説明

ゲージ装置を熱的に補償するための方法及び熱的に補償されるゲージステーション

トランスデューサを有するゲージ装置(1)における熱ドリフト補償方法は、較正動作の過程で、ゲージ装置(1)の温度(T)の変化時に熱補償係数(K)の値を決定して記憶するステップと、ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)を検出するステップと、ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)を検出するステップと、ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)とゲージ装置(1)の現在の読取値(X)との両方に応じて、較正動作の過程で既に決定されて記憶された熱補償係数(K)の値を用いて熱補償係数(K)の現在の値を決定するステップと、ゲージ動作の過程で、熱補償係数(K)の現在の値を用いてゲージ装置(1)の現在の読取値(X)を補正するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲージ装置を熱的に補償するための方法、及び、熱的に補償されるゲージステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
位置センサなどのゲージ装置によって与えられる情報は、とりわけ、環境温度によって影響される。これは、温度変化が、位置センサの金属構成部品における避けられない熱変形、及び位置センサの電気回路の電気抵抗における避けられない変化の両方によってもたらされる、いわゆる熱ドリフトを引き起こすからである。センサを温度変化にあまり感応させないようにするため、熱変形及び電気抵抗変化が限られた材料を用いて位置センサを実装することができる。しかしながら、温度変化の影響に全く感応しないゲージ装置を得ることはできない。
【0003】
高精度ゲージ装置及びセンサでは、センサによって与えられる読取値の補償を環境温度に応じて行なうことが知られている。例えば、US5689447A1は、LVDT型、すなわち、「LVDT」(線形可変差動変圧器)誘導トランスデューサを含むゲージヘッド又は位置センサを開示している。この場合、環境温度の影響を考慮に入れるセンサにより与えられる読取値の熱的な補償が行なわれる。US6844720B1及びUS6931749B2は、LVDT型の位置センサの熱的補償の更なる例を開示している。
【0004】
しかしながら、熱補償係数の値を決定するための既知の方法(例えば、特許US5689447A1に記載されるタイプと同じタイプの方法)は、非常に並外れた概算を伴い、したがって、非常に正確な補償を達成することができない。その結果、既知の方法を、極めて高い精度を必要とするゲージ用途に適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許US5689447A1
【特許文献2】米国特許US6844720B1
【特許文献3】米国特許US6931749B2
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、ゲージ装置を熱的に補償するための方法及び熱的に補償されるゲージステーションであって、前述した欠点を有さず、容易に且つ安価に実施できる方法及びステーションを提供することである。
【0007】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載される、ゲージ装置を熱的に補償するための方法及び熱的に補償されるゲージステーションが提供される。
【0008】
ここで、非限定的な一例として与えられる数枚の添付図面を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】明確にするために一部の部品が除去された、熱的に補償される位置センサのための較正ステーションの簡略正面図である。
【図2】明確にするために一部の部品が除去された、図1の較正ステーションの簡略側面図である。
【図3】熱補償係数の値を決定する段階中の図1の較正ステーションに位置される位置センサの温度の時間変化を示すグラフである。
【図4】熱補償係数によってとられる値の一例を示す三次元グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1において、参照符号1は、全体として、ゲージ装置、例えば、例えば米国特許US6931749B1に記載されるタイプと同じタイプのLVDT(線形可変差動変圧器)型線形トランスデューサを含む位置センサを示している。ゲージ装置又は位置センサ1は、固定部2と、フィーラを支持して固定部に対して移動できる可動要素、より具体的にはスライダ3とを含む。位置センサ1のトランスデューサは、固定部2及び可動要素すなわちスライダ3にそれぞれ接続される巻線及び可動コア(それ自体知られており、したがって、添付図面に示されていない)を含んでおり、強度を変えることができる電圧を有し且つ可動スライダ3の位置に依存する交流電気信号を供給するように適合されている。位置センサ1のトランスデューサの巻線は、参照符号4を伴って図1に概略的に示される電気回路の一部であり、該電気回路は、交流電圧が供給されるとともに、可動スライダ3の位置に応じた可変インダクタンスを有する。
【0011】
位置センサ1は、結合ケーブルと、トランスデューサとゲージユニット6との間に電気的な接続を形成するために使用される電気コネクタ5とを含み、ゲージユニット6は、位置センサ1のスライダ3の正確な位置を決定するために位置センサ1のトランスデューサによって与えられる読取値を検出するように適合されている。ゲージ装置又は位置センサ1及び対応するゲージユニット6は、全体として見ると、ゲージステーションを形成する。
【0012】
また、電気コネクタ5は、ゲージユニット6によって読み取ることができるデジタルメモリ7も含む。デジタルメモリ7は、コネクタ5に対して取り外し不能に固定される(すなわち、デジタルメモリがコネクタ5内に分離不可能に組み込まれる)のが好ましい。電気コネクタ5は、位置センサ1に交流供給電圧を供給するための一対の供給端子と、強度を変えることができる電圧を有し且つ可動スライダ3の位置に依存する交流電気信号を供給する一対のアナログ端子と、デジタルメモリ7の内容を読み取るために使用できる一対のデジタル端子とを含む。勿論、3つの端子対は単一のアース端子を共有でき、したがって、ちょうど4つの異なる端子が存在し得る。ここに示されない異なる実施形態によれば、デジタルメモリ7をセンサ1のケーシング又は他の部分に対して取り外し不能に接続でき、及び/又は、デジタルメモリは、ゲージユニット6と通信できるようにするための例えばトランスポンダ技術に基づく無線通信装置を含むことができる。この後者の実施形態では、勿論、デジタル端子を省くことができる。
【0013】
ゲージユニット6は、位置センサ1の現在の温度T及び位置センサ1の(すなわち、位置センサ1のスライダ3の位置の)読取値Xの両方に応じて熱補償係数Kの値を決定するように適合されている。位置センサ1のスライダ3の位置の正確な読取を行なうために、ゲージユニット6は、位置センサ1の読取値Xを検出して、位置センサ1の現在の温度Tを検出するとともに、熱補償係数Kの現在の値を決定して、熱補償係数Kの現在の値を適用することにより位置センサ1の読取値Xを補償する。熱補償係数Kが加法タイプを成すことができ、それにより、熱補償係数を位置センサ1の読取値Xに対して代数的に加えることができ、あるいは、熱補償係数が乗法タイプを成すことができ、それにより、位置センサ1の読取値Xを熱補償係数に掛け合わせることができることを指摘することは重要である。
【0014】
好ましい実施形態によれば、ゲージユニット6は、位置センサ1のトランスデューサの電気回路4の現在の電気抵抗に応じて位置センサ1の現在の温度Tを検出する。すなわち、ゲージユニット6は、位置センサ1のトランスデューサの電気回路4に対して、電気回路4の現在の電気抵抗の値を決定できるようにし且つ可動スライダ3の位置に応じた強度可変電圧を有する交流電気信号に何ら影響を及ぼさない直流供給電圧を供給する。
【0015】
デジタルメモリ7は、値の複数の三つ組を含む補償係数Kのテーブル9を記憶し、三つ組のそれぞれは、位置センサ1の温度Tの決定された値及び位置センサ1の読取値Xの決定された値における補償係数Kの値を与える。想定し得る実施形態によれば、補償係数Kのテーブル9は、値の20個の決定された三つ組を含み、それぞれの三つ組は、位置センサ1の温度Tの4つの異なる値(一般的には、10℃、20℃、30℃、40℃)のうちの1つと位置センサ1の読取値Xの5つの異なる値のうちの1つとに対応する、補償係数Kの値を示している。位置センサ1の読取値Xの5つの異なる値は、位置センサ1の2つの端部位置と、位置センサ1の中心位置と、位置センサ1の2つの中間位置とに対応しており、中間位置のそれぞれは、位置センサ1の中心位置と位置センサ1のそれぞれの端部位置との間に含まれる。
【0016】
位置センサ1の現在の温度Tがテーブル9中の2つの隣り合う値同士の間に含まれ、及び/又は、位置センサ1の現在の読取値Xがテーブル9中の2つの隣り合う値同士の間に含まれる場合には、対応する補償係数Kの値を計算するために(例えば、ラグランジュ多項式を使用して)数学的補間演算が行なわれる。
【0017】
図4のグラフにおいて、テーブル9の値の三つ組は、特定の温度Tで位置センサ1の特定の読取値Xを熱的に補償するために使用されるべき補償係数Kを特定できるようにする表面Sの点に対応する。
【0018】
補償係数Kのテーブル9をそれぞれの位置センサ1毎に形成することができる。このようにすると、補償係数が単一の位置センサ1の特定の特徴の全てを考慮に入れるため、テーブル9に含まれる補償係数Kの値が更に正確になるが、マイナス面は、各位置センサ1に較正動作を施す必要があるということである。別の方法として、補償係数Kのテーブル9を特定の一群の位置センサ1に関して形成することができる。このようにすると、各位置センサ1に特定の較正動作を施す必要がないが、テーブル9に含まれる補償係数Kの値は、各位置センサ1の実際の値ではなく、特定の一群の位置センサ1の平均値を示す。
【0019】
同等な実施形態によれば、デジタルメモリ7は、補償係数Kの値の単一の三つ組の値を記憶せず、補償係数Kの値の三つ組を補間する関数(例えば、多項式関数)のパラメータの値を記憶する。この関数は、位置センサ1の温度Tの値及び位置センサ1の読取値Xの両方の関数として補償係数Kの値を与えるように適合されている。
【0020】
以下、補償係数Kのテーブル9を形成するための較正動作について説明する。
【0021】
補償係数Kのテーブル9を形成するため、位置センサ1は、環境温度を非常に正確に調整できる気候室の内側に収容される較正ステーション10内に位置される。較正ステーション10は、位置センサ1の固定部2がネジ13により固定される上側要素12と、位置センサ1のスライダ3と協働する下側要素14とを備える、C形状ロック装置11を含む。特に、下側要素14は、ネジ付き貫通穴16を通じて捩じ込まれ且つ位置センサ1のスライダ3の自由端が当接する当接部を形成する、ネジ15を含む。ネジ15を穴16に捩じ込んだり緩めたりすることにより、ネジ15の軸方向位置が変化し、したがって、位置センサ1のスライダ3と固定部2との間の相対的な位置も変化する。
【0022】
なお、ネジ15は、位置センサ1(すなわち、位置センサ1のスライダ3)を所望の較正位置でロックできる。
【0023】
位置センサ1がそれぞれの所定の較正位置で較正ステーション10内に位置されると、補償係数Kのテーブル9の値の三つ組中に挿入される位置センサ1の読取値Xが検出される。より具体的には、位置センサ1(すなわち、位置センサ1のスライダ3)は、位置センサ1の読取値Xによって特定されるそれぞれの所定の較正位置に位置されてロックされる。位置センサ1をそれぞれの所定の較正位置に正確に位置させて(これは、ミクロン程度の精度が必要とされるため、非常に困難な動作である)ロックする必要はなく、位置センサ1を所定の較正位置の近傍に位置させてロックさせれば十分である。このため、位置センサ1が所定の較正位置に位置されてロックされると、実際の較正位置(所定の較正位置の近傍にあるが、実に稀で偶発的なケースでは所定の較正位置に正確に対応する)を決定するために−以下で更に詳しく説明されるように−位置センサ1の対応する読取値Xがその後に既知の所定の基準温度Trefで検出される。
【0024】
位置センサ1(すなわち、位置センサ1のスライダ3)が所定の較正位置のうちの1つに位置されてロックされると、まず最初に、位置センサ1の対応する読取値Xが位置センサ1の温度Trefで検出される。すなわち、位置センサ1の温度T(つまり、較正ステーション10を収容する気候室の内部温度)が既に前述した基準温度Trefに等しくなるように調整され、また、位置センサ1の現在の温度Tが基準温度Trefに等しく定常状態であるときには、位置センサ1の読取値Xが基準温度Trefで検出される。その後、位置センサ1の現在の温度Tが定常状態で全ての設定値(一般的には、10℃、20℃、30℃、40℃)をとるように位置センサ1の温度T(較正ステーション10を収容する気候室の内部温度を意味する)が段階的に変えられる。
【0025】
図3は、較正ステーション10内に位置される位置センサ1の現在の温度の段階的な時間変化の一例を示すグラフである。位置センサ1の現在の温度Tのそれぞれの値は、位置センサ1の全ての構成要素を熱的に安定させることができるように3時間にわたって維持されるのが好ましい。位置センサ1の現在の温度Tの各段階では、位置センサ1の現在の温度Tが定常状態にあると、位置センサ1の読取値Xの値が検出されるとともに、この読取値Xの値と基準温度Trefでの位置センサ1の読取値Xとを比較することにより、補償係数Kの値が決定される。このようにして、値の対応する三つ組を形成するために、位置センサ1の温度T、読取値X、及び、補償係数Kの3つの値が決定される。より具体的には、値の三つ組は、位置センサ1の現在の温度Tの段階の最後に、すなわち、位置センサ1の全ての構成要素が熱的に安定したときに決定される。本発明の好ましい実施形態によれば、係数Kが加法タイプであり、係数Kが数学的符号を有する(係数がプラス又はマイナスの値となり得ることを意味する)とともに、係数Kは、位置センサ1の現在の温度での読取値Xと位置センサ1の基準温度Trefでの読取値Xとの間の差として計算される。
【0026】
位置センサ1の現在の温度の段階的な時間変化が終了すると、位置センサ1(すなわち、位置センサ1のスライダ3)は、全ての所定の較正位置が達成されるまで、基準温度Trefでの位置センサ1の新たな読取値Xにより検出される新たな所定の較正位置に位置される。図3のグラフに詳しく示される好ましい実施形態によれば、位置センサ1(すなわち、位置センサ1のスライダ3)が較正位置に位置されると、位置センサ1は、位置センサ1の温度Tが設定最小値と設定最大値との間(10℃〜40℃を意味する)で変化するように温度安定サイクルに晒される。前記温度安定サイクルの目的は、位置センサ1の構成要素の全ての機械的ヒステリシスの安定化を可能にすることである。
【0027】
また、好ましい実施形態によれば、位置センサ1の現在の温度Tは、位置センサ1のトランスデューサの電気回路4の現在の電気抵抗に応じて検出される。より具体的には、位置センサ1のトランスデューサの電気回路4には、電気回路4の構成要素の現在の電気抵抗の値を決定できるようにする連続供給電圧が供給される。この電圧は、可動スライダ3の位置に応じて変化し得る強度の電圧を有する交流電気信号に何ら影響を及ぼさない。なお、位置センサ1の現在の温度Tは、補償係数Kのテーブル9を形成するための較正動作中及び位置センサ1の実際の作動中の両方において、位置センサ1のトランスデューサの電気回路4の現在の電気抵抗に応じて検出される。このようにして、位置センサ1の現在の温度Tを検出するために同じ方法及び同じ構成要素を使用することにより、位置センサ1の現在の温度Tの検出中にもたらされる想定し得るシステマチックな誤差が、補償係数Kの生成中及び補償係数Kの使用中の両方において同様に繰り返し、したがって、それらが適切な熱補償処理に影響を与えない。
【0028】
異なる実施形態によれば、位置センサ1の現在の温度Tは、電気回路4とは別個の独立した温度センサ(例えば、サーミスタ又は熱電対)であって、位置センサ1の固定部2に対して固定され得る温度センサにより検出することができる。
【0029】
前述した例において、ゲージ装置は、軸方向に移動できるスライダ3により支持されるフィーラを有するとともに、LVDT型の誘導線形トランスデューサを含む位置センサ1である。本発明の想定し得る別の実施形態によれば、ゲージ装置は、異なる機械的特徴を有することができ、及び/又は、異なる種類の誘導線形トランスデューサ(例えば、「ハーフブリッジ」又はHBTトランスデューサ)又は非誘導線形トランスデューサを含むことができる。想定し得る機械的な別の手段として、前述した特許US5689447のゲージヘッドに実質的に示されるように、フィーラを、固定部に対して支点を中心に回動するように適合されている可動要素によって支持することができる。
【0030】
前述した補償方法は、容易に且つ安価に実施できるため、多くの利点を与えるとともに、とりわけ、極めて高い精度を必要とするゲージ用途に適用することもできる非常に正確な補償を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正動作の過程で、ゲージ装置(1)の温度(T)の変化時に熱補償係数(K)の値を決定して記憶するステップと、
ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)を検出するステップと、
ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)を検出するステップと、
ゲージ動作の過程で、較正動作の過程で既に決定されて記憶された熱補償係数(K)の前記値を用いて熱補償係数(K)の現在の値を決定するステップと、
ゲージ動作の過程で、熱補償係数(K)の現在の値を用いてゲージ装置(1)の現在の読取値(X)を補正するステップと、
を含む、ゲージ装置(1)を熱的に補償するための方法であって、
ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)とゲージ装置(1)の現在の読取値(X)とに応じて、熱補償係数(K)の現在の値を決定する更なるステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
較正動作の過程で、値の複数の三つ組を含む熱補償係数(K)の値のテーブル(9)を形成する更なるステップを含み、値の前記三つ組のそれぞれは、ゲージ装置(1)の温度(T)の決定された値及びゲージ装置(1)の読取値(X)の決定された値における補償係数(K)の値を与える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
較正動作の過程で補償係数(K)の値のテーブル(9)を形成するステップは、
ゲージ装置(1)の温度の制御された変化を引き起こす更なるステップと、
ゲージ装置(1)が所定の較正位置に配置されるときに、所定の温度(T)での基準温度(Tref)に対するゲージ装置(1)の読取値(X)の変化を検出する更なるステップと、
ゲージ装置(1)の読取値(X)の検出された変化のそれぞれを使用して、ゲージ装置(1)の対応する読取値(X)とゲージ装置(1)の対応する温度(T)とに関連付けられる熱補償係数(K)の値を得る更なるステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基準温度(Tref)でのゲージ装置(1)の読取値(X)に基づいてゲージ装置(1)の所定の較正位置を規定する更なるステップを含む、請求項3に記載の補償方法。
【請求項5】
補償係数(K)の値のテーブル(9)をゲージ装置(1)のデジタルメモリ(7)内に記憶する更なるステップを含む、請求項2、3、又は、4に記載の方法。
【請求項6】
補償係数(K)の値のテーブル(9)を備えるデジタルメモリ(7)をゲージ装置(1)の電気コネクタ(5)内に配置する更なるステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)が前記テーブル(9)中の2つの隣り合う値同士の間に含まれ、及び/又は、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)が前記テーブル(9)中の2つの隣り合う値同士の間に含まれるときに、補償係数(K)の現在の値を計算するために数学的補間演算を行なう更なるステップを含む、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
較正動作の過程で補償係数(K)の値のテーブル(9)を形成するステップは、
少なくとも2つの所定の較正位置を規定する更なるステップと、
所定の較正位置のそれぞれにゲージ装置(1)を配置してロックする更なるステップと、
ゲージ装置(1)の現在の温度(T)が定常状態で全ての設定値をとるようにゲージ装置(1)の温度(T)を段階的に変える更なるステップと、
ゲージ装置(1)の温度(T)が定常状態にあるときに、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)の値、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)の値、及び、補償係数(K)の値を決定して、値の対応する三つ組を生成する更なるステップと、
を含む、請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
較正動作の過程で補償係数(K)の値のテーブル(9)を形成するステップは、ゲージ装置(1)が前記所定の較正位置のうちの1つに配置されると、ゲージ装置(1)の温度(T)が設定最小値と設定最大値との間で変化される温度安定サイクルに対してゲージ装置(1)を晒す更なるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トランスデューサを含むゲージ装置(1)において、較正動作の過程でゲージ装置(1)の現在の温度(T)の値を決定するステップは、
ゲージ装置(1)のトランスデューサの電気回路(4)の現在の電気抵抗を決定する更なるステップと、
ゲージ装置(1)のトランスデューサの電気回路(4)の現在の電気抵抗に応じてゲージ装置(1)の現在の温度(T)の前記値を決定する更なるステップと、
を含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ゲージ動作の過程でゲージ装置(1)の現在の温度(T)を検出するステップは、
ゲージ装置(1)のトランスデューサの電気回路(4)の現在の電気抵抗を決定する更なるステップと、
ゲージ装置(1)のトランスデューサの電気回路(4)の現在の電気抵抗に応じてゲージ装置(1)の前記現在の温度(T)を決定する更なるステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
固定部(2)と、可動要素(3)と、可動要素(3)の位置に応じて電気信号を供給するように適合されているトランスデューサとを有するゲージ装置(1)と、
ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)と、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)とを検出して、ゲージ動作の過程で、較正動作の過程において既に決定されて記憶された熱補償係数(K)の値を利用することにより熱補償係数(K)の現在の値を決定し、及び、ゲージ動作の過程で、熱補償係数(K)の現在の値により、ゲージ装置(1)の現在の読取値(X)を補正するためのゲージユニット(6)と、
を備える、熱的に補償されるゲージステーションであって、
ゲージユニット(6)は、ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)の現在の温度(T)とゲージ装置(1)の現在の読取値(X)とに応じて熱補償係数(K)の現在の値を決定することを特徴とする、熱的に補償されるゲージステーション。
【請求項13】
値の複数の三つ組を含む補償係数(K)の値のテーブル(9)を記憶するデジタルメモリ(7)を更に含み、前記三つ組のそれぞれは、ゲージ装置(1)の温度(T)の決定された値及びゲージ装置(1)の読取値(X)の決定された値における補償係数(K)の値を与える、請求項12に記載のゲージステーション。
【請求項14】
前記デジタルメモリ(7)がゲージ装置(1)の電気コネクタ(5)内に配置される、請求項13に記載のゲージステーション。
【請求項15】
ゲージユニット(6)は、ゲージ動作の過程で、ゲージ装置(1)のトランスデューサの電気回路(4)の現在の電気抵抗に応じてゲージ装置(1)の現在の温度(T)を決定する、請求項12、13、又は、14に記載のゲージステーション。
【請求項16】
ゲージ装置(1)の前記可動要素は、固定部(2)に対して軸方向に移動できるスライダ(3)である、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載のゲージステーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−527424(P2011−527424A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517163(P2011−517163)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058774
【国際公開番号】WO2010/004011
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(500200708)マーポス、ソチエタ、ペル、アツィオーニ (33)
【氏名又は名称原語表記】MARPOSS S.P.A.
【Fターム(参考)】