説明

ゲーム制御プログラム、ゲーム装置、及びゲーム制御方法

【課題】タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、キャラクタを移動させるゲームを実現する。
【解決手段】受付部41は、所定の軌道を繰り返しなぞるプレーヤからの操作入力を受け付ける。軌跡長算出部44は、受付部41により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが軌道を1周なぞる操作を行う毎に、プレーヤが操作表示部10を実際になぞった軌跡の長さである左単位軌跡長LL及び右単位軌跡長RLを算出する。移動距離算出部45は、左単位軌跡長LL及び右単位軌跡長RLを基に、ゲーム空間内におけるキャラクタの1ストロークあたりの移動距離である単位移動距離TLを算出する。移動部46は、単位移動距離TLが算出される毎に、ゲーム空間内において、単位移動距離TL分、基準方向に沿ってキャラクタCAを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置がゲームの進行を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の表示部を備える携帯電話機が普及している(例えばi−phone(登録商標))。この携帯電話機では、ユーザは、全ての操作をタッチパネルにタッチすることで行うことができる。そのため、テンキー等の物理的なボタンを携帯電話機に設ける必要がなく、シンプルな外観が実現されている。また、この携帯電話機では、タッチパネル上を指でなぞったり、指で軽く押したりという操作が基本となる、つまり、押す操作に加えてなぞるという操作が新たに加わっているため、押す操作が基本であった従来の携帯電話機に比べて、斬新なユーザーインターフェイスが実現されている。
【0003】
そして、このタッチパネル式の表示部を備える携帯電話機は、従来の携帯電話機と同様、ゲームを行うことが可能であり、この斬新なユーザーインターフェイスを活かしたゲームの開発が注目されている。
【0004】
ところで、従来のゲーム装置として、タッチパネル式の表示部を備え、表示画面上でタッチペンをなぞるように動かすことで、ゲーム空間内でキャラクタを移動させることが可能なゲーム装置が知られている。
【0005】
例えば、特許文献1では、タッチペンの操作によって守備キャラクタを移動させ、打者キャラクタが打ち返したボールをこの守備キャラクタに捕球させる野球ゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3822217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のゲームは、タッチペンの使用が前提とされているため、指の操作を基本とするタッチパネル式の表示部を備える携帯電話機のユーザーインターフェイスの特徴を充分に活かすことはできない。例えば、画面に接触させるタッチペンの操作としては、単に操作対象のキャラクタ(守備キャラクタ)をその姿勢や形状のまま目標位置にまで移動させるものであって、比較的、単純な操作に留まるものであり、キャラクタ自体の動きや動作に関与するものではない。出願人はこの点に着目し、指の操作によってキャラクタ自体の複雑且つ微妙な動きを操作し得て、その操作の巧拙によるキャラクタの移動状態や移動結果に基づき評価や対戦相手との勝敗が決定されるようなシステムを構築することで、従来にない興趣性に満ちたゲームを実現できると考えた。
【0008】
本発明の目的は、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、キャラクタ自体の動きや動作を操作し、その動作に基づいて移動速度や移動距離等を変化させるゲームを実現することができるゲーム制御プログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の一局面によるゲーム制御プログラムは、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置にゲームの進行を制御させるゲーム制御プログラムであって、前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付手段と、所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御手段と、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出手段と、前記軌跡長算出手段により算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出手段と、前記移動距離算出手段により算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動手段としてゲーム装置を機能させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の一局面によるゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置であって、前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付手段と、所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御手段と、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出手段と、前記軌跡長算出手段により算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出手段と、前記移動距離算出手段により算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動手段としてゲーム装置を機能させる特徴とする。
【0011】
また、本発明の別の一局面によるゲーム制御方法は、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置がゲームの進行を制御するゲーム制御方法であって、前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、前記ゲーム装置が、前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付ステップと、前記ゲーム装置が、所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付ステップにより受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御ステップと、前記ゲーム装置が、前記受付ステップにより受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出ステップと、前記ゲーム装置が、前記軌跡長算出ステップにより算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記ゲーム装置が、前記移動距離算出ステップにより算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
これらの構成によれば、プレーヤは、所定の軌道を指で繰り返し接触移動させる(なぞる)操作を行うと、その操作に応じて表示部に表示されるキャラクタの表示態様が変化する。また、プレーヤが所定の軌道をなぞる操作を行うと、プレーヤが表示部を実際になぞった軌跡の長さである軌跡長が算出される。
【0013】
そして、算出された軌跡長を基に、ゲーム空間内におけるキャラクタの移動距離が算出される。そして、ゲーム空間内において、キャラクタが移動距離に従って移動される。
【0014】
すなわち、プレーヤは、所定の軌道をなぞったときの軌跡長を長くする、つまり、表示部に指を接触移動させる距離を長くするほど、キャラクタの移動速度を速くすることができる。
【0015】
よって、プレーヤには、指を接触移動させる距離を確保すると同時に、軌道をなぞる回数を多くすることが要求され、これがゲームの面白みになっている。
【0016】
従来の水泳ゲームや陸上競技ゲームでは、表示画面上をなぞるという操作がないため、プレーヤにこのような要求が課されることはない。また、特許文献1に示すゲームは守備キャラクタをタッチペンで目標位置まで移動させるものであり、所定の軌道を繰り返しなぞるようなものではないため、プレーヤにこのような要求が課されることはない。
【0017】
したがって、上記構成によれば、表示部を指で繰り返しなぞるという操作を行うことでキャラクタを移動させることができ、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、キャラクタ自体の動きや動作を操作し、その動作に基づいて移動速度や移動距離等を変化させるゲームを実現することができる。
【0018】
(2)前記キャラクタは人間を模したものであり、前記表示制御手段は、プレーヤが指で前記軌道を1周接触移動させる操作に連動して、前記キャラクタの左腕、右腕、左脚、及び右脚の少なくともいずれか1つが動作するように前記キャラクタの表示態様を変化させることが好ましい。なお、ここでいう1周とは、表示部へ指を接触させる始点から指を接触移動させ、再び始点に戻るまでの周回軌道を示す場合の他、表示部へ指を接触させる始点から指を接触移動させ、所定地点で指を表示部から離す終点までの区間を示す場合も含める。
【0019】
この構成によれば、プレーヤが所定の軌道を指でなぞる操作を行うと、1周なぞる毎に、このなぞる操作に連動して、キャラクタの左腕、右腕、左脚、及び右脚の少なくともいずれか1つが動作されるようにキャラクタの表示態様が変化される。
【0020】
これにより、プレーヤは、表示画面上をなぞる操作を行うことでキャラクタの体の一部(例えば腕)を個々に動作させることができ、あたかも直接、キャラクタの腕を動かすことでその体を移動(前進)させているかのような感覚を得ることができ、従来にはない興趣性を有するゲームを提供することができる。
【0021】
(3)前記軌跡長算出手段は、プレーヤが前記軌道を1周なぞる操作を行う毎に、プレーヤが前記表示部を実際に接触移動させた軌跡の長さである単位軌跡長を算出し、前記移動距離算出手段は、前記軌跡長算出手段により算出された単位軌跡長を基に、ゲーム空間内における前記キャラクタの1動作あたりの移動距離である単位移動距離を算出し、前記移動手段は、前記移動距離算出手段により算出された単位移動距離で前記キャラクタをゲーム空間内の所定の基準方向に沿って移動させることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、プレーヤが所定の軌道を1周なぞる操作を行う毎に、プレーヤが表示部を実際になぞった軌跡の長さである単位軌跡長が算出される。
【0023】
そして、算出された単位軌跡長を基に、ゲーム空間内におけるキャラクタの1動作あたりの移動距離である単位移動距離が算出される。そして、ゲーム空間内において、キャラクタが単位移動距離だけ移動される。
【0024】
つまり、プレーヤは所定の軌道をなぞる回数を多くするほど、単位移動距離の算出回数が多くなって、その分キャラクタの移動速度を速くすることができる。
【0025】
一方、プレーヤは、所定の軌道を1周なぞったときの軌跡長を長くする、つまり、表示部に指を接触移動させた距離を長くするほど、単位移動距離が長くなるため、キャラクタの移動速度を速くすることができる。
【0026】
(4)前記軌道は、左右一対の左軌道と右軌道とを含み、前記単位軌跡長は、前記左軌道に対応する左単位軌跡長と前記右軌道に対応する右単位軌跡長とを含み、前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを受け付け、前記軌跡長算出手段は、プレーヤが前記左軌道を1周接触移動させる毎に前記左単位軌跡長を算出し、プレーヤが前記右軌道を1周接触移動させる毎に前記右単位軌跡長を算出し、前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が増大する距離減少値を算出し、前記単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記単位移動距離を補正することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、左単位軌跡長と右単位軌跡長との差が増大するにつれて、すなわち、左指で表示部をなぞったときの接触移動距離と右指で表示部をなぞったときの接触移動距離とのバランスが悪くなるにつれて、単位移動距離が減少される。つまり、左右のバランスが悪いほど、キャラクタの進行も遅くなってしまうので、プレーヤには、左指と右指とをバランスよく動かすことが要求され、ゲームの面白みを更に増大させることができる。
【0028】
(5)前記表示制御手段は、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が所定の値より大きい場合において、前記左単位軌跡長が前記右単位軌跡長より短い場合は、前記キャラクタを所定の基準方向から左側に傾斜表示させ、前記右単位軌跡長が前記左単位軌跡長より短い場合は、前記キャラクタを前記基準方向から右側に傾斜表示させ、かつ、前記基準方向に前記キャラクタの残像を表示させることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、左単位軌跡長と右単位軌跡長との差が大きい場合、キャラクタの進行方向が基準方向からずれていることをプレーヤに報知することができる。これにより、プレーヤは左右の指の操作のバランスの悪さを視覚的に容易に認識することができ、操作を修正することができる。
【0030】
(6)前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを交互に受け付け、前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出すると共に、前記右単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出し、今回の左単位軌跡長と前回の右単位軌跡長との差又は今回の右単位軌跡長と前回の左単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が大きくなるように前記距離減少値を算出し、今回の単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記今回の単位移動距離を補正することが好ましい。
【0031】
この構成は、例えば水泳ゲームにおけるクロールや、陸上競技ゲームにおける100m走、トラック競技や、ゲーム内における匍匐前進等のキャラクタ操作に該当するもので、プレーヤは、左右の指を交互に動かすようになぞる操作を行うことでキャラクタを進行方向に移動させることができる。このとき、左右の指の動きのバランスが悪い場合は、キャラクタの単位移動距離が減少するように単位移動距離が算出される。
【0032】
(7)前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを同時に受け付け、前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長及び前記右単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出し、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が増大するように前記距離減少値を算出し、前記単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記単位移動距離を補正することが好ましい。
【0033】
この構成は、例えば水泳ゲームにおける平泳ぎ、バタフライや、ゲーム内におけるうさぎ跳び等のキャラクタ操作に該当するもので、プレーヤは、左指と右指とを左右対称に動かすことでキャラクタを移動させることができる。このとき、左右の指の動きのバランスが悪い場合は、キャラクタの単位移動距離が減少するように単位移動距離が算出される。
【0034】
(8)前記左軌道及び前記右軌道は、閉ループ形状を有し、前記移動距離算出手段は、プレーヤが前記表示部を実際に接触移動させた左右の指の軌跡の形状が前記閉ループ形状からずれた場合、前記単位移動距離が減少するように前記単位移動距離を補正することが好ましい。
【0035】
この構成は、例えば水泳ゲームにおける平泳ぎに該当するもので、左右の指の軌跡の形状が目標とする閉ループの形状からずれると、値が減少するように単位移動距離が算出される。そのため、プレーヤは、指の軌跡の形状が目標となる閉ループ形状になるように左右の指を動かすことが要求される。これによりゲームの面白みをより増大させることができる。
【0036】
(9)前記閉ループ形状は、直線と前記直線の両端を繋ぐ弧とを含み、前記移動距離算出手段は、プレーヤが前記弧を接触移動させる操作を開始したときの前記表示部における指の位置である弧開始点を検出し、前記弧開始点を基準として前記表示部の所定の位置に弧判定点を設定し、プレーヤが接触移動させた弧の軌跡が前記弧判定点の外側を通過した場合、当該軌跡の形状が前記閉ループ形状からずれていないと判定することが好ましい。
【0037】
この構成は、例えば水泳ゲームにおける平泳ぎに該当するものである。そして、プレーヤが弧をなぞる操作を開始したときの表示部における指の位置である弧開始点が検出され、弧開始点を基準として表示部の所定の位置に弧判定点が設定される。そして、プレーヤが実際になぞった弧の軌跡が弧判定点の外側を通過した場合に、弧の形状が閉ループからずれていないと判定される。
【0038】
そのため、プレーヤが実際になぞった弧の軌跡が弧判定点の外側を通過したか否かによって、当該軌跡の形状が閉ループからずれているか否かが判定され、処理の簡便化を図ることができる。
【0039】
(10)前記左軌道及び前記右軌道は線分であり、前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作が前記線分の終端までくると前記左指を前記表示画面上から離して前記線分の先端に戻す操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作が前記線分の終端までくると前記右指を前記表示画面上から離して前記線分の先端に戻す操作入力とを受け付け、前記移動距離算出手段は、前記左指が前記線分の先端に戻されて前記表示画面上に接触するタイミングと、前記右指が前記線分の先端に戻されて前記表示画面上に接触するタイミングとがずれた場合、前記単位移動距離が減少するように前記単位移動距離を補正することが好ましい。
【0040】
この構成は、例えば水泳ゲームにおけるバタフライに該当するもので、プレーヤは、左右の指が軌道となる線分の終端までくると、左右の指を表示画面上から離して軌道となる線分の先端に戻す操作を繰り返すことで、キャラクタを移動させる。このとき、左右の指を先端に戻したときのタイミング、すなわち、左右の指が表示画面に接触したときのタイミングがずれている場合、そのずれが大きいほど、単位移動距離が短くなる。
【0041】
そのため、プレーヤは左右の指をバランスよく動かすことが要求され、ゲームの面白みをより増大させることができる。
【0042】
(11)前記ゲームは水泳ゲームであり、左指を表示画面上で接触移動させる操作入力と右指を表示画面上で接触移動させる操作入力とが前記受付手段により交互に受け付けられた場合、プレーヤは前記キャラクタをクロールで泳がせていると判定し、左指と右指とが表示画面から離れないように接触移動されている操作入力が前記受付手段により受け付けられた場合、左指と右指とが表示画面からほぼ同時に離れた後、ほぼ同時に表示画面に接触する操作入力が前記受付手段により受け付けられた場合、前記プレーヤが前記キャラクタをバタフライで泳がせていると判定する判定手段として前記ゲーム装置を更に機能させることが好ましい。
【0043】
この構成によれば、プレーヤは、指の動作パターンを変更することで、キャラクタをクロール、平泳ぎ、及びバタフライのいずれかで泳がせることができ、キャラクタを操る自由度が増し、ゲームの面白みをより増大させることができる。
【0044】
(12)前記表示制御手段は、前記判定手段により前記キャラクタがクロールで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタがクロールで泳いでいるように表示させ、前記判定手段により前記キャラクタが平泳ぎで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタが平泳ぎで泳いでいるように表示させ、前記判定手段により前記キャラクタがバタフライで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタがバタフライで泳いでいるように表示させることが好ましい。
【0045】
この構成によれば、泳ぎの種類に応じた表示態様でキャラクタが表示されるため、プレーヤは速やかにキャラクタの現在の泳ぎを認識することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かし、プレーヤの指の操作によってキャラクタ自体の複雑且つ微妙な動きを操作し得て、その操作の巧拙によるキャラクタの移動状態や移動結果に基づく評価や対戦相手との勝敗が決定されるシステムを構築することで、従来にない興趣性に満ちたゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態によるゲーム装置を携帯電話機に適用した場合の携帯電話機のブロック図を示している。
【図2】クロールにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。
【図3】平泳ぎにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。
【図4】バタフライにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。
【図5】平泳ぎの場合に、移動距離算出部が、プレーヤが操作表示部を実際になぞった左右の指の軌跡の形状が平泳ぎの軌道の形からずれているか否かの判定処理を説明するための図である。
【図6】ゲーム空間内において、移動するキャラクタを示した模式図である。
【図7】図1に示す携帯電話機がゲーム装置として機能する場合のゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】クロール処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】表示制御部が操作表示部に表示する画像の一例を示した図である。
【図10】図7の平泳ぎ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図7に示すバタフライ処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、本発明の実施の形態によるゲーム装置を携帯電話機に適用した場合の携帯電話機のブロック図を示している。この携帯電話機は、タッチパネル式の表示部を備える携帯電話機である。
【0049】
携帯電話機が接続される携帯電話網としては、移動体通信事業者によって提供される例えばパケット通信網が使用され、携帯電話機とは各ユーザが契約している移動体通信事業者の基地局等を介して接続されている。
【0050】
なお、ゲーム装置としては、携帯電話機に限定されず、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Data Assistance)等の通信機能を備えた携帯端末を採用してもよい。
【0051】
また、以下の説明では、ゲームとしてプレーヤが水泳選手のキャラクタを操作して、ゴールに到達するまでの時間を競う水泳ゲームを採用する。
【0052】
図1に示す携帯電話機は、操作表示部10、通信部20、音声出力部30、制御部40、及び記憶部50を備えている。操作表示部10は、例えば、液晶パネルと液晶パネルの表示面上に貼り付けられたタッチパッドとにより構成されている。
【0053】
タッチパッドとしては、例えば静電容量方式のものや抵抗膜方式のものが採用され、プレーヤがタッチした表示画面上の位置を示す2次元データである位置信号を制御部40に出力する。制御部40は、この位置信号からプレーヤがタッチした表示画面上の位置を認識する。
【0054】
液晶パネルとしては、例えば、TFT(Thin Film Transistor)やSTN(Super Twisted Nematic)等の液晶パネルが用いられ、例えば4096色のカラー表示が可能である。なお、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro Luminescence)パネル等を採用してもよい。
【0055】
通信部20は、アンテナ21を備え、無線公衆回線を介しての着信や送信の回線制御及び音声データの送受信の他、サーバからゲーム制御プログラム等の各種データを受信する。具体的には、通信部20は、制御部40により生成された送信対象のデータを、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)等により拡散処理した後、QAM(Quadrature Amplitude phase Modulation)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等により変調して送信する処理や、受信したデータを復調した後、逆拡散処理し、得られたデータを制御部40に出力する処理を行う。
【0056】
音声出力部30は、圧電スピーカ等で構成され、通話時には通話音声を出力すると共に、ゲーム実行時にはゲーム音楽や効果音等を出力する。
【0057】
制御部40は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、携帯電話機を動作させるための基本プログラム等が記憶されたROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等により構成されている。
【0058】
そして、制御部40は、受付部41、判定部42、表示制御部43、軌跡長算出部44、移動距離算出部45、移動部46、及び計時部47を備えている。なお、これらの機能は、ROMに記憶された基本プログラム、及びゲーム制御プログラム記憶部52に記憶されたゲーム制御プログラムをCPUが実行することで実現される。図1では、本発明に関連する機能を表すブロックのみ図示し、他のブロックは図示を省略している。
【0059】
受付部41は、所定の軌道を繰り返し指で接触移動させる(なぞる)プレーヤからの操作入力を受け付ける。本実施の形態の水泳ゲームにおいて、プレーヤは、クロール、平泳ぎ、又はバタフライのいずれかを用いてキャラクタをゲーム空間内で泳がせることが可能である。
【0060】
したがって、軌道としては、クロールの軌道と、平泳ぎの軌道と、バタフライの軌道とが存在する。
【0061】
図2は、クロールにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。クロールにおいては、プレーヤは、操作表示部10に対して、左右の指(例えば親指)を上から下に接触移動させる操作を交互に行うことで、キャラクタをゴールに向けて前進させる。
【0062】
図2において、上方向は、キャラクタCAの進行方向を示し、携帯電話機を把持するプレーヤの奥側を指している。また、下方向は、プレーヤの手前側を指している。また、左方向は、携帯電話機を把持したプレーヤから見て左側を指している。また、右方向は、携帯電話機を把持したプレーヤから見て右側を指している。
【0063】
具体的には、まず、プレーヤは、左右一方の指を操作表示部10の任意の位置P1に接触させ、接触させた指をプレーヤの手前側に向けて(上側から下側に向けて)直線状に接触移動させる。
【0064】
次に、手前側に接触移動させた指を操作表示部10の任意の位置P2から離し、再度、位置P1付近に接触させ、指を元の位置に戻す。プレーヤは、この操作を左右交互に繰り返し実行する。
【0065】
したがって、クロールの軌道は、左右一対の左軌道と右軌道とを含み、左軌道及び右軌道とはそれぞれ線分となる。
【0066】
図3は、平泳ぎにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。図3において、上、下、左、右の方向は、図2と同一である。平泳ぎにおいては、プレーヤは、操作表示部10に対して、左右の指をそれぞれ、ほぼ半月状の軌道を繰り返しなぞるように接触移動させることで、キャラクタをゴールに向けて前進させる。
【0067】
具体的には、まず、プレーヤは、左右の指をほぼ同時に操作表示部10の任意の位置P1,P1に接触させる。次に、プレーヤは、接触させた左右の指が外側に弧を描くように、左右の指を手前側に向けて接触移動させる。つまり、プレーヤは、左側に膨らんだ弧の外周を手前側に向けて左指でなぞり、同時に、右側に膨らんだ弧の外周を手前側に向けて右の指でなぞるように左右の指を接触移動させる。
【0068】
次に、プレーヤは、接触移動させた左右の指が、位置P1,P1のほぼ真下であって、操作表示部10の任意の位置である位置P2,P2に到達すると、左右の指を位置P2,P2から位置P1,P1に向けて直線状に接触移動させる。
【0069】
次に、プレーヤは、左右の指が位置P1,P1付近に到達すると、再度、左右の指が外側に弧を描くように左右の指を接触移動させる。プレーヤはこの操作を繰り返し実行する。
【0070】
したがって、平泳ぎにおける軌道は、左右一対の左軌道と右軌道とを含み、左軌道は、線分L1と、線分L1の両端を繋ぐように、左側に膨らんだ弧L2とを含み、右軌道は、線分L3と、線分L3の両端を繋ぐように、右側に膨らんだ弧L4とを含む。
【0071】
図4は、バタフライにおけるプレーヤの指の動きを示した図である。図4において、上、下、左、右の方向は、図2及び図3と同一である。バタフライにおいて、プレーヤは、操作表示部10に対して、左右の指をそれぞれ、上側から下側に向けて直線状の軌道を繰り返しなぞるように接触移動させることで、キャラクタを前進させる。
【0072】
具体的には、まず、プレーヤは、左右の指をほぼ同時に操作表示部10の任意の位置P1,P1に接触させる。次に、プレーヤは、接触させた左右の指をほぼ同時に手前側に向けて直線状に接触移動させる。
【0073】
次に、プレーヤは、接触移動させた左右の指が、位置P1,P1のほぼ真下であって、操作表示部10の任意の位置である位置P2,P2に到達すると、左右の指を位置P2,P2から離して、位置P1,P1付近に再度接触させる。次に、プレーヤは、接触させた左右の指を再度、手前側に向けて直線状に接触移動させる。プレーヤは、この操作を繰り返し実行する。
【0074】
したがって、バタフライにおける軌道は、左右一対の左軌道と右軌道とを含み、左軌道及び右軌道は、同一の長さの線分となる。
【0075】
図1に戻り、判定部42は、左指を表示画面上で接触移動させる操作入力と右指を表示画面上で接触移動させる操作入力とが受付部41により交互に受け付けられた場合、プレーヤはキャラクタをクロールで泳がせていると判定する。
【0076】
また、判定部42は、左指と右指とが表示画面から離れないように接触移動されている操作入力が受付部41により受け付けられた場合、プレーヤはキャラクタを平泳ぎで泳がせていると判定する。
【0077】
また、判定部42は、左指と右指とが表示画面からほぼ同時(左右の指が所定時間以内にずれて)に離れた後、ほぼ同時(左右の指が所定時間以内にずれて)に表示画面に接触する操作入力が受付部41により受け付けられた場合、プレーヤはキャラクタをバタフライで泳がせていると判定する。
【0078】
表示制御部43は、水泳選手のキャラクタの画像データを画像データ記憶部51から読み出して操作表示部10に表示させ、受付部41により受け付けられた操作入力に基づいて、キャラクタの表示態様を変化させる。
【0079】
具体的には、図2〜図4に示すように、表示制御部43は、プレーヤが軌道を1周なぞる操作に連動して、キャラクタCAの左腕LA、右腕RA、左脚LF、及び右脚RFの少なくともいずれか1つが動作するようにキャラクタCAの表示態様を変化させる。
【0080】
より具体的には、表示制御部43は、判定部42により、プレーヤがキャラクタをクロールで泳がせていると判定された場合、予め定められたクロールの動作表示パターンで、キャラクタを動かす。
【0081】
ここで、クロールの動作表示パターンは例えば以下のようになる。図2に示すように、プレーヤの右の指が位置P1から位置P2に接触移動する間、表示制御部43は、キャラクタCAの右腕RAが前方から後方に向けて水中を掻くように表示させる。
【0082】
また、プレーヤの右の指が位置P2から離れたとき、表示制御部43は、キャラクタCAの右腕RAを、水中から出して前方に向けて回転させ、水中に入水させた後、前方に向けて伸びるように表示させる。
【0083】
また、表示制御部43は、キャラクタCAの左腕LAも、プレーヤの左指の動きに従って、右腕RAの場合と同様にして操作表示部10に表示させる。
【0084】
本実施の形態では、クロールにおいては、キャラクタCAの右腕RAが伸びた状態から、1周して元の伸びた状態に戻るまでが1ストロークとなり、キャラクタCAの左腕LAが伸びた状態から1周して元の伸びた状態に戻るまでが1ストロークとなる。
【0085】
つまり、クロールにおいては、プレーヤが右指を操作表示部10に接触させて、図2に示す動作を行い、再度、操作表示部10に接触させるまでが1ストロークとなり、プレーヤが左指を操作表示部10に接触させて、図2に示す動作を行い、再度、操作表示部10に左指を接触させるまでが1ストロークとなる。
【0086】
また、表示制御部43は、キャラクタCAの右脚RF及び左脚LFもキャラクタCAの右腕RA及び左腕LAの動作と連動させてバタ足動作するように表示させる。
【0087】
具体的には、キャラクタCAの右腕RAが1ストロークの動作を行う間、表示制御部43は、キャラクタCAの左脚LF及び右脚RFが交互に所定回数(例えば3回)、バタ足動作するように表示する。また、キャラクタCAの左腕LAが1ストロークの動作を行う間、表示制御部43は、キャラクタCAの左脚LF及び右脚RFが交互に所定回数(例えば3回)、バタ足動作するように表示する。
【0088】
また、表示制御部43は、判定部42により、プレーヤがキャラクタCAを平泳ぎで泳がせていると判定された場合、予め定められた平泳ぎの動作表示パターンで、キャラクタCAを表示する。
【0089】
ここで、平泳ぎの動作表示パターンは以下のようになる。図3に示すように、プレーヤの左右の指が位置P1,P1から位置P2,P2に向けて弧を描くように接触移動されると、表示制御部43は、キャラクタCAの左腕LA及び右腕RAを、前方から後方に向けて掻くように表示させる。
【0090】
このとき、表示制御部43は、後方に向けて伸びた状態にあるキャラクタCAの左脚LF及び右脚RFを胴体側に縮むように表示する。
【0091】
また、プレーヤの左右の指が位置P2,P2から位置P1,P1に向けて直線状に接触移動されると、表示制御部43は、キャラクタCAの左腕LA及び右腕RAを、後方から前方に伸びるように表示させる。
【0092】
このとき、表示制御部43は、胴体側に縮んだ状態にあるキャラクタCAの左脚LF及び右脚RFを、後方に向けて伸びるように表示させる。
【0093】
本実施の形態では、平泳ぎにおいては、前方に伸びた状態にあるキャラクタCAの左腕LA及び右腕RAが後方に向けて掻く動作を行った後、再度、伸びた状態に戻る動作を行うまでが1ストロークとなる。
【0094】
つまり、平泳ぎにおいては、プレーヤの左右の指が、位置P1,P1から接触移動を開始して、再度、位置P1,P1に戻るまでが1ストロークとなる。
【0095】
また、表示制御部43は、判定部42により、プレーヤがキャラクタCAをバタフライで泳がせていると判定された場合、予め定められたバタフライの動作表示パターンで、キャラクタCAを表示する。
【0096】
ここで、バタフライの動作パターンは以下のようになる。図4に示すように、プレーヤの左右の指が位置P1,P1から位置P2,P2に向けて後方に接触移動する間、表示制御部43は、前方に向けて伸びた状態にあるキャラクタCAの左腕LA及び右腕RAを、後方に向けて掻くように表示する。
【0097】
また、プレーヤの左右の指が位置P2,P2から離れると、左腕LA及び右腕RAを水中から出して前方に回転させて入水させた後、前方に伸びるように表示する。
【0098】
ここで、表示制御部43は、キャラクタCAが左腕LA右腕RAが水中から出て、前方に伸びるまでの動作に連動させて、左脚LF及び右脚RFが両膝を中心として水面に対して上向きに回転させた後、両膝を中心として、水面に対して下向きに回転させて、左脚LF及び右脚RFで水を蹴るように表示する。
【0099】
本実施の形態では、バタフライにおいては、前方に伸びた状態にあるキャラクタCAの左腕LA及び右腕RAが後方に向けて掻く動作を行った後、再度、伸びた状態に戻る動作を行うまでが1ストロークとなる。
【0100】
つまり、バタフライにおいては、プレーヤの左右の指が、位置P1,P1から接触移動を開始して、再度、位置P1,P1に戻るまでが1ストロークとなる。
【0101】
図1に戻り、軌跡長算出部44は、受付部41により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが軌道を1周なぞる操作を行う毎に、プレーヤが操作表示部10を実際になぞった軌跡の長さである単位軌跡長を算出する。
【0102】
ここで、単位軌跡長には、左単位軌跡長と、右単位軌跡長とが含まれ、軌跡長算出部44は、プレーヤが左軌道を1周なぞる毎に左単位軌跡長を算出し、プレーヤが右軌道を1周なぞる毎に右単位軌跡長を算出する。
【0103】
具体的には、クロールの場合、図2に示すように、プレーヤが位置P1から位置P2まで右指を実際に接触移動させた距離が右単位軌跡長となり、プレーヤが位置P1から位置P2まで左指を実際に接触移動させた距離が左単位軌跡長となる。
【0104】
そして、軌跡長算出部44は、クロールの場合、プレーヤが位置P2から左指を操作表示部10から離したとき、プレーヤが左軌道を1周なぞったと判定し、左指の軌跡の先端から終端までの長さを、左単位軌跡長として算出する。また、軌跡長算出部44は、クロールの場合、プレーヤが位置P2から右指を操作表示部10から離したとき、プレーヤが右軌道を1周なぞったと判定し、右指の軌跡の先端から終端までの長さを、右単位軌跡長として算出する。
【0105】
また、平泳ぎの場合、図3に示すように、プレーヤが位置P1,P1から左右の指の接触移動を開始して、左右の指位が位置P1,P1に戻るまでに、左右の指を実際に接触移動させた距離が左単位軌跡長及び右単位軌跡長となる。
【0106】
具体的には、軌跡長算出部44は、平泳ぎの場合、取得した左右の指のそれぞれの軌跡から位置P1に対応する上側の屈曲点を検出し、この屈曲点を軌跡の始点として検出する。そして、軌跡長算出部44は、左右の軌跡の始点を検出したとき、プレーヤが左軌道及び右軌道を1周なぞったと判定し、前回検出した軌跡の始点から今回検出した軌跡の始点までの左右の軌跡のそれぞれの長さを、左単位軌跡長及び右単位軌跡長として算出する。
【0107】
また、バタフライの場合、図4に示すように、プレーヤが位置P1,P1から左右の指の移動を開始してから、位置P2,P2で左右の指を操作表示部10から離すまでに、実際に左右の指を接触移動させた軌跡のそれぞれの長さが左単位軌跡長及び右単位軌跡長となる。
【0108】
そして、軌跡長算出部44は、バタフライの場合、プレーヤが位置P2で左右の指を操作表示部10から離したとき、プレーヤが左軌道及び右軌道を1周なぞったと判定し、左右の指の軌跡の先端から終端までのそれぞれの長さを、左単位軌跡長及び右単位軌跡長として算出する。
【0109】
なお、軌跡長算出部44は、操作表示部10の矩形状の表示画面上の各位置を表す2次元座標空間において、受付部41が受け付けた位置信号により示される位置をプロットしていくことで、左右の指の軌跡を取得すればよい。
【0110】
また、軌跡長算出部44は、例えば、2次元座標空間に前回プロットした位置と今回プロットした位置との差分ベクトルを随時求め、今回求めた差分ベクトルと前回求めた差分ベクトルとのなす角度が所定の値より大きい場合、前回プロットした位置を屈曲点として判定すればよい。
【0111】
移動距離算出部45は、軌跡長算出部44により算出された左単位軌跡長及び右単位軌跡長を基に、ゲーム空間内におけるキャラクタの1動作あたりの移動距離である単位移動距離を算出する。
【0112】
本実施の形態では、水泳ゲームを想定しているため、1動作あたりの移動距離としては、1ストロークあたりの移動距離を採用することができる。
【0113】
クロールの場合、移動距離算出部45は、軌跡長算出部44により左単位軌跡長が算出される毎にキャラクタの1ストロークあたりの単位移動距離を算出し、軌跡長算出部44により右単位軌跡長が算出される毎にキャラクタの1ストロークあたりの単位移動距離を算出する。
【0114】
具体的には、移動距離算出部45は、クロールの場合、軌跡長算出部44により算出された左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとのそれぞれに対して、予め定められたクロール用の移動係数α1を乗じることで、単位移動距離TL(=LL・α1,=RL・α1)を算出する。
【0115】
平泳ぎ及びバタフライの場合、軌跡長算出部44により、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとはほぼ同一タイミングで算出されるため、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの両方が算出される毎に単位移動距離TLを算出する。
【0116】
具体的には、移動距離算出部45は、平泳ぎ及びバタフライの場合、軌跡長算出部44により算出された左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの代表値PLを求め、この代表値PLに予め定められた平泳ぎ用の移動係数β1及びバタフライ用の移動係数γ1を乗じることで単位移動距離TL(=PL・β1,PL・γ1)を算出する。なお、代表値PLとしては、例えば左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの平均値(=(LL+RL)/2,=√(LL・RL))を採用してもよいし、和(=LL+RL)を採用してもよい。
【0117】
また、クロール用の移動係数α1、平泳ぎ用の移動係数β1、及びバタフライ用の移動係数γ1としては、例えば、軌跡長算出部44が算出した単位軌跡長が所定の標準的な長さである場合に、一般的な競泳選手が1ストロークで進むことのできるクロール、平泳ぎ、及びバタフライの距離となるような値を採用すればよい。
【0118】
また、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの差が増大するにつれて、値が増大する距離減少値DLを算出し、単位移動距離TLから距離減少値DLを減じることで単位移動距離TLを補正する。
【0119】
この場合、移動距離算出部45は、例えば、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの差の絶対値に対して所定の減少係数(クロール用の減少係数α2、平泳ぎ用の減少係数β2、バタフライ用の減少係数γ2)を乗じることで、距離減少値DL(=|LL−RL|・α2、=|LL−RL|・β2,=|LL−RL|・γ2)を算出すればよい。
【0120】
なお、移動距離算出部45は、|LL−RL|が閾値TH1より小さい場合、距離減少値DLを算出せず、単位移動距離TLの補正を行わないようにしてもよい。これにより、ゲームの難易度を低くすることができる。
【0121】
実際の人間が水中を泳ぐ場合、左腕LAで水を掻く力が右腕RAで水を掻く力よりも大きいと、スタート地点からゴール地点を結ぶ直線の方向である基準方向に対して、進行方向が右側に傾斜する。
【0122】
また、右腕RAで水を掻く力が左腕LAで水を掻く力よりも大きいと、実際の人間は、進行方向が基準方向に対して左側に傾斜する。
【0123】
したがって、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの差が増大するにつれて、値が増大する距離減少値DLを算出し、単位移動距離TLから距離減少値DLを減じて単位移動距離TLを補正することにより、上記の左腕LA及び右腕RAの水を掻くときの力の差に応じて発生する基準方向に対する進行方向のずれによる基準方向への移動距離の低下を再現することができる。
【0124】
具体的には、移動距離算出部45は、クロールの場合、左単位軌跡長LLが算出される毎に単位移動距離TLを算出すると共に、右単位軌跡長RLが算出される毎に単位移動距離TLを算出し、今回の左単位軌跡長LLと前回の右単位軌跡長RLとの差の絶対値(=|LL−RL|又は今回の右単位軌跡長RLと前回の左単位軌跡長LLとの差の絶対値(=|RL−LL|)が増大するにつれて、値が大きくなるように距離減少値DLを算出し、今回の単位移動距離TLから距離減少値DLを減じることで今回の単位移動距離TL(=TL−DL)を補正する。
【0125】
また、移動距離算出部45は、平泳ぎの場合、プレーヤが操作表示部10を実際になぞった左右指の軌跡の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれた場合、単位移動距離TLが減少するように単位移動距離TLを補正する。
【0126】
図5は、プレーヤが操作表示部10を実際になぞった左右の指の軌跡の形状が平泳ぎの軌道の形からずれているか否かの判定処理の説明図である。
【0127】
図5に示すように、移動距離算出部45は、プレーヤが図3に示す弧L2,L4をなぞる操作を開始したときの操作表示部10における指の位置P1,P1(弧開始点)を検出し、位置P1,P1を基準として操作表示部10の表示画面上の所定の位置に弧判定点PH1,PH2を設定し、プレーヤがなぞった弧L2,L4の軌跡K2,K4が弧判定点PH1,PH2の外側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれていないと判定する。
【0128】
つまり、移動距離算出部45は、軌跡K2が弧判定点PH1の左側を通過し、軌跡K4が弧判定点PH2の右側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれていないと判定する。
【0129】
一方、移動距離算出部45は、軌跡K2,K4が弧判定点PH1,PH2の内側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道からずれていると判定する。
【0130】
つまり、移動距離算出部45は、軌跡K2が弧判定点PH1の右側を通過し、軌跡K4が弧判定点PH2の左側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定する。
【0131】
ここで、移動距離算出部45は、軌跡K2,K4が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定した場合、予め定められた値を単位移動距離TLから減じることで、単位移動距離TLを補正してもよいし、平泳ぎの軌道の形状に対する軌跡K2,K4のずれを求め、ずれが増大するにつれて、単位移動距離TLから減じる値を増大させてもよい。
【0132】
この場合、移動距離算出部45は、軌跡K2が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定した場合、軌跡K2と弧判定点PH1との最短距離d1を求め、最短距離d1に、減少係数β2を乗じた値(=d1・β2)を求め、単位移動距離TLからこの値を減じることで、単位移動距離TL(=TL−d1・β2)を補正すればよい。
【0133】
なお、弧判定点PH1の位置としては、例えば、左側の位置P1から下方向に左軌道の線分L1を引き、線分L1の中点PM1から、線分L1に直交する方向であって、中点PM1の左側に所定距離離れた位置を採用することができる。
【0134】
また、弧判定点PH2の位置としては、例えば、右側の位置P1から下方向に右軌道の線分L3を引き、線分L3の中点PM2から、線分L3に直交する方向であって中点PM2の右側に所定距離離れた位置を採用することができる。
【0135】
また、移動距離算出部45は、軌跡K4が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定した場合、軌跡K4と弧判定点PH2との最短距離d2を求め、最短距離d2に、減少係数β2を乗じた値(=d2・β2)を求め、単位移動距離TL(=TL−d2・β2)からこの値を減じればよい。
【0136】
また、移動距離算出部45は、軌跡K2,K4のうち少なくともいずれか一方が弧判定点PH1,PH2の外側を通過しなかった場合、プレーヤの操作が平泳ぎの軌道からずれていると判定してもよいし、軌跡K2,K4の両方が弧判定点PH1,PH2の外側を通過しなかった場合、プレーヤの操作が平泳ぎの軌道からずれていると判定してもよい。
【0137】
なお、図5に示す処理は一例であり、別の処理を採用してもよい。この場合、例えば、軌跡K2,K4の長さが弧L2,L4の長さよりも短い場合、軌跡K2,K4が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定してもよい。また、パターン認識により軌跡K2,K4の形状と弧L2,L4の形状との相互相関値を求め、この相互相関値に従って、軌跡K2,K4の形状の平泳ぎの軌道の形状に対するずれを求めても良い。
【0138】
また、移動距離算出部45は、バタフライの場合、左指が左軌道となる線分の先端に戻されて操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングと、右指が右軌道となる線分の先端に戻されて操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングとがずれた場合、単位移動距離TLが減少するように単位移動距離を補正する。
【0139】
ここで、移動距離算出部45は、左指が操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングと、右指が操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングとの差の絶対値が所定の閾値TH2以上の場合、両タイミングがずれていると判定する。但し、これに限定されず、移動距離算出部45は、左指が操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングと、右指が操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングとが少しでもずれている場合、両タイミングがずれていると判定してもよい。
【0140】
また、移動距離算出部45は、両タイミングがずれていると判定した場合、単位移動距離TLから予め定められた値を減じ、単位移動距離TLを補正する。
【0141】
但し、これに限定されず、移動距離算出部45は、両タイミングのずれに応じて単位移動距離TLから差し引く値を動的に変更してもよい。この場合、移動距離算出部45は、両タイミングの差分時間DTを測定し、差分時間DTに予め定められた係数γ2を乗じた値(=DT・γ2)を求め、単位移動距離TLからこの値(D2・γ2)を減じることで、単位移動距離TL(=TL−γ2・D2)を補正すればよい。
【0142】
表示制御部43は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの差の絶対値(=|LL−RL|)が所定の閾値TH3より大きい場合において、左単位軌跡長LLが右単位軌跡長RLより短い場合は、キャラクタCAを基準方向から左側に傾斜表示させ、右単位軌跡長RLが左単位軌跡長LLより短い場合は、キャラクタCAを基準方向から右側に傾斜表示させる。このとき、表示制御部43は、基準方向にキャラクタCAの残像を表示させてもよい。
【0143】
これにより、プレーヤは、左右の指の動きのバランスが悪いため、キャラクタがゲーム空間内を効率良く前進できていないことを認識することができる。
【0144】
移動部46は、移動距離算出部45により単位移動距離TLが算出される毎に、ゲーム空間内において、単位移動距離TL分、基準方向に沿ってキャラクタCAを移動させる。
【0145】
図6は、ゲーム空間内において、移動するキャラクタCAを示した模式図である。ここで、ゲーム空間としては、例えば、仮想2次元空間を採用することができる。ゲーム空間内の所定の位置にはスタート地点SPとゴール地点GPとが設定されている。スタート地点SPとゴール地点GPとを結ぶ基準方向に沿った線分が、実際のプールの1レーンを仮想的に表している。
【0146】
したがって、移動部46は、キャラクタCAを、例えば基準方向に沿った線分を移動する質点とみなし、移動距離算出部45により単位移動距離TLの積算値を求め、この積算値が線分の長さZ1以上になった場合、キャラクタCAがゴール地点GPに到達したと判定すればよい。
【0147】
計時部47は、キャラクタCAがスタート地点SPからゴール地点GPに到達するまでの時間を計時し、計時した時間をプレーヤの成績として算出する。
【0148】
したがって、プレーヤは、この時間が短いほど、ゲームに対する成績が良いことを知ることができる。また、対戦相手と同じゲームを行った場合に、どちらの時間が短いかを比較することで互いに勝敗を判断することができる。
【0149】
図1に戻り、記憶部50は、例えば、EEPROM等の不揮発性の書き換え可能な記憶装置から構成され、画像データ記憶部51及びゲーム制御プログラム記憶部52を備えている。
【0150】
画像データ記憶部51は、水泳選手であるキャラクタCAの画像データ、キャラクタCAが泳ぐプール等の背景の画像データ等を記憶する。
【0151】
ゲーム制御プログラム記憶部52は、携帯電話機をゲーム装置として機能させるゲーム制御プログラムを記憶している。
【0152】
図7は、図1に示す携帯電話機がゲーム装置として機能する場合の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、プレーヤによりゲームの開始が指示されると、(ステップS1でYES)、表示制御部43は、キャラクタCAの画像データ、キャラクタCAの背景の画像データ等を画像データ記憶部51から読み出し、操作表示部10に表示する(ステップS2)。
【0153】
なお、プレーヤは、例えば操作表示部10に表示されるゲーム開始ボタンをタッチすることで、ゲームを開始させればよい。
【0154】
次に、プレーヤにより操作表示部10の表示画面上にクロール、平泳ぎ、又はバタフライの軌道をなぞる操作入力が行われ、受付部41は、プレーヤからの操作入力を受け付ける(ステップS3)。
【0155】
次に、判定部42は、プレーヤが、クロール、平泳ぎ、及びバタフライのいずれの操作入力を行ったかを判定する(ステップS4)。この場合、判定部42は、プレーヤが、クロール、平泳ぎ、及びバタフライのいずれの軌道をなぞっているかを認識することができるまで、キャラクタCAを前進させないようにしてもよい。なお、判定部42の判定処理の詳細については上述した。
【0156】
次に、判定部42が、クロールと判定した場合(ステップS4でA)、クロール処理が開始される(ステップS5)。また、判定部42が、平泳ぎと判定した場合(ステップS4でB)、平泳ぎ処理が開始される(ステップS6)。また、判定部42が、バタフライと判定した場合(ステップS4でC)、バタフライ処理が開始される(ステップS7)。
【0157】
図8は、クロール処理の詳細を示すフローチャートである。まず、受付部41が、操作表示部10の表示画面上にプレーヤの左右の指のうち一方の指が接触したことを検出すると(ステップS11でYES)、軌跡長算出部44は、プレーヤが操作表示部10の表示画面上を実際になぞる軌跡を取得する(ステップS12)。
【0158】
ここで、受付部41は、操作表示部10に表示される図2に示すキャラクタの中心線CHLに対して右側の領域に指が接触した場合、接触した指を右指と判定し、中心線CHLに対して左側に領域に指が接触した場合、接触した指を左指として判定する。なお、この判定は、平泳ぎ、バタフライの場合も同じである。
【0159】
次に、軌跡長算出部44は、受付部41によりプレーヤの指が操作表示部10の表示画面上から離れたことが検出されると(ステップS13でYES)、左単位軌跡長LL又は右単位軌跡長RLを算出する(ステップS14)。
【0160】
ここで、軌跡長算出部44は、左指が操作表示部10から離れたと受付部41により判定された場合、ステップS12で取得した左指の軌跡から左単位軌跡長LLを算出し、右指が操作表示部10から離れたと受付部41により判定された場合、ステップS12で取得した右指の軌跡から右単位軌跡長RLを算出する。
【0161】
一方、左指又は右指が、操作表示部10から離れたことが受付部41により検出されない場合(ステップS13でYES)、処理がステップS12に戻され、軌跡長算出部44は、左指又は右指の軌跡を引き続き取得する。
【0162】
ステップS15において、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LL又は右単位軌跡長RLから単位移動距離TLを算出する(ステップS15)。ここで、移動距離算出部45は、ステップS14で左単位軌跡長LLが算出された場合、左単位軌跡長LLにクロールの移動係数α1を乗じて、単位移動距離TL(=LL・α1)を算出すればよい。
【0163】
一方、移動距離算出部45は、ステップS14で右単位軌跡長RLが算出された場合、右単位軌跡長RLにクロールの移動係数α1を乗じて単位移動距離TL(=RL・α1)を算出すればよい。
【0164】
次に、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの差分の絶対値(=|LL−RL|)を求め、この差分の絶対値が閾値TH1以上の場合、プレーヤの左右の指の動きのバランスが悪いと判定し(ステップS16でYES)、処理をステップS17に進める。
【0165】
次に、移動距離算出部45は、|LL−RL|・α2により距離減少値DLを求め、ステップS15で算出した単位移動距離TLから距離減少値DLを減じ、単位移動距離TLを補正する(ステップS17)。
【0166】
一方、移動距離算出部45は、|LL−RL|が閾値TH1より小さい場合、プレーヤの左右の指の動きのバランスが良いと判定し(ステップS16でNO)、ステップS17をスルーして処理をステップS18に進める。
【0167】
次に、ステップS18において、|LL−RL|が閾値TH3以上の場合、表示制御部43は、左右の指の動作のバランスが悪いことをプレーヤに報知する必要があると判定し(ステップS18でYES)、処理をステップS19に進める。
【0168】
次に、表示制御部43は、プレーヤの左右の指の動きのバランスが悪いことを操作表示部10を用いて報知する(ステップS19)。図9は、プレーヤの左右の指の動きのバランスが悪い場合に操作表示部10に表示される画像の一例を示した図である。
【0169】
図9では、左単位軌跡長LLが右単位軌跡長RLよりも短いため、キャラクタCAは基準方向に対して角度θだけ左側に(反時計回りに)傾斜して表示されている。また、中心線CHLが基準方向と平行になるようにキャラクタCAの残像ZZが表示されている。ここで、キャラクタCAと残像ZZとは異なる色で表示してもよいし、残像ZZの輝度がキャラクタCAの輝度よりも低くなるように表示してもよい。なお、この報知は、プレーヤがその後も継続して行う指の操作により、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとが同じになった時点で解消すればよい。
【0170】
一方、ステップS18において、|LL−RL|が所定の閾値TH3より小さい場合、表示制御部43は、報知する必要がないと判定し(ステップS18でNO)、ステップS19の処理をスルーして、処理をステップS20に進める。
【0171】
次に、移動部46は、単位移動距離TLを積算し、キャラクタCAをゲーム空間内で前進させる(ステップS20)。
【0172】
次に、移動部46は、キャラクタCAがゴール地点GPに到達したと判定した場合(ステップS21でYES)、処理を終了する。一方、移動部46は、キャラクタCAがゴール地点GPに到達していないと判定した場合(ステップS21でNO)、処理をステップS11に戻す。
【0173】
図10は、図7の平泳ぎ処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS31において、軌跡長算出部44は、プレーヤが操作表示部10の表示画面上を実際になぞる軌跡を取得する(ステップS31)。
【0174】
次に、軌跡長算出部44は、取得した軌跡から位置P1,P1を検出すると(ステップS32でYES)、図5に示すように、弧判定点PH1,PH2を設定する(ステップS33)。
【0175】
ここで、軌跡長算出部44は、左側の位置P1を検出したときに、弧判定点PH1を設定し、右側の位置P1を検出したときに、弧判定点PH2を設定すればよい。
【0176】
一方、ステップS32において、位置P1,P1が検出されなかった場合(ステップS32でNO)、軌跡長算出部44は、処理をステップS31に戻し、軌跡の取得を継続する。
【0177】
ステップS34において、軌跡長算出部44は、ステップS31と同様にして、軌跡を取得する。
【0178】
次に、軌跡長算出部44は、左指の軌跡の上側の屈曲点である位置P1を検出することで左軌道を1周なぞる操作が終了したと判定し、右指の軌跡の上側の屈曲点である位置P1を検出することで、右軌道を1周なぞる操作が終了したか否かを判定し(ステップS35)、左軌道及び右軌道の両軌道を1周なぞる操作が終了したと判定した場合(ステップS35でYES)、左単位軌跡長LL及び右単位軌跡長RLを算出する(ステップS36)。
【0179】
具体的には、軌跡長算出部44は、今回検出した左側の位置P1と、前回検出した左側の位置P1とを繋ぐ左指の軌跡の長さを算出することで左単位軌跡長LLを算出すると共に、今回検出した右側の位置P1と、前回検出した右側の位置P1とを繋ぐ右指の軌跡の長さを算出することで右単位軌跡長RLを算出する。
【0180】
次に、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの平均値を代表値PLとして求め、TL=PL・β1により単位移動距離TLを算出する(ステップS37)。
【0181】
次に、図8のステップS16と同様にして、|LL−RL|を閾値TH1と比較することで、左右の指の動きのバランスが悪いか否かを判定し(ステップS38)、左右の指の動きのバランスが悪いと判定した場合(ステップS38でYES)、処理をステップS39に進める。
【0182】
次に、移動距離算出部45は、|LL−RL|・β2により距離減少値DLを求め、ステップS37で算出した単位移動距離TLから距離減少値DLを減じ、単位移動距離TL(=TL−DL)を補正する(ステップS39)。
【0183】
一方、移動距離算出部45は、左右の指の動きのバランスが悪くないと判定した場合(ステップS38でNO)、ステップS39をスルーして、処理をステップS40に進める。
【0184】
次に、表示制御部43は、図8に示すステップS18と同様、|LL−RL|と閾値TH3とを比較することで、左右の指の動作のバランスが悪いことをプレーヤに報知する必要があるか否かを判定する(ステップS40)。
【0185】
そして、表示制御部43は、左右の指の動作のバランスが悪いことをプレーヤに報知する必要があると判定した場合(ステップS40でYES)、操作表示部10を用いて、左右の指の動作のバランスが悪いことをプレーヤに報知する(ステップS41)。
【0186】
一方、表示制御部43は、左右の指の動作のバランスが悪いことをプレーヤに報知する必要がないと判定した場合(ステップS40でNO)、ステップS41をスルーして、処理をステップS42に進める。
【0187】
ステップS42において、移動距離算出部45は、図5に示すように、プレーヤがなぞった軌跡K2,K4が弧判定点PH1,PH2の内側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれていると判定し(ステップS42でYES)、単位移動距離TLを補正する(ステップS43)。
【0188】
一方、ステップS42において、移動距離算出部45は、軌跡K2,K4が弧判定点PH1,PH2の外側を通過した場合、軌跡K2,K4の形状が平泳ぎの軌道の形状からずれていないと判定し(ステップS42でNO)、ステップS43をスルーして、処理をステップS44に進める。
【0189】
ステップS44、S45の処理は、図8のステップS20,S21と同一であるため、説明を省略する。
【0190】
図11は、図7に示すバタフライ処理の詳細を示すフローチャートである。まず、受付部41が、操作表示部10の表示画面上にプレーヤの左右の指が接触したことを検出すると(ステップS51でYES)、軌跡長算出部44は、プレーヤが操作表示部10の表示画面上を実際になぞる左指の軌跡と右指の軌跡とのそれぞれを取得する(ステップS52)。
【0191】
次に、軌跡長算出部44は、受付部41によりプレーヤの左右の指が操作表示部10の表示画面上から離れたことが検出されると(ステップS53でYES)、左単位軌跡長LL又は右単位軌跡長RLを算出する(ステップS54)。
【0192】
ここで、軌跡長算出部44は、左指が操作表示部10の表示画面上から離れたときに左単位軌跡長LLを算出し、右指が操作表示部10の表示画面上から離れたとき、右単位軌跡長RLを算出すればよい。
【0193】
次に、移動距離算出部45は、左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとの代表値PLを求め、代表値PLにバタフライの移動係数γ1を乗じて単位移動距離TL(=PL・γ1)を算出する(ステップS55)。
【0194】
ステップS56,S57において、移動距離算出部45は、図10のステップS38,S39の処理と同様にして、左右の指の動きのバランスが悪い場合、単位移動距離TLを補正する。
【0195】
ステップS58において、移動距離算出部45は、左指が左軌道となる線分の先端に戻されて操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングTIM1と、右指が右軌道となる線分の先端に戻されて操作表示部10の表示画面上に接触するタイミングTIM2とを検出し、|TM1−TM2|が閾値TH2以上の場合、タイミングTIM1とタイミングTM1とがずれていると判定し(ステップS58でYES)、処理をステップS59に進める。
【0196】
次に、移動距離算出部45は、単位移動距離TLから所定の値を減じ、単位移動距離を補正する(ステップS59)。
【0197】
次に、ステップS60,61において、表示制御部43は、図10に示すステップS40,S41と同様にして、プレーヤの左右の指の動きのバランスが悪いか否かを判定し、バランスが悪い場合は、クロールの場合と同様にしてそのことを操作表示部10を用いて報知する。
【0198】
次に、ステップS62,S63において、移動部46は、図10に示すステップS44,S45と同様にして、ゴール地点GPに到達するまでキャラクタを移動させる。
【0199】
一方、移動距離算出部45は、|TIM1−TIM2|が閾値TH2未満の場合、タイミングTIM1とタイミングTIM2とがずれていないと判定し(ステップS58でNO)、ステップS59をスルーして処理をステップS60に進める。
【0200】
このように、本実施の形態によるゲーム装置によれば、プレーヤは、クロール、平泳ぎ又はバタフライの軌道を繰り返しなぞる操作を行うと、その操作に応じて操作表示部10に表示されるキャラクタの表示態様が変化する。また、プレーヤがクロール、平泳ぎ、又はバタフライの軌道を1周なぞる操作を行う毎に、プレーヤが操作表示部10を左右の指で実際になぞった軌跡の長さである左単位軌跡長LLと右単位軌跡長RLとが算出される。
【0201】
そして、算出された左単位軌跡長LL、右単位軌跡長RLを基に、ゲーム空間内におけるキャラクタの1ストロークあたりの移動距離である単位移動距離TLが算出される。そして、ゲーム空間内において、キャラクタCAが単位移動距離TLだけ移動される。
【0202】
つまり、プレーヤは所定の軌道をなぞる回数を多くするほど、単位移動距離TLの算出回数が多くなって、その分キャラクタCAの移動速度を速くすることができる。
【0203】
一方、プレーヤは、クロール、平泳ぎ、又はバタフライの軌道を1周なぞったときの左単位軌跡長LL及び右単位軌跡長RLを長くする、つまり、操作表示部10に指を接触移動させた距離を長くするほど、単位移動距離TLが長くなるため、キャラクタCAの移動速度を速くすることができる。
【0204】
よって、プレーヤには、指を接触移動させる軌道1周あたりの距離をできるだけ長くすると同時に、軌道をなぞる回数をできるだけ多くすることが要求される。
【0205】
これにより、操作表示部10を指で繰り返しなぞるという操作を行うことでキャラクタを移動させることができ、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、キャラクタを移動させるゲームを実現することができる。
【0206】
なお、上記実施の形態では、操作表示部10に1つのキャラクタCAを表示し、このキャラクタCAによるスタート地点SPからゴール地点GPまで移動する時間を競う態様を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0207】
すなわち、操作表示部10に2つのキャラクタCAを表示し、一方のキャラクタCAを制御部40の制御によって自動的に移動させるようにし、他方のキャラクタCAをプレーヤによる操作によって移動させるようにし、制御部40によって移動されるキャラクタCAとプレーヤの操作によって移動されるキャラクタCAとを競わせるような態様を採用してもよい。
【0208】
また、スタート地点SPからゴール地点GPまでの距離をプレーヤが任意に選択できるようにしてもよい。例えば、ゲームを開始する前にプレーヤに50m、100m、200m、500m、1kmというようにスタート地点SPからゴール地点GPまでの距離を選択させ、プレーヤにより選択された距離をキャラクタCAに泳がせるような態様を採用してもよい。
【0209】
また、上記実施の形態では、キャラクタCAのスタート直後に判定部42がプレーヤの操作からキャラクタCAの泳ぎの種類を判定し、判定した種類の泳ぎ方でキャラクタCAを泳がせる態様を採用したが、これに限定されない。
【0210】
すなわち、ゲームを開始する前に、プレーヤに泳ぎ方の種類を選択させ、プレーヤが選択した泳ぎ方によって、キャラクタCAを泳がせるような態様を採用してもよい。
【0211】
また、上記実施の形態では、水泳ゲームを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、陸上競技ゲーム、スピードスケートゲーム等のスタート地点SPからゴール地点GPまでに要する時間を競うようなゲームであればどのようなゲームであっても適用可能である。
【0212】
陸上競技ゲームとしては、例えば100m走、200m走等の徒競走やトラック競技が挙げられる。上記の水泳ゲームの場合は、プレーヤの指の動きに連動してキャラクタCAの両腕を交互に、あるいは同時に動かす操作を行うが、これら陸上競技ゲームの場合は、キャラクタCAの両脚を交互に動かす操作を行うような構成とすればよい。また、100mハードル走、200mハードル走というような障害物競走にも適用可能である。この場合、プレーヤには上述したクロール、平泳ぎ、又はバタフライの操作を課し、キャラクタCAが障害物の手前に到達したときにキャラクタCAが自動的に障害物を飛び越えるような表示態様を採用すればよい。スピードスケートゲームも態様も上記の陸上競技ゲームと同様のものを採用すればよい。
【符号の説明】
【0213】
10 操作表示部
20 通信部
21 アンテナ
30 音声出力部
40 制御部
41 受付部
42 判定部
43 表示制御部
44 軌跡長算出部
45 移動距離算出部
46 移動部
47 計時部
50 記憶部
51 画像データ記憶部
52 ゲーム制御プログラム記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置にゲームの進行を制御させるゲーム制御プログラムであって、
前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、
前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付手段と、
所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御手段と、
前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出手段と、
前記軌跡長算出手段により算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出手段と、
前記移動距離算出手段により算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動手段としてゲーム装置を機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記キャラクタは人間を模したものであり、
前記表示制御手段は、プレーヤが指で前記軌道を1周接触移動させる操作に連動して、前記キャラクタの左腕、右腕、左脚、及び右脚の少なくともいずれか1つが動作するように前記キャラクタの表示態様を変化させることを特徴とする請求項1記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記軌跡長算出手段は、プレーヤが指で前記軌道を1周接触移動させる操作を行う毎に、プレーヤが前記表示部を実際に接触移動させた軌跡の長さである単位軌跡長を算出し、
前記移動距離算出手段は、前記軌跡長算出手段により算出された単位軌跡長を基に、ゲーム空間内における前記キャラクタの1動作あたりの移動距離である単位移動距離を算出し、
前記移動手段は、前記移動距離算出手段により算出された単位移動距離で前記キャラクタをゲーム空間内の所定の基準方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記軌道は、左右一対の左軌道と右軌道とを含み、
前記単位軌跡長は、前記左軌道に対応する左単位軌跡長と前記右軌道に対応する右単位軌跡長とを含み、
前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを受け付け、
前記軌跡長算出手段は、プレーヤが前記左軌道を1周接触移動させる毎に前記左単位軌跡長を算出し、プレーヤが前記右軌道を1周接触移動させる毎に前記右単位軌跡長を算出し、
前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が増大する距離減少値を算出し、前記単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記単位移動距離を補正することを特徴とする請求項3記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が所定の値より大きい場合において、前記左単位軌跡長が前記右単位軌跡長より短い場合は、前記キャラクタを所定の基準方向から左側に傾斜表示させ、前記右単位軌跡長が前記左単位軌跡長より短い場合は、前記キャラクタを前記基準方向から右側に傾斜表示させ、かつ、前記基準方向に前記キャラクタの残像を表示させることを特徴とする請求項4記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを交互に受け付け、
前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出すると共に、前記右単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出し、今回の左単位軌跡長と前回の右単位軌跡長との差又は今回の右単位軌跡長と前回の左単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が大きくなるように前記距離減少値を算出し、今回の単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記今回の単位移動距離を補正することを特徴とする請求項4又は5記載のゲーム制御プログラム。
【請求項7】
前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作入力とを同時に受け付け、
前記移動距離算出手段は、前記左単位軌跡長及び前記右単位軌跡長が算出される毎に前記単位移動距離を算出し、前記左単位軌跡長と前記右単位軌跡長との差が増大するにつれて、値が増大するように前記距離減少値を算出し、前記単位移動距離から前記距離減少値を減じることで前記単位移動距離を補正することを特徴とする請求項4又は5記載のゲーム制御プログラム。
【請求項8】
前記左軌道及び前記右軌道は、閉ループ形状を有し、
前記移動距離算出手段は、プレーヤが前記表示部を実際に接触移動させた左右の指の軌跡の形状が前記閉ループ形状からずれた場合、前記単位移動距離が減少するように前記単位移動距離を補正することを特徴とする請求項7記載のゲーム制御プログラム。
【請求項9】
前記閉ループ形状は、直線と前記直線の両端を繋ぐ弧とを含み、
前記移動距離算出手段は、プレーヤが前記弧を接触移動させる操作を開始したときの前記表示部における指の位置である弧開始点を検出し、前記弧開始点を基準として前記表示部の所定の位置に弧判定点を設定し、プレーヤが接触移動させた弧の軌跡が前記弧判定点の外側を通過した場合、当該軌跡の形状が前記閉ループ形状からずれていないと判定することを特徴とする請求項8記載のゲーム制御プログラム。
【請求項10】
前記左軌道及び前記右軌道は線分であり、
前記受付手段は、前記左軌道を左指で接触移動させる操作が前記線分の終端までくると前記左指を前記表示画面上から離して前記線分の先端に戻す操作入力と、前記右軌道を右指で接触移動させる操作が前記線分の終端までくると前記右指を前記表示画面上から離して前記線分の先端に戻す操作入力とを受け付け、
前記移動距離算出手段は、前記左指が前記線分の先端に戻されて前記表示画面上に接触するタイミングと、前記右指が前記線分の先端に戻されて前記表示画面上に接触するタイミングとがずれた場合、前記単位移動距離が減少するように前記単位移動距離を補正することを特徴とする請求項7記載のゲーム制御プログラム。
【請求項11】
前記ゲームは水泳ゲームであり、
左指を表示画面上で接触移動させる操作入力と右指を表示画面上で接触移動させる操作入力とが前記受付手段により交互に受け付けられた場合、プレーヤは前記キャラクタをクロールで泳がせていると判定し、左指と右指とが表示画面から離れないように接触移動されている操作入力が前記受付手段により受け付けられた場合、左指と右指とが表示画面からほぼ同時に離れた後、ほぼ同時に表示画面に接触する操作入力が前記受付手段により受け付けられた場合、前記プレーヤが前記キャラクタをバタフライで泳がせていると判定する判定手段として前記ゲーム装置を更に機能させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記判定手段により前記キャラクタがクロールで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタがクロールで泳いでいるように表示させ、前記判定手段により前記キャラクタが平泳ぎで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタが平泳ぎで泳いでいるように表示させ、前記判定手段により前記キャラクタがバタフライで泳がされていると判定された場合、前記キャラクタがバタフライで泳いでいるように表示させることを特徴とする請求項11記載のゲーム制御プログラム。
【請求項13】
タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置であって、
前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、
前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付手段と、
所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御手段と、
前記受付手段により受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出手段と、
前記軌跡長算出手段により算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出手段と、
前記移動距離算出手段により算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動手段としてゲーム装置を機能させる特徴とするゲーム装置。
【請求項14】
タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置がゲームの進行を制御するゲーム制御方法であって、
前記ゲームは、ゲーム空間内において、所定のキャラクタを移動させるものであり、
前記ゲーム装置が、前記表示部の表示画面上において、所定の軌道が繰り返されるように指を接触移動させるプレーヤからの操作入力を受け付ける受付ステップと、
前記ゲーム装置が、所定のキャラクタを前記表示部に表示させ、前記受付ステップにより受け付けられた操作入力に基づいて、前記キャラクタの表示態様を変化させる表示制御ステップと、
前記ゲーム装置が、前記受付ステップにより受け付けられた操作入力に基づいて、プレーヤが前記表示部の表示画面上を実際に接触移動させた軌跡の長さを算出する軌跡長算出ステップと、
前記ゲーム装置が、前記軌跡長算出ステップにより算出された軌跡の長さに応じて、ゲーム空間内における前記キャラクタの移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記ゲーム装置が、前記移動距離算出ステップにより算出された移動距離に従って、前記キャラクタをゲーム空間内で移動させる移動ステップとを備えることを特徴とするゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−253016(P2010−253016A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106204(P2009−106204)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】