説明

ゲーム装置

【課題】 遊技者のプレイ状態との関連においてプレイの難易度に影響を与える。
【解決手段】 操作入力を促すガイド用画面を表示するモニタ21と、遊技者からの操作を受け付ける押しボタン121〜125を備える操作パネル部12と、操作パネル部12に回転、移動を与えるべく基体部10の底部に設けられた移動機構部30と、移動機構部30を駆動制御する本体駆動制御部107と、押しボタン121〜125のいずれかへの操作入力の状態を判断し、その判断結果に対応する動作パターンの指示を本体駆動制御部107に出力する操作入力状態判断手段(104,106)とを備えたゲーム装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者からの操作を受け付ける操作入力部と、操作入力を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の穴が準備され、これら各穴にそれぞれ隠れた状態のモグラを模したキャラクタが不規則に微小時間だけ出現するように構成され、出現時にキャラクタを叩き部材で叩くことにより遊技する、いわゆるモグラ叩きゲームが知られている。また、特許文献1には、人体を模したゲーム機筐体を垂直軸周りに回転可能に構成すると共に、模擬銃を備えて、遊技者とシューティングゲームを行うゲーム機において、攻撃時に遊技者の方向に模擬銃を向け、一方、遊技者が所持する模擬銃からの攻撃を避けるべく逆を向いたりするように全体を回転させるようにしているものが記載されている。
【特許文献1】特開平7−275505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
モグラ叩きゲームは模擬キャラクタを穴に隠れた状態と穴から多少出現した状態という2状態を遊技者に一方的に提供するのみであり、遊技性、興趣性のあるゲームを提供するには一定の限界がある。また、特許文献1に記載のシューティングゲームは、ゲーム機筐体に垂直軸周りの回転動作を与えるだけであり、しかも、遊技者の存否に応じて回転動作を制御する点でモグラ叩きゲームに比して多少の遊技性は認められるものの、遊技者のプレイ内容と直接関連するものではない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、遊技者のプレイ状態との関連においてプレイの難易度に影響を与え得る遊技性の高い新規なゲーム装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、外部からの操作を受け付ける操作入力部と、この操作入力部への操作を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置であって、前記操作入力部に位置変位を与える移動機構部と、前記移動機構部を駆動制御する駆動制御手段と、前記操作入力部への操作入力の状態を判断し、その判断結果に対応する駆動制御指示を前記駆動制御手段に出力する操作入力状態判断手段とを備えることを特徴とするものである。
【0006】
この構成によれば、遊技者は操作ガイド部のガイドを見ながら操作入力部に対して操作を行う(プレイを行う)ことで、ゲームが進行する。操作入力部で受け付けた操作の状態、すなわち遊技者による操作入力の状態は、操作入力状態判断手段によって判断されており、その時乃至はその時々の判断結果に対応して操作入力部に位置変位の指示が付与される。操作入力部の位置が変位することで、遊技者による操作入力に対する困難さが変化するので、遊技者にとって一層遊技性の高いものとなる。
【0007】
ここで、位置変位の動きとは、回転によって操作入力部の向きが変わったり、移動(前後、左右、斜めの少なくとも1つの動き)による位置が変わったりするうちの一方の動きの他、回転と移動の同時の動きによる複雑な動きを含めてもよい。移動機構部が伸縮可能な機構を採用して上下方向の動きを実現する態様では、上下方向の動き、すなわち移動を含めることも可能である。
【0008】
また、操作入力の状態とは、遊技者による操作入力が全くされない状態をも含み、操作入力がないことを契機として、何らかの駆動(例えば、遊技者に入力を促すような動作)を行うようにするようにしてもよい。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲーム装置において、前記操作入力状態断手段は、前記位置変位の複数の動作パターンを予め記憶し、かつ前記操作入力部への操作入力の状態に対する判断結果に基づいて前記複数の動作パターンから所定の動作パターンを選択し、選択した動作パターンを前記駆動制御指示として前記駆動制御手段に出力することを特徴とするものである。この構成によれば、遊技者による操作入力部への操作入力の状態、例えば速いとか遅い等の操作入力の状態を判断し、この判断結果に基づいて予め記憶されている複数の動作パターンのうちから1つの動作パターンが指定されて、位置変位の動きが変化するので、さらに遊技性が高いものとなる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のゲーム装置において、前記移動機構部は、前記位置変位の動作として前記操作入力部に回転動作及び一平面上での移動動作の少なくとも一方を行わせるものであることを特徴とするものである。この構成によれば、操作入力部が回転動作をしたり、また、一平面上、例えば水平面上で移動すれば、操作入力部が遊技者に対して近づいたり、遠ざかったりする動きが可能となり、操作に対する難易度に影響を与え得る。特に、両動作を同時に行う態様では、より複雑な動きが実現可能となる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置において、前記操作入力部を備える基体部を有し、前記移動機構部は前記基体部に設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、移動機構部はゲーム装置本体に相当する基体部に位置変位の動きを行わせることで、操作入力部に対する位置変位の動作を実現する。すなわち、例えばアミューズメント機器等の筐体自体に移動機構部を設けるので、筐体そのものが遊技者に対して接近、離間、回転あるいはその他の動作を行うことから、遊技者にとってはロボットまたは擬似的な生物との間で一対一のゲームを行っているような感覚が与えられるので、遊技者にさらに意外性と興趣性を提供し得る。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のゲーム装置において、前記移動機構部は、前記基体部の底面に取り付けられた複数の回転体と、前記回転体のうちの少なくとも1つの回転体を回動させる駆動源とを備えることを特徴とするものである。この構成によれば、基体部は、底面の複数の回転体の回転により位置変位が可能とされ、そのうちの少なくとも1つの回転体を回転することで装置本体に回転や移動動作を行わせることが可能となる。また、回転と移動とを同時に行うようにすれば、より複雑な動きが実現可能となる。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のゲーム装置において、前記基体部の上部に前記基体部に対して回動可能に支持された頂部を備え、前記操作ガイド部は前記頂部に設けられ、前記操作入力状態判断手段は前記操作入力の状態が所定の状態になったとき前記頂部に回転指示を与えることを特徴とするものである。この構成によれば、例えば基体部を胴体に見立て、頂部を頭部に見立てれば、擬人化した乃至は動物等の生物の外観モデルを有したゲーム装置が提供可能となる。そして、遊技者による操作入力部への操作入力の状態が所定の状態になると、基体部に対して頂部が回動するので意外性が一層高まる。しかも、頂部の回転により、操作ガイド部によるガイドの内容が遊技者から見え難くなるなど、プレイへの困難性に影響を与えるので、より遊技性が高まる。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のゲーム装置において、前記頂部は略垂直軸周りに回転するものであることを特徴とするものである。この構成によれば、頂部のみ左右に回転させることで首を振るような動作を実現可能であり、また基体部の回転と頂部の回転とに相対的な速度差を与えることで、例えば両者を同一速度で逆方向にすれば、頂部は静止したままで、基体部のみを回転させることも可能となり、さらに、同一方向に同時に回転させると頂部のみより高速で回転可能となるなど、より複雑な動きが実現される。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム装置において、前記装置本体の周辺の遊技者を検知する検知手段を備え、前記操作入力状態判断手段は検知した方向及び前記操作入力の状態に応じて前記駆動制御手段に駆動制御指示を出力することを特徴とするものである。この構成によれば、遊技者を検知すると、接近してきたり、あるいは逆に遠ざかったりする動きが実現可能となる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、操作入力部の位置を変位させることで、遊技者による操作入力に対する困難さを変化させ得、遊技者にとって一層遊技性の高いゲームを提供できる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、遊技者による操作入力部への操作入力の状態、例えば速いとか遅い等の状態に対応して動作パターンを指定して、位置変位の動きを変化させるので、さらに遊技性を高いものとすることができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、操作入力部が少なくとも一平面上、例えば水平面上で移動すれば、遊技者に対して接近させたり、遠ざけたりする動きが可能となり、プレイの難易度に影響が与え得る。特に、両動作を同時に行う態様にすると、より複雑な動きを実現できる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、移動機構部は基体部に位置変位の動きを行わせて操作入力部に対する位置変位動作を実現するので、遊技者にさらに意外性と興趣性を提供し得る。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、基体部に回転や移動動作を行わせることが可能となる。また、回転と移動とを同時に行うようにすれば、より複雑な動きを実現可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、例えば基体部を胴体に見立て、頂部を頭部に見立てれば、擬人化した乃至は動物等の生物の外観モデルを有したゲーム装置が提供可能となる。また、遊技者による操作入力部への操作入力の状態が所定の状態になったときに、基体部に対して頂部が回動するのでより意外性を高め得る。しかも、頂部の回転により、操作ガイド部によるガイドの内容が遊技者から見え難くなるなど、プレイへの困難性に影響を与えるので、より遊技性を高め得る。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、頂部のみ左右に回転させることで首を振るような動作を実現可能であり、また、基体部の回転と頂部の回転とに相対的な速度差を与えることで、例えば同一速度で逆方向にすれば、頂部を静止させたままで、基体部のみを回転させることも可能となり、さらに、同一方向に同時に回転させると頂部のみより高速で回転可能となるなど、より複雑な動きが実現される。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、遊技者を検知すると、接近させたり、あるいは逆に遠ざけたりする動きを実現可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す外観斜視図、図2(a)は底部を上面側から見た図、図3は側面断面図である。図において、ゲーム装置は、下部側の基体部10と、その上部に支持される頂部20とを備えて装置本体を構成している。本実施形態では、基体部10は胴体を、頂部は頭部を想定しており、全体として擬人化されたキャラクタイメージを持つロボットとして構成されている。頂部20はプラスチック材料などで形成され、その形状は、本実施形態では略半球状(乃至はドーム状)とされ、内部は中空に形成されている。
【0025】
基体部10は強化プラスチック材料などで構成され、全体として筒形をなし、その下部には装置本体の姿勢安定性を考慮して半径が大きくされた大径部11が形成されている。基体部10の上部には正面側となる部分に、略水平乃至は図2(b)に示すようにやや正面側に傾斜した面を持つ操作入力部としての操作パネル部12が、例えば前方に突出させて形成され、その後部となる基体部10の上端部には、操作パネル部12の面と面一にされた円形の開口13が形成され、開口13内には頂部20を回動可能に支持する回動支持構造14が内装されている。基体部10の外側の複数箇所、本実施形態では、正面側の左右位置、後方の左右位置の4箇所の適当な高さ位置には、遊技者を検出する所要の指向性を有するセンサ15が取り付けられている。このセンサ15は所定距離以内の障害物(近づいたり、離れたりする人体)の存否を検出する超音波センサや、発光素子と受光素子とからなる光センサでもよく、また近づいた人体からの熱線を感知する焦電センサ、さらにはCCDカメラ等の撮像手段が適用可能である。
【0026】
一方、基体部10の内部には、本ゲーム装置を駆動させるための制御部などを構成する回路基板部16が搭載されている。また、本実施形態では、内部に磁気センサ17が内装され、基体部10の絶対方位が検知可能にされている。また、基体部10の底部には水平な底板31が固定されており、この底板31に移動機構部30が取り付けられている。
【0027】
操作パネル部12は所要の平面形状、本実施形態では略半円形状の操作面を持ち、その面上には、前列に3個の押しボタン121,122,123が配列され、後列に2個の押しボタン124,125が配列され、左右両側に、傾倒操作による方向指示を受け付け、その傾倒方向を検知可能な構造を有する、方向指示部材としてのジョイスティック126,127が設けられている。なお、中央部分にはコイン投入口128が形成されている。図では示していないが、コイン投入口の下方には、コインカウンタ等が設けられている。
【0028】
押しボタン121〜125は、図では見えていないボタン本体と、このボタン本体の上部に微小寸法だけ上下方向に移動可能に取り付けられた頭部(押し込み部)とからなり、図略のスプリングコイル等の付勢部材で上方に付勢されて、その頭部を操作面から突出してなる公知の押しボタン構造が採用されているものである。各押しボタン121〜125の内部には、遊技者による押し操作(乃至は叩き操作)によって付勢手段に抗して下方に押し下げられたことを検知するスイッチ121S〜125S(図4参照)が内装されている。本実施形態では、押しボタン121,122,123は赤色、青色、黄色のようにそれぞれ異なる色に着色され、押しボタン124,125は白色(乳白色)に着色されている。さらに、押しボタン121〜125の内部には前記スイッチ121S〜125Sの他、白色光を出力する発光部材121L〜125L(図4参照)が設けられている。この発光部材121L〜125Lは、後述するように遊技者に操作を促すガイドを行うものとして使用される。
【0029】
ジョイスティック126,127はゲーム開始に当たりゲーム種類や種々の条件等を選択したり、ゲームの種類によっては、ゲーム中に方向を指示するなどの場面で使用されるものである。
【0030】
回動支持構造14は、図2(b)に示すように、基体部10の上部側に取り付けられた基板140と、この基板140の下方に取り付けられた頂部回転用の駆動モータ141と、基板140の中央に穿設された貫通孔を介して上方に突出された駆動モータ141の回転軸142に取り付けられ、基板140と平行な回転板143と、基板140の周方向に、好ましくは均等に複数個配置され、回転板143の下面に当接支持して円滑回転を確保する、支持部材としての支持コロ144(キャスタ)とを備える。なお、回転板143の支持部材としては、環状ガイドレールとそれに沿って転動する複数のボール材からなるものを、基体部10と回転板143のそれぞれに対向して配置したものとしてもよい。
【0031】
回転板143には、頂部20が載置状態で固定されている。すなわち、頂部20は回転軸142上に球の中心が一致するように回転板143に取り付けられている。さらに、頂部20の中空内部であって、回転板143の上面側には操作ガイド部としてのLCD等からなる、画像を表示するモニタ21が配置されている。モニタ21は回転板143の正面方向と一致する方向に画面が向けられており、かつ略水平乃至は平均的な背丈の遊技者の遊技中での視線とほぼ直角となる程度に上方に傾斜されている。ここで、操作ガイド部としてのモニタ21は、操作入力部としての操作パネル部12への操作、すなわちゲームの実行を遊技者に対して促すだけではなく、その操作結果をも表示する。
【0032】
回転板143の周端の一箇所には検出突片145が取り付けられ、一方、基板140側には検出突片145の回転軌道上を挟むように発光部と受光部とが配置された回転センサとしてのフォトインターラプタ146が取り付けられている。フォトインターラプタ146が検出突片145を検出した位置で、回転板143、すなわち頂部20が正面を向いた位置に設定され、これにより頂部20が左右に回転されても、正面位置に正確に復帰できるようにしている。
【0033】
頂部20は回転板143が正面を向いた位置で左右側となる部分に模様が付され、かつ不透明とされており、一方、正面部分は半透明乃至は透明とされて、モニタ21の画面に表示される操作ガイドのために画像が視認可能にされている。このため、頂部20が回動されて横を向いた時には、モニタ画面が見えにくくなり、その分ゲーム難度を上げることが可能となる。頂部20の内部、例えばモニタ21の上部適所には、それぞれ広指向性を有する位置検知用の赤外光発光素子22と位置情報受信用の赤外光受光素子23とが設けられている。
【0034】
なお、図では示していないが、回転板143の正面位置の下面側には突起が取り付けられ、一方、基体部10の適所、例えば回転板143が正面位置から左右に120度の位置にそれぞれ弾性材からなるストッパが設けられている。従って回転板143が正面位置から左方向に、また右方向に120度回転すると、突起がストッパに当接して回転が規制される。これにより、モニタ21への信号線、電源線を、回転板143の回転によるひねり分を吸収する寸法だけ長めにしておくことで回転に関わりなくモニタ21を適正に駆動することができる。
【0035】
移動機構部30は基体部10に水平姿勢で固設された円形の底板31に搭載されている。底板31の前後側の両位置には360度方向に回転可能なボール(転動部)を有するキャスタ32,33が取り付けられている。キャスタ32,33のボール部分の一部が切欠を介して底板31の下面から下方に露出している。また、底板31の左右側の両位置には、前後方向に向けられたコロ(回転体)34,35が取り付けられている。コロ34,35の一部は切欠を介して底板31の下面から下方に露出しており、かつキャスタ32,33のボールの下端と一致する高さ乃至はやや低くなる高さに設定されている。これにより、ゲーム装置は前後左右でボールとコロにより床面に安定姿勢で立設され、かつ、床面上を移動可能にされている。なお、コロの向きが変更可能な構造を採用する場合には、コロの取付位置は底板31の左右側に限定されず、例えば底板31の前後側であってもよい。
【0036】
底板31の上面側には駆動モータ36,37が例えば水平姿勢で取り付けられ、それらの出力軸がコロ34,35の各回転軸に直接あるいは所要の減速ギア等を介して連結されている。なお、図2では示していないが、駆動モータ36,37の出力軸にはロータリエンコーダ361,371(図4参照)が取り付られており、これにより、各駆動モータ36,37の回転量が検出可能にされている。
【0037】
図3は、ゲーム装置の位置検出を説明する図である。ゲーム装置の向きと位置の検出は、図2に示すように磁気センサ17とロータリエンコーダ361,371からの検出情報に基づいて行われる。一方、本実施形態では、コロ34,35と床面とのスリップなどを考慮すると、長期間では位置ずれが蓄積され、必ずしも正しい位置を検出する保証がないことから、図3に示すように、外部からの遠隔監視の方法を採用している。ずなわち、図3において、ゲーム装置を鳥瞰し得る高さ位置には、視野が予め設定されている撮像手段としてのCCDカメラ部40と通信手段としての赤外光発光素子41とが配置されている。CCDカメラ部40はゲーム装置側の赤外光発光素子22からの光を撮像して画像データ内における輝点の座標として検出し、赤外光発光素子41はその輝点座標をゲーム装置側に通信するものである。輝点座標情報は赤外光発光素子41から光変調されて射出され、ゲーム装置側の赤外光受光素子23で受光され、その輝点座標情報から光源位置すなわちゲーム装置の空間(水平面)上の位置を、後述する制御部100(図4参照)で算出するようにしている。
【0038】
この外部監視データを磁気センサ17とロータリエンコーダ361,371からの検出情報に対して補助的に利用することで、蓄積誤差を定期的乃至は必要に応じてリセットできる。なお、ゲーム装置側の赤外光発光素子22を例えば前後方向に2個設けると共に、それらの点灯形態、例えば点滅周期を異ならせるなどすることで前後側を認識し、これによってゲーム装置の向きも検知することが可能となり、この場合、磁気センサ17はあえて必要ではなくなる。
【0039】
また、図3において、電源ユニット50はゲーム装置内の各駆動源に必要な所要の電力を生成するもので、所要長を有する電源ケーブル51を介して供給するようにしている。ゲーム装置はこの電源ケーブル51の長さ範囲内で自由に位置変位が可能である。
【0040】
図4は、本ゲーム装置が適用される回路ブロック図の一例を示すものである。図4において、回路基板部16にはコンピュータなどで構成される制御部100と、制御部100に接続された、処理データや各種カウント値を一時的に保管するRAM91と、種々のデータを格納するROM92とが備えられ、更に種々の時間の計時を行うための内蔵タイマ109が備えられている。
【0041】
ROM92は、ゲームプログラムデータを格納するプログラム記憶部921、ゲーム画像データを記憶するゲーム画像記憶部922,必要に応じて使用されるスピーカ90からの効果音やガイド音等の音声データを格納する音声記憶部923、及び位置変位のための動作パターンであって、頂部20の動作パターン、基体部10の動作パターンを、遊技者による操作入力の状態とか、ゲームの進行状況またはゲーム結果に対応させて格納する動作パターン記憶部924を有する。
【0042】
操作入力受付部101は、遊技者による押しボタン121〜125への叩き操作によるスイッチ121S〜125Sからの信号を受け付けるものである。ゲーム実行処理部102はゲームプログラム記憶部921から読み出したゲームプログラムを用いて、押しボタン121〜125への叩き操作に従ってゲームを進行させるものである。画像表示制御部103は画像データ記憶部922から読み出した画像データをゲームプログラムに従って、表示RAMに展開すると共に、表示RAM内のゲーム画像データを周期的にモニタ21に読み出すことで、ゲーム進行に応じた画像をモニタ21に表示するものである。画像データ記憶部922にはポリゴンとテクスチャーとが対応付けされたキャラクタ画像データ、ガイド用画像データ、及び必要に応じて背景画像データなどが2次元であるいは3次元の形態で記憶され、またスコア、時間を表示するための文字や数字の画像データも記憶されている。画像表示部103は描画処理部と表示RAMとを備えており、描画処理部では、ゲーム空間が3次元の場合には、カメラ視点座標からキャラクタを構成するポリゴンの3次元空間へのマッピング処理などの座標計算が実行され、更に、座標計算結果を2次元画像に変換して表示RAMに逐次書き込むようにしている。
【0043】
操作入力状態判断部104は遊技者による押しボタン121〜125への操作入力の状態、例えば操作ガイドに対する応答を内蔵タイマ109からの計時結果や操作頻度等から判断するものである。
【0044】
ゲーム状況判断部105はゲームの状況、すなわちゲームの進行状況またはゲームが終了したときの結果を判断するものである。ゲームの状況の判断とは、ゲーム中におけるゲーム進行(展開)の状況に対する判断であり、ゲームが終了したときの結果の判断とは、ゲーム終了時でのゲーム結果に対する判断である。具体的には、ゲーム中でのゲームの進行状況が所定の条件、例えば遊技者に有利な展開とか、不利な展開とかなどの状態になったとき、また、ゲーム開始からの経過時間、ゲームが複数のステージから構成される場合におけるステージの変更、プレイ能力に対応する得点(スコア)、これらの組み合わせ、さらには複数回分のゲーム料金を一括して投入してゲームを継続して行う場合におけるゲーム回数等を判断するものである。また、ゲーム結果の判断では、その内容、例えばゲームに成功したとか失敗したなど、また、獲得得点、時間を競うゲームにおける所要時間、順位を競う場合における順位、あるいは所定の条件に対するクリアの如何が判断の対象とされる。
【0045】
動作パターン設定指示部106は、操作入力状態判断部104による判断結果やゲーム状況判断部105による判断結果に従って、動作パターン記憶部924に記憶されている複数の動作パターンから判断結果に対応する動作パターンを指定するものである。従って、本実施形態では、操作入力状態判断部104と動作パターン設定指示部106とで操作入力状態判断手段が構成され、ゲーム状況判断部105と動作パターン設定指示部106とでゲーム状況判断手段が構成される。
【0046】
本体動作制御部107は動作パターン設定指示部106から指定された動作パターンに従った経時的な一連の駆動信号を駆動モータ36,37に出力し、その駆動を制御することで基体部10に対する位置変位を与えるものである。頂部動作制御部108は動作パターン設定指示部106から指定された動作パターンに従った経時的な一連の駆動信号を駆動モータ141に出力し、その駆動を制御することで頂部20に対する位置変位を与えるものである。
【0047】
本実施形態では、動作パターンとして、「前進アクション」、「後進アクション」、「方向転換アクション」、「首振りアクション」、「往復旋回アクション」、「捜索アクション」、「イヤイヤアクション」及び「喜びアクション」が準備されている。
【0048】
「前進アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37を同一速度で正方向に、例えば所定時間だけ回転駆動させることで、基体部10を正面方向に所要の速度で移動させるものである。なお、ゲーム装置にプレイエリアが設定されている場合であって、前進移動によりプレイエリアから外れそうになったときは、一方の駆動モータの回転を一時的に停止乃至は逆転させることで方向転換を行い、変換された方向に前進移動するように制御される。プレイエリアの内外の検出は、ロータリエンコーダ361,371の回転量(すなわち移動量)から判断してもよいし、前述のCCDカメラ部40の監視状況から判断するようにしてもよい。
【0049】
「後進アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37を同一速度で逆方向に、例えば所定時間だけ回転駆動させることで、基体部10を所要の速度で後退移動させるものである。なお、プレイエリアから外れそうになったときの制御は「前進アクション」の場合と同様にすればよい。また、駆動モータ36,37の回転速度を交互に微小速度だけ変動させることで、いわゆる千鳥足状に後退させることができ、逃げ回る様をよりリアルに演出できる。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が遊技者から遠ざかることとなるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0050】
「方向転換アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37の一方を正方向に回転させ、他方を停止乃至は逆方向に回転させるもので、これにより基体部10の向きを変えるものである。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が遊技者の目前位置から横向きになり、かつモニタ21の画面も横を向くことになるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0051】
「首振りアクション」とは、頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ141を正負のいずれかの方向に所要角度分だけ回転させるもので、これにより頂部20に対して、いわゆる首振り動作を演出するものである。駆動モータ1412の回転速度や回転角度を複数種類設定しておけば、多様の演出ができ、より意外性が高まる。また、この場合、モニタ21の画面が横を向くことになるので、ゲームの難度に多少の影響を与えることが可能となる。
【0052】
「往復旋回アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37の一方を正方向に回転させ、他方を微速回転乃至は停止させることで、基体部10の向きを元の位置から一方の方向に所定角度だけ向け旋回させ、続いてこの動作を逆の駆動モータに行わせることで基体部10を反対の方向に所定角度だけ向けるように旋回させるものである。基体部10を180度ずつ互いに逆向きに回転させるときは、左右方向へ移動しつつ左右に旋回することとなる。駆動モータ26,37に対して、交互に逆方向への回転を180度未満で交互に往復旋回させると、併せて微速後進させることも可能となる。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が旋回し遊技者の目前位置から左右に交互に横向きになり、かつモニタ21の画面も左右に交互に横を向くことになるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0053】
「捜索アクション」とは、本体動作制御部107及び頂部動作制御部108により制御され、センサ15で検出された遊技者の方向に基体部10及び頂部20を向けるように、駆動モータ36,37及び駆動モータ141を駆動制御するものである。基体部10の向きの変更は「方向転換アクション」と同一である。なお、方向変換角度の設定は、基体部10の現在の向きとセンサ15による遊技者の検出方向との角度差を利用する方法でもよく、また、センサ15により検出される遊技者が正面方向で検出されるまで、本アクション動作を継続させる方法でもよい。また、超音波センサ(伝搬時間を利用したもの)や光センサ(三角測距法を利用したもの)、また焦電センサ(検知レベルを利用したもの)などのセンサ15において、測距結果が所定距離以上であれば、「前進アクション」を微速前進として加えた駆動制御としてもよい。
【0054】
「イヤイヤアクション」とは、頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ141を正負のいずれかの方向に所要角度分だけ回転させ、次いで逆方向に所要角度だけ回転させる動作を所定回数だけ繰り返すもので、これにより頂部20に対して、いわゆる左右への首振り動作を演出するものである。駆動モータ141の回転速度や回転量を複数種類設定しておけば、多彩な演出ができ、意外性が一層高まる。また、この場合、モニタ21の画面が左右に回るので、ゲームの種類によってはゲームの難度に多少の影響を与えることが可能となる。
【0055】
「喜びアクション」とは、本体動作制御部107及び頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ36,37に対しては、その一方を正方向に回転させ、他方を微速回転乃至は停止させることで、基体部10の向きを元の位置から一方の方向に所定角度だけ旋回させ、続いて逆の動作を行わせることで基体部10を反対の方向に所定角度だけ向けるように旋回させる動作を所定回数行わせるものである。同時に、駆動モータ141に対して、基体部10の回転角度に等しい角度分だけ逆方向に頂部20を回転駆動させるものである。この動作により、頂部20を正面に向けたまま(静止させたまま)で、基体部10のみを旋回させることができる。
【0056】
なお、上記各アクションのうち、ゲームの難度に影響を与えることが可能なアクションも、特にゲームの難度には直接関係しないタイミングで動作が行われるようにしてもよい。例えばゲームが終了した際、ゲーム終了の結果として遊技者が非常に優れた得点を獲得した場合には、あたかも人間の驚きを表現するかのように「往復旋回アクション」が行われるようにしてもよい。
【0057】
図5,図6は、本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中におけるモニタ21の画面図の例を示し、図7〜図9は、本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中におけるモニタ21の画面図の例を示すものである。図5において、画面には、赤色、青色、黄色をした虫(ここでは蜂)を模した複数の、ここでは4匹のターゲットキャラクタB1〜B4が飛び回るように表示され、さらに手袋をした手首キャラクタG1及び両目キャラクタG2が表示されている。なお、ターゲットキャラクタB1、B2は赤色、ターゲットキャラクタB3は青色、ターゲットキャラクタB4は黄色である。
【0058】
また、画面の適所、例えば左上にはたたき落としたターゲットキャラクタの数が、例えば「35ひき」のように表示され、画面の下部には「のこりじかん23.5びょう」というように、内蔵タイマ109で計時される残り時間が表示される。
【0059】
この第1ゲームは、画面に表示されているターゲットキャラクタBと同一の色の押しボタンを叩く(押す)ことで、当該ターゲットキャラクタを1匹ずつ叩き落とし、制限時間内で合計何匹のターゲットキャラクタを叩けるかを競う、いわゆる「モグラ叩きゲーム」である。表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンを叩いたときには、手首キャラクタG1が適正な操作入力として虫を叩く演出表示をするようにしている。誤った色の押しボタンを叩いたときには、図6に示すように、手首キャラクタG1が自分の頭を叩き、かつ両目キャラクタG2が目を閉じたような失敗操作の演出表示を行うようにしている。図6では、画面には、ゲーム中に増えた赤色のターゲットキャラクタB5と青色のターゲットキャラクタB6の2匹が残っている。たたき落とした数は、「44ひき」と表示され、残り時間は「のこりじかん08.2びょう」となっている。
【0060】
図7に示す第2ゲームの画面には、風船を模した、赤色、青色、黄色及び白色に着色された風船キャラクタB11〜B15が表示されると共に、両目を模した両目キャラクタG10が表示されている。風船キャラクタB11は黄色、風船キャラクタB12は青色、風船キャラクタB13,B14は白色、風船キャラクタB15は赤色である。また、画面の中央には、ゲームスタートからの経過時間として内蔵タイマ109で計時された時間が「じかん04.8びょう」のように表示されている。
【0061】
この第2ゲームは、画面に表示されている風船キャラクタBの色と同一色の押しボタンを叩くことで、当該風船キャラクタに所定量の空気を送り込み、さらに押しボタンを繰り返し叩くこと、最後には当該風船キャラクタBを破裂させることを想定した、いわゆる「連打ゲーム」である。この実施形態では、画面の風船キャラクタの全てに対して、風船キャラクタを破裂させることでゲームが終了し、その経過時間を競うものである。図8では、黄色の風船キャラクタB11が膨らんでいる途中の様子が表示されている。経過時間として「じかん22.8びょう」が表示されている。図9では、黄色の風船キャラクタB11が破裂した演出表示がなされており、かつ両目キャラクタG10が両目を閉じた演出表示に変わっている。1つ目の風船キャラクタB11を破裂させるのに、「じかん23.5びょう」要したことが表示されている。
【0062】
図10〜図11は、制御部100により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。まず、プレイタイムカウンタに制限時間がセットされた後、単位時間、ここでは1秒ずつの減算処理が開始されて(ステップS1)、プレイタイムカウンタが正か否かの判断が行われる(ステップS3)。正でなければ制限時間が終了したとして、ステップS29に進む。一方、正であれば、ゲーム中であるから、前回のターゲットキャラクタの表示から所定時間であるn秒以上が経過したか否かの判断が行われ(ステップS5)、n秒が経過していれば、新たなターゲットキャラクタの表示が行われ(ステップS7)、ターゲットキャラクタが1匹増やされる。n秒経過していなければ、ステップS7はスルーされる。
【0063】
次いで、ゲーム状況判断部105によって、同時表示中のターゲットキャラクタの数が規定値以上か否かの判断が行われ(ステップS9)、所定値以上であれば、ターゲットキャラクタが増加しすぎていることを演出するべく、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定され(ステップS11)、逆に、規定値に達していなければ、ステップS11はスルーされる。
【0064】
続いて、操作入力状態判断部104によって、押しボタンへの操作入力の有無が判断され(ステップS13)、操作入力があれば、さらに操作入力状態判断部104によって、表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンが操作された(叩かれた)のかどうかが判断される(ステップS15)。表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンが操作されたのであれば、画像表示制御部103によってターゲットキャラクタに対する撃退表示が行われる(ステップS17)。例えば、当該ターゲットキャラクタが画面の下方に向けて落下し、最終的に画面から消えるような演出が採用可能である。次いで、スコアが1だけ加算されて(ステップS19)、ステップS25に進む。
【0065】
一方、ステップS15において、操作入力状態判断部104によって、表示中のターゲットキャラクタと異なる色の押しボタンが操作されたと判断されたのであれば、操作ミスとして、画像表示制御部103によって、図6に示すようなミス演出の表示が行われる(ステップS21)。さらに、動作パターン設定指定部106によって「後進アクション」が指定され(ステップS23)、基体部10が後退させられて(逃げ回るので)、ゲームの難度がアップさせられる。
【0066】
ステップS25では、ゲーム状況判断部105によって、時間単位あたりの撃退数が規定値以上か否かの判断が行われ(ステップS25)、規定数以上であれば、動作パターン設定指定部106によって「往復旋回アクション」が指定され(ステップS27)、この後、ステップS3に戻る。基体部10は「往復旋回アクション」によって左右に旋回させられてゲームの難度がアップさせられる。一方、時間単位あたりの撃退数が規定値に達しないときは、そのままステップS3に戻る。
【0067】
そして、ステップS3で、プレイタイムカウンタが正でなければ、制限時間に達したとしてゲームの終了処理が行われ、ゲーム結果の表示が行われれる(ステップS29)。次いで、ゲーム状況判断部105によって、ステップS19で蓄積されたスコアが規定値以上か否かの判断が行われる(ステップS31)。スコアが規定値以上であれば、動作パターン設定指定部106によって「喜びアクション」が指定されて、頂部20が静止したまま、基体部10のみが左右に往復旋回させられる。逆に、スコアが規定値に達していなければ、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定されて、頂部20が左右に往復旋回させられる。
【0068】
以上、第1ゲームにおいては、例えばステップS11で説明したように、画面上に同時に表示されているターゲットキャラクタが規定数以上の場合、すなわち遊技者がうまくターゲットキャラクタを叩くことができない場合に、そのことをあたかもロボットが察知し、呆れた感情を示すかのように、あるいは嘲笑するかのように「イヤイヤアクション」を行う。また、例えばステップS27で説明したように、単位時間あたりの撃退数が規定数以上の場合、すなわち遊技者がゲームをうまく行っている場合には、ロボットが驚いたかのように、「往復旋回アクション」を行う。このように、本実施形態によるゲーム装置は遊技者の操作状態に応じて種々の動作を行うので、遊技者に対して意外感を与えたり、挑戦意欲を引き出すことができる。
【0069】
図12〜図13は、制御部100により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。まず、モニタ21の画面に風船キャラクタが所定数であるn個表示される(ステップS41)。次いで、ループカウント値が1だけインクリメントされた後(ステップS43)、操作入力状態判断部104によって、ループカウント値が規定値を超えているか否かの判断が行われる(ステップS45)。ループカウント値が規定値を超えていると、動作パターン設定指定部106によって「捜索・前進アクション」が指定されて(ステップS47)、基体部10及び頂部20が遊技者の方に向かされると共に、その方向に微速前進させられる。これにより、風船キャラクタの表示にも関わらず、所定の期間、遊技者から押しボタンへの操作入力がないときは、ゲーム装置全体、つまり操作パネル部12及びモニタ21を遊技者の方へ向けると共に遊技者に近づけるようにして、入力操作をし易いようにする。一方、ループカウント値が規定値以下であれば、ステップS47はスルーされる。
【0070】
続いて、押しボタンに対する操作入力の有無が判断され(ステップS549)、押しボタンへの操作入力がなければ、ステップS43に戻って、ループカウント値が1だけインクリメントされる。一方、押しボタンへの操作入力があれば、ループカウント値が零にリセットされ(ステップS51)、さらに、押しボタンに対応する色の風船キャラクタについての風船カウンタ値が1だけ加算される(ステップS53)。
【0071】
次いで、ゲーム状況判断部105によって、風船カウンタ値が破裂限界値に達したか否かが判断され(ステップS55)、風船カウンタ値が破裂限界値に達していなければ、風船キャラクタに対して所定量分の膨らみ演出が行われる(ステップS57)。続いて、操作入力状態判断部104によって、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えたか否かが判断され(ステップS59)、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えていれば、動作パターン設定指定部106によって「後進アクション」が選択されて(ステップS61)、基体部10が後退させられる。この後退は、基体部10すなわち操作パネル部12に後方に逃げ回るような動作を行わせることで、遊技者に対して押しボタンへの操作をし難くしようとするものである。一方、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えていなければ、ステップS61はスルーされる。
【0072】
ステップS55で、ゲーム状況判断部105によって風船カウンタ値が破裂限界値に達したと判断されると、図9に示すような、風船キャラクタを破裂させる演出画像の表示が行われ(ステップS63)、さらに、動作パターン設定指定部106によって「往復旋回アクション」が選択されて(ステップS65)、基体部10が左右に旋回させられ、乃至は併せて微速前進が行われる。これにより、風船が破裂したことに対し驚きを表現するかのような行動が取られる。
【0073】
続いて、ゲーム状況判断部105によって、破裂した風船キャラクタの累計数がn個に達していないか否かの判断が行われ(ステップS67)、達していなければ、残りの風船キャラクタが存在するので、ステップS43に戻る。一方、破裂した風船キャラクタの累計数がn個に達していると、ゲームが終了したとして、ゲーム結果の表示処理が行われる(ステップS69)。例えば、ゲームをクリアするまでの経過タイムが表示される。
【0074】
次いで、クリアタイムが規定値を超えたか否かの判断が行われ(ステップS71)、クリアタイムが規定値を超えたのであれば、動作パターン設定指定部106によって「喜びアクション」が指定されて(ステップS73)、頂部20が静止したまま、基体部10のみが左右に往復旋回させられる。逆に、クリアタイムが規定値を超えていれば、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定されて(ステップS75)、頂部20が左右に往復旋回させられる。
【0075】
以上、第2ゲームにおいては、例えばステップS47のようにループカウント値が規定値より大きい場合、すなわち、遊技者の操作入力が少ない場合には、ロボットが遊技者の方に近づく「捜索・前進アクション」を行い、遊技者の入力をし易くする。つまり遊技者の操作入力の状態を「慣れていない」ものと判断し、この判断に基づき入力が容易となるようにゲームの難易度を低くする。
【0076】
また、例えばステップS61においては、単位時間あたりの押しボタン入力数が規定値より大きい場合、すなわち、遊技者の入力操作が優れている場合には、ロボットは遊技者から離れるように「後進アクション」を行い、遊技者から離れる動作を行う。つまり、この場合は、遊技者の操作入力が「優れている」、「より難しいゲームにする必要がある」ものと判断し、この判断に基づき入力が困難となるようゲームの難易度を高くする。遊技者は自分から離れていくロボットを追いかける形で入力操作を行わなければならないので、入力が難しくなるだけでなく、移動するゲーム機に追随する形で自らの体を大きく移動させながらゲームを行うという従来のアーケードゲーム機等にはない興趣性の高いゲームを楽しむことができる。なお、ここでは「後進アクション」をとって入力を困難にしたが、例えば「方向転換アクション」を行い、入力を困難にするようにしてもよい。
【0077】
上記のように、本実施形態によるゲーム装置は、操作パネル部12を備えた筐体自体が自在に回転、移動するようにして、遊技者の操作入力の状態に応じ筐体の動きを利用してゲームの難易度を変更するようにしたので、従来のアーケードゲーム機のように固定された筐体の操作部に対する入力とは全く異なった難易度、バリエーションを有するゲームを実現できる。
【0078】
なお、本発明は、以下の態様を採用することができる。
【0079】
(1)操作ガイド用としてモニタに代えて、所要の指向性を有する音声発生用のスピーカを採用してもよく、これによっても操作入力のガイドが可能である。
【0080】
(2)本実施形態では、操作パネル部12を基体部10と一体で構成しているが、これに限定されず、操作パネル部12の各押しボタンを含む構成部分をゲーム装置本体とは別体としてそれぞれ構成し、この部分に移動機構部を備えて、操作入力部としての可動操作体とし、位置変位、すなわち回転またはゲームエリア内での移動、及び両方の動作を行う態様としたものでもよい。
【0081】
(2−1)例えば、制御部と通信部とを備えたゲーム装置本体部分をゲームエリアを臨む適所に立設し、一方、その前面(ゲームエリア)で、複数の前記可動操作体を、ゲーム装置本体部分の通信部から有線または無線で駆動制御され、あるいは一定の駆動制御部を内蔵して自立制御可能にされて、それぞれ自走機構及び通信部を備えた複数の可動操作体が互いに関連してあるいは独立的に位置変位、好ましくは動き回るように構成したものとしてもよい。この可動操作体は、本実施形態の押しボタンの1個に対応しており、小動物を模したものや擬人化モデルのミニチュア版などでよい。各可動操作体の個々の表面適所に設けられた叩き用の押しボタンを叩いた信号は、内装スイッチで検知され、ゲーム装置本体側の制御部に送信されて所定のゲーム(例えば本実施形態のようなゲーム)が実行されるようにすればよい。
【0082】
(2−2)また、他の実施形態としては、制御部と通信部とを備えたゲーム装置本体部分を上面をゲームエリアとして構成された所要厚さを有するゲーム台部材とし、このゲーム台部材の上面で、前記(2−1)の可動操作体に位置変位の動きを与えるようにしてもよい。
【0083】
(3)本実施形態では、操作入力状態の判断結果や、ゲーム進行状況、またゲーム結果の判断結果に対応して異なる位置変位を行う動作パターンをそれぞれ設定しているが、それぞれの結果について、1つずつのアクションを採用した態様であっても、本発明を実現することができる。
【0084】
(4)本実施形態では、ゲーム装置の向きを磁気センサ17で検出しているが、これに代えて、頂部20の適所に複数個の位置検出用の発光素子、例えばモニタ21の上端部に前後方向あるいは左右方向に2個の赤外発光素子を配置し、かつ、それらの点灯態様を異なる点滅周期とするなど、互いに異ならせておくようにすれば、CCDカメラ部40で両方の赤外発光素子を識別できるため、撮像した画像に対する処理から頂部20の向きが検知でき、さらに、その時の頂部20と基体部10との角度差情報とから基体部10の向きを検出することができる。あるいは、複数の位置検出用の発光素子を基体部10側に取り付ける態様としてもよく、この場合には、その時の頂部20と基体部10との角度差情報は不要となり、その分、処理が簡素化される。
【0085】
(5)本実施形態では、ゲーム装置の位置検出を、赤外光発光素子22,赤外光受光素子23,CCDカメラ部40及び赤外光発光素子41を用いて行ったが、これに代えて、例えばゲームエリアを設定し、その床面に所定のパターン(図形パターン)を表記し、基体部10の下面適所、好ましくは中央位置に、床面の前記パターンを光学的に読み取って、位置認識する態様とすることもできる。所定のパターンは表記されたものに限定されず、電気的、磁気的なものでもよく、この場合、読み取り部としては静電センサや磁気センサが利用可能である。
【0086】
(6)本実施形態では、ゲーム装置への給電用として電源ユニット50を給電ケーブル51で連結しているが、内蔵電池乃至は充放電可能な2次電池を採用し、残容量を見計らって、電池交換や充電するようにしてもよい。このようにすれは給電ケーブル51が不要となるので、ゲーム装置の位置変位に対する動きに一層の自由度を与えることができると共に、遊技者に対してより自立したゲーム装置としての印象を与えることができる。
【0087】
(7)本実施形態では、本発明を、いわゆる連打ゲームやモグラ叩きゲームに適用した(ここでは手で叩くものとしたが、特定の叩き部材を用いるものでもよい)例で説明したが、別のゲームとして相撲を模したものでもよい。即ち、遊技者が押しボタンを叩けば叩くほど、力士に相当するロボットが後退し、逆に遊技者が押しボタンを叩くスピードが遅くなるとロボットが遊技者側に迫ってくる、といった形態もとり得る。また、これら叩き動作によりゲームを実行するゲーム態様に限定されず、ジョイスティック等の操作レバーに対する傾倒操作により方向指示を与えることで進行するゲーム(例えば旗上げゲームに適用し、ゲーム装置側では音声で左右若しくは赤白等の選択を発声する一方、遊技者はその発生に対応した側の操作レバーを操作する等)、操作部材に所要の回転操作を与えることで進行するゲーム、ガイドとその操作入力とのタイミングの一致度合いを競うようなゲームにも適用可能である。
【0088】
(8)また、操作入力部は、直接接触されることを検知する押しボタンなどのスイッチ(センサ)に限らず、光ビームを照射する発光部と、その光を受光する受光部とを所定長だけ離間して対向配置した構成の操作入力部とし、発光部と受光部間の空間を遊技者の体の一部が通過等により介在することで光ビームの一時的な遮断を検知することで、いわば遠隔的な操作入力を可能とするゲーム態様としてもよい。
【0089】
(9)本実施形態では、擬人化したゲーム装置を採用したが、これに限定されず、動物を模したものでもよい。また、基体部10と頂部20とを備えたものの他、基体部10のみからなるものでもよく、さらに、頂部20に代えてまたは頂部20に加えて両手を模したハンド部を設け、このハンド部に基体部10のアクションに関連させて所要の動きを行わせる態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】(a)は底部を上面側から見た図、(b)は側面断面図である。
【図3】ゲーム装置の位置検出を説明する図である。
【図4】本ゲーム装置が適用される回路ブロック図の一例を示すものである。
【図5】本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図6】本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図7】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図8】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図9】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図10】制御部により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】制御部により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】制御部により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】制御部により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 基体部
12 操作パネル部
121〜125 押しボタン
121S〜125S スイッチ
126,127 ジョイスティック
14 回動支持構造
141 駆動モータ
15 センサ
17 磁気センサ
20 頂部
21 モニタ
30 移動機構部
36,37 駆動モータ
100 制御部
101 操作入力受付部
102 ゲーム実行処理部
103 画像表示制御部
104 操作入力状態判断部
105 ゲーム状況判断部
106 動作パターン設定指示部
107 本体動作制御部
108 頂部動作制御部
92 ROM
921 プログラム記憶部
922 ゲーム画像記憶部
924 動作パターン記憶部
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者からの操作を受け付ける操作入力部と、操作入力を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の穴が準備され、これら各穴にそれぞれ隠れた状態のモグラを模したキャラクタが不規則に微小時間だけ出現するように構成され、出現時にキャラクタを叩き部材で叩くことにより遊技する、いわゆるモグラ叩きゲームが知られている。また、特許文献1には、人体を模したゲーム機筐体を垂直軸周りに回転可能に構成すると共に、模擬銃を備えて、遊技者とシューティングゲームを行うゲーム機において、攻撃時に遊技者の方向に模擬銃を向け、一方、遊技者が所持する模擬銃からの攻撃を避けるべく逆を向いたりするように全体を回転させるようにしているものが記載されている。
【特許文献1】特開平7−275505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
モグラ叩きゲームは模擬キャラクタを穴に隠れた状態と穴から多少出現した状態という2状態を遊技者に一方的に提供するのみであり、遊技性、興趣性のあるゲームを提供するには一定の限界がある。また、特許文献1に記載のシューティングゲームは、ゲーム機筐体に垂直軸周りの回転動作を与えるだけであり、しかも、遊技者の存否に応じて回転動作を制御する点でモグラ叩きゲームに比して多少の遊技性は認められるものの、遊技者のプレイ内容と直接関連するものではない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、遊技者のプレイ状態との関連においてプレイの難易度に影響を与え得る遊技性の高い新規なゲーム装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、外部からの操作を受け付ける操作入力部と、この操作入力部への操作を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置であって、前記操作入力部に位置変位を与える移動機構部と、前記移動機構部を駆動制御する駆動制御手段と、前記操作入力部への操作の状態を判断し、その判断結果に対応する駆動制御指示を前記駆動制御手段に出力する操作入力状態判断手段とを備え、前記操作入力状態判断手段は、前記位置変位の複数の動作パターンを予め記憶し、かつ前記操作入力部への操作入力の状態に対する判断結果に基づいて前記複数の動作パターンから所定の動作パターンを選択し、選択した動作パターンを前記駆動制御指示として前記駆動制御手段に出力することを特徴とするものである。
【0006】
この構成によれば、遊技者は操作ガイド部のガイドを見ながら操作入力部に対して操作を行う(プレイを行う)ことで、ゲームが進行する。操作入力部で受け付けた操作の状態、すなわち遊技者による操作入力の状態は、操作入力状態判断手段によって判断されており、その時乃至はその時々の判断結果に対応して操作入力部に位置変位の指示が付与される。操作入力部の位置が変位することで、遊技者による操作入力に対する困難さが変化するので、遊技者にとって一層遊技性の高いものとなる。
【0007】
ここで、位置変位の動きとは、回転によって操作入力部の向きが変わったり、移動(前後、左右、斜めの少なくとも1つの動き)による位置が変わったりするうちの一方の動きの他、回転と移動の同時の動きによる複雑な動きを含めてもよい。移動機構部が伸縮可能な機構を採用して上下方向の動きを実現する態様では、上下方向の動き、すなわち移動を含めることも可能である。
【0008】
また、操作入力の状態とは、遊技者による操作入力が全くされない状態をも含み、操作入力がないことを契機として、何らかの駆動(例えば、遊技者に入力を促すような動作)を行うようにするようにしてもよい。
【0009】
さらに、遊技者による操作入力部への操作入力の状態、例えば速いとか遅い等の操作入力の状態を判断し、この判断結果に基づいて予め記憶されている複数の動作パターンのうちから1つの動作パターンが指定されて、位置変位の動きが変化するので、さらに遊技性が高いものとなる。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項1記載のゲーム装置において、前記移動機構部は、前記位置変位の動作として前記操作入力部に回転動作及び一平面上での移動動作の少なくとも一方を行わせるものであることを特徴とするものである。この構成によれば、操作入力部が回転動作をしたり、また、一平面上、例えば水平面上で移動すれば、操作入力部が遊技者に対して近づいたり、遠ざかったりする動きが可能となり、操作に対する難易度に影響を与え得る。特に、両動作を同時に行う態様では、より複雑な動きが実現可能となる。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載のゲーム装置において、前記操作入力部を備える基体部を有し、前記移動機構部は前記基体部に設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、移動機構部はゲーム装置本体に相当する基体部に位置変位の動きを行わせることで、操作入力部に対する位置変位の動作を実現する。すなわち、例えばアミューズメント機器等の筐体自体に移動機構部を設けるので、筐体そのものが遊技者に対して接近、離間、回転あるいはその他の動作を行うことから、遊技者にとってはロボットまたは擬似的な生物との間で一対一のゲームを行っているような感覚が与えられるので、遊技者にさらに意外性と興趣性を提供し得る。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項記載のゲーム装置において、前記移動機構部は、前記基体部の底面に取り付けられた複数の回転体と、前記回転体のうちの少なくとも1つの回転体を回動させる駆動源とを備えることを特徴とするものである。この構成によれば、基体部は、底面の複数の回転体の回転により位置変位が可能とされ、そのうちの少なくとも1つの回転体を回転することで装置本体に回転や移動動作を行わせることが可能となる。また、回転と移動とを同時に行うようにすれば、より複雑な動きが実現可能となる。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項又は記載のゲーム装置において、前記基体部の上部に前記基体部に対して回動可能に支持された頂部を備え、前記操作ガイド部は前記頂部に設けられ、前記操作入力状態判断手段は前記操作入力の状態が所定の状態になったとき前記頂部に回転指示を与えることを特徴とするものである。この構成によれば、例えば基体部を胴体に見立て、頂部を頭部に見立てれば、擬人化した乃至は動物等の生物の外観モデルを有したゲーム装置が提供可能となる。そして、遊技者による操作入力部への操作入力の状態が所定の状態になると、基体部に対して頂部が回動するので意外性が一層高まる。しかも、頂部の回転により、操作ガイド部によるガイドの内容が遊技者から見え難くなるなど、プレイへの困難性に影響を与えるので、より遊技性が高まる。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項記載のゲーム装置において、前記頂部は略垂直軸周りに回転するものであることを特徴とするものである。この構成によれば、頂部のみ左右に回転させることで首を振るような動作を実現可能であり、また基体部の回転と頂部の回転とに相対的な速度差を与えることで、例えば両者を同一速度で逆方向にすれば、頂部は静止したままで、基体部のみを回転させることも可能となり、さらに、同一方向に同時に回転させると頂部のみより高速で回転可能となるなど、より複雑な動きが実現される。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載のゲーム装置において、前記装置本体の周辺の遊技者を検知する検知手段を備え、前記操作入力状態判断手段は検知した方向及び前記操作入力の状態に応じて前記駆動制御手段に駆動制御指示を出力することを特徴とするものである。この構成によれば、遊技者を検知すると、接近してきたり、あるいは逆に遠ざかったりする動きが実現可能となる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、操作入力部の位置を変位させることで、遊技者による操作入力に対する困難さを変化させ得、遊技者にとって一層遊技性の高いゲームを提供できる。
【0017】
さらに、遊技者による操作入力部への操作入力の状態、例えば速いとか遅い等の状態に対応して動作パターンを指定して、位置変位の動きを変化させるので、さらに遊技性を高いものとすることができる。
【0018】
請求項記載の発明によれば、操作入力部が少なくとも一平面上、例えば水平面上で移動すれば、遊技者に対して接近させたり、遠ざけたりする動きが可能となり、プレイの難易度に影響が与え得る。特に、両動作を同時に行う態様にすると、より複雑な動きを実現できる。
【0019】
請求項記載の発明によれば、移動機構部は基体部に位置変位の動きを行わせて操作入力部に対する位置変位動作を実現するので、遊技者にさらに意外性と興趣性を提供し得る。
【0020】
請求項記載の発明によれば、基体部に回転や移動動作を行わせることが可能となる。また、回転と移動とを同時に行うようにすれば、より複雑な動きを実現可能となる。
【0021】
請求項記載の発明によれば、例えば基体部を胴体に見立て、頂部を頭部に見立てれば、擬人化した乃至は動物等の生物の外観モデルを有したゲーム装置が提供可能となる。また、遊技者による操作入力部への操作入力の状態が所定の状態になったときに、基体部に対して頂部が回動するのでより意外性を高め得る。しかも、頂部の回転により、操作ガイド部によるガイドの内容が遊技者から見え難くなるなど、プレイへの困難性に影響を与えるので、より遊技性を高め得る。
【0022】
請求項記載の発明によれば、頂部のみ左右に回転させることで首を振るような動作を実現可能であり、また、基体部の回転と頂部の回転とに相対的な速度差を与えることで、例えば同一速度で逆方向にすれば、頂部を静止させたままで、基体部のみを回転させることも可能となり、さらに、同一方向に同時に回転させると頂部のみより高速で回転可能となるなど、より複雑な動きが実現される。
【0023】
請求項記載の発明によれば、遊技者を検知すると、接近させたり、あるいは逆に遠ざけたりする動きを実現可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す外観斜視図、図2(a)は底部を上面側から見た図、図3は側面断面図である。図において、ゲーム装置は、下部側の基体部10と、その上部に支持される頂部20とを備えて装置本体を構成している。本実施形態では、基体部10は胴体を、頂部は頭部を想定しており、全体として擬人化されたキャラクタイメージを持つロボットとして構成されている。頂部20はプラスチック材料などで形成され、その形状は、本実施形態では略半球状(乃至はドーム状)とされ、内部は中空に形成されている。
【0025】
基体部10は強化プラスチック材料などで構成され、全体として筒形をなし、その下部には装置本体の姿勢安定性を考慮して半径が大きくされた大径部11が形成されている。基体部10の上部には正面側となる部分に、略水平乃至は図2(b)に示すようにやや正面側に傾斜した面を持つ操作入力部としての操作パネル部12が、例えば前方に突出させて形成され、その後部となる基体部10の上端部には、操作パネル部12の面と面一にされた円形の開口13が形成され、開口13内には頂部20を回動可能に支持する回動支持構造14が内装されている。基体部10の外側の複数箇所、本実施形態では、正面側の左右位置、後方の左右位置の4箇所の適当な高さ位置には、遊技者を検出する所要の指向性を有するセンサ15が取り付けられている。このセンサ15は所定距離以内の障害物(近づいたり、離れたりする人体)の存否を検出する超音波センサや、発光素子と受光素子とからなる光センサでもよく、また近づいた人体からの熱線を感知する焦電センサ、さらにはCCDカメラ等の撮像手段が適用可能である。
【0026】
一方、基体部10の内部には、本ゲーム装置を駆動させるための制御部などを構成する回路基板部16が搭載されている。また、本実施形態では、内部に磁気センサ17が内装され、基体部10の絶対方位が検知可能にされている。また、基体部10の底部には水平な底板31が固定されており、この底板31に移動機構部30が取り付けられている。
【0027】
操作パネル部12は所要の平面形状、本実施形態では略半円形状の操作面を持ち、その面上には、前列に3個の押しボタン121,122,123が配列され、後列に2個の押しボタン124,125が配列され、左右両側に、傾倒操作による方向指示を受け付け、その傾倒方向を検知可能な構造を有する、方向指示部材としてのジョイスティック126,127が設けられている。なお、中央部分にはコイン投入口128が形成されている。図では示していないが、コイン投入口の下方には、コインカウンタ等が設けられている。
【0028】
押しボタン121〜125は、図では見えていないボタン本体と、このボタン本体の上部に微小寸法だけ上下方向に移動可能に取り付けられた頭部(押し込み部)とからなり、図略のスプリングコイル等の付勢部材で上方に付勢されて、その頭部を操作面から突出してなる公知の押しボタン構造が採用されているものである。各押しボタン121〜125の内部には、遊技者による押し操作(乃至は叩き操作)によって付勢手段に抗して下方に押し下げられたことを検知するスイッチ121S〜125S(図4参照)が内装されている。本実施形態では、押しボタン121,122,123は赤色、青色、黄色のようにそれぞれ異なる色に着色され、押しボタン124,125は白色(乳白色)に着色されている。さらに、押しボタン121〜125の内部には前記スイッチ121S〜125Sの他、白色光を出力する発光部材121L〜125L(図4参照)が設けられている。この発光部材121L〜125Lは、後述するように遊技者に操作を促すガイドを行うものとして使用される。
【0029】
ジョイスティック126,127はゲーム開始に当たりゲーム種類や種々の条件等を選択したり、ゲームの種類によっては、ゲーム中に方向を指示するなどの場面で使用されるものである。
【0030】
回動支持構造14は、図2(b)に示すように、基体部10の上部側に取り付けられた基板140と、この基板140の下方に取り付けられた頂部回転用の駆動モータ141と、基板140の中央に穿設された貫通孔を介して上方に突出された駆動モータ141の回転軸142に取り付けられ、基板140と平行な回転板143と、基板140の周方向に、好ましくは均等に複数個配置され、回転板143の下面に当接支持して円滑回転を確保する、支持部材としての支持コロ144(キャスタ)とを備える。なお、回転板143の支持部材としては、環状ガイドレールとそれに沿って転動する複数のボール材からなるものを、基体部10と回転板143のそれぞれに対向して配置したものとしてもよい。
【0031】
回転板143には、頂部20が載置状態で固定されている。すなわち、頂部20は回転軸142上に球の中心が一致するように回転板143に取り付けられている。さらに、頂部20の中空内部であって、回転板143の上面側には操作ガイド部としてのLCD等からなる、画像を表示するモニタ21が配置されている。モニタ21は回転板143の正面方向と一致する方向に画面が向けられており、かつ略水平乃至は平均的な背丈の遊技者の遊技中での視線とほぼ直角となる程度に上方に傾斜されている。ここで、操作ガイド部としてのモニタ21は、操作入力部としての操作パネル部12への操作、すなわちゲームの実行を遊技者に対して促すだけではなく、その操作結果をも表示する。
【0032】
回転板143の周端の一箇所には検出突片145が取り付けられ、一方、基板140側には検出突片145の回転軌道上を挟むように発光部と受光部とが配置された回転センサとしてのフォトインターラプタ146が取り付けられている。フォトインターラプタ146が検出突片145を検出した位置で、回転板143、すなわち頂部20が正面を向いた位置に設定され、これにより頂部20が左右に回転されても、正面位置に正確に復帰できるようにしている。
【0033】
頂部20は回転板143が正面を向いた位置で左右側となる部分に模様が付され、かつ不透明とされており、一方、正面部分は半透明乃至は透明とされて、モニタ21の画面に表示される操作ガイドのために画像が視認可能にされている。このため、頂部20が回動されて横を向いた時には、モニタ画面が見えにくくなり、その分ゲーム難度を上げることが可能となる。頂部20の内部、例えばモニタ21の上部適所には、それぞれ広指向性を有する位置検知用の赤外光発光素子22と位置情報受信用の赤外光受光素子23とが設けられている。
【0034】
なお、図では示していないが、回転板143の正面位置の下面側には突起が取り付けられ、一方、基体部10の適所、例えば回転板143が正面位置から左右に120度の位置にそれぞれ弾性材からなるストッパが設けられている。従って回転板143が正面位置から左方向に、また右方向に120度回転すると、突起がストッパに当接して回転が規制される。これにより、モニタ21への信号線、電源線を、回転板143の回転によるひねり分を吸収する寸法だけ長めにしておくことで回転に関わりなくモニタ21を適正に駆動することができる。
【0035】
移動機構部30は基体部10に水平姿勢で固設された円形の底板31に搭載されている。底板31の前後側の両位置には360度方向に回転可能なボール(転動部)を有するキャスタ32,33が取り付けられている。キャスタ32,33のボール部分の一部が切欠を介して底板31の下面から下方に露出している。また、底板31の左右側の両位置には、前後方向に向けられたコロ(回転体)34,35が取り付けられている。コロ34,35の一部は切欠を介して底板31の下面から下方に露出しており、かつキャスタ32,33のボールの下端と一致する高さ乃至はやや低くなる高さに設定されている。これにより、ゲーム装置は前後左右でボールとコロにより床面に安定姿勢で立設され、かつ、床面上を移動可能にされている。なお、コロの向きが変更可能な構造を採用する場合には、コロの取付位置は底板31の左右側に限定されず、例えば底板31の前後側であってもよい。
【0036】
底板31の上面側には駆動モータ36,37が例えば水平姿勢で取り付けられ、それらの出力軸がコロ34,35の各回転軸に直接あるいは所要の減速ギア等を介して連結されている。なお、図2では示していないが、駆動モータ36,37の出力軸にはロータリエンコーダ361,371(図4参照)が取り付られており、これにより、各駆動モータ36,37の回転量が検出可能にされている。
【0037】
図3は、ゲーム装置の位置検出を説明する図である。ゲーム装置の向きと位置の検出は、図2に示すように磁気センサ17とロータリエンコーダ361,371からの検出情報に基づいて行われる。一方、本実施形態では、コロ34,35と床面とのスリップなどを考慮すると、長期間では位置ずれが蓄積され、必ずしも正しい位置を検出する保証がないことから、図3に示すように、外部からの遠隔監視の方法を採用している。ずなわち、図3において、ゲーム装置を鳥瞰し得る高さ位置には、視野が予め設定されている撮像手段としてのCCDカメラ部40と通信手段としての赤外光発光素子41とが配置されている。CCDカメラ部40はゲーム装置側の赤外光発光素子22からの光を撮像して画像データ内における輝点の座標として検出し、赤外光発光素子41はその輝点座標をゲーム装置側に通信するものである。輝点座標情報は赤外光発光素子41から光変調されて射出され、ゲーム装置側の赤外光受光素子23で受光され、その輝点座標情報から光源位置すなわちゲーム装置の空間(水平面)上の位置を、後述する制御部100(図4参照)で算出するようにしている。
【0038】
この外部監視データを磁気センサ17とロータリエンコーダ361,371からの検出情報に対して補助的に利用することで、蓄積誤差を定期的乃至は必要に応じてリセットできる。なお、ゲーム装置側の赤外光発光素子22を例えば前後方向に2個設けると共に、それらの点灯形態、例えば点滅周期を異ならせるなどすることで前後側を認識し、これによってゲーム装置の向きも検知することが可能となり、この場合、磁気センサ17はあえて必要ではなくなる。
【0039】
また、図3において、電源ユニット50はゲーム装置内の各駆動源に必要な所要の電力を生成するもので、所要長を有する電源ケーブル51を介して供給するようにしている。ゲーム装置はこの電源ケーブル51の長さ範囲内で自由に位置変位が可能である。
【0040】
図4は、本ゲーム装置が適用される回路ブロック図の一例を示すものである。図4において、回路基板部16にはコンピュータなどで構成される制御部100と、制御部100に接続された、処理データや各種カウント値を一時的に保管するRAM91と、種々のデータを格納するROM92とが備えられ、更に種々の時間の計時を行うための内蔵タイマ109が備えられている。
【0041】
ROM92は、ゲームプログラムデータを格納するプログラム記憶部921、ゲーム画像データを記憶するゲーム画像記憶部922,必要に応じて使用されるスピーカ90からの効果音やガイド音等の音声データを格納する音声記憶部923、及び位置変位のための動作パターンであって、頂部20の動作パターン、基体部10の動作パターンを、遊技者による操作入力の状態とか、ゲームの進行状況またはゲーム結果に対応させて格納する動作パターン記憶部924を有する。
【0042】
操作入力受付部101は、遊技者による押しボタン121〜125への叩き操作によるスイッチ121S〜125Sからの信号を受け付けるものである。ゲーム実行処理部102はゲームプログラム記憶部921から読み出したゲームプログラムを用いて、押しボタン121〜125への叩き操作に従ってゲームを進行させるものである。画像表示制御部103は画像データ記憶部922から読み出した画像データをゲームプログラムに従って、表示RAMに展開すると共に、表示RAM内のゲーム画像データを周期的にモニタ21に読み出すことで、ゲーム進行に応じた画像をモニタ21に表示するものである。画像データ記憶部922にはポリゴンとテクスチャーとが対応付けされたキャラクタ画像データ、ガイド用画像データ、及び必要に応じて背景画像データなどが2次元であるいは3次元の形態で記憶され、またスコア、時間を表示するための文字や数字の画像データも記憶されている。画像表示部103は描画処理部と表示RAMとを備えており、描画処理部では、ゲーム空間が3次元の場合には、カメラ視点座標からキャラクタを構成するポリゴンの3次元空間へのマッピング処理などの座標計算が実行され、更に、座標計算結果を2次元画像に変換して表示RAMに逐次書き込むようにしている。
【0043】
操作入力状態判断部104は遊技者による押しボタン121〜125への操作入力の状態、例えば操作ガイドに対する応答を内蔵タイマ109からの計時結果や操作頻度等から判断するものである。
【0044】
ゲーム状況判断部105はゲームの状況、すなわちゲームの進行状況またはゲームが終了したときの結果を判断するものである。ゲームの状況の判断とは、ゲーム中におけるゲーム進行(展開)の状況に対する判断であり、ゲームが終了したときの結果の判断とは、ゲーム終了時でのゲーム結果に対する判断である。具体的には、ゲーム中でのゲームの進行状況が所定の条件、例えば遊技者に有利な展開とか、不利な展開とかなどの状態になったとき、また、ゲーム開始からの経過時間、ゲームが複数のステージから構成される場合におけるステージの変更、プレイ能力に対応する得点(スコア)、これらの組み合わせ、さらには複数回分のゲーム料金を一括して投入してゲームを継続して行う場合におけるゲーム回数等を判断するものである。また、ゲーム結果の判断では、その内容、例えばゲームに成功したとか失敗したなど、また、獲得得点、時間を競うゲームにおける所要時間、順位を競う場合における順位、あるいは所定の条件に対するクリアの如何が判断の対象とされる。
【0045】
動作パターン設定指示部106は、操作入力状態判断部104による判断結果やゲーム状況判断部105による判断結果に従って、動作パターン記憶部924に記憶されている複数の動作パターンから判断結果に対応する動作パターンを指定するものである。従って、本実施形態では、操作入力状態判断部104と動作パターン設定指示部106とで操作入力状態判断手段が構成され、ゲーム状況判断部105と動作パターン設定指示部106とでゲーム状況判断手段が構成される。
【0046】
本体動作制御部107は動作パターン設定指示部106から指定された動作パターンに従った経時的な一連の駆動信号を駆動モータ36,37に出力し、その駆動を制御することで基体部10に対する位置変位を与えるものである。頂部動作制御部108は動作パターン設定指示部106から指定された動作パターンに従った経時的な一連の駆動信号を駆動モータ141に出力し、その駆動を制御することで頂部20に対する位置変位を与えるものである。
【0047】
本実施形態では、動作パターンとして、「前進アクション」、「後進アクション」、「方向転換アクション」、「首振りアクション」、「往復旋回アクション」、「捜索アクション」、「イヤイヤアクション」及び「喜びアクション」が準備されている。
【0048】
「前進アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37を同一速度で正方向に、例えば所定時間だけ回転駆動させることで、基体部10を正面方向に所要の速度で移動させるものである。なお、ゲーム装置にプレイエリアが設定されている場合であって、前進移動によりプレイエリアから外れそうになったときは、一方の駆動モータの回転を一時的に停止乃至は逆転させることで方向転換を行い、変換された方向に前進移動するように制御される。プレイエリアの内外の検出は、ロータリエンコーダ361,371の回転量(すなわち移動量)から判断してもよいし、前述のCCDカメラ部40の監視状況から判断するようにしてもよい。
【0049】
「後進アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37を同一速度で逆方向に、例えば所定時間だけ回転駆動させることで、基体部10を所要の速度で後退移動させるものである。なお、プレイエリアから外れそうになったときの制御は「前進アクション」の場合と同様にすればよい。また、駆動モータ36,37の回転速度を交互に微小速度だけ変動させることで、いわゆる千鳥足状に後退させることができ、逃げ回る様をよりリアルに演出できる。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が遊技者から遠ざかることとなるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0050】
「方向転換アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37の一方を正方向に回転させ、他方を停止乃至は逆方向に回転させるもので、これにより基体部10の向きを変えるものである。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が遊技者の目前位置から横向きになり、かつモニタ21の画面も横を向くことになるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0051】
「首振りアクション」とは、頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ141を正負のいずれかの方向に所要角度分だけ回転させるもので、これにより頂部20に対して、いわゆる首振り動作を演出するものである。駆動モータ1412の回転速度や回転角度を複数種類設定しておけば、多様の演出ができ、より意外性が高まる。また、この場合、モニタ21の画面が横を向くことになるので、ゲームの難度に多少の影響を与えることが可能となる。
【0052】
「往復旋回アクション」とは、本体動作制御部107により制御され、駆動モータ36,37の一方を正方向に回転させ、他方を微速回転乃至は停止させることで、基体部10の向きを元の位置から一方の方向に所定角度だけ向け旋回させ、続いてこの動作を逆の駆動モータに行わせることで基体部10を反対の方向に所定角度だけ向けるように旋回させるものである。基体部10を180度ずつ互いに逆向きに回転させるときは、左右方向へ移動しつつ左右に旋回することとなる。駆動モータ26,37に対して、交互に逆方向への回転を180度未満で交互に往復旋回させると、併せて微速後進させることも可能となる。このアクションでは、基体部10、すなわち操作パネル部12が旋回し遊技者の目前位置から左右に交互に横向きになり、かつモニタ21の画面も左右に交互に横を向くことになるので、ゲームの難度に影響を与えることが可能となる。
【0053】
「捜索アクション」とは、本体動作制御部107及び頂部動作制御部108により制御され、センサ15で検出された遊技者の方向に基体部10及び頂部20を向けるように、駆動モータ36,37及び駆動モータ141を駆動制御するものである。基体部10の向きの変更は「方向転換アクション」と同一である。なお、方向変換角度の設定は、基体部10の現在の向きとセンサ15による遊技者の検出方向との角度差を利用する方法でもよく、また、センサ15により検出される遊技者が正面方向で検出されるまで、本アクション動作を継続させる方法でもよい。また、超音波センサ(伝搬時間を利用したもの)や光センサ(三角測距法を利用したもの)、また焦電センサ(検知レベルを利用したもの)などのセンサ15において、測距結果が所定距離以上であれば、「前進アクション」を微速前進として加えた駆動制御としてもよい。
【0054】
「イヤイヤアクション」とは、頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ141を正負のいずれかの方向に所要角度分だけ回転させ、次いで逆方向に所要角度だけ回転させる動作を所定回数だけ繰り返すもので、これにより頂部20に対して、いわゆる左右への首振り動作を演出するものである。駆動モータ141の回転速度や回転量を複数種類設定しておけば、多彩な演出ができ、意外性が一層高まる。また、この場合、モニタ21の画面が左右に回るので、ゲームの種類によってはゲームの難度に多少の影響を与えることが可能となる。
【0055】
「喜びアクション」とは、本体動作制御部107及び頂部動作制御部108により制御され、駆動モータ36,37に対しては、その一方を正方向に回転させ、他方を微速回転乃至は停止させることで、基体部10の向きを元の位置から一方の方向に所定角度だけ旋回させ、続いて逆の動作を行わせることで基体部10を反対の方向に所定角度だけ向けるように旋回させる動作を所定回数行わせるものである。同時に、駆動モータ141に対して、基体部10の回転角度に等しい角度分だけ逆方向に頂部20を回転駆動させるものである。この動作により、頂部20を正面に向けたまま(静止させたまま)で、基体部10のみを旋回させることができる。
【0056】
なお、上記各アクションのうち、ゲームの難度に影響を与えることが可能なアクションも、特にゲームの難度には直接関係しないタイミングで動作が行われるようにしてもよい。例えばゲームが終了した際、ゲーム終了の結果として遊技者が非常に優れた得点を獲得した場合には、あたかも人間の驚きを表現するかのように「往復旋回アクション」が行われるようにしてもよい。
【0057】
図5,図6は、本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中におけるモニタ21の画面図の例を示し、図7〜図9は、本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中におけるモニタ21の画面図の例を示すものである。図5において、画面には、赤色、青色、黄色をした虫(ここでは蜂)を模した複数の、ここでは4匹のターゲットキャラクタB1〜B4が飛び回るように表示され、さらに手袋をした手首キャラクタG1及び両目キャラクタG2が表示されている。なお、ターゲットキャラクタB1、B2は赤色、ターゲットキャラクタB3は青色、ターゲットキャラクタB4は黄色である。
【0058】
また、画面の適所、例えば左上にはたたき落としたターゲットキャラクタの数が、例えば「35ひき」のように表示され、画面の下部には「のこりじかん23.5びょう」というように、内蔵タイマ109で計時される残り時間が表示される。
【0059】
この第1ゲームは、画面に表示されているターゲットキャラクタBと同一の色の押しボタンを叩く(押す)ことで、当該ターゲットキャラクタを1匹ずつ叩き落とし、制限時間内で合計何匹のターゲットキャラクタを叩けるかを競う、いわゆる「モグラ叩きゲーム」である。表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンを叩いたときには、手首キャラクタG1が適正な操作入力として虫を叩く演出表示をするようにしている。誤った色の押しボタンを叩いたときには、図6に示すように、手首キャラクタG1が自分の頭を叩き、かつ両目キャラクタG2が目を閉じたような失敗操作の演出表示を行うようにしている。図6では、画面には、ゲーム中に増えた赤色のターゲットキャラクタB5と青色のターゲットキャラクタB6の2匹が残っている。たたき落とした数は、「44ひき」と表示され、残り時間は「のこりじかん08.2びょう」となっている。
【0060】
図7に示す第2ゲームの画面には、風船を模した、赤色、青色、黄色及び白色に着色された風船キャラクタB11〜B15が表示されると共に、両目を模した両目キャラクタG10が表示されている。風船キャラクタB11は黄色、風船キャラクタB12は青色、風船キャラクタB13,B14は白色、風船キャラクタB15は赤色である。また、画面の中央には、ゲームスタートからの経過時間として内蔵タイマ109で計時された時間が「じかん04.8びょう」のように表示されている。
【0061】
この第2ゲームは、画面に表示されている風船キャラクタBの色と同一色の押しボタンを叩くことで、当該風船キャラクタに所定量の空気を送り込み、さらに押しボタンを繰り返し叩くこと、最後には当該風船キャラクタBを破裂させることを想定した、いわゆる「連打ゲーム」である。この実施形態では、画面の風船キャラクタの全てに対して、風船キャラクタを破裂させることでゲームが終了し、その経過時間を競うものである。図8では、黄色の風船キャラクタB11が膨らんでいる途中の様子が表示されている。経過時間として「じかん22.8びょう」が表示されている。図9では、黄色の風船キャラクタB11が破裂した演出表示がなされており、かつ両目キャラクタG10が両目を閉じた演出表示に変わっている。1つ目の風船キャラクタB11を破裂させるのに、「じかん23.5びょう」要したことが表示されている。
【0062】
図10〜図11は、制御部100により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。まず、プレイタイムカウンタに制限時間がセットされた後、単位時間、ここでは1秒ずつの減算処理が開始されて(ステップS1)、プレイタイムカウンタが正か否かの判断が行われる(ステップS3)。正でなければ制限時間が終了したとして、ステップS29に進む。一方、正であれば、ゲーム中であるから、前回のターゲットキャラクタの表示から所定時間であるn秒以上が経過したか否かの判断が行われ(ステップS5)、n秒が経過していれば、新たなターゲットキャラクタの表示が行われ(ステップS7)、ターゲットキャラクタが1匹増やされる。n秒経過していなければ、ステップS7はスルーされる。
【0063】
次いで、ゲーム状況判断部105によって、同時表示中のターゲットキャラクタの数が規定値以上か否かの判断が行われ(ステップS9)、所定値以上であれば、ターゲットキャラクタが増加しすぎていることを演出するべく、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定され(ステップS11)、逆に、規定値に達していなければ、ステップS11はスルーされる。
【0064】
続いて、操作入力状態判断部104によって、押しボタンへの操作入力の有無が判断され(ステップS13)、操作入力があれば、さらに操作入力状態判断部104によって、表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンが操作された(叩かれた)のかどうかが判断される(ステップS15)。表示中のターゲットキャラクタと同一色の押しボタンが操作されたのであれば、画像表示制御部103によってターゲットキャラクタに対する撃退表示が行われる(ステップS17)。例えば、当該ターゲットキャラクタが画面の下方に向けて落下し、最終的に画面から消えるような演出が採用可能である。次いで、スコアが1だけ加算されて(ステップS19)、ステップS25に進む。
【0065】
一方、ステップS15において、操作入力状態判断部104によって、表示中のターゲットキャラクタと異なる色の押しボタンが操作されたと判断されたのであれば、操作ミスとして、画像表示制御部103によって、図6に示すようなミス演出の表示が行われる(ステップS21)。さらに、動作パターン設定指定部106によって「後進アクション」が指定され(ステップS23)、基体部10が後退させられて(逃げ回るので)、ゲームの難度がアップさせられる。
【0066】
ステップS25では、ゲーム状況判断部105によって、時間単位あたりの撃退数が規定値以上か否かの判断が行われ(ステップS25)、規定数以上であれば、動作パターン設定指定部106によって「往復旋回アクション」が指定され(ステップS27)、この後、ステップS3に戻る。基体部10は「往復旋回アクション」によって左右に旋回させられてゲームの難度がアップさせられる。一方、時間単位あたりの撃退数が規定値に達しないときは、そのままステップS3に戻る。
【0067】
そして、ステップS3で、プレイタイムカウンタが正でなければ、制限時間に達したとしてゲームの終了処理が行われ、ゲーム結果の表示が行われれる(ステップS29)。次いで、ゲーム状況判断部105によって、ステップS19で蓄積されたスコアが規定値以上か否かの判断が行われる(ステップS31)。スコアが規定値以上であれば、動作パターン設定指定部106によって「喜びアクション」が指定されて、頂部20が静止したまま、基体部10のみが左右に往復旋回させられる。逆に、スコアが規定値に達していなければ、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定されて、頂部20が左右に往復旋回させられる。
【0068】
以上、第1ゲームにおいては、例えばステップS11で説明したように、画面上に同時に表示されているターゲットキャラクタが規定数以上の場合、すなわち遊技者がうまくターゲットキャラクタを叩くことができない場合に、そのことをあたかもロボットが察知し、呆れた感情を示すかのように、あるいは嘲笑するかのように「イヤイヤアクション」を行う。また、例えばステップS27で説明したように、単位時間あたりの撃退数が規定数以上の場合、すなわち遊技者がゲームをうまく行っている場合には、ロボットが驚いたかのように、「往復旋回アクション」を行う。このように、本実施形態によるゲーム装置は遊技者の操作状態に応じて種々の動作を行うので、遊技者に対して意外感を与えたり、挑戦意欲を引き出すことができる。
【0069】
図12〜図13は、制御部100により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。まず、モニタ21の画面に風船キャラクタが所定数であるn個表示される(ステップS41)。次いで、ループカウント値が1だけインクリメントされた後(ステップS43)、操作入力状態判断部104によって、ループカウント値が規定値を超えているか否かの判断が行われる(ステップS45)。ループカウント値が規定値を超えていると、動作パターン設定指定部106によって「捜索・前進アクション」が指定されて(ステップS47)、基体部10及び頂部20が遊技者の方に向かされると共に、その方向に微速前進させられる。これにより、風船キャラクタの表示にも関わらず、所定の期間、遊技者から押しボタンへの操作入力がないときは、ゲーム装置全体、つまり操作パネル部12及びモニタ21を遊技者の方へ向けると共に遊技者に近づけるようにして、入力操作をし易いようにする。一方、ループカウント値が規定値以下であれば、ステップS47はスルーされる。
【0070】
続いて、押しボタンに対する操作入力の有無が判断され(ステップS549)、押しボタンへの操作入力がなければ、ステップS43に戻って、ループカウント値が1だけインクリメントされる。一方、押しボタンへの操作入力があれば、ループカウント値が零にリセットされ(ステップS51)、さらに、押しボタンに対応する色の風船キャラクタについての風船カウンタ値が1だけ加算される(ステップS53)。
【0071】
次いで、ゲーム状況判断部105によって、風船カウンタ値が破裂限界値に達したか否かが判断され(ステップS55)、風船カウンタ値が破裂限界値に達していなければ、風船キャラクタに対して所定量分の膨らみ演出が行われる(ステップS57)。続いて、操作入力状態判断部104によって、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えたか否かが判断され(ステップS59)、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えていれば、動作パターン設定指定部106によって「後進アクション」が選択されて(ステップS61)、基体部10が後退させられる。この後退は、基体部10すなわち操作パネル部12に後方に逃げ回るような動作を行わせることで、遊技者に対して押しボタンへの操作をし難くしようとするものである。一方、時間単位あたりの押しボタンへの操作入力数が規定値を超えていなければ、ステップS61はスルーされる。
【0072】
ステップS55で、ゲーム状況判断部105によって風船カウンタ値が破裂限界値に達したと判断されると、図9に示すような、風船キャラクタを破裂させる演出画像の表示が行われ(ステップS63)、さらに、動作パターン設定指定部106によって「往復旋回アクション」が選択されて(ステップS65)、基体部10が左右に旋回させられ、乃至は併せて微速前進が行われる。これにより、風船が破裂したことに対し驚きを表現するかのような行動が取られる。
【0073】
続いて、ゲーム状況判断部105によって、破裂した風船キャラクタの累計数がn個に達していないか否かの判断が行われ(ステップS67)、達していなければ、残りの風船キャラクタが存在するので、ステップS43に戻る。一方、破裂した風船キャラクタの累計数がn個に達していると、ゲームが終了したとして、ゲーム結果の表示処理が行われる(ステップS69)。例えば、ゲームをクリアするまでの経過タイムが表示される。
【0074】
次いで、クリアタイムが規定値を超えたか否かの判断が行われ(ステップS71)、クリアタイムが規定値を超えたのであれば、動作パターン設定指定部106によって「喜びアクション」が指定されて(ステップS73)、頂部20が静止したまま、基体部10のみが左右に往復旋回させられる。逆に、クリアタイムが規定値を超えていれば、動作パターン設定指定部106によって「イヤイヤアクション」が指定されて(ステップS75)、頂部20が左右に往復旋回させられる。
【0075】
以上、第2ゲームにおいては、例えばステップS47のようにループカウント値が規定値より大きい場合、すなわち、遊技者の操作入力が少ない場合には、ロボットが遊技者の方に近づく「捜索・前進アクション」を行い、遊技者の入力をし易くする。つまり遊技者の操作入力の状態を「慣れていない」ものと判断し、この判断に基づき入力が容易となるようにゲームの難易度を低くする。
【0076】
また、例えばステップS61においては、単位時間あたりの押しボタン入力数が規定値より大きい場合、すなわち、遊技者の入力操作が優れている場合には、ロボットは遊技者から離れるように「後進アクション」を行い、遊技者から離れる動作を行う。つまり、この場合は、遊技者の操作入力が「優れている」、「より難しいゲームにする必要がある」ものと判断し、この判断に基づき入力が困難となるようゲームの難易度を高くする。遊技者は自分から離れていくロボットを追いかける形で入力操作を行わなければならないので、入力が難しくなるだけでなく、移動するゲーム機に追随する形で自らの体を大きく移動させながらゲームを行うという従来のアーケードゲーム機等にはない興趣性の高いゲームを楽しむことができる。なお、ここでは「後進アクション」をとって入力を困難にしたが、例えば「方向転換アクション」を行い、入力を困難にするようにしてもよい。
【0077】
上記のように、本実施形態によるゲーム装置は、操作パネル部12を備えた筐体自体が自在に回転、移動するようにして、遊技者の操作入力の状態に応じ筐体の動きを利用してゲームの難易度を変更するようにしたので、従来のアーケードゲーム機のように固定された筐体の操作部に対する入力とは全く異なった難易度、バリエーションを有するゲームを実現できる。
【0078】
なお、本発明は、以下の態様を採用することができる。
【0079】
(1)操作ガイド用としてモニタに代えて、所要の指向性を有する音声発生用のスピーカを採用してもよく、これによっても操作入力のガイドが可能である。
【0080】
(2)本実施形態では、操作パネル部12を基体部10と一体で構成しているが、これに限定されず、操作パネル部12の各押しボタンを含む構成部分をゲーム装置本体とは別体としてそれぞれ構成し、この部分に移動機構部を備えて、操作入力部としての可動操作体とし、位置変位、すなわち回転またはゲームエリア内での移動、及び両方の動作を行う態様としたものでもよい。
【0081】
(2−1)例えば、制御部と通信部とを備えたゲーム装置本体部分をゲームエリアを臨む適所に立設し、一方、その前面(ゲームエリア)で、複数の前記可動操作体を、ゲーム装置本体部分の通信部から有線または無線で駆動制御され、あるいは一定の駆動制御部を内蔵して自立制御可能にされて、それぞれ自走機構及び通信部を備えた複数の可動操作体が互いに関連してあるいは独立的に位置変位、好ましくは動き回るように構成したものとしてもよい。この可動操作体は、本実施形態の押しボタンの1個に対応しており、小動物を模したものや擬人化モデルのミニチュア版などでよい。各可動操作体の個々の表面適所に設けられた叩き用の押しボタンを叩いた信号は、内装スイッチで検知され、ゲーム装置本体側の制御部に送信されて所定のゲーム(例えば本実施形態のようなゲーム)が実行されるようにすればよい。
【0082】
(2−2)また、他の実施形態としては、制御部と通信部とを備えたゲーム装置本体部分を上面をゲームエリアとして構成された所要厚さを有するゲーム台部材とし、このゲーム台部材の上面で、前記(2−1)の可動操作体に位置変位の動きを与えるようにしてもよい。
【0083】
(3)本実施形態では、操作入力状態の判断結果や、ゲーム進行状況、またゲーム結果の判断結果に対応して異なる位置変位を行う動作パターンをそれぞれ設定しているが、それぞれの結果について、1つずつのアクションを採用した態様であっても、本発明を実現することができる。
【0084】
(4)本実施形態では、ゲーム装置の向きを磁気センサ17で検出しているが、これに代えて、頂部20の適所に複数個の位置検出用の発光素子、例えばモニタ21の上端部に前後方向あるいは左右方向に2個の赤外発光素子を配置し、かつ、それらの点灯態様を異なる点滅周期とするなど、互いに異ならせておくようにすれば、CCDカメラ部40で両方の赤外発光素子を識別できるため、撮像した画像に対する処理から頂部20の向きが検知でき、さらに、その時の頂部20と基体部10との角度差情報とから基体部10の向きを検出することができる。あるいは、複数の位置検出用の発光素子を基体部10側に取り付ける態様としてもよく、この場合には、その時の頂部20と基体部10との角度差情報は不要となり、その分、処理が簡素化される。
【0085】
(5)本実施形態では、ゲーム装置の位置検出を、赤外光発光素子22,赤外光受光素子23,CCDカメラ部40及び赤外光発光素子41を用いて行ったが、これに代えて、例えばゲームエリアを設定し、その床面に所定のパターン(図形パターン)を表記し、基体部10の下面適所、好ましくは中央位置に、床面の前記パターンを光学的に読み取って、位置認識する態様とすることもできる。所定のパターンは表記されたものに限定されず、電気的、磁気的なものでもよく、この場合、読み取り部としては静電センサや磁気センサが利用可能である。
【0086】
(6)本実施形態では、ゲーム装置への給電用として電源ユニット50を給電ケーブル51で連結しているが、内蔵電池乃至は充放電可能な2次電池を採用し、残容量を見計らって、電池交換や充電するようにしてもよい。このようにすれは給電ケーブル51が不要となるので、ゲーム装置の位置変位に対する動きに一層の自由度を与えることができると共に、遊技者に対してより自立したゲーム装置としての印象を与えることができる。
【0087】
(7)本実施形態では、本発明を、いわゆる連打ゲームやモグラ叩きゲームに適用した(ここでは手で叩くものとしたが、特定の叩き部材を用いるものでもよい)例で説明したが、別のゲームとして相撲を模したものでもよい。即ち、遊技者が押しボタンを叩けば叩くほど、力士に相当するロボットが後退し、逆に遊技者が押しボタンを叩くスピードが遅くなるとロボットが遊技者側に迫ってくる、といった形態もとり得る。また、これら叩き動作によりゲームを実行するゲーム態様に限定されず、ジョイスティック等の操作レバーに対する傾倒操作により方向指示を与えることで進行するゲーム(例えば旗上げゲームに適用し、ゲーム装置側では音声で左右若しくは赤白等の選択を発声する一方、遊技者はその発生に対応した側の操作レバーを操作する等)、操作部材に所要の回転操作を与えることで進行するゲーム、ガイドとその操作入力とのタイミングの一致度合いを競うようなゲームにも適用可能である。
【0088】
(8)また、操作入力部は、直接接触されることを検知する押しボタンなどのスイッチ(センサ)に限らず、光ビームを照射する発光部と、その光を受光する受光部とを所定長だけ離間して対向配置した構成の操作入力部とし、発光部と受光部間の空間を遊技者の体の一部が通過等により介在することで光ビームの一時的な遮断を検知することで、いわば遠隔的な操作入力を可能とするゲーム態様としてもよい。
【0089】
(9)本実施形態では、擬人化したゲーム装置を採用したが、これに限定されず、動物を模したものでもよい。また、基体部10と頂部20とを備えたものの他、基体部10のみからなるものでもよく、さらに、頂部20に代えてまたは頂部20に加えて両手を模したハンド部を設け、このハンド部に基体部10のアクションに関連させて所要の動きを行わせる態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】(a)は底部を上面側から見た図、(b)は側面断面図である。
【図3】ゲーム装置の位置検出を説明する図である。
【図4】本ゲーム装置が適用される回路ブロック図の一例を示すものである。
【図5】本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図6】本ゲーム装置で実行される第1ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図7】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図8】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図9】本ゲーム装置で実行される第2ゲームのゲーム中における画面図の例を示すものである。
【図10】制御部により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】制御部により実行される第1ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】制御部により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】制御部により実行される第2ゲームの処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 基体部
12 操作パネル部
121〜125 押しボタン
121S〜125S スイッチ
126,127 ジョイスティック
14 回動支持構造
141 駆動モータ
15 センサ
17 磁気センサ
20 頂部
21 モニタ
30 移動機構部
36,37 駆動モータ
100 制御部
101 操作入力受付部
102 ゲーム実行処理部
103 画像表示制御部
104 操作入力状態判断部
105 ゲーム状況判断部
106 動作パターン設定指示部
107 本体動作制御部
108 頂部動作制御部
92 ROM
921 プログラム記憶部
922 ゲーム画像記憶部
924 動作パターン記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの操作を受け付ける操作入力部と、この操作入力部への操作を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置であって、前記操作入力部に位置変位を与える移動機構部と、前記移動機構部を駆動制御する駆動制御手段と、前記操作受付部への操作の状態を判断し、その判断結果に対応する駆動制御指示を前記駆動制御手段に出力する操作入力状態判断手段とを備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記操作入力状態断手段は、前記位置変位の複数の動作パターンを予め記憶し、かつ前記操作入力部への操作入力の状態に対する判断結果に基づいて前記複数の動作パターンから所定の動作パターンを選択し、選択した動作パターンを前記駆動制御指示として前記駆動制御手段に出力することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記移動機構部は、前記位置変位の動作として前記操作入力部に回転動作及び一平面上での移動動作の少なくとも一方を行わせるものであることを特徴とする請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記操作入力部を備える基体部を有し、前記移動機構部は前記基体部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記移動機構部は、前記基体部の底面に取り付けられた複数の回転体と、前記回転体のうちの少なくとも1つの回転体を回動させる駆動源とを備えることを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記基体部の上部に前記基体部に対して回動可能に支持された頂部を備え、前記操作ガイド部は前記頂部に設けられ、前記操作入力状態判断手段は前記操作入力の状態が所定の状態になったとき前記頂部に回転指示を与えることを特徴とする請求項4又は5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記頂部は略垂直軸周りに回転するものであることを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記装置本体の周辺の遊技者を検知する検知手段を備え、前記操作入力状態判断手段は検知した方向及び前記操作入力の状態に応じて前記駆動制御手段に駆動制御指示を出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの操作を受け付ける操作入力部と、この操作入力部への操作を促すガイドを行う操作ガイド部とを備えたゲーム装置であって、前記操作入力部に位置変位を与える移動機構部と、前記移動機構部を駆動制御する駆動制御手段と、前記操作入力部への操作の状態を判断し、その判断結果に対応する駆動制御指示を前記駆動制御手段に出力する操作入力状態判断手段とを備え、前記操作入力状態判断手段は、前記位置変位の複数の動作パターンを予め記憶し、かつ前記操作入力部への操作入力の状態に対する判断結果に基づいて前記複数の動作パターンから所定の動作パターンを選択し、選択した動作パターンを前記駆動制御指示として前記駆動制御手段に出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記移動機構部は、前記位置変位の動作として前記操作入力部に回転動作及び一平面上での移動動作の少なくとも一方を行わせるものであることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記操作入力部を備える基体部を有し、前記移動機構部は前記基体部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記移動機構部は、前記基体部の底面に取り付けられた複数の回転体と、前記回転体のうちの少なくとも1つの回転体を回動させる駆動源とを備えることを特徴とする請求項記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記基体部の上部に前記基体部に対して回動可能に支持された頂部を備え、前記操作ガイド部は前記頂部に設けられ、前記操作入力状態判断手段は前記操作入力の状態が所定の状態になったとき前記頂部に回転指示を与えることを特徴とする請求項又は記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記頂部は略垂直軸周りに回転するものであることを特徴とする請求項記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記装置本体の周辺の遊技者を検知する検知手段を備え、前記操作入力状態判断手段は検知した方向及び前記操作入力の状態に応じて前記駆動制御手段に駆動制御指示を出力することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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