説明

ケラチン繊維に適用するための離散粒子凝集体及び/又は粒塊を含む組成物

ケラチン繊維類、好ましくは毛髪に適用するための、任意に1つ以上の酸化及び/又は直接染料を混合した離散粒子凝集体類及び/又は離散粒子粒塊類。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を含む組成物類、及びケラチン繊維類、好ましくは毛髪に適用するための該組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の表面に活性物質類を付着させることにより毛髪の特性を変えることは周知である。活性物質類の目的は、毛髪のボリュームを改善すること、その櫛通り(combability)を改善すること、又はその輝き及び外観を改善することであり得る。加えて、これら活性物質類は、毛髪の色を変えるために利用することもできる。しかしながら、多くのこのような活性物質類は毛髪の表面のみに付着し、そして毛髪の感触に影響を及ぼして、毛髪にザラザラした質感を与えることがある。加えて、毛髪の表面に付着した活性物質類は、多くの場合、素早く洗い落とされるか又は付着中に擦り落ちる。これは、毛髪を着色して、毛髪及び皮膚に望ましくない副作用を与えずに良好な着色や耐久性を得ることが目的である場合には、特に問題点である。一つの染毛方法は、酸化染料類を使用することであるが、多くのこのような化合物類は、結果として、低い耐久性及び光安定性を明示する色合いをもたらし、又、近年では、毒物学の観点からマイナスの効果を伴うと関連付けられている。
【0003】
毛髪への活性物質類の付着に対する別の近年の代案は、ナノ(10-9)の大きさの粒子類を使用することである。この代案は、一般的に、大きさ2nm未満の単一粒子の形態で供給される離散粒子の利用に依存している。しかしがなら、個々の離散粒子が、加工中及び/又は形成中により大きな粒子を形成するために凝集及び/又はアグロメレーションするのを防ぐことは、技術的に極めて困難で煩雑なままである。
【0004】
ナノ粒子類は、当該技術分野に記載されている。例えば、PCT国際公開特許WO 01/45652には、超臨界溶液類(RESS)の速い膨張を利用することによって染毛剤製剤を製造するためのナノスケール染毛剤類の利用が記載されている。しかしながら、この方法は、技術的には極めて困難かつ煩雑である。米国特許出願公開2004/0010864(US2004/0010864)には、ヒトの毛髪を染色又は処理するための懸濁液形態の有機変性金属ナノ粒子類が記載されている。欧州特許第1440681号には、光によって励起すると400〜700nmで放射線を発光することが可能な蛍光半導体ナノ粒子類の使用が記載されている。
【0005】
しかしながら、輝き、保持力、腰、光沢、ボリューム、硬さ、重さ、カール、及び状態などの消費者利益を効率的な方式で達成するという当該技術分野におけるニーズが未だ残っている。それらを含む毛髪を染色するための従来の染料類及び組成物類に対する代替物を供給するという当該技術分野におけるニーズもまた残っている。前記代替物は、毛髪に適用されたときに、次の利益:強くかつ一様な着色、適度な期間にわたる色調及び色の安定性(良好な洗浄堅牢度、光照射時の不変性、及び/又は酸性発汗)、低い皮膚汚染、並びに好ましい安全性プロフィール、のうち1つ以上を提供しなければならない。意外にも、定義された離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を、単独、又、酸化及び/又は直接染料類との組み合わせの両方で含んで成る組成物を使用することにより、従来の方式での粒子の使用に関する問題が解決されることが判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ケラチン繊維類、好ましくは毛髪に適用するための、1つ以上の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を含む組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実際に、本発明の縮小された大きさの離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、以前に認められた欠点類を有さずに、定義された利点を達成できることが意外にも発見され、本開示内容により実証されている。本発明の粒子凝集体類及び粒塊類は、金属酸化物類、アルミニウム、セラミック、セリウム、銅、ダイアモンド、金、グラファイト、ハステロイ(hasteloy)、インジウム、白金、ケイ素、銀、タルク、スズ、亜鉛、及びジルコニウムカーボンブラック(zirconium carbon black)、金コロイド、銀コロイド、金属ナノ複合体類、非金属ナノ複合体類、ドープした金属酸化物類、合成又は天然起源のメラニン(又は誘導体類)、有機顔料類、並びにこれらの混合物より成る群から選択される発色団物質を更に含む。本発明の一態様では、本発明の離散粒子凝集体類及び離散粒子粒塊類の大きさは、約2ナノメートル〜約1000ナノメートル、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートル、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートル、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルであってよい。本発明の別の態様では、本明細書に開示した組成物類は、酸化及び/又は直接染料と混合されてもよい。本発明は、前記組成物類を含むヘアケア製品類、並びに本発明のヘアケア製品類と組成物類の両方を用いて、それらを適用したケラチン繊維類に1つ以上の物理的及び/又は化学的変化を引き起こす方法を更に包含するものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
特に指定のない限り、量は成分の実量のおよその重量%を表し、市販の製品中で該成分と組み合わされる可能性のある溶媒類、充填剤類、又はその他の物質類を包含せず、また該量は、意図される用途の形態の組成物を包含する。特に指定のない限り、部、パーセンテージ、及び割合を包含する全ての量は、「約」という言葉によって修飾されていると理解され、また該量は有効数字を示すことを意図しない。
【0009】
本明細書で使用するとき、「毛髪」という用語は、生体、例えばヒトのケラチン性繊維、又は非生体の、例えばかつら、ヘアピースのケラチン性繊維、あるいは非生体ケラチン性繊維類のその他の集合体を指す。哺乳類(好ましくはヒト)の毛髪が好ましい。特に、毛髪、羊毛、毛皮、及び他のケラチン性繊維類は、本明細書に記載される化合物類及び組成物類で着色するのに適した基材類である。
【0010】
本明細書で使用するとき、「毛髪組成物」という用語は、所望の化学的又は物理的利益を達成するために毛髪に使用される組成物を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「毛髪染色組成物」という用語は、顕色剤組成物と混合する前の、本明細書に記載される化合物類を包含する1つ以上の酸化染料類を含有する組成物を指す。用語「顕色剤組成物」(酸化剤組成物という用語を包含する)とは、毛髪染色組成物と混合する前の、酸化剤を含有する組成物類を指す。「毛髪染色系」という用語は、混合前の毛髪染色組成物と顕色剤組成物との組み合わせを指し、コンディショナー製品及び説明書を更に包含してもよく、このような製品又は系は、キットとして包装されて提供されることが多い。「毛髪染色製品組成物」という用語は、毛髪染色組成物と顕色剤組成物とを混合することによって形成される組成物を指す。
【0012】
本明細書で使用するとき、「化粧品として許容できる」とは、その用語によって説明される成分類が、過度の毒性、不適応性、不安定性、刺激性、アレルギー反応などがなく、人間及び下等動物類の皮膚又は毛髪に接触させて使用するのに好適であることを意味する。
【0013】
離散粒子凝集体類及び粒塊類
本発明の一態様では、ケラチン繊維類、好ましくは毛髪に適用するための、1つ以上の離散粒子凝集体類及び/又は離散粒子粒塊類を含む組成物類が供給される。本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は発色団物質を含む。意外にも、本発明の縮小された大きさの離散粒子は、それらが適用されるケラチン繊維類によって毛髪組成物活性物質類(特に、染料類)の取り込み及び定着を調節できることが発見され、本開示内容により実証されている。理論に束縛されるものではないが、主題である離散粒子凝集体類及び離散粒子粒塊類の増強された取り込み及び定着は、当該粒塊類及び/又は凝集体類の特定の大きさの範囲に起因すると考えられる。粒径が2nm未満であれば、皮膚及び毛髪を介して浸透する可能性があり、それによって安全面での危険が生じるであろう。凝集及び/又はアグロメレーション前の1次粒子類は、通常の場合、2nm未満の大きさである。粒径が1000nmを超えると、毛髪は毛髪感触が悪くなり、更には、前記粒子が毛髪から容易に移転して、前記利益が長続きしない可能性もある。驚くことに、特許請求の範囲に記載されるような粒径を有する離散粒子を選択することによって発色団物質を毛小皮構造に浸透させることができ、それにより、洗い落としないしは別の方法で角皮から物理的に除去されることに対する発色団物質の耐性を保証することが確認されている。本発明の一態様では、組成物類は、離散粒子凝集体類、離散粒子粒塊類、及びこれらの組み合わせを含んでよい。本発明の更になお別の態様では、本明細書に開示される染色組成物類は、更に、1つ以上の酸化及び/又は直接染料類を含んでもよい。
【0014】
本発明の一態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体及び離散粒子粒塊類は、次のものより成る群から選択される1つ以上の発色団物質類を含む:アルミナ;アルミニウム;窒化アルミニウム;酸化アルミニウム(α及びγ);五酸化アンチモン;アンチモンスズ酸化物;硫酸バリウム;チタン酸バリウム;真鍮;炭酸カルシウム;塩化カルシウム;酸化カルシウム;カーボンブラック;セラミック;セリア;サマリウムドープしたもの;セリウム;酸化セリウム;酸化クロム;コバルト;酸化コバルト;銅;酸化銅;酸化銅;カスタム化学物質;ダイアモンド、分散体類;ナノ粒子類のドーピング;酸化ジスプロシウム;酸化エルビウム;酸化ユーロピウム;酸化第二鉄;非晶質;蛍光性;酸化ガドリニウム;金;グラファイト;酸化ハフニウム;ハステロイ;ヘマタイト−(α、β、非晶質、ε、及びγ);インジウム;酸化インジウム;インジウムスズ酸化物;鉄、鉄−コバルト合金;鉄−ニッケル合金;酸化鉄;酸化鉄、Fe2O3;酸化鉄、Fe3O4;酸化鉄、透明;硫化鉄;ランタン;酸化ランタン、鉛;酸化鉛;リチウムマンガン酸化物;チタン酸リチウム;リチウムバナジウム酸化物;潤滑剤等級、球形;発光性;マグネシア;マグネシウム;酸化マグネシウム;磁性ナノ粒子類;磁鉄鉱;酸化マンガン;モリブデン;酸化モリブデン;モンモリロナイト粘土;ナノドット類;ナノ金属類;ナノ酸化物懸濁液類;酸化ネオジム;ニッケル;ニオビア;ニオブ;酸化ニオブ;パラジウム;白金;白金−銀;酸化プラセオジム;ルテニウム;シリカ;ケイ素;炭化ケイ素、(β及び非晶質);二酸化ケイ素;窒化ケイ素、(α及び非晶質);窒化ケイ素−イットリウム酸化物;窒化ケイ素−イットリウム酸化物−アルミニウム酸化物;銀;特製品;ステンレス鋼;タルク;タンタル;酸化テルビウム;スズ;酸化スズ;チタニア;チタン;炭化チタン;二ホウ化チタン;二酸化チタン、鋭錐石等級;二酸化チタン、ルチル等級;窒化チタン;酸化チタン;タングステン;炭化タングステン−コバルト;酸化タングステン;酸化バナジウム;黄酸化鉄;イットリア;イットリア安定化ジルコニア;イットリウム;酸化イットリウム;亜鉛;酸化亜鉛;硫化亜鉛;ジルコニア;ジルコニウム;二酸化ジルコニウム;酸化ジルコニウム;ケイ酸ジルコニウム;セラミックナノ粉末類;ナノ複合体粒子類、並びにこれらの組み合わせ。本発明の離散粒子凝集体類及び/又は離散粒子粒塊類と関連して使用するのに適したその他の発色団物質類は、BASF社(BASF Corporation);ナノフェーズ・テクノロジーズ社(Nanophase Technologies Corporation);ナイアコール・ナノ・テクノロジーズ(Nyacol Nano Technologies);ナノテクノロジーズ社(Nanotechnologies Inc);ナノスケール(Nanoscale);コボ社(KOBO Inc);カドレ社(Cadre Co.);東海ケミカルズ(Tokai Chemicals);キャボット社(Cabot Company);USコスメティクス社(US Cosmetics Inc.);メルク(Merck)及びデグッサ(Degussa)から市販されている。
【0015】
好ましくは、離散粒子凝集体及び離散粒子粒塊(discrete aggolomerate particles)は、金属酸化物類、アルミニウム、セラミック、セリウム、銅、ダイアモンド、金、グラファイト、ハステロイ(hasteloy)、インジウム、白金、ケイ素、銀、タルク、スズ、亜鉛、及びジルコニウムカーボンブラック(zirconium carbon black)、金コロイド、銀コロイド、金属ナノ複合体類、非金属ナノ複合体類、合成又は天然起源メラニン及び誘導体類、有機顔料類、並びにこれらの混合物より成る群から選択される。金属酸化物類は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化銅、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化鉄、ドープした金属酸化物類、及びこれらの組み合わせより成る群から選択される。
【0016】
本発明の離散粒子凝集体類及び粒塊類は、ケラチン繊維類での使用のみを意図するものではない。本発明の一態様では、離散粒子凝集体類及び離散粒子粒塊類は、任意の多孔質材料、好ましくは多孔質の生物学的材料に使用されてよい。本発明に関する好適な多孔質材料の非限定的な例としては、皮膚、毛髪、織布、不織布を挙げることができる。本発明の別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、それらが適用されるケラチン繊維の物理学的特徴を変化させるのに適応している場合がある。本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の適用が誘発し得る物理学的特徴の非限定的な例としては、色、輝き、保持力、腰、光沢、ボリューム、硬さ、重さ、カール、状態、水分蒸発、撥水、濃淡、強さ、及びこれらの混合が挙げられる。本発明の別の態様では、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は離散粒子粒塊類は、それらが適用されるケラチン繊維類における化学変化を誘発するのに適応している場合がある。本発明の組成物類の適用が誘発し得る化学変化の非限定的な例としては、酸化種の活性化;酸化種の不活性化;色形成種の活性化;色形成種の不活性化;フリーラジカルの捕捉;酸化種の有効性の助長;毛髪のHLBバランスを変えることで、結果として次に適用される有機及び/又は無機種並びにこれらの組み合わせの変化した取り込みをもたらすことが挙げられる。本発明の更になお別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、それらが適用されるケラチン繊維類の物理的及び化学的特徴を変化するのに適応している場合もある。
【0017】
本発明の離散粒子凝集体類及び/又は離散粒子粒塊類の正確な大きさは、ニーズ及び/又は配合者の能力、並びに本発明の組成物類の適用が意図されるケラチン繊維類の性質を包含する幾つかの要因に依存する。主題である本発明に関わりのある当業者には、本発明の前記凝集体類及び粒塊類の大きさを求めるための多数の装置や方法が存在しており、離散粒子を組み込もうとする処方の性質によって当業者に容易に選択されることが認識できよう。例えば、水性組成物類の場合、好ましい方法は粒径分析器を利用する。粒径分析に使用するための一つの前記装置は、堀場製作所(Horiba Company)製のホリバ・レーザー散乱及び粒径及び分布分析器(Horiba Laser Scattering and Particle Size and Distribution Analyzer)(モデル番号LA−930)である。
【0018】
別の前記装置は、モールバーン・インストルメンツ社(Malvern Instruments Ltd.)製のモールバーン(Malvern)粒径装置(633nmHeNeレーザーを装備したモデル・ゼータナノサイザー(ZetaNanoSizer)S)である。モールバーン(Malvern)粒径装置は、水性処方類及びエマルション類の離散粒径を求めるのに使用できる点で、特に有用である。モールバーン(Malvern)粒径装置は、約2nm〜約100ミクロンまでの粒径範囲を求めることができる。試料は、処方全体での粒子の均一な混合を確実にするために組成物の上部、中央部、及び底部から採取され、再現可能な粒径が得られることを確実にするために反復試料を測定する。大抵の場合、粒径分布が達成される。
【0019】
本発明の一態様では、前記発色団物質類のうち1つ以上を含む離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類が提供される。凝集体は、部分的に溶融したある程度球状の1次粒子類から構成され、この場合、1次粒子は、製造過程で形成されるできる限り小さな粒子である。「凝集体類」とは、少なくとも2つの1次粒子が互いに末端で接触又は表面で接触していることを意図する。凝集体類は、粒塊類を形成するためにファン・デル・ワールス引力によって互いに結合されている。ファン・デル・ワールス力は、1次粒子の大きさが減少しかつ粒塊の密度が増加すると増強する。
【0020】
理論に束縛されるものではないが、1次粒子類の凝集体類及び/又は粒塊類は一般に、製造過程中に形成され、これら凝集体類及び/又は粒塊類の粒径は1000nm超であると考えられる。噴煙粒子類、プラズマ粒子類、及びゾル−ゲルを包含するかかる物質類を製造する幾つかの方法がある。燻蒸法は、出発化合物を気体相に転化した後、それを中間体−形成された水と、酸水素の炎の中で自然発生的にかつ定量的に反応させて所望の粒子を生成することを伴う。この化学反応中、かなりの量の熱が放出され、それが冷却ラインに排出される。同時反応物質の濃度、炎の温度、及び燃焼室内でのシリカの滞留時間を変えることによって、粒径を操ることが可能である。プラズマ法は、熱プラズマ領域内で物質類を蒸発させることと、粉末の構造及び化学的性質の両方を制御する方法でそれらを冷却させることを伴う。ゾル−ゲル技術では、「ゾル」の調製に用いられる出発物質類は、通常、無機金属塩類、又は金属アルコキシド類などの金属有機化合物類である。典型的なゾル−ゲル法では、前駆体を一連の加水分解及び重合反応に付して、コロイド懸濁液又は「ゾル」を形成する。「ゾル」の更なる加工によって、セラミック材料類を別の形態にすることも可能である。薄膜は、スピンコーティング又はディップコーティングによって一枚の基材上に製造することができる。「ゾル」を金型で成形すると、湿式「ゲル」が形成される。更に乾燥及び熱処理すると、前記「ゲル」は高密度のセラミック又はガラス物品類に転化される。湿式「ゲル」内の液体が超臨界条件下で除去されると、「エアロゲル」と呼ばれる非常に多孔質でかつ極めて低密度の材料が得られる。「ゾル」の粘度を適正な粘度範囲に調節すると、「ゾル」からセラミック繊維類を引き出すことができる。超微細で均一なセラミック粉末類は、沈殿、噴霧熱分解、又は乳化技術によって形成される。離散粒子凝集体類及び粒塊類を合成する方法を記載しているその他の文献としては、次のものが挙げられる:ナノ粒子及びナノ構造化フィルム類:調製、特徴付け、及び適用(Nanoparticles and Nanostructured Films: Preparation, Characterization and Applications)(J.H.フェンドラー(J. H. Fendler)編)ジョン・ワイリー・アンド・サン社(John Wiley & Son Ltd)、1998年;フリードランダー、S.K.(Friedlander, S. K.)ナノ粒子の合成及びそれらの粒塊類:エアロゾル反応容器(Synthesis of Nanoparticles and Their Agglomerates: Aerosol Reactors)、WTECハイパー・ライブラリアン(WTEC Hyper Librarian)、1998年;フリードランダー、S.K.、1997年、煙、埃、及び曇:エアロゾル特性の基礎(Smoke, dust and haze: Fundamentals of aerosol behavior)、ニューヨーク:ワイリー・インターサイセンス(Wiley Interscience);シーゲル、R.W.(Siegel, R.W.)1994年、ナノフェーズ材料:合成、構造、及び特性(Nanophase materials: Synthesis, structure and properties)、新規材料の物理特性内(In Physics of new materials)、F.E.フジタ(F. E. Fujita)編、ドイツ国ベルリン(Berlin):スプリンガー−フェルラーク(Springer-Verlag);グランヴィスト、C.G.(Grandqvist, C. G.)、及び(R.A.バーマン(R.A. Buhrman)、1976年、超微細金属粒子(Ultrafine metal particles)、応用物理学会誌(J. Appl. Phys.)47:2200;グラヴ、A.(Gurav, A.)、T.コダス(T. Kodas)、T.プライム(T. Pluym)、及びY.ション(Y. Xiong)、1993年、材料のエアロゾル加工(Aerosol processing of materials)、エアロゾル・サイエンス・テクノロジー(Aerosol Sci. Technol.)19:411;マリッジニッセン、J.C.M.(Marijnissen, J.C.M.)及びS.プラッチニス(S. Pratsinis)編、1993年、超微細粒子の合成及び測定(Synthesis and measurement of ultrafine particles)、デルフト大学出版(Delft Univ. Press.);ナーゲル、S.R.(Nagel, S.R.)、J.B.マケスニー(J.B. MacChesney)、及びK.L.ワルダー(K.L. Walder)、1985年、変性化学蒸着(Modified chemical vapor deposition)、光ファイバー情報内(In Optical fiber communications)、第1巻、リ・ティンガイ(Li Tingye)編、アカデミック出版(Academic Press);プラッチニス、S.E.(Pratsinis, S.E.)及びS.V.R.マストランジェロ(S.V.R. Mastrangelo)、1989年、エアロゾル反応容器内での材料合成(Material synthesis in aerosol reactors)、化学工学プログラム(Chem. Eng. Prog.)、85(5):62;プラッチニス、S.E.及びT.T.コダス(T.T. Kodas)、1993年、 エアロゾル方法による材料の製造(Manufacturing of materials by aerosol processes);エアロゾル測定内(In Aerosol measurement)、K.ウィルケ(K. Willeke)及びP.A.バロン(P.A. Baron)編、ニューヨーク:ファン・ノストランド・ラインホルト(Van Nostrand Reinhold);ウルリッチ、G.D.(Ulrich, G.D.)、1984年、微細粒子の火炎合成(Flame synthesis of fine particles)、化学工学ニュース(Chem. Eng. News)62:22;ワインダラー、R.S.(Windeler, R.S.)及びS.K.フリードランダー、1997年、自由噴流内での気相反応によるナノメートルの大きさの金属酸化物粒子の製造(Production of nanometer-sized metal oxide particles by gas phase reactions in a free jet)I.実験系及び結果(I. Experimental system and results)、出版物であるエアロゾル・サイエンス・テクノロジー内(In press, Aerosol Sci. Technol);ワインデラー、R.S.、K.E.J.レーチネン(K.E.J. Lehtinen)、及びS.K.フリードランダー、1997年、自由噴流内での気相反応によるナノメートルの大きさの金属酸化物粒子の製造(Production of nanometer-sized metal oxide particles by gas phase reaction in a free jet.)II.粒径及びネック形成−−理論との比較(II.Particle size and neck formation -- Comparison with theory)、出版物であるエアロゾル・サイエンス・テクノロジー内;ウー、M.K.(Wu, M. K.)、R.S.ワインダラー、C.K.R.スタイナー(C.K.R. Steiner)、T.ブロス(T. Bors)、及びS.K.フリードランダー、1993年、エアロゾル法によるナノの大きさの粒子の制御された合成(Controlled synthesis of nanosized particles by aerosol processes)、エアロゾル・サイエンス・テクノロジー19:527;フリードランダー、S.K.、H.D.ヤン(H. D. Jang)、及びK.H.リュー(K. H. Ryu)、1997年、ナノ粒子鎖状凝集体類の弾性的挙動(Elastic behavior of nanoparticle chain aggregates)、出版のために提出されたもの;カーチ、J.(Karch, J.)、R.バイリンガー(R. Birringer)、及びH.グライター(H. Gleiter)、1987年、低温でのセラミックの延性(Ceramics ductile at low temperatures)、ネイチャー(Nature)330:556〜58;シュライヒャー、B.(Schleicher, B.)、及びS.K.フリードランダー、1996年、電場内でのエアロゾル粒子のアグロメレーションによるエアロゲル様の構造体の製造(Fabrication of aerogel-like structures by agglomeration of aerosol particles in an electric field)、コロイド界面科学会誌(J. Colloid Interface Sci.)180:15〜21;シーゲル、R.W.、1994年、ナノフェーズ材料:合成、構造、及び特性(Nanophase materials: Synthesis, structure and properties)、新規材料の物理特性内(In Physics of new materials)、F.E.フジタ編、ドイツ国ベルリン:スプリンガー−フェルラーク。
【0021】
主題の凝集体及び/又は粒塊は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまで、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートルまで、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートルまで、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルまでの大きさを有していてよい。好ましくは、本発明の離散粒子類は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートル、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートル、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートル、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルの平均粒径を有する。
【0022】
本発明のもう一つの態様では、本発明の組成物類の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類のうち少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%、より好ましくは少なくとも約99%は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまで、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートルまで、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートルまで、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルまでの大きさを有していてよい。本発明の別の態様では、本発明の組成物類の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類のうち少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%、より好ましくは少なくとも約99%は、約20ナノメートル超の大きさを有していてよい。狭い粒径分布を有する本発明の離散粒子類の使用は、特に有益であり、同様の利益を達成するために、低減された濃度の離散粒子類が必要となることが判明している。
【0023】
本発明のなお別の態様では、1つ以上の前述の発色団物質類を含む離散粒子粒塊類が提供される。「粒塊類」とは、2つ以上の1次粒子が互いに点接触していることを意図する。理論に束縛されるものではないが、いずれか2つの別個の離散粒子を組み合わせて、本発明に係る粒塊を形成してもよいと考えられる。2つ以上の離散(又は1次)粒子を組み合わせて本発明に係る粒塊を形成するとき、主題の粒塊は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまで、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートルまで、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートルまで、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルまでの大きさを有していてよい。本発明のもう一つの態様では、本発明の組成物の離散粒子粒塊類の少なくとも約95%は約200ナノメートル未満の大きさを有していてよい。本発明の別の実施形態では、本発明の組成物の離散粒子粒塊類の少なくとも約95%は約20ナノメートル超の大きさを有していてよい。
【0024】
幾つかの方法は、離散粒子類が所要の大きさを有するように、当該離散粒子類を分散及び脱粒塊(deagglomerate)するのに特に有用である。有効な脱粒塊及び分散手段は、離散粒子類を湿らせた後で結合力を抑えなければならない。この応用のために、超音波は、ローター・ステーター・ミキサー類、ピストン・ホモジナイザー類、ギアポンプ類、又はビートミル類、コロイドミル類及びボールミル類のような湿式粉砕法類などの多くの他の方法と比べて有効な方法であることが実証されている。超音波による分散は、圧力の変動とキャビテーションによって生じる微視的乱流の結果であって、これは、液体内での気泡の形成、成長及び衝動的な崩壊である。離散粒子である酸化鉄粉末粒塊類の水溶液のように様々な材料を用いる調査では、他の技術と比べると、超音波の顕著な利点が実証されている。特定の応用の場合、超音波処理前に離散粒子を粉砕することが有利であることもある。
【0025】
本発明の更に別の態様では、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、疎水性形態で供給されてよい。本発明の疎水性離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の1次寸法は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまで、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートルまで、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートルまで、最も好ましくは約20ナノメートル〜約200ナノメートルまでであってよい。本発明のなお別の態様では、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、親水性形態で供給されてもよい。本発明の親水性離散粒子の1次寸法は、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまで、好ましくは約10ナノメートル〜約500ナノメートルまで、より好ましくは約20ナノメートル〜約400ナノメートルまでであってよい。本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の親水性形態は、1つ以上の抗菌利益を伝達するのに特に有用である。本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の疎水性及び/又は親水性特徴は、表面処理を包含するがこれに限定されない、当該技術分野において既知の技術を用いて変更してもよい。
【0026】
本発明のなお別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の表面構造は、約0〜約10粒子直径、好ましくは約2〜約8粒子直径、より好ましくは約4〜約6粒子直径の分離を有していてよい。本発明の更になお別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、粒子類によって、又は異なる粒径又は粒子直径を有する粒子画分類によって形成される表面構造を有していてよい。本発明の一態様では、表面構造は、それらの平均粒径が約2〜約10倍、好ましくは約4〜約8倍異なる少なくとも2つの粒子画分を有していてよい。
【0027】
本発明の組成物類の本発明の離散粒子凝集体類及び粒塊類、並びにそれらを構成する個々の離散粒子類は、ニーズ及び/又は配合者の能力、並びに本発明の組成物類の適用が意図されるケラチン繊維類の性質によって様々な形状を成してよい。本発明の離散粒子凝集体類及び粒塊類に好適な形状としては、球体、フレーク、針状、平板状、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ロッド状又は球状の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の使用が好ましく、球状の離散粒子類が特に好ましい。本発明のもう一つの態様では、本発明の離散粒子凝集体類及び粒塊類は、表面上に不規則で微細なナノ構造を有していてよい。一態様では、離散粒子凝集体類及び粒塊類の微細構造は、ナノメーター幅で提供される隆起及び/又は窪みを有する亀裂の入った構造の形をとってよい。一態様では、隆起の平均高さは、約1ナノメートル〜約100ナノメートルまで、好ましくは約5ナノメートル〜約50ナノメートルまで、より好ましくは約10ナノメートル〜約30ナノメートルまでであってよい。本発明の更になお別の態様では、離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の隆起及び/又は窪みは、約500ナノメートル未満、好ましくは約200ナノメートル未満、より好ましくは約100ナノメートル未満である。理論に束縛されるものではないが、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の表面上の窪み、クレーター、クレパス、切り欠き、割れ目、開口部、又は空洞の存在は、それらの構造全体を強化するのに役立つと考えられる。本発明の更になお別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、窪み又は様々な窪みの組み合わせの中に、刻み目などのその他の構造特徴を含んでいてよい。
【0028】
本発明の更になお別の態様では、離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類並びにそれらを構成する離散粒子類はカプセル化形態で提供されてもよい。一態様では、離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、コアシェルによってカプセル化されていてよい。本発明の別の態様では、前記カプセル封入物が更に有機又は無機着色材料を含んでいてもよい。好適な有機着色材料類としては、ポリマー類又は生体高分子類をベースとするナノ粒子類、例えば、1,3−ジフェニル−5−(2−アンスリル)−2−ピラゾリン(DAP)のナノ粒子類、ポリビニルナノ粒子類、ポリスチレンナノ粒子類(ポリマーコロイド類)、タンパク質類、界面活性剤類とそれらとは逆帯電したポリマー類との相互作用に基づくナノ粒子類、樹脂状高分子粒子類、ポリマー−粘土粒子類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明に係る離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類をカプセル化するのに好適な方法は、次の文献に記載されている:ファン、Q(Huang, Q.)及びY.ジャン(Y. Jiang)、2004年、ナノカプセル化によるフェノール性酸化防止剤の安定性の強化(Enhancing the stability of phenolic antioxidants by nanoencapsulatio)、第228回米国化学会国際会議(228th American Chemical Society National Meeting)、8月21日〜26日、フィラデルフィア(Philadelphia);ジャン S.−Y.(Jang, S.-Y.)、M.マルケス(M. Marquez)、及びG.A.ソッチン(G.A. Sotzing)、2004年、電気化学的酸化ナノリソグラフィーによる導電性高分子の速い直接ナノ描画(Rapid direct nanowriting of conductive polymer via electrochemical oxidative nanolithography)、米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)126:9476;レザー、M.E.(Leser, M. E.)、M.マイケル(M. Michel)、及びH.J.ワッケ(H. J. Watzke)、2003年、食品構造調査のためのナノ−新視野へ拡大する食品(Food goes nano New horizons for food structure research)、食品コロイド、バイオポリマー、及び材料内(In Food Colloids, Biopolymers and Materials)、E.ディキンソン(E. Dickinson)及びT.ファン・フリート(T. Van Vliet)編、英国ケンブリッジ(Cambridge):王立化学会(Royal Society of Chemistry);ロサーテイルズ、I.G.(Loscertales, I. G.)、M.マルケスら、2002年、帯電した同軸液噴流によるミクロ/ナノカプセル化(Micro/nano encapsulation via electrified coaxial liquid jets)、サイエンス(Science)295:1695;モラル.C.I.(Moraru. C. I.)、Q.ファン(Q. Huang)ら、2003年、ナノテクノロジー:食品科学の最先端(Nanotechnology: A new frontier in food science)、食品工業(Food Technology)57:24;ルエングルグリキット、C.(Ruengruglikit, C.)及びQ.ファン、2004年、病原菌の検出及び同定のためのナノ多孔質オリゴヌクレオチド・マイクロアレイの製造(Fabrication of nanoporous oligonucleotide microarray for pathogen detection and identification)、第227回米国化学会全国会議(227th American Chemical Society National Meeting)、3月28日〜4月1日、アナハイム(Anaheim);ディンスモアA.D.(Dinsmore, A.D.)及びD.A.ウェイツ(D. A. Weitz)、2002年、コロイドゾーム:コロイド状粒子から構成された選択透過型カプセル(Colloidosomes: Selectively permeable capsules composed of colloidal particles)、サイエンス298:1006;ソッチングG.A.ら、2002年、ポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン−ポリ(スルホン化スチレン)/絶縁ポリマー複合体から形成した蒸気検知器配列の調製及び特性(Preparation and properties of vapor detector arrays formed from poly(3,4-ethylenedioxy) thiophene-poly(styrene sulfonate)/insulating polymer composites)、分析化学(Analytical Chemistry)72:3181;オガワ S.(Ogawa S.)、デッカー E.A.(Decker E. A.)、マククレメンツ D.J.(McClements D.J.)、2004年、「レシチン−キトサン−ペクチン多層膜によって安定化した液滴を含有するO/Wエマルション類の製造及び特徴(Production and characterization of O/W emulsions containing droplets stabilized by lecithin-chitosan-pectin mutilayered membranes)」、農産食品化学会誌(J. Agr. Food Chem.)52(11):3600;オガワ S.、デッカー E.A.、マククレメンツ D.J.、2003年、レシチン−キトサン膜によって安定化した液滴を含有する水中油型エマルション類の安定性に関する環境条件の影響(Influence of environmental conditions on the stability of oil in water emulsions containing droplets stabilized by lecithin-chitosan membranes)、農産食品化学会誌51(18):5522。本発明に係る有用であり得る特注のカプセル化設備類は、ナノソミンOセラム(NanosominO Serum)、エスソム・リサーチ社(Elsom Research Co.)、リヴオン・ラボ社(LivOn Labs, Inc.)、ナノフェーズ・テクノロジーズ(Nanophase Technologies)、MCC.SA(MCC SA)(スイス国)、アドバンスド・ナノ−プロダクツ社(Advanced Nano-Products, Inc.)から市販されている。
【0029】
本発明のなお別の態様では、1つ以上の定着方法を適用して、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を、それらが適用されるケラチン繊維中に固定してよい。これらの定着方法としては、光の適用、温度の適用、pHの変化、溶媒類の適用、表面処理、分散剤類の適用、及び/又はこれらの組み合わせを挙げることができる。理論に束縛されるものではないが、1つ以上の前記定着方法の適用は、結果として、主題の離散粒子凝集体類及び粒塊類と、それらが適用される主題のケラチン繊維との間に化学結合を形成するか、又は主題の毛小皮の閉塞をもたらすと考えられる−それによって、毛小皮の中に離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類が封入される。本発明の更になお別の態様では、1つ以上の放出方法を適用して、本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を、それらが適用されるケラチン繊維から放出してよい。これらの放出方法としては、光の適用、温度の適用、pHの変化、溶媒類の適用、表面処理、界面活性剤類の適用、分散剤類の適用、及びこれらの組み合わせを使用する不活性化を含むことができる。理論に束縛されるものではないが、前記放出方法の適用は、結果として、主題の離散粒子凝集体類及び粒塊類と主題のケラチン繊維との間に作り出される化学結合を破壊するか、又は主題の毛小皮を開口させることにより(by causing)−それによって、毛小皮から粒子類、凝集体類、及び/又は粒塊類を放出すると考えられる。
【0030】
本発明の組成物は、約0.001重量%〜約15重量%、好ましくは約0.01〜約10重量%、より好ましくは約0.1〜約5重量%の本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類を含んでよい。
【0031】
任意成分及び補助剤
媒質
離散粒子の適用に適した媒質は、水、又は水と、典型的には水にほとんど溶解しない化合物類を溶解する少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選択されてもよく、あるいは完全に非水性有機溶媒から成ってもよい。本明細書で使用するのに適した有機溶媒類としては、これらに限定されないが、C1〜C4低級アルカノール類(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、芳香族アルコール類(例えば、ベンジルアルコール及びフェノキシエタノール);ポリオール類及びポリオールエーテル類(例えば、カルビトール類、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、グリセロール、エトキシグリコール)、並びにプロピレンカーボネートが挙げられる。存在する場合、有機溶媒類は典型的には、組成物の1重量%〜30重量%の範囲の量で存在する。好ましい溶媒類は、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、及びこれらの混合物である。
【0032】
本発明の別の態様では、本明細書に開示される離散粒子凝集体−及び粒塊−を含む組成物類は、組成物全体の約1重量%〜約10重量%の非水性溶媒を含んでいてよく;この場合、前記非水性溶媒は:C1〜C4低級アルカノール類(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、芳香族アルコール類(例えば、ベンジルアルコール及びフェノキシエタノール);ポリオール類及びポリオールエーテル類(例えば、カルビトール類、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、グリセロール、エトキシグリコール)、及びプロピレンカーボネート、より成る群から選択される。
【0033】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、既知であるか、通常使用されているか、さもなければ酸化染料組成物類で使用するのに有効な追加の任意構成成分類を更に含んでもよく、前記酸化染料組成物類には、1次中間体染料化合物類;カップラー染料化合物類;直接染料類;アニオン、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは双極性界面活性剤類、又はこれらの混合物;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは双極性ポリマー類、又はこれらの混合物;無機若しくは有機増粘剤類;コンディショニング剤類;酸化剤類;アルカリ化剤類;酸化防止剤類及びラジカルスカベンジャー類;浸透剤類;キレート化剤類及び金属イオン封鎖剤類;芳香剤類;緩衝剤類;分散剤類;過酸化物安定化剤類;天然成分類(例えば、タンパク質類及びタンパク質誘導体類)、及び植物物質類(例えば、アロエ、カモミール、及びヘンナ抽出物類);シリコーン類(揮発性若しくは不揮発性、変性若しくは非変性)、被膜形成剤類、セラミド類、防腐剤類;並びに乳白剤類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
上記で言及したが以下で具体的に記載されない好適な幾つかの補助剤類は、国際化粧品成分辞典及びハンドブック(International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook)、(第8版;トイレ化粧品・香料協会(The Cosmetics,Toiletry,and Fragrance Association))に列記されている。特に、第2巻、3章(化学分類)及び4章(機能)は、特定の目的又は複数の目的を達成するための具体的な補助剤類を識別するのに有用である。
【0035】
酸化染料化合物類
本明細書に開示される離散粒子凝集体類及び粒塊類は、染色剤類として単独で存在してもよく、そして有利には、塩基酸化のようなもの、及びカップラー−(例えば、自己結合化合物類)のようなものの両者として働くことができる。これらはまた、1つ以上の1次中間体類、及び/又はカップラー類と組み合わせて、並びに1つ以上の酸化剤と組み合わせて使用してもよい。本発明の組成物類では、あらゆる既知のカップラーと1次中間体との組み合わせを利用できる。
【0036】
本発明の組成物類で使用するのに好適な化合物類(任意に加えるものを包含する)は、それらが塩基である場合に限り、遊離塩基として使用しても、あるいは塩酸、臭化水素酸、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、若しくは硫酸などの有機又は無機酸と生理学的に適合性のある塩類の形態で使用してもよく、あるいはそれらが芳香族OH基を有する場合に限り、アルカリフェノレート類のような、塩基類を含むそれらの塩類の形態で使用してもよい。
【0037】
任意のカップラー類は、存在する場合、典型的には、凝集体では組成物中のカップラー類及び本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の濃度が、毛髪染色組成物の0.002重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲になるような量で存在する。任意の1次中間体類は、存在する場合、有効な染料濃度で、典型的には毛髪染色組成物の0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%の量で存在する。染料化合物類(例えば、本発明の毛髪染色組成物中の任意の1次中間体類、任意のカップラー化合物類、並びに本発明の離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類)の総量は、典型的には、毛髪染色組成物の0.002重量%〜20重量%、好ましくは0.04重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜7重量%の範囲である。
【0038】
これらの化合物類は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン類、アミノフェノール類、芳香族ジオール類及びこれらの誘導体類を包含する(酸化染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、サガリン(Sagarin)の「化粧品の科学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」、インターサイエンス(Interscience)、特別版、第2巻、308〜310頁に見出すことができる)。以下に述べる前駆体類は、例示のためだけのものであり、本明細書における組成物類及びプロセス類を限定する目的でないことを理解すべきである。以下のものが挙げられる。
【0039】
1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−ナフタレンジオール)、1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン)、1−メチル−2,5−ジアミノベンゼン(トルエン−2,5−ジアミン)、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−4−クロロベンゼン、(4−クロロレゾルシノール)、1−ヒドロキシ−2−アミノベンゼン、(o−アミノフェノール)、1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン(m−アミノフェノール)、1−ヒドロキシ−4−アミノ−ベンゼン(p−アミノフェノール)、1−ヒドロキシナフタレン(1−ナフトール)、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−ナフタレンジオール)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−ナフタレンジオール) 1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン(4−ジアミノフェノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、1−ヒドロキシ−4−メチルアミノベンゼン(p−メチルアミノフェノール)、6−ヒドロキシベンゾ−モルホリン(ヒドロキシベンゾモルホリン)、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−アミノベンゼン(4−アミノ−2−ヒドロキシ−トルエン)、3,4−ジアミノ安息香酸(3,4−ジアミノ安息香酸)、1−メチル2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(2−メチル−5−ヒドロキシ−エチルアミノ−フェノール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(1,2,4−トリヒドロキシベンゼン)、1−フェノ−ル−3−メチルピラゾール−5−オン(フェニルメチルピラゾロン)、1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン(2,4−ジアミノフェノキシ−エタノールHCL)、1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン(3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン(2−メチルレゾルシノール)、1−アミノ−4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(N,N−ビス(2−ヒドロキシ−エチル)−p−フェニレン−ジアミン)、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン(HC赤色16)、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−アミノベンゼン(4−アミノ−m−クレゾール)、1−ヒドロキシ−2−アミノ−5−メチルベンゼン(6−アミノ−m−クレゾール)、1,3−ビスー(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン(1,3−ビスー(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン)、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン(ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンスルフェート)、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、(2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール)1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン(5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール)、1−ヒドロキシ−2−アミノ−6−メチルベンゼン(6−アミノ−o−クレゾール)、1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン(ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシ−アニリンHCl)、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン(2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン)、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン(2,6−ジメトキシ−3,5−ピリジンジアミン)、5,6−ジヒドロキシインドール(、ジヒドロキシ−インドール)、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール(2−アミノエチル−p−アミノ−フェノールHCl)、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェネトールHCl)、2,4−ジアミノ−5−(2’ヒドロキシエチルオキシ)トルエン(2,4−ジアミノ−5−メチルフェノキシエタノールHCl)、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール(5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール)、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン ヒドロキシエチルアミノメチル−p−アミノフェノールHCl)、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−メトキシメチルベンゼン(2−メトキシメチル−p−アミノフェノールHCl)、1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)N(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール(ヒドロキシプロピル−ビス(N−ヒドロキシ−エチル−p−フェニレンジアミン)HCL)、6−ヒドロキシインドール(6−ヒドロキシ−インドール)、2,3−インドリンジオン(イサチン)、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン(HC青色7号)、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン)、5−アミノ−サリチル酸、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)ベンゼン(2,6−ヒドロキシエチルアミノ−トルエン)、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン(2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノールスルフェート)、2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン(PEG−3,2’、2’−ジ−p−フェニレンジアミン)、5,6−ジヒドロキシインドリン(ジヒドロキシインドリン)、N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン(m−ジメチル−アミノ−フェニルウレア)、2,4−ジアミノ−5−フルオルトルエンスルフェート水和物(4−フルオロ−6−メチル−m−フェニレンジアミンスルフェート)、及び1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(1−ヒドロキシイエチル−4,5−ジアミノピラゾールスルフェート(1-HYDROXYYETHYL-4,5-DIAMINOPYRAZOLE SULPHATE))。これらは、分子形態又は過酸化物相溶性塩類の形態で用いることができる。
【0040】
本発明の染毛組成物類としては、非酸化毛髪染料類(即ち、単独で又は上述した酸化染料と組み合わせて使用してもよい直接染料類)も挙げることができる。好適な直接染料類としては、アゾ又はアントラキノン染料類、及びベンゼン系のニトロ誘導体類、及び/又はメラニン前駆体類、並びにこれらの混合物が挙げられる。このような直接染料類は、色調の改質又はハイライトを達成するのに特に有用である。特に好ましいものは、塩基性赤色51、塩基性橙色31、塩基性黄色87、及びこれらの混合物である。
【0041】
酸化剤
本発明の組成物類と共に使用するのに適した顕色剤組成物類は、毛髪中のメラニン色素を漂白するのに、及び/又は酸化染料前駆体類(存在する場合、1次中間体類及び/又はカップラー類を包含する)から染料発色団類を形成させるのに十分な量で存在する酸化剤を含んでもよい。典型的には、このような量は、顕色剤組成物の1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%、より好ましくは6重量%〜12重量%の範囲である。水性媒質中で過酸化水素を生成することができる無機の過酸素物質類が好ましく、それらには、過酸化水素;無機アルカリ金属過酸化物類(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム);有機過酸化物類(例えば、過酸化尿素、過酸化メラミン);無機過水和物塩漂白化合物類(例えば、過ホウ酸類、過炭酸類、過リン酸類、過ケイ酸類、及び過硫酸類の、アルカリ金属塩類、好ましくはそれらのナトリウム塩類)(これらは一水和物、四水和物などとして組み込まれてよい);アルカリ金属臭素酸塩類;酵素類;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。過酸化水素が好ましい。本発明の別の態様では、本発明の離散粒子−、凝集体−、及び/又は粒塊−を含む組成物類は更に、漂白剤を組成物全体の約1重量%〜約10重量%含んでもよい:該漂白剤は、過酸素酸化剤類、特にアルカリ性過酸化水素、過硫酸塩類、過酸類又はこれらの混合物 無機アルカリ金属過酸化物(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム)、及び有機過酸化物(例えば、過酸化尿素、過酸化メラミン)、並びに無機過水和物塩漂白化合物類(例えば、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、過リン酸塩類、過ケイ酸塩類、過硫酸塩類、アルカリ金属塩、並びにこれらの組み合わせ)より成る群から選択される。
【0042】
増粘剤類
本発明の組成物類は、毛髪から過度にしたたり落ちて汚す原因となることなく毛髪に容易に適用できるような粘度を組成物に与えるのに十分な量で、増粘剤を含んでよい。典型的には、このような量は、毛髪組成物の少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%である。
【0043】
耐塩性の増粘剤類が、本明細書で使用するのに好ましく、次の:キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(アクアコート(AQUACOTE)((商標))として入手可能)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(NATROSOL)((商標)))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(KLUCEL)((商標))として入手可能)、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(NATROSOL)((商標))プラス(Plus)330として入手可能)、N−ビニルピロリドン(ポビドン(POVIDONE)((商標))として入手可能)、アクリレート類/セテス−20イタコン酸コポリマー(ストラクチャー(STRUCTURE)((商標))3001として入手可能)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ストラクチャー(STRUCTURE)((商標))ZEAとして入手可能)、ポリエトキシル化ウレタン類又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えば、PEG−150/デシル/SMDIコポリマー(アクリン(ACULYN)((商標))44として入手可能)、PEG−150/ステアリル/SMDIコポリマー(アクリン(ACULYN)((商標))46として入手可能)、トリヒドロキシステアリン(チクシン(THIXCIN)((商標))として入手可能)、アクリレート類コポリマー(例えば、アクリン(ACULYN)((商標))33として入手可能)又は疎水変性アクリレートコポリマー類(例えば、アクリレート類/ステアレス−20メタクリレートコポリマー(アクリン(ACULYN)((商標))22として入手可能)、少なくとも1つの脂肪鎖と、少なくとも1つの脂肪鎖を含むポリエーテルウレタン類から選択される少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性両染性ポリマー類、及びセテス−10ホスフェートとジ−セチルホスフェートとセテアリルアルコールとのブレンド(クロダホス(CRODAFOS)((商標))CESとして入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
膨張剤類
本発明の組成物類は更に、それらが適用される多孔質材料を膨張するための膨張剤を、組成物全体の約1重量%〜約10重量%含んでもよく、ここで該膨張剤は、アンモニア、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、炭酸アンモニウム、炭酸金属塩、ケイ酸塩類及びこれらの塩類、水酸化アンモニウム、並びにこれらの混合物より成る群から選択される。
【0045】
分散剤類
本発明の組成物類は更に、意図的でない凝集を防ぐために、組成物全体の約1重量%〜約10重量%の分散剤を含んでもよく;ここで、該分散剤は、セルロース、アニリン、、アニオン性高分子電解質類(例えば、ポリアクリル酸類及びその塩)、アクリル酸、無水マレイン酸、スルホン酸類とアクリル−、メタクリル−、及びビニルモノマー類とのコポリマー類、低分子量の界面活性剤類(ノニルフェノールエトキシレート類)、及び高分子量系類より成る群から選択される。
【0046】
キレート剤類
本発明の組成物類は、処方の成分類、特に酸化剤類、より詳細には過酸化物類と相互作用し得る金属類の量を減少させるのに十分な量で、キレート剤類を含んでよい。典型的には、このような量は組成物の少なくとも0.25重量%から、好ましくは少なくとも0.5重量%からの範囲である。本明細書で使用するのに好適なキレート剤類としては、ジアミン−N,N’−ジポリ酸(dipolyacid)、モノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸(dipolyacid)、及びN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸キレート剤類(好ましくはEDDS(エチレンジアミンジコハク酸))、カルボン酸類(好ましくは、アミノカルボン酸類)、ホスホン酸類(好ましくは、アミノホスホン酸類)、及びポリリン酸類(特に、直鎖ポリリン酸類)、それらの塩類及び誘導体類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
pH調整剤類及び緩衝剤類
本発明の組成物類は、組成物のpHを3〜13、好ましくは8〜12、より好ましくは9〜11の範囲内になるように調節するために十分に有効な量で、pH調整剤及び/又は緩衝剤を更に含んでもよい。本明細書で使用するのに好適なpH調整剤類及び/又は緩衝剤類としては、次のもの:アンモニア、アルカノールアミド類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3,−プロパンジオール並びにグアニジウム塩類)、水酸化アルカリ金属及び水酸化アンモニウム並びに炭酸アルカリ金属及び炭酸アンモニウム、好ましくは水酸化ナトリウム及び炭酸アンモニウム、並びに無機及び無機酸類(inorganic and inorganic acids)などの弱酸性物質類、例えば、ホスホン酸、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、又は酒石酸、塩酸、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の別の態様では、本発明の離散粒子−、凝集体−、及び粒塊−を含む組成物類は更に、組成物全体の約1重量%〜約10重量%の、本明細書において上述したようなpH調整剤及び/又は緩衝剤を含んでもよい。
【0048】
表面変性剤類
本発明の組成物類は更に、その物理的及び/又は化学的特徴を変化させる表面変性コーティングで処理されてもよい。前記表面変性剤は、セルロース、アニリン、アニオン性高分子電解質類(例えば、ポリアクリル酸類及びその塩)、アクリル酸、無水マレイン酸、スルホン酸類とアクリル−、メタクリル−、及びビニルモノマー類とのコポリマー類、低分子量の界面活性剤類(ノニルフェノールエトキシレート類)、並びに高分子量系類より成る群から選択されてよい。
【0049】
カーボネートイオン供給源及びラジカルスカベンジャー系
本発明の組成物類は更に、少なくとも1つのペルオキシモノカーボネートイオン類供給源、好ましくは過酸化水素供給源及び炭酸イオン供給源からその場で形成されたものと、少なくとも1つのアルカリ化剤供給源類と、好ましくはラジカルスカベンジャーの供給源(e source)(定義は後述する)との組み合わせを、臭気及び毛髪繊維類へのダメージを十分に低減する量で含む系を含んでもよい。典型的には、かかる量は、毛髪染色組成物及び/又は毛髪染色製品組成物の0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の炭酸イオン、及び前記組成物の0.1重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜7重量%のラジカルスカベンジャー、並びに0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%のアルカリ化剤に及ぶ。好ましくは、ラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャーとカーボネートイオンとの比が1:1〜1:4となるような量で存在する。ラジカルスカベンジャーは、好ましくは、アルカリ化剤と同一種ではないように選択される。
【0050】
従って、本発明によれば、組成物はまた、炭酸イオン類若しくはカルバミン酸イオン類若しくは炭酸水素イオン類の供給源、又はこれらのいずれかの混合物を少なくとも1つ含んでもよい。これらのイオン類のいかなる供給源を利用してもよい。本明細書に用いるのに好適な供給源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。炭酸イオン類の供給源と酸化剤の双方を与えるために、過炭酸塩類を使用してもよい。炭酸イオン類、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0051】
従って、本発明によれば、組成物はまた、少なくとも1つのアルカリ化剤供給源、好ましくはアンモニウムイオン類の供給源及び/又はアンモニアを含んでもよい。アルカノールアミド類のような当該技術分野において既知のいかなる剤、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1プロパノール、並びに2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及びグアニジウム塩類を用いてもよい。特に好ましいアルカリ化剤類は、アンモニウムイオン類の供給源を与えるものである。いずれのアンモニウムイオン類供給源も本明細書で用いるのに好適である。好ましい供給源類としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩類、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。
【0052】
ラジカルスカベンジャーは、炭酸ラジカルと反応してその炭酸ラジカルを一連の速い反応によってより反応性の低い種へと変換させることのできる種である。本明細書で用いるのに好適なラジカルスカベンジャー類としては、次の一般式に準拠する化合物類が挙げられる:
(I): R1−Y−C(H)(R3)−R4−(C(H)(R5)−Y−R6)n
前記式中、YはNR2、O、又はS、好ましくはNR2であり、nは0〜2であり、またR4は一価又は二価であって、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝状のアルキル、モノ−若しくはポリ−不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系類、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、又は複素環式系類、あるいは(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系類から選択され;前記(a)、(b)及び(c)の系類は、炭素原子1〜12個、並びにO、S、N、P、及びSiから選択されるヘテロ原子0〜5個を含み、ここで、R4は、R3又はR5と結合して5、6若しくは7員環を作り出すことができ;そして、この場合、R1、R2、R3、R5及びR6は、一価であり;並びに本明細書における前述の(a)、(b)及び(c)、又はHから独立して選択される。
【0053】
好ましくはR4は、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝状のアルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィン系類、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環系類、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系類から選択され;より好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝状のアルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、若しくはヘテロ脂肪族系類、(b)置換若しくは非置換のアリール、若しくは複素環系類、又は(c)置換若しくは非置換のモノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系類から選択され;更に好ましくは、置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝状のアルキル又はヘテロアルキル系類から選択される。
【0054】
好ましくは、本明細書で上述した(a)、(b)、及び(c)のR4系類は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子と、0〜3個のへテロ原子、好ましくは0〜2個のへテロ原子、最も好ましくは0〜1個のへテロ原子とを含む。前記系がへテロ原子類を含有する場合、それらは、好ましくは、1個のへテロ原子を含有する。好ましいへテロ原子類としては、O、S、及びNが挙げられ、より好ましいのはO及びNであり、最も好ましいのはOである。
【0055】
好ましくは、R1、R2、R3、R5、及びR6は、R4について上記で定義した系類のいずれか、及びHから独立して選択される。
【0056】
代替の実施形態では、R1基、R2基、R3基、R4基、R5基、及びR6基のいずれかが置換されている。好ましくは、置換基(類)は、(a)(i)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、モノ−若しくはポリ−不飽和アルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系、(ii)置換若しくは非置換の単環式若しくは多環式脂肪族系、アリール系、又は複素環式系、あるいは(iii)置換若しくは非置換のモノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から成るC結合型の一価の置換基類の群であって;前記(i)、(ii)、及び(iii)の系は、1〜10個の炭素原子と、O、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子とを含むもの;(b)SA1、SCN、SO21、SO31、SSA1、SOA1、SO2NA12、SNA12、及びSONA12から成るS結合型の一価の置換基類の群、(c)OA1、OCN及びONA12から成るO結合型の一価の置換基類の群、(d)NA12、(NA123+、NC、NA1OA2、NA1SA2、NCO、NCS、NO2、N=NA1、N=NOA1、NA1CN、NA1NA23から成るN結合型の一価の置換基類の群、(e)COOA1、CON3、CONA12、CONA1COA2、C(=NA1)NA12、CHO、CHS、CN、NC、及びXから成る一価の置換基類の群、並びに(f)1〜12個の炭素原子及び0〜4個のヘテロ原子を含むモノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系類から成るフルオロアルキルの一価の置換基類より成る群から選択される。
【0057】
上述の(b)〜(e)群において、A1、A2及びA3は一価であり、また(1)H、(2)置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分枝状のアルキル、モノ−若しくはポリ−不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又はヘテロオレフィン系類、(3)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式脂肪族、アリール、又は複素環式系類、あるいは(4)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系類から独立して選択され;該(2)(3)及び(4)の系類は、1〜10個の炭素原子と、O、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子とを含み;並びにここで、Xは、F、Cl、Br及びIより成る群から選択されるハロゲンである。
【0058】
本発明による好ましいラジカルスカベンジャー類は、アルカノールアミン類、アミノ糖類、アミノ酸類、アミノ酸エステル類、及びこれらの混合物の類から選択される。特に好ましい化合物類は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、及び塩類、例えばこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物である。
【0059】
とりわけ好ましい化合物類は、グリシン、サルコシン、リジン、セリン、2 メトキシエチルアミン(2 methoxyethylamine)、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン(piperdine)、エチルアミン、3 アミノ−1−プロパノール(3 amino-1-propanol)、及びこれらの混合物である。
【0060】
コンディショニング剤類
本発明の組成物類は、コンディショニング剤を含む組成物を含んでもよく、又はコンディショニング剤を含む組成物と組み合わせて用いられてもよい。本明細書で用いるのに好適なコンディショニング剤類は、シリコーン物質類、アミノシリコーン類、脂肪族アルコール類、ポリマー樹脂類、ポリオールカルボン酸エステル類、カチオン性ポリマー類、カチオン性界面活性剤類、不溶性の油類、及び油に由来する物質類、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質類としては、鉱油類及びその他の油類、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。
【0061】
コンディショニング剤は一般に、毛髪染色製品組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、更に好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の濃度で使用される。
【0062】
特に有用なコンディショニング物質類はカチオン性ポリマー類である。カチオン性ポリマー型のコンディショナー類は、化粧品組成物で処理したケラチン繊維類の化粧品特性の少なくとも1つを改善するものとして当業者に既知のものから選択されてもよい。カチオン性ポリマー類は、ポリマー主鎖の一部を形成するか又はポリマー主鎖に直接結合する側鎖置換基によって生じる場合のある第一級、第二級、第三級及び第四級アミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むものから選択することができる。こうしたカチオン性ポリマー類は一般に、500〜5×106、又はより好ましくは1000〜3×106の範囲の数平均分子量を有する。
【0063】
補助剤成分類
本発明の組成物類は更に、次の:コンディショニング剤類、浸透増強剤類、ポリマー結合ビヒクル類、表面変性剤類、定着増強剤類、放出促進剤類、着色剤類、アグロメレーション変性剤類、芳香剤類、及びこれらの組み合わせより成る群から選択される1つ以上の補助剤成分類を含んでもよい。
【0064】
製造方法
本発明の組成物類は、従来の方法を用いて製造されてよい。毛髪組成物類は、好ましくは、クリーム、ゲル、ムース、又はスプレイとして提供される。毛髪染色組成物類は、溶液として、好ましくは水溶液又は水性アルコール溶液として形成されてよい。毛髪染料製品組成物類は、好ましくは、高粘度の液体類、クリーム類、ゲル類、又はエマルション類として形成されてよく、これらの組成は、染料化合物及びその他の染料成分類と、特定の製剤に適した従来の化粧品添加物成分及び好ましくは顕色剤組成物との混合物である。
【0065】
使用方法
本発明の組成物類は、毛髪に直接、又は櫛若しくは布などの手段を介して適用される。組成物類はまた、毛髪染色若しくは毛髪脱色製品組成物と組み合わせて使用されてもよい。かかる実施形態では、離散粒子類は、毛髪染色若しくは脱色組成物に直接添加するか、あるいは顕色剤組成物、又はアルカリ化剤及び/若しくは染料前駆体類を含有する組成物に添加することができる。加えて、離散粒子組成物は、毛髪染色若しくは脱色組成物を適用する直前に、又は毛髪染色若しくは脱色組成物を添加した直後に毛髪に添加することができる。あるいは、離散粒子組成物(compoostion)は、染毛事象中にいつでも適用することができ、例えば、着色粒子類を含有する場合は、処方を適用して、洗浄/光によって誘発された色褪せに起因する酸化染料の消滅によって失われた色を補うことができる。
【0066】
毛髪染色組成物と顕色剤組成物を合わせて、毛髪を染色するための系を形成する。この系は、単一のパッケージ内に、毛髪染色組成物、顕色剤組成物、任意のコンディショナー又はその他の毛髪トリートメント製品の入った別個の容器、並びに使用説明書を含むキットとして提供されてもよい。
【0067】
離散粒子の大きさ測定方法
1)試料の粉砕
離散粒子の5重量%溶液を蒸留水を用いて作製する。この溶液を、離散粒子が全て濡れて水中に懸濁するまでスプーンで混合する。次に、この5%溶液を蒸留水で10倍に希釈する。その後、この溶液のpHを、水酸化アンモニウム(30%活性)又は酢酸のいずれかを用いて所要のpHへ調節する。次いで、この溶液をウルトラ・トゥラックス(Ultra Turrax)ミル(IKAワークス(IKA Works)製、モデルT−25ベーシックSI(T-25 basic SI))内に配置する。次に、試料を3μm粒径まで粉砕することができるドリル用ビットを取り付ける。ミルを680.7rad/s(6500rpm)で1分間混合させ、そしてその後、速度を2513.3rad/s(24,000rpm)まで更に9分間で徐々に上げる。
2)試料の超音波処理
所要のpHとした離散粒子の蒸留水溶液を超音波処理機(半インチホーンを利用する標準プローブを装備したマイソニックス・モデル3000(Misonix Model 3000)内に配置する。超音波処理プログラムは、1.5秒波動して1.5秒波動を停止する3分の操作時間に設定する。合計操作時間は6分である。電力レベルは、48〜51ワットのエネルギーに相当する6.5に設定する。
3)ホリバ(Horiba)を用いた粒径測定
希釈溶液中の粒径を、ホリバ(Horiba)モデルLA−930、レーザー散乱、粒径及び分布分析器(Laser Scattering, Particle Size and Distribution Analyser)を用いて測定する。
ホリバ(Horiba)のリザーバに蒸留水を満たして、速度4で混合する。装置における屈折率は、測定される離散粒子の屈折率に適合するように設定する。その後、装置のレンズ類を調節する。次に、離散粒子の5重量%溶液を蒸留水で10倍に薄め、そして水酸化アンモニウム(30%活性)又は酢酸のいずれかを用いてpHを所望のpHに調節する。次いで、この溶液を、%Tの読みが95%〜97%となるまでリザーバに加える。その後、粒径分布を測定する。
4)モールバーン(Malvern)を用いた粒径測定
毛髪組成物類中の粒径は、モールバーン・ゼタノ寸法測定器S(Malvern Zetano Sizer S)装置を用いて測定する。この装置は、光学ファイバーを用いることによって極めて高い散乱検出角度を使用する後方散乱型動的光散乱装置である。この高い角度により、非常に小さな粒子を検出することができる。
【0068】
毛髪組成物を標準的な使い捨ての分光器用10mmセルに入れる。セルの側面をメタノールとレンズ拭取り紙できれいにする。次に、セルに蓋をして、装置のセル容器内に挿入する。次に、粒径分布の出力を与える標準測定プログラムを用いて粒径を測定する。
【実施例】
【0069】
離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類の形成例
離散粒子凝集体類及び/又は粒塊類は、色彩効果(並びにその他の物理的及び/又は化学的特徴)を別個に、酸化及び/又は直接染料の不存在下で達成するために、金属酸化物(又はその他の染色剤)の不溶性の固体粉末を水溶液若しくは非水溶液又はこれら2つの混合物に添加することによって調製して利用することができる。
【0070】
(実施例1)
酸化鉄(ナノテクノロジーズ(Nanotechnologies)から供給されたもの)5gを、脱イオン水95gに加えて、離散粒子類が全て濡れて懸濁するまでスプーンで混合した。開始時の平均粒径は6.5μmであった。混合物のpHをその後、酢酸を用いてpH9.4に調節した。次いで、混合物を、試料を3ミクロンの大きさまで粉砕するように設計された粉砕ビットを付けたウルトラ・トゥラックス(Ultra Turrax)ミルを用いて680.7rad/s(6500rpm)で1分間粉砕した。1分後、混合速度を合計操作時間9分間で2513.3rad/s(24,000rpm)まで上げた。粉砕後、平均粒径は1.59μmであった。次に、混合物を、半インチホーンを利用する標準プローブを付けたマイソニックス・モデル3000(Misonix Model 3000)超音波処理機を用いて超音波処理した。粒子を51ワットのエネルギーに合計6分間曝露した。超音波処理後、粒径及び分布を、ホリバ(Horiba)モデルLA−930レーザー散乱、粒径及び分布分析器(Laser Scattering, Particle Size and Distribution Analyser)を用い、製造者の指示に従って測定した。最終的な平均粒径は185nmであった。
【0071】
(実施例2)
二酸化チタン(ナノフェーズ(Nanophase)から供給されたもの)5gを、脱イオン水95gに加えて、離散粒子類が全て濡れて懸濁するまでスプーンで混合した。開始時の粒径は0.36μmであった。次に、混合物を半インチホーンを利用する標準プローブを付けたマイソニックス・モデル3000(Misonix Model 3000)超音波処理機を用いて超音波処理した。粒子類を51ワットのエネルギーに合計6分間曝露した。超音波処理後、粒径及び分布を、ホリバ(Horiba)モデルLA−930レーザー散乱、粒径及び分布分析器(Laser Scattering, Particle Size and Distribution Analyser)を用い、製造者の指示に従って測定した最終的な平均粒径は290nmであった。
【0072】
(実施例3)
二酸化ケイ素(ナノフェーズ(Nanophase)から供給されたもの)5gを、脱イオン水95gに加えて、離散粒子類が全て濡れて懸濁するまでスプーンで混合した。開始時の粒径は99nmであった。この試料では、粉砕も超音波処理も必要なかった。
【0073】
正確な大きさの粒子を、以下に例示するようにして毛髪組成物又は毛髪染色若しくは脱色組成物類に加えた。毛髪への適用前に、毛髪組成物類を調べて、粒径分布が溶液中でまだ見えるほどであることを確認した。このことは、モールバーン・ゼタナノ大きさ測定器S(Malvern Zetanano Sizer S)装置を用いて行った。
【0074】
毛髪への適用後、走査電子顕微鏡を用いて、離散粒子の位置が毛髪の角皮構造の中にあることを確認した。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

*1 セチルアルコール:新日本理化(Shin Nihon Rika)より入手可能なコノルシリーズ(Konol series)。
*2 ステアリルアルコール:新日本理化(Shin Nihon Rika)より入手可能なコノルシリーズ(Konol series)。
*3 ステアルアミドプロピルジメチルアミン:イノレックス(Inolex)から入手可能なSAPDMA。
*4 L−グルタミン酸:味の素(Ajinomoto)より入手可能なL−グルタミン酸(化粧品等級)。
*5 ジンクピリチオン(Zinc pyrithinone):オリン(Olin)から入手可能なジンクピリチオンU/2。
*6 シリコーン混合物:ゼネラル・エレクトリック(General Electric)から入手可能なSE76。
*7 コラーゲン加水分解物:ホーメル(Hormel)から入手可能なペプテイン(Peptein)2000。
*8 パンテノール:ロシュ(Roche)から入手可能。
*9 パンテニルエチルエーテル:ロシュ(Roche)から入手可能。
*11 ペンタエリトリトールテトライソステアレート:高級アルコール(Kokyu alcohol)によって生成されたKAK PTI。
*18 ポリプロピレングリコール:三洋化成(Sanyo Kasei)から入手可能なPP2000。
*19 天然メントール:ドクター・コルブ(Dr Kolb)から入手可能なメントール・クリスタル(Menthol Crystal)。
【0079】
(3)染毛剤の処方
離散粒子類又は粒子類の組み合わせは、アルカリ化剤と染料前駆体類を含有する毛髪染色組成物又は顕色剤組成物のいずれかに加えることができる。顕色剤と染料組成物は、毛髪に適用する前に1:1の比率で混合する。この製品は、毛髪上で30分間放置してから洗い流す。
【0080】
【表5】

【0081】
【表6】

【0082】
(4)毛髪脱色組成物
以下の毛髪脱色組成物のA部(30g)を、毛髪脱色組成物のB部(45g)と混合した後、毛髪に適用して、30分間放置してから洗い流した。
【0083】
【表7】

【0084】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維に適用するための組成物であって、該組成物が、離散粒子凝集体、粒塊、及びこれらの組み合わせを含み;
ここで、該凝集体及び/又は粒塊が約2ナノメートル〜約1000ナノメートルまでの大きさを有し、該凝集体及び粒塊が発色団物質を含む、組成物。
【請求項2】
前記発色団物質が、金属酸化物類、アルミニウム、セラミック、セリウム、銅、ダイアモンド、金、グラファイト、ハステロイ(hasteloy)、インジウム、白金、ケイ素、銀、タルク、スズ、亜鉛、及びジルコニウムカーボンブラック(zirconium carbon black)、金コロイド、銀コロイド、金属ナノ複合体類、非金属ナノ複合体類、合成又は天然起源メラニン及び誘導体類、有機顔料類、並びにこれらの混合物より成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記金属酸化物類が、アルミニウム酸化物、亜鉛酸化物、セリウム酸化物、銅酸化物、ケイ素酸化物、ジルコニウム酸化物、チタニウム酸化物、ニオブ酸化物、鉄酸化物、ドープした金属酸化物類、及びこれらの組み合わせより成る群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記凝集体及び粒塊が、約10ナノメートル〜約500ナノメートルまでの大きさを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記凝集体及び粒塊が、約20ナノメートル〜約200ナノメートルまでの大きさを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記凝集体類の少なくとも約95%が、約200ナノメートル未満の大きさを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記凝集体類の少なくとも約95%が、約20ナノメートル超の大きさを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記凝集体及び粒塊が、約2ナノメートル〜約1000ナノメートルの平均粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、
a.組成物全体の約0.001重量%〜約10重量%の染料と;
b.組成物全体の約0.001重量%〜約10重量%の前記離散粒子凝集体、粒塊、及びこれらの組み合わせと;
c.残部の任意成分類及び補助剤類と
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記染料が、酸化染料、直接染料、及びこれらの組み合わせより成る群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
次の工程:
i)粒径が1000nm超の1次粒子を供給する工程と;
ii)好ましくは、前記粒子を粉砕する工程と;
iii)前記粒子を超音波処理する工程と
を含む、離散粒子凝集体、粒塊、及びこれらの組み合わせの製造方法。

【公表番号】特表2008−536949(P2008−536949A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508007(P2008−508007)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/016010
【国際公開番号】WO2006/118940
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】