ゲーム機
【課題】入賞の態様を多様化して入賞パターン成立に対するプレイヤの期待感を高める。
【解決手段】複数のセルを一方向に並べた複数の互いに平行なセル列を有する抽選領域が規定され、各セル列に沿ってシンボル列が配置され、所定の遊技機会にて、シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、その後、シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させ、判定対象のセル群にて停止したシンボルにより入賞パターンが形成されたか否か判定するゲーム機において、所定の縮小条件が満たされたときに、少なくとも一つのセル列の少なくとも一つのセルを縮小して複数個の縮小セルを規定し、縮小セルに対応するシンボルを縮小セルに合わせた大きさに縮小し、判定対象のセル群には、少なくとも一つの縮小されていない通常セルと、複数の縮小セルとが含まれるものと認識し、各縮小セルのシンボルと通常セルのシンボルとが入賞パターンを形成しているか否かを判定する。
【解決手段】複数のセルを一方向に並べた複数の互いに平行なセル列を有する抽選領域が規定され、各セル列に沿ってシンボル列が配置され、所定の遊技機会にて、シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、その後、シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させ、判定対象のセル群にて停止したシンボルにより入賞パターンが形成されたか否か判定するゲーム機において、所定の縮小条件が満たされたときに、少なくとも一つのセル列の少なくとも一つのセルを縮小して複数個の縮小セルを規定し、縮小セルに対応するシンボルを縮小セルに合わせた大きさに縮小し、判定対象のセル群には、少なくとも一つの縮小されていない通常セルと、複数の縮小セルとが含まれるものと認識し、各縮小セルのシンボルと通常セルのシンボルとが入賞パターンを形成しているか否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるスロットマシンのように、複数のシンボル列を、シンボル停止位置として規定されたセルの列に沿って移動させ、それらのシンボル列が停止したときに所定のセル群に出現したシンボルの組み合わせが所定の入賞パターンを形成したか否かを判定するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているスロットマシンでは、筐体の前面に、シンボル停止位置としての複数のセルが所定行数及び所定列数のマトリクス状に並ぶように規定され、縦方向のセルの列のそれぞれに対して物理的又は仮想的なリールが配置されている。リール上には複数種類のシンボル、例えば数字あるいは図柄が所定の並び順で配置され、それにより各リールがシンボル列として機能する。プレイヤが硬貨、あるいはメダル、トークン等の代替硬貨を投入してベット操作を行うとゲームが開始され、リールがセルの列に沿って回転を開始する。所定の停止時期になると、各セルに一つのシンボルが出現するようにリールが停止する。セル上で停止したシンボルが所定の入賞パターン、例えば同一シンボルが行方向に揃うパターンを形成していると、プレイヤにその入賞パターンに応じた配当が付与される。この種のスロットマシンでは、一般に、セルの大きさは互いに等しく、一つのセルに対応するリール上の領域には一つのシンボルが配置されている。リールの停止位置は、そのセルの列方向の大きさを単位として制御され、それにより、一つのセルにいずれか一つのシンボルが繰り出される。一つのセルと同じ大きさのリール上の領域に同一種類の複数のシンボルが配置され、それらのシンボルが入賞ライン上に含まれているときに通常よりも配当を高めるスロットマシンタイプのゲーム機も提供されている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7473173号の明細書
【特許文献2】米国特許第5395111号の明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲーム機では、複数個のシンボルを一セル内に格納しているに過ぎず、セルの大きさは不変である。シンボルの停止位置は一セル単位で制御されるため、複数個のシンボルが入賞判定対象のセルにて停止しない限り高配当が得られない。したがって、プレイヤから見れば、極めて限られた場合にしか高配当が得られず、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を十分に高められないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明のゲーム機は、シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域が規定され、複数のシンボルを前記セルの並び方向に沿ってそれぞれ配列した複数のシンボル列が、一部のシンボルを前記セル上に出現させるようにしてセル列毎に配置されたゲーム機であって、所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、前記抽選手段の抽選結果に基づいて各シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させるシンボル列移動制御手段と、判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、を具備し、前記複数のセル列が、所定の大きさの複数の通常セルを並べた通常セル列と、一つの通常セルを縮小した複数の縮小セルを少なくとも一部に連続して並べた縮小セル列とを含むように前記抽選領域が規定され、前記シンボル列のそれぞれでは、対応する通常セル列又は縮小セル列の各セルの大きさに合わせるように各シンボルの大きさが設定された部分縮小状態が、少なくとも一時的に生成され、前記シンボル列移動制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定するものである。
【0006】
本発明のゲーム機においては、部分縮小状態にあるとき、抽選領域内に通常セル列と縮小セル列とを規定し、縮小セル列では、少なくとも一つの通常セルに相当する大きさに亘って縮小セルが連続する。シンボル列では、対応する通常セル列又は縮小セル列のセルの大きさに合わるように各シンボルの大きさが設定される。したがって、縮小セル上に位置するシンボルは、通常セル上に位置するシンボルに比して縮小される。遊技機会が発生すると、各セル上に出現させるべきシンボルが抽選され、シンボル列のシンボルが移動を開始し、その後、抽選結果に基づいてシンボル列の各シンボルが一セル単位で停止する。その停止制御は、部分縮小状態においても一セル単位で行なわれる。
【0007】
そのため、入賞判定対象のセル群に含まれている通常セルは勿論のこと、そのセル群に含まれている各縮小セルについても、シンボル列に配置された一連のシンボルから、いずれか一つの任意のシンボルを出現させることができる。部分縮小状態における入賞判定対象のセル群には、一つの通常セルに相当する大きさに亘って連続する複数の縮小セルが含まれており、かつ入賞判定では、それらの縮小セルが一つずつ選択され、選択された縮小セルにて停止したシンボルと、通常セルにて停止したシンボルとの組み合わせ毎に入賞パターンが形成されているか否かが判定される。つまり、判定対象となるべきセルの組み合わせが複数組存在し、各組毎に入賞パターンが形成されているか否かが判定される。したがって、一つの組み合せで入賞パターンが形成されていなくても、他の組み合わせにおいて入賞パターンが形成され、あるいは複数の組み合わせのそれぞれで入賞パターンが形成されるといったように、入賞の態様を多様化することができる。それにより、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の斜視図。
【図2】通常状態における抽選領域を示す図。
【図3】部分縮小状態における抽選領域を示す図。
【図4】シンボル列としての仮想リールの部分破断展開図。
【図5】縮小セル列における縮小セルと、仮想リール上のシンボルとの対応関係を示す図。
【図6】図1のゲーム機における制御系のブロック図。
【図7】制御ユニットが実行するスロットゲームルーチンを示すフローチャート。
【図8】制御ユニットが実行する停止位置抽選ルーチンを示すフローチャート。
【図9】制御ユニットが実行する入賞判定ルーチンを示すフローチャート。
【図10A】図3の変形例を判定対象ラインの一部とともに示す図。
【図10B】図3の変形例を判定対象ラインの他の一部とともに示す図。
【図11】図3のさらなる変形例を示す図。
【図12A】縮小セル列内に縮小セルと通常セルとが存在する変形例を示す図。
【図12B】図12Aの状態から、縮小セル列に対応する仮想リールが一セル相当量下方に移動した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明をスロットマシンタイプのゲーム機に適用した一形態を説明する。図1に示すように、本形態のゲーム機1は縦型の筐体2を有し、その筐体2の前面には表示装置3が設けられている。表示装置3は一例として液晶ディスプレイ装置である。表示装置3の下側にはコントロールパネル4が設けられている。コントロールパネル4には、コインの投入口5、及び操作装置6が設けられている。操作装置6は、例えばベット操作その他の各種の操作を行うためのボタンスイッチといった操作部材を含んでいる。
【0010】
表示装置3の表示面上には抽選領域7が規定されている。図2に想像線La、Lbで区分して示したように、抽選領域7には、シンボル停止位置としての複数のセル8が表示装置3の画面上の縦方向及び横方向にマトリクス状に並ぶように規定される。図1及び図2では、縦方向に3行、横方向に5列の合計15個のセル8が配置されている。縦方向に一列に並べられた複数のセル8によって一列のセル列9が構成される。したがって、抽選領域7には、5つのセル列9が横方向に互いに平行に並べられて配置されている。
【0011】
図2及び図3を比較すれば明らかなように、抽選領域7の右端に配置されたセル列9は、列方向(縦方向)に所定の大きさの3個のセル8が並ぶ通常セル列(図2)と、セル8の列方向の大きさが1/2に縮小された6個のセル8が並ぶ縮小セル列(図3)との間で変更可能な可変セル列として規定されている。他のセル列9は通常セル列に固定されている。以下では、図1及び図2に示したように抽選領域7の全てのセル列が通常セル列に設定されて抽選領域7に15個のセル8が存在する状態を通常状態と呼び、図3に示すように可変セル列が縮小セル列に設定されてセル数が通常状態よりも増加している状態を部分縮小状態と呼ぶことがある。セル数の変更に関する詳細は後述する。なお、図2及び図3に示された想像線La、Lb、つまりセル8の境界線は、プレイヤが視覚を通じて把握できる態様で表示装置3上に表示されてもよいし、表示が省略されてもよい。すなわち、セル8は抽選領域7内でシンボル停止位置としてゲーム機1の内部で論理的に、あるいは観念的に規定されていれば足り、それらの境界が視認できることは必ずしも必要とされない。
【0012】
表示装置3上には、セル列9のそれぞれに対応付けて5本の仮想リール10が表示される。図2及び図3では、各仮想リール10の抽選領域7と重なり合う部分のみが示されている。各仮想リール10はシンボル列として機能し、右端のセル列9に対応する仮想リール10は可変シンボル列として設定されている。1本の仮想リール10の構成を図4に示す。仮想リール10は、所定数のシンボル領域11が一方向に連ねられた構成を有し、その全長はセル列9のそれよりも十分に長い。一つのシンボル領域11の大きさは一つのセル8のそれと同じである。シンボル領域11は、固定領域11aと可変領域(ハッチングで示す。)11bとを含んでいる。固定領域11aのそれぞれには、複数種類のシンボル12のいずれか一つが固定的に配置される。つまり、各固定領域11aに配置されたシンボル12は不変である。シンボル12としては、数字、文字、あるいは象、ライオン、シマウマといった図形が適宜に採用される。「WILD」の文字が付されたシンボル12は、入賞判定において、他のいずれのシンボル12としても通用する万能シンボルとして機能する。
【0013】
一方、可変領域11bには、複数種類のシンボル12から、いずれか一つのシンボル12が抽選されて配置される。つまり、可変領域11bに配置されるシンボル12は適宜に変更される。1本の仮想リール10に配置されるシンボル12の個数は適宜でよい。セル個数は、一つのセル列9の最も多くのセルが縮小セルに変更されたときの最大セル個数以上であることが望ましい。5本の仮想リール10のそれぞれにおけるシンボル12の配列は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。抽選領域7におけるセル列9の方向と仮想リール10におけるシンボル12の並び方向とは一致する。抽選領域7には、仮想リール10上の一つのシンボル12が一つのセル8に割り当てられるようにして表示される。なお、図4ではシンボル領域11の境界を想像線Lcで示しているが、表示装置3上に表示される仮想リール10の画像にはその境界が示されてもよいし、示されなくてもよい。仮想リール10は、観念的には、円筒体の外周にシンボルを配置した機械的なリールと同様に、円筒体状に構成された存在である。図4はその仮想リール10を展開した状態に相当する。
【0014】
ゲームが開始されると、各仮想リール10はセル列9に沿って上から下にスクロールされる。そのスクロールは、物理リールが回転するときのシンボルの移動を、画像表示に置き換えて仮想的に表現するものである。所定の停止時期において、各仮想リール10は、一つのセル8に一つのシンボル12が現れるようにして停止する。つまり、仮想リール10のスクロールの停止位置(仮想リール10の停止位置と略称することがある。)は一セル単位で制御される。この点は、ゲームが通常状態にあるか、部分縮小状態にあるかに関わりなく同じである。
【0015】
すなわち、図5に示したように、部分縮小状態では、セル8の列方向に関する大きさが通常状態のそれと比して1/2に縮小され、抽選領域7上の一つのセル列9上に6個のセル8が配置される。そのセル8の縮小に合わせて、仮想リール10の各シンボル領域11も同一方向(シンボル12の配列方向)に1/2の大きさに縮小され、その縮小に合わせてシンボル12の画像も同一方向に1/2の大きさに縮小される。そして、これらの縮小された仮想リール10の停止位置が、縮小された一つのセル8の大きさを単位として制御される。つまり、通常状態と部分縮小状態とを比較すると、通常状態では全てのセル列9のシンボル停止位置が3箇所であるのに対して、部分縮小状態では右端のセル列9のみシンボル停止位置が6箇所であり、かつ右端の仮想リール10が列方向に1/2に縮小された状態で表示される点で相違するが、仮想リール10の停止位置が一セル単位で制御される点はいずれの状態も同じである。
【0016】
なお、シンボル停止位置は、シンボル12が停止すべき位置を意味し、各セル8と同義である。一方、仮想リール10の停止位置とは、仮想リール10のスクロールが停止したときの位置を意味する概念である。仮想リール10の停止位置は、そのスクロールが停止したときに、シンボル停止位置としての各セル8に仮想リール10上のいずれのシンボル12が現れているかによってこれを区別することができる。
【0017】
図6はゲーム機1の制御系の概略構成を示している。ゲーム機1には制御ユニット20が設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット20には、外部記憶装置21が接続されている。外部記憶装置21は磁気記憶媒体、DVD−ROM、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を有し、その記憶媒体には、制御ユニット20が所定の手順に従ってゲームを制御するために必要なゲームプログラム22及びゲームデータ23が記憶されている。ゲームプログラム22は制御ユニット20に適宜に読み込まれて実行される。ゲームデータ23も制御ユニット20に適宜に読み込まれて参照される。ゲームデータ23にはリールデータ23aが含まれている。リールデータ23aは、仮想リール10の各シンボル領域11におけるシンボル12の種類を記述したデータである。なお、外部記憶装置21上のリールデータ23aにおいては、可変領域11bに配置されるべきシンボ12が未定であることを示す情報が記述される。
【0018】
制御ユニット20には、上述した操作装置6及び表示装置3が接続される。操作装置6は、プレイヤの操作に応じた信号を制御ユニット20に出力する。表示装置3は、制御ユニット20から出力される画像信号に応じた画像を表示する。制御ユニット20は、操作装置6の出力信号を参照しつつゲームプログラム22に従って所定の手順でゲームを実行し、そのゲームの進行状況に応じたゲーム画面を表示装置3上に表示させる。そのゲーム画面には、上述したように抽選領域7を示す画像、及び仮想リール10のうち、抽選領域7内に出現させるべき部分(つまり、各セル8に出現させるべきシンボル12)の画像が含まれる。それらの画像を表示装置3の画面上に表示させることにより、制御ユニット20はシンボル列表示手段として機能する。
【0019】
さらに、ゲームを実行するために必要な入力装置又は出力装置として、制御ユニット20には、上述した操作装置6及び表示装置3に加えて、コイン投入装置24及びペイアウト装置25が接続されている。コイン投入装置24は、ゲームをプレイする対価としてのコインの投入を受け付け、その投入量(投入額)に応じた信号を制御ユニット20に出力する。ペイアウト装置25は、制御ユニット20からの指示に従って、プレイヤにゲームの配当としてのコインの支払いを実行する。なお、上述したように、ゲームをプレイする対価の支払い、及びプレイヤに対する配当の付与はコインによる例に限らない。代替通貨としてのメダル、トークン等が利用されてもよいし、電子通貨その他の電子的な情報の交換を介して通貨価値又は遊技価値のやり取りが可能な決済方法が利用されてもよい。
【0020】
制御ユニット20の内部には、乱数発生部26、抽選部27及び入賞判定部28が設けられる。乱数発生部26は所定の桁数の乱数を発生する。乱数発生部26はマイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置でもよいし、電子回路を組み合わせた物理的装置でもよい。抽選部27及び入賞判定部28は、マイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。抽選部27は、乱数発生部26から乱数を取得して、仮想リール10の可変領域11bに配置されるべきシンボル12を抽選し、あるいは仮想リール10の停止位置を抽選する。入賞判定部28は、仮想リール10が停止したときのプレイヤの入賞の有無を判別する。その他にも、制御ユニット20には、スロットゲームを実行するために必要な論理的装置、あるいは物理的装置が適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
【0021】
次に、ゲーム機1におけるゲームの手順を説明する。ゲーム機1において、ゲームに必要な額のコインが投入されたことを示す信号がコイン投入装置24から制御ユニット20に出力されると、操作装置6を介したベット操作が可能となる。操作装置6からベット操作を示す信号が出力されると制御ユニット20によりベット処理が行われる。なお、ベット処理は、プレイヤがゲームをプレイする権利としてゲーム機1上で留保されているクレジットを所定量消費させることと引き換えに許可されることもある。少なくとも最小単位のベットが行われた状態で操作装置6からゲーム開始を指示する信号が出力されると、制御ユニット20は一回の遊技機会が発生したものと判断して、図7に示すスロットゲームルーチンを実行する。それにより、仮想リール10を利用したスロットゲームがゲーム機1上で行われる。以下、スロットゲームルーチンを説明する。
【0022】
図7のゲームルーチンを開始すると、制御ユニット20は、まずステップS1で、仮想リール10の各可変領域11bに配置されるべきシンボル12を抽選する。その抽選は、上述したように、抽選部27が乱数発生部26から乱数を取得することにより行われる。可変領域11bに配置されるべきシンボル12が決定されると、制御ユニット20は、外部記憶装置21からリールデータ23aを読み取り、そのリールデータ23aの可変領域11bに関する情報をステップS1にて抽選されたシンボル12を示す情報に置き換え、その置換後(更新後)のリールデータ23aを制御ユニット20の主記憶装置に保存する。この処理はセル列9毎に行われる。更新後のリールデータ23aを参照することにより、制御ユニット20は、各セル列9に配置される仮想リール10上のすべてのシンボル12の配列を特定することが可能である。
【0023】
続くステップS2において、制御ユニット20は部分縮小状態を発生させる条件(縮小条件)が満たされているか否かを判別する。縮小条件は適宜に定めることができる。一例として、プレイヤがベットしたコインの額(枚数)が所定額を越えた場合に満たされるように縮小条件を定めてもよい。前回又はそれ以前に実行されたスロットゲームの結果が所定の結果を収めたとき、次回のゲームで縮小条件が満たされるようにしてもよい。縮小条件がランダムに満たされるようにしてもよい。ステップS2にて縮小条件が満たされていない場合、制御ユニット20はステップS3に進み、ゲームの状態を通常状態に設定する。この場合、制御ユニット20の内部では、抽選領域7の全てのセル列9が通常セル列であるものとしてセル8が規定され、かつ、各仮想リール10は縮小されない本来の大きさで画面上に表示される。
【0024】
一方、ステップS2で縮小条件が満たされている場合、制御ユニット20はステップS4に進む。ステップS4において、制御ユニット20は、ゲームの状態を部分縮小状態に設定する。この場合、制御ユニット20の内部では、抽選領域7の右端の可変セル列9が縮小セル列、つまり通常セル列の一つのセル8を列方向に1/2の大きさに縮小した6個の縮小セルが並ぶものとしてセル8が規定され、かつ右端の仮想リール10もセル列9の方向に1/2の大きさに縮小されて表示される。他のセル列9及び仮想リール10に関しては通常状態と同様に設定され、表示される。
【0025】
ステップS3又はS4にてゲームの状態が設定された後、制御ユニット20はステップS5に進む。ステップS5において、制御ユニット20は、仮想リール10の停止位置を抽選するサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。続くステップS6において、制御ユニット20は各仮想リール10のスクロールを開始させる。次のステップS7において、制御ユニット20はステップS5で決定した停止位置に各仮想リール10を停止させる。その後、制御ユニット20はステップS8に進み、入賞判定用のサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。
【0026】
続くステップS9において、制御ユニット20は入賞判定部28を利用して、プレイヤが入賞したか否かを判断する。ここでいう入賞とは、抽選領域7の判定対象ライン上に現れているシンボル12の組み合わせが所定の入賞パターンに該当していることを意味する。判定対象ラインは、入賞パターンが形成されているか否かを判定する対象となるべき複数のセル8の群を結ぶ仮想的なラインである。例えば、各セル列9の中央に位置するセル8が判定対象のセル群として設定される場合には、図2に一点鎖線Aで示したように、各セル列9の中央のセル8を行方向に貫くラインが判定対象ラインである。判定対象ラインは、図2に示した例に限らない。各セル列9の上端又は下端のセル8を行方向に貫くライン、セル8をV字状に結ぶライン等が判定対象ラインとして設定されてよい。判定対象ラインはベット数に応じて変化してもよい。例えば、所定額のコインがベットされると、列方向中央のセル8を結ぶラインが判定対象ラインとして設定され、ベット額が所定単位増加する毎に判定対象ラインが追加されてもよい。プレイヤが、複数のラインから判定対象ラインを指定可能としてもよい。
【0027】
なお、部分縮小状態において、縮小されたセル列9では、縮小前の状態で判定ライン上に位置すべき一つのセル8の範囲で連続する二つのセル8が、その縮小されたセル列9上における判定対象のセル8として扱われる。例えば、図3に示すように各セル列9の中央を貫くように判定対象ラインAが設定されている場合には、縮小された右端のセル列9上において、中央に位置する二つのセル8のいずれもが判定対象ラインA上に含まれるものとして扱われる。この場合、右端のセル列9における上から3番目のセル8を含む第1ラインa1上に位置する第1セル群と、右端のセル列9における上から4番目のセル8を含む第2ラインa2上に位置する第2セル群のそれぞれが判定対象のセル8として個別に選択され、それらの選択されたセル8と、他のセル列9の判定ライン上のセル8のそれぞれに停止しているシンボル12の組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かが判定される。
【0028】
ステップS9にて入賞していると判断された場合、制御ユニット20はステップS10に進み、入賞内容、つまり入賞パターンを形成しているシンボル12の種類に応じた配当をプレイヤに付与する。配当は、コインの払い出し、ゲームをプレイする権利といった態様で付与される。プレイする権利は、クレジットと呼ばれる単位で定量的に表現される。配当の価値は、基本的に、入賞パターンが成立する確率と連係して変動し、成立する確率が低い入賞パターンほど、その成立に対応する配当の価値は高く設定される。ステップS10にて配当を付与した場合、制御ユニット20は今回のスロットゲームルーチンを終了する。ステップS9にて入賞していないと判断された場合、制御ユニット20はステップS10をスキップしてスロットゲームルーチンを終了する。
【0029】
図8は、スロットゲームルーチンに対するサブルーチン処理として、図7のステップS5で呼び出されて実行される停止位置抽選ルーチンを示している。制御ユニット20は、停止位置抽選ルーチンを開始すると、まずステップS21で抽選対象のセル列9の列番号を特定する変数Nに初期値1をセットする。ここでいう列番号は、一例として、抽選領域7の左端のセル列9から1番、2番…と順に増加するものとする。続くステップS22において、制御ユニット20は抽選対象のセル列(N番目のセル列)9における仮想リール10の停止位置を抽選する。その抽選は、抽選部27が乱数発生部26から乱数を取得することにより行われる。その抽選結果により、どのシンボル12がどのセル8上に位置しているときに仮想リール10のスクロールを停止させるべきかが定まる。例えば、図4の仮想リール10において、各シンボル領域11に上端から1番、2番と順番に番号を付したとき、セル列9の上端のセル8に何番のシンボル領域11が位置しているときに仮想リール10のスクロールを停止させるべきか、を抽選結果に応じて定めることができる。いずれか一つのセル8に停止させるべきシンボル領域11の番号が定まれば、同じセル列9内の他のセル8にて停止させるべきシンボル領域11の番号も一義的に定まる。
【0030】
仮想リール10の停止位置が抽選されると、制御ユニット20はステップS23に進み、現在、部分縮小状態にあるか否かを判別する。図7のステップS2で肯定判断された場合にはステップS23も肯定判断され、図7のステップS2で否定判断された場合にはステップS23も否定判断される。ステップS23にて部分縮小状態ではないと判断された場合、制御ユニット20はステップS24に進む。ステップS24において、制御ユニット20は、ステップS22で抽選した仮想リール10の停止位置と、制御ユニット20の主記憶装置に保持されているリールデータ23aによって特定されるシンボル12の配列とを参照して、抽選対象のセル列9内に含まれている三つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12を判別する。そして、判別した三つのセル8のそれぞれに表示されるべきシンボル12の種類を記憶する。その後、制御ユニット20はステップS27に進み、変数Nが5に達しているか否かを判別する。5に達していなければ制御ユニット20はステップS28に進んで変数Nに1を加算し、その後、ステップS22の処理に戻る。
【0031】
一方、ステップS23にて部分縮小状態にあると判断された場合、制御ユニット20は変数Nが縮小対象のセル列9の番号Nx(図3の例ではNx=5)に一致するか否かを判別する。一致していなければ制御ユニット20はステップS24の処理に進む。ステップS25にて変数NがNxと一致する場合、制御ユニット20はステップS26に進む。ステップS26において、制御ユニット20は、ステップS22で抽選した仮想リール10の停止位置と、制御ユニット20の主記憶装置に保持されているリールデータ23aによって特定されるシンボル12の配列とを参照して、抽選対象のセル列(この場合は縮小セル列である。)9内に含まれている6つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12を判別する。そして、判別した6つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12の種類を記憶する。その後、制御ユニット20はステップS27に進む。ステップS27で変数が5に一致すると判断された場合、制御ユニット20は、停止位置抽選ルーチンを終了し、図7のルーチンに戻る。以上のサブルーチンが実行されることにより、各セル8に表示させるべき全てのシンボル12の種類が決定されて記憶される。
【0032】
図9は、スロットゲームルーチンに対するサブルーチン処理として、図7のステップS8で呼び出されて実行される入賞判定ルーチンを示している。この処理は、入賞判定部28を利用して行われる。制御ユニット20は、その入賞判定ルーチンを開始すると、まずステップS31で、いずれか一つの判定対象ラインを選択する。判定対象ラインは上述した通り、ベット数、プレイヤの選択等に応じて適宜に設定される。続くステップS32において、制御ユニット20は、現在、部分縮小状態にあるか否かを判別する。その判別は、図8のステップS23と同様である。部分縮小状態ではない場合、制御ユニット20はステップS33に進み、選択中の判定対象ライン上に位置している5つのセル8内のシンボル12が所定の入賞パターンを形成しているか否かを判別する。一例として、判定対象ライン上の全てのシンボル12が同一であるときに入賞パターンが形成されていると判断される。続くステップS34において、制御ユニット20は入賞判別の結果を記憶し、その後、ステップS35に進む。ステップS35では、全ての判定対象ラインについて入賞の有無を判定したか否かを判別し、未判定の判定対象ラインが残っているときはステップS31に進んで新たな判定対象ラインを選択する。一つの判定対象ラインのみが設定されている場合、ステップS35は必ず肯定判断される。
【0033】
ステップS32で部分縮小状態と判断された場合、制御ユニット20はステップS36に進み、第1ラインa1(図3参照)上に位置する第1セル群を対象として選択し、それらのセル8上のシンボル12が入賞パターンを形成しているか否かを判別する。続くステップS37において、制御ユニット20は第2ラインa2上に位置する第2セル群を対象として選択し、それらのセル8上のシンボル12が入賞パターンを形成しているか否かを判別する。ステップS37の処理後はステップS34へと処理が進められるが、この場合は第1セル群及び第2セル群のそれぞれに関する判別結果が記憶される。
【0034】
ステップS35にて全ての判定対象ラインにつき入賞の有無を判別したと判断された場合、制御ユニット20は入賞判定ルーチンを終了し、図7のルーチンに戻る。その後、図7のステップS9では、図9のステップS34で記憶された判別結果に基づいて、入賞の有無が判断される。部分縮小状態にある場合には、一つの判定対象ラインにおいて第1セル群及び第2セル群のそれぞれにて入賞パターンが形成される可能性がある。例えば、第1セル群又は第2セル群のいずれか一方のセル群で入賞パターンが形成されていなくても、他方のセル群にて入賞パターンが形成されている場合が生じる。図3に例示したように、縮小された仮想リール10の可変領域11bに割り当てられたシンボル(図ではライオン)12が、隣接する固定領域11aに割り当てられているシンボル12と同一であったときには、それらのシンボル12が判定対象ライン上のセル8にて停止すれば、第1セル群及び第2セル群のそれぞれで入賞パターンが成立し得る。図7のステップS9及びS10の処理では、第1セル群及び第2セル群のいずれか一方で入賞パターンが成立していれば、入賞と判定されてその入賞パターンに対応した配当が付与される。第1セル群及び第2セル群のそれぞれで入賞パターンが形成されている場合には、それらの入賞パターンに対応した配当が付与される。
【0035】
以上の説明から明らかなように、ゲーム機1においては、縮小されたセル列9上において、判定対象ライン上にあるとして扱われる二つのセル8に対して、仮想リール10上で互いに隣接している二つのシンボル12を任意に出現させることができる。そのため、部分縮小状態が発生したときに入賞パターンが形成される確率が通常状態のそれと比較して増加する。それにより、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を高め、ゲームをプレイするモチベーションを向上させることが可能である。
【0036】
また、ゲーム機1では、仮想リール12上の一部のシンボル領域11が可変シンボル領域11bとされ、そこに配置されるべきシンボル12を抽選により選択している。したがって、可変シンボル領域11bとこれに隣接するシンボル領域11とに同一のシンボル12が配置された場合には、一つの判定対象ラインに関して二組の入賞パターンが形成される可能性が生じる。それにより、通常よりも高い配当をプレイヤに付与することも可能である。
【0037】
以上の形態では、制御ユニット20が、シンボル停止位置としてのセル8を規定することにより抽選領域規定手段として機能する。また、制御ユニット20は、図8の停止位置抽選ルーチンを実行することにより抽選手段として機能し、図7のステップS6及びS7の処理を実行することによりシンボル列移動制御手段及びシンボル列画像制御手段として機能し、図9の入賞判定ルーチンを実行することにより入賞判定手段として機能し、図7のステップS2の判断結果に応じてステップS3又はS4の処理を実行することにより、状態制御手段として機能する。さらに、制御ユニット20は、図7のステップS1の処理を実行することによりシンボル選択手段として機能する。
【0038】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の形態にて実施することができる。例えば、可変セル列は、抽選領域7の右端のセル列9に限らず、他のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。複数のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。一例として、図10に示すように右端及びその隣のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。また、縮小セル列における縮小セルは、通常セル列における一つのセル(通常セル)を2等分した大きさに限定されず、図10Aの右端のセル列9に例示されているように、一つの通常セル8を3個、又はそれ以上の個数に等分した大きさに設定されてもよい。ちなみに、図10Aの例では、縮小セル列のそれぞれで一つの縮小セルを選択して入賞判定をすることができる。例えば、通常セル列の中央のセル8を貫くように1本の判定対象ラインAを設定すれば、図10Aに示したように、右から二番目の縮小セル列における上側の縮小セル8と、右端の縮小セル列の3つの縮小セル8とをそれぞれ結ぶ3本のラインa1、a2及びa3を規定することができ、かつ、図10Bに示したように、右から二番目の縮小セル列における下側の縮小セル8と、右端の縮小セル列の3つの縮小セル8とをそれぞれ結ぶ3本のラインb1、b2及びb3を規定することができる。これにより、各ラインa1〜a3、b1〜b3に対応した6つのセル群のそれぞれに関して入賞パターンが形成される可能性が生じる。なお、セル列の本数及び各セル列内に配置されるべきセルの個数は適宜に変更可能である。
【0039】
本発明において、一つのセル8に出現するシンボル12は一つに限らない。例えば、図11において、右端の縮小されたセル列9に例示されているように、シンボル列上の一セルに対応する領域に複数のシンボルが出現するようにシンボル列を構成し、それによりさらなる高配当が生じる確率を高め、あるいは入賞パターンが形成される確率を高めてもよい。一セルに対応したシンボル列上の領域に配置されるべき複数のシンボルは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0040】
本発明は、全てのシンボル列が表示装置の画面上に画像として表示される形態に限らない。例えば、一部のシンボル列が画像によって表現され、残りのシンボル列が物理的なリールによって構成されてもよい。この場合、画像によるシンボル列の少なくとも一部を可変シンボル列として設定し、そのシンボル列上のシンボルの大きさをセルと連係して変化させてもよい。ただし、本発明において、縮小セル列は可変セル列の一形態として規定される例に限らない。つまり、一部のセル列を常に縮小セル列として規定し、縮小セル列に対応するシンボル列の各シンボルの大きさを縮小セル内の各セルのそれに合わせることにより、部分縮小状態を常時生じさせる形態も本発明に含まれる。縮小セル列として固定されたセル列と可変セル列として設定されたセル列とが混在してもよい。
【0041】
また、可変セル列を通常セル列と縮小セル列として変化させる場合において、その可変セル列に対応するシンボル列は、画像によって表示される仮想的なシンボル列に限らず、物理的なリールのように構造物を利用したシンボル列でもよい。画像によって表示される仮想的なシンボル列と物理的なリールのような構造物を利用したシンボル列とが組み合わされてもよい。例えば、縮小セル列として固定されるセル列に対しては、通常セル列と比較してシンボルの並び方向におけるシンボルの大きさが縮小された物理的なリールをシンボル列として配置してもよい。このような例としては、縮小条件が成立したときに、通常セル列の配置された物理的なリールが縮小セル列の配置された物理的なリールと機械的に交換されるような構造、あるいは、選択的に遮蔽するシャッターを有し、縮小条件が成立したときに、縮小セル列の配置された物理的なリールを遮蔽する状態から通常セル列の配置された物理的なリールを遮蔽する状態に切り替え、通常セルのリールに代えて縮小セルのリールが見えるようにする構造等が考えられる。また、画像によって表示される仮想的なシンボル列と物理的なリールのような構造物を利用したシンボル列とを組み合わせる場合には、縮小セル列の配置された物理的なリールの前にシャッターを設け、さらにそのシャッターの前に透明化が可能な液晶表示装置等の薄型表示装置を設け、表示装置に通常セル列の配置された仮想リールを表示し、通常状態ではシャッターを閉じて表示装置の仮想リールが見えるようにし、縮小条件が成立した場合に、シャッターを開くとともに表示装置を透明化し、物理的なリールを視認可能としてもよい。あるいは、物理的なリールに通常セル列を配置し、表示装置に縮小セル列の配置された仮想リールを表示させて、通常状態で表示装置を透明化しかつシャッターを開いて物理的なリールを視認可能とし、縮小条件が成立した場合には、シャッターを閉じて物理的なリールを視認不能とし、かつ表示装置に仮想リールを表示させてもよい。この場合、表示装置によってはシャッターを省略することもできる。
【0042】
さらに、物理的な構造物によってシンボル列を実現する場合でも、シンボルの並び方向に伸縮可能な素材、構造を採用し、その伸縮状態をセル列の各セルの大きさに合わせて制御すれば、物理的な構造のシンボル列を、可変セル列に対応するシンボル列として機能させることができる。さらに、本発明において、縮小セル列に含まれる全てのセルが縮小された縮小セルであることは必ずしも必要としない。少なくとも一つの通常セルの大きさに亘って連続する縮小セルの群が縮小セル列内に存在する限り、縮小セル列の一部に通常セルが含まれていてもよい。一例を図12Aに示す。この例では、右端のセル列が縮小セル列として設定されている。その縮小セル列の列方向中央に位置する二つのセル8のみが縮小セル列であり、同一セル列内の他のセル8は通常セルである。縮小セル列に対応する仮想リール10では、縮小セルに対応するシンボル12の大きさのみが通常セルに対応するシンボル12と比較して列方向に1/2の大きさに縮小される。したがって、図12Aの状態から仮想リール10が1セルに相当する距離で移動すると、下側の縮小セル8に表示されていたライオンのシンボル12が、図12Bに示すように、通常セル8に対応した大きさへと戻される。
【0043】
本発明において、シンボル列の停止位置は、抽選手段が決定したシンボルが各セルに必ず出現するように制御されてもよいし、抽選手段の抽選結果に基づく限りにおいて、他の要素を加えて停止位置が制御されてもよい。例えば、プレイヤに停止操作を要求し、その停止操作が適切な時期に行なわれたときに抽選手段が抽選したシンボルが対応するセル上にて停止し、停止操作が適切な時期に行なわれなかった場合には、抽選手段が抽選したシンボルと異なるシンボルがセル上で停止するといったように、プレイヤの操作をさらなる要素として考慮してシンボルの停止位置が制御されてもよい。さらに、セル列が配列される方向は、セル列と直交する方向に限らない。例えば、各セルを6角形状に規定し、セルが蜂の巣状に配置されるようにセル列が配列されてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるスロットマシンのように、複数のシンボル列を、シンボル停止位置として規定されたセルの列に沿って移動させ、それらのシンボル列が停止したときに所定のセル群に出現したシンボルの組み合わせが所定の入賞パターンを形成したか否かを判定するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているスロットマシンでは、筐体の前面に、シンボル停止位置としての複数のセルが所定行数及び所定列数のマトリクス状に並ぶように規定され、縦方向のセルの列のそれぞれに対して物理的又は仮想的なリールが配置されている。リール上には複数種類のシンボル、例えば数字あるいは図柄が所定の並び順で配置され、それにより各リールがシンボル列として機能する。プレイヤが硬貨、あるいはメダル、トークン等の代替硬貨を投入してベット操作を行うとゲームが開始され、リールがセルの列に沿って回転を開始する。所定の停止時期になると、各セルに一つのシンボルが出現するようにリールが停止する。セル上で停止したシンボルが所定の入賞パターン、例えば同一シンボルが行方向に揃うパターンを形成していると、プレイヤにその入賞パターンに応じた配当が付与される。この種のスロットマシンでは、一般に、セルの大きさは互いに等しく、一つのセルに対応するリール上の領域には一つのシンボルが配置されている。リールの停止位置は、そのセルの列方向の大きさを単位として制御され、それにより、一つのセルにいずれか一つのシンボルが繰り出される。一つのセルと同じ大きさのリール上の領域に同一種類の複数のシンボルが配置され、それらのシンボルが入賞ライン上に含まれているときに通常よりも配当を高めるスロットマシンタイプのゲーム機も提供されている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7473173号の明細書
【特許文献2】米国特許第5395111号の明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲーム機では、複数個のシンボルを一セル内に格納しているに過ぎず、セルの大きさは不変である。シンボルの停止位置は一セル単位で制御されるため、複数個のシンボルが入賞判定対象のセルにて停止しない限り高配当が得られない。したがって、プレイヤから見れば、極めて限られた場合にしか高配当が得られず、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を十分に高められないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明のゲーム機は、シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域が規定され、複数のシンボルを前記セルの並び方向に沿ってそれぞれ配列した複数のシンボル列が、一部のシンボルを前記セル上に出現させるようにしてセル列毎に配置されたゲーム機であって、所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、前記抽選手段の抽選結果に基づいて各シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させるシンボル列移動制御手段と、判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、を具備し、前記複数のセル列が、所定の大きさの複数の通常セルを並べた通常セル列と、一つの通常セルを縮小した複数の縮小セルを少なくとも一部に連続して並べた縮小セル列とを含むように前記抽選領域が規定され、前記シンボル列のそれぞれでは、対応する通常セル列又は縮小セル列の各セルの大きさに合わせるように各シンボルの大きさが設定された部分縮小状態が、少なくとも一時的に生成され、前記シンボル列移動制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定するものである。
【0006】
本発明のゲーム機においては、部分縮小状態にあるとき、抽選領域内に通常セル列と縮小セル列とを規定し、縮小セル列では、少なくとも一つの通常セルに相当する大きさに亘って縮小セルが連続する。シンボル列では、対応する通常セル列又は縮小セル列のセルの大きさに合わるように各シンボルの大きさが設定される。したがって、縮小セル上に位置するシンボルは、通常セル上に位置するシンボルに比して縮小される。遊技機会が発生すると、各セル上に出現させるべきシンボルが抽選され、シンボル列のシンボルが移動を開始し、その後、抽選結果に基づいてシンボル列の各シンボルが一セル単位で停止する。その停止制御は、部分縮小状態においても一セル単位で行なわれる。
【0007】
そのため、入賞判定対象のセル群に含まれている通常セルは勿論のこと、そのセル群に含まれている各縮小セルについても、シンボル列に配置された一連のシンボルから、いずれか一つの任意のシンボルを出現させることができる。部分縮小状態における入賞判定対象のセル群には、一つの通常セルに相当する大きさに亘って連続する複数の縮小セルが含まれており、かつ入賞判定では、それらの縮小セルが一つずつ選択され、選択された縮小セルにて停止したシンボルと、通常セルにて停止したシンボルとの組み合わせ毎に入賞パターンが形成されているか否かが判定される。つまり、判定対象となるべきセルの組み合わせが複数組存在し、各組毎に入賞パターンが形成されているか否かが判定される。したがって、一つの組み合せで入賞パターンが形成されていなくても、他の組み合わせにおいて入賞パターンが形成され、あるいは複数の組み合わせのそれぞれで入賞パターンが形成されるといったように、入賞の態様を多様化することができる。それにより、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の斜視図。
【図2】通常状態における抽選領域を示す図。
【図3】部分縮小状態における抽選領域を示す図。
【図4】シンボル列としての仮想リールの部分破断展開図。
【図5】縮小セル列における縮小セルと、仮想リール上のシンボルとの対応関係を示す図。
【図6】図1のゲーム機における制御系のブロック図。
【図7】制御ユニットが実行するスロットゲームルーチンを示すフローチャート。
【図8】制御ユニットが実行する停止位置抽選ルーチンを示すフローチャート。
【図9】制御ユニットが実行する入賞判定ルーチンを示すフローチャート。
【図10A】図3の変形例を判定対象ラインの一部とともに示す図。
【図10B】図3の変形例を判定対象ラインの他の一部とともに示す図。
【図11】図3のさらなる変形例を示す図。
【図12A】縮小セル列内に縮小セルと通常セルとが存在する変形例を示す図。
【図12B】図12Aの状態から、縮小セル列に対応する仮想リールが一セル相当量下方に移動した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明をスロットマシンタイプのゲーム機に適用した一形態を説明する。図1に示すように、本形態のゲーム機1は縦型の筐体2を有し、その筐体2の前面には表示装置3が設けられている。表示装置3は一例として液晶ディスプレイ装置である。表示装置3の下側にはコントロールパネル4が設けられている。コントロールパネル4には、コインの投入口5、及び操作装置6が設けられている。操作装置6は、例えばベット操作その他の各種の操作を行うためのボタンスイッチといった操作部材を含んでいる。
【0010】
表示装置3の表示面上には抽選領域7が規定されている。図2に想像線La、Lbで区分して示したように、抽選領域7には、シンボル停止位置としての複数のセル8が表示装置3の画面上の縦方向及び横方向にマトリクス状に並ぶように規定される。図1及び図2では、縦方向に3行、横方向に5列の合計15個のセル8が配置されている。縦方向に一列に並べられた複数のセル8によって一列のセル列9が構成される。したがって、抽選領域7には、5つのセル列9が横方向に互いに平行に並べられて配置されている。
【0011】
図2及び図3を比較すれば明らかなように、抽選領域7の右端に配置されたセル列9は、列方向(縦方向)に所定の大きさの3個のセル8が並ぶ通常セル列(図2)と、セル8の列方向の大きさが1/2に縮小された6個のセル8が並ぶ縮小セル列(図3)との間で変更可能な可変セル列として規定されている。他のセル列9は通常セル列に固定されている。以下では、図1及び図2に示したように抽選領域7の全てのセル列が通常セル列に設定されて抽選領域7に15個のセル8が存在する状態を通常状態と呼び、図3に示すように可変セル列が縮小セル列に設定されてセル数が通常状態よりも増加している状態を部分縮小状態と呼ぶことがある。セル数の変更に関する詳細は後述する。なお、図2及び図3に示された想像線La、Lb、つまりセル8の境界線は、プレイヤが視覚を通じて把握できる態様で表示装置3上に表示されてもよいし、表示が省略されてもよい。すなわち、セル8は抽選領域7内でシンボル停止位置としてゲーム機1の内部で論理的に、あるいは観念的に規定されていれば足り、それらの境界が視認できることは必ずしも必要とされない。
【0012】
表示装置3上には、セル列9のそれぞれに対応付けて5本の仮想リール10が表示される。図2及び図3では、各仮想リール10の抽選領域7と重なり合う部分のみが示されている。各仮想リール10はシンボル列として機能し、右端のセル列9に対応する仮想リール10は可変シンボル列として設定されている。1本の仮想リール10の構成を図4に示す。仮想リール10は、所定数のシンボル領域11が一方向に連ねられた構成を有し、その全長はセル列9のそれよりも十分に長い。一つのシンボル領域11の大きさは一つのセル8のそれと同じである。シンボル領域11は、固定領域11aと可変領域(ハッチングで示す。)11bとを含んでいる。固定領域11aのそれぞれには、複数種類のシンボル12のいずれか一つが固定的に配置される。つまり、各固定領域11aに配置されたシンボル12は不変である。シンボル12としては、数字、文字、あるいは象、ライオン、シマウマといった図形が適宜に採用される。「WILD」の文字が付されたシンボル12は、入賞判定において、他のいずれのシンボル12としても通用する万能シンボルとして機能する。
【0013】
一方、可変領域11bには、複数種類のシンボル12から、いずれか一つのシンボル12が抽選されて配置される。つまり、可変領域11bに配置されるシンボル12は適宜に変更される。1本の仮想リール10に配置されるシンボル12の個数は適宜でよい。セル個数は、一つのセル列9の最も多くのセルが縮小セルに変更されたときの最大セル個数以上であることが望ましい。5本の仮想リール10のそれぞれにおけるシンボル12の配列は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。抽選領域7におけるセル列9の方向と仮想リール10におけるシンボル12の並び方向とは一致する。抽選領域7には、仮想リール10上の一つのシンボル12が一つのセル8に割り当てられるようにして表示される。なお、図4ではシンボル領域11の境界を想像線Lcで示しているが、表示装置3上に表示される仮想リール10の画像にはその境界が示されてもよいし、示されなくてもよい。仮想リール10は、観念的には、円筒体の外周にシンボルを配置した機械的なリールと同様に、円筒体状に構成された存在である。図4はその仮想リール10を展開した状態に相当する。
【0014】
ゲームが開始されると、各仮想リール10はセル列9に沿って上から下にスクロールされる。そのスクロールは、物理リールが回転するときのシンボルの移動を、画像表示に置き換えて仮想的に表現するものである。所定の停止時期において、各仮想リール10は、一つのセル8に一つのシンボル12が現れるようにして停止する。つまり、仮想リール10のスクロールの停止位置(仮想リール10の停止位置と略称することがある。)は一セル単位で制御される。この点は、ゲームが通常状態にあるか、部分縮小状態にあるかに関わりなく同じである。
【0015】
すなわち、図5に示したように、部分縮小状態では、セル8の列方向に関する大きさが通常状態のそれと比して1/2に縮小され、抽選領域7上の一つのセル列9上に6個のセル8が配置される。そのセル8の縮小に合わせて、仮想リール10の各シンボル領域11も同一方向(シンボル12の配列方向)に1/2の大きさに縮小され、その縮小に合わせてシンボル12の画像も同一方向に1/2の大きさに縮小される。そして、これらの縮小された仮想リール10の停止位置が、縮小された一つのセル8の大きさを単位として制御される。つまり、通常状態と部分縮小状態とを比較すると、通常状態では全てのセル列9のシンボル停止位置が3箇所であるのに対して、部分縮小状態では右端のセル列9のみシンボル停止位置が6箇所であり、かつ右端の仮想リール10が列方向に1/2に縮小された状態で表示される点で相違するが、仮想リール10の停止位置が一セル単位で制御される点はいずれの状態も同じである。
【0016】
なお、シンボル停止位置は、シンボル12が停止すべき位置を意味し、各セル8と同義である。一方、仮想リール10の停止位置とは、仮想リール10のスクロールが停止したときの位置を意味する概念である。仮想リール10の停止位置は、そのスクロールが停止したときに、シンボル停止位置としての各セル8に仮想リール10上のいずれのシンボル12が現れているかによってこれを区別することができる。
【0017】
図6はゲーム機1の制御系の概略構成を示している。ゲーム機1には制御ユニット20が設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット20には、外部記憶装置21が接続されている。外部記憶装置21は磁気記憶媒体、DVD−ROM、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を有し、その記憶媒体には、制御ユニット20が所定の手順に従ってゲームを制御するために必要なゲームプログラム22及びゲームデータ23が記憶されている。ゲームプログラム22は制御ユニット20に適宜に読み込まれて実行される。ゲームデータ23も制御ユニット20に適宜に読み込まれて参照される。ゲームデータ23にはリールデータ23aが含まれている。リールデータ23aは、仮想リール10の各シンボル領域11におけるシンボル12の種類を記述したデータである。なお、外部記憶装置21上のリールデータ23aにおいては、可変領域11bに配置されるべきシンボ12が未定であることを示す情報が記述される。
【0018】
制御ユニット20には、上述した操作装置6及び表示装置3が接続される。操作装置6は、プレイヤの操作に応じた信号を制御ユニット20に出力する。表示装置3は、制御ユニット20から出力される画像信号に応じた画像を表示する。制御ユニット20は、操作装置6の出力信号を参照しつつゲームプログラム22に従って所定の手順でゲームを実行し、そのゲームの進行状況に応じたゲーム画面を表示装置3上に表示させる。そのゲーム画面には、上述したように抽選領域7を示す画像、及び仮想リール10のうち、抽選領域7内に出現させるべき部分(つまり、各セル8に出現させるべきシンボル12)の画像が含まれる。それらの画像を表示装置3の画面上に表示させることにより、制御ユニット20はシンボル列表示手段として機能する。
【0019】
さらに、ゲームを実行するために必要な入力装置又は出力装置として、制御ユニット20には、上述した操作装置6及び表示装置3に加えて、コイン投入装置24及びペイアウト装置25が接続されている。コイン投入装置24は、ゲームをプレイする対価としてのコインの投入を受け付け、その投入量(投入額)に応じた信号を制御ユニット20に出力する。ペイアウト装置25は、制御ユニット20からの指示に従って、プレイヤにゲームの配当としてのコインの支払いを実行する。なお、上述したように、ゲームをプレイする対価の支払い、及びプレイヤに対する配当の付与はコインによる例に限らない。代替通貨としてのメダル、トークン等が利用されてもよいし、電子通貨その他の電子的な情報の交換を介して通貨価値又は遊技価値のやり取りが可能な決済方法が利用されてもよい。
【0020】
制御ユニット20の内部には、乱数発生部26、抽選部27及び入賞判定部28が設けられる。乱数発生部26は所定の桁数の乱数を発生する。乱数発生部26はマイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置でもよいし、電子回路を組み合わせた物理的装置でもよい。抽選部27及び入賞判定部28は、マイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。抽選部27は、乱数発生部26から乱数を取得して、仮想リール10の可変領域11bに配置されるべきシンボル12を抽選し、あるいは仮想リール10の停止位置を抽選する。入賞判定部28は、仮想リール10が停止したときのプレイヤの入賞の有無を判別する。その他にも、制御ユニット20には、スロットゲームを実行するために必要な論理的装置、あるいは物理的装置が適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
【0021】
次に、ゲーム機1におけるゲームの手順を説明する。ゲーム機1において、ゲームに必要な額のコインが投入されたことを示す信号がコイン投入装置24から制御ユニット20に出力されると、操作装置6を介したベット操作が可能となる。操作装置6からベット操作を示す信号が出力されると制御ユニット20によりベット処理が行われる。なお、ベット処理は、プレイヤがゲームをプレイする権利としてゲーム機1上で留保されているクレジットを所定量消費させることと引き換えに許可されることもある。少なくとも最小単位のベットが行われた状態で操作装置6からゲーム開始を指示する信号が出力されると、制御ユニット20は一回の遊技機会が発生したものと判断して、図7に示すスロットゲームルーチンを実行する。それにより、仮想リール10を利用したスロットゲームがゲーム機1上で行われる。以下、スロットゲームルーチンを説明する。
【0022】
図7のゲームルーチンを開始すると、制御ユニット20は、まずステップS1で、仮想リール10の各可変領域11bに配置されるべきシンボル12を抽選する。その抽選は、上述したように、抽選部27が乱数発生部26から乱数を取得することにより行われる。可変領域11bに配置されるべきシンボル12が決定されると、制御ユニット20は、外部記憶装置21からリールデータ23aを読み取り、そのリールデータ23aの可変領域11bに関する情報をステップS1にて抽選されたシンボル12を示す情報に置き換え、その置換後(更新後)のリールデータ23aを制御ユニット20の主記憶装置に保存する。この処理はセル列9毎に行われる。更新後のリールデータ23aを参照することにより、制御ユニット20は、各セル列9に配置される仮想リール10上のすべてのシンボル12の配列を特定することが可能である。
【0023】
続くステップS2において、制御ユニット20は部分縮小状態を発生させる条件(縮小条件)が満たされているか否かを判別する。縮小条件は適宜に定めることができる。一例として、プレイヤがベットしたコインの額(枚数)が所定額を越えた場合に満たされるように縮小条件を定めてもよい。前回又はそれ以前に実行されたスロットゲームの結果が所定の結果を収めたとき、次回のゲームで縮小条件が満たされるようにしてもよい。縮小条件がランダムに満たされるようにしてもよい。ステップS2にて縮小条件が満たされていない場合、制御ユニット20はステップS3に進み、ゲームの状態を通常状態に設定する。この場合、制御ユニット20の内部では、抽選領域7の全てのセル列9が通常セル列であるものとしてセル8が規定され、かつ、各仮想リール10は縮小されない本来の大きさで画面上に表示される。
【0024】
一方、ステップS2で縮小条件が満たされている場合、制御ユニット20はステップS4に進む。ステップS4において、制御ユニット20は、ゲームの状態を部分縮小状態に設定する。この場合、制御ユニット20の内部では、抽選領域7の右端の可変セル列9が縮小セル列、つまり通常セル列の一つのセル8を列方向に1/2の大きさに縮小した6個の縮小セルが並ぶものとしてセル8が規定され、かつ右端の仮想リール10もセル列9の方向に1/2の大きさに縮小されて表示される。他のセル列9及び仮想リール10に関しては通常状態と同様に設定され、表示される。
【0025】
ステップS3又はS4にてゲームの状態が設定された後、制御ユニット20はステップS5に進む。ステップS5において、制御ユニット20は、仮想リール10の停止位置を抽選するサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。続くステップS6において、制御ユニット20は各仮想リール10のスクロールを開始させる。次のステップS7において、制御ユニット20はステップS5で決定した停止位置に各仮想リール10を停止させる。その後、制御ユニット20はステップS8に進み、入賞判定用のサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。
【0026】
続くステップS9において、制御ユニット20は入賞判定部28を利用して、プレイヤが入賞したか否かを判断する。ここでいう入賞とは、抽選領域7の判定対象ライン上に現れているシンボル12の組み合わせが所定の入賞パターンに該当していることを意味する。判定対象ラインは、入賞パターンが形成されているか否かを判定する対象となるべき複数のセル8の群を結ぶ仮想的なラインである。例えば、各セル列9の中央に位置するセル8が判定対象のセル群として設定される場合には、図2に一点鎖線Aで示したように、各セル列9の中央のセル8を行方向に貫くラインが判定対象ラインである。判定対象ラインは、図2に示した例に限らない。各セル列9の上端又は下端のセル8を行方向に貫くライン、セル8をV字状に結ぶライン等が判定対象ラインとして設定されてよい。判定対象ラインはベット数に応じて変化してもよい。例えば、所定額のコインがベットされると、列方向中央のセル8を結ぶラインが判定対象ラインとして設定され、ベット額が所定単位増加する毎に判定対象ラインが追加されてもよい。プレイヤが、複数のラインから判定対象ラインを指定可能としてもよい。
【0027】
なお、部分縮小状態において、縮小されたセル列9では、縮小前の状態で判定ライン上に位置すべき一つのセル8の範囲で連続する二つのセル8が、その縮小されたセル列9上における判定対象のセル8として扱われる。例えば、図3に示すように各セル列9の中央を貫くように判定対象ラインAが設定されている場合には、縮小された右端のセル列9上において、中央に位置する二つのセル8のいずれもが判定対象ラインA上に含まれるものとして扱われる。この場合、右端のセル列9における上から3番目のセル8を含む第1ラインa1上に位置する第1セル群と、右端のセル列9における上から4番目のセル8を含む第2ラインa2上に位置する第2セル群のそれぞれが判定対象のセル8として個別に選択され、それらの選択されたセル8と、他のセル列9の判定ライン上のセル8のそれぞれに停止しているシンボル12の組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かが判定される。
【0028】
ステップS9にて入賞していると判断された場合、制御ユニット20はステップS10に進み、入賞内容、つまり入賞パターンを形成しているシンボル12の種類に応じた配当をプレイヤに付与する。配当は、コインの払い出し、ゲームをプレイする権利といった態様で付与される。プレイする権利は、クレジットと呼ばれる単位で定量的に表現される。配当の価値は、基本的に、入賞パターンが成立する確率と連係して変動し、成立する確率が低い入賞パターンほど、その成立に対応する配当の価値は高く設定される。ステップS10にて配当を付与した場合、制御ユニット20は今回のスロットゲームルーチンを終了する。ステップS9にて入賞していないと判断された場合、制御ユニット20はステップS10をスキップしてスロットゲームルーチンを終了する。
【0029】
図8は、スロットゲームルーチンに対するサブルーチン処理として、図7のステップS5で呼び出されて実行される停止位置抽選ルーチンを示している。制御ユニット20は、停止位置抽選ルーチンを開始すると、まずステップS21で抽選対象のセル列9の列番号を特定する変数Nに初期値1をセットする。ここでいう列番号は、一例として、抽選領域7の左端のセル列9から1番、2番…と順に増加するものとする。続くステップS22において、制御ユニット20は抽選対象のセル列(N番目のセル列)9における仮想リール10の停止位置を抽選する。その抽選は、抽選部27が乱数発生部26から乱数を取得することにより行われる。その抽選結果により、どのシンボル12がどのセル8上に位置しているときに仮想リール10のスクロールを停止させるべきかが定まる。例えば、図4の仮想リール10において、各シンボル領域11に上端から1番、2番と順番に番号を付したとき、セル列9の上端のセル8に何番のシンボル領域11が位置しているときに仮想リール10のスクロールを停止させるべきか、を抽選結果に応じて定めることができる。いずれか一つのセル8に停止させるべきシンボル領域11の番号が定まれば、同じセル列9内の他のセル8にて停止させるべきシンボル領域11の番号も一義的に定まる。
【0030】
仮想リール10の停止位置が抽選されると、制御ユニット20はステップS23に進み、現在、部分縮小状態にあるか否かを判別する。図7のステップS2で肯定判断された場合にはステップS23も肯定判断され、図7のステップS2で否定判断された場合にはステップS23も否定判断される。ステップS23にて部分縮小状態ではないと判断された場合、制御ユニット20はステップS24に進む。ステップS24において、制御ユニット20は、ステップS22で抽選した仮想リール10の停止位置と、制御ユニット20の主記憶装置に保持されているリールデータ23aによって特定されるシンボル12の配列とを参照して、抽選対象のセル列9内に含まれている三つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12を判別する。そして、判別した三つのセル8のそれぞれに表示されるべきシンボル12の種類を記憶する。その後、制御ユニット20はステップS27に進み、変数Nが5に達しているか否かを判別する。5に達していなければ制御ユニット20はステップS28に進んで変数Nに1を加算し、その後、ステップS22の処理に戻る。
【0031】
一方、ステップS23にて部分縮小状態にあると判断された場合、制御ユニット20は変数Nが縮小対象のセル列9の番号Nx(図3の例ではNx=5)に一致するか否かを判別する。一致していなければ制御ユニット20はステップS24の処理に進む。ステップS25にて変数NがNxと一致する場合、制御ユニット20はステップS26に進む。ステップS26において、制御ユニット20は、ステップS22で抽選した仮想リール10の停止位置と、制御ユニット20の主記憶装置に保持されているリールデータ23aによって特定されるシンボル12の配列とを参照して、抽選対象のセル列(この場合は縮小セル列である。)9内に含まれている6つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12を判別する。そして、判別した6つのセル8のそれぞれに表示させるべきシンボル12の種類を記憶する。その後、制御ユニット20はステップS27に進む。ステップS27で変数が5に一致すると判断された場合、制御ユニット20は、停止位置抽選ルーチンを終了し、図7のルーチンに戻る。以上のサブルーチンが実行されることにより、各セル8に表示させるべき全てのシンボル12の種類が決定されて記憶される。
【0032】
図9は、スロットゲームルーチンに対するサブルーチン処理として、図7のステップS8で呼び出されて実行される入賞判定ルーチンを示している。この処理は、入賞判定部28を利用して行われる。制御ユニット20は、その入賞判定ルーチンを開始すると、まずステップS31で、いずれか一つの判定対象ラインを選択する。判定対象ラインは上述した通り、ベット数、プレイヤの選択等に応じて適宜に設定される。続くステップS32において、制御ユニット20は、現在、部分縮小状態にあるか否かを判別する。その判別は、図8のステップS23と同様である。部分縮小状態ではない場合、制御ユニット20はステップS33に進み、選択中の判定対象ライン上に位置している5つのセル8内のシンボル12が所定の入賞パターンを形成しているか否かを判別する。一例として、判定対象ライン上の全てのシンボル12が同一であるときに入賞パターンが形成されていると判断される。続くステップS34において、制御ユニット20は入賞判別の結果を記憶し、その後、ステップS35に進む。ステップS35では、全ての判定対象ラインについて入賞の有無を判定したか否かを判別し、未判定の判定対象ラインが残っているときはステップS31に進んで新たな判定対象ラインを選択する。一つの判定対象ラインのみが設定されている場合、ステップS35は必ず肯定判断される。
【0033】
ステップS32で部分縮小状態と判断された場合、制御ユニット20はステップS36に進み、第1ラインa1(図3参照)上に位置する第1セル群を対象として選択し、それらのセル8上のシンボル12が入賞パターンを形成しているか否かを判別する。続くステップS37において、制御ユニット20は第2ラインa2上に位置する第2セル群を対象として選択し、それらのセル8上のシンボル12が入賞パターンを形成しているか否かを判別する。ステップS37の処理後はステップS34へと処理が進められるが、この場合は第1セル群及び第2セル群のそれぞれに関する判別結果が記憶される。
【0034】
ステップS35にて全ての判定対象ラインにつき入賞の有無を判別したと判断された場合、制御ユニット20は入賞判定ルーチンを終了し、図7のルーチンに戻る。その後、図7のステップS9では、図9のステップS34で記憶された判別結果に基づいて、入賞の有無が判断される。部分縮小状態にある場合には、一つの判定対象ラインにおいて第1セル群及び第2セル群のそれぞれにて入賞パターンが形成される可能性がある。例えば、第1セル群又は第2セル群のいずれか一方のセル群で入賞パターンが形成されていなくても、他方のセル群にて入賞パターンが形成されている場合が生じる。図3に例示したように、縮小された仮想リール10の可変領域11bに割り当てられたシンボル(図ではライオン)12が、隣接する固定領域11aに割り当てられているシンボル12と同一であったときには、それらのシンボル12が判定対象ライン上のセル8にて停止すれば、第1セル群及び第2セル群のそれぞれで入賞パターンが成立し得る。図7のステップS9及びS10の処理では、第1セル群及び第2セル群のいずれか一方で入賞パターンが成立していれば、入賞と判定されてその入賞パターンに対応した配当が付与される。第1セル群及び第2セル群のそれぞれで入賞パターンが形成されている場合には、それらの入賞パターンに対応した配当が付与される。
【0035】
以上の説明から明らかなように、ゲーム機1においては、縮小されたセル列9上において、判定対象ライン上にあるとして扱われる二つのセル8に対して、仮想リール10上で互いに隣接している二つのシンボル12を任意に出現させることができる。そのため、部分縮小状態が発生したときに入賞パターンが形成される確率が通常状態のそれと比較して増加する。それにより、入賞パターンの成立に対するプレイヤの期待感を高め、ゲームをプレイするモチベーションを向上させることが可能である。
【0036】
また、ゲーム機1では、仮想リール12上の一部のシンボル領域11が可変シンボル領域11bとされ、そこに配置されるべきシンボル12を抽選により選択している。したがって、可変シンボル領域11bとこれに隣接するシンボル領域11とに同一のシンボル12が配置された場合には、一つの判定対象ラインに関して二組の入賞パターンが形成される可能性が生じる。それにより、通常よりも高い配当をプレイヤに付与することも可能である。
【0037】
以上の形態では、制御ユニット20が、シンボル停止位置としてのセル8を規定することにより抽選領域規定手段として機能する。また、制御ユニット20は、図8の停止位置抽選ルーチンを実行することにより抽選手段として機能し、図7のステップS6及びS7の処理を実行することによりシンボル列移動制御手段及びシンボル列画像制御手段として機能し、図9の入賞判定ルーチンを実行することにより入賞判定手段として機能し、図7のステップS2の判断結果に応じてステップS3又はS4の処理を実行することにより、状態制御手段として機能する。さらに、制御ユニット20は、図7のステップS1の処理を実行することによりシンボル選択手段として機能する。
【0038】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の形態にて実施することができる。例えば、可変セル列は、抽選領域7の右端のセル列9に限らず、他のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。複数のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。一例として、図10に示すように右端及びその隣のセル列9が可変セル列として設定されてもよい。また、縮小セル列における縮小セルは、通常セル列における一つのセル(通常セル)を2等分した大きさに限定されず、図10Aの右端のセル列9に例示されているように、一つの通常セル8を3個、又はそれ以上の個数に等分した大きさに設定されてもよい。ちなみに、図10Aの例では、縮小セル列のそれぞれで一つの縮小セルを選択して入賞判定をすることができる。例えば、通常セル列の中央のセル8を貫くように1本の判定対象ラインAを設定すれば、図10Aに示したように、右から二番目の縮小セル列における上側の縮小セル8と、右端の縮小セル列の3つの縮小セル8とをそれぞれ結ぶ3本のラインa1、a2及びa3を規定することができ、かつ、図10Bに示したように、右から二番目の縮小セル列における下側の縮小セル8と、右端の縮小セル列の3つの縮小セル8とをそれぞれ結ぶ3本のラインb1、b2及びb3を規定することができる。これにより、各ラインa1〜a3、b1〜b3に対応した6つのセル群のそれぞれに関して入賞パターンが形成される可能性が生じる。なお、セル列の本数及び各セル列内に配置されるべきセルの個数は適宜に変更可能である。
【0039】
本発明において、一つのセル8に出現するシンボル12は一つに限らない。例えば、図11において、右端の縮小されたセル列9に例示されているように、シンボル列上の一セルに対応する領域に複数のシンボルが出現するようにシンボル列を構成し、それによりさらなる高配当が生じる確率を高め、あるいは入賞パターンが形成される確率を高めてもよい。一セルに対応したシンボル列上の領域に配置されるべき複数のシンボルは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0040】
本発明は、全てのシンボル列が表示装置の画面上に画像として表示される形態に限らない。例えば、一部のシンボル列が画像によって表現され、残りのシンボル列が物理的なリールによって構成されてもよい。この場合、画像によるシンボル列の少なくとも一部を可変シンボル列として設定し、そのシンボル列上のシンボルの大きさをセルと連係して変化させてもよい。ただし、本発明において、縮小セル列は可変セル列の一形態として規定される例に限らない。つまり、一部のセル列を常に縮小セル列として規定し、縮小セル列に対応するシンボル列の各シンボルの大きさを縮小セル内の各セルのそれに合わせることにより、部分縮小状態を常時生じさせる形態も本発明に含まれる。縮小セル列として固定されたセル列と可変セル列として設定されたセル列とが混在してもよい。
【0041】
また、可変セル列を通常セル列と縮小セル列として変化させる場合において、その可変セル列に対応するシンボル列は、画像によって表示される仮想的なシンボル列に限らず、物理的なリールのように構造物を利用したシンボル列でもよい。画像によって表示される仮想的なシンボル列と物理的なリールのような構造物を利用したシンボル列とが組み合わされてもよい。例えば、縮小セル列として固定されるセル列に対しては、通常セル列と比較してシンボルの並び方向におけるシンボルの大きさが縮小された物理的なリールをシンボル列として配置してもよい。このような例としては、縮小条件が成立したときに、通常セル列の配置された物理的なリールが縮小セル列の配置された物理的なリールと機械的に交換されるような構造、あるいは、選択的に遮蔽するシャッターを有し、縮小条件が成立したときに、縮小セル列の配置された物理的なリールを遮蔽する状態から通常セル列の配置された物理的なリールを遮蔽する状態に切り替え、通常セルのリールに代えて縮小セルのリールが見えるようにする構造等が考えられる。また、画像によって表示される仮想的なシンボル列と物理的なリールのような構造物を利用したシンボル列とを組み合わせる場合には、縮小セル列の配置された物理的なリールの前にシャッターを設け、さらにそのシャッターの前に透明化が可能な液晶表示装置等の薄型表示装置を設け、表示装置に通常セル列の配置された仮想リールを表示し、通常状態ではシャッターを閉じて表示装置の仮想リールが見えるようにし、縮小条件が成立した場合に、シャッターを開くとともに表示装置を透明化し、物理的なリールを視認可能としてもよい。あるいは、物理的なリールに通常セル列を配置し、表示装置に縮小セル列の配置された仮想リールを表示させて、通常状態で表示装置を透明化しかつシャッターを開いて物理的なリールを視認可能とし、縮小条件が成立した場合には、シャッターを閉じて物理的なリールを視認不能とし、かつ表示装置に仮想リールを表示させてもよい。この場合、表示装置によってはシャッターを省略することもできる。
【0042】
さらに、物理的な構造物によってシンボル列を実現する場合でも、シンボルの並び方向に伸縮可能な素材、構造を採用し、その伸縮状態をセル列の各セルの大きさに合わせて制御すれば、物理的な構造のシンボル列を、可変セル列に対応するシンボル列として機能させることができる。さらに、本発明において、縮小セル列に含まれる全てのセルが縮小された縮小セルであることは必ずしも必要としない。少なくとも一つの通常セルの大きさに亘って連続する縮小セルの群が縮小セル列内に存在する限り、縮小セル列の一部に通常セルが含まれていてもよい。一例を図12Aに示す。この例では、右端のセル列が縮小セル列として設定されている。その縮小セル列の列方向中央に位置する二つのセル8のみが縮小セル列であり、同一セル列内の他のセル8は通常セルである。縮小セル列に対応する仮想リール10では、縮小セルに対応するシンボル12の大きさのみが通常セルに対応するシンボル12と比較して列方向に1/2の大きさに縮小される。したがって、図12Aの状態から仮想リール10が1セルに相当する距離で移動すると、下側の縮小セル8に表示されていたライオンのシンボル12が、図12Bに示すように、通常セル8に対応した大きさへと戻される。
【0043】
本発明において、シンボル列の停止位置は、抽選手段が決定したシンボルが各セルに必ず出現するように制御されてもよいし、抽選手段の抽選結果に基づく限りにおいて、他の要素を加えて停止位置が制御されてもよい。例えば、プレイヤに停止操作を要求し、その停止操作が適切な時期に行なわれたときに抽選手段が抽選したシンボルが対応するセル上にて停止し、停止操作が適切な時期に行なわれなかった場合には、抽選手段が抽選したシンボルと異なるシンボルがセル上で停止するといったように、プレイヤの操作をさらなる要素として考慮してシンボルの停止位置が制御されてもよい。さらに、セル列が配列される方向は、セル列と直交する方向に限らない。例えば、各セルを6角形状に規定し、セルが蜂の巣状に配置されるようにセル列が配列されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域が規定され、複数のシンボルを前記セルの並び方向に沿ってそれぞれ配列した複数のシンボル列が、一部のシンボルを前記セル上に出現させるようにしてセル列毎に配置されたゲーム機であって、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、前記抽選手段の抽選結果に基づいて各シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させるシンボル列移動制御手段と、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、を具備し、
前記複数のセル列が、所定の大きさの複数の通常セルを並べた通常セル列と、一つの通常セルを縮小した複数の縮小セルを少なくとも一部に連続して並べた縮小セル列とを含むように前記抽選領域が規定され、前記シンボル列のそれぞれでは、対応する通常セル列又は縮小セル列の各セルの大きさに合わせるように各シンボルの大きさが設定された部分縮小状態が、少なくとも一時的に生成され、
前記シンボル列移動制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、
ゲーム機。
【請求項2】
前記複数のセル列の少なくとも一つが、前記通常セル列と前記縮小セル列との間で変更可能な可変セル列とされ、当該可変セル列に対応するシンボル列は、前記通常セル又は前記縮小セルに合わせるように各シンボルの大きさが変更可能な可変シンボル列とされ、
所定の縮小条件が満たされたときには前記可変セル列を前記縮小セル列として設定するとともに、前記可変シンボル列を前記縮小セル列の各セルに合わせた大きさに設定することにより、前記部分縮小状態を生じさせ、前記縮小条件が満たされないときには前記可変セル列を前記通常セル列として設定するとともに、前記可変シンボル列を前記通常セル列の各セルに合わせた大きさに設定することにより、前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段がさらに設けられている、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記複数のセル列の少なくとも一つが表示装置の画面上に規定され、
前記複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記シンボル列の画像を前記画面上に規定されたセル列に対応して表示させるシンボル列表示手段がさらに設けられ、
前記シンボル列移動制御手段は、前記シンボル列の画像におけるシンボルが前記画面上に規定されたセル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段を含み、
前記画面上に規定されたセル列の少なくとも一つが前記可変セル列に相当するとともに、当該可変セル列に対応して前記画面上に前記画像として表示されるシンボル列が前記可変シンボル列として設定され、
前記状態制御手段は、前記縮小条件が満たされたときに前記可変セル列を前記縮小セル列に設定するとともに、当該可変セル列に対応する可変シンボル列の画像上の各シンボルが前記縮小セル列の各セルに合わせた大きさとなるように前記シンボル列表示手段に前記シンボル列の画像を表示させ、前記縮小条件が満たされないときには、前記可変セル列を前記通常セル列に設定するとともに、当該可変セル列に対応する可変シンボル列の画像上の各シンボルが前記通常セル列の各セルに合わせた大きさとなるように前記シンボル列表示手段に前記シンボル列の画像を表示させ、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列の画像におけるシンボルを各セル列上の一セル単位で停止させる、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記可変セル列に対応するシンボル列の画像上に配置されるべき少なくとも一つのシンボルを、前記複数のシンボルから抽選するシンボル選択手段がさらに設けられている請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記複数のセル列の全てが前記表示装置の画面上に規定され、
前記シンボル列表示手段は、前記複数のセル列のそれぞれに対応するシンボル列の画像を前記画面上に表示させ、
前記部分縮小状態のとき、前記複数のセル列の一部が前記可変セル列として設定され、残りのセル列は前記通常セル列に設定されている、請求項3に記載のゲーム機。
【請求項6】
表示装置と、
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域を前記表示装置の画面上に規定する抽選領域規定手段と、
複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記複数のシンボルが各セル列における前記セルの並び方向に配列されたシンボル列の画像を、一部のシンボルが前記セル上に出現するようにして、前記セル列に対応して前記表示装置の画面上に表示させるシンボル列表示手段と、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルが前記セル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段と、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、
所定の縮小条件が満たされたときには、前記複数のセル列のうち少なくとも一つのセル列にて、少なくとも一つのセルが縮小された複数個の縮小セルが規定され、かつ前記縮小セルに対応するシンボルが前記縮小セルに合わせた大きさに縮小された部分縮小状態を生成し、前記縮小条件が満たされないときには前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段と、を具備し、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、ゲーム機。
【請求項7】
表示装置と、該表示装置の表示を制御するコンピュータとを有するゲーム機の前記コンピュータを、
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域を前記表示装置の画面上に規定する抽選領域規定手段、
複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記複数のシンボルが各セル列における前記セルの並び方向に配列されたシンボル列の画像を、一部のシンボルが前記セル上に出現するようにして、前記セル列に対応して前記表示装置の画面上に表示させるシンボル列表示手段、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルが前記セル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段、及び、
所定の縮小条件が満たされたときには、前記複数のセル列のうち少なくとも一つのセル列にて、少なくとも一つのセルが縮小された複数個の縮小セルが規定され、かつ前記縮小セルに対応するシンボルが前記縮小セルに合わせた大きさに縮小された部分縮小状態を生成し、前記縮小条件が満たされないときには前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段として、機能させるように構成され、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、ゲーム機用のコンピュータプログラム。
【請求項1】
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域が規定され、複数のシンボルを前記セルの並び方向に沿ってそれぞれ配列した複数のシンボル列が、一部のシンボルを前記セル上に出現させるようにしてセル列毎に配置されたゲーム機であって、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルを前記セル列に沿って移動させ、前記抽選手段の抽選結果に基づいて各シンボル列のシンボルを一セル単位で停止させるシンボル列移動制御手段と、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、を具備し、
前記複数のセル列が、所定の大きさの複数の通常セルを並べた通常セル列と、一つの通常セルを縮小した複数の縮小セルを少なくとも一部に連続して並べた縮小セル列とを含むように前記抽選領域が規定され、前記シンボル列のそれぞれでは、対応する通常セル列又は縮小セル列の各セルの大きさに合わせるように各シンボルの大きさが設定された部分縮小状態が、少なくとも一時的に生成され、
前記シンボル列移動制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、
ゲーム機。
【請求項2】
前記複数のセル列の少なくとも一つが、前記通常セル列と前記縮小セル列との間で変更可能な可変セル列とされ、当該可変セル列に対応するシンボル列は、前記通常セル又は前記縮小セルに合わせるように各シンボルの大きさが変更可能な可変シンボル列とされ、
所定の縮小条件が満たされたときには前記可変セル列を前記縮小セル列として設定するとともに、前記可変シンボル列を前記縮小セル列の各セルに合わせた大きさに設定することにより、前記部分縮小状態を生じさせ、前記縮小条件が満たされないときには前記可変セル列を前記通常セル列として設定するとともに、前記可変シンボル列を前記通常セル列の各セルに合わせた大きさに設定することにより、前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段がさらに設けられている、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記複数のセル列の少なくとも一つが表示装置の画面上に規定され、
前記複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記シンボル列の画像を前記画面上に規定されたセル列に対応して表示させるシンボル列表示手段がさらに設けられ、
前記シンボル列移動制御手段は、前記シンボル列の画像におけるシンボルが前記画面上に規定されたセル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段を含み、
前記画面上に規定されたセル列の少なくとも一つが前記可変セル列に相当するとともに、当該可変セル列に対応して前記画面上に前記画像として表示されるシンボル列が前記可変シンボル列として設定され、
前記状態制御手段は、前記縮小条件が満たされたときに前記可変セル列を前記縮小セル列に設定するとともに、当該可変セル列に対応する可変シンボル列の画像上の各シンボルが前記縮小セル列の各セルに合わせた大きさとなるように前記シンボル列表示手段に前記シンボル列の画像を表示させ、前記縮小条件が満たされないときには、前記可変セル列を前記通常セル列に設定するとともに、当該可変セル列に対応する可変シンボル列の画像上の各シンボルが前記通常セル列の各セルに合わせた大きさとなるように前記シンボル列表示手段に前記シンボル列の画像を表示させ、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列の画像におけるシンボルを各セル列上の一セル単位で停止させる、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記可変セル列に対応するシンボル列の画像上に配置されるべき少なくとも一つのシンボルを、前記複数のシンボルから抽選するシンボル選択手段がさらに設けられている請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記複数のセル列の全てが前記表示装置の画面上に規定され、
前記シンボル列表示手段は、前記複数のセル列のそれぞれに対応するシンボル列の画像を前記画面上に表示させ、
前記部分縮小状態のとき、前記複数のセル列の一部が前記可変セル列として設定され、残りのセル列は前記通常セル列に設定されている、請求項3に記載のゲーム機。
【請求項6】
表示装置と、
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域を前記表示装置の画面上に規定する抽選領域規定手段と、
複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記複数のシンボルが各セル列における前記セルの並び方向に配列されたシンボル列の画像を、一部のシンボルが前記セル上に出現するようにして、前記セル列に対応して前記表示装置の画面上に表示させるシンボル列表示手段と、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段と、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルが前記セル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段と、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段と、
所定の縮小条件が満たされたときには、前記複数のセル列のうち少なくとも一つのセル列にて、少なくとも一つのセルが縮小された複数個の縮小セルが規定され、かつ前記縮小セルに対応するシンボルが前記縮小セルに合わせた大きさに縮小された部分縮小状態を生成し、前記縮小条件が満たされないときには前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段と、を具備し、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、ゲーム機。
【請求項7】
表示装置と、該表示装置の表示を制御するコンピュータとを有するゲーム機の前記コンピュータを、
シンボル停止位置としての複数のセルが一方向に並べられた複数のセル列のそれぞれを、各セル列における前記セルの並び方向と交差する方向に配列した抽選領域を前記表示装置の画面上に規定する抽選領域規定手段、
複数のシンボルの配列を記述したデータに基づいて、前記複数のシンボルが各セル列における前記セルの並び方向に配列されたシンボル列の画像を、一部のシンボルが前記セル上に出現するようにして、前記セル列に対応して前記表示装置の画面上に表示させるシンボル列表示手段、
所定の遊技機会にて各セル上に出現させるべきシンボルを抽選する抽選手段、
前記遊技機会にて各シンボル列のシンボルが前記セル列に沿って移動し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記シンボルが一セル単位で停止するように、前記シンボル列表示手段による前記シンボル列の画像の表示を変化させるシンボル列画像制御手段、
判定対象のセル群にて停止したシンボルの組み合わせが入賞パターンを形成しているか否かを判定する入賞判定手段、及び、
所定の縮小条件が満たされたときには、前記複数のセル列のうち少なくとも一つのセル列にて、少なくとも一つのセルが縮小された複数個の縮小セルが規定され、かつ前記縮小セルに対応するシンボルが前記縮小セルに合わせた大きさに縮小された部分縮小状態を生成し、前記縮小条件が満たされないときには前記部分縮小状態を解消させる状態制御手段として、機能させるように構成され、
前記シンボル列画像制御手段は、前記部分縮小状態か否かに関わりなく、各シンボル列のシンボルを各セル列における一セル単位で停止させ、
前記入賞判定手段は、前記部分縮小状態にあるときには、前記判定対象のセル群に、少なくとも一つの通常セルと、前記並び方向に前記所定の大きさに亘って連続する複数の縮小セルとが含まれるものと認識して、該判定対象のセル群に含まれた複数の縮小セルを一つずつ個別に選択し、該選択した縮小セルにて停止しているシンボルと、前記判定対象のセル群に含まれた通常セルにて停止しているシンボルとの組み合わせが前記入賞パターンを形成しているか否かを判定する、ゲーム機用のコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2011−189125(P2011−189125A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47408(P2011−47408)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(501405122)コナミゲーミング インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(501405122)コナミゲーミング インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】
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