説明

ケーブル駆動装置付きの側面窓巻上日よけ

【課題】巻上日よけを案内するための案内装置ができる限り見えない側面窓巻上日よけを提供する。
【解決手段】側面窓巻上日よけ25は、巻上日よけ生地29の可動端に取り付けられる引張り棒34を有する。ドア本体内部で垂直に動きうるように案内される2本の支持棒36、37によって、引張り棒34は保持される。各支持棒36、37の下端部において、ケーブルが取り付けられ、ケーブルはその構成に応じて、ばねモータ46、47またはケーブル滑車の何れかに延びる。ケーブル滑車は、回転補償器を介して巻取シャフト31に接続される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車の側面窓巻上日よけについて、最近の傾向は、巻上日よけを案内するための案内装置をできるかぎり見えないようにすることにある。従って、今まで使用されてきた窓矩形部分の側方を通る案内レールは、案内棒または支持棒によって差し替えられるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
拡げられた巻上日よけについて、その名称が意味するとおり、支持棒は、巻上日よけの自由端に取り付けられる引張り棒を支持する。このように、それは2つの機能、すなわち、窓にとどまるように引張り棒を案内する機能と、巻取シャフトから巻き戻された巻上日よけ生地を張力がかかった状態で保持するために必要な押圧力を生成する機能を担う。
格納された状態で、支持棒はドア本体の内部に消えて見えない。
【0003】
これらの条件から出発して、本発明の課題は、支持棒の付いた側面窓巻上日よけ用の簡単な駆動装置を創作することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の特徴を有する側面窓巻上日よけ、または請求項13の特徴を有する側面窓巻上日よけに係る本発明によって、当該課題は解決される。
【0005】
本発明に係る側面窓巻上日よけのために、案内装置は、ドア本体において窓下縁部の下側に取り付けられるように備えられる。この案内装置を使用して、少なくとも1つの支持棒は、窓下縁部に対して略垂直に上下に動かすことができるように案内される。支持棒の上端には、既知の方法で巻上日よけ生地が取り付けられる引張り棒がある。引張り棒を使用して、支持棒により生成された力は、全幅が十分ピンと張られるように巻上日よけ生地の端から端まで分配される。
【0006】
ギア付きモータが備えられる。牽引手段は支持棒の下端部に接続され、他方の端部はばねモータと相互作用することによって、巻上日よけの布地張力は維持される。
【0007】
支持棒のための案内装置は、一定の断面の案内溝を有する案内レールによって形成されうる。それゆえ、ドア本体内の支持棒に対する、ドア本体内における空間関係から生成される通路を形成することが可能である。
【0008】
牽引手段によって支持棒を駆動するために、側面で案内溝を貫いて伸びる突起部をこの支持棒は保持しうる。
【0009】
線状の牽引手段は、ケーブルまたは帯状のものによって形成されうる。帯状のものは、より良く制御されうる方法で巻き上げられうるという利点を有する。
【0010】
ばねモータとして、並進運動および回転運動を行ういずれのばねモータも使用されうる。どちらが使用されるかは、扉内の空間仕様要求次第である。いずれの場合も、回転式ばねモータはより小さな空間を要求する。
【0011】
回転動作を伴うばねモータの場合、板ばね形状の渦巻きばねが能動要素として使用されうる。
【0012】
回転しうるように支持され、円筒状外周面において牽引手段が取り付けられ、その中にばねモータが収納される、ばねモータハウジングを、ばねモータは有しうる。したがって、ばねモータハウジングは同時に、ケーブルまたは帯の滑車としてはたらく。すなわち、そこで牽引手段がそれに巻き上げられる。
【0013】
渦巻きばねは、その内端で位置が保持される。
【0014】
好ましくは、ばねモータは窓下縁部の付近に位置し、取付空間を省スペース化する。
【0015】
他の解決策によると、巻取シャフトが、窓下縁部の下側に回転可能に取り付けられる。巻上日よけ生地は、一方の縁で巻取シャフトに取り付けられる。巻取シャフトから離れた縁は引張り棒が備えられ、支持棒に接続される。引張り棒は、支持棒の上端に配設される。
【0016】
支持棒を案内するために、案内装置は窓下縁部の下側に、すなわちドア本体に、置かれる。案内装置を使用して、支持棒は、窓下縁部に少なくとも略垂直に上下に案内される。
【0017】
可撓性の線状の牽引手段は、支持棒の下縁部に取り付けられる。牽引手段は、巻取シャフトに結合される巻取装置に導かれる。巻取シャフトは、ギア付モータによって駆動される。
【0018】
このような配置を用いて、生地の張力を相対的に一定に、すなわち駆動状態とは独立に、保持することが可能である。
【0019】
案内レールにわたって一定の断面を有する案内溝を含む案内レールによって、案内装置は形成されうる。この方法により、ドア本体内の支持棒上に所望の通路を形成することが可能である。
【0020】
牽引手段に支持棒を接続するために、支持棒は、案内溝を貫いて外に突き出す突起部を保持することができる。
【0021】
好ましくは、線状の牽引手段は、ケーブルによって形成される。それは多くの方向に曲げられるにちがいないからである。
【0022】
変化する巻取シャフトのコイル直径を考慮に入れるために、巻取装置はケーブルウォームを有しうる。また、巻取装置は、弾性を有する回転補償器を介して巻取シャフトに結合されうる。
【0023】
ついでながら、本発明の改良が、従属請求項の主題である。
【0024】
下記図の説明は、本発明の理解のため外観を説明する。記述されていない付加的な詳細は、図面から当業者にとって自明であり、その範囲まで図の説明は補足される。多くの変更が可能であることは明らかである。
【0025】
下記図は、真の縮尺で製図されているというわけでは全くない。詳細を示すために、いくつかの部分は、誇張した大きさで示されているかもしれない。さらに、図は、かなり簡略化されており、実際の実施において存在するであろうすべての細部を含んでいない。上、下、または前、後の用語は、車両に対する通常の位置または術語を表す。
【0026】
本発明の主題に係る実施形態は、図に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、乗用車の後部領域を示す破断図である。図は、右内側を見たところを示す。それは、切り離された左内側と鏡像である。したがって、示されないかぎり、右車体側の説明は左車体側にもあてはまる。図示は簡略化されている。たとえば、支柱や取付手段のような、車体内部の構造体は示されないが、それらの描写は、本発明の理解のために必要でないからである。
【0028】
示される車体部1は、ルーフ2を有し、そこから、Cピラー3は、示されていないフロアアセンブリに向かって下方向に至る。対応するCピラーは、車両の切り離された側に推測されるはずである。Cピラー3は、その内側に内張り4を備える。
【0029】
ルーフ2は、その後縁部で、窓上縁部6によってその上側で範囲が定められる後部窓5内に移行する。互いに対して鏡像対称に延びる横縁部において、角領域8で窓上縁部6に移行する部分7のみが見られる。
【0030】
後部窓5の幅は、窓上縁部6領域よりも車体の中央ラインにおける高さのところの方が広い。Cピラー3の前側の離れたところにBピラー9があり、それに右後側扉11が既知の方法で蝶番で取り付けられる。右後側扉11は、垂直支柱13によって略矩形部14と略三角形部15に細分される窓切抜き部12を含む。
【0031】
また、室内は、後部座席面16と後部座席背もたれ17とを有する後部座席15を含む。後部座席面17は、フロアアセンブリ18上に設置される。
【0032】
後部座席棚19は、後部座席背もたれ17の後上縁部と後部窓5との間に伸びる。
【0033】
後部窓5には、後部窓巻上日よけ21が備えつけられる。その日よけ生地22は、図1にのみ見られる。追加の巻上日よけは、側面窓12に、すなわち矩形窓部分14における巻上日よけ生地22と、三角形部15における巻上日よけ生地24に見いだされる。
【0034】
図1からの側面扉は、図2において拡大されて示される。側面窓巻上日よけ25の構成を認識できるようにするため、内張りは破断されている。
【0035】
見られるとおり、窓切抜き部の下側は、図示されない細長い穴を有する窓下縁部28によって区切られ、この細長い穴を通って窓巻上日よけ25は側面ドア11の本体から引き出されうる。窓巻上日よけ25は、巻取シャフト31にその一つの縁で取り付けられる巻上日よけ生地29を含む。ドア本体における窓下縁部28の下側で、軸受ジャーナル32、33を使用して回転可能に、巻取シャフト31は支持される。支持のための軸受けブロックは、わかりやすくするために示されない。
【0036】
巻上日よけ生地29は、十分な日よけ効果を生成するのに好適な、本質的に伸縮しにくいものである。巻上日よけ生地29の外形は、窓切抜き部14の大きさにほぼ一致する。巻上日よけ生地29は、その自由な縁で引張り棒34に備え付けられる。
【0037】
図2に示される格納された位置と引き伸ばされた位置との間の引張り棒34に対する案内装置として、2つの支持棒36、37が備えられる。支持棒36、37は、円筒状ばね棒材であり、座屈に対する十分な強度を備え、引張り棒34を支持し動かすことができる位置にある。2つの支持棒36、37の上端は、張力と圧縮に耐える方法で、引張り棒24に接続される。
【0038】
2つの支持棒36、37は、ドア本体に取り付けられて窓下縁部28を越えて突き出ない案内レール38、39内で動く。支持棒36、37は、2つの案内レール38、39を使用して、窓下縁部28に略垂直に滑動的に案内される。支持棒36、37の長さは、以下のその機能の説明から与えられる。案内レール38、39は、ドア本体内部において、その全長を越えてまっすぐに延びる必要は必ずしもない。たとえば、扉の湾曲に沿うように、車両軸に平行な軸を中心に曲げられうる。
【0039】
図3から見られるとおり、2つの案内レール38、39はそれぞれ、下部が切り込まれて構成される案内溝41を含む。溝の断面は、円筒状の溝チャンバ42と矩形の溝スロット43とから組み合わされ、溝スロットの幅は、溝チャンバ42の直径よりも短い。これは、下部切込み構造をもたらす。
【0040】
溝チャンバ42の直径は、ここに案内される支持棒36、37の外断面に対応する。
【0041】
さらにまた図3から認識されうるとおり、スロット43を貫いて外に突出する止め金45は、2つの支持棒36、37のそれぞれに接続される。
【0042】
2つの支持棒36、37それぞれは、個々のばねモータ46、47によって、引き伸ばされた位置に片寄る。2つのばねモータ46、47は、窓下縁部28の真下に置かれる。図2による説明において、それらは巻取シャフト31の下側に示される。それらの動作範囲は、後述の機能の説明から与えられる。2つのばねモータ46、47は同一の構造を有するので、2つのうちのいずれかの説明で十分である。
【0043】
2つのばねモータ46、47の内部構造は、図3における分解図によって示される。
【0044】
図3に見られるとおり、各ばねモータは、ばね外端49とばね内端51とを有する板ばねとして構成される渦巻きばね48を含む。また、各ばねモータ46、47は、付属の蓋部53のついたばねモータハウジング52を含む。ハウジング52は、カップ形状の構造を有し、周方向に円筒状内型55の輪郭を定める円筒状ハウジング内壁54を特徴とする。ハウジング内壁54には、内側に突出する継ぎ部56が設けられる。継ぎ部56に、ばね外端59が孔部57で押し込まれ、ぴったりひっかけられる。内壁54の外周面59を超えて径方向に突出する側壁58に、内壁54は一体化して備えられる。
【0045】
蓋部53は内壁58と同一の直径を有し、(詳細に示されない)固定手段によって、内壁54に固定されまたはパチンとはめられうる。シャフト63に対する軸受け穴部61、62は、側壁58または蓋部53をそれぞれ中央で貫通する。シャフト63は、円筒状部64とねじ部65から組み合わされる。径方向に伸び、かつ、ばね内端51における孔部67に押し込まれるように構成される、突起先端部66を、円筒状部64は保持する。(詳細に示されない)リテイニングリングまたは止め輪は、軸部64上で軸方向にハウジング52を固定するために備える。シャフト63は、詳細に示されないが、ねじ部65を用いてドア本体パネルに取付金具でしっかりねじ止めされうる。
【0046】
容易に認識されるとおり、ハウジング52は外側に装着された蓋部53とともに、外周面59とリムによって形成される円筒状外周面とフランジ付きの輪を形成する。この面に、織物帯として構成される引張り帯67は、その一方の端で取り付けられる。帯67の他方の先端は、例えば、鋲68で取付金具45に接続される。
【0047】
最後に、側面窓巻上日よけ25はギア付きモータ装置70を含む。ギア付きモータ装置70は、巻取シャフト31に対して同軸に配置されて、ともに回転するよう固定されるギア72を出力ギア71により駆動する。
【0048】
側面窓巻上日よけ25は、以下のように作用する。
【0049】
格納状態において、引張り棒34の上側部または上縁部が窓下縁部28とおおむね同じ高さになるまで、巻上日よけ生地29は巻取シャフト31に巻き上げられる。この位置において、2つの引張り棒36、37は、最大挿入深さ38、39を有する。これは、引張り帯67がばねモータ46、47から最大限に解き放されていることを意味する。
【0050】
ギア付モータ70の自己ロック効果によって、ばねモータ46、47が巻上日よけ生地29を巻取シャフト31から引き出すのを防止する。モータ70の電源が切られているかぎり、側面窓巻上シャフト25は、示される位置のままである。
【0051】
ユーザが側面窓巻上日よけ25を拡げたい場合は、ユーザは適切な方法でギア付モータ70をギアが入った状態にする。この方法によって、巻取シャフト31は巻上日よけ生地29の巻きを解くように回転させる。日よけ29が巻取シャフト31からゆるめられる手段によって、2つのばねモータ46、47は支持棒36、37の先の引張り棒34を押し上げる。ばねモータ46、47は、引張り帯67によって、窓下縁部28の方向に支持棒36、37の下端部を引き上げまたはずらそうとするので、この効果がもたらされる。
【0052】
巻上日よけ生地29が完全に拡げられると、すなわち、引張り棒34が窓上縁部に到達すると、(ここでは本発明の本旨ではない)付随の制御器によって、ギア付モータ70は停止される。この方法により、伸縮性のない巻上日よけ生地29がブレーキ付巻取シャフト31により巻上日よけ生地29の追加の動作を停止するので、ばねモータ46、47は支持棒36、37をそれ以上押し出さないようにする。
【0053】
上方位置において、2つの引張り帯67は、関連するばねモータ46、47の対応するばねモータハウジング52上に最大限に巻き上げられる。最上端において、引張り帯67の張力が維持されるように、しかるべき支持棒36、37の下端部は、対応するばねモータ46、47の下側に適度な間隔を留めなければならない。
【0054】
側面窓巻上日よけ25を格納するために、ギア付モータ70は、逆回転方向に始動する。この方法により、巻取シャフト31は巻上日よけ生地29を巻き上げるように回転される。巻上日よけ生地29は伸縮性がないので、対応する力は、この生地を介して引張り棒34に伝わり、ここから、支持棒36、37が案内レール38、39に次第により深く挿入するように、これら支持棒に伝わる。この下向きの動きのために、引張り帯67は、これに応じてばねモータ46、47からゆるめられる。どれくらいのばねモータ46、47内部の偏り力が生じているのかは、ここでは説明の必要はない。すなわち、これは、当業者にとって自明である。
【0055】
引張り帯の使用は、一層一層が整然と巻き取られる利点を有する。またひもの使用も可能であるが、層が順不同に重ね合わさり、これにより徐々に損傷するようになるある一定のリスクをもたらす。
【0056】
図4は、側面窓巻上日よけの別の実施形態を示し、そこでは、一種の逆方向引張り装置によって支持棒は駆動される。
【0057】
すでに記述された部分を第2の実施形態のために参照するにあたって、同一部分には同一の参照符号が付され、再度説明されない。
【0058】
また、図4に係る側面窓巻上日よけ25は、2本の充分座屈に強い支持棒36、37を使用する。それらの支持棒は、図2に関して詳細に説明された同じ方法で配設され案内される。また、案内レールは、ドア本体と同様に、図4において省略されるが、上の図の説明により両構成材はさらなる理解に必要ではないからである。
【0059】
巻上日よけ生地29は、筒状の巻取シャフト31に巻き取られる。概略的に示されたシャフト75は、その両端にそれぞれがシャフト75とともに回転するよう固定されたケーブルウォーム76、77を備え、筒状の巻取シャフト36を貫いている。さらに、シャフト75は、ねじりばねとしてはたらく巻きばね78を介して巻取シャフト31に結合される。巻きばね78は、シャフト75については79で、巻取シャフト31については81で、ともに回転するよう固定される。図2において説明されたように、引張りケーブル82は、ケーブルウォーム76から、間に接続される偏向ローラ83、84を通って支持棒36の下端部に至る。
【0060】
別の引張りケーブル85は、支持棒37の下端部、すなわちそこに備えられた止め金45から、偏向ローラ86、87を通って、ケーブルウォーム77に至る。このように、運動学上の連鎖が形成される。全体で、2つの閉じた運動学上の連鎖が形成される。一方は、例えば、支持棒36の上端部で始まり、そこから支持棒34、巻上日よけ29、巻取シャフト31を通って巻きばね78に至り、そこからシャフト75、ケーブルウォーム76、ケーブル82を通って支持棒36−ただし他方の端部−に至る。
【0061】
平行に接続される他方の運動学上の連鎖は、支持棒37、引張り棒34、巻上日よけ生地29、すでに述べたとおり、巻きばね78に取り付けられる巻取シャフト31を含む。ここから、さらに、運動学上の連鎖は、シャフト75を通ってケーブルウォーム77に案内され、ここからケーブル85を通って支持棒37の下端部に案内される。
【0062】
見られるとおり、巻きばね78は、双方の運動学上の連鎖内にあり、巻きばねを使用して、巻上日よけ生地29における張力を維持する。
【0063】
これまでに述べられた窓巻上日よけ25は、手動で作動されうる。ここでは、ユーザは引張り棒34を握り、窓下縁部28からそれを窓上縁部方向に案内する。この方法により、巻上日よけ29は、巻取シャフト31からゆるめられる。巻取シャフト31の回転動作は、補償要素として利用される巻きばね78を介してシャフト75、さらに2本のケーブルウォーム76、77に伝わる。巻上日よけ生地29が巻取シャフト31から解き放されるとき、2本の引張りひも82、85が同時に対応するケーブルウォーム76、77にそれぞれ巻き取られるように、取付けは選択される。各ケーブルは、巻上日よけ生地が解き放されるのと同じ程度で巻き取られるので、2つの運動学上の連鎖における張力はほとんど一定に保たれる。
【0064】
手動の側面窓巻上日よけ25を格納するために、ユーザは引張り棒34を押し下げる。この方法において、上述の運動学上の連鎖なしには、巻上日よけ生地29はたるむであろう。しかしながら、引張り棒35の下方動作が、2本の支持棒36、37を介して引張りひも82、85の中に導かれるので、格納する間にたるむことは防がれる。引張りひも82、85の下方動作は、ケーブルウォーム76、77を適切な回転方向に始動するので、巻きばね78のしかるべき端部79が同調して、次に回転動作を巻取シャフト31に伝達する。ケーブルウォーム76、77は、シャフト75の回転速度が巻取シャフト31の回転速度とほとんど同じ状態にあるようにするので、つまり、巻取り直径と無関係であるので、2つの地点79、81の間の巻きばね78の偏りもまた一定に保たれ、このことは、巻取シャフト31に導入されるトルクもまた一定に保たれることを意味する。
【0065】
引張り棒34を押し下げることによって、またユーザは引張りひも82、85を介して巻取シャフト31を最終的に作動するので、巻上日よけ生地29は、巻き上げられる。
【0066】
例えば、ウォームギア90を介して巻取シャフト31に結合されるモータ89を使用することにより、上述側面窓巻上日よけ装置が電気的な動力をも備えうることは、当業者にとって難しいことではない。
【0067】
側面窓巻上日よけは、巻上日よけ生地の可動端に取り付けられる引張り棒を有する。ドア本体内部で垂直に動きうるように案内される2本の支持棒によって、引張り棒は保持される。各支持棒の下端部において、ケーブルが取り付けられ、ケーブルはその構成に応じて、ばねモータまたはケーブル滑車の何れかに延びる。ケーブル滑車は、回転補償器を介して巻取シャフトに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】乗用車の後部領域を示す破断図である。
【図2】きわめて概略的に示される、内張りを破断した後部右側ドアの図である。
【図3】図2に係る側面窓巻上日よけのばねモータを示す分解斜視図である。
【図4】きわめて概略的に示される、側面窓巻上日よけの他の実施形態に係る右側ドアの破断図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓下縁部(28)と窓上縁部とを有する側面窓(14)と、
前記窓下縁部(28)の下側に回転可能に支持された巻取シャフト(31)と、
前記側面窓(14)に対応する外形を有し、前記巻取シャフト(31)に一つの縁で取り付けられ、前記巻取シャフト(31)から離れた縁を有する巻上日よけ生地(29)と、
前記巻取シャフト(31)から離れた縁に取り付けられる引張り棒(34)と、
上端が前記引張り棒(34)に接続され、かつ下端を有する少なくとも1つの支持棒(36、37)と、
前記窓下縁部(28)に対して少なくとも略垂直に前記支持棒(36、37)を上下に案内するために、前記窓下縁部(28)の下側に配設される前記支持棒(36、37)に対する案内装置(38、39)と、
前記支持棒(36、37)の下端に固定される可撓性を有する線状の牽引手段(67)と、
前記窓下縁部(28)の近傍に配設され、前記牽引手段(67)の他方の端部が取り付けられる、ばねモータ(46、47)と、
前記巻取シャフト(31)に結合されるギア付モータ(70)と、
を備える、自動車(1)のための側面窓巻上日よけ。
【請求項2】
前記支持棒(36、37)に対する前記案内装置(38、39)は、案内レールにより形成され、前記案内レールは、前記案内レール(38、39)にわたって一定の断面を投影する案内溝(41)を有することを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項3】
前記支持棒(36、67(原文ママ;37))は、前記案内溝(41)から外側へ伸びる突起部(45)を備えることを特徴とする請求項2に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項4】
前記線状の牽引手段(67)は前記突起部(45)に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項5】
前記線状の牽引手段(67)は帯によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項6】
前記線状の牽引手段(67)はケーブルによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項7】
前記帯(67)は、織物帯であることを特徴とする請求項5に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項8】
前記ばねモータ(46、47)は、並進運動によって動作するばねモータであることを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項9】
前記ばねモータ(46、47)は、回転運動によって動作するばねモータであることを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項10】
前記ばねモータ(46、47)は、能動要素として板ばね形状の渦巻きばね(48)を有することを特徴とする請求項9に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項11】
前記ばねモータ(46、47)は、ばねモータハウジング(52,53)を有し、該ばねモータハウジングは、ばねモータが回転するように支持され、かつその円筒状の外周面(59)において前記牽引手段(67)が取り付けられ、ならびに渦巻きばね(48)が収納されることを特徴とする請求項9に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項12】
渦巻きばね(48)は、そのばね内端(51)によって位置が保持されることを特徴とする請求項1に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項13】
窓下縁部(28)と窓上縁部とを有する側面窓(14)と、
前記窓下縁部(28)の下側に回転可能に支持された巻取シャフト(31)と、
前記側面窓(14)に対応する外形を有し、前記巻取シャフト(31)に一つの縁で取り付けられ、前記巻取シャフト(31)から離れた縁を有する巻上日よけ生地(29)と、
前記巻取シャフト(31)から離れた縁に取り付けられる引張り棒(34)と、
上端で前記引張り棒(34)に接続され、かつ下端を有する少なくとも1つの支持棒(36、37)と、
前記窓下縁部(28)に少なくとも略垂直に前記支持棒(36、37)を上下に案内するために、前記窓下縁部(28)の下側に配設される、前記支持棒(36、37)に対する案内装置(38、39)と、
前記支持棒(36、37)の下端に固定される、可撓性を有する線状の牽引手段(82、85)と、
前記牽引手段(82、85)の他方の端部が取り付けられ、前記巻取シャフト(31)に結合される巻取装置(76、77)と、
を備える、自動車(1)のための側面窓巻上日よけ。
【請求項14】
前記支持棒(36、37)に対する前記案内装置(38、39)は、案内レールによって形成され、前記案内レールは、前記案内レールにわたって一定の断面を投影する案内溝(41)を有することを特徴とする請求項13に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項15】
前記支持棒(36、37)は、前記案内溝(41)から外側へ伸びる突起部(45)を備えることを特徴とする請求項14に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項16】
前記線状の牽引手段(82、85)は、前記突起部(45)に取り付けられることを特徴とする請求項15に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項17】
前記線状の牽引手段は、ケーブルによって形成されることを特徴とする請求項13に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項18】
前記巻取装置(76、77)は、ケーブルウォームによって形成されることを特徴とする請求項13に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項19】
前記巻取装置(76、77)は、弾性を有する回転補償器(78)を介して巻取シャフト(31)に結合されることを特徴とする請求項13に記載の側面窓巻上日よけ。
【請求項20】
前記巻取シャフト(31)または巻取装置(76、77)に結合されるギア付モータ(89)を備えることを特徴とする請求項13に記載の側面窓巻上日よけ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−302919(P2008−302919A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−63992(P2008−63992)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(500281877)ベーオーエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (82)
【Fターム(参考)】