説明

ケラチン繊維を被覆するための組成物

【課題】被覆が脆くならず、良好な摩擦耐性、特に指による摩擦耐性を有し、さらにまつげを長くする効果を付与するケラチン繊維、特にまつげを被覆するための化粧品組成物を提案すること。
【解決手段】少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する液状脂肪相中に分散した水相を含有する、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための化粧品組成物であって、前記水相は、少なくとも1つのフィルム形成ポリマーを含有するポリマー系を含有する化粧品組成物において、前記フィルム形成ポリマーが水相中に分散した固体粒子の形態であり、かつ、組成物が少なくとも1つのラメラ充填剤を含有する、化粧品組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム形成ポリマーと充填剤を含有する、ケラチン繊維、特にヒトのまつげ及び髪を被覆するための組成物に関する。本発明はまた、ケラチン繊維をカールさせるための前記組成物の使用、並びに、これらケラチン繊維を被覆するための方法に関する。本発明による組成物および被覆方法は、特に、実質的にケラチン繊維、たとえば、つけまつげおよびヘアーピースを含む、まつげ、まゆげ、および髪に適用するためのものである。組成物は、メークアップ組成物、メークアップベース、トップコートとしても知られている、メークアップ上に適用されるべき組成物、またはケラチン繊維を美容的にトリートメントするための組成物である。本発明はまた特にマスカラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、マスカラとして知られているまつげをコーティングするための組成物は、まつげを被覆するためのワックスを含有する。これらのワックスは、水性媒体中に、特に界面活性剤の目的で分散可能である。しかしながら、これらの組成物を用いて得られたメークアップのフィルムは、経時的に脆くなる傾向にある。このように脆くなったフィルムは、特に指での摩擦、および/または、水、たとえば風呂やシャワー時の水に対する耐性がなくなる傾向にあり、経時的に良好な保持力を有するメークアップ効果に背くものである。
【0003】
いわゆる”耐水性”マスカラがまた知られており、これは、無水媒体中、特に有機溶媒を含有する液状脂肪相中にワックスを含有するものである。これらの組成物もまた、たとえば、WO−A−91/12793に記載されているように、液状脂肪相中に分散された水相を含有してもよい。前記特許文献はさらに、マスカラの耐水性は、水溶性フィルム形成ポリマーを水相に添加することによって改善可能であることを指摘している。しかしながらこれらの組成物は、まつげを良好にカールさせることができない。
【特許文献1】WO−A−91/12793
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための組成物であって、適用後、ケラチン繊維に良好なカールを付与するための耐水性被覆となるものである。
【0005】
出願人は、驚くべきことに、このようなケラチン繊維、特にまつげの被覆が、液状脂肪相中に分散した水相を含有する組成物中に、フィルム形成ポリマーと、ラメラ充填剤とを用いることによって得られることを見い出した。これによって、組成物は、ケラチン繊維に適用後、ケラチン繊維に良好なカールを付与する耐水性被覆となるものである。さらに、得られたカールは、米澱粉のような球状充填剤で得られたものよりも、より良好である。
【0006】
さらに、被覆は脆くならず、良好な摩擦耐性、特に指による摩擦耐性を有する。この被覆はまた、まつげを長くする効果を付与する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題は、少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する液状脂肪相中に分散した水相を含有する、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための化粧品組成物であって、前記水相は、少なくとも1つのフィルム形成ポリマーを含有するポリマー系を含有する化粧品組成物において、前記フィルム形成ポリマーが水相中に分散した固体粒子の形態であり、かつ、組成物が少なくとも1つのラメラ充填剤を含有することを特徴とする化粧品組成物である。
【0008】
本発明の他の主題は、上記で定義したマスカラ組成物を含有するリザーバを含有し、ケラチン繊維に前記組成物を適用するためのシステムを装備した、マスカラ製品である。本発明の主題はまた、上記で定義した組成物がケラチン繊維に適用されることを特徴とする、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための方法である。
【0009】
本発明の主題はまた、少なくとも1つのフィルム形成ポリマー、および少なくとも1つのラメラ充填剤を、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための、ケラチン繊維をカールするための、および/または耐水性を付与するための、および/またはケラチン繊維を長くするための組成物中に使用することを含む使用方法であって、前記組成物が、少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する液状脂肪相中に分散した水相を含有し、前記フィルム形成ポリマーが水相中に分散した固体粒子の形態である、使用方法である。
【0010】
本出願において、”ケラチン繊維を被覆するための組成物”なる表現は、ケラチン繊維にフィルムを形成可能な組成物を意味する。”フィルム形成ポリマー”なる表現は、それ自体が単離可能なフィルムとなるポリマーを意味する。”水相中に分散された固体粒子形態のポリマー”なる表現は、一般的には、ラテックスまたは偽ラテックスとして知られており、粒状形態のポリマーが直接分散された水相を意味する。
【0011】
水相中に分散された固体粒子形態のポリマー系(polymer system)におけるフィルム形成ポリマーは、重縮合物、ラジカル発生ポリマー、および天然由来のポリマーから選択可能である。好ましくは、前記ポリマー系は、水中7%の濃度で、40%の相対湿度で30℃で、1%よりも多い、好ましくは1.5%よりも多い、さらに好ましくは2%よりも多い単離角質層の収縮をさせるフィルムを、ケラチン繊維の良好なカーブを付与するために形成可能である。この収縮は、実施例で後に示す測定方法に従って、伸び測定機(extensiometer)を用いて測定される。
【0012】
重縮合物としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性ポリウレタン、ポリウレタン−アクリル、ポリウレタン−ポリビニルピロリドン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリウレア−ウレタン、ポリウレア、ポリエステル(特に米国特許第3734874号、4233196号、及び4304901号に記載されている)、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましく使用可能な適切なフィルム形成ポリマーは、ポリエステル−ポリウレタンであって、特に、40から200秒(second)、さらには50から170秒の範囲の硬度を有するフィルム形成可能なポリエステル−ポリウレタンである。たとえば、”Goodrich”社から”Avalure UR-425”、”Avalure UR-430”、”Avalure UR-405”、及び”Avalure UR-410”の商品名で販売されているポリエステル−ポリウレタンが使用可能である。
【0013】
ポリエーテル−ポリウレタン、特に、10から40秒(second)、さらには20から35秒の範囲の硬度を有するフィルム形成可能なポリエーテル−ポリウレタンも使用可能である。たとえば、”Goodrich”社から”Sancure 878”、”Avalure UR-450”、”Sancure 861”の商品名で販売されているポリエーテル−ポリウレタンが挙げられる。
【0014】
ポリマーフィルムの硬度は、ポリマーの前記粒子の固体が28%分散した水分散物の(乾燥前で)300μmの層厚さで、30℃で相対湿度が50%で24時間、乾燥後に得られたフィルムにおいて測定される。フィルムの硬度は、ASTM標準D−43−66、または標準NF−T30−016(1981年10月)に従って、”Persoz”振り子を用いて測定する。
【0015】
さらに使用可能な本発明による適切なフィルム形成ポリマーは、アニオン性ポリエステルであって、特に、−SO3M基(式中、Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+、または金属イオンを示す)を有する少なくとも1つのモノマーを含有するものである。コポリエステルは、たとえば、少なくとも1つのジカルボン酸と、少なくとも1つのジオールと、−SO3M基(式中、Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+、または金属イオンを示す)を有する少なくとも1つの二官能性芳香族モノマーのコポリマーであってもよい。
【0016】
ジカルボン酸は、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸からなる群から選択可能である。ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサジメタノール、および1,4−ブタンジオールからなる群から選択可能である。−SO3M基を有する二官能性芳香族モノマーは、スルホイソフタル酸、特に5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、および4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸からなる群から選択可能である。
【0017】
使用可能な好ましいポリエステルは、イソフタル酸、ジオール、およびスルホイソフタル酸の繰り返し単位から本質的になるポリエステル、特に、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、およびスルホイソフタル酸の縮合によって得られたスルホポリエステルである。使用可能なスルホポリエステルは、”Eastman”社から”AQ55S”の商品名で販売されているものである。
【0018】
ラジカル発生ポリマーとしては、アクリルポリマー、アクリル/スチレンコポリマー、およびビニルコポリマー、たとえばビニルエステルコポリマーが挙げられる。フィルム形成ポリマーがそれ自体で、上記特徴を有するフィルム形成を形成不可能な場合には、所望のポリマー系を得るために、フィルム形成ポリマーの特性を変性する機能を有する化合物を添加可能である。したがって、本発明による組成物のある1つの実施態様によれば、前記ポリマー系は、上記したような特徴を有するフィルムを得るための少なくとも1つのフィルム形成補助剤を含有可能である。フィルム形成補助剤によって、特に、まつげに良好なカーブを付与するフィルムが形成可能となるものである。この場合、ポリマー系は、1以上のフィルム形成ポリマーと、少なくとも1つのフィルム形成補助剤を含有する。
【0019】
このようなフィルム形成補助剤は、所望の機能を満足することが可能なように、当業者に公知の種々の化合物から選択可能であり、特に、可塑剤から選択可能である。フィルム形成補助剤はまた、凝集剤から選択可能である。フィルム形成補助剤は、水溶性または水不溶性であってもよく、任意に、水性分散物の形態であってもよい。特に、単独でまたは混合物としての、以下に示す通常の可塑剤または凝集剤が挙げられる。
【0020】
− グリコールおよびその誘導体、たとえば、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、またはジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、またはエチレングリコールヘキシルエーテル;
− グリセロールエステル;
− プロピレングリコール誘導体、特に、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセタート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、およびジプロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールブチルエーテル;
− 酸のエステル、特にカルボン酸のエステル、たとえばシトラート、フタラート、アジパート、カルボナート、タータラート、ホスファート、およびセバカート;
− オキシエチレン化誘導体、たとえばオキシエチレン化オイル、特に植物油、たとえばヒマシ油;シリコーン油。
【0021】
フィルム形成補助剤の量は、所望の機械特性を有すると同時に、組成物に化粧品として許容される特性を保持する、フィルムに導くポリマー系が得られるように、一般技術常識に基づいて当業者によって選択可能である。組成物は、水性媒体中に分散された粒子形態でのフィルム形成ポリマーを固体として、組成物の全重量に対して0.05から10重量%、好ましくは0.1から7重量%含有可能である。
【0022】
本発明により使用されるポリマー系(ポリマーおよび可塑剤)は、活性材料(A.M.)を、特に、組成物の全重量に対して0.05から15重量%、好ましくは0.1から10重量%の範囲の濃度で存在可能である。フィルム形成ポリマーの粒子径は、10nmから500nmまでの、好ましくは20nmから300nmまでの範囲であってもよい。
【0023】
組成物の水相は、本質的に水からなるものであってもよい。さらに、水および水混和性溶媒、たとえば1から5までの炭素原子を含有する低級モノアルコール、C3−C4ケトン、またはC3−C4アルデヒドを含有してもよい。好ましく使用可能な水混和性溶媒は、エタノールである。水混和性溶媒の含有量は、組成物の全重量に対して0.1から15重量%、好ましくは1から8重量%の範囲であってもよい。本発明による組成物の水相の全重量は、組成物の全重量に対して1から35重量%、好ましくは1から20重量%の範囲であってもよい。
【0024】
組成物の水相は、また、組成物の全重量に対して0.01から5重量%までの範囲の濃度で特に存在するさらなる水溶性フィルム形成ポリマーを含有してもよい。
【0025】
水溶性フィルム形成ポリマーとしては特に、以下のものが挙げられる。
− 水溶性セルロースベースのポリマー、たとえばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、またはエチルヒドロキシエチルセルロース、
− ケラチン誘導体、たとえばケラチン加水分解物、およびスルホン性ケラチン、
− アニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性キチンまたはキトサン誘導体、特にヒドロキシプロピルキトサン、
− セルロース誘導体、たとえばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロース、並びに、4級化セルロース誘導体、
− アクリルポリマーまたはコポリマー、たとえばポリアクリラートまたはポリメタクリラート、
− ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、
− ビニルコポリマー、たとえばメチルビニルエーテルおよびリンゴ酸無水物のコポリマー、または酢酸ビニルおよびクロトン酸のコポリマー、
− ポリエチレングリコール、− 変性されていてもよい天然由来のポリマー、たとえば、アラビアゴム、グアゴム、キサンタン誘導体およびカラヤゴム;アルギナートおよびカラギーナン;グリコアミノグリカン、ヒアルロン酸およびその誘導体;セラック樹脂、サンダラックゴム、ダマール樹脂、エレミスゴム、コパル樹脂;デオキシリボ核酸。
【0026】
組成物中に存在するラメラ充填剤は好ましくはラメラ鉱物充填剤である。このラメラ充填剤によって、フィルム形成ポリマーとともに、ケラチン繊維、特にまつげの良好なカールを得ることができるようになるものである。本発明によって使用されるラメラ充填剤は、40μmよりも小さい平均粒子径、特には0.5μmから30μmまでの範囲の平均粒子径を有する粒子形態で存在可能である。
【0027】
特に使用可能なラメラ充填剤は、以下のものである。
− 水和化ケイ酸マグネシウムである、タルク、特に、”Luzenac”社から”Talc Luzenac 00”の商品名で販売されているもの、”Nippon Talc”社から”Talc P3”の商品名で販売されているもの、
− 一般的には30μmよりも小さい粒子径の、異方性形態の粒子形態で存在する水和化ケイ酸アルミニウムである、カオリン。使用可能なカオリンは、”English China Clays”社から”Kaolin Supreme 1”の商品名で販売されているもの、
− 窒化ホウ素、特に、”SPCI”社から”Ceram Blanche 1”、”Ceram Blanche ”の商品名で販売されているもの、
− 白雲母、金雲母、チオタイト、セリサイト、紅雲母、パラゴナイト、マルガライト、ロスコエライト、天然マイカのヒドロキシル基を置換するフッ素原子を有する人工または合成マイカ、並びに、これらのマイカの焼製品から選択されたものであってもよい、マイカ、またはアルミノシリカート。マイカは一般的には、2から200μm、好ましくは5から70μmの粒子径で、0.1から5μm、好ましくは0.2−3μmの厚さのフレーク形態であり、使用可能なマイカとしては、たとえば、”Aspanger”社から”Mica SFG70”の商品名で販売されているもの、”Sciama”社から”Mica Concord 1000”の商品名で販売されているもの、
− ラメラシリカ、特に、”Maprecos”社から”SG Flake 3 M”の商品名で販売されているもの、”Sumitomo”社から”Chemicelen”の商品名で販売されているもの、
− およびこれらの混合物。
【0028】
タルクは好ましくは、ラメラ充填剤として使用される。ラメラ充填剤は、本発明による組成物中に、組成物の全重量に対して0.5から10重量%の範囲の濃度で、好ましくは0.5から5重量%の範囲の濃度で存在可能である。
【0029】
組成物の液状脂肪相は、少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する。本発明においては、”液状脂肪相”なる表現は、室温で液状で、水と非混和性である液体である、種々の非水性媒体を意味する。
【0030】
”揮発性有機溶媒”なる表現は、室温で、それが適用されたサポートから蒸発可能な有機溶媒、言い替えれば、室温で測定可能な蒸気圧を有する溶媒を意味する。室温で常圧で揮発性であり、たとえば、沸点が30℃以上である条件で、室温で常圧で、>0mmHg(0Pa)、特に10-3から300mmHg(0.13Paから40000Pa)の範囲の蒸気圧を有する、1以上のオイルを使用可能である。これらの揮発性オイルは、特に、ケラチン繊維に組成物を適用することを容易にするものである。これらのオイルは、炭化水素ベースのオイルまたはシリコーンベースのオイルであってもよい。
【0031】
本発明のある実施態様によれば、揮発性有機溶媒は、揮発性炭化水素ベースのオイルである。”炭化水素ベースのオイル”なる表現は、水素と炭素原子のみを含有するオイルを意味する。本発明の組成物に適切な、好ましい揮発性炭化水素ベースのオイルは、特にイソパラフィン、すなわち、8から16の炭素原子を含有する分岐アルカンであって、たとえば、”Isopar”の商品名で販売されているもの、ペルメチル製品、特にイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしても知られている)である。言うまでもなく、このようなイソパラフィンの混合物も使用可能である。他の揮発性炭化水素ベースのオイル、たとえば、石油精製物、特に、”Shell”社から”Shell Solt”の商品名で販売されているものもまた使用可能である。
【0032】
揮発性有機溶媒は、本発明による組成物中に、組成物の全重量に対して、35から75重量%、好ましくは45から70重量%、さらに、好ましくは50から65重量%の範囲で存在してもよい。
【0033】
使用可能な揮発性有機溶媒はまた、揮発性シリコーンであり、たとえば、環状および揮発性シリコーン、たとえば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、直鎖の揮発性シリコーン、たとえばオクタメチルトリシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、または、揮発性フルオロ油、たとえばノナフルオロメトキシブタンまたはペルフルオロメチルシクロペンタンである。
【0034】
液状脂肪相はまた、非揮発性油、特に、非揮発性炭化水素ベースのおよび/またはシリコーンベースのおよび/またはフルオロオイルを含有可能である。使用可能な非揮発性炭化水素ベースのオイルは、特に、以下のものである。
− 動物由来の炭化水素ベースのオイル、たとえばペルヒドロスクアレン;
− 植物由来の炭化水素ベースのオイル、たとえば4から10の炭素原子の脂肪酸の液状トリグリセリド、たとえば、ヘプタンまたはオクタン酸のトリグリセリド、または、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、アビカド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ダイズ油、スイートアーモンド油、ヤシ油、アブラナ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、たとえば”Stearineries Dubois”社から販売されているもの、”Dynamit Nobel”社から販売されている”Miglyol 810”、”Miglyol 812”、”Miglyol 818”、または、カリテバター;
− 鉱物または合成由来の直鎖または分岐の炭化水素、たとえば石油ゼリー、ポリデセンまたは水素化ポリイソブテン、たとえばパルレアム;
− 合成エステルおよびエーテル、たとえば式:R10COOR11の油、式中、R10は、6から29の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を示し、R11は、3から30の炭素原子を有する炭化水素ベースの鎖を示し、たとえば、プルセリン油、イソプロピル=ミリスタート、イソプロピル=パルミタート、ブチル=ステアラート、ヘキシル=ラウラート、ジイソプロピル=アジパート、イソノニル=イソノナノアート、2−エチルヘキシル=パルミタート、2−ヘキシルデシル=ラウラート、2−オクチルデシル=パルミタート、2−オクチルドデシル=ミリスタートまたはラクタート;ポリオールエステル、たとえばプロピレングリコール=ジオクタノアート、ネオペンチルグリコール=ジヘプタノアート、ジエチレングリコール=ジイソノナノアート、およびペンタエリスリトールエステル;
− 室温で液状であり、12から26の炭素原子含有の分岐および/または不飽和炭素鎖を有する脂肪アルコール、たとえば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール、または2−ウンデシルペンタデカノール;
− 高級脂肪酸、たとえば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノレン酸、またはイソステアリン酸;
− 及びこれらの混合物。
【0035】
本発明による組成物において使用可能な非揮発性シリコーン油は、低粘度のオイル、たとえば、重合度が好ましくは約6から2000である、直鎖ポリシロキサンであってもよい。たとえば、10mPa.sよりも大きい粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチコーン、ポリフェニルメチルシロキサン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
非揮発性シリコーン油は、本発明による組成物中に、組成物の全重量に対して、0から5重量%、好ましくは0から2重量%、さらに好ましくは0.1から2重量%の範囲で存在可能である。
【0037】
液状脂肪相はまた、まつげの良好な被覆を確実にするために、カールを保持ために、ワックスを含有してもよい。本発明による組成物中に存在するワックスは、動物由来のワックス、植物由来のワックス、鉱物由来のワックス、合成ワックス、および天然由来のワックスの種々のフラクションから選択可能である。ワックスは、組成物の全重量に対して、2から40重量%、好ましくは5から30重量%で、さらに、好ましくは10から25重量%の濃度で存在可能である。
【0038】
優位には、ワックスは、70℃から110℃までの範囲の融点を有するワックス(I)から選択可能である。特にこれらのワックスは、1から7.5の針侵入度を有する。ワックスの針侵入度は、フランスの基準、NF T 60−123または米国の基準、ASTM D 1321に従って、25℃の温度で定められる。これらの基準によれば、針侵入度は、97.5gのモービルアセンブリに設置され、テストすべきワックス上に置かれた2.5gの重量の標準針が、5秒間で、ワックスに侵入した深さを、ミリメートルの10分の1で表わされて、測定されるものである。
【0039】
ワックス(I)はたとえば、特に、米ぬかワックス、カルナウバワックス、オーリキュリーワックス、カンデリラワックス、モンタンワックス、サトウキビワックス、および、ワックス(I)の基準に相当するある種のポリエチレンワックスから選択可能である。優位には、本発明による組成物は、組成物の全重量に対して、ワックス(I)を0.1から20重量%、好ましくは1から10重量%の範囲の量で含有可能である。
【0040】
本発明のある実施態様によれば、組成物は、70℃以上で83℃より低い融点を有するワックス(Ia)および/または83℃から110℃の範囲の融点を有するワックス(Ib)を含有可能である。ワックス(Ia)としてはたとえば、米ヌカワックスおよびカンデリラワックスが挙げられる。ワックス(Ib)としてはたとえば、カルナウバワックス、オーリキュリーワックス、およびモンタンワックスが挙げられる。カルナウバワックスが好ましくは使用される。
【0041】
優位には、本発明による組成物は、上記のような、少なくとも1つの第1ワックス(Ia)と少なくとも1つの第2ワックス(Ib)とを含有するワックス(I)の混合物を含有してもよい。前記ワックス(I)の混合物は、ワックス(I)の前記混合物の全重量に対して、5から50重量%のワックス(Ia)と50から95重量%のワックス(Ib)とを含有するものであってもよい。
【0042】
組成物はまた、45℃以上で70℃より低いの融点を有するソフトワックスとして知られている、少なくとも1つのワックス(II)を含有してもよい。ワックス(II)は、優位には、ワックス(I)用に上記で定義した条件にしたがって測定した、7.5よりも大きく、好ましくは217以下の針侵入度を有する。このワックス(II)は、特にまつげに付着した被覆を柔軟にすることが可能である。
【0043】
これらのワックス(II)は、特に、ビーズワックス、ラノリンワックス、パラフィンワックス、セレシンワックス、ミクロクリスタリンワックス、オゾケライト、鯨ロウ、ワックス(II)の基準に相当するような分子量を有するある種のポリエチレンワックス、水素化植物油から選択可能である。上記した水素化植物油の中で、水素化ホホバワックスおよびワックスの定義に相当する特性を有し、直鎖または非直鎖のC8−C32脂肪鎖からなる脂肪物質の触媒水素化によって得られる水素化植物油が挙げられる。特に、水素化ヒマワリ油、水素化ヒマシ油、水素化綿実油、水素化ココナツ油、および水素化ラノリンが挙げられる。
【0044】
より優位には、ワックス(I)とワックス(II)は、組成物中に、0.2から1の、好ましくは0.4から0.7までの範囲であってもよい、ワックス(I)/ワックス(II)の重量比で存在してもよい。
【0045】
本発明による組成物はまた、液状脂肪相中に補助的な親油性フィルム形成ポリマーを含有してもよい。この補助的な親油性フィルム形成ポリマーは特に、液状脂肪相中に、溶解可能である、または、いわゆる油溶性であってもよい。この親油性フィルム形成ポリマーは特に、ケラチン繊維に適用した後、組成物に良好な保持特性を付与するものである。特に挙げられる親油性ポリマーは、特許出願、FR−A−22622303に記載されているような、少なくとも1つのビニルエステルと、アルキルビニルエーテルまたはアリル性またはメタリル性エステル、オレフィンであってもよい、少なくとも1つの他のモノマーとの共重合から得られたコポリマーである。ここで、前記FR−A−22622303は、本願に、参照して組み入れられるものである。
【0046】
本発明において使用可能な親油性フィルム形成ポリマーとしては、ポリアルケン、上記a)で定義したポリオレフィンワックス以外の、特にC2−C20アルケンコポリマー、たとえば、ポリブテン、直鎖または分岐の、飽和または不飽和のC1からC8アルキル基を有するアルキルセルロース、たとえば、エチルセルロース、およびプロピルセルロース、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、特にビニルピロリドンと、C2からC40さらに好ましくはC3からC20のアルケンとのコポリマーが挙げられる。本発明において使用可能なVPコポリマーの例としては、VP/ビニル=アセタート、VP/エチル=メタクリラート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/エチル=メタクリラート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、またはVP/アクリル酸/ラクリル=メタクリラートコポリマーが挙げられる。
【0047】
液状脂肪相中の補助的な親油性フィルム形成ポリマーは、組成物の全重量に対して、0.5から15重量%、好ましくは2から10重量%の範囲の濃度で組成物中に存在してもよい。
【0048】
本発明による組成物はまた、液状脂肪相用の増粘剤を含有してもよい。増粘剤は、特に4級アミンおよび3級アミンから選択された化合物で処理されたクレーである、有機変性クレーから選択可能である。有機変性クレーとしては、有機変性ベントナイト、たとえば、”Rheox”社から”Bentone 34”の商品名で販売されているもの、有機変性ヘクトライト、たとえば、”Rheox”社から”Bentone27”、”Bentone 38”の商品名で販売されているものが挙げられる。これらのクレーは、一般的には、液状脂肪相を増粘させるために、公知の方法で、活性剤、たとえばプロピレン=カーボナートまたはエタノールと組み合わされる。増粘剤は、組成物の全重量に対して0.5から10重量%の濃度で、好ましくは1から7重量%の濃度範囲で存在可能である。
【0049】
本発明による組成物中における、液状脂肪相の全重量は、組成物の全重量に対して65から99重量%の濃度で、好ましくは80から99重量%の濃度範囲で存在可能である。組成物はまた、少なくとも1つの染料、たとえば微粉化合物および/または油溶性染料を、たとえば、組成物の全重量に対して0.01から30重量%の比率で含有してもよい。微粉化合物は、通常、化粧品または皮膚科学組成物中で用いられる、上記以外の、ピグメントおよび/または真珠光沢剤および/または充填剤から選択可能である。優位には、微粉化合物は、組成物の全重量に対して、0.1から25重量%、好ましくは1から20重量%存在する。
【0050】
ピグメントは、白色でも着色されていてもよく、鉱物性および/または有機性でもよい。鉱物性ピグメントとしては、任意に表面処理された、二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、並びに、酸化鉄または酸化クロム、マンガニーズバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、およびフェリックブルーが挙げられる。有機性ピグメントとしては、カーボンブラック、D&Cタイプのピグメント、コチニールカーマイン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、またはアルミニウムをベースとしたレーキが挙げられる。
【0051】
真珠光沢性ピグメントは、白色真珠光沢性ピグメント、たとえばチタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆したマイカ、着色光沢性ピグメント、たとえば、酸化鉄を用いたマイカチタン、特に、フェリックブルーまたは酸化クロムを用いたマイカチタン、上記タイプの有機性ピグメントを用いたマイカチタン、およびオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢性ピグメントから選択されてもよい。
【0052】
本発明による組成物はさらに、化粧品に通常使用されている成分、たとえばビタミン、微量元素、柔軟剤、金属イオン封止剤、香料、ジメチコーンコポリオール、セラミド、凝集剤、化粧品に通常使用されている酸性化またはアルカリ性化剤、防腐剤、またはこれらの混合物を含有可能である。無論、当業者には明らかに、本発明による組成物の優位な特性がこれらの添加物によって悪影響を受けないように、または実質的に悪影響を受けないように、これらの任意添加化合物および/またはその量を選択可能であろう。
【0053】
本発明による組成物は、当業者には公知の方法で、まず、ワックスを溶融し、親油性添加剤を含む、脂肪相の成分を混合することによって調製可能である。ピグメントおよび充填剤は、次いで、予め増粘した溶媒とともに添加する。水相を次いで、成分をともに混合することによって調製し、該水相を脂肪相中に分散させる。
【0054】
本発明による組成物はまた、前記マスカラ組成物を含有するリザーバと、ケラチン繊維に、特にまつげに前記組成物を適用するためのシステムとを含むマスカラ製品を主題とする。リザーバには、公知の方法で、ドレーンシステム(draining system)が設けられた開口部が形成されている。アプリケータシステムは、一端にブラシが設けられ、他端にリザーバーを封止するためのストッパーが設けられたシャフトを含有する。このようなパッケージは、特に、特許出願、EP−A−611170の図7に例解されており、該文献を、参照して組み入れる。以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0055】
収縮測定方法原理は、処理前および処理後の、単離角質層の試験片の長さを測定し、試験片の収縮パーセントを定めることからなる。厚さが10から20μmの範囲の角質層の1cmX0.4cmの試験片を使用し、”Diastron”社から販売されている”MTT 610”エクステンションメーターに置く。試験片を、2つのジョーの間に置き、次いで、40%の相対湿度で30℃の環境下、12時間放置した。
【0056】
試験片を、機械によって検知されるジョーに力をかけることから始められる試験片の長さl1を定めるために、初期長さの5から10%の間の長さに、2mm/分の速度で伸ばす。試験片を次いでゆるめ、2mgの7重量%のポリマー組成物水溶液を前記角質層に適用する。組成物を完全に蒸発させた後、試験片を上記と同条件下、処理された試験片の長さl2を定めるために、伸ばす。収縮パーセントを、比率:100X(l2−l1)/l1で定める。
【0057】
実施例1:以下の組成を有するマスカラを調製した。
− カルナウバワックス・・・・・4.6g
− 米ぬかワックス・・・・・2.1g
− パラフィン・・・・・2.2g
− ビーズワックス・・・・・7.9g
− 小麦蛋白質加水分解物(”Croda”社から販売されている商品名”Tritisol”)・・・・・0.34g
− タルク・・・・・1g
− ベントナイト・・・・・5g
− ビニル=アセタート/アリル=ステアラートコポリマー(65/35)・・・・・6.5g
− ポリビニル=ラウラート(”Chimex”社から販売されている商品名”Mexomer PP”)・・・・・0.7g
− スルホポリエステル(”Eastman Chemical”社から販売されている商品名”AQ 55S”)・・・・・0.12g
− イソドデカン・・・・・53.9g
− プロピレン=カーボナート・・・・・1.6g− D−パンテノール・・・・・0.2g
− ピグメント・・・・・4.9g
− 防腐剤・・・・・適量
− 水・・・・・合計 100g
このマスカラをまつげに適用すると、まつげの良好なカールと、耐水性メークアップ効果が得られる。
【0058】
比較例2:本発明によるものではない、以下の組成を有するマスカラを調製した。
− カルナウバワックス・・・・・4.6g
− 米ぬかワックス・・・・・2.1g
− パラフィン・・・・・2.2g
− ビーズワックス・・・・・7.9g
− 小麦蛋白質加水分解物(”Croda”社から販売されている商品名”Tritisol”)・・・・・0.34g
− 米澱粉・・・・・0.7g
− ベントナイト・・・・・5g
− ビニル=アセタート/アリル=ステアラートコポリマー(65/35)・・・・・6.5g
− ポリビニル=ラウラート(”Chimex”社から販売されている商品名”Mexomer PP”)・・・・・0.7g
− スルホポリエステル(”Eastman Chemical”社から販売されている商品名”AQ 55S”)・・・・・0.12g
− イソドデカン・・・・・54.2g
− プロピレン=カーボナート・・・・・1.6g− D−パンテノール・・・・・0.2g
− ピグメント・・・・・4.9g
− 防腐剤・・・・・適量
− 水・・・・・合計 100g
このマスカラをまつげに適用すると、まつげは、実施例1の組成物でメークアップしたものよりもカールが少なかった。
【0059】
実施例3:以下の組成を有するマスカラを調製した。
− カルナウバワックス・・・・・4.7g
− カンデリラワックス・・・・・0.5g
− パラフィン・・・・・2g− ビーズワックス・・・・・8.2g
− カオリン(”English China Clays”社から販売されている商品名”Kaolin Supreme 1”)・・・・・1.5g
− ベントナイト・・・・・5.1g
− ビニル=アセタート/アリル=ステアラートコポリマー(65/35)・・・・・6.7g
− ポリビニル=ラウラート(”Chimex”社から販売されている商品名”Mexomer PP”)・・・・・0.6g
− イソドデカン・・・・・57.2g
− プロピレン=カーボナート・・・・・1.6g
− 38%固体含有の水性分散物としてのポリウレタン−ポリエーテル(”Goodrich”社から販売されている商品名”Avalure UR450”)・・・・・0.76g
− デオキシリボ核酸・・・・・0.02g
− ピグメント・・・・・5.2g
− 防腐剤・・・・・適量
− 水・・・・・合計 100g
このマスカラをまつげに適用すると、まつげの良好なカールと、耐水性メークアップ効果が得られる。
【0060】
実施例4:以下の組成を有するマスカラを調製した。
− ホホバワックス・・・・・1g
− カルナウバワックス・・・・・3.2g
− 米ぬかワックス・・・・・3.5g
− パラフィン・・・・・3g
− ビーズワックス・・・・・7.9g
− マイカ(”Sciama”社から販売されている商品名”Mica Concord 1000”)・・・・・2g
− ベントナイト・・・・・5g
− プロピレン=カーボナート・・・・・1.6g
− ビニル=アセタート/アリル=ステアラートコポリマー(65/35)・・・・・5.5g
− ポリビニル=ラウラート(”Chimex”社から販売されている商品名”Mexomer PP”)・・・・・1g
− スルホポリエステル(”Eastman Chemical”社から販売されている商品名”AQ 55S”)・・・・・0.15g
− イソドデカン・・・・・55.1g
− ピグメント・・・・・5g
− 防腐剤・・・・・適量
− 水・・・・・合計 100g
このマスカラをまつげに適用すると、まつげの良好なカールと、耐水性メークアップ効果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する液状脂肪相中に分散した水相を含有する、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための化粧品組成物であって、前記水相は、少なくとも1つのフィルム形成ポリマーを含有するポリマー系を含有する化粧品組成物において、前記フィルム形成ポリマーが水相中に分散した固体粒子の形態であり、かつ、組成物が少なくとも1つのラメラ充填剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
前記ポリマー系が、水中7%の濃度で、40%の相対湿度で30℃で、1%よりも多い単離角質層の収縮をさせるフィルムを形成可能であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
フィルム形成ポリマーが、アニオン性ポリエステルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記ポリエステルが、−SO3M基(式中、Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+、または金属イオンを示す)を有する少なくとも1つのモノマーを含有することを特徴とする、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルが、少なくとも1つのジカルボン酸と、少なくとも1つのジオールと、−SO3M基(式中、Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+、または金属イオンを示す)を有する少なくとも1つの二官能性芳香族モノマーとのコポリマーであることを特徴とする、請求項3または4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
ジカルボン酸が、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサジメタノール、および1,4−ブタンジオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5または6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
−SO3M基を有する二官能性芳香族モノマーが、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、および4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
−SO3M基を有する二官能性芳香族モノマーが、5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩であることを特徴とする、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
フィルム形成ポリマーがアニオン性ポリウレタンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
フィルム形成ポリマーが、ポリエーテル−ポリウレタンおよびポリエステル−ポリウレタンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
フィルム形成ポリマーが固体として、組成物の全重量に対して0.05から10重量%の範囲の濃度で、好ましくは0.1から7重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
水相がまた、少なくとも1つのさらなる水溶性フィルム形成ポリマーを含有することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
揮発性有機溶媒が、揮発性炭化水素ベースのオイルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
揮発性有機溶媒が、8から16の炭素原子を含有するイソパラフィンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
揮発性有機溶媒が、組成物の全重量に対して35から75重量%の範囲の濃度で、好ましくは45から70重量%の範囲の濃度で、より好ましくは50から65重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
液状脂肪相が、少なくとも1つの補助的な親油性フィルム形成ポリマーを含有することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
少なくとも1つのワックスをさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
ワックスが、組成物の全重量に対して、2から40重量%の範囲の濃度で、好ましくは5から30重量%の範囲の濃度で、より好ましくは10から25重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項18に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
液状脂肪相が、70℃から110℃の範囲の融点を有する、少なくとも1つのワックス(I)を含有することを特徴とする、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項21】
ワックス(I)が、組成物の全重量に対して、0.1から20重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項20に記載の化粧品組成物。
【請求項22】
液状脂肪相が、45℃以上で70℃よりも低い融点を有する、少なくとも1つのワックス(II)を含有することを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項23】
ワックス(II)が、0.2から1までの範囲のワックス(I)/ワックス(II)の重量比で存在することを特徴とする、請求項22に記載の化粧品組成物。
【請求項24】
液状脂肪相が、組成物の全重量に対して65から99重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1ないし23のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項25】
水相が、組成物の全重量に対して1から35重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項26】
ラメラ充填剤が、タルク、マイカ、窒化ホウ素、カオリン、およびシリカ、またはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項27】
ラメラ充填剤が、組成物の全重量に対して0.5から10重量%の範囲の濃度で、好ましくは0.5から5重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1ないし26のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項28】
ビタミン、微量元素、柔軟剤、金属イオン封止剤、香料、ジメチコーンコポリオール、セラミド、凝集剤、および防腐剤、またはこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つの添加剤を含有することを特徴とする、請求項1ないし27のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項29】
組成物が、メークアップ組成物、メークアップベース、メークアップ上に適用されるべき組成物、またはケラチン繊維を美容的にトリートメントするための組成物であることを特徴とする、請求項1ないし28のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項30】
マスカラ組成物を含有するリザーバと、ケラチン繊維に前記組成物を適用するためのシステムとを含むマスカラ製品であって、前記組成物が、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物であることを特徴とするマスカラ製品。
【請求項31】
請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物がケラチン繊維に適用されることを特徴とする、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための方法。
【請求項32】
少なくとも1つのフィルム形成ポリマー、および少なくとも1つのラメラ充填剤を、ケラチン繊維、特にまつげを被覆するための、ケラチン繊維をカールするための、および/または耐水性を付与するための、および/またはケラチン繊維を長くするための組成物中に使用することを含む使用方法であって、前記組成物が、少なくとも1つの揮発性有機溶媒を含有する液状脂肪相中に分散した水相を含有し、前記フィルム形成ポリマーが水相中に分散した固体粒子の形態である、使用方法。

【公開番号】特開2008−195732(P2008−195732A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107306(P2008−107306)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【分割の表示】特願平11−359845の分割
【原出願日】平成11年12月17日(1999.12.17)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】