説明

ケーブル布設済み保護管補修方法

【課題】 内部にケーブルが布設されている保護管を、ケーブルが布設されたままの状態で補修をすることができるケーブル布設済み保護管補修方法を提供する。
【解決手段】 ライニングシート6に、ライニングシート6の幅方向の両側辺に設けた連結子10a,10bを銜え移動することにより両側辺を引き寄せ連結子10a,10bを連結するスライド連結操作体8を持つ連結手段9を備え、ライニングシート6を、保護管2内に通し、一方の端部で保護管2内に布設されているケーブル4を包むようにしてその端部の両側辺の連結子10a,10bをスライド連結操作体8で銜え、スライド連結操作体8を他方の端部側へ移動させライニングシート6の幅方向の両側辺を気密又は液密状態に連結して、保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブル4を内包した状態のライニングシート管15を膨らませて保護管2の内面に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下に埋設されている鋼管等の内面に筒状ライニング材を固定して補修する鋼管等の補修方法が知られている。
【0003】
かかる方法は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂或いは常温硬化性樹脂を含浸または塗布した可撓性のある材料で形成された筒状ライニング材を管路の内部に配置し、この筒状ライニング材を水圧或いは空気圧等で膨らませて管路の内面に押し付け、この筒状ライニング材内に、高温の温水、蒸気を通し、或いは紫外線を照射することにより、硬化性樹脂を硬化させてライニングするものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特公平7−4853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の如き鋼管等の補修方法は、内部に遮るものが無ければ適用できるが、ケーブルが布設されているような場合、ケーブルが邪魔になって適用できないといった問題があった。例えば、従来より、電力線や電話線等のケーブルを、地中に埋設された保護管内に収容して布設することが広く行われているが、かかる保護管の補修には上記鋼管等の補修方法は適用できず、適用しようとすれば、保護管からケーブルを取り除かなければならず、非常に面倒な作業を強いられることになる。
【0005】
本発明の目的は、内部にケーブルが布設されている保護管を、ケーブルが布設されたままの状態で補修をすることができるケーブル布設済み保護管補修方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の方法を示すと、次の通りである。
【0007】
請求項1に記載の発明は、内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を気密又は液密状態に連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管を膨らませて前記保護管の内面に固定することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記ライニングシートの幅方向の両側辺に設けた連結子のうちの一方の側辺に設けた連結子を熱可塑性樹脂で形成し、他方の側辺に設けた連結子を導電体で形成し、前記ライニングシートの幅方向の両側辺を連結した状態で前記導電体で形成した連結子に通電することにより、前記熱可塑性樹脂で形成した連結子を溶融し、ライニングシートの両側辺の連結部を気密又は液密状態にシールすることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管内に気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブを引き込み、該チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除くことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを別途用意した気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブとともに、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルとチューブを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルとチューブを内包した状態のライニングシート管を形成し、前記チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除くことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1,2,3又は4に記載の、前記ライニングシートは未硬化の硬化性樹脂が含浸または塗布された可撓性があるシートで形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明では、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を気密又は液密状態に連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管を膨らませて前記保護管の内面に固定する方法をとるので、保護管の内部にケーブルが布設されていてもケーブルに邪魔されることなくケーブル布設済み保護管の補修を容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の、前記ライニングシートの幅方向の両側辺に設けた連結子のうちの一方の側辺に設けた連結子を熱可塑性樹脂で形成し、他方の側辺に設けた連結子を導電体で形成し、前記ライニングシートの幅方向の両側辺を連結した状態で前記導電体で形成した連結子に通電することにより、前記熱可塑性樹脂で形成した連結子を溶融し、ライニングシートの両側辺の連結部を気密又は液密状態にシールするので、ライニングシートの両側辺の連結部を容易に且つ確実に気密又は液密状態にシールすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管内に気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブを引き込み、該チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除く方法をとるので、保護管の内部にケーブルが布設されていてもケーブルに邪魔されることなくケーブル布設済み保護管の補修を容易に行うことができる。しかも、前記ライニングシート管の連結部を気密或いは液密にする手段が講じられていなくても、チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定するので、保護管の内面へのライニングシート管の固定作業を容易に且つ確実に行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを別途用意した気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブとともに、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルとチューブを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルとチューブを内包した状態のライニングシート管を形成し、前記チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除く方法をとるので、保護管の内部にケーブルが布設されていてもケーブルに邪魔されることなくケーブル布設済み保護管の補修を容易に行うことができる。しかも、前記ライニングシート管の連結部を気密或いは液密にする手段が講じられていなくても、チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定するので、保護管の内面へのライニングシート管の固定作業を容易に且つ確実に行うことができる。更に、前記ライニングシートとチューブを一体として保護管内に移動させ、保護管内に配置するので、作業時間の短縮化が図れる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、前記請求項1,2,3または4に記載の、前記ライニングシートが、未硬化の硬化性樹脂が含浸または塗布された可撓性があるシートで形成されており、前記硬化性樹脂を硬化させて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に固定するので、ライニングシート管を保護管の内面に容易に且つ確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法を実施するための最良の形態の一例を説明する。
【0018】
図1乃至図7は本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法の第1例を示すもので、図1は地中に埋設してある保護管の挿入口となる一方の開口部側からライニングシートを挿入する工程を示す断面図、図2は保護管内でケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する工程を示す横断面図、図3は保護管内でケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する状態を示す斜視図、図4は地中に埋設してある保護管内でライニングシート管を膨らませる工程を示す縦断面図、図5は図4の一部切り欠き平面図、図6は図4の要部の左側面図、図7はライニングシート管に取り付けられる2つ割りの栓プラグの分解状態の縦断面図である。
【0019】
図に示すように、地面1の地中に、保護管2が所定間隔で垂直に立設するマンホール3で区切られた状態で埋設されている。この保護管2内には光ファイバケーブル等のケーブル4が布設されている。
【0020】
このようなケーブル布設済み保護管2を補修するに際し、図1に示すように1つのマンホール3aの地上の部分にロールスタンド5を設置する。このロールスタンド5には、前記保護管2の内径に応じた寸法の幅を有する帯状に形成されたライニングシート6を巻回したシートロール7を回転自在に支持させる。ライニングシート6は、例えば不浸透性内側フィルム層と硬化性樹脂を含浸した樹脂吸着性内層と不浸透性外側フィルム層の3層構造になっている。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、或いは常温硬化性樹脂が挙げられ、フェルトに含浸されて樹脂吸収性内層となっている。また、不浸透性内側フィルム層としてはポリウレタンフィルムが使用され、不浸透性外側フィルム層としてはポリエチレンフィルムが使用されているが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、このライニングシート6には、該ライニングシート6の幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う又は嵌合する連結子10a,10bと、該連結子10a,10bを銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子10a,10bを連結するスライド連結操作体8を持つ連結手段9を備えている。
【0022】
本例では、連結手段9としてファスナーが用いられており、ライニングシート6の幅方向の両側辺に設けられた連結子10a,10bは相互に噛み合い連結する構造となっており、この連結子10a,10bを前記スライド連結操作体8が銜え移動することにより、両側辺の連結子10a,10bが相互に噛み合い連結するようになっている。連結手段9としては、前記の構成に限られるものではなく、スライド連結操作体8を移動させることにより両側辺の連結子10a,10b同士を噛み合わせ連結することができるものであれば特に限定されない。
【0023】
また、本例では、前記ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結は、気密又は液密状態に連結されるようになっている。ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結部を気密又は液密にする手段にあっては、特に限定されない。
【0024】
前記ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結部を気密又は液密にする手段として、本例では、前記ライニングシート6の一方の側辺に設けた連結子10aを熱可塑性樹脂で形成し、他方の側辺に設けた連結子10bを銅、真鍮等の導電体で形成し、連結子10a,10b同士を噛み合わせライニングシート6の幅方向の両側辺を連結した状態で、前記導電体で形成した連結子10bに通電することにより、前記熱可塑性樹脂で形成した連結子10aを溶融し、ライニングシート6の両側辺の連結部を気密又は液密状態にシールするようになっている。
【0025】
本例では、まず、図1に示すようにマンホール3aの上部から前記の状態のライニングシート6をマンホール3a内に入れ、該ライニングシート6をその先端から挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側から挿入して引き出し口13となる他方の開口部から引き出す。
【0026】
前記ライニングシート6を前記保護管2内に通す手段として、本例では、ライニングシート6の先端に牽引用ロープ14の後端を連結し、この牽引用ロープ14をマンホール3aに開口する挿入口12から保護管2内に通し、その先端を次のマンホール3bに開口する引き出し口13側から牽引することにより行う。
【0027】
このようにして、ライニングシート6の先端を引き出し口13となる保護管2の他方の開口部から引き出したら、ライニングシート6の先端から前記牽引用ロープ14を外す。そして、ライニングシート6の一方の端部で前記ケーブル4を包むようにして、該端部の両側辺に設けた連結子10a,10bを前記スライド連結操作体8で銜えさせる。
【0028】
ライニングシート6の端部の両側辺に設けた連結子10a,10bをスライド連結操作体8で銜えたら、スライド連結操作体8をライニングシート6の他方の端部側に移動させる。このスライド連結操作体8の移動により、両側辺の連結子10a,10bが相互に噛み合い連結し、保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブル4を内包した状態のライニングシート管15を形成する。
【0029】
前記スライド連結操作体8による連結子10a,10bの連結は、挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側にある端部の両側辺に設けた連結子10a,bを銜え、スライド連結操作体8を引き出し口13となる他方の開口部側にある端部に移動させるようにしてもよく、また、引き出し口13となる前記保護管2の他方の開口部側にある端部の両側辺に設けた連結子10a,bを銜え、スライド連結操作体8を挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側にある端部に移動させるようにしてもよい。
【0030】
本例では、引き出し口13となる前記保護管2の他方の開口部側にある端部の両側辺に設けた連結子10a,bを銜え、スライド連結操作体8を挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側にある端部に移動させるようにしている。
【0031】
また、前記スライド連結操作体8を移動させる手段として、本例では、スライド連結操作体8に、少なくとも、所定間隔で垂直に立設するマンホール3で区切られた補修の対象となる保護管2の一方の開口部から他方の開口部迄の長さ以上の長さを有している牽引用紐11の先端を結わえ付ける。そして、該牽引用紐11をスライド連結操作体8の移動方向側に開口する保護管2の開口部側から牽引して移動させるようになっている。
【0032】
本例では、図1に示すように、前記ライニングシート6を前記保護管2内に通す際に、ライニングシート6の先端に前記牽引用紐11を結わえ付けたライド連結操作体8を取り付けておき、この状態でライニングシート6前記保護管2内に通し、図2,図3に示すように、引き出し口13となる前記保護管2の開口部側で、該開口部側に引き出したライニングシート6の端部の両側辺に設けた連結子10a,bをライド連結操作体8で銜え、ライド連結操作体8に結わえ付けた牽引用紐11を挿入口12となる前記保護管2の開口部側から牽引してスライド連結操作体8を移動させるようにしている。
【0033】
このようにして、ライニングシート6の幅方向の両側辺を連結したら、導電体で形成した連結子10bに通電することにより、前記熱可塑性樹脂で形成した連結子10aを溶融し、ライニングシート6の両側辺の連結部を気密又は液密状態にシールする。
【0034】
次に、マンホール3a,3b側で前記のようにして形成したライニングシート管15の両端に、図4乃至図7に示すように2つ割りの栓プラグ16をそれぞれ取り付ける。2つ割りの栓プラグ16は、2つ割りの有底環状部材16aを有し、該有底環状部材16aの底部にはケーブル4の外周に嵌めて該ケーブル貫通部分をシールする2つ割りのシール部材16bが取り付けられ、また2つ割りの有底環状部材16aの外周には流体流通管部16cが突設された構造になっている。このような2つ割りの栓プラグ16は、プラグ結束バンド17で結束される。有底環状部材16aの開口側外周には、前記ライニングシート管15が嵌められてシート結束バンド18で固定される。
【0035】
このようにライニングシート管15の両端に図示のように2つ割りの栓プラグ16を取り付けたら、この状態で、流体流通管部16cから空気を送り込み、ライニングシート管15を膨らませて保護管2の内面に密着させる。
【0036】
かかる状態で、前記ライニングシート6に含浸或いは塗布されている硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、流体流通管部16cから熱風、高温の温水或いは蒸気を送り込み、また硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合は、流体流通管部16cから紫外線を照射し、また硬化性樹脂が常温硬化性樹脂である場合は、一定時間放置し、前記ライニングシート管15の未硬化の硬化性樹脂を硬化させて保護管2の内面に固定する。
【0037】
ライニングシート管15が保護管2の内面に固定したら、流体流通管部16cから熱風、高温の温水或いは蒸気を送り込み或いは紫外線の照射を中止し、ライニングシート管15の両端から2つ割りの栓プラグ16を取り外す。これにより保護管2の補修が終了する。
【0038】
このようにすることにより、内部にケーブル4が布設された保護管2の補修をライニングシート管15で行うことができる。
【0039】
図8乃至図15は本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法の第2例を示すもので、図8は保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記保護管内に配置したライニングシート管内にチューブを引き込む工程を示す縦断面図、図9は図8の要部断面図、図10はライニングシート管内にチューブを引き込む工程の他例を示す縦断面図、図11はライニングシート管内にチューブを引き込んだ状態を示す斜視図、図12はライニングシート管内に引き込んだチューブを膨らませる工程を示す縦断面図、図13は図12のA−A線拡大断面図、図14は図12のB−B線拡大断面図、図15は図12のC−C線拡大断面図である。
【0040】
本例では、内部にケーブル4が布設されている保護管2の補修に際し、先ず、前記第1例と同様に、図示しないが、1つのマンホール3aの地上の部分にロールスタンドを設置し、このロールスタンドには、前記保護管2の内径に応じた寸法の幅を有する帯状に形成されたライニングシート6を巻回したシートロールを回転自在に支持させる。
【0041】
ライニングシート6は、前記第1例と同様に、例えば不浸透性内側フィルム層と硬化性樹脂を含浸した樹脂吸着性内層と不浸透性外側フィルム層の3層構造になっている。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、或いは常温硬化性樹脂が挙げられ、フェルトに含浸されて樹脂吸収性内層となっている。また、不浸透性内側フィルム層としてはポリウレタンフィルムが使用され、不浸透性外側フィルム層としてはポリエチレンフィルムが使用されているが、これに限定されるものではない。
【0042】
また、このライニングシート6には、前記第1例と同様にライニングシート6の幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う又は嵌合する連結子10a,10bと、該連結子10a,10bを銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子10a,10bを連結するスライド連結操作体8を持つ連結手段9を備えている。この連結手段9としては、第1例と同様に、スライド連結操作体8を移動させることにより両側辺の連結子10a,10b同士を噛み合わせ連結することができるものであれば特に限定されない。
【0043】
また、本例では、後述するチューブの存在により、ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結に、第1例とは異なり、気密或いは液密状態に連結されることを要しない。従って、その分本例では、第1例に比べ、ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結構造が簡単で済む。
【0044】
前記の用に構成されたライニングシート6を、その先端から挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側から挿入して引き出し口13となる他方の開口部から引き出し、ライニングシート6の一方の端部で前記ケーブル4を包むようにして、該端部の両側辺に設けた連結子10a,10bを前記スライド連結操作体8で銜えさせ、スライド連結操作体8をライニングシート6の他方の端部側に移動させることにより、両側辺の連結子10a,10bを噛み合わせて連結し、保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブル4を内包した状態のライニングシート管15を形成する。
【0045】
この作業は、本例にあっても前記した第1例の図1〜図3に示す工程と同様の工程によって行われるものであり、第1例の図1〜図3およびその説明を援用して、本例の説明を省略する。
【0046】
次に、前記のようにしてライニングシート管15が配置されたした保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ライニングシート管15内にチューブ19を引き込む。
【0047】
このチューブ19は、図8に示すように1つのマンホール3aの地上の部分に設置されたロールスタンド20に巻き付けられており、ロールスタンド20から繰り出せるようになっている。そして、このチューブ19の先端に牽引用ロープ21を連結して、該牽引用ロープ21をライニングシート管15内に通し、牽引用ロープ21を次のマンホール3bで牽引して、前記チューブ19をライニングシート管15内に引き込む。
【0048】
前記チューブ19にあっては、気密或いは液密材料で形成された可撓性があるものであればその材質に特に限定されるものではないが、膨らませたとき、保護管2の内周面に圧接する径であることを要する。
【0049】
前記ライニングシート管15内にチューブ19を引き込む手段にあっては、前記手段に限られるものではなく、図10に示すように、チューブ19の先端を閉じ、後端の開口部を保護管2の一方の開口部に固定した状態から、チューブ19内に空気を送り込み、チューブ19を反転させながらその先端を保護管2の他方の開口部側に前進させることにより、ライニングシート管15内にチューブ19を引き込むようにしてもよい。
【0050】
なお、前記ライニングシート管15内にチューブ19を引き込む工程を示す図8、図10では、先に保護管2内に配置されているライニングシート管15が保護管2の内面に当接した状態に表されているが、これは、ライニングシート管15内へのチューブ19の引き込みを分かり易くするために便宜的に表したものであり、現実には、ライニングシート管15は保護管2の内面に当接しておらず、撓んだ状態にある。
【0051】
前記のようにしてライニングシート管15内へチューブ19を引き込んだら、次に、マンホール3a,3b側でチューブ19の両端に、図12に示すように一方を開口し他方を閉じた筒状の栓プラグ22をそれぞれ取り付ける。
【0052】
前記栓プラグ22は、その筒壁に、流体流通管部23を有している。また、栓プラグ22には、その筒壁の長手(軸)方向に、前記ケーブル4が嵌合する嵌合溝24が形成されている。また、この栓プラグ22には、前記嵌合溝24と同形に形成され、嵌合溝24に重ねるように嵌め込んで、後に説明するように、チューブ19を押さえるチューブ押さえ板25と、栓プラグ22の外周と同じ曲率を有し、前記嵌合溝24にケーブル4を嵌合した状態で嵌合溝24の開口部を覆い嵌合溝24に嵌合したケーブル4を保護する保護カバー26を備えている。
【0053】
このような栓プラグ22をチューブ19の両端に取り付ける場合、栓プラグ22の開口側の外周にチューブ19の両端を嵌め、この栓プラグ22の嵌合溝24にチューブ押さえ板25を重ねるように嵌め込んで、前記チューブ19を栓プラグ22の嵌合溝24の壁との間で挟みつけるように押さえつける。そして、チューブ押さえ板25を嵌め込んだ嵌合溝24にケーブル4を嵌合し、その上から保護カバー26で嵌合溝24の開口部を覆い、その上から結束バンド27,28で結束して取り付けている。これにより、前記チューブ19は栓プラグ22に密に嵌合固定される(図12〜図15参照)。
【0054】
このようにして、マンホール3a,3b側でチューブ19の両端に栓プラグ22を取り付けたら、流体流通管部23から空気を送り込み、前記チューブ19を膨らませて前記ライニングシート管15を前記保護管2の内面に密着させる。
【0055】
かかる状態で、前記ライニングシート6に含浸或いは塗布されている硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、流体流通管部23からチューブ19内に熱風、高温の温水或いは蒸気を送り込み、また硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合は、流体流通管部23から紫外線を照射し、また硬化性樹脂が常温硬化性樹脂である場合は、一定時間放置し、前記ライニングシート管15の未硬化の硬化性樹脂を硬化させて保護管2の内面に固定する。
【0056】
ライニングシート管15が保護管2の内面に固定したら、流体流通管部23から熱風、高温の温水或いは蒸気を送り込み或いは紫外線の照射を中止し、保護管2の内面に固定したライニングシート管15内からチューブ19を取り除く。これにより保護管2の補修が終了する。
【0057】
このようにすることにより、内部にケーブル4が布設された保護管2の補修をライニングシート管15で行うことができる。
【0058】
図16乃至図18は本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法の第3例を示すもので、図16は保護管の一方の開口部側からライニングシートとチューブを挿入する工程を示す断面図、図17は保護管内でチューブとケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する工程を示す横断面図、図18は図17の要部断面図である。
【0059】
本例では、内部にケーブル4が布設されている保護管2の補修に際し、先ず、1つのマンホール3aの地上の部分にライニングシート6を巻回したシートロール7を回転自在に支持するロールスタンド5を設置するとともに、チューブ19を巻回したロールスタンド20を設置する。
【0060】
ライニングシート6は、前記第1例と同様に、例えば不浸透性内側フィルム層と硬化性樹脂を含浸した樹脂吸着性内層と不浸透性外側フィルム層の3層構造になっている。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、或いは常温硬化性樹脂が挙げられ、フェルトに含浸されて樹脂吸収性内層となっている。また、不浸透性内側フィルム層としてはポリウレタンフィルムが使用され、不浸透性外側フィルム層としてはポリエチレンフィルムが使用されているが、これに限定されるものではない。
【0061】
また、このライニングシート6には、前記第1例と同様にライニングシート6の幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う又は嵌合する連結子10a,10bと、該連結子10a,10bを銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子10a,10bを連結するスライド連結操作体8を持つ連結手段9を備えている。この連結手段9としては、第1例と同様に、スライド連結操作体8を移動させることにより両側辺の連結子10a,10b同士を噛み合わせ連結することができるものであれば特に限定されない。
【0062】
また、本例では、チューブ19の存在により、ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結に、第1例とは異なり、気密或いは液密状態に連結されることを要しない。従って、その分本例では、第1例に比べ、ライニングシート6の幅方向の両側辺の連結構造が簡単で済む。
【0063】
また、チューブ19は、第2例と同様に、気密或いは液密材料で形成された可撓性のあるものであればその材質に特に限定されるものではないが、膨らませたとき、保護管2の内周面に圧接する径であることを要する。
【0064】
本例では、まず、図16に示すようにマンホール3aの上部から前記の状態のライニングシート6とチューブ19をマンホール3a内に入れ、該ライニングシート6とチューブ19をその先端から挿入口12となる前記保護管2の一方の開口部側から挿入して引き出し口13となる他方の開口部から引き出す。
【0065】
前記ライニングシート6とチューブをを前記保護管2内に通す手段として、本例では、ライニングシート6の先端およびチューブ19の先端に牽引用ロープ29の後端を連結し、この牽引用ロープ29をマンホール3aに開口する挿入口12から保護管2内に通し、その先端を次のマンホール3bに開口する引き出し口13側から牽引することにより行う。
【0066】
このようにして、ライニングシート6とチューブ19の先端を引き出し口13となる保護管2の他方の開口部から引き出したら、ライニングシート6とチューブ19の先端から前記牽引用ロープ29を外す。そして、ライニングシート6の一方の端部で前記ケーブル4およびチューブ19を包むようにして、該端部の両側辺に設けた連結子10a,10bを前記スライド連結操作体8で銜えさせ、スライド連結操作体8をライニングシート6の他方の端部側に移動させることにより、両側辺の連結子10a,10bを噛み合わせて連結し、保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブル4およびチューブ19を内包した状態のライニングシート管15を形成する。
【0067】
この作業は、前記した第1例の図1〜図3に示す工程と同様の工程によって行われるものであり、第1例の図1〜図3およびその説明を援用して、本例の説明を省略する。
【0068】
前記のようにして、保護管2の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記チューブ19およびケーブル4を内包した状態のライニングシート管15を形成したら、次に、前記チューブ19を膨らませて前記ライニングシート管15を前記保護管2の内面に当接させ、この状態でライニングシート管15を保護管2の内面に固定し、その後、前記チューブ19を取り除く。これにより保護管2の補修が終了する。
【0069】
この作業は、前記した第2例の図12〜図15に示す工程と同様の工程によって行われるものであり、第2例の図12〜図15およびその説明を援用して、本例の説明を省略する。
【0070】
このようにすることにより、内部にケーブル4が布設された保護管2の補修をライニングシート管15で行うことができる。
【0071】
なお、本例では、地面1の地中に埋設された保護管2の補修について説明しているが、地中に埋設されたものに限られるものではなく、地上に配設された保護管の補修にも適用されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のケーブル布設済み保護管の補修方法の第1例で、地中に埋設してある保護管の挿入口となる一方の開口部側からライニングシートを挿入する工程を示す断面図。
【図2】保護管内でケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する工程を示す横断面図。
【図3】保護管内でケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する状態を示す斜視図。
【図4】地中に埋設してある保護管内でライニングシート管を膨らませる工程を示す縦断面図。
【図5】図4の一部切り欠き平面図。
【図6】図4の要部の左側面図。
【図7】ライニングシート管に取り付けられる2つ割りの栓プラグの分解状態の縦断面図。
【図8】本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法の第2例で、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記保護管内に配置したライニングシート管内にチューブを引き込む工程を示す縦断面図。
【図9】図8の要部断面図。
【図10】ライニングシート管内にチューブを引き込む工程の他例を示す縦断面図。
【図11】ライニングシート管内にチューブを引き込んだ状態を示す斜視図。
【図12】ライニングシート管内に引き込んだチューブを膨らませる工程を示す縦断面図。
【図13】図12のA−A線拡大断面図。
【図14】図12のB−B線拡大断面図。
【図15】図12のC−C線拡大断面図。
【図16】本発明に係るケーブル布設済み保護管の補修方法の第3例で、保護管の一方の開口部側からライニングシートとチューブを挿入する工程を示す断面図。
【図17】保護管内でチューブとケーブルを包みながらライニングシートの両側辺を連結してライニングシート管を形成する工程を示す横断面図。
【図18】図17の要部断面図。
【符号の説明】
【0073】
1 地面
2 保護管
3a,3b マンホール
4 ケーブル
5 ロールスタンド
6 ライニングシート
7 シートロール
8 スライド連結操作体
9 連結手段
10a,10b 連結子
11 牽引用紐
12 挿入口
13 引き出し口
14 牽引用ロープ
15 ライニングシート管
16 2つ割りの栓プラグ
16a 2つ割りの有底環状部材
16b 2つ割りのシール部材
16c 流体流通管部
17 プラグ結束バンド
18 シート結束バンド
19 チューブ
20 ロールスタンド
21 牽引用ロープ
22 栓プラグ
23 流体流通管部
24 嵌合溝
25 チューブ押さえ板
26 保護カバー
27,28 結束バンド
29 牽引用ロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を気密又は液密状態に連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管を膨らませて前記保護管の内面に固定することを特徴とするケーブル布設済み保護管補修方法。
【請求項2】
前記ライニングシートの幅方向の両側辺に設けた連結子のうちの一方の側辺に設けた連結子を熱可塑性樹脂で形成し、他方の側辺に設けた連結子を導電体で形成し、前記ライニングシートの幅方向の両側辺を連結した状態で前記導電体で形成した連結子に通電することにより、前記熱可塑性樹脂で形成した連結子を溶融し、ライニングシートの両側辺の連結部を気密又は液密状態にシールすることを特徴とする請求項1に記載のケーブル布設済み保護管補修方法。
【請求項3】
内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルを内包した状態のライニングシート管を形成し、該ライニングシート管内に気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブを引き込み、該チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除くことを特徴とするケーブル布設済み保護管補修方法。
【請求項4】
内部にケーブルが布設されている保護管の補修をするケーブル布設済み保護管補修方法であって、ライニングシートに、該ライニングシートの幅方向の両側辺に設けられ互いに噛み合う或いは嵌合する連結子と、該連結子を銜え移動することにより前記両側辺を引き寄せ連結子を連結するスライド連結操作体を持つ連結手段を備えておき、前記ライニングシートを別途用意した気密又は液密材料で形成された可撓性あるチューブとともに、前記保護管の一方の開口部側から挿入し他方の開口部から引き出して保護管内に通し、該保護管内に通したライニングシートの一方の端部で前記ケーブルとチューブを包むようにしてその端部の両側辺の連結子をスライド連結操作体で銜え、該スライド連結操作体を前記ライニングシートの他方の端部側へ移動させライニングシートの幅方向の両側辺を連結して、保護管の一方の開口部から他方の開口部に亘って前記ケーブルとチューブを内包した状態のライニングシート管を形成し、前記チューブを膨らませて前記ライニングシート管を前記保護管の内面に当接させ、この状態でライニングシート管を保護管の内面に固定し、その後、前記チューブを取り除くことを特徴とするケーブル布設済み保護管補修方法。
【請求項5】
前記ライニングシートは未硬化の硬化性樹脂が含浸または塗布された可撓性があるシートで形成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のケーブル布設済み保護管補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−15704(P2006−15704A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198226(P2004−198226)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(302059953)株式会社メーシック (24)
【出願人】(000100942)アイレック技建株式会社 (45)
【出願人】(000116873)旭テック株式会社 (144)
【Fターム(参考)】