説明

コイル部品及びそれを用いた電源回路

【課題】損失の低減を図ることのできる新たな構造を有するコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10は、磁気コア100と、磁気バイアスをかけるための磁石部材200と、絶縁性の隔離部材300と、2つのコイル部410及び420と、保持部材と、金属ケース600とを備えている。磁気コア100は、ギャップ130を有する中芯102を含み、且つ、閉磁路を形成している。ギャップ130内には、磁石部材200が設けられている。コイル部410及びコイル部420は、XY平面と平行な面内においてギャップ130のZ方向中心を覆わないように、Z方向において互いに離間して配置されている。このように配置すると、ギャップ130から漏れ出た磁束がコイル部410及びコイル部420上で渦電流を発生させることを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉磁路の一部を構成する中芯にギャップを有するコイル部品及びそれを用いた電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
磁石等による磁気バイアス手段を閉磁路中に設けてなるコイル部品としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1のコイル部品においては、磁気コアの外周部にギャップが形成されており、そのギャップにリング状の磁石が設けられている。特許文献1のコイル部品のように磁気コアの外周部のギャップに磁石を組み込むこととすると、磁石の体積を大きくせざるを得ない。しかしながら、磁石の体積を大きくすると、コイル部品全体を安価に製造することが困難となることに加え、使用時においては磁石における発熱量が増加してしまうという恐れがある。
【0004】
一方、特許文献2のコイル部品においては、磁気コアの中芯にギャップが設けられており、そのギャップを含む部位に磁石が配置されている。特許文献2のコイル部品の場合、特許文献1の場合と比較して、磁石のサイズを小さくすることができるため、特許文献1における問題点を解消しうるものと予測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−159027号公報
【特許文献2】特開平7-176431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な要望として、コイル部品には更なる損失の低減が求められている。なお、この要望は、逆バイアス用の磁石の有無とは無関係である。
【0007】
そこで、本発明は、更なる損失の低減を図ることのできる新たな構造を有するコイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、ギャップからの漏れ磁束がコイルを通過することにより、コイル表面で渦電流損が生じてしまうことを見出し、ギャップからの漏れ磁束によるコイル上での渦電流損の発生を抑制すべく、コイルを2つ以上の部位(コイル部)に分割し、ギャップの少なくとも中心、好ましくはギャップ全体を覆わないようにそれらコイル部を配置することとした。具体的には、本発明の発明者は、以下に掲げる解決手段を提供する。
【0009】
即ち、本発明は、第1のコイル部品として、
ギャップを有する中芯を含み且つ閉磁路を形成する磁気コアと、互いに接続される又は接続された2つのコイル部とを備えるコイル部品であって、
前記中芯は、所定方向に延びており且つ前記2つのコイル部に挿入されており、
前記コイル部のそれぞれは、前記ギャップの前記所定方向における中心を覆わないように、前記所定方向において互いに離間して配置されている
コイル部品を提供する。
【0010】
また、本発明は、第2のコイル部品として、第1のコイル部品であって、
前記コイル部のそれぞれは前記ギャップを覆わないように配置されている
コイル部品を提供する。
【0011】
また、本発明は、第3のコイル部品として、第1又は第2のコイル部品であって、
前記所定方向に沿って着磁され且つ前記ギャップに設けられた磁石部材を更に備えている
コイル部品を提供する。
【0012】
また、本発明は、第4のコイル部品として、第3のコイル部品であって、
前記磁石部材は、耐熱プラスティックと磁石粉末の混和物を射出成型して得られるブロックからなる
コイル部品を提供する。
【0013】
また、本発明は、第5のコイル部品として、第1乃至第4のいずれかのコイル部品であって、
前記コイル部は、並列接続される又は並列接続されている
コイル部品を提供する。
【0014】
また、本発明は、第6のコイル部品として、第1乃至第5のいずれかのコイル部品であって、
前記磁気コアは、それぞれ中心磁脚を有する2つのE型コアを対向配置してなるものであり、
前記中芯は、2つの前記E型コアの前記中心磁脚により構成されており、
前記ギャップは、前記中心磁脚間に設けられている
コイル部品を提供する。
【0015】
また、本発明は、第7のコイル部品として、第6のコイル部品であって、
2つの前記コイル部は、2つの前記E型コアの前記中心磁脚の周囲にそれぞれ配置されている
コイル部品を提供する。
【0016】
また、本発明は、第8のコイル部品として、第1乃至第5のいずれかのコイル部品であって、
前記磁気コアは、それぞれ中心磁脚を有する2つのポッドコアを組み合わせて構成されているものであり、
前記中芯は、2つの前記ポッドコアの前記中心磁脚により構成されており、
前記ギャップは、前記中心磁脚間に設けられている
コイル部品を提供する。
【0017】
また、本発明は、第9のコイル部品として、第1乃至第8のいずれかのコイル部品であって、
前記2つのコイル部の端部を整列保持する保持部材を更に備えている
コイル部品を提供する。
【0018】
また、本発明は、第10のコイル部品として、第1乃至第9のいずれかのコイル部品であって、
前記2つのコイル部と前記磁気コアとを収容する金属ケースを更に備えている
コイル部品を提供する。
【0019】
また、本発明は、第11のコイル部品として、第1乃至第10のいずれかのコイル部品であって、
前記中芯を包む絶縁体からなる隔離部材であって前記中芯と前記コイル部との間の距離を確保するための隔離部材を更に備えている
コイル部品を提供する。
【0020】
更に、本発明は、第12のコイル部品として、第1乃至第11のいずれかのコイル部品を備える電源回路を提供する。
【発明の効果】
【0021】
コイルを2つ以上の部位(コイル部)に分割し、それらを互いから離間して設けると共に、ギャップの中心をコイル部間に設けることにより、ギャップから漏れた磁束によりコイルの絶縁被覆層を除く導体内で渦電流損が発生してしまうことを抑制することができる。
【0022】
また、ギャップに磁石部材を設ける場合については、コイルに電流を流すことにより生じる磁束のうち磁石部材を通過してしまう磁束の本数を減らすことができることから、磁石部材上にて渦電流損が生じてしまう恐れが少なく、従って、磁石部材として比較的導電性の高い材料を利用することも可能となる。
【0023】
更には、特許文献2のコイル部品の場合、磁石の製造方法に起因して磁石の形状等にバラツキが生じることから逆バイアス効果が安定しにくいといった問題があるが、本発明の場合、比較的安定した逆バイアス効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電源回路を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す斜視図である。
【図3】図2のコイル部品をIII--III線に沿って示す断面図である。
【図4】直流電流とインダクタンスとの関係(直流電流重畳特性)を示すグラフである。
【図5】実効値電流とインダクタンスとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるコイル部品を示す分解斜視図である。
【図7】図6のコイル部品を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態による電源回路1は、電流制御型のものであり、コイル部品10を内蔵したコンバータ2、スイッチング素子3、スイッチング素子3を制御する制御回路4を備えており、モータ等の負荷5に接続されて使用される。この電源回路1においてコイル部品10は、エネルギーを磁気エネルギーE=(1/2)×L×(I)として蓄積して電流の平滑化・変電圧を行うために用いられる。
【0026】
図2及び図3に示されるように、本実施の形態によるコイル部品10は、磁気コア100と、磁気バイアスをかけるための磁石部材200と、絶縁性の隔離部材300と、2つのコイル部410及び420と、保持部材500と、金属ケース600とを備えている。
【0027】
図3に示されるように、磁気コア100は、ギャップ130を有する中芯102を含み、且つ、閉磁路を形成しているものである。特に本実施の形態による磁気コア100は、中芯102を通るYZ断面においてデジタル表記の数字8を横にしたような閉磁路を形成している。
【0028】
具体的には、磁気コア100は、2つのE型コア110及び120を対向配置してなるものである。磁気コア100の中芯102は、E型コア110の中心磁脚112とE型コア120の中心磁脚122とで構成されている。本実施の形態による中芯102、即ち中心磁脚112及び122は、Z方向(所定方向)に沿って延びている。中心磁脚112と中心磁脚122は、Z方向において互いに離間して設けられており、ギャップ130は、中心磁脚112及び122間に位置している。本実施の形態による磁気コア100は、例えば、MnZnフェライトなどの比較的高い飽和磁束を有する材料から形成される。
【0029】
図3に示されるように、磁石部材200は、ギャップ130に設けられている。この磁石部材200は、Z方向に沿って着磁されており、逆バイアス効果(コイル部410,420に流れる実効電流値により発生する磁界とは反対方向へ静磁界を供給し続ける、即ち逆バイアスをかけること)を得ることができるように配置されている。磁石部材200は、ギャップ130に介在している限り、種々の形状を有することができる。例えば、磁石部材200は、XY平面に平行な面内において中芯102よりも大きい断面積を有していてもよい。本実施の形態による磁石部材200は、耐熱プラスティック、PPS、ナイロン12、耐熱ナイロンなどと磁石粉末の混和物を射出成型して得られる。磁石粉末としては、例えば、フェライトマグネット、NdFe系マグネット、SmCo系マグネットの粉末などを用いることができる。このように磁石粉末と耐熱プラスティック等との混和物を射出成型することにより磁石部材200を構成することとすると、高精度な形状・サイズを有する磁石部材200を安価に製造することができる。従って、ギャップ130内に配置した際に安定した逆バイアス効果を得ることができる。
【0030】
図3に示されるように、隔離部材300は、いわゆる絶縁ボビンであり、筒状のボビン本体の周囲には、2つのコイル部410及び420が設けられている。詳しくは、コイル部410及び420は、絶縁ボビンのフランジの夫々近傍に位置している。隔離部材300のボビン本体内には、中心磁脚112及び122間に挟持された状態で、磁石部材200が保持されている。隔離部材300、特にボビン本体は、コイル部410,420と中芯102との間の沿面距離を確保するためのものである。本実施の形態におけるコイル部410及び420の外側には絶縁テープ(図示せず)が巻かれており、それによってコイル部410,420と磁気コア100の外芯(E型コア110,120の外部磁脚)との間の沿面距離も確保されている。
【0031】
本実施の形態によるコイル部410,420は、断面が円状の銅線を絶縁被覆してなる円断面線を巻回して構成されたものである。
【0032】
図3に示されるように、コイル部410及びコイル部420は、XY平面と平行な面内において中芯102を囲むように且つZ方向において互いに離間して、配置されている。具体的には、磁気コア100を構成するE型コア110の中心磁脚112とE型コア120の中心磁脚122の周囲にコイル部410とコイル部420が夫々配置されている。また、コイル部410及びコイル部420は、XY平面と平行な面内においてギャップ130のZ方向中心を覆わないように、Z方向において互いに離間して配置されている。即ち、ギャップ130のZ方向中心を通り、XY平面と平行な面内には、コイル部410及びコイル部420は存在していない。このように配置すると、ギャップ130から漏れ出た磁束がコイル部410及びコイル部420の絶縁被覆層を除く導体内で渦電流を発生させることを低減することができる。
【0033】
特に、本実施の形態によるコイル部410,420は、XY平面と平行な面内においてギャップ130を覆わないように、Z方向において互いに離間して配置されている。即ち、ギャップ130は、Z方向においてコイル部410,420の間に位置しており、また、ギャップ130を含み且つXY平面と平行な面内には、コイル部410及びコイル部420は存在していない。このように配置することで、上述した渦電流損低減の効果をより高めることができる。
【0034】
図2に示される保持部材500は、コイル部410の端部412及びコイル部420の端部422を整列保持するためのものである。保持部材500によりコイル部410,420の端部412,422を整列保持してあることから、コイル部品10を回路基板(図示せず)上に搭載する際に、コイル部410,420の端部412,422を回路基板(図示せず)上の回路パターンに適切に接続することができる。
【0035】
特に、本実施の形態においては、この保持部材500上にてコイル部410とコイル部420とを並列接続している。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、コイル部410及びコイル部420はコイル部品10が搭載される回路基板(図示せず)上にて並列接続されていてもよい。また、コイル部410とコイル部420とは、ギャップ130との関係を満たす場合、用途によっては直列接続されていてもよい。
【0036】
図2及び図3から理解されるように、金属ケース600は、コイル部品10を車両等に搭載した場合における振動衝撃等による影響を考慮して、上述した磁気コア100等の構成要素を収容するためのものである。かかる影響を考慮しない場合には、金属ケース600を用いなくてもよい。この金属ケース600には、回路基板(図示せず)に対してコイル部品10を固定するための固定部610が設けられている。固定部610を回路基板(図示せず)に対して挿入することで、コイル部品10を回路基板(図示せず)に固定することができる。
【0037】
本発明の実施の形態によるコイル部品10の原理・効果を確認すべく様々なコイル部品を試作し、実験を行った。磁気コア100は、NECトーキン(株)製のFEER型コア(FEER42−BH1,MnZnフェライトEEコア)の中心磁脚を1.75+0.4mmずつ切削加工して形成した。磁気コア100のギャップ130は、Z方向において3.50+0.8mmとなった。磁石部材200は、フェライト系マグネットの粉末を耐熱プラスティック内に分散したものを射出成型して作製した。磁石部材200は、Φ15×3.5mmの大きさを有していた。この磁石部材200を空芯コイル着磁によりZ方向に着磁した。着磁後の磁性部材200の中心表面の磁束密度の大きさを測定した結果は40.0から40.6mmTであった。隔離部材300には、下記例1〜例4に記載のようにして、直径2.4mmのポリエステルエナメルワイヤー(PEW)をコイル部又はコイルとして巻回した。このコイル部又はコイル付きの隔離部材に対して、磁気コア100と磁石部材200とを取り付け、下記例1〜例4のコイル部品を作製し、直流重畳電流特性を測定した。なお、例1と例2のコイル部品を作製する際には、磁石部材200を磁気コア100のギャップ130内には挿入しなかった。
例1:コイル部は3.5ターン×2個、バイアス無し(磁石部材200なし)
例2:コイルは7ターン×1個(コイル分割なし、ギャップをコイルが覆う構成)
バイアス無し(磁石部材200なし)
例3:コイル部は3.5ターン×2個、バイアスあり(磁石部材200あり)
例4:コイルは7ターン×1個(コイル分割なし、ギャップをコイルが覆う構成)
バイアスあり(磁石部材200あり)
室温(25℃)下での測定結果を図4に示す。
【0038】
図4から理解されるように、直流電流Iが50Aの際のインダクタンスの値は、例1が4.72μH、例2が4.68μH、例3が5.10μH、例4が4.90μHであった。即ち、ギャップをコイルが覆う構成よりもギャップをコイルが覆わない構成の方が優れており、且つ、ギャップに磁石部材が設けられてバイアスをかけた方がバイアス無しの場合よりも優れていることが理解される。
【0039】
次いで、ギャップの位置とバイアスの有無との関係について述べる。上述した製法と同様にして下記例5〜例10のコイル部品を作製した。但し、例9及び例10のコイル部品を作製する際には、E型コアの中心磁脚ではなく外部磁脚を切削加工し、磁気コア100の中芯ではなく外芯にギャップを形成した。各外芯にギャップを形成したため、外芯にギャップを形成した場合、ギャップの数は2つである。ギャップのサイズは、中芯に形成した場合でも外芯に形成した場合でも3.5mmとした。
例5:中芯ギャップ(1箇所)、バイアスあり
例6:中芯ギャップ(1箇所)、バイアスあり
例7:中芯ギャップ(1箇所)、バイアス無し
例8:中芯ギャップ(1箇所)、バイアス無し
例9:外芯ギャップ(2箇所)、バイアスあり
例10:外芯ギャップ(2箇所)、バイアス無し
例5及び例7のコイル部品の25℃下での測定結果並びに例6,8〜10のコイル部品の155℃下での測定結果を図5に示す。
【0040】
図5から理解されるように、初期インダクタンスのマイナス20%となった際の電流値は、例6の場合、95Aであり、例8の場合、59Aであり、例9の場合、50Aであり、例10の場合、45Aであった。即ち、中芯ギャップの方が外芯ギャップよりも電流値が高く、バイアスがありの方がバイアス無しよりも電流値が高かった。このことより、中芯にギャップを形成し、そこに磁石を挿入することによりバイアスをかければ定格電流値を上げることができることが理解される。
【0041】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態によるコイル部品10の磁気コア100は、2つのE型コア110及び120を対向配置してなるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
図6及び図7に示されるように、本発明の第2の実施の形態によるコイル部品10aの磁気コアは、いわゆるポッドコアであり、上側コア110aと下側コア120aを組み合わせてなるものである。
【0043】
詳しくは、図示されたコイル部品10aは、中心磁脚112a及び122aを対向させるようにして組み合わせられる上側コア110aと下側コア120aからなる磁気コアと、中心磁脚112a及び122a間に設けられる磁石部材200aと、上側コア110aと下側コア120a内にそれぞれ収容されると共に磁石部材200aの位置決めも行う絶縁体からなる隔離部材310a及び320aと、隔離部材310a及び320a内にそれぞれ収容されることにより上側コア110aと下側コア120aから絶縁されるコイル部410a及び420aと、コイル部410a及び420aの端部412a及び422aを整列保持するための保持孔510a及び520aの設けられた保持部材500aと、それらを収容する金属ケース600とを備えている。本実施の形態によるコイル部410a及び420aは、絶縁被覆された平角銅線をエッジワイズ巻きして構成されたものであり、第1の実施の形態と同様、保持部材500a上で並列接続されている。
【0044】
かかる構造を備えるコイル部品10aの場合もコイル部410a及び420aが磁気コアの中芯のギャップを覆わないように設けられていることから、従来構成の場合に生じてしたような渦電流損を低減することができる。
【0045】
上述した実施の形態における磁気コアは、対向配置した2つのE型コア(EEコア)で構成されたものであるか、ポッドコアであったが、本発明はこれに限定されるものではない。磁気コアは、例えば、EIコア(E型コアとI型コアの組み合わせ)又はE型コアとプレート型コアとの組み合わせのように分割位置の異なる形状を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によるコイル部品は、例えば、車載用の電源回路、インバータ等に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 電源回路
2 コンバータ
3 スイッチング素子
4 制御回路
5 負荷
10,10a コイル部品
100 磁気コア
102 中芯
110 E型コア
110a 上側コア
112,112a 中心磁脚
120 E型コア
120a 下側コア
122,122a 中心磁脚
130 ギャップ
200,200a 磁石部材
300,310a,320a 隔離部材
410,410a コイル部
412,412a 端部
420,420a コイル部
422,422a 端部
500,500a 保持部材
510a,520a 保持孔
600 金属ケース
610 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギャップを有する中芯を含み且つ閉磁路を形成する磁気コアと、互いに接続される又は接続された2つのコイル部とを備えるコイル部品であって、
前記中芯は、所定方向に延びており且つ前記2つのコイル部に挿入されており、
前記コイル部のそれぞれは、前記ギャップの前記所定方向における中心を覆わないように、前記所定方向において互いに離間して配置されている
コイル部品。
【請求項2】
請求項1記載のコイル部品であって、
前記コイル部のそれぞれは前記ギャップを覆わないように配置されている
コイル部品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコイル部品であって、
前記所定方向に沿って着磁され且つ前記ギャップに設けられた磁石部材を更に備えている
コイル部品。
【請求項4】
請求項3記載のコイル部品であって、
前記磁石部材は、耐熱プラスティックと磁石粉末の混和物を射出成型して得られるブロックからなる
コイル部品。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記コイル部は、並列接続される又は並列接続されている
コイル部品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記磁気コアは、それぞれ中心磁脚を有する2つのE型コアを対向配置してなるものであり、
前記中芯は、2つの前記E型コアの前記中心磁脚により構成されており、
前記ギャップは、前記中心磁脚間に設けられている
コイル部品。
【請求項7】
請求項6記載のコイル部品であって、
2つの前記コイル部は、2つの前記E型コアの前記中心磁脚の周囲にそれぞれ配置されている
コイル部品。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記磁気コアは、それぞれ中心磁脚を有する2つのポッドコアを組み合わせて構成されているものであり、
前記中芯は、2つの前記ポッドコアの前記中心磁脚により構成されており、
前記ギャップは、前記中心磁脚間に設けられている
コイル部品。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記2つのコイル部の端部を整列保持する保持部材を更に備えている
コイル部品。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記2つのコイル部と前記磁気コアとを収容する金属ケースを更に備えている
コイル部品。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のコイル部品であって、
前記中芯を包む絶縁体からなる隔離部材であって前記中芯と前記コイル部との間の距離を確保するための隔離部材を更に備えている
コイル部品。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のコイル部品を備える電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−109351(P2012−109351A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256132(P2010−256132)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】