説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させるのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置200は、検知部201と、選択部202と、描画部203と、表示部204と、を備え、以下のように構成する。検知部201は、プレイヤの目の開閉の状態を検知する。選択部202は、検知部201により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する。描画部203は、選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する。表示部204は、描画された画像を画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤが、1又は複数のキャラクタを操作して、複数のステージを移動しながらゲームをクリアしていくロールプレイングゲームが知られている。このようなゲームにおいて、プレイヤは、ゲーム装置が備えるコントローラを用いてキャラクタを操作するのが一般的である(例えば、特許文献1)。また、このようなゲームにおいて、ゲームの進行中にステージが切り替わる際、次のステージのデータを読み出すために時間を要するのが一般的である。そして、ステージが切り替わる間、画面に“Now Loading”等のゲームの進行とは関係のない画像が表示され、プレイヤはデータの読み出し中に退屈することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−314645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、コントローラだけではなく、例えば、プレイヤの目の開閉を入力として用いることにより、興趣性を高めたいという要望がある。また、プレイヤにとって興味のないものを見せないようにすることにより、プレイヤをゲーム中に退屈させないようにしたいという要望もある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、検知部と、選択部と、描画部と、表示部と、を備え、以下のように構成する。
【0007】
検知部は、プレイヤの目の開閉の状態を検知する。
【0008】
例えば、検知部は、顔認識が可能なカメラであり、撮影した画像から、ゲーム装置を操作するプレイヤの目の開閉を検知する。
【0009】
選択部は、検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する。
【0010】
ここで、描画形態とは、ゲーム装置に接続されるモニタ画面に表示される画像の形態であり、描画形態を変化させることにより仮想空間の見え方を変更することができる。描画形態は、例えば、画像の明るさや、仮想空間に付与する色など、複数ある。
また、目を閉じた状態が所定時間以上続いた場合は、目を閉じた状態は瞬きではなく、プレイヤが意図的に目を閉じている状態であると見なす。
例えば、選択部は、検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態の中から、画像の明るさを選択する。また、この際、選択部は画像の明るさを示す値を指定する。
【0011】
描画部は、選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する。
【0012】
例えば、画像の明るさが描画形態として選択された場合、描画部は選択部により指定された画像の明るさの値に基づいて仮想空間の画像を描画する。
【0013】
表示部は、描画された画像を画面に表示する。
【0014】
すなわち、表示部は、描画された画像を、ゲーム装置に接続されるモニタ画面に表示する。
【0015】
本発明によれば、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させて、プレイヤが見る仮想空間の様子を変化させることができる。
【0016】
なお、描画形態は、仮想空間の視点位置及び視線方向の設定を含み、描画部は、視点位置から視線方向へ仮想空間を見た様子を表わす画像を描画するようにしてもよい。
【0017】
例えば、視点位置は仮想空間内に配置される仮想カメラの位置であり、視線方向は仮想カメラの撮影方向である。選択部が描画形態として視点位置及び視線方向を選択すると、視点位置から視線方向への様子が、モニタ画面に表示される。
【0018】
本発明によれば、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、仮想空間上の位置を変更することができる。
【0019】
また、描画形態は、画像フィルタの設定を含み、描画部は、画像フィルタを施した画像を描画するようにしてもよい。
【0020】
ここで、画像フィルタとは、画像の明るさや色等を変換するフィルタである。例えば、選択部が描画形態として明るさを変換する画像フィルタを選択すると、元の画像と異なる明るさで描画された画像が生成される。
【0021】
本発明によれば、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、画面に表示される画像の見え方を変更することができる。
【0022】
また、描画形態は、仮想空間における時間経過の速さの設定を含み、描画部は、当該速さで経過させて画像を描画するようにしてもよい。
【0023】
ここで、仮想空間における時間経過の速さとは、ゲームの進行速度を示すものである。例えば、選択部が描画形態として時間経過の速さを選択すると、目を閉じる前のゲームの進行速度よりも速い速度でゲームが進行する。
【0024】
本発明によれば、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、ゲームの進行速度を変更することができる。
【0025】
また、本発明のゲーム装置は、仮想空間を表現するための複数のデータが記憶される記憶部と、記憶部から、いずれかのデータを読み出す読出部と、をさらに備え、現在読み出されているデータから次のデータへの移行条件が満たされ、かつ、検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、読出部は、次のデータの読み出しを開始するようにしてもよい。
【0026】
例えば、記憶部には、ゲームのステージ毎又はシーン毎のデータが記憶されており、描画部は当該データに基づいて仮想空間を表わす画像を描画する。
また、例えば、移行条件は現在プレイ中のステージをクリアすることとする。プレイヤが、ステージをクリアし、かつ所定時間目を閉じた場合、読出部は次のステージのデータの読み出しを開始する。
【0027】
本発明によれば、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、ゲームの進行を制御することができる。
【0028】
また、読出部が次のデータの読み出しを完了するまでの期間中、検知部により目が開かれた状態が検知されなかった場合、描画部は、読み出されたデータにより表現される仮想空間の画像を描画するようにしてもよい。
【0029】
例えば、次のステージのデータの読み出しが行われている間、画面に“Now Loading”と書かれた画像が表示されるとする。データの読み出しが行われている間中、プレイヤが継続して目を閉じていた場合、データの読み出しが終了した後、次のステージの仮想空間が画面に表示される。
【0030】
本発明によれば、プレイヤは、次のステージのデータの読み出しが行われる期間中、目を閉じていなければ、次のステージに進めないようにすることにより、プレイヤにとって興味のないものを見せないようにすることができる。
【0031】
また、読出部が次のデータの読み出しを完了するまでの期間中、検知部により目が開かれた状態が検知された場合、読出部は、当該データの読み出しを中止するようにしてもよい。
【0032】
例えば、次のステージのデータの読み出しが行われている間に、プレイヤが目を開けてしまった場合、データの読み出しは中止され、読み出しが開始する前のステージの仮想空間が画面に表示される。
【0033】
本発明によれば、プレイヤが次のステージのデータの読み出しが行われる期間中に目を開けてしまった場合、次のステージに進めないようにすることにより、プレイヤに強制的に目を閉じさせるようにすることができる。
【0034】
本発明の第2の観点に係るゲーム制御方法は、検知部と、選択部と、描画部と、表示部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、検知工程と、選択工程と、描画工程と、表示工程とを備え、以下のように構成する。
【0035】
検知工程において、検知部が、プレイヤの目の開閉の状態を検知する。
【0036】
選択工程において、選択部が、検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する。
【0037】
描画工程において、描画部が、選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する。
【0038】
表示工程において、表示部が、描画された画像を画面に表示する。
【0039】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記ゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記ゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0040】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0041】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】実施形態1に係るゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図3】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図4】仮想空間に配置される視点位置及び視線方向を示す図である。
【図5】仮想空間を移動する敵キャラクタを示す図である。
【図6】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図7】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図8】実施形態1に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態1に係るゲーム装置の選択部が行う描画形態選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施形態2に係るゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図11】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図12】実施形態2に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明のゲーム装置は、プレイヤの目の開閉に基づいて仮想空間の表示を制御するものである。仮想空間の表示を制御する手法は複数あり、各手法を採用したゲーム装置を実施形態1又は2として説明する。
【0045】
実施形態1に係るゲーム装置は、目の開閉に基づいて、仮想空間の描画形態を変更する手法を採用する。
実施形態2に係るゲーム装置は、実施形態1の手法に、目の開閉に基づいて、ゲームの進行を制御する手法を採用する。
【0046】
まず、これらの実施形態のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0047】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0048】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、カメラ111と、を備える。
【0049】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0050】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記憶され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記憶されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記憶される。
【0051】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、等の処理を行う。
【0052】
コントローラ105は、インターフェース104を介して接続される。コントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0053】
外部メモリ106は、インターフェース104を介して着脱自在に接続される。外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶させることができる。
【0054】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記憶させる。フレームメモリに記憶された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0055】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記憶される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0056】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0057】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0058】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0059】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0060】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0061】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである場合には、音声処理部110は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCM(Pulse Code Modulation)データに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential PCM)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0062】
カメラ111は、インターフェース104を介して接続される。カメラ111は、プレイヤの顔を撮影し、撮影した映像を電気信号に変換する。カメラ111は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complimentary MOS)センサ等から構成される。
【0063】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0064】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0065】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0066】
以下、上記情報処理装置100において実現される実施形態1又は2に係るゲーム装置の概要構成について、図1乃至12を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1又は2に係るゲーム装置が実現される。
【0067】
(実施形態1)
実施形態1に係るゲーム装置は、目の開閉に基づいて、仮想空間の描画形態を変更する手法を採用する。
【0068】
実施形態1のゲーム装置200は、図2に示すように、検知部201と、選択部202と、描画部203と、表示部204と、を備え、以下のように構成する。
【0069】
検知部201は、プレイヤ301の顔を撮影し、撮影した顔画像からプレイヤ301の目の開閉の状態を検知する。例えば、カメラが撮影したプレイヤ301の画像を2値化処理を行い、モノクロ画像にする。この際に、目や口などの特徴領域は黒色で表現されるよう閾値の設定を行う。検知部201は、継続的に目の領域を検出し、当該領域が白色に変化した場合、目が閉じられたと見なす。
したがって、CPU 101及びカメラ111が協働して検知部201として機能する。
【0070】
選択部202は、検知部201により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する。本実施形態では、目を閉じた状態が所定時間以上続いた場合、目を閉じた状態は瞬きではなく、プレイヤが意図的に目を閉じている状態であると見なす。そして、所定時間目を閉じることをトリガとして、選択部202は、描画形態の選択を行う。ここで、描画形態とは、画面302に表示する画像の形態を示すものであり、例えば、明るさや色等である。すなわち、描画形態は複数存在する。当該描画形態を変化させることにより仮想空間の見え方を変更することができる。具体例については後述する。また、選択部202が、複数の描画形態からいずれかを選択する手法は任意であり、例えば、ランダムに選択する、あるいは、ゲームプログラムに従って選択するものとする。
したがって、CPU 101が選択部202として機能する。
【0071】
本実施形態において、描画形態は、視点位置及び視線方向、画像フィルタ、及び仮想空間における時間経過の速さを示す。
「視点位置及び視線方向」とは、仮想空間内に配置される仮想カメラの位置及び仮想カメラの撮影方向である。視点位置から視線方向への様子が、モニタの画面302に表示される。
「画像フィルタ」とは、画像の明るさや敵キャラクタに付与する色等を変換するフィルタである。また、画像フィルタには、暗闇の仮想空間をプレイヤが赤外線カメラを用いて見ているような視覚効果を与えるフィルタも含まれる。
「仮想空間における時間経過の速さ」とは、ゲームの進行速度を示すものである。
【0072】
描画部203は、選択部202により選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、描画部203として機能する。
【0073】
以下、描画部203が描画する仮想空間の画像の具体例について説明する。
図3に、ゲーム装置200において実行するゲームのゲーム画像の一例を示す。このゲームは、仮想空間に登場する複数の敵キャラクタ401を、プレイヤが倒していくゲームであるとする。
また、仮想空間に配置される視点位置及び視線方向の候補を図4に示す。図4は、敵キャラクタ401が配置される仮想空間を敵キャラクタ401の上方から見た図である。画面302には、いずれかの視点位置及び視線方向から見た仮想空間の様子が表示される。現在は、視点位置411及び視線方向421からの様子(図3(a))が画面302に表示されているとする。
【0074】
選択部202が、描画形態として視点位置及び視線方向を選択したとする。この場合、選択部202は、候補となる視点位置及び視線方向の組(視点位置411及び視線方向421、視点位置412及び視線方向422、視点位置413及び視線方向423)の中からいずれかの視点位置及び視線方向の組を選択する。選択部202が視点位置及び視線方向を選択する手法は任意である。例えば、選択部202は、候補の中から視点位置及び視線方向の組をランダムに選択してもよいし、現在の視点位置から敵キャラクタ401を中心に左周りに移動するように視点位置及び視線方向を選択するようにしてもよい。また、視点位置と視線方向はそれぞれを単独で選択できるようにしてもよい。
【0075】
選択部202により視点位置412及び視線方向422が指定されたとすると、描画部203は、図3(b)に示すように、指定された視点位置412及び視線方向422からの様子を表わす仮想空間の画像を描画する。また、選択部202が、視点位置413及び視線方向423を指定したとすると、描画部203は、図3(c)に示すような仮想空間の画像を描画する。
【0076】
このように、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、仮想空間上の位置を変更することができる。
なお、各視点位置には異なるキャラクタが対応付けられていてもよい。この場合、目を所定時間閉じてから目を開けると、仮想空間上の位置及びプレイヤが操作するキャラクタが変更され、プレイヤは目を閉じる前に操作していたキャラクタと異なるキャラクタを操作することができる。
【0077】
選択部202が、画像フィルタを描画形態として選択したとする。この場合、選択部202は、「明るさを変換するフィルタ」、「敵キャラクタ401に付与する色を変換するフィルタ」、「暗闇の仮想空間において赤外線カメラを用いて見たような視覚効果を与えるフィルタ」、等の複数の画像フィルタの中から1つ又は複数の画像フィルタを選択する。
【0078】
選択部202が、明るさを変換するフィルタを選択したとする。選択部202は、所定の手法に従い、画像フィルタをかけた後の仮想空間の明るさを求める。例えば、所定の手法として、現在設定されている明るさの値の半分の値を画像フィルタをかけた後の明るさとする手法を採用したとする。また、明るさを1〜10の値で表わし、値が大きいほど画面が明るいことを示すとする。現在、画面302に表示されている画像(図3(a))の明るさの値が“6”と設定されているとすると、選択部202は、明るさの値を“3”と求める。そして、図6(a)の画像の明るさの値が“3”であるとすると、描画部203は、選択部202が求めた明るさの値の仮想空間の画像(図6(a))を描画する。
【0079】
また、選択部202が、敵キャラクタ401に付与する色を変換するフィルタを選択したとする。選択部202は、所定の手法に従い、画像フィルタをかけた後の敵キャラクタ401の色を求める。例えば、所定の手法として、敵キャラクタ401の色と背景の色とのコントラストが高くなるような色を付与する手法を採用したとする。現在、画面302に表示されている画像(図3(a))に含まれる敵キャラクタ401及び背景の色が“黄色”であるとすると、選択部202は、“黄色”の補色である“紫色”を敵キャラクタ401に付与する色として求める。描画部203は、敵キャラクタ401に、選択部202が指定した、背景の“黄色”と高いコントラストをなす“紫色”を付与して、仮想空間の画像(図6(b))を描画する。
【0080】
また、選択部202が、暗闇の仮想空間において赤外線カメラを用いて見たような視覚効果を与えるフィルタを選択したとする。選択部202は、画像の一部の領域を除いて黒色を付するように指定し、当該一部の領域は仮想空間の様子が視認できるように適当な色を付すように指定する。そして、描画部203は、選択部202の指定に基づいて、図6(c)に示すような仮想空間の画像を描画する。
【0081】
このように、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、画面に表示される画像の見え方を変更することができる。
【0082】
また、選択部202が、仮想空間における時間経過の速さを描画形態として選択したとする。この場合、選択部202は、所定の手法に従い、所定時間目を閉じた後に設定する時間経過の速さを求める。例えば、所定の手法として、現在設定されている時間経過の速さの値の倍の値を新たな時間経過の速さの値とする手法を採用したとする。また、時間経過の速さを1〜10の値で表わし、値が大きいほど仮想空間における時間経過が速くなるとする。現在、時間経過の速さは“5”と設定されているとすると、選択部202は、時間経過の速さの値を“10”と求める。描画部203は、指定された速さの値“10”で仮想空間における時間が経過するように、仮想空間を表わす画像を描画する。
【0083】
図5に、時間経過に伴い敵キャラクタ401が移動した場合の位置を示す。図5は、敵キャラクタ401が配置される仮想空間を敵キャラクタ401の上方から見た図である。距離501と距離502とは同じ長さであるとする。プレイヤが目を閉じる前に、時間経過の速さ“5”が設定されている場合、敵キャラクタ401が1秒間に位置402まで移動する。
一方、時間経過の速さ“10”が設定されている場合、敵キャラクタ401が1秒間に、位置403まで移動する。すなわち、時間経過の速さが倍になるので、敵キャラクタ401は、時間経過の速さ“5”が設定された場合に敵キャラクタ401が移動する距離(距離501)の倍の距離(距離501+距離502)を移動する。時間経過の速さ“5”が設定されている場合、描画部203は、敵キャラクタ401が1秒間に図7(a)に示す位置(図5の敵キャラクタ401の位置)から、図7(b)に示す位置(図5の位置402)まで移動するように描画する。また、プレイヤが、所定時間、目を閉じてから、目を開けると、描画部203は、敵キャラクタ401が、1秒間に図7(a)に示す位置から、図7(c)に示す位置(図5の位置403)まで移動するように描画する。
【0084】
一般的に、1ステージ内で登場する敵キャラクタの数はほぼ一定である。したがって、時間経過の速さを倍の値に設定するということは、仮想空間を移動する敵キャラクタの移動速度が倍になり、敵キャラクタが登場する時間間隔が半分になるということである。この場合、プレイヤはより素早く敵キャラクタに対応することが求められるので、ゲームの難易度は高くなる。このように、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、ゲームの進行速度を変更することができる。
【0085】
表示部204は、描画部203により描画された画像を画面302に表示する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部204として機能する。
【0086】
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図8のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。
【0087】
検知部201は、プレイヤ301の顔を撮影し、撮影した顔画像からプレイヤ301の目の開閉の状態を検知する(ステップS101)。例えば、検知部201は、プレイヤ301の顔を撮影した顔画像から目の位置を検出し、目の位置の画像に対して二値化処理を行う。そして、検知部201は、黒目を示す黒い領域が検出されなければ目が閉じられていると判断する。
【0088】
次に、検知部201は、目が閉じられた状態が所定時間続いているか否かを判断する(ステップS102)。検知部201が、目が閉じられた状態が所定時間続いていると判断した場合(ステップS102;Yes)、選択部202は描画形態選択処理を開始する(ステップS103、図9)。一方、検知部201が、目が閉じられた状態が所定時間続いていないと判断した場合(ステップS102;No)、ステップS101に戻る。例えば、所定時間を5秒とした場合、プレイヤ301が5秒間以上目を閉じ、その状態が検知部201により5秒間検知された場合、選択部202により描画形態選択処理が開始される。一方、プレイヤ301が目を閉じたが、目を閉じた状態が5秒間検知される前に、目を開いてしまった場合、画面に表示される仮想空間の画像に変化は起きず、引き続き検知部201により、目の開閉の状態が検知される。
【0089】
目が閉じられた状態が所定時間、検知されると、選択部202は、視点位置及び視線方向が描画形態として選択するか否かを判断する(ステップS201)。選択部202が視点位置及び視線方向を描画形態として選択した場合(ステップS201;Yes)、現在設定されている視点位置及び視線方向を変更し(ステップS202)、描画形態選択処理を終了する。一方、選択部202が視点位置及び視線方向を描画形態として選択しなかった場合(ステップS201;No)、選択部202は、画像フィルタを選択するか否かを判断する(ステップS203)。
【0090】
例えば、現在、図4に示す視点位置411及び視線方向421が仮想空間について設定されており、選択部202が、描画形態として視点位置及び視線方向を選択したとする。この場合、選択部202は、視点位置及び視線方向を、視点位置411及び視線方向421、視点位置412及び視線方向422、視点位置413及び視線方向423の組の中から、所定の手法により選択する。そして、選択部202は、選択した視点位置及び視線方向の情報を描画部203に送る。
【0091】
選択部202が画像フィルタを描画形態として選択した場合(ステップS203;Yes)、現在設定されている画像フィルタを変更し(ステップS204)、描画形態選択処理を終了する。一方、選択部202が画像フィルタを描画形態として選択しなかった場合(ステップS203;No)、選択部202は、仮想空間における時間経過の速さを選択するか否かを判断する(ステップS205)。
【0092】
例えば、現在設定されている明るさの値が“6”であり、明るさの値を“6”として描画された画像が図3(a)に示す仮想空間であるとする。選択部202が描画形態として画像フィルタの明るさを選択したとすると、選択部202は、現在設定されている明るさの値の半分の値を画像フィルタをかけた後の明るさとして求め、明るさの値“3”を描画部203に送る。
【0093】
選択部202が仮想空間における時間経過の速さを描画形態として選択した場合(ステップS205;Yes)、現在設定されている時間経過の速さを変更する(ステップS206)。一方、選択部202が仮想空間における時間経過の速さを描画形態として選択しなかった場合(ステップS205;No)、選択部202は、描画形態選択処理を終了する。
【0094】
例えば、現在設定されている時間経過の速さの値が“5”であるとする。選択部202が描画形態として時間経過の速さを選択したとすると、選択部202は、現在設定されている時間経過の速さの値の半分の値を所定時間目を閉じてから目開けた後の時間経過の速さの値として求め、時間経過の速さの値“10”を描画部203に送る。
【0095】
描画形態選択処理(ステップS103、図9)が終了すると、描画部203は、指定された描画形態に基づいて、仮想空間の画像を描画する(ステップS104)。
【0096】
例えば、描画形態選択処理において、選択部202が視点位置及び視線方向を描画形態として選択され(ステップS201;Yes)、視点位置412及び視線方向422が指定された場合、描画部203は、図3(b)の画像を描画する。また、選択部202が画像フィルタを描画形態として選択し(ステップS203;Yes)、明るさの値が“3”と指定された場合、描画部203は、図6(a)の画像を描画する。あるいは、選択部202が仮想空間における時間経過の速さを描画形態として選択し(ステップS205;Yes)、時間経過の速さの値が“10”と指定された場合、描画部203は、敵キャラクタ401が、1秒間に、図7(a)に示す位置から、図7(c)に示す位置まで移動するように描画する。
【0097】
そして、表示部204は、描画部203により描画された画像をゲーム装置200に接続されるモニタの画面302に表示させる(ステップS105)。
【0098】
本実施形態によれば、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させて、プレイヤが見る仮想空間の様子を変化させることができる。
【0099】
(実施形態2)
実施形態2に係るゲーム装置は、実施形態1の手法に、目の開閉に基づいて、ゲームの進行を制御する手法を採用する。
【0100】
実施形態2のゲーム装置200は、図10に示すように、検知部201と、選択部202と、描画部203と、表示部204と、記憶部205と、読出部206と、を備え、以下のように構成する。なお、本実施形態の検知部201、選択部202、描画部203、及び表示部204は実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する記憶部205及び読出部206について説明する。
【0101】
記憶部205には、仮想空間を表現するための複数のデータ205aが記憶される。例えば、ゲームのステージ毎又はシーン毎にデータ205aが記憶される。
したがって、RAM 102が記憶部205として機能する。
【0102】
読出部206は、記憶部205に記憶されるデータ205aのうち、いずれかのデータを読み出す。読出部206は、現在読み出されているデータから次のデータへの移行条件が満たされ、かつ、検知部201により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、次のデータの読み出しを開始する。ここで、移行条件とは、例えば、1つのステージに用意されている敵キャラクタを全部倒すことや、ステージのゴールとなる場所に到着することである。読出部206が次のデータを読み出している期間中に、検知部201により目が開かれた状態が検知されなかった場合、すなわち、読出部206が次のデータの読み出している間中、プレイヤ301が目を開けなかった場合、描画部203は読み出されたデータにより表現される仮想空間の画像を描画する。一方、読出部206が次のデータを読み出している間に、検知部201により目が開かれた状態が検知された場合、すなわち、読出部206が次のデータの読み出している間に、プレイヤ301が目を開けてしまった場合、読出部206はデータの読み出しを中止する。そして、描画部206は、当該読み出しを開始する前に仮想空間の描画に使用されていたデータに基づいて画像を描画する。
したがって、CPU 101が読出部206として機能する。
【0103】
例えば、図11(a)に示すように、プレイヤが敵キャラクタ401を倒して、“ステージ1”をクリアしたとする。この後、検知部201により、プレイヤが所定時間以上目を閉じていることが検知されると、CPU 101は画面302に図11(b)のメッセージ404を表示させ、読出部206は、“ステージ2”のデータを読み出す。なお、図11(b)の画像は、プレイヤが目を閉じている間に表示されるので、プレイヤが読み出しの途中に目を開けなければ当該画像を見ることはない。“ステージ2”のデータを読み出しが終了すると、描画部203は当該データに基づいて、例えば、新たな敵キャラクタ405が登場する仮想空間の画像(図11(c))を描画する。
【0104】
読出部206が“ステージ2”のデータを読み出している間に、プレイヤ301が目を開いてしまい、その状態が検知部201により検知された場合、読出部206は“ステージ2”のデータの読み出しを中止する。そして、描画部203は、“ステージ1”のデータに基づいて、図11(a)に示すような画像を表示する。すなわち、ゲームは“ステージ2”には移行せず、“ステージ1”に留まることになる。この時、プレイヤは一瞬だけ図11(b)の画像を見ることになるが、プレイヤが目を開けたことが検知されると、直ちに“ステージ1”の仮想空間の画像が画面に表示される。なお、“ステージ1”に留まることになった場合、画面に表示する画像は図11(a)に示すような、読み出し開始直前の画像に限らず、例えば、“ステージ1”の最初のシーンに戻るようにしてもよい。
【0105】
なお、読出部206が次のデータを読み出している間に、データの読み出しの状況を音声で知らせるようにしてもよい。例えば、“ステージ2”のデータの読み出しが終了するまでに何秒要するか等を随時音声で通知する。
また、プレイヤが目を閉じて、読出部206が次のデータを読み出している間に、敵キャラクタが攻撃してくるようにしてもよい。この場合、プレイヤ301は、敵キャラクタの攻撃に対して反応しなければならないので、強制的に元のステージ又はシーンに戻ることとなる。このように、目を閉じている間にも敵キャラクタが攻撃してくるようにすることにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0106】
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図12のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。なお、図12のフローチャートにおいて、図8と同じステップ番号が付されているステップは、図8のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0107】
検知部201が、目が閉じられた状態が所定時間続いていると判断した場合(ステップS102;Yes)、読出部206は、現在読み出されているデータから次のデータへの移行条件が満たされているか否かを判断する(ステップS301)。読出部206が移行条件が満たされていると判断した場合(ステップS301;Yes)、読出部206は次のデータの読み出しを開始する(ステップS302)。一方、読出部206が移行条件が満たされていないと判断した場合(ステップS301;No)、選択部202は描画形態選択処理(ステップS103、図9)を開始する。
【0108】
例えば、プレイヤ301が“ステージ1”に用意されている敵キャラクタを全部倒して“ステージ1”をクリアした場合であって、プレイヤ301が所定時間以上目を閉じていた場合、読出部206は、“ステージ2”のデータの読み出しを開始する。一方、プレイヤ301が“ステージ1”をクリアしていない場合には、選択部202は、描画形態の選択を行う。
【0109】
そして、読出部206は、データの読み出しが終了したが否かを判断する(ステップS303)。読出部206がデータの読み出しが終了したと判断した場合(ステップS303;Yes)、描画部203は、当該読み出されたデータに基づいて画像を描画する(ステップS104)。一方、読出部206がデータの読み出しが終了していないと判断した場合(ステップS303;No)、検知部201は、プレイヤ301の目が開かれたか否かを判断する(ステップS304)。
【0110】
例えば、読出部206が“ステージ2”のデータの読み出しを終了した場合、描画部203は、“ステージ2”のデータに基づいて、“ステージ2”の仮想空間を表わす画像を描画する。一方、読出部206が“ステージ2”のデータの読み出しを終了していない場合、検知部201は、“ステージ2”のデータの読み出し中にプレイヤ301の目が開かれたか否かを判断する。
【0111】
検知部201がプレイヤ301の目が開かれたと判断した場合(ステップS304;Yes)、読出部206は現在読み出し中のデータの読み出しを中止する(ステップS305)。そして、描画部203は元のデータに基づいて画像を描画する(ステップS104)。一方、検知部201がプレイヤ301の目が開かれていないと判断した場合(ステップS304;No)、ステップS303に戻り、読出部206は、引き続きデータの読み出しを行いながらデータの読み出しが終了したか否かを判断する。
【0112】
例えば、検知部201により“ステージ2”のデータの読み出し中にプレイヤ301の目が開かれたことが検知された場合、読出部206は“ステージ2”の読み出しを中止する。そして、描画部203は“ステージ1”のデータに基づいて画像の描画を行う。一方、検知部201により“ステージ2”のデータの読出中にプレイヤ301の目が開かれたことが検知されない場合、読出部206は引き続き“ステージ2”のデータの読み出しを行う。
【0113】
本実施形態によれば、プレイヤは、自身の目の開閉を制御することにより、ゲームの進行を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明によれば、プレイヤの目の開閉と画面における表示とを適切に連携させるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0115】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 カメラ
200 ゲーム装置
201 検知部
202 選択部
203 描画部
204 表示部
205 記憶部
206 読出部
301 プレイヤ
302 画面
401、405 敵キャラクタ
402、403 位置
404 メッセージ
411、412、413 視点位置
421、422、423 視線方向
501、502 距離


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの目の開閉の状態を検知する検知部と、
前記検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する選択部と、
前記選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する描画部と、
前記描画された画像を画面に表示する表示部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記描画形態は、前記仮想空間の視点位置及び視線方向の設定を含み、
前記描画部は、前記視点位置から前記視線方向へ前記仮想空間を見た様子を表わす画像を描画する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記描画形態は、画像フィルタの設定を含み、
前記描画部は、前記画像フィルタを施した前記画像を描画する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記描画形態は、前記仮想空間における時間経過の速さの設定を含み、
前記描画部は、前記速さで経過させて前記画像を描画する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記仮想空間を表現するための複数のデータが記憶される記憶部と、
前記記憶部から、いずれかのデータを読み出す読出部と、
をさらに備え、
現在読み出されているデータから次のデータへの移行条件が満たされ、かつ、前記検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、前記読出部は、前記次のデータの読み出しを開始する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置であって、
前記読出部が前記次のデータの読み出しを完了するまでの期間中、前記検知部により目が開かれた状態が検知されなかった場合、前記描画部は、前記読み出されたデータにより表現される仮想空間の画像を描画する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のゲーム装置であって、
前記読出部が前記次のデータの読み出しを完了するまでの期間中、前記検知部により目が開かれた状態が検知された場合、前記読出部は、当該データの読み出しを中止する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
検知部と、選択部と、描画部と、表示部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記検知部が、プレイヤの目の開閉の状態を検知する検知工程と、
前記選択部が、前記検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する選択工程と、
前記描画部が、前記選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する描画工程と、
前記表示部が、前記描画された画像を画面に表示する表示工程と、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
プレイヤの目の開閉の状態を検知する検知部、
前記検知部により目を閉じた状態が所定時間以上検知された場合、複数の描画形態のうちいずれかを選択する選択部、
前記選択された描画形態に基づいて仮想空間の画像を描画する描画部、
前記描画された画像を画面に表示する表示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−248719(P2011−248719A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122634(P2010−122634)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】