説明

ケーブル

【課題】伝送媒体に損傷を与えることなく、ケーブルの被覆を長手方向に容易に除去することができるケーブルを提供すること。
【解決手段】伝送媒体3を緩衝材5で内包したコア7の全周が、外周に長手方向の凸状突起15を有する熱可塑性樹脂製の被覆部13で被覆される。また、被覆部13よりも硬い材質の介在物11が、凸状突起15に沿って被覆部13の内部に配置される。被覆部13と介在物11の外表面17とは、熱融着される。被覆部13の厚さ方向について測定した介在物11の最大長さ19は、介在物11が配置されない部分における被覆部13の被覆厚さ21以上とする。ケーブル1の被覆部13を除去するには、切断工具23を用いて凸状突起15を挟み込んで凸状突起15の根元に切込みを入れた後、切断工具23で凸状突起15を掴んだ状態で、被覆部13をケーブル1の長手方向に引き剥がす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルを敷設した後に、ケーブルの中間部分で外被を部分的に除去し、ケーブル内の伝送媒体を取出して分岐接続を行うことがある。このような中間後分岐作業において、ケーブルの外被を除去しやすくするために、様々な工夫がなされている。
【0003】
例えば、ケーブルの外被の内面に長手方向のノッチを設け、外被の外面にノッチの両側を挟むように長手方向の突起を設けておき、突起の付け根部に切断工具の刃部を当てて切断し、外被に切り込みを入れることにより、外被の一部を除去する方法がある。この方法では、所定の範囲の外被を除去した後に、外被内部の引き裂き紐を使用して、外被を縦裂きする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−158177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した方法では、切断工具で外被を切断する際に大きな力が必要となる。また、ケーブル敷設時の引き回し作業によって外被に設けた突起が磨耗した場合には、切断工具の刃が突起に引っかからずに滑ってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、伝送媒体に損傷を与えることなく、ケーブルの被覆を長手方向に容易に除去することができるケーブルを提供することである。
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明は、伝送媒体を内包するコアと、前記コアを被覆し、外周に長手方向の凸状突起を有する、熱可塑性樹脂製の被覆部と、前記凸状突起に沿って前記被覆部の内部に配置された、前記被覆部よりも硬い材質の介在物と、を具備することを特徴とするケーブルである。
【0008】
本発明では、凸状突起内に被覆部よりも硬い材質の介在物を設ける。そのため、ケーブル敷設時の引き回し作業によって被覆部が磨耗した場合でも、介在物の外表面で磨耗を抑制することができる。また、本発明では、凸状突起を切断工具で挟みこむ作業と、切断工具で介在物を掴みつつケーブルの長手方向に被覆部を引き剥がす作業とによって被覆部を除去するが、凸状突起を切断工具で挟みこんだ時に被覆部よりも硬い材質である介在物の感触を確実に感じることができるため、これらの作業を一連の動作で簡単に行なうことができる。さらに、被覆部と同時に介在物を引き剥がす際に、介在物が引きちぎれることがない。
【0009】
前記被覆部の厚さ方向について測定した前記介在物の最大長さは、前記介在物が配置されない部分における前記被覆部の厚さ以上とする。前記介在物の最大長さは、前記被覆部の厚さの1〜3倍であることがさらに望ましい。これにより、介在物を内包する凸状突起の位置を簡単に判別することができる。また、被覆部を除去する際に、凸状突起を切断工具で容易に挟むことができる。
【0010】
前記被覆部と前記介在物の外表面とは、熱融着される。前記介在物は、全体を樹脂製としてもよいし、内層と、前記内層の外側に設けられた樹脂製の外層とで構成してもよい。被覆部と介在物の外表面とを熱融着させることにより、ケーブル敷設時の引き回し作業によって被覆部が磨耗破損した場合にも、介在物が被覆の役割を果たし、コアへの雨水などの進入を防ぐことができる。
【0011】
前記介在物は、外表面の全周が、前記被覆部で被覆されている。または、前記介在物の外表面の一部が、前記コアと接触している場合もある。介在物の外表面の一部がコアと接触していることにより、被覆部を引き剥がす際に必要な力が小さくなる。また、被覆部を引き剥がした後にコアの一部が露出するため、伝送媒体の取り出しが容易となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、伝送媒体に損傷を与えることなく、ケーブルの被覆を長手方向に容易に除去することができるケーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ケーブル1の周方向の断面図
【図2】被覆部13を除去するための各工程を示す図
【図3】他のケーブル1aの周方向の断面図
【図4】他のケーブル1bの周方向の断面図
【図5】他のケーブル1cの周方向の断面図
【図6】他のケーブル1dの周方向の断面図
【図7】他のケーブル1eの周方向の断面図
【図8】他のケーブル1fの周方向の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、ケーブル1の周方向の断面図を示す。図1に示すように、ケーブル1は、伝送媒体3、緩衝材5、コア7、抗張力体9、介在物11、被覆部13等からなる。
【0015】
伝送媒体3は、例えば、4心光ファイバテープ心線4を6枚積層したものである。緩衝材5は、伝送媒体3の周囲に設置される。コア7は、伝送媒体3を緩衝材5で内包したものである。抗張力体9、介在物11は、コア7の外側に、ケーブル1の長手方向に配置される。被覆部13は、コア7の全周を被覆する。被覆部13は、外周に長手方向の凸状突起15を有する。介在物11は、被覆部13の凸状突起15の内部に配置される。介在物11は、外表面17の全周が被覆部13により被覆される。
【0016】
被覆部13は、熱可塑性樹脂製である。介在物11は、被覆部13よりも硬い材質とする。被覆部13と介在物11の外表面17とは、熱融着される。被覆部13、介在物11の材質は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、エンジニアプラスチック等や、これらを複合したもの、これらをエラストマー化したものや混合物としたもの等とする。
【0017】
ケーブル1を敷設するための引き回し作業の際、凸状突起15を被覆する被覆部13は、他の部分の被覆部13よりも磨耗を受けやすいため、破損して貫通穴ができる可能性がある。介在物11を被覆部13よりも硬い材質とすることにより、凸状突起15の被覆部13が磨耗により破損して貫通穴ができた場合でも、介在物11の外表面17で更なる磨耗を抑制することができる。
【0018】
また、被覆部13と介在物11の外表面17とを熱融着させることにより、凸状突起15の被覆部13が磨耗により破損して貫通穴ができた場合でも、被覆部13と介在物11との間に雨水等が進入せず、伝送特性の劣化を防ぐことができる。さらに、凸状突起15の被覆部13が破損して介在物11が露出しても、介在物11がコア7の被覆として機能する。
【0019】
ケーブル1では、凸状突起15の被覆部13が破損して介在物11がコア7の被覆として機能する可能性を考慮して、介在物11に、カーボンブラック、紫外線防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止材、カラー顔料等を単独または複合して適宜配合し、耐候処方としてもよい。また、必要に応じて難燃性の材料を処方してもよい。
【0020】
図1に示すように、被覆部13の厚さ方向について測定した介在物11の最大長さ19は、介在物11が配置されない部分における被覆部13の被覆厚さ21以上とする。介在物11の最大長さ19は、被覆部13の被覆厚さ21の1〜3倍とすることが好ましい。最も望ましい比率は、1.5程度である。
【0021】
介在物11の最大長さ19を被覆部13の被覆厚さ21以上とすることにより、凸状突起15の位置が簡単に判別できる。また、ケーブル1の敷設時に、引き回し作業により凸状突起15の被覆部13が磨耗しても、介在物11が被覆部13の外周より外側に位置するため、介在物11の位置が簡単に判別できる。
【0022】
なお、介在物11の最大長さ19と被覆部13の被覆厚さ21との比率が3より大きい場合、限られたスペースにケーブル1を多条敷設する際に凸状突起15が妨げになったり、ケーブル1をドラムに巻く際に整列巻きが困難となったりする可能性がある。また、ケーブル1の曲げ方向に制約ができてしまう懸念がある。
【0023】
次に、ケーブル1の被覆部13を除去する方法について説明する。図2は、被覆部13を除去するための各工程を示す図である。図2の(a)図は、凸状突起15を切断工具23で挟みこむ工程を示す。ケーブル1の被覆部13の一部を除去するには、まず、図2の(a)図に示すように、ニッパ等の切断工具23を用いて、凸状突起15の両側を挟み込む。そして、切断工具23の刃先25で、凸状突起15の両側の根元に切込みを入れる。
【0024】
ケーブル1は、介在物11の最大長さ19が被覆部13の被覆厚さ21以上であるため、図2の(a)図に示す工程では、凸状突起15を切断工具23で容易に挟むことができる。また、被覆部13よりも介在物11の方が硬く、凸状突起15を切断工具23で挟んだ際に刃先25が介在物11に当たる感触を感じることができるため、介在物11そのものを切断工具で切り裂いてしまうことがない。
【0025】
図2の(a)図に示す工程では、必要に応じて、凸状突起15を挟み込んだ状態で切断工具23の刃先25を矢印Aに示す方向に滑らせ、所定の範囲の凸状突起15の両側の根元に浅い傷27をつけてもよい。
【0026】
図2の(b)図は、ケーブル1の長手方向に被覆部13を引き剥がす工程を示す図である。図2の(b)図に示す工程では、切断工具23を用いて凸状突起15を掴んだ状態で、ケーブル1の長手方向に被覆部13を引き剥がす。図2の(a)図に示す工程において、凸状突起15の根元に予め傷27を付けることにより、図2の(b)図に示す工程において、被覆部13を更に容易に引き剥がすことができる。
【0027】
上述したように、ケーブル1では、凸状突起15を切断工具23で挟んだ際に刃先25が介在物11に当たる感触を感じることができる。そのため、介在物11の感触を感じた段階で切断工具23の刃の動きを止め、被覆部13の引き剥がし作業に移行することにより、図2に示す一連の動作を短時間で簡単に行なうことができる。ケーブル1では、被覆部13よりも介在物11の方が硬いため、被覆部13を引き剥がす際に、介在物11が引きちぎれることがない。
【0028】
被覆部13、介在物11の材質については上述した通りであるが、図2の(a)図に示す工程において、切断工具23を用いて凸状突起15を挟み込んだ際に介在物11の感触を感じるためには、被覆部13の硬さと介在物11の硬さとに所定の差が必要である。例えば、被覆部13を低密度ポリエチレン製とし、介在物11を高密度ポリエチレン製とした場合、JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」で測定したHDD硬さは、被覆部13がD52程度、介在物11はD62程度となる。被覆部13と介在物11との硬さの比は、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンを用いた場合の硬さの比以上とすることが好ましい。
【0029】
このように、第1の実施の形態によれば、被覆部13に介在物11を内包する凸状突起15を設け、介在物11を被覆部13よりも硬い材質とし、被覆部13と介在物11の外表面17とを熱融着させ、介在物11の最大長さ19を被覆部13の被覆厚さ21以上として、切断工具23で凸状突起15を挟み込み、凸状突起15を掴んだ状態で被覆部13をケーブル1の長手方向に引き剥がすことにより、伝送媒体3に損傷を与えることなく、ケーブル1の被覆部13を長手方向に容易に除去することができる。
【0030】
次に、第2の実施の形態について説明する。図3は、他のケーブル1aの周方向の断面図である。図3に示すケーブル1aは、第1の実施の形態の図1に示すケーブル1と略同様の構成であるが、介在物11の替わりに介在物11aが用いられる。
【0031】
介在物11aは、内層29と、内層29の外側に設けられた外層31とで構成される。内層29と外層31とは、接着または融着により一体化される。介在物11aは、被覆部13よりも硬い材質とする。介在物11aの内層29は、金属製、ガラス繊維や高抗張力繊維を用いた繊維補強樹脂製等とする。外層31は、樹脂製とする。外層31の樹脂には、第1の実施の形態において介在物11の材質として例示したものが用いられる。
【0032】
ケーブル1aにおいても、被覆部13の厚さ方向について測定した介在物11aの最大長さは、介在物11aが配置されない部分における被覆部13の被覆厚さ以上である。介在物11aの最大長さは、被覆部13の被覆厚さの1〜3倍とすることが好ましく、最も望ましい比率は、1.5程度である。
【0033】
また、介在物11aの外層31の外表面17aと被覆部13とは熱融着される。外層31に、接着性樹脂や被覆部13よりも融点の低い熱可塑性の樹脂を用いることにより、介在物11aと被覆部13との熱融着がさらに容易になる。
【0034】
ケーブル1aの被覆部13の一部を除去する際には、第1の実施の形態と同様に、凸状突起15を切断工具で挟みこみ、刃先が介在物11aに当たる感触を感じた段階で切断工具の刃の動きを止め、被覆部13をケーブル1aの長手方向に引き剥がす。
【0035】
第2の実施の形態においても、被覆部13に介在物11aを内包する凸状突起15を設け、介在物11aを被覆部13よりも硬い材質とし、被覆部13と介在物11aの外表面17aとを熱融着させ、介在物11aの最大長さを被覆部13の被覆厚さ以上として、切断工具で凸状突起15を挟み込み、凸状突起15を掴んだ状態で被覆部13をケーブル1aの長手方向に引き剥がすことにより、第1の実施の形態と同様に、伝送媒体3に損傷を与えることなく、ケーブル1aの被覆部13を長手方向に容易に除去することができる。
【0036】
次に、第3の実施の形態について説明する。図4は、他のケーブル1bの周方向の断面図である。図4に示すケーブル1bは、第1の実施の形態の図1に示すケーブル1と略同様の構成であるが、介在物11の替わりに介在物11bが用いられる。
【0037】
介在物11bは、外表面の一部がコア7と接触している。すなわち、介在物11bは、外表面の一部に被覆部13からの露出部33が設けられる。介在物11bのコア7側への露出度合い35は、0.5mm程度とする。露出度合い35が大きすぎると、伝送媒体3への側圧等による伝送ロス増を発生させる場合がある。
【0038】
ケーブル1bにおいても、被覆部13の厚さ方向について測定した介在物11bの最大長さは、介在物11bが配置されない部分における被覆部13の被覆厚さ以上である。介在物11bの最大長さは、被覆部13の被覆厚さの1〜3倍とすることが好ましく、最も望ましい比率は、1.5程度である。
【0039】
また、介在物11bは、被覆部13よりも硬い材質とし、外表面と被覆部13とは熱融着される。介在物11bには、第1の実施の形態において介在物11の材質として例示したものと同様の材質が用いられる。
【0040】
ケーブル1bの被覆部13の一部を除去する際には、第1の実施の形態と同様に、凸状突起15を切断工具で挟みこみ、刃先が介在物11bに当たる感触を感じた段階で切断工具の刃の動きを止め、被覆部13をケーブル1bの長手方向に引き剥がす。
【0041】
第3の実施の形態においても、被覆部13に介在物11bを内包する凸状突起15を設け、介在物11bを被覆部13よりも硬い材質とし、被覆部13と介在物11bの外表面とを熱融着させ、介在物11bの最大長さを被覆部13の被覆厚さ以上として、切断工具で凸状突起15を挟み込み、凸状突起15を掴んだ状態で被覆部13をケーブル1bの長手方向に引き剥がすことにより、第1の実施の形態と同様に、伝送媒体3に損傷を与えることなく、ケーブル1bの被覆部13を長手方向に容易に除去することができる。
【0042】
さらに、第3の実施の形態では、介在物11bの外表面の一部がコア7と接触していることにより、被覆部13を除去する際に、被覆部13の引き剥がしに必要な力が小さくなる。また、被覆部13を除去した後、コア7の一部が露出した状態となるため、伝送媒体3の取り出しが容易となり、作業時間が短縮できる。さらに、ケーブル1bの撤去後の解体性(リサイクル性)が向上する。
【0043】
なお、第1から第3の実施の形態では、図1、図3、図4に示すようなコア7を用いたケーブルについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。図5は、他のケーブル1cの周方向の断面図である。図5に示すケーブル1cでは、1本以上の単心光ファイバ心線を伝送媒体3cとし、伝送媒体3cを緩衝材5cで内包したコア7cが用いられる。
【0044】
図6は、他のケーブル1dの周方向の断面図である。図6に示すケーブル1dでは、中央に抗張力体9dを配したスロットロッドに収納した光ファイバ心線を伝送媒体3dとし、スロットロッドの周囲に押巻テープ5dを巻いたコア7dが用いられる。
【0045】
図7は、他のケーブル1eの周方向の断面図である。図7に示すケーブル1eでは、絶縁被覆されたメタル伝送媒体3eに例えば押巻テープ5eを巻いて絶縁被覆を施したコア7eが用いられる。
【0046】
このように、本発明は、他の形態の光ファイバケーブルや、メタルケーブルにも適用可能である。また、図示していないが、ケーブルを自己支持するための支持線付きのケーブルにも適用できる。図5から図7に示す各ケーブルや、その他のケーブルも、第1の実施の形態と同様の方法で被覆部の一部が除去できる。
【0047】
第1から第3の実施の形態では、被覆部内に1本の介在物を配置したが、2本以上の複数の介在物を配置する場合もある。図8は、他のケーブル1fの周方向の断面図である。図8に示すケーブル1fでは、コア7の外側に2本の介在物11fが配置される。被覆部13は、外周に2本の長手方向の凸状突起15fを有する。介在物11fは、被覆部13の凸状突起15fの内部に配置される。ケーブル1fも、第1の実施の形態と同様の方法で被覆部13の一部が除去できる。
【0048】
第1から第3の実施の形態では、介在物の形状を丸棒としたが、介在物の断面形状は円形に限らない。例えば、楕円形、長方形、四角形、星型等でもよい。また、介在物の形状は、管状でもよい。介在物の側面に凹凸を設けることにより、介在物を被覆する凸状突起を切断工具で挟みこむ作業が容易になる。介在物は、抗張力体としての機能を兼ねてもよい。
【0049】
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかるケーブルの好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0050】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f………ケーブル
3、3c、3d、3e………伝送媒体
7、7c、7d、7e………コア
11、11a、11b、11f………介在物
13………被覆部
15、15f………凸状突起
17、17a………外表面
19………最大長さ
21………被覆厚さ
29………内層
31………外層
33………露出部
35………露出度合い

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送媒体を内包するコアと、
前記コアを被覆し、外周に長手方向の凸状突起を有する、熱可塑性樹脂製の被覆部と、
前記凸状突起に沿って前記被覆部の内部に配置された、前記被覆部よりも硬い材質の介在物と、
を具備することを特徴とするケーブル。
【請求項2】
前記被覆部の厚さ方向について測定した前記介在物の最大長さが、前記介在物が配置されない部分における前記被覆部の厚さ以上であることを特徴とする請求項1記載のケーブル。
【請求項3】
前記介在物の最大長さが、前記被覆部の厚さの1〜3倍であることを特徴とする請求項2記載のケーブル。
【請求項4】
前記被覆部と前記介在物の外表面とが熱融着されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のケーブル。
【請求項5】
前記介在物が、内層と、前記内層の外側に設けられた樹脂製の外層とからなることを特徴とする請求項4記載のケーブル。
【請求項6】
前記介在物の外表面の全周が、前記被覆部で被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のケーブル。
【請求項7】
前記介在物の外表面の一部が、前記コアと接触していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−169103(P2012−169103A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28224(P2011−28224)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】