説明

コネクタカバー及び該コネクタカバーを備える照明装置

【課題】取付け及び取外しが容易な構成にてコネクタを保護することができるコネクタカバー及び該コネクタカバーを備える照明装置を提供する。
【解決手段】相互に接続された第1,第2コネクタを保護すべく、該第1,第2コネクタを内部に収容するコネクタカバー1において、内外に嵌合する円筒部21,31を夫々備える第1,第2カバー構成体2,3によりコネクタカバー1を構成し、円筒部21,31の嵌合部に相互に係合する係合手段を設けて、該係合手段により第1,第2カバー構成体2,3を一体化しているから、第1,第2カバー構成体2,3を円筒部21,31にて相対移動及び/又は相対回転させるという容易な動作にて、係合手段による第1,第2カバー構成体2,3間の係合/係合解除をすることが可能となり、取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、相互に接続された第1,第2コネクタを保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタを保護すべく、該コネクタを内部に収容するコネクタカバー及び該コネクタカバーを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置等の電気機器は、該電気機器に電力を供給する電源と電力線により電気的に接続してある。この電力線の中途には、相互に接続されるコネクタが設けてあるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された照明装置は、光源及び該光源を点灯させる点灯装置を有する器具本体と、前記点灯装置に電力を供給するための蓄電池が納装された電池ボックスとを備え、天井等の造営材に穿設した埋込孔に埋設されて用いられる所謂ダウンライトである。点灯装置と電池ボックスとは、一端部に夫々コネクタが配線された電力線により電気的に接続してある。
【特許文献1】特開平10−340606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に係る照明装置は、電力線間を接続するコネクタが外部に曝されているため、鼠等の害獣がコネクタを齧ることにより、故障、感電等の不具合を引き起こす虞があった。また、コネクタに塵埃等の異物が付着することにより発火源になる虞があった。さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲に延焼するという虞があった。そこで、コネクタを保護するコネクタカバーを用いることが考えられるが、特許文献1に係る照明装置のように、天井等の造営材の裏側に電力線及びコネクタを設ける場合は特に、照明装置の取付け及び取外しの際に、取付け及び取外しを容易に行うことができるようにコネクタカバーを構成することが好ましい。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、取付け及び取外しが容易な構成にてコネクタを保護することができるコネクタカバー及び該コネクタカバーを備える照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコネクタカバーは、相互に接続された第1,第2コネクタを保護すべく、該第1,第2コネクタを内部に収容するコネクタカバーにおいて、前記第1,第2コネクタ夫々の少なくとも一部を収容可能な第1,第2カバー構成体を備え、該第1,第2カバー構成体は、相互に係合する係合手段を有することを特徴とする。
【0007】
本発明にあっては、第1,第2カバー構成体によりコネクタカバーを構成し、相互に係合する係合手段を設けて、該係合手段により第1,第2カバー構成体を一体化しているから、係合手段を適切に構成することにより、第1,第2カバー構成体を相対移動させるという容易な動作にて、係合手段による第1,第2カバー構成体間の係合/係合解除をすることが可能となり、取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、相互に接続された第1,第2コネクタを保護することができる。
【0008】
本発明に係るコネクタカバーは、前記係合手段は、前記第1,第2カバー構成体の一方に設けられて、他方の側に突出する突起と、該他方に設けられ、可撓性を有し、前記突起に係合する係合片とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、第1,第2カバー構成体の一方に、他方の側に突出する突起を設け、他方に、可撓性を有し、前記突起に係合する係合片を設けているから、突起と係合片との係合/係合解除をするという容易な動作により第1,第2カバー構成体間の係合/係合解除をすることができ、取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、相互に接続された第1,第2コネクタを保護することができる。また突起及び係合片を適切に構成することにより、係合片の弾性変形を利用して第1,第2カバー構成体間の係合が解除されないように固定することが可能となる。
【0010】
本発明に係るコネクタカバーは、前記係合片は、一部に狭窄部を有し、その一端が前記一方に向けて開口した略L字状の切欠き部により形成してあり、前記突起が前記切欠き部の狭窄部を通過するときに弾性変形するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、第1,第2カバー構成体を相対移動させて、突起を略L字状の切欠き部に沿って移動させ、狭窄部の通過時に係合片を弾性変形させている。狭窄部の通過時に係合片を弾性変形させるために所定の力が必要となるから、第1,第2カバー構成体間の係合が解除されないように固定することができる。
【0012】
本発明に係る照明装置は、光源を有する照明装置本体と電源との間を接続する第1,第2コネクタを有する照明装置において、前記第1,第2コネクタを内部に収容する前述の発明に記載のコネクタカバーを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、照明装置本体と電源との間を接続する電力線に前述の発明に記載のコネクタカバーを用いているから、コネクタカバーの取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、相互に接続された状態の第1,第2コネクタを保護することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コネクタカバーの取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、コネクタを保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るコネクタカバー1の模式的外観斜視図である。コネクタを保護すべく、該コネクタを内部に収容するコネクタカバー1は、第1カバー構成体2と、該第1カバー構成体2に一部にて外嵌する第2カバー構成体3とを備えてなる。図2は、第1カバー構成体2の模式的外観図である。図2(a)は正面図であり、図2(b)は図2(a)のII−II線による矢視図である。図3は、第2カバー構成体3の模式的外観図である。図3(a)は正面図であり、図3(b)は図3(a)の III−III 線による矢視図である。
【0016】
第1カバー構成体2は、円筒形状を有し、コネクタの少なくとも一部を収容するとともに、一側端部にて第2カバー構成体3に嵌合する円筒部21と、該円筒部21の他側に連設され、コネクタが一端に設けられたリード線等の電力線又は該電力線の保護チューブを外嵌保持する保持部22とを備えている。なお、円筒部21と保持部22との連結部は、円筒部21から保持部22に向けて連続的に縮径してある。
【0017】
円筒部21には、図2(b)に示すように、半球状に突出する突起23,23が周方向に2等配をなして設けてある。なお、突起23,23は、以下に述べる第2カバー構成体3に設けられた係合手段に係合するように、適切な軸長方向長さLになるようにしてある。
【0018】
円筒部21の一側に連設された保持部22は、円筒部21よりも小さい直径を有する円筒状である。なお、円筒部21の直径は、内部に収容されるコネクタの寸法に応じて、保持部22の直径は、電力線又は該電力線の保護チューブの径に応じて決定してある。
【0019】
第2カバー構成体3は、円筒形状を有し、一側端部にて第1カバー構成体2の円筒部21に外嵌する円筒部31と、該円筒部31の他側に連設され、コネクタの少なくとも一部を収容する収容部32と、該収容部32の円筒部31の逆側に連設され、コネクタが一端に設けられたリード線等の電力線又は該電力線の保護チューブを外嵌保持する保持部33とを備えている。なお、収容部32と保持部33との連結部は、収容部32から保持部33に向けて連続的に縮径してある。
【0020】
円筒部31の内径は、第1カバー構成体2の円筒部21の外径よりも大となるようにしてある。円筒部31の端縁には、図3(a)に示すように、その一端が円筒部31の端部に開口させてある略L字状の切欠き部34,34が周方向に2等配をなして設けてある。切欠き部34,34は、一辺が円筒部31の軸長方向に、他辺が円筒部31の端縁に離隔して周方向に沿うように形成してある。切欠き部34,34には、他の部分の幅Wよりも狭い幅Ws を有する狭窄部34a,34aが設けてある(Ws <W)。切欠き部34,34の狭窄部34a,34aの幅Ws は、突起23,23の軸長方向長さLよりも僅かに小さくなるようにしてある(Ws <L)。なお、突起23,23の軸長方向長さLは、切欠き部34,34の他の部分の幅Wよりも小さくなるようにしてある(L<W)。
【0021】
この切欠き部34,34により、第1カバー構成体2に設けられた突起23,23と係合する係合片35,35が形成してある。係合片35,35は、切欠き部34,34の狭窄部34a,34aにより形成され、軸長方向に突出する凸部35a,35aを有している。なお、切欠き部34,34は、切削加工により形成してもよいし、一体成形により形成してもよい。
【0022】
円筒部31の他側に連設された収容部32は、円筒部31よりも小さい直径を有する円筒状である。収容部32の円筒部31との逆側に連設された保持部33は、収容部31よりも小さい直径を有する円筒状である。なお、収容部32の直径は、内部に収容されるコネクタの寸法に応じて、保持部33の直径は、電力線又は該電力線の保護チューブの径に応じて決定してある。
【0023】
図4は、第1カバー構成体2と第2カバー構成体3とを固定するコネクタカバー1の固定手順の説明図である。まず、第1カバー構成体2の突起23,23と第2カバー構成体3の切欠き部34,34との周方向位置を一致させ、突起23,23が切欠き部34,34に沿って移動するように該切欠き部34,34をガイドとして、図4(a)に白抜き矢符にて示すように、第2カバー構成体3の円筒部31に、第1カバー構成体2を円筒部21の側から差し込む。
【0024】
次に、図4(b)に白抜き矢符にて示すように、突起23,23が切欠き部34,34に沿って移動するように該切欠き部34,34をガイドとして、第1カバー構成体2を第2カバー構成体3に対して相対回転させる。この相対回転により、第1カバー構成体2の突起23,23が第2カバー構成体3の切欠き部34,34の狭窄部34a,34aに達したとき、係合片35,35の凸部35a,35aと突起23,23とが当接する。このとき凸部35a,35aが突起23,23から当接面に直交する方向の力(径方向外向きの分力を含む)を受け、図4(b)に示すように、係合片35,35が当接面に直交する方向に弾性変形する。このとき、突起23,23には、逆作用として当接面に直交する逆方向の力(径方向内向きの分力を含む)が働く。
【0025】
さらに、この力に逆らって第1カバー構成体2を第2カバー構成体3に対して相対回転させる。第1カバー構成体2の突起23,23が第2カバー構成体3の切欠き部34,34の狭窄部34a,34aを通過したとき、係合片35,35の凸部35a,35aに作用していた力がなくなるから、図1に示すように、係合片35,35は自然状態に復帰して第1,第2カバー構成体2,3が一体化される。狭窄部34a,34aの通過時に係合片35,35を弾性変形させるために所定の力が必要となるから、コネクタカバー1は、第1,第2カバー構成体2,3間の係合が解除されないように固定されることになる。
【0026】
以上のように構成された実施の形態1に係るコネクタカバー1は、第1カバー構成体2の円筒部21に、第2カバー構成体3の円筒部31の側に突出する突起23,23を設け、第2カバー構成体3の円筒部31の端縁に、可撓性を有し、突起23,23に係合する係合片35,35を設けて、第1,第2カバー構成体2,3を円筒部21,31にて相対移動及び相対回転させて、突起23,23と係合片35,35との係合/係合解除をすることより第1,第2カバー構成体2,3間の係合/係合解除をするように構成してあるから、第1,第2カバー構成体2,3を相対移動及び相対回転させるという容易な動作にて、取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、内部に収容されるコネクタを鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように保護することができる。さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができる。
【0027】
また、第1,第2カバー構成体2,3を相対移動及び相対回転させて、突起23,23を略L字状の切欠き部34,34に沿って移動させ、狭窄部34a,34aの通過時に係合片35,35を弾性変形させるようにしてあるから、狭窄部34a,34aの通過時に係合片35,35を弾性変形させるために所定の力が必要となり、第1,第2カバー構成体2,3間の係合が解除されないように固定することができる。
【0028】
内側の第1カバー構成体2の円筒部21に第2カバー構成体3の円筒部31の側に突出する突起23,23を、外側の第2カバー構成体3の円筒部31に係合片35,35を設けているから、突起23,23と係合片35,35の係合状態を視認しつつ第1,第2カバー構成体2,3間の係合/係合解除をすることができ、取付け及び取外しの作業がより容易となる。
【0029】
なお、本実施の形態においては、内側の第1カバー構成体2の円筒部21に第2カバー構成体3の円筒部31の側(外側)に突出する突起23,23を、外側の第2カバー構成体3の円筒部31に係合片35,35を設けているが、これに限定されず、逆にしてもよい。即ち、内側の第1カバー構成体の円筒部に係合片を、外側の第2カバー構成体の円筒部に第1カバー構成体の円筒部の側(内側)に突出する突起を設けてもよい。この場合、コネクタカバー1の表面に凹凸がなく、外観が良好となる。また、係合手段が外部に曝されていないから、塵埃等の異物が付着せず、長期間経たのちの取外し作業も支障なく行うことができる。
【0030】
このコネクタカバー1は、例えば、天井に開口された取付孔に取付けられるダウンライト等の照明装置と電源とを接続するコネクタを保護すべく用いられる。以下、照明装置として、天井に設けられ、部屋を局所的に照明するダウンライトを例に説明する。図5は、実施の形態1に係るコネクタカバー1を備える照明装置10の外観斜視図である。図6は、照明装置10の模式的側面図であり、一部を部分断面にて示している。図7は、図6の VII−VII 線による矢視図であり、一部を部分断面にて示している。
【0031】
図において4は、アルミニウム等の金属製の放熱器である。放熱器4は、図6に示すように、略円板状の伝熱板41を有しており、伝熱板41の一面41aには、矩形板状の複数の放熱板42,42…が平行をなして立設してあり、これら複数の放熱板42,42…の略中央を通り、該複数の放熱板42,42…に直交するように連結板43が立設してある。なお、連結板43は、図7に示す如く、伝熱板41の中央部を避けるように形成してあり、伝熱板41の中央部には配線用の貫通孔41cが設けてある。
【0032】
放熱器4の伝熱板41の周縁部には、矩形板状の固定部44,44…が伝熱板41の径方向に直交するように、周方向に3等配をなして立設してある。固定部44,44…は、複数の放熱板42,42…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの固定部44が放熱板42,42…に直角をなして連設されるように配してある。
【0033】
放熱器4の伝熱板41の他面41bには、光源としての複数(図において6つ)のLEDモジュール5,5…が周方向に等配をなして取付けてある。LEDモジュール5は、矩形のセラミック(例えば、酸化アルミニウム)基板の一面の中央部に密集して実装された複数のLED素子を、蛍光体が分散された封止樹脂により封止してなる。なお、LEDモジュール5,5…と伝熱板41との間には、熱伝導シート又はグリースが介装してある。これらLEDモジュール5,5…の点灯に伴い該LEDモジュール5,5…にて発生する熱は、放熱器4の伝熱板41、放熱板42,42…及び連結板に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。
【0034】
放熱器4の伝熱板41の他面41bの側には、反射板6が設けてある。反射板6には、該反射板6を放熱器4に取付けたときにLEDモジュール5,5…に対応する位置に、LEDモジュール5,5…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部61,61…が形成してある。
【0035】
反射板6の周縁部には、略円柱状の凹部62,62…が設けてある。また、反射板6の周縁には、周壁63が立設してあり、反射板6は周壁63の端面を伝熱板41に当接させて、ネジ65,65…を反射板6の凹部62,62…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板41に設けられたネジ穴に螺合させることにより放熱器4に固定してある。LEDモジュール5,5…からの光は、この反射板6の反射部61,61…にて反射されて、LEDモジュール5,5…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになり、照明装置10の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置10から出射されることになる。
【0036】
放熱器4の伝熱板41の側には、フレーム7が設けてある。フレーム7は、円筒部71と、円筒部71の一端から直交する方向に径方向に延設された環状の鍔部72とを有してなる。円筒部71には、周方向の3カ所から鍔部72の逆側に延設された延設部71a,71a…が設けてある。
【0037】
このフレーム7は、円筒71の他端の側に反射板6を内嵌させて、延設部71a,71a…を放熱器4の固定部44,44…に当接させた状態にて、ネジ73,73…を延設部71a,71a…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器4の固定部44,44…に設けられたネジ穴に螺合させることにより放熱器4に固定してある。フレーム7の鍔部72の内面には、LEDモジュール5,5…を覆うように、円板状の樹脂製の透過板70が取付けてある。透過板70は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。
【0038】
また、放熱器4には、複数の板ばね75,75…が設けてある。板ばね75は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図6に示すようにV字状に形成してある。板ばね75の一側には、矩形板状の固定部75aが設けてあり、屈曲部75bを挟んだ板ばね75の他側には、固定部75aの側に凸状に湾曲し、板ばね75の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第1の押圧部75c及び第2の押圧部75dが連設してある。また、板ばね75の他側の端部には、第2の押圧部75dに連設された腕部の端部から該腕部に角度をなして固定部75aの逆側に折り曲げられてなる抜止部75eが設けてある。なお、抜止部75eは、板ばね75の第1の押圧部75c及び第2の押圧部75dが天井に当接しない状態において、照明装置10の落下を防止するために設けてある。
【0039】
このような板ばね75,75…は、ネジ45,45…を板ばね75,75…の固定部75a,75a…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器4の固定部44,44…に設けられたネジ穴に螺合させることにより、固定部44,44…に板ばね75,75…の固定部75a,75a…を密着させた状態にて、周方向に3等配をなして放熱器4に固定してある。
【0040】
放熱器4の外側から二枚目の放熱板42,42には、取付板77,77が夫々放熱板42,42と平行をなしてネジ78,78…により固定してある。取付板77,77の上部には、該取付板77,77に直角をなして円板79が取付けてある。この円板79は、照明装置本体10a、特に放熱板42,42…の間に埃、水滴等の異物が入り込むことを防止すべく設けてある。
【0041】
以上のように構成された照明装置10は、透過板70の側を下側にして、板ばね75,75…の抜止部75eの側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、図5中に二点鎖線にて示す天井100に設けられた取付孔100aに下側から挿入し、板ばね75,75…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、天井100に設けられた取付孔100aに板ばね75,75…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。
【0042】
この照明装置10は、LEDモジュール5,5…に、照明装置本体10aの外部に設けられた電源モジュールに設けられた電源部を介して外部電源から電力が供給されるように構成してある。
【0043】
図8は、電源モジュールの外観図であり、一部を部分断面にて示している。電源モジュール9は、直方体状の外形を有する電源カバー90と、該電源カバー90の内部に収容され、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を有してなる電源部91と、該電源部91に接続された端子台92と、該端子台92を収容し、電源カバー90の一側に外嵌される端子カバー93とを備えてなる。
【0044】
電源モジュール9の電源部91には、電力線であるリード線94,94…の一端が接続してあり、リード線94,94…の他端は、図8に示す如く、第1コネクタであるメスコネクタ81に接続してある。メスコネクタ81は、扁平な直方体形状を有し、複数(図において4つ)の凹部を有する接続端子である。リード線94,94…は、保護チューブ82により一本に纏められており、該保護チューブ82の外周面には、金属製の保護スプリング83が外嵌させてある。これらの保護チューブ82及び保護スプリング83は、鼠等の害獣によりリード線94,94…が齧られることを防止すべく設けてある。
【0045】
一方、LEDモジュール5,5…には、伝熱板41の中央部に設けられた貫通孔41cを挿通させた複数のリード線51,51…の一端が接続してあり、リード線51,51…の他端は、図7に示す如く、第2コネクタであるオスコネクタ86に接続してある。オスコネクタ86は、扁平な直方体形状を有し、メスコネクタ81の凹部に嵌合可能な凸部を有する接続端子である。オスコネクタ86側のリード線51,51…は、保護チューブ87により一本に纏められており、該保護チューブ87の外周面には、金属製の保護スプリング88が外嵌させてある。これらの保護チューブ87及び保護スプリング88は、鼠等の害獣によりリード線51,51…が齧られることを防止すべく設けてある。
【0046】
このようなメスコネクタ81及びオスコネクタ86には、本発明に係るコネクタカバー1の第1カバー構成体2及び第2カバー構成体3が夫々設けてある。第1カバー構成体2は、図8に示すように、円筒部21の側がメスコネクタ81に、保持部22の側が電源モジュール9に接続されるリード線94,94…の一端の側になるように、保護チューブ82及び保護スプリング83を内部に挿通させて、メスコネクタ81の少なくとも一部を内部に収容可能なように設けてある。なお、保護チューブ82の両端には、リード線及び保護チューブ82を結束する結束バンド84,84(所謂インシュロック)が取付けてある。これらの結束バンド84,84は、電源カバー90及び第1カバー構成体2の内部に夫々設けてあり、保護チューブ82が電源カバー90及び第1カバー構成体2から抜け出るのを防いでいる。
【0047】
第2カバー構成体3は、図7に示すように、円筒部31の側がオスコネクタ86に、保持部33の側がLEDモジュール5,5…に接続されるリード線51,51…の一端の側になるように、保護チューブ87及び保護スプリング88を内部に挿通させて、オスコネクタ86の少なくとも一部を内部に収容可能なように設けてある。なお、保護チューブ87の両端には、リード線及び保護チューブ87を結束する結束バンド89,89(所謂インシュロック)が取付けてある。オスコネクタ86の側の結束バンド89は、第2カバー構成体3の内部に収容されるように設けてあり、保護チューブ87が第2カバー構成体3から抜け出るのを防いでいる。
【0048】
電源モジュール9に接続されたメスコネクタ81とLEDモジュール5,5…に接続されたオスコネクタ86とを嵌合させる。この結果、照明装置本体10aの外部に設けられた電源部91がリード線94,94…,51,51…を介してLEDモジュール5,5…に接続されることになる。この後、前述した如く、コネクタカバー1の第1カバー構成体2の円筒部21を第2カバー構成体3の円筒部31に差し込み、係合手段である突起23,23及び係合片35,35を係合させることにより、コネクタカバー1を一体化させる。なお、第1カバー構成体2及び第2カバー構成体3は、相互に接続された状態のメスコネクタ81及びオスコネクタ86を内部に収容可能なように、適切に形成してある。
【0049】
なお、コネクタのオス、メス形状又は方式は、仕様の異なる機種では異なるものとしてあり、これにより照明装置と電源モジュールとの組み合わせを混同する虞がなくなる。特に2機種のみのラインナップの場合は、A機種照明装置の照明装置本体側のコネクタをオス形状に、電源モジュール側のコネクタをメス形状とし、B機種照明装置の照明装置本体側のコネクタをメス形状に、電源モジュール側のコネクタをオス形状とするだけでもよい。
【0050】
以上により、メスコネクタ81及びオスコネクタ86がコネクタカバー1の内部に収容されることになり、鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように、メスコネクタ81及びオスコネクタ86を保護することができ、さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができるので、これに起因した照明装置の故障、感電等の不具合および火災を防止することができる。
【0051】
また、前述した第1,第2カバー構成体2,3を相対移動及び相対回転させる作業は、片手にて可能な容易な作業であるから、上述した照明装置10のように、天井に設けられた取付孔に設置し、天井の裏側に電力線及びコネクタを設ける照明装置の場合は特に、照明装置の取付け及び取外しの作業性の向上に資する。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1に係るコネクタカバー1は、照明装置本体10aと別体に構成してあるが、コネクタカバーを照明装置本体と一体的に構成することも可能である。図9は、コネクタカバーと照明装置本体とを一体的に構成した例を示す図である。
【0053】
放熱器4の伝熱板41に立設された3枚の放熱板42,42…には、図9に示すように、円筒状の円筒部36を有する第2カバー構成体3aが一体的に設けてある。この円筒部36には、実施の形態1に係るコネクタカバー1の第2カバー構成体3と同様に、切欠き部34,34及び係合片35が設けてある。その他の構成は、図1乃至図8に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0054】
この構成において、まず、メスコネクタ81とオスコネクタ86とを接続する。次に、実施の形態1において述べたコネクタカバー1と同様に、第1カバー構成体2の円筒部21を第2カバー構成体3aの円筒部36に差し込み、係合手段である突起23,23及び係合片35,35を係合させることにより、第1カバー構成体2と第2カバー構成体3aとを一体化する。
【0055】
以上により、メスコネクタ81及びオスコネクタ86がコネクタカバーの内部に収容されることになり、鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように、メスコネクタ81及びオスコネクタ86を保護することができ、さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができるので、これに起因した照明装置の故障、感電等の不具合および火災を防止することができる。
【0056】
また、第1,第2カバー構成体2,3aを相対移動及び相対回転させる作業は、片手にて可能な容易な作業であるから、天井に設けられた取付孔に設置し、天井の裏側に電力線及びコネクタを設ける照明装置の場合は特に、照明装置の取付け及び取外しの作業性の向上に資する。
【0057】
なお、本実施の形態においては、第2カバー構成体3aの円筒部36に係合片35,35を設けているが、これに限定されず、逆にしてもよい。即ち、内側の第1カバー構成体の円筒部に係合片を、外側の第2カバー構成体の円筒部に第1カバー構成体の円筒部の側(内側)に突出する突起を設けてもよい。この場合、コネクタカバーの表面に凹凸がなく、外観が良好となる。また、係合手段が外部に曝されていないから、塵埃等の異物が付着せず、長期間経たのちの取外し作業も支障なく行うことができる。
【0058】
なお、係合片及び突起の形状は、以上の実施の形態において述べた形状に限定されず、相互に係合可能な形状であればよい。また、以上の実施の形態においては、係合片を円筒部に設けた切欠き部により形成してあるが、これに限定されず、円筒状の円筒部から突設させて形成してもよい。
【0059】
また、以上の実施の形態においては、光源として複数のLED素子が実装されてなるLEDモジュール3,3…を用いているが、これに限定されず、高輝度のLEDチップ、EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、電球等を用いてもよい。
【0060】
また、以上の実施の形態おいては、ダウンライトにコネクタカバーを用いた例について述べたが、ダウンライトに限定されず、他のタイプの照明装置、照明装置以外の電気機器にも適用可能であり、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコネクタカバーの模式的外観斜視図である。
【図2】第1カバー構成体の模式的外観図である。
【図3】第2カバー構成体の模式的外観図である。
【図4】コネクタカバーの固定手順の説明図である。
【図5】実施の形態1に係るコネクタカバーを備える照明装置の外観斜視図である。
【図6】照明装置の模式的側面図である。
【図7】図6の VII−VII 線による矢視図である。
【図8】電源モジュールの外観図である。
【図9】コネクタカバーと照明装置本体とを一体的に構成した例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 コネクタカバー
2 第1カバー構成体
21 円筒部
23 突起(係合手段)
3,3a 第2カバー構成体
31 円筒部
35 係合片(係合手段)
34 切欠き部
34a 狭窄部
81 メスコネクタ(第1コネクタ)
86 オスコネクタ(第2コネクタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に接続された第1,第2コネクタを保護すべく、該第1,第2コネクタを内部に収容するコネクタカバーにおいて、前記第1,第2コネクタ夫々の少なくとも一部を収容可能な第1,第2カバー構成体を備え、該第1,第2カバー構成体は、相互に係合する係合手段を有することを特徴とするコネクタカバー。
【請求項2】
前記係合手段は、前記第1,第2カバー構成体の一方に設けられて、他方の側に突出する突起と、該他方に設けられ、可撓性を有し、前記突起に係合する係合片とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のコネクタカバー。
【請求項3】
前記係合片は、一部に狭窄部を有し、その一端が前記一方に向けて開口した略L字状の切欠き部により形成してあり、前記突起が前記切欠き部の狭窄部を通過するときに弾性変形するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載のコネクタカバー。
【請求項4】
光源を有する照明装置本体と電源との間を接続する第1,第2コネクタを有する照明装置において、前記第1,第2コネクタを内部に収容する請求項1から3の何れか一つに記載のコネクタカバーを備えていることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−15727(P2010−15727A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172726(P2008−172726)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】