説明

コネクタ、レセプタクルコネクタ、およびプラグコネクタ

【課題】 本発明は、コネクタ、レセプタクルコネクタ、およびプラグコネクタの構造に関するものである。
【解決手段】 本発明のコネクタは、プラグコネクタをレセプタクルコネクタの上方から挿入し嵌合するコネクタであり、プラグコネクタは、プラグハウジングとプラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを有し、レセプタクルコネクタはレセプタクルハウジングと、レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部がレセプタクルハウジングの内側に突き出し、レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有し、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとの嵌合状態において嵌合部がビーム部と嵌合してなる、よう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、レセプタクルコネクタ、およびプラグコネクタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ライトアングルタイプのコネクタは、モバイル機器等における低背化の要求を満足するコンポーネントとして広く用いられている。一般的にコネクタは、プリント基板に固定されるレセプタクルコネクタと、このレセプタクルコネクタに挿入されるプラグコネクタとからなるが、プラグコネクタのレセプタクルコネクタに挿抜する方向によってライトアングルタイプのコネクタは更に2種類のタイプに分けることができる。一つはプラグコネクタを水平方向に挿抜する水平挿抜タイプであり、他はプラグコネクタを垂直方向に挿抜する垂直挿抜タイプ(厳密に垂直でなく、上方向からの挿抜も垂直挿抜タイプに含む)である。プリント基板上に固定されたレセプタクルコネクタにプラグコネクタを挿抜するときの作業性の点から、垂直挿抜タイプの方が有利と考えられる。なぜなら、プラグコネクタは通常においてケーブル接続した状態でアセンブリの作業が行なわれ、水平挿抜タイプではプラグコネクタに接続するケーブルが水平方向に引き出され、挿抜時にケーブルをプリント基板上に搭載している他の部品に触れないように注意して作業する必要がある。垂直挿抜タイプでは、その心配がない。
【0003】
垂直挿抜タイプのコネクタの構造例を、図7を用いて説明する。図7(a)は、レセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20の斜視図を示し、レセプタクルコネクタ10はレセプタクルハウジング11の奥内(左方を前方とする)にレセプタクルコンタクト13を備え、両側壁の前方位置にプリント基板に固定する固定金具14を備えている。また、両側壁の上部にはプラグコネクタ20の抜け防止のためのツメ12を備えている。
【0004】
プラグコネクタ20は、プラグハウジング21内に図示しないプラグコンタクトを備え、それらはケーブル23と接続している。プラグハウジング21の両側壁の上部には、レセプタクルハウジング11に設けたツメ12と嵌合するツメ受け部22を設けている。
【0005】
図7(b)は、プラグコネクタ20をレセプタクルコネクタ10の上方から挿入した状態を示し、この状態でレセプタクルコンタクト13に図示しないプラグコンタクトが嵌合し電気的接続がなされる。また、レセプタクルハウジング11のツメ12が、プラグコネクタ20の突起部と嵌合し、上方への抜けを防止している。
【0006】
図7(c)は、図7(b)の側面から見た図を示し、レセプタクルハウジング11から突出した固定金具14はプリント基板30に半田により固定され、またレセプタクルハウジング11の後ろ壁から突き出したレセプタクルコンタクト13はプリント基板30の配線パターンと半田により接続している。
【0007】
プラグコネクタのレセプタクルコネクタからの抜け防止のために、レセプタクルハウジングの内側の側壁に水平に設けた固定フックの下面に、プラグハウジングの両側外壁に水平に設けた固定フランジを嵌合させ、プラグコネクタをレセプタクルコネクタに対して上方向に対して固定する構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平09−259992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したように、プリント基板に搭載するライトアングルの垂直挿入タイプのコネクタは、低背化が可能であり作業性に優れていることから広く用いられている。そして、これらのコネクタは、プラグハウジングの外壁とレセプタクルハウジングの内壁とにツメとその受け部を設け、それぞれが嵌合することにより上方に力が働いてもプラグコネクタが抜けることのないようなロック構造を設けることが行なわれている。
【0010】
プリント基板上に搭載したコネクタは、一般的に製品組立完成後にコネクタが外されるケースは少ないが、製品組立前に各種の試験を行なうためにコネクタの挿抜が行なわれる場合もある。このような場合に、上記のようなロック構造が両ハウジングのモールド材であった場合に挿抜によりロック用のツメ、あるいはその受け部が削れロックが緩くなって抜け易くなる、という場合があった。
【0011】
コネクタの外形寸法が小さくなってくると(例えば、4.5×4.5×1.5mm)、プラグコネクタのハウジングを持ってレセプタクルコネクタから外すことは困難となり、ケーブルを持ち上げてプラグコネクタを外すことが行なわれる。そのような場合のツメやツメの受け部の損傷(削れ)は著しく、損傷の経歴を持ったコネクタの接続信頼性は低くなり、製品出荷後にルーズコンタクトとなり障害発生の原因となる場合があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、プラグコネクタに上方向の力が働いても強固にロックができ、プラグコネクタの抜け防止が図れるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の一観点によれば、本発明のコネクタはプラグコネクタをレセプタクルコネクタの上方から挿入し嵌合するコネクタであり、プラグコネクタは、プラグハウジングとプラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを有し、レセプタクルコネクタはレセプタクルハウジングと、レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部がレセプタクルハウジングの内側に突き出し、レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有し、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとの嵌合状態において嵌合部がビーム部と嵌合してなるコネクタが提供される。
【0014】
発明の別の一観点によれば、本発明のレセプタクルコネクタは、プラグハウジングと、プラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを備えたプラグコネクタが上方から挿入されて嵌合するレセプタクルコネクタであり、レセプタクルハウジングと、レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部がレセプタクルハウジングの内側に突き出し、レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有し、プラグコネクタとの嵌合状態において嵌合部がビーム部と嵌合してなるレセプタクルコネクタが提供される。
【0015】
また、発明の別の一観点によれば、本発明のプラグコネクタは、レセプタクルハウジングと、レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部がレセプタクルハウジングの内側に突き出し、レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有するレセプタクルコネクタに上方から挿入して嵌合するプラグコネクタであり、プラグハウジングと、プラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを有し、レセプタクルコネクタとの嵌合状態において嵌合部がビーム部と嵌合してなるプラグコネクタが提供される。
【発明の効果】
【0016】
プラグハウジングをプリント基板に固定される固定金具に直接嵌合するようにしたので、強固なロックが可能となり、プラグコネクタのレセプタクルコネクタからの抜け防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のコネクタ(実施例1)である。
【図2】実施例1のコネクタの背面から見た斜視図である。
【図3】実施例1のプラグコネクタの挿入方法である。
【図4】実施例1のプラグコネクタの引き抜き方法である。
【図5】本発明のコネクタ(実施例2)である。
【図6】実施例2のコネクタの挿入方法である。
【図7】垂直挿抜タイプのコネクタの構造例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
本発明のコネクタの実施例1を図1から図4を用いて説明する。なお、本発明のコネクタのレセプタクルコンタクトはライトアングルタイプであり、プラグコネクタはレセプタクルに上方から挿入し嵌合する垂直挿抜タイプである。また、プリント基板への搭載は表面実装を行なうものである。
【0019】
図1は、本発明のコネクタの構造例を示し、先に説明した図7に合わせて描いたものである。コネクタ構造は図1を主に説明を行なうが、部分的に図2を用いて説明することとする(図2は、図1に示すコネクタを背面から見た図である)。
【0020】
図1(a)はレセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の斜視図を示し、右側の図はレセプタクルハウジング110を透視したレセプタクルコネクタ100を示している。
【0021】
図1(a)に示すように、レセプタクルコネクタ100はレセプタクルハウジング110、レセプタクルコンタクト130、および固定金具140とで構成している。レセプタクルハウジング110は、上方と前方が開口した箱型形状を成し、床面111の3辺から側壁が立設している。レセプタクルハウジング110の上方の開口はプラグコネクタ200の挿抜を行なうための開口であり、前方の開口はプラグコネクタ200が挿入されたときプラグコネクタ200に接続するケーブ240を引き出すための開口である。
【0022】
レセプタクルコンタクト130はレセプタクルハウジング110の奥内に植設され、上方から挿入されたプラグコネクタ200内のプラグコンタクト(図示せず)と電気的に接続する。レセプタクルコンタクト130の下部はレセプタクルハウジング110の背面の側壁113から外側に突き出し、プリント基板30の配線パターンと半田接合される。図2にレセプタクルハウジング110の背面の側壁113から突き出したレセプタクルコンタクト130を示す。図1(a)では、2個のレセプタクルコンタクト130を例示しているが、これに限定されるものではなく、より多くの個数のレセプタクルコンタクト130が植設されてよい。
【0023】
固定金具140は、図1(a)の右の拡大図に示すように逆Z字の形状を成し、レセプタクルハウジング110の前方の両側壁112にインサート成型されている。固定金具140の下部は、ボディ部141から延出した固定部142を有し、レセプタクルハウジング110から前方に突き出している。固定部142は、半田によりプリント基板30に固定される。また、固定金具140の上部はレセプタクルハウジング110の内側に突き出し、側壁112に水平に沿ったビーム部143を形成している。ビーム部143は、プラグコネクタ200の上方向に対するロックの役割を担う(詳細は後述する)。図2に、ビーム部143がレセプタクルハウジング110の内側に突き出し側壁112に水平に沿った状態を示している。
【0024】
なお、ここでは固定金具140はレセプタクルハウジング110にインサート成型しているが、側壁112内に垂直にスリットを形成しておき、そのスリットに固定金具140を圧入するようにしてもよい。また、固定部142はレセプタクルハウジング110の前面から突き出しているが、レセプタクルハウジング110の前面、あるいは底面に突き出さずに露出させ、その露出した面とプリント基板30とを半田接合するようにしてもよい。
【0025】
プラグコネクタ200は、プラグハウジング210とケーブル240、およびプラグコンタクト(図示せず)とで構成している。ケーブル240の一方はプラグコンタクトと接続し、他方はプラグハウジング210の前方から引き出され、例えば回路モジュール等に接続している。
【0026】
プラグハウジング210の側面211には、側面211から突き出した凸部を形成し、その凸部の下部において前方に延出する嵌合部220を形成している。この嵌合部220は、固定金具140とレセプタクルハウジング110の床面111との間に挿入される部分で、本発明の特徴を成す部分である(詳細は後述する)。
【0027】
プラグハウジング210の上面212にはレセプタクルコネクタ100に嵌合したプラグコネクタ200の引き抜き用のツメ部230を形成している。また、プラグコネクタ200の背面213から下面にかける面は円弧状に形成され(図2参照)、その面にスリット214を形成している。円弧状の面とすることにより、プラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ100への挿入、および引き抜き時にプラグコネクタ200の背面下部がレセプタクルハウジング100の側壁113に当たり、引っかかることがないようにしている。また、スリット214は、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に挿入したとき、レセプタクルコンタクト130をプラグハウジング210内に導き入れ、図示しないプラグコンタクトとレセプタクルコンタクト130とを嵌合させるためのものである。
【0028】
プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に挿入した状態は、図1(b)および図1(c)に示される(レセプタクルハウジング110は透視して描いている)。両図に示されるように、プラグコネクタ200の嵌合部220は、固定金具140のビーム部143の下面とプラグハウジング110の床面111との間に挿嵌されている。このため、嵌合状態におけるプラグコネクタ200に上方向の力が働いても、ビーム部143によりロックされることになる。
【0029】
また、プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ100との嵌合状態において、プラグコネクタ200の背面213とレセプタクルハウジング110内の奥側の側壁113との間隙はなく、一方嵌合部220の前方の側面は固定金具のボディ部141の側面に突き当たっているため、プラグコネクタ200の水平方向に対する動きも制限されている。
【0030】
次に、本発明のプラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合する方法、およびプラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100から引き抜く方法について図3と図4を用いて説明する。なお、図3と図4において、レセプタクルコネクタ100は、プラグコネクタ200との嵌合、あるいは離脱の状態が判るように、レセプタクルハウジング110を透視した状態で描いている。
【0031】
最初に、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合する方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、プリント基板30に搭載されているレセプタクルコネクタ100の上方にプラグコネクタ200を持ってくる。このとき、プラグコネクタ200に接続しているケーブル240の引き出し方向をレセプタクルコネクタ100の前方(図3(a)の左方向)に合わせる。
【0032】
レセプタクルコネクタ100の上方で、プラグコネクタ200を前方(ケーブル240のある側)を下に傾け、プラグコネクタ200の嵌合部220を固定金具140のビーム部143の下とレセプタクルハウジング110の床面111との間に斜めに挿入する(図3(b))。
【0033】
続いて、プラグコネクタ200の後方の上面212を下方に押し、レセプタクルハウジング110の奥側の側壁113内に押し込む。このプラグコネクタ200の押し込みにより、レセプタクルハウジング110内のレセプタクルコンタクト130はプラグハウジング210のスリット214からプラグハウジング210内に入り、プラグコンタクト(図示せず)と嵌合する。プラグコネクタ200をレセプタクルハウジング110内に水平になる迄押し込んだところでコネクタ間(プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ100)の嵌合は終了する。
【0034】
次に、レセプタクルコネクタ100に嵌合されたプラグコネクタ200を引き抜く方法を説明する。図4(a)は、プラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ100に嵌合された状態にあり、プラグコネクタ200の上面212に形成したツメ部230に引き抜き工具250の先端を当てた状態を示している。引き抜き工具250は先端が薄く、ツメ部230の凹部に入る幅を持った板状の工具である。
【0035】
図4(a)の状態から、引き抜き工具250をツメ部230に引っ掛け上方に押し上げる。これにより、プラグハウジング210の背面213はレセプタクルハウジング110の内側の側壁113に沿って引き上がる(図4(b))。
【0036】
プラグハウジング210の背面213がレセプタクルハウジング110から所定の高さまで(例えば、プラグハウジング210の高さの2/3位まで)引き上げた段階で、引き抜き工具250を右上方に押すことで、嵌合部220は固定金具140から離脱する(図4(c))。
【0037】
嵌合部220が固定金具140から離脱したことを確認してプラグハウジング210を上方に持ち上げ、引き抜きを終了する(図4(d))。
【0038】
実施例1に示したレセプタクルハウジング110、およびプラグハウジング210の材質は例えばLCP(Liquid Crystal Polymer)で、固定金具140の材質は例えばSUS(Stainless Used Steel)や銅合金である。また、レセプタクルコネクタ100の外形寸法は4.5(W)×4.5(D)×1.5(H)mmである。
(実施例2)
実施例1では、プラグハウジング110の両側面211に嵌合部220を設け、その嵌合部220を固定金具140とレセプタクルハウジング110の床面111との間に挿入するものであった。実施例2では、プラグハウジングの両側面に2つの嵌合部(第1嵌合部と第2嵌合部)を設け、第1嵌合部は固定金具とレセプタクルハウジングの床面との間に、第2嵌合部はレセプタクルハウジングの嵌合受け部と床面との間に挿入するものである。本発明の実施例2のコネクタを図5から図7を用いて説明する。
【0039】
図5は、実施例2のコネクタの構造例を示した図で、図5(a)はレセプタクルコネクタ300とプラグコネクタ400の斜視図を示し、右側の図はレセプタクルハウジング310を透視したレセプタクルコネクタ300を示している。
【0040】
レセプタクルコネクタ300はレセプタクルハウジング310、レセプタクルコンタクト330、および固定金具340とで構成している。レセプタクルハウジング310は、実施例1と同様に上方と前方が開口した箱型形状を成し、床面311の3辺から側壁が立設している。レセプタクルハウジング310の側壁312の内側奥に、床面311から所定高さの位置に内側に突き出し水平方向に延びる嵌合受け部314を形成している。
【0041】
レセプタクコンタクト330は、レセプタクルハウジング310の奥内床面311に植設され、実施例1と同様にレセプタクルコンタクト330の下部がレセプタクルハウジング310の背面の側壁313から外側に突き出し、プリント基板30の配線パターンと半田接合される。
【0042】
固定金具340は、側面から見た形状が「コ」の字の形状を成し、レセプタクルハウジング310の前方の側壁312と床面311を成す部分にインサート成型されている。固定金具340の下部はL字形に曲がり、レセプタクルハウジング310の側壁312から外側に突き出している。この突き出した部分はプリント基板30に半田接合により固定される固定部342である。固定金具340の固定部342から上の部分はレセプタクルハウジング310の内側に突き出し、側壁312に沿って固定部342から垂直に伸びる支柱部341と水平に伸びるビーム部343とを形成している。ビーム部343の先端の下面は下方に突き出した水平ロック部344を形成している。
【0043】
プラグコネクタ400は、プラグハウジング410とケーブル440、およびプラグコンタクト(図示せず)とで構成し、実施例1と同様にケーブル440の一方はプラグコンタクトとプラグハウジング410の中で接続し、他方はプラグハウジング410の前方から引き出され、例えば図示しない回路モジュールと接続している。
【0044】
プラグハウジング410の側面411には、側面411から突き出した第1嵌合部420と第2嵌合部430とを形成している。第1嵌合部420と第2嵌合部430はプラグハウジング410の上面から所定の長さ低い位置に形成され、それらの底面はプラグハウジング410の底面に連なっている。また、第1嵌合部420を側面から見たとき、第1嵌合部420の上辺に当たる部分に凸部を形成し、水平ロック受け部421を設けている。なお、第1嵌合部420と第2嵌合部430は2つの側面411にそれぞれ形成されている。
【0045】
プラグハウジング410の上面412にはレセプタクルコネクタ300に嵌合したプラグコネクタ400の引き抜き用のテープ450を配置している。また、プラグコネクタ400の背面と下面に、実施例1と同様の図示しないスリットを形成している。
【0046】
プラグコネクタ400をレセプタクルコネクタ300に挿入した状態は、図5(b)および図5(c)に示される(レセプタクルハウジング310は透視して描いている)。両図で示されるように、プラグコネクタ400の第1嵌合部420は、固定金具340のビーム部343の下面とレセプタクルウジング310の床面311との間に挿嵌される。また、第2嵌合部430は、レセプタクルハウジング310の嵌合受け部314の下面と床面311との間に挿嵌される。このため、嵌合状態におけるプラグコネクタ400に上方向の力が働いても、第1嵌合部420と第2嵌合部430とによりロックされることになる。また、固定金具340の水平ロック部344と支柱部341との間に第1嵌合部420の水平ロック受け部421が入り、水平方向に対する動きを制限している。
【0047】
次に、本発明のプラグコネクタ400をレセプタクルコネクタ300に嵌合する方法について図6を用いて説明する。なお、図6において、レセプタクルコネクタ300は、プラグコネクタ400との嵌合、あるいは離脱の状態が判るように、レセプタクルハウジング410を透視した状態で描いている。
【0048】
まず、プラグコネクタ400は、レセプタクルコネクタ300の上方でケーブル440引き出し面をレセプタクルコネクタ300の前方(図6(a)で左方))になるように合わせ、プラグコネクタ400の第2嵌合部430がレセプタクルハウジング310の固定金具340と嵌合受け部314との間の間隙の真上になるように合わせる。この状態から、プラグコネクタ400の底面がレセプタクルハウジング310の床面311に当たるまで下方に降す(図6(a))。
【0049】
次に、プラグコネクタ400をレセプタクルハウジング310の奥行き方向(図6(b)の右方向)にスライドする。このスライドにより、第1嵌合部420は固定金具340のビーム部343とレセプタクルハウジング310の床面311の間に進入し、第2嵌合部430はレセプタクルハウジング310の嵌合受け部314と床面311の間に進入する。このスライドは、第1嵌合部420が固定金具340の支柱部341に突き当たったところで停止し、プラグコネクタ400のレセプタクルコネクタ300への挿入は終了する(図6(c))。
【0050】
挿入が終了した時点で、第1嵌合部420の水平ロック受け部421は固定金具340の水平ロック部344と支柱部341との間に収まる。この状態で、プラグコネクタ400の水平方向の動きは制限される。また、プラグコネクタ400の上方への動きは第1嵌合部420が固定金具340のビーム部343により、第2嵌合部430がレセプタクルハウジング310の嵌合受け部314により制限される。
【0051】
プラグコネクタ400をレセプタクルコネクタ300から引き抜くときは、図6と逆の操作を行なう。即ち、プラグコネクタ400を左方にスライドし、上方に持ち上げ引き抜く。このとき、例えばピンセット等の工具を使って引き抜き用のテープ450を挟持し、プラグコネクタ400を引き抜く。
【符号の説明】
【0052】
10 レセプタクルコネクタ
11 レセプタクルハウジング
12 ツメ
13 レセプタクルコンタクト
14 固定金具
20 プラグコネクタ
21 プラグハウジング
22 ツメ受け部
23 ケーブル
30 プリント基板
100 レセプタクルコネクタ
110 レセプタクルハウジング
111 床面
112 側壁
113 側壁
130 レセプタクルコンタクト
140 固定金具
141 ボディ部
142 固定部
143 ビーム部
200 プラグコネクタ
210 プラグハウジング
211 側面
212 上面
213 背面
214 スリット
220 嵌合部
230 ツメ部
240 ケーブル
250 引き抜き工具
300 レセプタクルコネクタ
310 レセプタクルハウジング
311 床面
312 側壁
313 側壁
314 嵌合受け部
330 レセプタクルコンタクト
340 固定金具
341 支柱部
342 固定部
343 ビーム部
344 水平ロック部
400 プラグコネクタ
410 プラグハウジング
411 側面
412 上面
420 第1嵌合部
421 水平ロック受け部
430 第2嵌合部
440 ケーブル
450 テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタをレセプタクルコネクタの上方から挿入し嵌合するコネクタであって、
前記プラグコネクタは、
プラグハウジングと、
前記プラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを有し、
前記レセプタクルコネクタは、
レセプタクルハウジングと、
前記レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部が該レセプタクルハウジングの内側に突き出し、該レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に該側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有し、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタとの嵌合状態において、前記嵌合部が前記ビーム部と嵌合してなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記プラグコネクタのプラグハウジングは、上面に該プラグコネクタ抜去用の凹部、または凸部を形成、またはテープ部材を配設した
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記固定金具は、前記レセプタクルハウジングにインサート成型、または圧入された
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
プラグハウジングと、該プラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを備えたプラグコネクタが上方から挿入されて嵌合するレセプタクルコネクタであって、
レセプタクルハウジングと、
前記レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部が該レセプタクルハウジングの内側に突き出し、該レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に該側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有し、
前記プラグコネクタとの嵌合状態において、前記嵌合部が前記ビーム部と嵌合してなる
ことを特徴とするレセプタクルコネクタ。
【請求項5】
レセプタクルハウジングと、該レセプタクルハウジングの両側壁の下部から露出した固定部と、上部が該レセプタクルハウジングの内側に突き出し、該レセプタクルハウジングの床面から所定高さの位置に該側壁に沿って水平に所定長さ延びた梁状のビーム部を備えた固定金具とを有するレセプタクルコネクタに上方から挿入して嵌合するプラグコネクタであって、
プラグハウジングと、
前記プラグハウジングの両側壁から外側に突き出した嵌合部とを有し、
前記レセプタクルコネクタとの嵌合状態において、前記嵌合部が前記ビーム部と嵌合してなる
ことを特徴とするプラグコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−3874(P2012−3874A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135671(P2010−135671)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】