剤は、シロップ剤または懸濁剤、例えば、バランスが糖とエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物である本発明の化合物を含む溶液の形であり得る。所望により、そのような液体製剤は、着色剤、風味剤、サッカリンおよび/または濃化剤としてカルボキシメチルセルロースまたは当業者に既知の他の賦形剤を含み得る。
【0070】
本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩)はまた上記状態の処置に使用するための他の化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0071】
それ故、本発明は、さらに、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは製剤を、記載の状態の1種以上の処置のために、他の1種または複数種の治療剤と同時に、または連続的に、または組み合わせ製剤として投与する組み合わせ治療に関する。
【0072】
特に、リウマチ性関節炎、骨関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、および炎症性腸疾患のような(しかしこれらに限定されない)炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を次の薬物と組み合わせてよい:局所的または全身的いずれに適用するものであれ非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤を含む非ステロイド性抗炎症剤(以後NSAIDs)(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン);選択的COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);シクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素ドナー(CINODs);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路のいずれで投与するものであれ);メトトレキサート;レフルノミド;ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン;関節内治療剤、例えばヒアルロン酸誘導体;および栄養補助食品、例えばグルコサミン。
【0073】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、アルファ−、ベータ−、およびガンマ−インターフェロン類;インシュリン様増殖因子I型(IGF−1);インターロイキン(IL)1〜17を含むIL、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤、例えばアナキンラ;腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ;アダリムマブ、およびCDP−870)および免疫グロブリン分子(例えばエタネルセプト)および低分子量薬剤、例えばペントキシフィリンを含むTNF受容体アンタゴニストを含むサイトカインまたはサイトカイン機能のアゴニストまたはアンタゴニスト(サイトカインシグナル伝達経路上に作用するもの、例えばSOCS系のモジュレーターを含む)の組み合わせに関する。
【0074】
加えて本発明は、本発明の化合物と、B−リンパ球(例えばCD20(リツキシマブ)、MRA-aILl6RおよびT−リンパ球、CTLA4-Ig、HuMax Il-15)を標的とするモノクローナル抗体の組み合わせに関する。
【0075】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびC−X−CファミリーについてCXCR1のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0076】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、ドキシサイクリンのような薬剤を含む、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−9およびMMP−12の阻害剤の組み合わせに関する。
【0077】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、例えば;ジロートン;ABT-761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えばZeneca ZD-2138;化合物SB−210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL−739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL−746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK-591、MK-886、およびBAY x 1005の組み合わせに関する。
【0078】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、フェノチアジン−3−1類、例えばL-651,392;アミジノ化合物、例えばCGS−25019c;ベンゾキサルアミン類、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド類、例えばBIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195から選択されるロイコトリエン類(LT)B4、LTC4、LTD4、およびLTE4の受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0079】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5の阻害剤を含む、選択的PDEアイソザイム阻害剤の組み合わせに関する。
【0080】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、経口的、局所的または非経腸的に適用する;ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチンの組み合わせに関する。
【0081】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール)または胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物と、ヒスタミン4型受容体のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0082】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、アルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、ナファゾリンヒドロクロライド、オキシメタゾリンヒドロクロライド、テトラヒドロゾリンヒドロクロライド、キシロメタゾリンヒドロクロライド、トラマゾリンヒドロクロライドまたはエチルノルエピネフリンヒドロクロライドの組み合わせに関する。
【0083】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、ムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストを含む抗コリン作動剤、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、イプラトロピウムブロマイド、チオトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、ピレンゼピンまたはテレンゼピンの組み合わせに関する。
【0084】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、ベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、またはピルブテロール、またはそのキラル鏡像体の組み合わせに関する。
【0085】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、クロモン、例えばナトリウムクロモグリケートまたはネドクロミルナトリウムの組み合わせに関する。
【0086】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、グルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニドまたはモメタゾンフロエートの組み合わせに関する。
【0087】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、PPARsのような核ホルモン受容体を調節する薬剤の組み合わせに関する。
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはアンタゴニストまたはIg機能を調節する抗体、例えば抗IgE(例えばオマリズマブ)の組み合わせに関する。
【0088】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、他の全身的または局所的に適用する抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオールの組み合わせに関する。
【0089】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、アミノサリチレート類およびスルファピリジン、例えばスルファサラジン、メサラジン、バルサラジド、およびオルサラジン;および免疫調節剤、例えばチオプリン類の組み合わせに関する。
【0090】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、抗細菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入型アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツの組み合わせに関する。
【0091】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、心血管剤、例えばカルシウムチャネルブロッカー、ベータ−アドレナリン受容体ブロッカー、アンギオテンシン−変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニスト;脂質低下剤、例えばスタチンまたはフィブラート;細胞形態学のモジュレーター、例えばペントキシフィリン;血栓溶解、または抗凝血剤、例えば血小板凝集阻害剤の組み合わせに関する。
【0092】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、CNS剤、例えば抗鬱剤(例えばセルトラリン)、抗パーキンソン剤(例えばデプレニル、L−ドーパ、ロピニロール、プラミペキソール、MAOB阻害剤、例えばセレギリン(selegine)およびラサギリン、comP阻害剤、例えばタスマール、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストまたは神経型一酸化窒素合成酵素の阻害剤)、または抗アルツハイマー剤、例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリホナートの組み合わせに関する。
【0093】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、急性または慢性疼痛を処置する薬剤、例えば中枢性または末梢性に作用する鎮痛剤(例えばオピオイドまたはその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、ナトリウムバロプロエート、アミトリプチリン(amitryptiline)または他の抗鬱剤、パラセタモール、または非ステロイド性抗炎症剤の組み合わせに関する。
【0094】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、非経腸的または局所的に適用する(吸入を含む)局所麻酔剤、例えばリグノカインまたはその誘導体の組み合わせに関する。
【0095】
本発明の化合物はまた、ホルモン剤、例えばラロキシフェン、またはビホスホネート、例えばアレンドロネートを含む、抗骨粗鬆症剤と組み合わせても使用できる。
【0096】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と:(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)キナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ(例えば、Btk、Itk、Jak3またはMAP、例えばゲフィチニブまたはイマチニブメシレート)、セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、MAPキナーゼ、例えばp38、JNK、タンパク質キナーゼA、BまたはC、またはIKKの阻害剤)、または細胞サイクル制御に関与するキナーゼ(例えば、サイクリン依存性キナーゼ)の阻害剤;(viii)グルコース−6ホスフェートデヒドロゲナーゼ阻害剤;(ix)キニン−B.sub1.−またはB.sub2.−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風剤、例えばコルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;(xii)尿酸排泄促進剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンまたはベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進物質;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)線維芽細胞増殖因子、例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)タキキニンNK.sub1.またはNK.sub3.受容体アンタゴニスト、例えばNKP−608C、SB−233412(タルネタント)またはD−4418;(xx)エラスターゼ阻害剤、例えばUT−77またはZD−0892;(xxi)TNF−アルファ変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;(xxiii)TH2細胞上に発現される化学誘引物質受容体相同分子(例えばCRTH2アンタゴニスト);(xxiv)P38の阻害剤;(xxv)トール様受容体(TLR)の機能を調節する薬剤、(xxvi)プリン作動性受容体の活性を調節する薬剤、例えばP2X7;(xxvii)転写因子活性化の阻害剤、例えばNFkB、API、またはSTATS;または(xxviii)グルココルチコイド受容体アゴニストの組み合わせに関する。
【0097】
さらなる局面において、本発明は、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と次から独立して選択される1種以上の薬剤の(例えばCOPD、喘息またはアレルギー性鼻炎の処置のための)組み合わせを提供する:
・ 非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR−受容体)アゴニスト;
・ 選択的βアドレナリン受容体アゴニスト(例えばメタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、ピルブテロールまたはインダカテロール);
・ ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えばPDE4阻害剤);
・ プロテアーゼ阻害剤(例えば好中球エラスターゼまたはマトリックスメタロプロテアーゼMMP−12阻害剤);
・ グルココルチコイド;
・ 抗コリン剤;
・ ケモカイン受容体機能のモジュレーター(例えばCCR1受容体アンタゴニスト);および
・ キナーゼ機能の阻害剤(例えばキナーゼp38またはIKK)。
【0098】
本発明はまた、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩である第一活性成分の製剤と、
・ 非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR−受容体)アゴニスト;
・ 選択的βアドレナリン受容体アゴニスト;
・ ホスホジエステラーゼ阻害剤;
・ プロテアーゼ阻害剤;
・ グルココルチコイド;
・ 抗コリン剤;
・ ケモカイン受容体機能のモジュレーター;または
・ キナーゼ機能の阻害剤;
である第二活性成分の製剤を組み合わせて含む、治療において同時に、連続的にまたは別々に使用するための医薬品も提供する。
【0099】
他の局面において、本発明は、前記で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩である第一活性成分の製剤と、
・ 非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR−受容体)アゴニスト;
・ 選択的βアドレナリン受容体アゴニスト;
・ ホスホジエステラーゼ阻害剤;
・ プロテアーゼ阻害剤;
・ グルココルチコイド;
・ 抗コリン剤;
・ ケモカイン受容体機能のモジュレーター;または
・ キナーゼ機能の阻害剤;
である第二成分の製剤、および、これらの製剤のそれを必要とする患者への同時の、連続的なまたは別の投与のための指示書を含む、キットを提供する。
【0100】
本発明の化合物はまた癌の処置に既存の治療剤と組み合わせても使用でき、例えば適当な薬剤は次のものを含む:
(i)内科的腫瘍学において使用される、抗増殖性/抗新生物剤またはその組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンまたはニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシルまたはテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンまたはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンまたはミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビン、またはタキソイド、例えばタキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカンまたはカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンまたはヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドまたは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンまたはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールまたはエキセメスタン)または5α−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞侵襲を阻害する薬剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤またはウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツマブ、または抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI-774)または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、または肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
【0101】
(v)抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856またはWO98/13354に開示の化合物)、または他の機構により作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能またはアンジオスタチンの阻害剤);
(vi)血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4、またはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434またはWO02/08213に開示の化合物;
(vii)アンチセンス治療に使用する薬剤、例えば上記の標的の一つに指向するもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii)遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するためのアプローチ、GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するものおよび化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を高めるもの、例えば多剤耐性遺伝子治療;または
(ix)免疫治療アプローチに使用する薬剤、例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン類、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用するアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ。
【0102】
本発明を、ここで、次の説明的実施例を参照してさらに説明し、該実施例中、次の略語を使用する:
【表1】

【0103】
一般法
NMRスペクトルを、Varian Mercury-VX 300 MHz装置またはVarian Inova 400MHz装置を使用して記録した。クロロホルム−d(H 7.26ppm)、アセトン−d(H 2.05ppm)、アセトニトリル−d 1.94ppm)またはDMSO−d(H 2.50ppm)の中央ピークを内部標準として使用した。
【0104】
次の方法をLC/MS分析に使用した:
装置Agilent 1100;カラムWaters Symmetry 2.1 x 30 mm;マスAPCI;流速0.7mL/分;波長254nm;溶媒A:水+0.1%TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA;勾配15−95%/B 2.7分間、95%B 0.3分間。
【0105】
カラムクロマトグラフィーをシリカゲル(0.040−0.063mm、Merck)を使用して行った。
分取HPLCについて、Kromasil KR-100-5-C18カラム(250 x 20mm, Akzo Nobel)および 10ml/分の流速のアセトニトリル/水(0.1%TFA)混合物、または20ml/分の流速でXTerra(登録商標) Prep MS C18 OBDTMカラム、5μm、19×50mm(アセトニトリル/水/0.1%NH)のいずれかを使用した。UV=254nmまたは220nmを検出に使用した。
【0106】
特に断りのない限り、出発物質は市販されていた。全ての溶媒および市販試薬は研究室グレートであり、受け取ったまま使用した。
【実施例】
【0107】
中間体1
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化5】

(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン(ブデソニド)(7g、16.3mmol)を、200ml エタノールおよび100ml トルエンの混合物に溶解した。トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライド(2.1g、2.3mmol)を添加し、混合物を水素雰囲気下、40時間撹拌した。LC−MSでモニターして完了後、溶媒を蒸発させ、残留物をCHClに再溶解した。ヘプタンを添加し、混合物を1時間撹拌した。沈殿を濾取し、CHCl/ヘプタンで精製した。粗生成物を次工程に直接使用した。APCI-MS m/z: 433 [MH+].
【0108】
中間体2
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化6】

中間体1の粗生成物(7.03g、16.3mmol)を、CHCl/ピリジン(2:1、90ml)混合物に溶解し、tert−ブチルジメチルクロロシラン(9.7ml、61.8mmol)を添加した。混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカ(EtOAc/ヘプタン、10〜70%EtOAcの勾配)で精製して、表題化合物(7.3g、82%)を得た。APCI-MS m/z: 547 [MH+].
【0109】
中間体3
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−2−オキソ−8−プロピル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−3−カルボアルデヒド
【化7】

トルエン(20ml)に溶解した中間体2(1g、1.8mmol)dを、アルゴン下、乾燥容器中、油中55%NaH(1.5g、36.6mmol)と混合した。ギ酸エチル(2.2ml、27.5mmol)を添加した。水素発生が止んだ後、それをマイクロ波照射下45℃で60分間加熱した。混合物を水およびEtOAcに分配した。有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物は大部分生成物から成り、さらに精製せずに次工程に使用した。APCI-MS m/z: 575 [MH+].
【0110】
中間体4
(2−フルオロ−5−ヒドラジニルフェニル)メタノールヒドロクロライド
【化8】

(5−アミノ−2−フルオロフェニル)メタノール(3.6g、25.8mmol)を濃HCl(39ml)に溶解し、0℃に冷却した。NaNO(1.89g、27.4mmol)の水(9.4ml)溶液を、20分間にわたり0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌し、SnCl(11g、57.4mmol)の濃HCl(11.5ml)溶液を滴下した。混合物を60分間、0℃で撹拌し、水性14N NaOHの添加により塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、HCl溶液(1M)で抽出した。水相を凍結乾燥して、表題化合物(1.65g、33%)を得た。APCI-MS m/z: 157 [MH+]。
【0111】
中間体5
2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化9】

中間体3(1.05g、1.83mmol)をエタノール(10ml)に溶解した。(2−フルオロ−5−ヒドラジニルフェニル)メタノールヒドロクロライド(0.42g、2.20mmol)および酢酸カリウム(0.23g、2.29mmol)を添加し、混合物をマイクロ波照射下90℃で10分間加熱した。粗生成物をシリカ(EtOAc/ヘプタン1:3)で精製して、表題化合物(1.2g、92%)を得た。APCI-MS m/z: 695 [MH+].
【0112】
中間体6
5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]−2−フルオロベンジルメタンスルホネート
【化10】

中間体5(1.29g、1.86mmol)、EtN(0.28ml、2.04mmol)およびメタンスルホニルクロライドをCHCl(20ml)中、一夜撹拌した。混合物をCHClおよび塩水に分配し、有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させて、粗表題化合物(1g、70%)を得て、それをさらに精製せずに次工程に使用した。APCI-MS m/z: 773 [MH+].
【0113】
実施例1
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノントリフルオロ酢酸
【化11】

中間体6(200mg、0.26mmol)をDMF(4ml)に溶解し、モルホリン(100mg、1.15mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌した。TFA/水(1:1)を、保護基が除去されるまで添加した。サンプルを分取HPLC(MeCN/水/0.1%TFA)で精製して、表題化合物(43mg、25%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.72 (1H, dd); 7.62 - 7.58 (1H, m); 7.39 (1H, s); 7.32 (1H, t); 6.17 (1H, d); 4.83 (1H, d); 4.60 (1H, t); 4.49 (1H, d); 4.45 - 4.42 (1H, m); 4.29 - 4.22 (3H, m); 3.84 (4H, bs); 3.17 (4H, bs); 2.96 (1H, d); 2.66 (1H, d); 2.48 (1H, t); 2.00 (1H, dd); *(溶媒ピーク中2H) 1.78 - 1.57 (6H, m); 1.46 - 1.37 (2H, m); 1.24 (3H, s); 1.19 (1H, dd); 1.09 - 0.98 (1H, m); 0.91 (3H, t); 0.86 (3H, s). APCI-MS m/z: 650 [MH+]
【0114】
実施例2〜15
次の化合物を、実施例1に記載の方法に準じて合成した。
【表2】

【表3】

【0115】
【表4】

【表5】

【0116】
【表6】

【表7】

【0117】
【表8】

【0118】
実施例16
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化12】

中間体5(100mg、0.14mmol)を、メタノール中、数滴のHClと撹拌した。表題化合物を分取HPLCにより得た(22mg、54%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, dd); 7.51 (1H, s); 7.37 - 7.32 (1H, m); 7.16 (1H, t); 6.03 (1H, s); 4.92 (1H, d); 4.83 (2H, s); 4.59 - 4.50 (3H, m); 4.28 (1H, d); 3.01 (1H, d); 2.71 (1H, d); 2.50 (1H, t); 2.30 (1H, d); 2.11 - 1.90 (2H, m); 1.81 (1H, dd); 1.75 - 1.57 (5H, m); 1.48 - 1.39 (2H, m); 1.31 (3H, s); 1.26 (1H, dd); 1.18 - 1.07 (1H, m); 0.98 - 0.90 (6H, m). APCI-MS m/z: 581 [MH+].
【0119】
実施例17
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化13】

表題化合物を、実施例16の方法に従い製造した。
1H NMR (399.988 MHz, CDCl3) δ 7.67 (1H, d); 7.59 (1H, s); 7.36 - 7.31 (1H, m); 7.17 (1H, t); 6.01 (1H, s); 5.23 - 5.18 (2H, m); 4.64 (1H, d); 4.54 - 4.49 (1H, m); 4.23 (1H, d); 3.03 (1H, d); 2.70 (1H, d); 2.56 - 2.46 (1H, m); 2.35 - 2.28 (1H, m); 2.10 (1H, d); 2.02 - 1.92 (2H, m); 1.83 - 1.61 (5H, m); 1.54 - 1.34 (4H, m); 1.32 (3H, s); 1.28 - 1.24 (1H, m); 1.18 - 1.08 (1H, m); 0.99 - 0.90 (6H, m). APCI-MS m/z: 581 [MH+].
【0120】
実施例18
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化14】

表題化合物を、中間体5の製造方法と類似の方法を使用して、4−フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロライドを使用して製造した。保護基をメタノール中、数滴のHClと2時間撹拌することにより除去した。2種の異性体をPhenomenex Gemini 5μ C18カラム(エタノール/水/1%アンモニア)で分割した。
1H NMR (399.99 MHz, アセトン-d6) δ 7.59 - 7.55 (2H, m); 7.42 (1H, s); 7.30 (2H, t); 6.19 (1H, d); 4.86 (1H, d); 4.62 (1H, t); 4.57 - 4.49 (2H, m); 4.26 (1H, d); 3.04 (1H, d); 2.72 (1H, d); 2.59 - 2.48 (1H, m); 2.36 - 2.29 (1H, m); 2.03 - 1.71 (6H, m); 1.66 - 1.59 (2H, m); 1.50 - 1.41 (2H, m); 1.33 (3H, s); 1.25 - 1.21 (1H, m); 1.13 - 1.02 (1H, m); 0.94 - 0.89 (6H, m). APCI-MS m/z: 551 [MH+].
【0121】
実施例19
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化15】

表題化合物を、実施例18の方法に従い製造した。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6) δ 7.53 - 7.49 (2H, m); 7.45 (1H, s); 7.37 - 7.32 (2H, m); 6.10 (1H, s); 5.21 (1H, t); 5.07 (1H, d); 5.02 (1H, t); 4.48 (1H, dd); 4.40 (1H, d); 4.33 - 4.30 (1H, m); 4.08 (1H, dd); 2.93 (1H, d); 2.61 (1H, d); 2.31 - 2.24 (1H, m); 1.87 - 1.53 (6H, m); 1.45 - 1.36 (2H, m); 1.32 - 1.23 (2H, m); 1.21 (3H, s); 1.15 - 1.10 (1H, m); 1.07 - 0.98 (1H, m); 0.89 - 0.82 (6H, m). APCI-MS m/z: 551 [MH+].
【0122】
中間体7
(3Z,4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−5−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチレン)−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化16】

中間体7を、中間体3の製造方法に従い、(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン(デソニド)から出発して製造した。APCI-MS m/z: 561 [MH+].
【0123】
中間体8
2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]エタノン
【化17】

中間体8を、中間体5の製造方法に従い、4−フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロライドを使用して製造した。APCI-MS m/z: 651 [MH+].
【0124】
実施例20
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化18】

中間体8(23mg、0.035mmol)をTHF(2ml)に溶解し、酢酸(10μl)、続いてテトラ(tertra)ブチルアンモニウムフルオライド(32mg、0.11mmol)を添加した。混合物を一夜撹拌した。粗生成物をMeCN/水を使用する分取HPLCで精製した。純粋フラクションを蒸発させて、表題化合物を固体物質として得た(15mg、80%)。
1H NMR (299.949 MHz, CDCl3) δ 7.44 (2H, tt); 7.40 (1H, s); 7.18 - 7.12 (2H, m); 6.05 (1H, d); 5.06 (1H, d); 4.67 (1H, dd); 4.50 (1H, s); 4.18 (1H, dd); 3.09 (1H, t); 2.96 (1H, d); 2.68 (1H, d); 2.55 - 2.41 (1H, m); 2.31 - 2.18 (1H, m); 2.06 - 1.87 (2H, m); 1.79 - 1.58 (4H, m); 1.45 (3H, s); 1.32 - 1.04 (8H, m); 0.88 (3H, d). APCI-MS m/z: 537 [MH+].
【0125】
実施例21
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化19】

中間体7(0.449g、0.8mmol)および酢酸カリウム(0.157g、1.60mmol)をエタノール(35ml)中で混合した。(2−フルオロ−5−ヒドラジニルフェニル)メタノールヒドロクロライド(0.200g、1.04mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下76℃で60分間加熱した。ギ酸(6.14ml、80.0mmol)を反応混合物に室温で添加した。10分後、溶媒を蒸発させ、粗生成物を“Kromasil”(商品名)カラムで精製し、アセトニトリル/水/0.1%TFAで溶出した。純粋フラクションを蒸発させて、95mgの表題化合物を固体物質として得た(95mg、21%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.65 (1H, dd); 7.54 (1H, s); 7.36 - 7.31 (1H, m); 7.16 (1H, t); 6.02 (1H, s); 5.07 (1H, d); 4.83 (2H, s); 4.69 (1H, d); 4.55 - 4.52 (1H, m); 4.20 (1H, d); 3.02 (1H, d); 2.72 (1H, d); 2.55 - 2.46 (1H, m); 2.10 - 1.92 (4H, m); 1.79 (1H, d); 1.70 - 1.60 (3H, m); 1.46 (3H, s); 1.32 (3H, s); 1.25 (1H, dd); 1.16 (3H, s); 0.88 (3H, s). APCI-MS m/z: 567 [MH+].
【0126】
中間体9
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エタノン
【化20】

この中間体を中間体3および(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロライドから、中間体5の製造方法と同様の製造方法に従い、製造した。LC−MSで生成物を検出するために、保護基をLC−MSサンプルにおいてメタノール/10%HClで除去した。APCI-MS m/z: 629, 631 [MH+].
【0127】
中間体10
メチル5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]−2−フルオロベンゾエート
【化21】

中間体9(260mg、0.35mmol)をDMF(2ml)およびメタノール(2ml)に溶解した。酢酸パラジウム(II)(11mg、0.05mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(33mg、0.08mmol)およびDIEA(174μl、1.05mmol)を添加した。混合物をオートクレーブ中、110℃で一酸化炭素圧下(5bar)、40時間加熱した。混合物を水およびEtOAcに分配した。有機相を蒸発させ、粗生成物をシリカ(EtOAc/ヘプタン1:3)で精製して、表題化合物(217mg、86%)。LC−MSで生成物を検出するために、保護基をLC−MSサンプルにおいてメタノール/10%HClで除去した。APCI-MS m/z: 609 [MH+].
【0128】
実施例22
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート
【化22】

中間体10(155mg、0.21mmol)のエタノール(3ml)溶液を3N HCl(0.5ml)で処理した。懸濁液を室温で0.5時間撹拌した。粗生成物を分取HPLC(エタノール/水/0.1%TFA)で精製して、表題化合物(3mg、5%)を得た。
1H NMR (399.988 MHz, CDCl3) δ 8.04 (1H, dd); 7.69 - 7.64 (1H, m); 7.42 (1H, s); 7.25 (1H, t); 6.07 (1H, d); 4.92 (1H, d); 4.58 - 4.49 (3H, m); 4.27 (1H, dd); 3.95 (3H, s); 3.04 - 2.95 (2H, m); 2.70 (1H, d); 2.54 - 2.44 (1H, m); 2.33 - 2.26 (1H, m); 2.09 - 1.89 (2H, m); 1.81 (1H, dd); 1.75 - 1.56 (6H, m); 1.48 - 1.38 (2H, m); 1.30 (3H, s); 1.27 - 1.20 (1H, m); 1.18 - 1.06 (1H, m); 0.96 - 0.89 (6H, m). APCI-MS m/z: 609 [MH+].
【0129】
実施例23
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート
【化23】

表題化合物を、実施例22の方法に従い製造した。
1H NMR (399.988 MHz, cdcl3) δ 8.04 (1H, dd); 7.69 - 7.64 (1H, m); 7.42 (1H, s); 7.25 (1H, t); 6.07 (1H, d); 5.24 - 5.18 (2H, m); 4.64 (1H, d); 4.51 (1H, s); 4.23 (1H, d); 3.95 (3H, s); 3.05 - 2.95 (2H, m); 2.68 (1H, d); 2.54 - 2.44 (1H, m); 2.33 - 2.26 (1H, m); 2.09 (1H, dd); 2.02 - 1.90 (2H, m); 1.86 - 1.44 (6H, m); 1.42 - 1.33 (2H, m); 1.30 (3H, s); 1.28 - 1.23 (1H, m); 1.19 - 1.07 (1H, m); 0.98 (3H, s); 0.92 (3H, t).
APCI-MS m/z: 609 [MH+].
【0130】
中間体11
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS,12S)−12−フルオロ−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化24】

中間体11を、(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS,12S)−12−フルオロ−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン(フルニソリド)から、中間体1の製造方法と同様の製造方法で製造した。
APCI-MS m/z: 437 [MH+].
【0131】
中間体12
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS,12S)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−12−フルオロ−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化25】

中間体12を、中間体11から、中間体2の方法に従い製造した。APCI-MS m/z: 551 [MH+].
【0132】
中間体13
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,10aS,10bS)−6b−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アセチル)−12−フルオロ−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−2−オキソ−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−3−カルボアルデヒド
【化26】

10ml容器中、中間体12(100mg、0.18mmol)およびギ酸エチル(30μl、0.36mmol)をトルエンと混合し、アルゴンでパージした。水素化ナトリウム(79mg、1.8mmol、油中55−60%)を添加し、混合物を1時間撹拌した。次いで反応混合物をシリカカラムで、精製物をCHClで溶出して精製した。溶液を濃縮し、そのまま次工程に使用した。APCI-MS m/z: 579 [MH+].
【0133】
中間体14
2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5,12−ジヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]エタノン
【化27】

10ml丸底フラスコ中、中間体13(80mg、0.14mmol)、4−フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロライド(22.47mg、0.14mmol)および酢酸カリウム(8.6μl、0.14mmol)を酢酸(1ml)、水(1ml)およびエタノール(1ml)の混合物に溶解し、褐色溶液を得た。混合物を1時間、室温で撹拌した。粗生成物をMeCN/水を使用する分取HPLCで精製して、10mgの所望の生成物を得た。APCI-MS m/z: 667 [MH+].
【0134】
実施例24
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b−デカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン
【化28】

中間体14(10mg、0.015mmol)のエタノール(1ml)溶液をHCl(0.15mmol)で処理した。懸濁液を室温で0.5時間撹拌した。粗物質を分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(2mg、25%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.50 - 7.44 (3H, m); 7.19 - 7.14 (2H, m); 6.12 - 6.08 (2H, m); 5.81 (1H, d); 5.11 (1H, d); 4.69 (1H, dd); 4.52 (1H, s); 4.20 (1H, dd); 3.04 - 2.94 (2H, m); 2.76 (1H, t); 2.70 - 2.65 (1H, m); 2.07 (1H, dd); 1.95 (1H, dd); 1.87 - 1.64 (3H, m); 1.51 - 1.42 (4H, m); 1.23 - 1.19 (4H, m); 1.16 (3H, s); 0.92 (3H, s). APCI-MS m/z: 535 [MH+].
【0135】
中間体15
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化29】

水(20ml)に溶解した過ヨウ素酸(5.4g、23.69mmol)を、中間体1(9.1g、21.04mmol)のジオキサン(60ml)溶液に添加し、反応混合物をr.t.で、開放フラスコ中、4.5時間撹拌した。反応完了後、溶液を冷飽和水性重炭酸ナトリウムに注意深く注ぎ、蒸発させた。残留物を250ml 塩化メチレンに溶解し、水性1M NaOHで洗浄した。水性相を濃HClで酸性化し、2×250ml EtOAcで抽出し、乾燥させ、続いて溶媒を蒸発させた。残留物を最少量のEtOAcに溶解し、石油エーテル(40−60)の添加により沈殿させて、4.5g(10.75mmol、51%)の所望の生成物を得た。APCI-MS m/z: 419 [MH+]
【0136】
中間体16
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−2−オキソ−8−プロピル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−3−カルボアルデヒド
【化30】

中間体3に従い、中間体15を使用して製造した。APCI-MS m/z: 447 [MH+].
【0137】
中間体17
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化31】

中間体5に従い、中間体16を使用して、製造した。APCI-MS m/z: 537 [MH+].
【0138】
中間体18
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−6b−(N,N−ジメチルアミノカルボニルチオカルボニル)−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化32】

中間体17(150mg、0.28mmol)およびN,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド(70.0mg、0.57mmol)のアセトン溶液を、トリエチルアミン(90μl、0.64mmol)、ヨウ化ナトリウム(3.81μl、0.09mmol)および水(20μl)で処理した。混合物を4時間、r.t.で撹拌した。溶媒を真空で除去し、得られた残留物をEtOAcに取り込み、水性炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機相を硫酸水素ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、126mg(0.20mmol;72%)の無色固体を得て、それをさらに精製せずに使用した。APCI-MS m/z: 624 [MH+]
【0139】
中間体19
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−6b−(メルカプトカルボニル)−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化33】

中間体18(119mg、0.19mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(4ml)溶液を、NaSH一水和物(105mg、0.19mmol)で処理した。溶液をrtで4時間撹拌した。混合物を冷1M水性HClに注いだ。得られた帯黄色沈殿(85mg、0.15mmol、76%)を濾過し、さらに精製せずに使用した。APCI-MS m/z: 553 [MH+].
【0140】
実施例25
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化34】

中間体19(85mg、15mmol)、ブロモアセトニトリル(20.29mg、0.17mmol)および無水炭酸カリウム(25.5mg、0.18mmol)の混合物のアセトン(4mL)溶液を、室温で3時間撹拌した。完了すると溶媒を除去し、得られた残留物をジクロロメタンに取り込み、水で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物を分取HPLCで精製して、所望の生成物の(R)−エピマーを18mg(0.03mmol、20%)得た。
1H NMR (400 MHz, cd3cn) δ 7.51 - 7.48 (2H, m); 7.39 (1H, s); 7.27 - 7.22 (2H, m); 6.13 (1H, d); 4.78 (1H, d); 4.72 (1H, t); 4.46 (1H, d); 3.70 (2H, d); 3.17 - 3.10 (3H, m); 2.96 (1H, d); 2.66 (1H, d); 2.48 (1H, t); 2.00 (1H, dd); 1.90 - 1.64 (6H, m); 1.50 - 1.42 (2H, m); 1.24 (3H, s); 1.19 (1H, dd); 1.09 - 0.98 (1H, m); 0.97 (3H, s); 0.94 (3H, t). APCI-MS m/z: 592 [MH+].
【0141】
中間体20
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,16R,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−2,6,7,8,9,11,12,14,15,16−デカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン
【化35】

クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(7g、7.56mmol)のエタノール(600ml)溶液およびトルエン(250ml)の混合物を、窒素で3回脱気した。(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17S)−11,16,17−トリヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(10g、26.56mmol)を添加し、混合物を大気圧で、r.t.で72時間水素化した。溶媒を真空で除去し、残留物をCHClに取り込んだ。不溶物質を濾取し、CHClで洗浄し、溶媒を減圧下除去して、8.5g(22.46mmol、85%)の所望の生成物を明黄色固体として得た。APCI-MS m/z: 418 [MH+].
【0142】
中間体21
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化36】

中間体20(8.5g、22.46mmol)の混合物のアセトン(50ml)溶液に、過塩素酸(10.35μl、0.17mmol)を添加し、反応が完了するまで撹拌した。黄色がかった透明溶液を、予め冷却した飽和水性NaHCOに添加し、得られた沈殿を濾過し、乾燥させて、8.5の所望の生成物(20.31mmol、90%)を灰白色固体として得た。APCI-MS m/z: 419 [MH+].
【0143】
中間体22
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−2−オン
【化37】

中間体15に従い、中間体21を使用して製造した。APCI-MS m/z: 405 [MH+].
【0144】
中間体23
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−5−ヒドロキシ−2−オキソ−4a,6a,8,8−テトラメチル−3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−テトラデカヒドロ−2H−ナフト[2',1':4,5]インデノ[1,2−d][1,3]ジオキソール−3−カルボアルデヒド
【化38】

中間体3に従い、中間体22を使用して製造した。APCI-MS m/z: 433 [MH+].
【0145】
中間体24
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−カルボキシ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化39】

中間体5に従い、中間体23を使用して製造した。APCI-MS m/z: 523 [MH+].
【0146】
中間体25
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−6b−(N,N−ジメチルカルボニルチオカルボニル)−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化40】

中間体18に従い、中間体24を使用して製造した。APCI-MS m/z: 610 [MH+].
【0147】
中間体26
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−6b−(メルカプトカルボニル)−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化41】

中間体25(250mg、0.41mmol)および炭酸カリウム(113mg、0.82mmol)のメタノール(5ml)懸濁液を室温で撹拌した。反応完了時水を添加し、溶液をトルエンで洗浄した。水性相を、pH約1.0まで2N HClで酸性化し、得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、空気乾燥させて、125mg(0.23mmol、57%)の表題化合物を得た。
APCI-MS m/z: 539 [MH+]
【0148】
実施例26
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化42】

実施例25に従い、中間体26を使用して製造した。APCI-MS m/z: 578 [MH+].
【0149】
実施例27
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−8−シクロヘキシル−6b−(シアノメチルカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール
【化43】

21mg(0.036mmol)の実施例26の化合物に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(30.0μl、0.15mmol)、続いてシクロヘキサンカルボキシアルデヒド(6.0μl、0.05mmol)およびジクロロメタン(1ml)で希釈された過塩素酸70%(9.0μl、0.15mmol)を添加した。反応を28℃で10分間撹拌し、5ml ジクロロメタンで希釈し、次いで5ml 重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。HPLCでの精製により、4mg(0.006mmol、17%)の所望の生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, cd3cn) δ 7.76 (1H, s); 7.69 - 7.66 (2H, m); 7.21 - 7.17 (2H, m); 6.14 (1H, d); 4.79 (1H, d); 4.48 - 4.45 (2H, m); 3.70(2H, d); 3.02(1H, d) 2.67 (2H, d); 2.57-2.48(1H, m); 2.37 - 2.32 (1H, m); 2.07-1.98 (1H, m); 1.81 - 1.60 (10H, m); 1.26 (3H, s); 1.24 - 1.0 (7H, m); 0.98 (3H, t). APCI-MS m/z: 632 [MH+].
【0150】
ヒトグルココルチコイド受容体(GR)アッセイ
アッセイは、Panvera/Invitrogen(Part number P2893)の市販キットに基づく。アッセイ技術は、蛍光偏光である。キットは、組み換えヒトGR(Panvera, Part number P2812)、FluoromoneTM標識トレーサー(GS Red, Panvera, Part number P2894)およびStabilizing Peptide 10X(Panvera, Part number P2815)を使用する。GRおよびStabilizing Peptide試薬を−70℃で貯蔵し、一方GS Redは−20℃で貯蔵する。1M DTT(Panvera, Part number P2325、−20℃で貯蔵)およびGR Screening buffer 10X(Panvera, Part number P2814、最初は−70℃で貯蔵、しかし一度融解したら室温で貯蔵)もまた含まれる。全ての試薬について、凍結/融解の繰り返しを避ける。GR Screening buffer 10Xは、100mM リン酸カリウム、200mM モリブデン酸ナトリウム、1mM EDTAおよび20%DMSOを含む。
【0151】
試験化合物(1μL)およびコントロール(1μL)の100%DMSO溶液を、黒色ポリスチレン384ウェルプレート(Greiner low volume black flat-bottom, part number 784076)に添加した。0%コントロールは100%DMSOであり、そして100%コントロールは10μM デキサメサゾンであった。バックグラウンド溶液(8μL;アッセイ緩衝液10X、Stabilizing Peptide、DTTおよび氷冷MQ水)をバックグラウンドウェルに添加した。GS Red溶液(7μL;アッセイ緩衝液10X、Stabilizing Peptide、DTT、GS Redおよび氷冷水)を、バックグラウンドウェル以外の全ての溶液に添加した。GR溶液(7μL;アッセイ緩衝液10X、Stabilizing Peptide、DTT、GRおよび氷冷水)を全てのウェルに添加した。プレートを密閉し、暗所で室温で2時間インキュベートした。プレートを、Analyst plate reader(LJL Biosystems/Molecular Devices Corporation)または蛍光偏光の記録が可能な他の類似のプレートリーダーで読んだ(励起波長530nm、発光波長590nmおよび561nmの2色性鏡)。IC50値を、XLfit model 205を使用して計算し、表1に示す。
【0152】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
、XおよびXは各々CHであるか、または、X、XおよびXの1個は、さらに窒素原子であってよく;
nおよびpは各々独立して0または1であり;
はハロゲン原子またはメチルまたはメトキシ基であり;
は−COCH、ハロゲン原子、または所望によりヒドロキシルまたは−NRで置換されていてよいメチル基であり;
3aは水素原子であり、そしてR3bは水素またはフッ素原子であり;
は−C(O)CHOHまたは−C(O)−Y−CHであり;
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、これは、所望により、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;
およびRは各々独立して水素原子、またはC−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル基であるか、または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい、3−8員の飽和または部分的に飽和したヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよく;
mは0、1または2であり;
Yは酸素または硫黄原子または基>NHであり;そして
は水素またはハロゲン原子またはメチルまたはシアノ基である。〕
の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
、XおよびXが各々CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが1であり、そしてRがハロゲン原子である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
pが1であり、そしてRが所望によりヒドロキシルまたは−NRで置換されていてよいメチル基である、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が−C(O)CHOHである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が−C(O)−S−CHCNである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって1,3−ジオキソラニル基を形成し、それは1個または2個のC−Cアルキル基で置換されていてよい、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
およびRが各々独立して水素原子、またはC−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル基である、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
およびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなるヘテロ環員を含んでよい5−6員飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりヒドロキシル、メチルおよびヒドロキシメチルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてよい、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
次のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{3−[(ジエチルアミノ)メチル]−4−フルオロフェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(チオモルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(チオモルホリン−4−イルメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−{4−フルオロ−3−[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロ−3−{[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}フェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−[4−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート;
メチル2−フルオロ−5−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8S,9aR,10aS,10bS)−6b−グリコロイル−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4a,4b,5,6,6a,6b,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−1(4H)−イル]ベンゾエート;
1−[(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b−デカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール−6b(1H)−イル]−2−ヒドロキシエタノン;
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−8−プロピル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,9aR,10aS,10bS)−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a,8,8−テトラメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;または
(4aR,4bS,5S,6aS,6bS,8R,9aR,10aS,10bS)−8−シクロヘキシル−6b−(シアノメチルチオカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4a,6a−ジメチル−4,4a,4b,5,6,6a,9a,10,10a,10b,11,12−ドデカヒドロ[1,3]ジオキソロ[3',4']シクロペンタ[1',2':5,6]ナフト[1,2−f]インダゾール;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、式(II)
【化2】

〔式中、R3a、R3b、R、RおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(III)
【化3】

〔式中、n、p、R、R、X、XおよびXは式(I)において定義である。〕
の通りの化合物または酸付加塩を反応させ、所望により、その後に下記工程:
・ 式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換する
・ 何らかの保護基を除去する
・ 薬学的に許容される塩を形成する
の1つ以上を行うことを含む、方法。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項13】
喘息、慢性閉塞性肺疾患またはアレルギー性鼻炎の処置に使用するための、請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
喘息、慢性閉塞性肺疾患またはアレルギー性鼻炎の処置用医薬の製造における、請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項15】
請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および次のものから独立して選択される1種以上の薬剤の組み合わせ剤:
・ 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト;
・ 選択的βアドレナリン受容体アゴニスト;
・ ホスホジエステラーゼ阻害剤;
・ プロテアーゼ阻害剤;
・ グルココルチコイド;
・ 抗コリン剤;
・ ケモカイン受容体機能のモジュレーター;および
・ キナーゼ機能の阻害剤。

【公表番号】特表2011−507836(P2011−507836A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539381(P2010−539381)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/SE2008/051489
【国際公開番号】WO2009/082342
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】