説明

グループ通信における無線リソースの利用を最適化する方法及び構成

【課題】 グループ通信における無線リソースの利用を最適化する、改良された方法及び構成を提供する。
【解決手段】 本発明は、ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における電波源の利用を最適化する方法及び構成に関するものである。前記特定のグループの低優先順位受話メンバに対して、共有ダウンリンク無線ベアラが確立される。低優先順位メンバは、当該共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムにおける方法及び構成に関するものであり、特に、グループ通信における無線リソースの利用を最適化することのできる構成と共に、そのような最適化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第三世代共同プロジェクト(3GPP)による長期的進化(LTE)の開発に伴い、IP―TVなどのユーザーデータのブロードキャスティングが現在計画されている。マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)は、LTEの放送業務に対して構想された技術である。
【0003】
国家安全及び公安(NSPS)の分野における関係者は、社会及びその住民を様々な形の攻撃及び危険性から守るために常に努力している。国家安全とは、いかなる形の攻撃に対しても社会を守ることをいう。公安とは、あらゆる種類の危害、危険、侵害又は損害から社会を守ることをいい、非常時供給(例えば警察、消防隊など)によってもたらされる。信頼できる通信及び情報供給は、任務の成功のために重要である。公安組織は、したがって、グループ通信(すなわちグループコール)に特に関心が強く、こうした組織には、専用のリソースが設けられている。
【0004】
国家安全及び公安(NSPS)の場合、LTEに関する製品リリースは、ユニキャストに基づくものになり、すなわち、デフォルトのベアラに加えて、グループコールのすべての参加者が、音声を伝達する専用チャンネルを持つことになる。保証されたビット伝送速度(GBR)のベアラは、グループコールに参加している各メンバの専用ベアラとして割り当てられるものとする。現在の想定では、5MHzのベアラのセル当たり少なくとも100人のユーザを同時にサポートすることできる。将来的な製品リリースにあたって、MBMSマルチキャスト・モードが、NSPSグループコールには当然の選択となるであろう。MBMSマルチキャスト・モードにおいて、ユーザがマルチキャストサービスを申し込むと、エンドユーザに対するランドチャージデータが生成されることもある。
【0005】
グループコールの参加者が群がりがちになる場合、例えば、大きな火事又は他の事故現場では、1つのセルのユーザの数が、ユニキャストに基づくNSPSシステムの容量を超える場合がある。そのような場合を扱うために、ブロードキャストの解決が必要である。上記のように、MBMSは標準化されており、MBMSが可能なユーザ機器(UE)が市場出るには相当な時間かかる。したがって、上記した問題点のうち、少なくとも1つを解決する解決案が必要である。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は、ダウンリンク及びアップリンク無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器と通信する通信ネットワークノードを備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、改良された方法及び構成を提供することである。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、請求項1の特徴部分において定義されるように、通信ネットワークノードにおける方法によって達成されるものであり、当該特徴部分とは、無線リソースの利用は、前記グループの低優先順位受話メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立するステップと、前記低優先順位メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てるステップと、を含む方法よって最適化される、ということを指す。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、この目的は、請求項9の特徴部分において定義されるように、ユーザ機器における方法によって達成されるものであり、当該特徴部分とは、無線リソースの利用は、前記ユーザ機器が低優先順位受話メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記グループ通信がセットアップされていると、前記グループの低優先順位受話メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信するステップと、前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、専用無線ベアラへの割当てを受信するステップと、を含む方法によって最適化される、ということを指す。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、この目的は、請求項10の特徴部分において定義されるように、通信ネットワークノードにおける構成によって達成されるものであり、当該特徴部分とは、無線リソースの利用は、前記グループの低優先順位受話メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立し、前記低優先順位メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てるように構成される処理ユニット、を備える構成によって最適化される、ということを指す。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、この目的は、請求項18の特徴部分において定義されるように、ユーザ機器における構成によって達成されるものであり、当該特徴部分とは、無線リソースの利用は、前記ユーザ機器が低優先順位受話メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記グループ通信がセットアップされていると、前記グループの低優先順位受話メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信し、前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、専用無線ベアラへの割当てを受信する、よう構成される受信ユニット、を備える構成によって最適化される、ということを指す。
【0011】
更なる実施形態は、従属項において掲げられる。
【0012】
ユニキャストに基づいたグループ通信に必要とされる専用無線ベアラの数を最小化する方法及び構成を提供することによって、多くの容量利得が達成される。
【0013】
本発明の実施形態における更に別の目的及び特徴は、以下の詳細な説明を添付図面とともに検討することにより明らかになるであろう。しかしながら、添付図面は、特許請求の範囲を参照すべき本発明の範囲を規定するためのものではなく、例示のみを目的として記載されたものであることを理解すべきである。また、特に記載のない限り、添付図面は必ずしも正確な縮尺で記載されておらず、本明細書にて説明される構成及び手順を概念的に説明することのみを意図したものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面では、複数の図にわたって、同様の参照符号は類似の要素を示している。
【図1】本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構造を示す。
【図2】グループ通信をセットアップする際に使用する方法ステップを示すフローチャートである。
【図3】共有ダウンリンク無線ベアラを確立する際に使用する方法ステップを示すフローチャートである。
【図4】送話メンバを変える際に使用する方法ステップを示すフローチャートである。
【図5】無線基地局において行われる本発明の方法ステップを示すフローチャートである。
【図6】ユーザ機器において行われる本発明の方法ステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明のユーザ機器及び通信ネットワークノードの簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、E−UTRANなどの無線アクセスシステム(RAN)を含む、通信システムであって、少なくとも1つの無線基地局(RBS)(例えば発展型ノードB(eNB)15a、15b及び15c)を備える通信システムを表す。RANは、一般加入電話網(PSTN)又は統合サービスデジタル通信網(ISDN)などの外部ネットワーク(図1に図示せず)、及び/又はインターネットなどの無接続外部ネットワークに接続される少なくとも1つの発展型パケットコア(EPC)ネットワーク10a及び10bに、S1−インターフェース17などのインターフェースを介して接続される。各EPC10a及び10bは、例えば、移動度に対する信号出力の制御を扱う移動管理エンティティ(MME)を備える。
【0016】
RANは、複数のユーザ機器(UE)18(図1には1つだけ図示)のための通信及び制御を提供し、各eNB15a〜15cは、UE18が移動している少なくとも1つのセル19として機能する。eNB15a〜15cは、通信インターフェース16(例えばX2)を介して互いに通信している。UE12はそれぞれダウンリンク(DL)チャンネル12とアップリンク(UL)チャンネル13を用いて、無線又はエアインターフェースを介して少なくとも1つのeNBと通信する。
【0017】
本発明の好適な実施形態によれば、上記通信システムは、本願明細書において、LTEシステムとして記載されている。しかしながら、当業者であれば、本発明の方法及び構成が、ユニキャスト通信/伝送/ベアラを利用するシステムを他の通信にも適用するものであることが分かる。ユニキャスト伝送とは、パケット交換網上の単一のネットワーク接続先ホストに対してメッセージの送信することである。ユーザ機器18は、モバイル接続を有する携帯電話、「セル方式」電話、及びラップトップなどの移動局であり、したがって、例えば、音声及び/又はデータをRANと通信する、携帯用、ポケット型、手持ちサイズの、コンピュータ搭載又は車載用モバイル機器とすることができる。
【0018】
グループコール又はグループ通信がセットアップされると、グループ、すなわち、ユーザグループのメンバは、各々のユーザ機器が呼び出されることによって、当該コール又は通信に招待される。各メンバ/ユーザ機器は、ネットワークにアクセスして、無線リソース制御(RRC)接続モードに参加する。当該メンバは、認証されると、デフォルト・ベアラを割り当てられる。この時点までは、上記セットアップは、通常のベアラのセットアップと同一である。グループ内のメンバの優先順位に応じて、該メンバは、自身のデフォルト・ベアラに加えて、専用ベアラに割り当てられるか、又は、他の受話者のグループで共有される専用ベアラに対する受話者として割り当てられる。この受話者のグループは、極端な場合、全員が当該グループコール/通信の非送話メンバになるか、又は、非送話メンバのサブグループごとに1人ずついる、数名の共有専用ベアラの1人を受話するサブグループとなり得る。次に、そのような共有ダウンリンクベアラがどのようにセットアップされるかについて説明する。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る、グループコールのセットアップに適用されるこの具体例において、グループ通信をセットアップする際に行われるステップを図示するフローチャートである。このように、グループコールを始める権利を有するメンバは、グループコールを始めるために、ユーザ機器の送話ボタンを押す。起動しているUE(すなわち、グループコールを始める権利を有するメンバのUE)のグループコール・クライアントは、アプリケーション・サーバにグループコールをセットアップするようを要求する(ステップ21)。アプリケーション・サーバは、影響を受けたUE(すなわち、ユーザグループの他のメンバのUE)のグループコール・クライアントに交信し(ステップ22)、更に、コアネットワーク(EPC)に、グループ・メンバに対して音声ベアラを確立するよう要求する(ステップ23)。続いて、コアネットワークは、送話メンバに対する専用の無線ベアラ(この例では、専用GBR E−UTRAN無線アクセスベアラ(E−RAB))をセットアップするよう、RANに要求する(ステップ24)。上記送話メンバとは、まずは、グループコールを開始したメンバ、第1の高優先順位メンバ、及び共有ダウンリンク無線ベアラ(この例では、第2の低優先順位メンバに対する共有ダウンリンクGBR E−RAB)でもよい。RANは、送話メンバのUE及び高優先順位メンバを専用無線ベアラに割り当て、受話UEを共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てる(ステップ25)。アプリケーション・サーバは、割り当てられた無線ベアラ、及び、専用無線ベアラ及び共有ダウンリンク無線ベアラの両方について通知を受け(ステップ26)、送話メンバは、話し始めてもよいことが通知される(ステップ27)。最後に、送話メンバが話し始めると、送話メンバの音声が受話メンバ全員に配信され(ステップ28)、ここでグループ通信のセットアップが終了する。
【0020】
ユーザグループのメンバは、ユーザグループが定義される際に、自身の優先順位を割り当てられるものとする。高優先順位メンバが常時専用無線ベアラを確実に割り当てられるよう、異なる機構を想定してもよい。なお、この文脈においては、高低優先順位メンバが述べられているが、ユーザグループ内には、2つ以上の優先レベルがある、すなわち、例えば、高優先順位メンバグループのメンバ間には別々の優先順位がある。一実施形態によれば、常時専用無線ベアラの数はあらかじめ定義されおり、ベアラはメンバの優先順位に従って割り当てられる。別の実施形態によれば、グループコール割当て用の時間ウインドウが定義される。時間ウインドウにおいて割り当てられるメンバは、自身の専用無線ベアラを得ることになる。ベアラの所定の数又は時間ウインドウを越えた場合、更に、上記したような共有ダウンリンク無線ベアラにおいて、割当てがなされる。
【0021】
図3は、本発明の実施形態に係る、共有ダウンリンク無線ベアラが確立される際に行われるステップを示すフローチャートである。グループコール又はグループ通信がアプリケーション・サーバで開始すると、共有ダウンリンク無線ベアラが確立される。まず、アプリケーション・サーバは、低優先順位メンバの影響を受けたUEのグループ通信クライアントと交信する(ステップ31)。アプリケーション・サーバは、コアネットワークに当該低優先順位メンバに対するベアラを確立するよう要求する(ステップ32)。続いて、コアネットワークは、当該メンバを低優先順位メンバと識別して、RANに当該メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラをセットアップするよう要求する(ステップ33)。RANは、上記低優先順位メンバを当該共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てる(ステップ34)。最後に、アプリケーション・サーバは、割り当てた共有ダウンリンク無線ベアラについて通知を受け(ステップ35)、ここで共有ダウンリンク無線ベアラのセットアップが終了する。
【0022】
共有ダウンリンク無線ベアラはグループコールの開始時にセットアップすることができ、又は、必要な時にセットアップすることができる。簡単に実施するには、本発明の実施形態によれば、共有ダウンリンク無線ベアラを、他の任意のUEのように、MME及びeNBにおける、セル無線ネットワーク仮識別(C−RNTI)と呼ばれる「仮想」UEのUE環境に対応付ける。受話メンバのUEが共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てられると、「仮想」UEのC−RNTIが、受話メンバのUE用の第2のC−RNTIとして用いられることとなる。加えて、受話メンバのUEは、それぞれ、従来の方法で個々のUEを呼び出すのに用いられる各自の第1のC−RNTIを有する。
【0023】
eNBは、専用無線ベアラを有するメンバのC−RNTI及び「仮想」UEのC−RNTIへグループコール又はグループ通信データをスケジューリングする。第2のC−RNTIとして「仮想」UEのC−RNTIを割り当てられていたメンバは全て、グループコール又はグループ通信データフローを、受話又は他の方法で受信できるようになる。
【0024】
受話メンバの無線ベアラ、すなわち、共有ダウンリンク無線ベアラは一方向であるので、任意で特別な処理が必要となることもある。適応変調及び電力制御に対するフィードバックがないことになる。これを解決するため、「仮想」UEは、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器の1つからの適応変調及び電力パラメータを用いる。十分に高いダウンリンク電力を確保するために、eNBから最も離れたUEのパラメータを用いることができる。ここで、このUEを、「仮想」UEに対する「ホスト」という。一方向であるベアラの別の態様としては、リンク層再送機構がアクティブである必要はないというものである。
【0025】
メンバが話したい場合に、又は、他の方法で情報を送りたい場合、UEは自身のデフォルト・ベアラ上で要求を作成する。グループ通信がグループコール方式で起こる場合、当該要求は、グループコールの新規送話メンバになる、というものである。送話者になる人、すなわち、新規送話メンバがすでに、高優先順位メンバである専用無線ベアラを有する場合、通信にそれを用いることになる。一方で、メンバが共有ダウンリンク無線ベアラ上の受話者又は受信者である場合、UEは、この無線ベアラを残して、送話セッションの間に、仮専用無線ベアラを割り当てられる。現送話メンバは、高優先順位メンバではないにしても、その仮専用無線ベアラを残して、受話者又は受話メンバとして、共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てられる。これを図4に図示する。
【0026】
図4は、低優先順位メンバが現送話メンバである場合に、本発明の実施形態に係る、グループコールの送話メンバを変える際に行われるステップを示すフローチャートである。現送話メンバは送話ボタンを解除すると、指示がアプリケーション・サーバに送信される(ステップ41)。アプリケーション・サーバは、送話者ランプ又は他の表示をオフにするよう、現送話メンバに指示を送信し(ステップ42)、現送話メンバの仮専用無線ベアラを解除して、このメンバを受話者として共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てるよう、EPCに要求する(ステップ43)。続いて、アプリケーション・サーバは、「電波フリー」ランプ又は他の表示をオンにするよう、受話メンバ全員に対して指示を送信する(ステップ44)。低優先順位メンバは、新規送話メンバにするよう、アプリケーション・サーバに要求を送信する(ステップ45)。それによって、アプリケーション・サーバは、新規送話メンバに対する仮専用無線ベアラをセットアップするよう、EPCに対して要求を送信し(ステップ46)、新規たな送話メンバをこの仮専用無線ベアラに再割り当てする。続いて、アプリケーション・サーバは、新規送話メンバに対する送話者ランプをオンにして、受話メンバ全員に対して「電波フリー」ランプをオフにする(ステップ47)。最後に、新規送話メンバが話し始めると、新規送話メンバの音声が受話メンバ全員に配信され(ステップ48)、ここで送話メンバの変更が終了する。
【0027】
グループコールの所与の時点においては、以下のようなグループ・メンバのカテゴリがある。
1)常時専用無線ベアラを有する高優先順位メンバ。これらのメンバは、それぞれの個別C−RNTIによって指定される。
2)送話メンバが低優先順位メンバである場合の仮専用無線ベアラを有する送話メンバ、又は、送話メンバが高優先順位メンバである場合の常時専用無線ベアラを有する送話メンバ。送話メンバは、自身の個別C−RNTIによって指定される。
3)以下2つのアドレスを有する、共有ダウンリンク無線ベアラの受話者。
a)個別C−RNTI、又は第1のC−RNTI。
b)共有ダウンリンク無線ベアラ、「グループC−RNTI」、又は第2のC−RNTIに対応付けられたC−RNTI。
【0028】
国家安全及び公安(NSPS)の場面では、どの情報がグループコールの個々のメンバによって受信されたかを記録できることに関心があるかもしれない。専用無線ベアラを有する各メンバによって、この作業は、とても簡単に管理することができる。受信データを記録する作業は、ダウンリンク無線ベアラを共有している多数のメンバによって、受話メンバの個々のUE内で行わなければならない。したがって、各メンバは、アプリケーション層にて、別々のセッションのグループコールの間、当該グループコールの後、又は、当該グループコールの間中定期的に受信したデータを承認する。アップリンク承認メッセージは、適時にランダムに分散されることで、これらのメッセージによるアップリンク上での通話量ピークを防ぐ。
【0029】
マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)と比較して、簡素化した主な点は、ネットワークもUEもMBMS論理チャネル設定を実行する必要がないということである。
【0030】
MBMSマルチキャスト・モードのように、受話のみのユーザは、サービスに申し込まなければならず、共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てられる前に認証されなければならない。
【0031】
ネットワークは、何人の受話者が共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てられるかについて管理しているので、チャージデータは、受話メンバ当たり発生してもよい。
【0032】
本発明の実施形態は、主に音声通信ケース(すなわち、音声グループコール)に関して説明されたものであるが、本発明は、グループ通信他の方式、例えば、データ通信にも適用できる。そのような実施形態においては、送話メンバは、例えば、データ送信メンバに対応し、受話メンバは、データ受信メンバに対応する。本明細書の全体にわたって記載されるグループコール・クライアントは、グループ通信クライアントに一般化される。
【0033】
本発明の好適な実施形態によれば、図5に示すように、ダウンリンク及びアップリンク無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノードを備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、通信ネットワークノードにおける手順を提供する。当該手順は、
−前記特定のグループの低優先順位受話又は受信メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立するステップ(ステップ51)と、
−前記グループ通信がセットアップされている場合に、前記低優先順位受話又は受信メンバを、前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てるステップ(ステップ52)と、を含む。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、上記方法は、更に、専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるステップを含む。
【0035】
いくつか実施形態によれば、前記専用無線ベアラの数は、あらかじめ決められており、前記専用無線ベアラは、前記特定のグループのメンバの優先度順に割り当てられる。
【0036】
いくつか実施形態によれば、上記方法は、時間ウインドウを定義して、前記時間ウインドウ内で前記専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるステップ、を更に含む。
【0037】
いくつか実施形態によれば、前記共有ダウンリンク無線ベアラは、前記グループ通信の開始時に確立される。
【0038】
いくつか実施形態によれば、必要な時に、例えば、専用無線ベアラがとても少ない時に、前記共有ダウンリンク無線ベアラは確立される。
【0039】
いくつか実施形態によれば、上記方法は、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上、及び、仮想ユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上に、前記グループ通信用データをスケジューリングするステップ、を更に含む。
【0040】
いくつか実施形態によれば、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器からの適応変調及び電力パラメータは、前記仮想ユーザ機器に用いられる。
【0041】
本発明の好適な実施形態によれば、図6に示すように、ダウンリンク及びアップリンク無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器と通信する通信ネットワークノードを備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、ユーザ機器における手順を提供する。当該手順は、
−前記ユーザ機器が低優先順位受話又は受信メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記特定のグループ通信がセットアップされていると、前記特定のグループの低優先順位受話又は受信メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信するステップ(ステップ61)と、
−前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記グループ通信がセットアップされていると、専用無線ベアラへの割当てを受信するステップ(ステップ62)と、を含む。
【0042】
図7は、ユーザ機器18と、無線基地局(RBS)15(例えば、eNode B)と、ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化するEPC10と、を示すブロック図である。
【0043】
RBS15は、無線送信機72と受信機71とを備える。送信機72は、ダウンリンク・チャネル12上の無線インターフェースを介して、ユーザ機器18の受信機77に、データパケットを送信している。受信機71は、アップリンク・チャンネル13上の無線インターフェースを介して、ユーザ機器18から、データパケットを受信している。RBS15は、任意で、
−前記特定のグループの低優先順位受話又は受信メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立し、
−前記グループ通信がセットアップされている場合に、前記低優先順位受話又は受信メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てる、ように構成される処理ユニット73を更に備える。
【0044】
ユーザ機器18は、アップリンク・チャンネル13上の無線インターフェースを介してRBS15の受信機71にデータパケットを送信するよう構成される無線送信機76と、ダウンリンク・チャネル12上のRBS15の送信機72から送信されるデータパケットを受信するよう構成される受信機77とを備えている。受信機77は、更に、前記ユーザ機器が低優先順位受話又は受信メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記特定のグループ通信がセットアップされていると、前記特定のグループの低優先順位受話又は受信メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信し、前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記グループ通信がセットアップされていると、専用無線ベアラへの割当てを受信する、ように構成されている。
【0045】
EPCは、インターフェース17を介してRBS15と通信しており、任意で、
−前記特定のグループの低優先順位受話又は受信メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立し、
−前記グループ通信がセットアップされている場合に、前記低優先順位受話又は受信メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てる、ように構成された処理ユニット73を備える。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記処理ユニット(73)は、更に、専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるように構成される。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記専用無線ベアラの数は、あらかじめ決められており、前記処理ユニットは、前記特定のグループのメンバの優先度順に、前記専用無線ベアラを割り当てる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記処理ユニット73は、更に、時間ウインドウを定義して、前記時間ウインドウ内で前記専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるように構成される。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記処理ユニット73は、前記グループ通信の開始時に前記共有ダウンリンク無線ベアラを確立するよう構成される。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記処理ユニット73は、必要な時に、例えば、専用無線ベアラがとても少ない時に、前記共有ダウンリンク無線ベアラを確立する。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記処理ユニット73は、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上、及び、仮想ユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上に、前記グループ通信用データをスケジューリングする。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器からの適応変調及び電力パラメータは、前記仮想ユーザ機器に用いられる。
【0053】
以上のように、本発明の好ましい実施態様に適用される本発明の基本的で新規の特徴を、図と共に記載し、示したが、図示された装置の形式及び詳細、並びにその操作は、当業者によって、様々な省略、代替、及び変更がなされてもよいことは理解されよう。例えば、実質的に同じ機能を実質的に同じ方式で実施して同じ結果を達成するこうした要素及び/又は方法ステップの全ての組合せは本発明の範囲内にあることは明らかである。更にまた、本発明の任意の開示された形式又は実施形態に関連して図示及び/又は説明された構造及び/又は要素及び/又は方法ステップを、任意の別の開示又は説明又は提案された形式又は実施形態の中に、一般的な設計選択事項として組み込んでもよいことを認識されたい。したがって、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲によって示されるもののみで限定されることが意図される。
【0054】
本発明の実施形態を説明及び請求するために用いられる、「含む」、「備える」、「統合する」、「〜からなる」、「有する」、「〜である」といった表現は、非限定的に解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、部品又は要素の存在も許容されることが意図されている。単数への言及は、また、複数に関するものとしても解釈されるべきであり、その逆もまたしかりである。
【0055】
添付した請求項における括弧内の数字は請求項の理解を助けるためのものであり、これら請求項によって特許請求される主題を多少なりとも限定するものとして解釈されるべきものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、通信ネットワークノード(15)における方法であって、
−前記特定のグループの低優先順位受話メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立するステップと、
−前記低優先順位メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記専用無線ベアラの数は、あらかじめ決められており、前記専用無線ベアラは、前記特定のグループのメンバの優先度順に割り当てられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
時間ウインドウを定義して、前記時間ウインドウ内で前記専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるステップ、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記共有ダウンリンク無線ベアラは、前記グループ通信の開始時に確立される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記共有ダウンリンク無線ベアラは、必要な時に確立される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上、及び、仮想ユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上に、前記グループ通信用データをスケジューリングするステップ、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられた1つのユーザ機器からの適応変調及び電力パラメータを前記仮想ユーザ機器に用いる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、ユーザ機器(18)における方法であって、
−前記ユーザ機器が低優先順位受話メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記特定のグループ通信がセットアップされていると、前記特定のグループの低優先順位受話メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信するステップと、
−前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、専用無線ベアラへの割当てを受信するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、通信ネットワークノード(15)における構成であって、
−前記特定のグループの低優先順位受話メンバに対する共有ダウンリンク無線ベアラを確立し、
−前記低優先順位メンバを前記共有ダウンリンク無線ベアラに割り当てる、
ように構成された処理ユニット(73)、を備える構成。
【請求項11】
処理ユニット(73)は、更に、専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるよう構成される、請求項10に記載の構成。
【請求項12】
前記専用無線ベアラの数は、あらかじめ決められており、前記処理ユニット(73)は、前記特定のグループのメンバの優先度順に、前記専用無線ベアラを割り当てる、請求項11に記載の構成。
【請求項13】
前記処理ユニット(73)は、更に、時間ウインドウを定義して、前記時間ウインドウ内で前記専用無線ベアラを高優先順位メンバに割り当てるように構成される、請求項11に記載の構成。
【請求項14】
前記処理ユニット(73)は、前記グループ通信の開始時に前記共有ダウンリンク無線ベアラを確立するよう構成される、請求項10〜13のいずれかに記載の構成。
【請求項15】
前記処理ユニット(73)は、必要な時に前記共有ダウンリンク無線ベアラを確立するように構成される、請求項10〜13のいずれかに記載の構成。
【請求項16】
前記処理ユニット(73)は、更に、専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられたユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上、及び、仮想ユーザ機器のセル無線ネットワーク仮識別子「C−RNTI」上に、前記グループ通信用データをスケジューリングするよう構成される、請求項11に記載の構成。
【請求項17】
専用無線ベアラを有するメンバに対応付けられた1つのユーザ機器からの適応変調及び電力パラメータは、前記仮想ユーザ機器に用いられる、請求項16に記載の構成。
【請求項18】
ダウンリンク(12)及びアップリンク(13)の無線ベアラ上の無線インターフェースを介して、特定のグループのメンバのうちの1人とそれぞれ対応付けられた複数のユーザ機器(18)と通信する通信ネットワークノード(15)を備える通信ネットワークシステムにおいて、当該特定のグループのメンバに対するグループ通信における無線リソースの利用を最適化する、ユーザ機器(18)における構成であって、
−前記ユーザ機器が低優先順位受話メンバであるメンバに対応付けられている場合、前記特定のグループ通信がセットアップされていると、前記特定のグループの低優先順位受話メンバに対して確立される共有ダウンリンク無線ベアラへの割当てを受信し、
−前記ユーザ機器が高優先順位メンバであるメンバに対応付けられている場合、専用無線ベアラへの割当てを受信する、
ように構成された受信ユニット(77)、を備える構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−516832(P2013−516832A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547051(P2012−547051)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050010
【国際公開番号】WO2011/081590
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】