説明

ゲーム装置及びゲームの進行方法、並びにプログラム及び記録媒体

【課題】プレイヤキャラクタの移動に応じて視点位置が変化する3次元ビデオゲームにおいて、第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトにおいて該効果の発動をプレイヤにどのように見せるかといったことを考慮しつつ、ゲーム性を向上させる。
【解決手段】前面にタッチパネルが配置された第2LCD12に、プレイヤキャラクタの移動に応じて変化する表示範囲内に、発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202とが表示されている場合において、発動元オブジェクト201の表示位置から該発動先オブジェクト202の表示位置までタッチパネル上で線引き操作が行われたときに、該線引き操作の行われているスピードが算出される。該算出されたスピードが所定速度以上であれば、線引き操作の軌跡にエフェクト表示がされるとともに、該発動先オブジェクト202に設定されている効果が発動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点位置が変化する3次元ビデオゲームにおいて、第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトにおいて該効果を生じさせるゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロールプレイングゲームにおいて、プレイヤは、プレイヤキャラクタを仮想空間内で移動させていくことで、ゲームを進行させる。ゲームの進行過程で、プレイヤキャラクタが仮想空間内の特定の場所(例えば、木箱などがある場所)に近づいている場合にのみ実行可能なアクション(以下、特別アクション)があるものもある(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ゲームの進行過程で行われるプレイヤキャラクタと敵キャラクタとのバトル中において、キャラクタの状態やゲームの進行状況に応じて仮想空間を透視変換する仮想カメラの視点位置を柔軟に切り替えるものもある(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−200351号公報(段落0056〜段落0057)
【特許文献2】特開2003−24636号公報(段落0004〜段落0005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のゲームおいて、プレイヤは、プレイヤキャラクタを木箱から所定範囲に移動させれば、表示画面上における木箱の表示位置に関係なく、所定の操作によって特別アクションを行うことができる。従って、プレイヤがプレイヤキャラクタを仮想空間においてどのように移動させるかということは、特別アクションの実行や見せ方に影響を与えるものではなかった。
【0006】
アクションをプレイヤにどのように見せるかといったことを考慮し、特許文献2に記載のゲームにおいて用いられている手法を用いたとしても、キャラクタの状態やゲームの進行状況に応じて仮想カメラの視点位置が切り替わるのであれば、プレイヤから仮想カメラの視点位置の切替に対する操作の関与なく画面が切り替わってしまい、ゲーム性が損なわれてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、プレイヤキャラクタの移動に応じて視点位置が変化する3次元ゲームにおいて、第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトにおいて該効果の発動をプレイヤにどのように見せるかといったことを考慮しつつ、ゲーム性を向上させるゲーム装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるゲーム装置は、プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させるキャラクタ移動手段と、前記キャラクタ移動手段によるプレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させる視点移動手段と、前記視点移動手段により移動された視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して、2次元のゲーム画像を生成する透視変換手段と、前記透視変換手段により生成された2次元のゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、プレイヤの操作に応じて前記ゲーム画像表示手段上の座標位置に対応した任意の座標位置を入力する座標位置入力手段とを備え、前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、前記ゲーム装置は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせるゲーム効果発動手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
上記第1の観点にかかるゲーム装置では、プレイヤキャラクタが仮想3次元空間の所定範囲内にいる場合において、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置から第2オブジェクトの位置までの軌跡が入力されれば、該第2オブジェクトに設定されているゲーム進行上の効果が生じることとなる。ここで、プレイヤキャラクタの移動によって仮想カメラの視点の位置が変わり、その仮想カメラの視点の位置によって座標位置入力手段から入力すべき座標位置が変わることとなる。これにより、プレイヤは、自らの操作によって移動させたプレイヤキャラクタの位置に応じて変わる座標位置を入力することでゲーム進行上の効果を得ることができ、ゲーム性が向上するものとなる。
【0010】
上記第1の観点にかかるゲーム装置は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により入力されている座標位置の軌跡に所定のエフェクトを付して、前記透視変換手段により生成されたゲームの2次元画像に重ねて前記ゲーム画像表示手段に表示させるエフェクト表示手段をさらに備えるものとすることができる。
【0011】
この場合において、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置から第2オブジェクトの位置までの軌跡が入力されれば、該入力されている軌跡にエフェクトが付されて、ゲーム画像に重ねて表示されることとなる。ここでは、第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡がエフェクトによって示され、該エフェクトが第2オブジェクトに位置したことによって、該第2オブジェクトに設定されている効果が生じるものとなる。これにより、プレイヤは、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが組みとなって、所定の効果が生じたことを分かりやすく認識することができるものとなる。
【0012】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、前記第2オブジェクトについて設定された所定の効果を生じさせるものとすることができる。
【0013】
ここで、上記ゲーム装置が前記エフェクト表示手段をさらに備える場合には、前記エフェクト表示手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、該軌跡に所定のエフェクトを付して前記ゲーム画像表示手段に表示させるものとしてもよい。
【0014】
この場合において、プレイヤは、第2オブジェクトに設定されているゲーム進行上の効果を取得するために、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置から第2オブジェクトの位置までの軌跡を所定速度以上で入力しなければならないこととなる。軌跡を入力する速度に制限があることによって、第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡を入力することが比較的困難なものとなる場合もある。ここで、プレイヤがゲーム進行上の効果を得るための難易度は変化するものとなり、ゲーム性が向上するものとなる。また、エフェクトが表示されるのは、所定の効果が生じることとなる第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡が所定速度以上で入力されていることが条件となることにより、プレイヤは、所定の効果が生じる入力が行われていることを認識することができるものとなる。
【0015】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置まで所定の時間以内で軌跡が入力されたこととを条件として、前記第2オブジェクトについて設定された所定の効果を生じさせるものとすることができる。
【0016】
ここで、上記ゲーム装置が前記エフェクト表示手段をさらに備える場合には、前記エフェクト表示手段は、前記所定の時間の間だけ、前記座標位置入力手段から入力されている軌跡に所定のエフェクトを付して前記ゲーム画像表示手段に表示させるものとしてもよい。
【0017】
この場合において、プレイヤは、第2オブジェクトに設定されているゲーム進行上の効果を取得するために、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置から第2オブジェクトの位置までの軌跡を所定の時間以内で入力しなければならないこととなる。軌跡を入力する時間に制限があることによって、第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡を入力することが比較的困難なものとなる場合もある。ここで、プレイヤがゲーム進行上の効果を得るための難易度は変化するものとなり、ゲーム性が向上するものとなる。また、エフェクトが表示されるのは、所定の効果を生じさせるのに第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡の入力が必要な所定の時間以内に限られていることにより、プレイヤは、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが組みとなって、所定の効果が生じる入力が行われていることを認識することができるものとなる。
【0018】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクトと組みになる第2オブジェクトが複数形成されており、該複数の第2オブジェクトのそれぞれについてゲーム進行上の所定の効果が設定されており、前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタの前記仮想3次元空間が所定の複数表示範囲内にあるときには前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトの全てを前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトが前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が入力されたときに、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせるものとすることができる。
【0019】
この場合において、プレイヤキャラクタが仮想3次元空間の複数表示範囲内にいる場合、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置を起点として複数の第2オブジェクトのそれぞれの位置を通る軌跡が入力されれば、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の効果が生じることとなる。プレイヤキャラクタが仮想3次元空間の複数表示範囲内にあるときであっても、さらにその複数表示範囲内の位置の違いによって仮想カメラの視点が移動し、仮想カメラの視点の位置を基準とした場合における第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係が異なるものとなる。すると、生成されたゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係が変わってくる。この第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトの位置関係によって、第1オブジェクトを起点として複数の第2オブジェクトの全てを通る軌跡を入力する難易度が変化するものとなる。
【0020】
このような2次元平面上の第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係は、プレイヤキャラクタの移動によって決まるものとなり、プレイヤキャラクタを移動させる際に第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトを単にゲーム画像表示手段に表示させるだけではなく、どの位置に表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、座標位置入力手段による第1オブジェクトから各第2オブジェクトへの軌跡の入力に、キャラクタ位置移動手段によるプレイヤキャラクタの移動の入力結果が影響することで、ゲーム性が向上するものとなる。
【0021】
ここで、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせるものとすることもできる。
【0022】
或いは、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置まで所定の時間以内で軌跡が入力されたこととを条件として、前記第2オブジェクトについて設定された所定の効果を生じさせるものとすることもできる。
【0023】
これらの場合において、プレイヤは、複数の第2オブジェクトのそれぞれに対して設定されているゲーム進行上の効果を取得するために、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置を起点として複数の第2オブジェクトのそれぞれの位置を通る軌跡を、所定速度以上(或いは所定の時間以内)で入力しなければならないこととなる。ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトと各第2オブジェクトの位置関係によって、全ての第2オブジェクトを通るように軌跡を入力するのが所定の速度以上(或いは所定の時間以内)という制限があると比較的困難なものとなる場合もある。
【0024】
このような2次元平面上の位置関係は、プレイヤキャラクタの移動によって決まるものとなり、プレイヤキャラクタを移動させる際に第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトを単にゲーム画像表示手段に表示させるだけではなく、どの位置に表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、キャラクタ位置移動手段によりプレイヤキャラクタを移動させる際にも、よりきめ細かい操作が要求されるようになり、ゲーム性が向上するものとなる。
【0025】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクトと組みになる第2オブジェクトが複数形成されており、該複数の第2オブジェクトを一体としてゲーム進行上の所定の効果が設定されており、前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタの前記仮想3次元空間が所定の複数表示範囲内にあるときには前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトの全てを前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトが前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が入力されたときに、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせるものとすることができる。
【0026】
この場合において、プレイヤキャラクタが仮想3次元空間の複数表示範囲内にいる場合、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトの位置を起点として複数の第2オブジェクトのそれぞれの位置を通る軌跡が入力されれば、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の効果が生じることとなる。プレイヤキャラクタが仮想3次元空間の複数表示範囲内にあるときであっても、さらにその複数表示範囲内の位置の違いによって仮想カメラの視点が移動し、仮想カメラの視点の位置を基準とした場合における第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係が異なるものとなる。すると、生成されたゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係が変わってくる。この第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトの位置関係によって、第1オブジェクトを起点として複数の第2オブジェクトの全てを通る軌跡を入力する難易度が変化するものとなる。
【0027】
このような2次元平面上の第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトとの位置関係は、プレイヤキャラクタの移動によって決まるものとなり、プレイヤキャラクタを移動させる際に第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトを単にゲーム画像表示手段に表示させるだけではなく、どの位置に表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、座標位置入力手段による第1オブジェクトから各第2オブジェクトまでの軌跡の入力に、キャラクタ位置移動手段によるプレイヤキャラクタの移動の入力結果が影響することで、ゲーム性が向上するものとなる。
【0028】
ここで、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせるものとすることもできる。
【0029】
或いは、前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の時間以内に入力されたことを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせるものとすることもできる。
【0030】
このように第1オブジェクトと組みになる第2オブジェクトが複数形成されている場合、プレイヤキャラクタが仮想3次元空間内の複数表示範囲内にあるときであっても、さらにその複数表示範囲内の位置の違いに仮想カメラの視点が移動し、仮想カメラの視点の位置を基準とした場合における第1オブジェクトと各第2オブジェクトの位置関係が異なるものとなる。すると、生成されたゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクトと各第2オブジェクトの位置関係(例えば、一直線に近い状態で並ぶかどうか)が変わってくる。この第1オブジェクトと各第2オブジェクトの位置関係によって、全ての第2オブジェクトを通るように軌跡を入力するのが所定の速度以上(或いは所定の時間以内)という制限があると比較的困難なものとなる場合もある。
【0031】
このような2次元平面上の位置関係は、プレイヤキャラクタの移動によって決まるものとなり、プレイヤキャラクタを移動させる際に第1オブジェクトと複数の第2オブジェクトを単にゲーム画像表示手段に表示させるだけではなく、どの位置に表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、キャラクタ位置移動手段によりプレイヤキャラクタを移動させる際にも、よりきめ細かい操作が要求されるようになり、ゲーム性が向上するものとなる。
【0032】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記仮想3次元空間には、前記プレイヤキャラクタに近づき、該プレイヤキャラクタに対して攻撃を加える敵キャラクタが存在するものとすることができる。
【0033】
この場合、プレイヤキャラクタの移動を停止させたり、狭い範囲で移動方向を繰り返して転換させていると、その間に敵キャラクタが近づいてきて、敵キャラクタからの攻撃を受けてしまうことがある。このため、敵キャラクタからの攻撃を受けることなく第1オブジェクトと第2オブジェクトの両方をゲーム画像表示手段に表示させるべくプレイヤキャラクタの位置を移動させるには、実質的な時間的な制約が生じることとなり、プレイヤキャラクタの移動操作に単なる位置の移動以外のゲーム性が生じることとなる。
【0034】
特にゲーム画像表示手段における第1オブジェクトと第2オブジェクトとの位置関係が第2オブジェクトに設定された所定の効果を生じさせるべく座標位置を入力する際の難易に影響を及ぼすようになる場合には、第1オブジェクトと第2オブジェクトが既に両方表示されている状態でさらに表示位置を調整しようとするのにも時間的な制約が生じることとなる。これにより、後に行うこととなる第2オブジェクトに設定された所定の効果を生じさせるための座標位置の入力操作に関連して、新たなゲーム性がプレイヤキャラクタの移動操作に生じることとなる。
【0035】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの近傍に、前記所定の効果を無効化させる第3オブジェクトが存在し、前記ゲーム効果発動手段は、前記第3オブジェクトが表示されている座標位置を通過することなく前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせるものとすることができる。
【0036】
この場合において、ゲーム画像での2次元平面としての第1オブジェクト、第2オブジェクト、及び第3オブジェクトの位置関係は、プレイヤキャラクタの移動によって決まるものとなり、プレイヤキャラクタを移動させる際に第1オブジェクトと第2オブジェクトを単にゲーム画像表示手段に表示させるだけではなく、第1オブジェクト及び第2オブジェクトに加えて、さらに第3オブジェクトをどの位置に表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、座標位置入力手段による第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの軌跡の入力に、キャラクタ位置移動手段によるプレイヤキャラクタの移動の入力結果がより強く影響することで、ゲーム性が向上するものとなる。
【0037】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記第1オブジェクトおよび/または前記第2オブジェクトは、互いの距離を所定範囲内に保ちながら、前記仮想3次元空間を移動するものであってもよい。
【0038】
この場合には、第1オブジェクトおよび/または第2オブジェクトの移動に応じてプレイヤキャラクタを移動させる必要が生じるので、さらにプレイヤキャラクタの移動操作に精細さが要求されることとなり、ゲーム性をいっそう向上させることができる。
【0039】
上記第1の観点にかかるゲーム装置は、プレイヤの操作に応じて、前記キャラクタ移動手段による前記プレイヤキャラクタの移動を停止させるプレイヤキャラクタ停止手段をさらに備える場合には、前記ゲーム効果発動手段は、前記プレイヤキャラクタ停止手段により前記プレイヤキャラクタの移動が停止され、且つ前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、前記所定の効果を生じさせるものとすることができる。
【0040】
この場合において、第2オブジェクトに設定されている効果は、プレイヤキャラクタが移動を停止させているときにのみ生じさせることができるものとなる。プレイヤキャラクタが停止している場合には、仮想カメラの視点も停止するものとなる。ここでは、第2オブジェクトに設定されているゲームの進行上の効果の発動を、他のゲームの進行に影響されずにプレイヤに効果的に見せることができるものとなる。
【0041】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記視点移動手段は、前記第1オブジェクトおよび/または前記第2オブジェクトの近傍に設定される近傍範囲内に前記プレイヤキャラクタが位置するときには、該プレイヤキャラクタの移動に応じた仮想カメラの視点の移動の制御を該プレイヤキャラクタが近傍範囲外に位置するときとは異なるものとするものとすることができる。
【0042】
この場合において、ゲーム画像表示手段に第1オブジェクトと第2オブジェクトとが表示されるときに、精細な視点制御が行われるものとなる。ここで、キャラクタ位置移動手段によるプレイヤキャラクタの移動に応じてゲーム画像表示手段における第1オブジェクトと第2オブジェクトの表示位置に大きな違いが生じることとなり、キャラクタ位置移動手段によりプレイヤキャラクタを移動させる際にも、よりきめ細かい操作が要求されるようになり、ゲーム性が向上するものとなる。
【0043】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記座標位置入力手段は、前記ゲーム画像表示手段の前面に配設され、該ゲーム画像表示手段に表示された画像を透過可能に示すタッチパネルであるものとすることができる。
【0044】
この場合において、プレイヤは、座標位置入力手段から座標位置の入力を、ゲーム画像表示手段の前面に配設されたタッチパネルにおいて行うものとなる。プレイヤは、ゲーム画像表示手段に表示されている第1オブジェクトと第2オブジェクトとの位置を、直感的にタッチパネルから座標入力することで軌跡を入力することができ、ゲーム性が向上するものとなる。
【0045】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるゲームの進行方法は、ゲームの画像を表示する表示装置と、プレイヤの操作に応じて該表示装置上の任意の座標位置を入力する座標位置入力装置とを備えるゲーム装置において実行され、第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させることでゲームを進行させる方法であって、プレイヤの操作に応じて、前記仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させ、前記プレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させ、前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記表示装置に表示させることが可能となるとなるように透視変換される所定範囲を設定して、前記仮想カメラの視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して2次元のゲーム画像を生成し、前記透視変換により生成された2次元のゲーム画像を前記表示装置に表示させ、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記表示装置に表示されている状態で前記座標位置入力装置により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせることを特徴とする。
【0046】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームの画像を表示する表示装置と、プレイヤの操作に応じて該表示装置上の任意の座標位置を入力する座標位置入力装置とを備えるコンピュータ装置を、プレイヤの操作に応じて、前記仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させるキャラクタ移動手段、前記キャラクタ移動手段によるプレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させる視点移動手段、前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記表示装置に表示させることが可能となるように透視変換される所定範囲を設定して、前記視点移動手段により移動された視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して、2次元のゲーム画像を生成する透視変換手段、及び、前記透視変換手段により生成された2次元のゲーム画像を前記表示装置に表示させる表示するゲーム画像表示手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とする。
【0047】
上記第3の観点にかかるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置に着脱可能に構成され、上記コンピュータ装置とは別個に提供される記録媒体としてもよい。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置内に設けられ、上記コンピュータ装置と共に提供される固定ディスク装置などの記録媒体としてもよい。上記第3の観点にかかるプログラムは、ネットワーク上に存在するサーバ装置から、そのデータ信号を搬送波に重畳して、ネットワークを通じて上記コンピュータ装置に配信することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0049】
図1は、この実施の形態に適用されるゲーム装置1の構成を示す外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。図1において、ゲーム装置1は、2つの液晶表示器(LCD)11および12を所定の配置位置となるように、ハウジング18に収納して構成される。
【0050】
第1液晶表示器(以下、「LCD」という)11および第2LCD12を互いに上下に配置して収納する場合は、ハウジング18が下部ハウジング18aおよび上部ハウジング18bから構成され、上部ハウジング18bが下部ハウジング18aの上辺の一部で回動自在に支持される。上部ハウジング18bは、第1LCD11の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、一方主面から第1LCD11の表示画面を露出するように開口部が形成される。下部ハウジング18aは、その平面形状が上部ハウジング18bよりも横長に選ばれ、横方向の略中央部に第2LCD12の表示画面を露出する開口部が形成され、第2LCD12を挟む何れか一方にスピーカ15の音抜き孔が形成されるとともに、第2LCD12を挟む左右に操作スイッチ部14が装着される。
【0051】
操作スイッチ部14は、動作スイッチ(以下、「Aボタン」という)14aおよび動作スイッチ(以下、「Bボタン」という)14bと、方向指示スイッチ(以下、「十字キー」という)14cと、スタートスイッチ14dと、セレクトスイッチ14eと、側面スイッチ(以下、「Lボタン」という)14fおよび側面スイッチ(以下、「Rボタン」という)14gとを含む。
【0052】
Aボタン14aおよびBボタン14bは、第2LCD12の右横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。Aボタン14aおよびBボタン14bは、例えば、この実施の形態で適用されるアクションロールプレイングゲーム(以下、「アクションRPG」という)においては敵キャラクタを攻撃する等の指示の入力に使用される。十字キー14cは、第2LCD12の左横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。十字キー14cは、プレイヤによって操作スイッチ部14を用いて操作可能なプレイヤオブジェクト(この実施の形態では、プレイヤキャラクタ)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりする等のゲーム画面における方向指示に用いられる。
【0053】
Lボタン14fおよびRボタン14gは、下部ハウジング18aにおける上部面(上部側面)の左右に設けられる。この実施の形態で適用されるアクションRPGにおいて、Lボタン14fは、第1LCD11に表示されている画像と、第2LCD12に表示されている画像とを入れ替え、該画像で第1LCD11及び第2LCD12に表示される画像を固定するための指示の入力に使用され(以下、「画像の固定」という)、Rボタン14gは、第1LCD11及び第2LCD12の画像の固定(入れ替えも含む)を、解除するための指示の入力に使用される(以下、「画像の固定解除」という)。
【0054】
通常時は、第1LCD11にはゲーム画面(仮想3次元空間を透視変換して生成されるもの)が表示され、第2LCD12にはコマンド選択画面が表示される。通常時において第2LCD12に表示されるコマンド選択画面では、タッチパネル上でのタッチによりコマンドの選択が受け付けられる。画像の固定時は、第1LCD11にはコマンド選択画面が表示され、第2LCD12にはゲーム画面が表示される。画像の固定時において第2LCD12に表示されるゲーム画面では、後述する線引き操作が受け付けられ、コマンドの選択は受け付けられない。
【0055】
第2LCD12の上面には、タッチパネル13(図1における破線領域)が装着される。タッチパネル13は、例えば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、静電容量結合式の何れの種類でもよく、その上面をスティック16(または指でも可)で押圧操作、或いは移動操作をしたとき、スティック16の座標位置を検出して出力するものである。この実施の形態で適用されるアクションRPGでは、タッチパネル13は、画像の固定状態おいて、発動元オブジェクトから発動先オブジェクトに対して効果を発動させる指示を入力するために使用される。
【0056】
この効果を生じさせるべく、画像の固定状態おいて第2LCD12に表示された発動元オブジェクトの座標位置がタッチパネル13においてタッチされ、該タッチパネル13において他の座標位置へのタッチが継続されている場合、該操作を線引き操作というものとする。画像の固定状態おいて線引き操作が行われたときには、該操作が行われているスピードが算出され、該算出されたスピードが所定速度以上の場合にのみ、タッチパネル13上の線引き操作によって入力された位置を中心とする一定幅の範囲にエフェクトが付されて第2LCD12に表示され、発動先オブジェクトにおいて効果が生じるものとなる。
【0057】
上部ハウジング18bの側面近傍には、必要に応じてタッチパネル13を操作するスティック16を収納するための収納孔(図1における二点破線領域)が形成される。この収納孔には、スティック16が収納される。下部ハウジング18aの側面の一部には、ゲームプログラムを記憶したメモリ(例えば、ROM)を内蔵したゲームカートリッジ17(以下、「カートリッジ17」という)を着脱自在に装着するためのカートリッジ挿入部(図1における一点破線領域)が形成される。カートリッジ17は、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体であり、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリが用いられる。カートリッジ挿入部の内部には、カートリッジ17と電気的に接続するためのコネクタ(図2参照)が内蔵される。さらに、下部ハウジング18a(または上部ハウジング18bでも可)には、CPU等の各種電子部品を実装した電子回路基板が収納される。
【0058】
次に、ゲーム装置1の回路構成について説明する。図2は、ゲーム装置1の回路構成を示すブロック図である。図2において、ハウジング18に収納される電子回路基板には、CPUコア21が実装される。CPUコア21には、所定のバスを介して、カートリッジ17と接続するためのコネクタ28が接続されるとともに、入出力インターフェース(I/F)回路27、第1のグラフィック処理ユニット(第1GPU)24、第2のグラフィック処理ユニット(第2GPU)26、およびワーキングRAM(WRAM)22が接続される。
【0059】
コネクタ28には、カートリッジ17が着脱自在に接続される。カートリッジ17は、上述したようにゲームプログラムを格納するための記憶媒体であり、具体的には、ゲームプログラムを記憶するROM171とバックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM172とを搭載する。カートリッジ17のROM171に記憶されたゲームプログラムは、WRAM22にロードされ、当該WRAM22にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。CPUコア21がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや画像を生成するためのデータがWRAM22に記憶される。ROM171には、ゲーム装置1のコンピュータ、特にCPUコア21によって実行可能な形式の命令群及びデータ群であるゲームプログラムが記録される。そして、このゲームプログラムは、WRAM22に適宜読み込まれ実行される。
【0060】
第1GPU24には、第1ビデオRAM(以下、「VRAM」という)23が接続され、第2GPU26には、第2のビデオRAM(以下、「VRAM」という)25が接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第1ゲーム画像を生成し、第1VRAM23に描画する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第2ゲーム画像を生成し、第2VRAM25に描画する。
【0061】
第1GPU24が第1LCD11に接続され、第2GPU26が第2LCD12に接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて第1VRAM23に描画された第1ゲーム画像を第1LCD11に出力する。そして、第1LCD11は、第1GPU24から出力された第1ゲーム画像を表示する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて第2VRAM25に描画された第2ゲーム画像を第2LCD12に出力する。そして、第2LCD12は、第2GPU26から出力された第2ゲーム画像を表示する。
【0062】
I/F回路27には、タッチパネル13、操作スイッチ部14、およびスピーカ15が接続される。I/F回路27は、タッチパネル13、操作スイッチ部14、およびスピーカ15等の外部入出力装置とCPUコア21との間のデータの受け渡しを行う回路である。
【0063】
タッチパネル13(タッチパネル用のデバイスドライバを含む)は、第2VRAM25の座標系に対応する座標系を有し、スティック16等によって入力(指示)された位置に対応する座標データをWRAM22に設けられる所定のレジスタに出力するものである。例えば、第2LCD12の表示画面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル13の検出精度も表示画面に対応した256dot×192dotである。なお、タッチパネル13の検出精度は、第2LCD12の表示画面の解像度よりも低いものであってもよいし、高いものであってもよい。スピーカ15は、上述した音抜き孔の内側位置に配置され、実行中のゲームに応じて生成される音声を出力する。
【0064】
以下、この実施の形態において、図1、図2に示したゲーム装置1で実行されるゲームについて説明する。この実施の形態にかかるゲームは、アクションRPGであり、プレイヤキャラクタの移動空間としての仮想3次元空間にフィールドが形成されており、プレイヤは、操作スイッチ部14(十字キー14c)を操作してプレイヤキャラクタをフィールド上で移動させながらゲームを進行させていく。プレイヤキャラクタがフィールド上の所定のポイントに移動すると現れ、プレイヤキャラクタに近づくように移動してくる敵キャラクタは、仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタとの距離が所定距離となった場合において、該プレイヤキャラクタに対して攻撃を行ってくるものとなる。なお、仮想3次元空間における敵キャラクタの移動速度は、プレイヤキャラクタの最大移動速度以下となる。
【0065】
プレイヤキャラクタは、武器や魔法を使って、敵キャラクタに対して攻撃する、或いは敵キャラクタからの攻撃を防御することができる。プレイヤキャラクタは、敵キャラクタに対して攻撃を行う或いは敵キャラクタからの攻撃を受けることで、十字キー14cの操作がなくても仮想3次元空間における位置が自動的に移動することがある。
【0066】
プレイヤは、ゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタに魔法を使用させることで、ゲームを有利に進行させることができる。また、フィールド上の所定のポイントには、発動元オブジェクトと、該発動元オブジェクトと組みとなる発動先オブジェクトとが存在するものとなる。発動先オブジェクトには、それぞれゲーム上の後述する効果が設定されている。効果は、発動元オブジェクトから発動先オブジェクトまでの線引き操作が所定速度以上で行われることで、発動するものとなる。
【0067】
次に、この実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、ゲーム装置1のWRAM22に管理されているデータについて説明する。図3に、発動元オブジェクトと、該発動元オブジェクトと組みとなる発動先オブジェクトとを管理している発動管理テーブルを示す。図3に示すように、発動管理テーブル100には、発動元ナンバー101と、発動元位置102と、発動先ナンバー103と、発動先位置104と、効果105と、発動フラグ106とが、発動元オブジェクトと組みになる発動先オブジェクトごとに登録されている。
【0068】
発動元ナンバー101は、各発動元オブジェクトを一意に識別する識別情報である。発動元位置102は、該発動元オブジェクトの仮想3次元空間における位置をゲーム空間に設定された座標で示すものである。
【0069】
発動先ナンバー103は、各発動先オブジェクトを一意に識別する識別情報である。1の発動元オブジェクトに対して、組みになる発動先オブジェクトが複数存在する場合もある。例えば、発動元ナンバー101が2の発動元オブジェクトに対しては、2つの発動先オブジェクトが組み関係にあり、発動元ナンバー101が3の発動元オブジェクトに対しては、3つの発動先オブジェクトが組み関係にある。発動先位置104は、該発動先オブジェクトの仮想3次元空間における位置をゲーム空間に設定された座標で示すものである。
【0070】
効果105は、該発動先オブジェクトに対して設定されているゲーム進行上の効果である。1の発動元オブジェクトに対して、組みになる発動先オブジェクトが複数存在する場合において、効果105は、個々の発動先オブジェクトに対して設定されているが、所定の速度以上で線引き操作が継続している限りにおいて1回の線引き操作で同時に発動させることもできる。効果105には、暗闇において明かりを灯すものや、非表示となっている橋を繋ぐものや、プレイヤキャラクタに設定されているパラメータを加算するものや、敵キャラクタに対して攻撃を行うものなど様々な種類のものがある。
【0071】
発動フラグ106は、該発動先オブジェクトに対して設定されている効果が既に発動された発動先オブジェクトに対してセットされるフラグである。発動フラグ106は、線引き操作によって、組み関係にある発動元オブジェクトから該発動先オブジェクトまでの線引き操作が行われた時にセットされるものとなる。一旦セットされた発動フラグ106は、リセットされないものとなる。
【0072】
次に、第1LCD11または第2LCD12に表示されるゲーム画像について説明する。プレイヤキャラクタ、発動元オブジェクト、発動先オブジェクトの仮想3次元空間のフィールド上における位置は、それぞれワールド座標系(X,Y,Z)の座標によって一意に特定される。フィールド上に存在するオブジェクト(発動元オブジェクト、発動先オブジェクトを含む)のグラフィックデータは、いずれも各頂点の座標をワールド座標系の座標で示す複数のポリゴンによって構成されている。
【0073】
プレイヤキャラクタは、各頂点の座標をローカル座標系(x,y,z)の座標で示す複数のポリゴンによって構成されている。プレイヤキャラクタは、そのほぼ中心の点を基準点として設定しており、仮想3次元空間における位置は、基準点のワールド座標系における座標で示される。また、プレイヤキャラクタの方向は、ローカル座標系の各軸がワールド座標系の各軸に対してなす角で表される。
【0074】
そして、表示処理を行う際においては、視認範囲に含まれる全オブジェクトの特徴点(各ポリゴンの頂点)の座標がワールド座標系の座標に変換される。また、プレイヤキャラクタの進行方向は、現在のフレーム期間におけるプレイヤキャラクタの位置と前のフレーム期間におけるプレイヤキャラクタの位置関係に基づいて決められる。
【0075】
プレイヤキャラクタが、仮想3次元空間のフィールド上を移動していく様子は、第1LCD11または第2LCD12上に映し出され、プレイヤに認識されるものとなる。第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)には、プレイヤキャラクタを参照点とし、所定の位置に視点の設定された仮想カメラにより仮想3次元空間を透視変換した画像(ゲーム画面)が表示される。第2LCD12(画像の固定時は、第1LCD11)には、複数種類のコマンドが含まれる画像(コマンド選択画面)が表示される。
【0076】
図4は、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に画像を表示する仮想カメラにより、仮想3次元空間を透視変換する様子を模式的に示す。仮想3次元空間内に仮想カメラ301が置かれ、仮想スクリーン302上に投影された画像が第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示される画像となる。
【0077】
この仮想カメラ301の位置が視点303、仮想カメラ301の向きが視軸304、視点303と仮想スクリーン302の頂点の四隅を結んだ4本の直線が作る領域が視界305となる。仮想スクリーン302の大きさは固定であり、視界305の広さを決めれば仮想スクリーン302の位置が決まり、仮想スクリーン302の位置を決めれば視界305の広さが決まるという関係がある。また、視点303から視軸304の方向の所定距離に後方クリップ面306が定められる。なお、この実施の形態では、前面クリップ面の設定されている位置は仮想スクリーン302の設定されている位置と同じであるものとする。クリッピング範囲、すなわち仮想3次元空間において透視変換により画像が生成される範囲(すなはち、視認範囲)は、視界305の範囲内において仮想スクリーン302から後方クリップ面306までの範囲となる。
【0078】
このように、仮想スクリーン302上に画像を投影するために用いられる座標系が視点座標系(X’,Y’,Z’)であり、視軸304の方向が視点座標系のZ’軸となる。ワールド座標系の座標(ローカル座標家の座標から変換された座標を含む)は、視点座標系の座標に変換されて、次に示す隠面消去の処理を含む透視変換の処理が行われる。
【0079】
透視変換により仮想スクリーン302上に投影した画像を生成する場合には、前面に他の物体があって隠されてしまう面を消去する隠面消去を行う必要がある。隠面消去の方法としては、ここでは、Zバッファ法を用いるものとしている。CPUコア21は、ワールド座標系の座標を視点座標系の座標へ変換すると、各特徴点の座標を第1GPU24(画像の固定時は、第2GPU26)に送るとともに、描画命令を出力する。この描画命令に基づいて、第1GPU24(画像の固定時は、第2GPU26)は、各特徴点について前面にある点(Z’座標の小さな点)のデータ(Z’の値)が残るようにZバッファの値を更新し、更新の都度、当該点について画像データを第1VRAM23(画像の固定時は、第2VRAM25)に展開していく。
【0080】
透視変換を行う前提として、仮想カメラ301の視点303の位置、視軸304の方向、視角305の大きさ(視点303から仮想スクリーン302までの距離)、及び視点303から前方クリップ面及び後方クリップ面306までの距離(以下、「クリッピング距離」という)が決まっている必要がある(仮想スクリーン302の位置は、これらが決まると必然的に決まる)。もっとも、この実施の形態にかかるゲームでは、視軸304の方向、視角305の大きさ、及びクリッピング距離は、同じ大きさに設定されているものとする。
【0081】
仮想3次元空間のフィールド上において、プレイヤキャラクタ200の位置が発動元オブジェクトの位置から所定距離(10)より離れている場合には、視点303の位置は、プレイヤキャラクタ200と所定方向に一定距離の位置に保たれ、プレイヤキャラクタ200に追随して移動する。
【0082】
プレイヤキャラクタ200の位置が発動元オブジェクトの位置から所定距離以内(10)にある場合には、視点303の位置は、発動元オブジェクトとプレイヤキャラクタ200との位置関係に応じて微妙に変化するものとなる。従って、プレイヤキャラクタ200の仮想3次元空間のフィールド上における位置が少し変化しただけでも仮想カメラ301の視点303の位置が大きく変化することで、第1LCD11(画像の固定時は第2LCD12)に表示される発動元オブジェクトと発動先オブジェクトの位置が大きく変わり、線引き入力を行うべき座標位置が大きく変わることとなる。
【0083】
特に1の発動元オブジェクトに対して組みとなる複数の発動先オブジェクトが設定されている場合には、この第1LCD11(画像の固定時は第2LCD12)に表示される発動元オブジェクトの位置と、複数の発動先オブジェクトのそれぞれの位置との位置関係の違いによって、タッチパネル13上における線引き操作の難易度(すなわち、線引き操作で所定の速度以上を容易に保てるか否か)が変化するものとなる。
【0084】
図5(a−1)、(b−1)は、画像の固定状態における第2LCD12の例を示す図である。図5(a−1)、(b−1)に示すように第2LCD12には、プレイヤキャラクタ200と、発動元オブジェクト201と、該発動元オブジェクト201と組みになる2つの発動先オブジェクト202−1、202−2、とが、それぞれ表示されている。図5(a−1)と、図5(b−1)とでは、第2LCD12に表示される発動元オブジェクト201と、2つの発動先オブジェクト202との位置が異なっている。
【0085】
図5(a−2)、(b−2)は、発動元オブジェクト201の位置を点Aとし、発動先オブジェクト202−1の位置を点Bとし、発動先オブジェクト202−2の位置を点Cとして模式的に示す。図5(a−2)において、点Aから点Bに向かう方向と点Bから点Cに向かう方向との間にできる∠ABCは鈍角である。図5(b−2)において、点Aから点Bに向かう方向と点Bから点Cに向かう方向との間にできる∠ABCは鋭角である。∠ACBも鋭角である。また、図5(b−2)では、点Bも点Cも第2LCD12の端部に発動先オブジェクト202が位置するので、なだらかに方向を転換することも困難であり、線引きスピードが低下し易くなる。
【0086】
一方、図5(a−2)において、点Aから点Bに、点Bから点Cに線引き操作を行った場合には、図5(b−2)において、点Aから点Bに、点Bから点Cに線引き操作を行った場合に比べて、大きな方向転換を必要とせず、なだらかに方向転換することも可能であることから、点Bにおける線引きスピードの低下は少なくて済むものとなる。図5(b−2)において、点Aから点Cに、点Cから点Bに線引き操作を行った場合も、点Cにおいて線引きスピードが低下しやすくなる。
【0087】
プレイヤは、できれば線引き操作の行い易い図5(a−1)で画像の固定を行いたいが、仮想3次元空間においては、プレイヤキャラクタ200との距離が所定距離となった該敵キャラクタが、該プレイヤキャラクタに対して攻撃を行ってくるので、プレイヤキャラクタ200をフィールド上でゆっくり移動させる余裕が与えられない。後の線引き操作のことを考える以前に敵キャラクタから無用な攻撃を受けることを避けるために、プレイヤは、ここでの機敏な操作が要求されることとなる。
【0088】
以下、図1、図2に示したゲーム装置1において、この実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、ゲームを実行するために実行される処理について説明する。もっとも、ここでは、本発明に関わる処理のみ、すなわちプレイヤキャラクタ200を移動させる通常時処理、及び画像を固定して線引き入力を行う固定時処理のみについて説明するものとする。なお、仮想カメラ301の視点303の制御に応じて、第1LCD11(後述する固定時処理では第2LCD12)に透視変換によりゲームの画像を表示させるための処理は、別に行われている。
【0089】
図6は、この実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、画像が固定されていない通常時にプレイヤキャラクタ200を動作させるための処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPUコア21がカートリッジ17のROM171からWRAM22にロードされたゲームプログラムを実行する処理である。なお、フローにはないが、通常時処理では、特に発動元オブジェクト201が表示されている状態では、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに接近し、攻撃を行ってくるものとなっている。
【0090】
通常時処理において、CPUコア21は、十字キー14cからいずれかの方向が入力されたかどうかを判定する(ステップS1)。十字キー14cからいずれかの方向が入力されていれば、CPUコア21は、該方向に従ってプレイヤキャラクタ200をフィールド上で移動させる(ステップS2)。CPUコア21は、仮想3次元空間のフィールド上におけるプレイヤキャラクタ200の位置と発動元位置102との間の距離Xが10より小さい発動元オブジェクト201が、発動管理テーブル100に登録されているかどうかを判定する(ステップS3)。
【0091】
プレイヤキャラクタ200の位置から10の範囲に発動元オブジェクト201がない場合には、CPUコア21は、仮想カメラ301の視点303の位置の制御を通常制御(プレイヤキャラクタ200に追随させる制御)として、第1LCD11に画像を表示させる(ステップS4)。そして、ステップS1の処理に戻る。
【0092】
プレイヤキャラクタ200位置から10の範囲に発動元オブジェクト201がある場合には、CPUコア21は、仮想カメラ301の視点303の位置の制御を通常制御から変更し(プレイヤキャラクタ200と、発動元オブジェクト201と、発動先オブジェクト202との位置関係に応じて所定の計算を行って視点303の位置を移動させる制御とする)、第1LCD11に画像を表示させる(ステップS5)。
【0093】
十字キー14cからいずれの方向も入力されていなければ、CPUコア21は、Lボタン14fから入力がされたかどうかを判定する(ステップS6)。Lボタン14fから入力がされていれば、CPUコア21は、現時点で第1LCD11に表示されている画像と、第2LCD12に表示されている画像とを入れ替え、該画像で第1LCD11及び第2LCD12の表示を固定させる指示を第1GPU24及び第2GPU26に行う(ステップS7)。そして、固定時処理に移行する。なお、固定時処理については、詳細を後述する。
【0094】
Lボタン14fから入力されていなければ、CPUコア21は、操作スイッチ部14(十字キー14c及びRボタン14g以外)或いはタッチパネル13から他の入力があったかどうかを判定する(ステップS8)。操作スイッチ部14(十字キー14c及びRボタン14g以外)或いはタッチパネル13から他の入力があった場合には、CPUコア21は、当該入力に応じた処理(例えば、プレイヤキャラクタ200に敵キャラクタに対して攻撃させるなど)を行う(ステップS9)。その後、再びステップS1の処理に戻る。他の入力もなかった場合には、そのままステップS1の処理に戻る。
【0095】
図7は、この実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、画像が固定されいる時に行われる処理を示すフローチャートである。なお、画像が固定されいる時には、プレイヤキャラクタ200及び敵キャラクタの動作も固定するものとなる。固定時処理においては、CPUコア21は、Rボタン14gから入力がされたかどうかを判定する(ステップS21)。Rボタン14gから入力がされていれば、CPUコア21は、ステップS7で行われた画像の固定を終了させる指示を第1GPU24及び第2GPU26に行う(ステップS22)。そして、前述した通常時処理に移行する。
【0096】
Rボタン14gから入力がされていなければ、CPUコア21は、タッチパネル13がタッチされ、そのいずれかの座標位置が入力されたかどうかを判定する(ステップS23)。タッチパネル13から座標位置が入力されていなければ、ステップS29の処理に進む。タッチパネル13から座標位置が入力されていれば、CPUコア21は、該入力された座標位置が、発動元オブジェクト201の表示されている位置かどうかを判定する(ステップS24)。
【0097】
入力された座標位置が発動元オブジェクト201の表示されている位置であれば、CPUコア21は、該入力された座標位置をWRAM22に登録する(ステップS25)。そして、ステップS23の処理に戻る。入力された座標位置が発動元オブジェクト201の表示されている位置でなければ、CPUコア21は、座標位置がWRAM22に登録されているかどうかを判定する(ステップS26)。座標位置が登録されていなければ、ステップS23の処理に戻る。
【0098】
座標位置が登録されていれば、線引き操作が行われている場合であり、CPUコア21は、該線引き操作の行われているスピードを、今回入力された座標位置と、WRAM22に登録されている座標位置とから、算出する(ステップS27)。そして、CPUコア21は、算出された線引きスピードが、所定速度以上(なお、線引き開始から直ぐのときは、所定速度を低くするものとする)であるかどうかを判定する(ステップS28)。所定速度以上でなければ、ステップS29の処理に進む。
【0099】
ステップS29では、CPUコア21は、第2LCD12に表示されているエフェクトがある場合には、該エフェクト表示を消去する。また、CPUコア21は、座標位置がWRAM22に登録されている場合には、該座標位置の登録を削除する。そして、ステップS21の処理に戻る。
【0100】
算出された線引きスピードが所定速度以上であれば、CPUコア21は、該今回入力された座標位置を中心とする一定幅の範囲にエフェクトを付して第2LCD12に表示する。また、CPUコア21は、WRAM22に登録されている座標位置を該今回入力された座標位置に更新する(ステップS30)。
【0101】
CPUコア21は、今回入力された座標位置が、発動先オブジェクト202の表示されている位置であるかどうかを判定する(ステップS31)。発動先オブジェクト202の表示されている位置でなければ、ステップS23の処理に戻る。発動先オブジェクト202の表示されている位置であれば、CPUコア21は、該発動先オブジェクト202について、発動管理テーブル100に発動フラグ106がセットされているかどうかにより、該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動しているかどうかを判定する(ステップS32)。
【0102】
既に該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動されていれば、ステップS23の処理に戻る。未だ該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動されていなければ、該発動先オブジェクト202について設定されている効果105を発動し、発動フラグ106をセットする(ステップS33)。そして、ステップS23の処理に戻る。
【0103】
以上説明したように、この実施の形態にかかるアクションRPGでは、Lボタン14fの入力による画像の固定時において、第2LCD12に、発動元オブジェクト201と、該発動元オブジェクト201と組みになる発動先オブジェクト202とが表示されている状態で該発動元オブジェクト201の表示位置から該発動先オブジェクト202の表示位置までの線引き操作が所定速度以上で行われたときに、該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動されるものとなる。
【0104】
ここで、プレイヤキャラクタ200のフィールド上での移動によって仮想カメラ301の視点303の位置は変わる。しかも、発動元オブジェクト201の近くでは、視点303の位置が微妙に制御される。そして、仮想カメラ301の視点303の位置によって、線引き操作によって入力する座標位置が変わることとなる。この場合には、プレイヤは、十字キー14cの操作によって移動させたプレイヤキャラクタ200の位置に応じて変わる座標位置を入力することでゲーム進行上の効果を得ることができ、ゲーム性が向上するものとなる。
【0105】
また、1の発動元オブジェクト201に対して、組みになる発動先オブジェクト202が複数存在する場合もある。プレイヤキャラクタ200がフィールド上において、発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202とを視認範囲に含めることのできる範囲にいるときであっても、さらにその範囲内の位置の違いによって仮想カメラ301の視点303が移動し、仮想カメラ301の視点303の位置を基準とした場合における該発動元オブジェクト201と該複数の発動先オブジェクト202との位置関係が決まるものとなる。すると、プレイヤキャラクタ200のフィールド上での位置に応じて、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示される該発動元オブジェクト201と該複数の発動先オブジェクト202との位置関係が変わってくる。
【0106】
ここで、プレイヤは、複数の発動先オブジェクト202のそれぞれに対して設定されている効果105を1回の線引き操作で発動させるためには、発動元オブジェクト201を起点として複数の発動先オブジェクト202のそれぞれを通る線引き操作を所定速度以上で行わなければならない。複数の発動先オブジェクト202を通る線引き操作を行う速度に制限があることによって、発動元オブジェクト201を起点として複数の発動先オブジェクト202のそれぞれを通る線引き操作を行うことが比較的困難なものとなる場合もある(例えば、図5(b−1)に示したような例)。
【0107】
このような第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示される発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202との位置関係は、プレイヤキャラクタ200のフィールド上における移動によって決まるものとなり、プレイヤが十字キー14cの操作によってプレイヤキャラクタ200をフィールド上で移動させる際に、単に発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202とを第1LCD11に表示させるだけではなく、第1LCD11のどの位置に発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202とを表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、先に行った十字キー14cの操作結果が後から行う線引き操作の難易度に影響することで、ゲーム性が向上するものとなる。
【0108】
プレイヤは、できる限り線引き操作を行い易いようにプレイヤキャラクタ200を移動させ、画像の固定を行いたいが、仮想3次元空間のフィールド上の所定のポイントで現れる敵キャラクタは、プレイヤキャラクタ200に対して攻撃を行ってくる。このため、敵キャラクタからの攻撃を受けることなく発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202の両方を第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示させるには、プレイヤキャラクタ200を敵キャラクタの攻撃から逃がしつつ或いは反撃させつつプレイヤキャラクタ200を移動させる必要がある。これにより、プレイヤが線引き操作を行い易いようにプレイヤキャラクタ200を移動させることに対して、実質的に時間的な制約が生じることとなり、プレイヤキャラクタ200の移動操作に単なる位置の移動以外のゲーム性が生じることとなる。
【0109】
特に発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202とが既に第1LCD11に表示されている状態であっても、さらに所定速度以上で線引き操作を行うことが比較的困難とならない第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)における発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202との位置関係となるようにプレイヤキャラクタ200を移動させるにも時間的な制約が生じることとなる。これにより、後に行うこととなる発動先オブジェクト202に設定された効果105を発動させるための線引き操作に関連して、新たなゲーム性がプレイヤキャラクタ200の移動操作に生じることとなる。
【0110】
また、仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタ200の位置が発動元オブジェクト201の位置から所定距離以内(10)にある場合には、視点303の位置は、プレイヤキャラクタ200の位置だけでなく、発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202との位置関係に応じても変化するものとなる。これにより、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202とが表示されるときに、プレイヤキャラクタ200の僅かな移動でも視点303が精細に制御され、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示される発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202との表示位置により大きな影響を与えることとなる。従って、十字キー14cの操作によりプレイヤキャラクタ200を移動させる際にも、よりきめ細かい操作が要求されるようになり、ゲーム性が向上するものとなる。
【0111】
また、画像の固定時において、発動元オブジェクト201から線引き操作が行われれば、該入力されている位置を中心とする一定幅の範囲にエフェクトが付されて、第2LCD12に表示されることとなる。ここでは、発動元オブジェクト201から発動先オブジェクト202までの線引き操作がエフェクトによって示され、該エフェクトが発動先オブジェクト202に位置したことによって、該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が生じるものとなる。これにより、プレイヤは、発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202とが組みとなって、効果105が発動されたことを分かりやすく認識することができるものとなる。線引き操作が発動先オブジェクト202に達するまででも、効果105を発動可能な線引き操作が継続中であることを、このエフェクトによって認識することができるものとなる。
【0112】
また、発動先オブジェクト202に設定されている効果105は、画像の固定時にのみ発動させることができる。画像の固定時には、プレイヤキャラクタ200と敵キャラクタの動作は停止している。プレイヤキャラクタ200の位置が変化しないため、第2LCD12に映し出す仮想カメラ301の視点303も停止するものとなる。ここでは、発動先オブジェクト202に設定されている効果105の発動を、他のゲームの進行に影響されずにプレイヤに効果的に見せることができるものとなる。
【0113】
また、プレイヤは、線引き操作を画像の固定状態において第2LCD12の前面に装着されたタッチパネル13において行うものとなる。画像の固定状態において第2LCD12に表示される画面は、通常時において第1LCD11に表示されるゲーム画面(仮想3次元空間を透視変換して生成されるもの)である。画像の固定状態においてプレイヤは、第2LCD12に表示されているゲーム画面において、発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202との表示位置を、直感的にタッチパネル13から座標入力することで線引き操作を行うことができ、ゲーム性が向上するものとなる。
【0114】
さらに、タッチパネル13は、第2LCD12の前面に配置されているだけで、第1LCD11の前面には配置されていない。画像を固定状態にしないときには、第1LCD11にゲームの画像を表示させ、第2LCD12にはコマンドを表示してタッチパネル13からコマンド入力ができるようになっている。一方、画像を固定状態にすると、ゲームの画像は第2LCD12に表示され、ここで発動元オブジェクト201から発動先オブジェクト202に線引き操作を行って効果105を生じさせることができる。このように第1LCD11と第2LCD12の画面切り替えによりコマンド入力と線引き操作のためにタッチパネル13を共用化できることで、ハードウェアに無駄を生じさせないものとすることができる。
【0115】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0116】
上記の実施の形態では、所定速度以上の継続した線引き操作が発動元オブジェクト201から該発動元オブジェクト201と組みになる発動先オブジェクト202まで行われれば、効果105を生じさせるために発動先オブジェクト202の表示位置に達するまでの時間に制約のないものとしていた。これに対して、効果105を生じさせることが可能となる線引き操作の時間に制限を設けるものとしてもよい。この場合には、線引き操作の開始から当該制限時間が経過するまで、タッチパネル13上の線引き操作によって入力された位置を中心とする一定幅の範囲にエフェクトを付して第2LCD12に表示するものとしてもよい。
【0117】
この場合、画像の固定時に第2LCD12に表示されている該発動元オブジェクト201から該発動先オブジェクト202までの距離が長くなるにつれて、該発動元オブジェクト201から該発動先オブジェクト202までの線引き操作を制限時間以内で行うことが困難となる。また、複数の発動先オブジェクト202が設定されている場合には、プレイヤは、複数の発動先オブジェクト202のそれぞれに対して設定されている効果105を取得するために、発動元オブジェクト201を起点として複数の発動先オブジェクト202のそれぞれを通る線引き操作を制限時間以内で行わなければならない。複数の発動先オブジェクト202を通る線引き操作の所要時間に制限を設けることによって、発動元オブジェクト201を起点として複数の発動先オブジェクト202のそれぞれを通る線引き操作を行うことが比較的困難なものとなる場合もある。
【0118】
この場合にも、プレイヤが十字キー14cの操作によりプレイヤキャラクタ200をフィールド上で移動させる際にも、よりきめ細かい操作が要求されるようになり、ゲーム性が向上するものとなる。また、線引き操作の開始から制限時間が経過するまで、エフェクトが表示されるものとなる。これにより、プレイヤは、効果105を発動可能な状態で線引き操作が行われていることを分かりやすく認識することができるものとなる。
【0119】
上記の実施の形態では、発動管理テーブル100において、発動先オブジェクト202毎に効果105が設定されているものとしていた。これに対して、発動元オブジェクト201毎に効果105が設定されているものとしてもよい。ここでは、1の発動元オブジェクト201に対して組みになる複数の発動先オブジェクト202がある場合において、該組みになる複数の発動先オブジェクト202の全てが、線引き操作によって繋がった場合に、該発動元オブジェクト201に対して設定された効果が発動させるものとすることができる。ここで、線引き操作を行う速度に制限を設けるものとしても、線引き操作を行う所要時間に制限を設けるものとしてもよい。このように複数の発動先オブジェクト202に対して全体として1つの効果が設定されていることで、線引き操作を複数回に分けて行っても無駄になるので、発動先オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202との位置関係により重要性が生じ、発明の効果がより顕著に表れるものとなる。
【0120】
上記の実施の形態では、視点303の位置は、プレイヤキャラクタ200の位置が発動元オブジェクト201の位置から所定距離以内(10)にある場合において、通常制御から変更され、発動元オブジェクト201とプレイヤキャラクタ200との位置関係に応じて変化するものとしていた。これに対して、視点303の位置が通常制御から変更されるのは、プレイヤキャラクタ200の位置と発動先オブジェクト202の位置との関係に応じて行われるものであっても、プレイヤキャラクタ200の位置と発動元オブジェクト201の位置と発動先オブジェクト202の位置との関係に応じて行われるものであってもよい。
【0121】
上記の実施の形態では、画像の固定時において、発動元オブジェクト201と、該発動元オブジェクト201に対して組みとなる複数の発動先オブジェクト202とが第2LCD12に表示されている場合において、発動元オブジェクト201と複数の発動先オブジェクト202とを1つの線によって繋げる場合も、複数の線によって繋げる場合も、同じように発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動されるものとしていた。これに対して、線引き操作の行い方によって、発動先オブジェクト202において発動される効果105が異なるものとしてもよい。この場合には、発動元オブジェクト201を起点として複数の発動先オブジェクト202のそれぞれを通る線を引くことによって発動される効果105は、発動元オブジェクト201から発動先オブジェクト202毎に線を引くことによって発動される効果105よりも、優れたものであることが好ましい。
【0122】
上記の実施の形態では、画像の固定状態において第2LCD12に表示される画像において発動元オブジェクト201の位置から該発動先オブジェクト202の位置までの線引き操作が行われたときに、該発動先オブジェクト202について発動管理テーブル100に設定されている効果105が発動されるものとしていた。これに対して、発動される効果105は、所定の方法によって定まるものであってもよい。例えば、線引き操作の所要時間に応じて、発動される効果105が異なるものであってもよい。また、線引き操作の行われている線の長さによって、発動される効果105が異なるものであってもよい。
【0123】
上記の実施の形態では、発動先オブジェクト202は、仮想3次元空間のフィールド上の所定のポイントに存在するものとし、視認範囲に含まれれば第1LCD11(画像の固定時は第2LCD12)に表示されるものとしていた。これに対して、発動先オブジェクト202のいずれかは、通常時において非表示であり、所定の条件を満たすことで表示されるものとしてもよい。例えば、発動先オブジェクト202は、第1LCD11に表示される画像では表示されず、画像の固定状態において第2LCD12にのみ表示されるものとしてもよい。また、発動先オブジェクト202は、最初透明なものとしておき、発動先オブジェクト201を起点として透明な発動先オブジェクト202まで所定の線引き操作が行われたときに、該発動先オブジェクト202が不透明に変化して、初めて第2LCD12上に表示されるものとなっていてもよい。
【0124】
上記の実施の形態では、発動元オブジェクト201及び発動先オブジェクト202は、仮想3次元空間のフィールド上の所定のポイントに存在するものとしていた。これに対して、発動元オブジェクト201および/または発動先オブジェクト202は、仮想3次元空間において移動するものであり(但し、両者間の距離は一定範囲内に保たれる)、画像の固定時において移動を停止するもよい。例えば、発動元オブジェクト201をプレイヤキャラクタ200の所有するアイテムなどとしてもよい。この場合には、さらにプレイヤキャラクタ200の位置の移動操作に発動元オブジェクト201および/または発動先オブジェクト202の移動に応じた精細さが要求されることとなり、いっそうのゲーム性の向上が図られるものとなる。
【0125】
上記の実施の形態では、画像の固定状態において第2LCD12に表示される画像において発動元オブジェクト201の位置から発動先オブジェクト202の位置までの線引き操作が行われたときに、該発動先オブジェクト202に設定されている効果105が発動されるものとしていた。これに対して、仮想3次元空間のフィールド上には、画像の固定状態において第2LCD12に表示される画像において線引き操作で通ってはいけないオブジェクト(以下、「無効化オブジェクト」という)が存在するものとしてもよい。また、通ることで所定のパラメータが減算されるオブジェクトが存在するものとしてもよい。
【0126】
この場合において、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)に表示される発動元オブジェクト201、発動先オブジェクト202、及び無効化オブジェクトの位置関係は、プレイヤキャラクタ200のフィールド上における移動によって決まるものとなる。十字キー14cの操作によってプレイヤキャラクタ200を移動させる際に、単に発動元オブジェクト201と発動先オブジェクト202を第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)表示させるだけではなく、第1LCD11(画像の固定時は、第2LCD12)の位置に発動元オブジェクト201、発動先オブジェクト202、及び無効化オブジェクトを表示させるかということもゲームの進行に影響を与えることとなる。これにより、十字キー14cの操作結果が線引き操作の難易度により大きく影響することで、ゲーム性がさらに向上するものとなる。
【0127】
上記の実施の形態では、画像の固定時において敵キャラクタの動作は停止するものとしていた。これに対して、敵キャラクタの動作は画像の固定時においても停止しないものとしてもよい。この場合には、線引き操作を行っている間にも、敵キャラクタはプレイヤキャラクタ200に対して攻撃を行ってくるものとなり、敵キャラクタからの攻撃を受けることなく効果105を発動させるには、プレイヤキャラクタ200を敵キャラクタの攻撃から逃がしつつ或いは反撃させつつプレイヤキャラクタ200を移動させて画像を固定し、該画像の固定状態において、敵キャラクタの攻撃を受ける前に線引き操作を行う必要がある。これにより、プレイヤが線引き操作を行い易いようにプレイヤキャラクタ200を移動させること、及び線引き操作に対して、実質上、時間的な制約が生じることとなり、ゲーム性は向上するものとなる。
【0128】
上記の実施の形態では、本発明をアクションRPGにおいて発動先オブジェクト202に設定された効果105が発動するものに適用したが、他の種類のゲームに適用するものとしてもよい。例えば、プレイヤキャラクタがフィールド上の所定ポイントに移動したときに画面が切り替わってバトルが開始される通常のRPGにおいて、バトルフィールドに発動元オブジェクトと発動先オブジェクトを設置しておき、発動元オブジェクトから発動先オブジェクトへの線引き操作によって、敵キャラクタに攻撃を加えることができるものであってもよい。この場合、線引き操作に失敗した場合には、そのバトルシーンでは、発動元オブジェクトから発動先オブジェクトへの線引き操作による攻撃ができなくなるものとしてもよい。
【0129】
上記の実施の形態では、第2LCD12の前面側に配設されたタッチパネル13から座標位置の入力を行うものとしていた。もっとも、座標位置を入力するデバイスは、タッチパネル13に限るものではなく、表示装置上に表示されたカーソルの位置により座標入力を行うマウスなど、他のポインティングデバイスを用いるものとしてもよい。マウスを用いて座標位置を入力する場合は、線引き操作を例えばドラッグ操作とすることができる。
【0130】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1は第1LCD11と第2LCD12という2つの表示装置を備えるものとしていた。これに対して、表示装置は1つであってもよい。座標位置を入力するデバイスとしてタッチパネルが用いられる場合は、該タッチパネルは当該1つの表示装置の前面に配置されたものとすることができる。また、表示装置が1つだけの場合には、当然のこととして画面の切替は生じないが、プレイヤの所定の操作によって画像の固定/解除ができるものとすることはできる。
【0131】
上記の実施の形態では、第1LCD11と第2LCD12という2つの表示装置、及びタッチパネル13というポインティングデバイスを備えるゲーム装置1において、本発明を適用したアクションRPGを実行するものとした場合を例として説明した。しかしながら、少なくともゲームの画像を表示する表示装置と、プレイヤが所望の座標位置を入力することのできるポインティングデバイスを備えるものであれば、ゲーム装置1以外のコンピュータ装置において、本発明を適用したゲームを実行するものとしてもよい。本発明を適用したゲームを実行するコンピュータ装置は、ゲーム専用機でもパーソナルコンピュータのような汎用機であってもよく、携帯型であるか据え置き型であるかを問わない。また、発明を適用したゲームを実行するコンピュータ装置として、携帯電話機を適用することもできる。
【0132】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1のプログラム及びデータは、ゲームカートリッジ17のROM171に格納されて配布されるものとしていた。もっとも、これらのプログラム及びデータを格納する記録媒体は、このようなものに限るものではなく、プラットフォームとなるコンピュータ装置の形態に応じて、光and/or磁気ディスク装置(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)を適用することもできる。固定ディスク装置を備えるコンピュータ装置をプラットフォームとする場合には、これらのプログラム及びデータは、固定ディスク装置に予め格納して配布してもよい。
【0133】
さらに、ネットワークを介して他のコンピュータ装置と通信可能なコンピュータ装置をプラットフォームとして適用する場合には、これらのプログラム及びデータは、ネットワーク上に存在するサーバ装置が有する固定ディスク装置に格納しておき、ネットワークを介して配信するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、発動元オブジェクトと、該発動元オブジェクトと組みとなる発動先オブジェクトとを管理する発動管理テーブルを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、プレイヤキャラクタを含む仮想3次元空間を透視変換して表示するための処理を模式的に示す図である。
【図5】(a−1)、(b−1)は、本発明の実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、画像の固定時における第2LCDの例を示す図である。(a−2)、(b−2)は、それぞれ(a−1)、(b−1)における発動元オブジェクトと発動先オブジェクトとの位置関係を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、画像が固定されていない通常時にプレイヤキャラクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態にかかるアクションRPGにおいて、画像が固定されている時に行われる処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
1 ゲーム装置
11 第1LCD
12 第2LCD
13 タッチパネル
14 操作スイッチ部
14c 十字キー
14f Lボタン
14g Rボタン
17 ゲームカートリッジ
171 ROM
21 CPUコア
22 WRAM
24 第1GPU
26 第2GPU
100 発動管理テーブル
105 効果
106 発動フラグ
200 プレイヤキャラクタ
201 発動元オブジェクト
202 発動先オブジェクト
301 仮想カメラ
303 視点
304 視軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させるキャラクタ移動手段と、
前記キャラクタ移動手段によるプレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させる視点移動手段と、
前記視点移動手段により移動された視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して、2次元のゲーム画像を生成する透視変換手段と、
前記透視変換手段により生成された2次元のゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、
プレイヤの操作に応じて前記ゲーム画像表示手段上の座標位置に対応した任意の座標位置を入力する座標位置入力手段とを備え、
前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、
前記ゲーム装置は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせるゲーム効果発動手段をさらに備える
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により入力されている座標位置の軌跡に所定のエフェクトを付して、前記透視変換手段により生成されたゲームの2次元画像に重ねて前記ゲーム画像表示手段に表示させるエフェクト表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、前記第2オブジェクトについて設定された所定の効果を生じさせる
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置まで所定の時間以内で軌跡が入力されたこととを条件として、前記第2オブジェクトについて設定された所定の効果を生じさせる
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のゲーム装置。
なる。
【請求項5】
前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクトと組みになる第2オブジェクトが複数形成されており、該複数の第2オブジェクトのそれぞれについてゲーム進行上の所定の効果が設定されており、
前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタの前記仮想3次元空間が所定の複数表示範囲内にあるときには前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトの全てを前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトが前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が入力されたときに、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の時間以内に入力されたことを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトに対してそれぞれ設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクトと組みになる第2オブジェクトが複数形成されており、該複数の第2オブジェクトを一体としてゲーム進行上の所定の効果が設定されており、
前記透視変換手段は、前記プレイヤキャラクタの前記仮想3次元空間が所定の複数表示範囲内にあるときには前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトの全てを前記仮想スクリーン上に投影して前記ゲーム画像表示手段に表示させることが可能となるように、前記透視変換される所定範囲を設定し、
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトとともに前記複数の第2オブジェクトが前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が入力されたときに、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の速度以上で入力されていることを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム効果発動手段は、前記第1オブジェクトが表示されているを起点に該複数の第2オブジェクトのそれぞれを通る軌跡が所定の時間以内に入力されたことを条件として、該軌跡上の各第2オブジェクトを一体として設定されているゲーム進行上の所定の効果をいずれも生じさせる
ことを特徴とする請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記仮想3次元空間には、前記キャラクタ移動手段による前記プレイヤキャラクタの移動の最大速度以下の速度で該プレイヤキャラクタに近づき、該プレイヤキャラクタに対して攻撃を加える敵キャラクタが存在する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記仮想3次元空間には、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの近傍に、前記所定の効果を無効化させる第3オブジェクトが存在し、
前記ゲーム効果発動手段は、前記第3オブジェクトが表示されている座標位置を通過することなく前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせる
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記第1オブジェクトおよび/または前記第2オブジェクトは、互いの距離を所定範囲内に保ちながら、前記仮想3次元空間を移動する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
プレイヤの操作に応じて、前記キャラクタ移動手段による前記プレイヤキャラクタの移動を停止させるプレイヤキャラクタ停止手段をさらに備え、
前記ゲーム効果発動手段は、前記プレイヤキャラクタ停止手段により前記プレイヤキャラクタの移動が停止され、且つ前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記ゲーム画像表示手段に表示されている状態で前記座標位置入力手段により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、前記所定の効果を生じさせる
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記視点移動手段は、前記第1オブジェクトおよび/または前記第2オブジェクトの近傍に設定される近傍範囲内に前記プレイヤキャラクタが位置するときには、該プレイヤキャラクタの移動に応じた仮想カメラの視点の移動の制御を該プレイヤキャラクタが近傍範囲外に位置するときとは異なるものとする
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記座標位置入力手段は、前記ゲーム画像表示手段の前面に配設され、該ゲーム画像表示手段に表示された画像を透過可能に示すタッチパネルである
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項17】
ゲームの画像を表示する表示装置と、プレイヤの操作に応じて該表示装置上の任意の座標位置を入力する座標位置入力装置とを備えるゲーム装置において実行され、第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させることでゲームを進行させる方法であって、
プレイヤの操作に応じて、前記仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させ、
前記プレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させ、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記表示装置に表示させることが可能となるとなるように透視変換される所定範囲を設定して、前記仮想カメラの視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して2次元のゲーム画像を生成し、
前記透視変換により生成された2次元のゲーム画像を前記表示装置に表示させ、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方が前記表示装置に表示されている状態で前記座標位置入力装置により前記第1オブジェクトが表示されている座標位置から前記第2オブジェクトが表示されている座標位置までの軌跡が入力されたときに、該第2オブジェクトについて設定されているゲームの進行上の所定の効果を生じさせる
ことを特徴とするゲームの進行方法。
【請求項18】
第1オブジェクトと該第1オブジェクトと組みとなって所定の効果が設定されている第2オブジェクトとが形成された仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームの画像を表示する表示装置と、プレイヤの操作に応じて該表示装置上の任意の座標位置を入力する座標位置入力装置とを備えるコンピュータ装置を、
プレイヤの操作に応じて、前記仮想3次元空間においてプレイヤキャラクタを移動させるキャラクタ移動手段、
前記キャラクタ移動手段によるプレイヤキャラクタの移動に応じて仮想カメラの視点を移動させる視点移動手段、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間の所定範囲内に移動されている場合に、前記プレイヤキャラクタとともに前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの両方を前記仮想スクリーン上に投影して前記表示装置に表示させることが可能となるように透視変換される所定範囲を設定して、前記視点移動手段により移動された視点の位置から少なくとも前記プレイヤキャラクタを含む前記仮想3次元空間の所定範囲を仮想スクリーン上に投影して、2次元のゲーム画像を生成する透視変換手段、及び、
前記透視変換手段により生成された2次元のゲーム画像を前記表示装置に表示させる表示するゲーム画像表示手段
として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−132273(P2008−132273A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322208(P2006−322208)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】