説明

ゲル界面活性剤組成物

硬質表面の清浄、衣類及び食器類の洗浄に適しており、家事、公共機関及び/又は産業用途に利用可能な、水、及びa)1〜50%の範囲のノニオン性界面活性剤、b)20〜50%の範囲のカチオン性界面活性剤又はカチオン界面活性剤の会合物、及びc)任意に両性界面活性剤を含む、ゲル界面活性剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質面のクリーニング、衣類及び食器類の洗浄、及び繊維の柔軟化に適しており、家事、公共機関及び/又は産業用途に利用可能なゲル界面活性剤組成物に関する。
【0002】
現代の洗剤及び清浄剤は、汚れ及び油脂に対して良好な洗浄性、良好な外観、適切な粘性を有していなくてはならない、環境適合性でなくてはならない、そして表面に残滓を残してはならない、といった高度な要求を満たしていなくてはならない。更に、それらは、使用するのが非常に簡単で、洗浄又は清浄作業を行うときに時間と労力を減じるものでなければならない。
【0003】
本発明は、非常に効率的であること以外に、洗剤及び/又は清浄剤が、使用するのも非常に簡単で、高い性能をもたらす新たな方法を示す、新たな選択肢を提起するものである。
【0004】
清浄剤及び洗浄剤は、通常、噴霧乾燥された、又は顆粒化された製品及び/又は液剤として提供されているが、ボリュームゾーンが増大し、そして快適な用量に関するその他の可能性について消費者の要望が増大するという新たな傾向の結果、清浄剤及び洗浄剤の新たな形態についての研究がここ数年の間に著しく増加している。そのため、タブレット形、及びその他代わりになる形態が、製造方法の開発及び改善、あるいは新しい組成物及び調合物の開発のいずれかにおいて、多くの研究の目標となっている。そのようなタブレットは、普通、公知の粉末又は顆粒と同じ成分から、タブレット成形補助剤を添加し、その後ある圧縮工程を用いて仕上げられるか、通常界面活性剤系だけを含有するゲルの濃縮化/硬化によって、あるいはさらにPVOH(ポリビニルアルコール)のようなポリマーで界面活性剤系をカプセル化することによって製造されている。食器用洗浄剤、クリーナー、又は洗濯用洗浄剤のための多くのタブレットが入手可能であり、それらは、以後、クリーニングタブレット(cleaning tablets)と呼ばれ、ハード相として知られる相(圧縮化粉末)と、スムース相(ゲル濃縮化/界面活性剤)との2相からなる。例えば、国際公開第01/42416号(特許文献1)は、コア成形体と、粒状のプレミックスとの組み合わせからなる多相成形体の製造を開示している。
【0005】
国際公開第99/24549号(特許文献2)は、圧縮された固形本体と、その本体の型中に装填された圧縮されていないゼリー状部分とからなる洗浄剤タブレットを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第01/42416号
【特許文献2】国際公開第99/24549号
【特許文献3】欧州特許公開第1162254A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、硬質表面のクリーニング、衣類及び食器類の洗浄、及び繊維類の柔軟化に適し、そして家事、公共機関及び/又は産業用途に利用できる、ゲル界面活性剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、所定の割合で、C−C22−アルキル−又はC−C22−アルケニル−ジメチル−ヒドロキシ−エチルアンモニウム化合物、及びノニオン性の、特に、EO度3EO〜30EOのエトキシル化された脂肪アルコールの会合から得られ、そして増粘剤や硬化剤系のいずれの添加も必要としないゲル材料に関する。
【0009】
ゲルの様相(aspect)は、カチオン性:ノニオン性会合によって得られ、そしてクリーナー、消毒薬ベヒクル、洗濯用洗剤、及び柔軟剤製品において可能な用途を見出すことができる。この特性は、洗浄剤製造業者にとって、洗浄剤タブレット、トイレ用ブロック、ゲル洗剤、及び同様のものを製造するための高度に正確でかつ高価なプロセスを不要にする(dispense)。また、この特性は、増粘剤又は硬化剤系、典型的には高分子ゲル化添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシステアリン酸、及びポリ酢酸の使用を不要にする。更に、審美的に、この材料の様相は、洗浄剤製造者が、消費者に魅力的で、様々な形態の代替案を提案する、革新的な設計を行うのを可能する。開示されているタブレットのほとんどは、溶解時間に伴う機械強度/材料の硬度に対する依存性に関連している。有利なことに、この挙動は、本発明においては観察されない。
【0010】
これら会合物から生成したゲル材料は、タブレット、ブロック、ブリケット、リングなどとして説明することができ、そしてその溶解時間は、その最終用途を決定することになる、すなわち、同じカチオン:ノニオン比率でもって、トイレ用ブロック(高い溶解時間)として、又は家事をする人によって溶解でき、急速な溶解時間を有するべき“自家製”クリーナー及び/又は消毒薬に使用できるかを決定する。溶解時間は、使用された添加剤の影響を直接受け、そして、使用されるカチオン:ノニオン比率と全体的に相互に関連する。
【0011】
欧州特許公開第1162254A1号(特許文献3)中には洗剤組成物が開示されており、これは、水、ノニオン性界面活性剤、及びカチオン性化合物からなる。ノニオン性界面活性剤の含有量は、0.1〜40%であり、カチオン性化合物の含有量は0.1〜30%である。これらの組成物は、液状のものとして教示されている。これらの組成物は、ノニオン性化合物及びカチオン性化合物の個々の量が以下で挙げるように選択されるときに、ゲル状のものであることが今や発見された。
【0012】
本発明は、プラスチック、ガラス質、金属及びガラスのような硬質表面を洗浄するのに適した、ゲル界面活性剤組成物を提供する。これは、衣類及び食器類を洗浄するのにも適している。一般に、このゲル界面活性剤組成物は、水、一つ又はより多くのノニオン性界面活性剤1.0〜50重量%、C−C22−アルキル−又はC−C22−アルケニル−ジメチル−ヒドロキシ−エチルアンモニウム化合物から選択される一つ又はより多くのカチオン性化合物20〜50重量%、及び任意に両性界面活性剤を含んでいる水性組成物である。
【0013】
特に好ましくは、本発明のゲル界面活性剤組成物は、高い粘性、すなわち、20℃において10,000mPa・s以上、好ましくは20℃で20,000mPa・s以上の粘度(Brookfield Viscosimeter RV; Spindle No. 7; 20r.p.m.)を有する。とりわけ好ましい本発明のゲル界面活性剤組成物は、定常状態において流動を示さない。
【0014】
ヒドロキシエチルクアットと、非イオン性界面活性剤の組み合わせによって、驚くほど高い粘度を有する均質なゲルが得られることが見出された。ヒドロキシエチルクアットと組み合わせて使用される非イオン性界面活性剤の構造は、ゲルの硬度、水可溶性、及び温度感応性に影響を及ぼすため、目的に合わせた効果を発揮する、洗浄剤ゲルタブレットの調合を可能にする。それらのゲル界面活性剤組成物は、硬質表面の洗浄、衣類及び食器類の洗浄、繊維類の柔軟化に適しており、そして、家事、公共機関及び産業用途に利用できる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、この組成物は、10重量%以上の水、より好ましくは20重量%の水、特に好ましくは30重量%以上の水含む。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施形態において、この組成物は、10〜79重量%の水、より好ましくは20〜79重量%の水、特に好ましくは30〜79重量%の水含む。
【0017】
この開示された組成物中で使用されるノニオン性の、合成有機洗浄剤は、一般に、飽和又は飽和されていない、末端ヒドロキシル基と、親水性のエチレンオキシド基/プロピレンオキシド基とを含む、有機脂肪族又はアルキル芳香族の、疎水性化合物の縮合生成物である。そのような洗浄剤は、疎水性の有機化合物を、エチレンオキシド/プロピレンオキシド又はそれらの多水和生成物、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール、と縮合させることによって容易に調製される。更に、ポリエテンオキシ/ポリプロペンオキシ鎖の長さは、疎水性要素と親水性要素との間で所望のバランスを達成するように調整できる。
【0018】
満足なノニオン性洗浄剤は、約8〜18個の炭素原子を含む、飽和されているか又は飽和されていない、直鎖状、又は分岐鎖状の形態の高級アルカノールと、約3〜30モル、好ましくは3〜15モル、そしてより好ましくは3〜10モルのエチレン/プロピレンオキシドとが縮合された、縮合生成物を含む。これらの洗浄剤の例としては、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシルアルカノール及びそれらの混合物と、3〜30モルのエチレンオキシドとの縮合物、例えば、C−C11アルカノールと5.7モルのエチレンオキシドとの縮合物、C−C10アルカノールと5モルのエチレンオキシドとの縮合物、C10−C14アルカノールと16モルのエチレンオキシドとの縮合物、及びC10−C18アルカノールと20モルのエチレンオキシドとの縮合物である。
【0019】
その他の満足なノニオン性洗浄剤は、約6〜15個の炭素原子を含む、飽和されているか又は飽和されていない、直鎖状、又は分岐鎖状の形態の1モルのアルキルフェノールと、約3〜30モル、好ましくは3〜15モル、より好ましくは3〜10モルのエチレン/プロピレンオキシドとの、ポリエチレン/ポリプロピレンオキシド縮合物である。具体例は、9モルのエチレンオキシドと縮合されたノニルフェノール、12モルのエチレンオキシドと縮合されたノニルフェノール、15モルのエチレンオキシドと縮合されたドデシルフェノール、及び15モルのエチレンオキシドと縮合されたジノニルフェノールである。更に好適な洗浄剤は、C−C18アルカノールと、全アルキレンオキシド含有量が分子の60〜85重量%である、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとが5:1〜1:5の範囲内のヘテロ混合物との、水溶性縮合生成物である。そのような洗浄剤の具体例は、5モルのエチレンオキシド及び4モルのプロピレンオキシドの混合物と縮合されたC−C11アルカノール、3モルのエチレンオキシド及び2モルのプロピレンオキシドの混合物と縮合されたC−C11アルカノール、及びC−C11アルカノールと、4モルのエチレンオキシド及び5モルのプロピレンオキシドの混合物との縮合生成物である。
【0020】
その他のノニオン性洗浄剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、ジ−アルキル−メチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピル−アミンオキシド、脂肪酸−N−メチルグルカミド、アルキルポリグルコシド、オキサルキル化(oxalkylated)脂肪酸、オキサルキル化脂肪酸エステル、及びオキサルキル化アルキルアミンであってよい。それらの化合物のアルキル基及び脂肪酸基は、対応する飽和されていない基で、完全に又は部分的に置き換えられていてもよく、8〜22個の炭素原子を含むことができ、そして直鎖状又は分岐状であってよい。オキサルキル化(oxalkylated)とは、好ましくは1〜20単位のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド又はそれらの混合物を含む生成物を意味する。
【0021】
特許請求の範囲に記載の組成物中のノニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤の混合物の量は、1.0〜50重量%、好ましくは5〜50重量%である。また、1.0〜40重量%又は40.1重量%〜50重量%のノニオン性界面活性剤を使用することもできる。
【0022】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルジメチル−ヒドロキシエチル−アンモニウムが使用可能である。これらのアンモニウム化合物は、アルキルの代わりにアルケニル基を有するか、あるいは両方の混合物を有してもよい。アルキル基並びにアルケニル基は、8〜22個の炭素原子を有することができる。それらは、直鎖状又は分岐状であってよい。好ましいアンモニウム化合物は、C−C22−アルキル−又はアルケニル−ジメチル−ヒドロキシエチル−アンモニウム化合物である。特に好ましいアンモニウム化合物は、C12/C14−アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム化合物である。前述のアンモニウム化合物の全ては、いずれの種類のアニオンを含んでいてもよく、好ましいものは、クロリド、臭素、アセテート、ラクテート、サルフェート又はメトサルフェートである。非常に好ましいアンモニウム化合物は、C12/C14−アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドである。
【0023】
特許請求の範囲に記載の組成物は、これらのカチオン性化合物を、20〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の量で含むことができる。また、20〜30重量%又は30.1〜50重量%のこれらのカチオン性化合物が使用できる。
【0024】
更に、本発明による組成物は、両性界面活性剤を、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%含むことができる。両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン類、アルキルジメチルベタイン類、アルキルアンフォアセテート類(alkyl amphoacetates)又は−ジアセテート類であることができる。これらの化合物のアルキル基は、アルケニル基で部分的に又は完全に置換されていてよく、8〜22個の炭素原子を含むことができ、そして直鎖状又は分岐状であってよい。ポリアルキレングリコール基は、1〜20のエトキシ及び/又はプロポキシ単位を含んでよい。
【0025】
意図する使用に応じて、本発明の調合物は、上記の界面活性剤に加えて、慣用的な添加剤及び補助剤を含むことができ、それぞれの具体例は、例えば、溶解時間制御のための添加剤、性能向上のための添加剤、溶媒、ビルダー又は塩類である。
【0026】
溶解時間制御のために適した添加剤は、グリセリン、糖類、プロピレングリコール、ブチルグリコール、ジ−ブチルグリコール、エチレングリコール、モノ−、ジ−、トリ−、又はテトラ−C−Cアルキレングリコール−プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、PEG−少なくとも400の分子量を有する、であり、6,000〜35,000の範囲の分子量を有するPEG類、及びそれらの混合物が最も好ましい。
【0027】
性能を向上させるのに適した添加剤には、防汚加工ポリマー、染料固着剤、漂白剤系、殺生物剤又はビルダーが包含される。好適な防汚加工ポリマーは、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー(Sokalan(登録商標) CP、BASF)、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール及びノニオン性モノマーのホモ−及びコポリマー類(Sokalan HP、BASF)、アクリル酸のホモポリマー(Sokalan(登録商標) PA、BASF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリオキシエチレンテレフタレート(POET)(Texcare(登録商標)SRN、Clariant)であり、使用できる防汚加工ポリマーは、例えば、セルロースエーテル、又は二塩基カルボン酸、及び二つ又はより多くの水酸基を有する反応物をベースとする重縮合物である。使用される二塩基カルボン酸は、典型的にはテレフタル酸である。これらの防汚加工ポリマーは、ノニオン性又はアニオン性であってよい。
【0028】
本発明の組成物中に組み入れることができる染料固着剤は、ノニオン性又はカチオン性であり、そして以下で説明される。
染料固着剤として使用できる重縮合物は、シアナミドと、アルデヒド、及びアンモニウム塩及び/又はモノアミンとの反応によって得られるもの(例えば、染料固着剤DF3)、モノアミン及び/又はポリアミンと、エピクロロヒドリンとの反応によって得られるもの(例えば、染料固着剤DF2及びDF4)、又はポリアミンと、シアナミド及びアミド硫酸との反応によって得られるもの(例えば、染料固着剤DF1)である。
【0029】
使用されるモノアミンは、第一、第二及び第三アミンであってよい。それらは、脂肪族アミン、例えば、ジアルキルアミン、特にジメチルアミン、脂環式アミン、例えば、シクロヘキシルアミン、及び芳香族アミン、例えば、アニリンであってよい。しかしながら、使用されるアミンは、同時に、脂肪族、脂環式、及び芳香族置換基を有することもできる。更に、ヘテロ環式化合物、例えばピリジンを使用することも可能である。
【0030】
“ポリアミン”という用語は、本発明において、例えば、ジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類など、及び類似のN−アルキルポリアミン類及びN,N−ジアルキルポリアミンも包含する。それらの例とは、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、へキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、及び高級ポリアミン類である。特に好ましいポリアミン類は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、及びジメチルアミノプロピルアミンである。アンモニウム塩は、アンモニアの塩であり、特に、塩化アンモニウム、又は上述のアミン類又はポリアミン類と様々な無機酸又は有機酸との塩類、他の第四アンモニウム塩類である。
【0031】
シアナミド類は、シアナミド又はジシアナミド類であってよい。
【0032】
染料固着剤の合成に使用できるアルデヒドは、例えば、脂肪族アルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド;ジアルデヒド類、例えばグリオキサール;不飽和アルデヒド類、例えば、アクロレイン、クロトンアルデヒド;及び芳香族アルデヒド類、例えば、ベンズアルデヒドである。特に、脂肪族アルデヒド類、殊にホルムアルデヒドが選択される。
【0033】
使用される染料固着剤は、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)をベースとするホモポリマー及びコポリマー(例えば、染料固着剤DF5、DF6及びDF7)であってもよい。
【0034】
DADMACをベースとするコポリマーは、更なる成分として、その他のビニルモノマー類、例えば、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸/エステル、アクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)などを含む。DADMACをベースとするホモポリマーは、(Clariantからの)商品名Dodigen(登録商標)3954、Dodigen(登録商標)4033及びGenamin PDACの下で得られる。
【0035】
漂白剤系、例えば、無機過酸素化合物のような、特に、過酸化水素、及び溶解して水中で過酸化水素を放出する、例えば過ホウ化ナトリウム、及びペルヒドロ化炭酸ナトリウム、及びそれらの混合物のような固体の過酸素化合物、及びそれらの混合物;及び漂白活性剤、例えば、N−又はO−アシル化合物のクラスの物質からのもの、例えば、ポリアシル化アルキレンジアミン、特に、テトラアセチルエチレンジアミン及びテトラアセチルグリコウリル、N−アシル化ヒダントイン、ヒドラジド、トリアゾール、ヒドロトリアジン、ウラゾール、ジケトピペラジン、スルフリルアミド(sulfurylamides)及びシアヌレート、及びカルボン酸無水物、特に無水フタル酸および置換された無水マレイン酸、カルボン酸エステル、特に、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS)、イソノナノイルオキシ−ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ISONOBS)、及びペンタアセチルグルコースのようなアシル化糖誘導体、及びそれらの混合物。
【0036】
殺生物剤は、表面上に存在する微生物を殺すか又は除去することによってそれらを低減又は排除する能力を有する公知のいずれかの成分である。ここで有用な殺生物剤には、アルコール類、アルデヒド類、ホルムアルデヒド放出化合物、フェノール類、酸エステルカルバメート類、アミド類、ジベンズアミジン類、ピリジン誘導体、及び関連化合物、アゾール、ヘテロ環式N,S化合物、Nハロアルキルチオ化合物、活性化ハロゲン原子を有する化合物、表面活性化剤、有機金属化合物、チオシアナート、ビフェニル、トリアジン、酸化剤及びそれらの混合物が包含される。
【0037】
適当な有機ビルダー及び無機ビルダーは、カルシウムイオンを析出させるか、又はカルシウムイオンと結合して錯体を形成する、中性又は、特に、アルカリ性の塩である。適当な、そして特に環境保護上許容可能なビルダー物質は、例えば、微細な結晶性の、合成含水ゼオライト、好ましくはタイプNaAであり、100〜200mgの範囲内のCaO/gのカルシウム結合能を有し、それらが優先して使用される。ゼオライト及びフィロシリケートは、組成物中に20重量%までの量で存在することができる。使用できる有機ビルダーは、例えば、アミノカルボン酸、オルガノアミノホスホン酸化合物、及びそれらの混合物からなる群である。酸性であるこれらの化合物は例えば、ホスホン酸又はカルボン酸の官能性を有し、それらの酸性の形態又は適当な対カチオン、例えばアルカリ又はアルカリ金属イオン、アンモニウム、又は置換されたアンモニウムイオン、との錯体/塩として、又はそれらの混合物のいずれかで存在することができる。ここでの使用に適した化合物には、アミノカルボン酸、例えば、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−ジグルタミン酸、2−ヒドロキシプロピレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸(triethylenetetraamine hexacetic acid)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸又はエタノールジグリシンが包含される。ここでの使用に適したその他の化合物は、オルガノアミノホスホン酸、例えば、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETMP)、1−ヒドロキシエタン1,1−ジホスホン酸(HEDP)又はヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸を含む。高分子カルボキレート及びそれらの塩も使用可能である。これらには、例えば、ホモポリマー又はコポリマーのポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、及び特に、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、及びポリビニルピロリドン及びウレタンの塩も包含される。遊離酸に基づいて、ホモポリマーの相対分子量は、一般に、1000〜100,000であり、コポリマーの場合には2000〜200,000、好ましくは50,000〜120,000であり、特に、例えば、約1%の糖ポリアリルエーテルで架橋されており、そして、1,000,000以上の相対分子量を有する水溶性ポリアクリレートが適している。それらの例は、商品名Carbopol(登録商標)940及び941の下で得られるポリマー類である。
【0038】
本発明の更に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、追加的に、一つ又はより多くの溶媒、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールの低級アルキルエーテルを含む。“低級アルキル”とは、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0039】
一般に、追加的に存在する少量の使用濃厚物は、“洗浄補助剤”という用語で要約できる添加剤成分であり、それ故、異なる活性物質の群、例えば、酵素、特にプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びマンナナーゼ;酵素安定剤;保存料;増泡剤;発泡防止剤、例えば、シリコーンオイル又はパラフィン;腐敗防止剤;光学的光沢剤;真珠光沢剤;UV吸収剤;アルカリ;屈水性化合物(hydrotropic compounds);酸化防止剤;溶媒;エキステンダー;分散剤;退色防止剤(graying inhibitor);柔軟剤;帯電防止剤;染料及び香料を含む。
【0040】
適当な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びそれらの混合物からのものである。それらの割合は、0.2〜1重量%であることができる。酵素は、支持物質に吸着及び/又はコーティング物質中に埋設させることができる。
【0041】
適当な保存料は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、ペンタンジオール又はソルビン酸である。
【0042】
適当な真珠光沢剤は、例えば、グリセリンジステアリンエステル、例えば、エチレングリコールジステアレートであるが、脂肪酸モノグリコールエステルである。
【0043】
適当な塩又はエキステンダーは、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)、塩化マグネシウム、又は硫酸マグネシウムである。
【0044】
本発明の更に好ましい実施形態において、ゲル界面活性剤組成物は、水、非イオン性界面活性剤、及びC−C22−アルキル−又はC−C22−アルケニル−ジメチル−ヒドロキシ−エチルアンモニウム化合物からなる。
【0045】
本発明による生成物は、非常に良好な貯蔵安定性及び洗浄性により優れている。特許請求の範囲に記載の組成物は、ゲル形態にあり、好ましくはタブレットとして存在する。
【0046】
本発明のゲル界面活性剤組成物は、好ましくは透明である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の実施例は、本発明をそれらに限定することなく、本発明をより詳細に示すものである。全ての量は%(w/w)として示されている。
【実施例】
【0048】


【0049】
1〜10までの組成物を、次のように調製した。ノニオン性成分を35〜40℃まで加熱し、それから、第四アンモニウム化合物の水溶液に添加した。続いて、必要な場合には、添加剤を35〜40℃で添加した。この混合物を80〜85℃に加熱し、そして均質化が完了するまでこの温度で撹拌した。最後に、組成物を適当な鋳型に注入し、そして室温まで冷却した。これらの例に示されるように、組成物の全てはゲル状のものである。
【0050】
比較例A

比較例B

【0051】
比較例A及びBを次のように調整した。ノニオン性成分を、35〜40℃に加熱し、それから第四アンモニウム化合物に添加した。この混合物を80〜85℃まで加熱し、1時間この温度で撹拌した。最後に組成物を適当な鋳型に注入し、そして室温まで冷却した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、ノニオン性界面活性剤1〜50重量%、及びC−C22−アルキル−又はC−C22−アルケニル−ジメチル−ヒドロキシ−エチルアンモニウム化合物から選択されるカチオン性化合物20〜50重量%を含む、ゲル界面活性剤組成物。
【請求項2】
定常状態のときに流動を示さないことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも20重量%の量の水を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ノニオン性界面活性剤が、C−C18−アルカノールと、3〜30モル、より好ましくは3〜15モル、さらに好ましくは3〜10モルのエチレン/プロピレンオキシドとの縮合生成物、又は6〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノール1モルと、3〜30モル、より好ましくは3〜15モル、さらに好ましくは3〜10モルのエチレン/プロピレンオキシドとの縮合生成物、又は同等にそれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項5】
前記ノニオン性界面活性剤が、1〜40重量%の量で存在している、請求項1〜4のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項6】
前記ノニオン性界面活性剤が、40.1〜50重量%の量で存在している、請求項1〜4のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項7】
前記カチオン性化合物が、20〜30重量%の量で存在している、請求項1〜6のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項8】
前記カチオン性化合物が、30.1〜50重量%の量で存在している、請求項1〜6のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項9】
追加的に、一つ又はより多くの両性界面活性剤を0.1〜20重量%含む、請求項1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項10】
追加的に、更なる添加剤及び補助剤を含む、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項11】
追加的に、一つ又はより多くの溶媒、優先的にエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールの低級アルキルエーテル類を含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項12】
水、非イオン性界面活性剤、及びC−C22−アルキル−又はC−C22−アルケニル−ジメチル−ヒドロキシ−エチルアンモニウム化合物からなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
透明であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の組成物。

【公表番号】特表2012−500872(P2012−500872A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524265(P2011−524265)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006266
【国際公開番号】WO2010/022975
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(509003368)クラリアント・(ブラジル)・ソシエダッド・アノニマ (4)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】