説明

コネクタシート及び携帯型電子機器

【課題】電磁波ノイズや静電気の除去に必要な導電特性を有し、簡単な取付作業で筐体の金属部と回路基板とを接地接続でき、電子機器の小型化に適応できるコネクタシート及び携帯型電子機器の提供。
【解決手段】コネクタシート1は、導電性粒子が連鎖的に配向するコネクタ部2,3の導通部5によって金属製の筐体10と回路基板8の接地接続部12に導電接続しているため、筐体10に電磁波ノイズが集まること及び静電気が帯電することを防止できる。よって電磁波ノイズや静電気による誤動作を防ぎ、電子機器9の動作信頼性、動作安定性を実現できる。またコネクタ部2,3と樹脂シート4が一体のため、樹脂シート4によって小さなコネクタ部2,3をそれぞれ単体で位置決めして取付ける必要がなく取付作業を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、携帯音楽プレーヤ、携帯情報端末機、デジタルカメラ、車載機器等の各種電子機器に備える筐体の金属部をその筐体に内蔵する基板回路に対して接地接続するコネクタシート及びそれを備える携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や携帯音楽プレーヤ等の各種電子機器では、筐体の材料として、熱可塑性硬質樹脂よりも機械的強度が高く、高級感のあるデザインを表現できる金属材を用いる例が増えてきている。特に、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽金属合金は軽量であることから、携帯型電子機器の筐体として利用されることが多い。この金属材を筐体に用いる形態には、筐体全体を金属材とする場合、筐体の一部を金属材とする場合などがある。
【0003】
このように筐体の材料として金属材を用いる場合には、筐体の金属部と筐体に内蔵する回路基板とを接地接続する必要がある。金属部はアンテナ効果によって電磁波のノイズを集めてしまうが、この電磁波ノイズが電子機器の内部に発散すると、回路基板の信号処理に悪影響を及ぼすおそれがあるためである。また操作者に帯電していた静電気が金属部を通して回路基板に放電すると、電磁波ノイズと同様に回路基板の信号処理に悪影響を及ぼすこともあるためである。
【0004】
筐体の金属部と回路基板とを接地接続するために3つの接続部材が知られている。その第1の接続部材は、スポンジ等の柔軟性を有する芯材の外周面に、導電性糸の織布又は編布からなる導電性布を筒状に巻き付けてある導電性布付きスポンジである(特許文献1)。第2の接続部材は、金属片で形成するアースばねである(特許文献2)。第3の接続部材は、銀粒子などの導電性フィラーを全体的に均一分散させた柱状の導電性シリコーンゴムである(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−4093号公報
【特許文献2】特開2003−347755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこれらの接続部材には以下のような課題がそれぞれある。第1の導電性布付きスポンジは、筐体の金属部と回路基板とで圧縮を受けて保持される。ところが導電性布付きスポンジのような小さな接続部材を所定位置に正確に取付けて、筐体の金属部と回路基板とで圧縮状態で保持させるのは困難である。また導電性布付きスポンジの導電方向は芯材に対する筒状の巻き方向であり、金属部と回路基板との圧縮方向ではない。このため前述の電磁波ノイズや静電気を除去には十分な導電特性を有するものとは言いにくい。その導電特性を改善するには、導電性布の面積を大きくすればよい。しかしこれだと電子機器の小型化に適応させることができない。即ち大きな導電性布付きスポンジが本来導電接触を必要としない回路基板の配線及び電子部品と接触するおそれがあるからである。こうした不要な導電接触を回避するには、回路基板や導電性布に絶縁テープを貼り付ければよい。しかしこれでは絶縁テープを貼り付ける煩雑な作業がさらに必要となること、導電性布付きスポンジを小型化できないこと等の不都合がある。このように第1の導電性布付きスポンジでは取付作業性、導電特性、電子機器の小型化への適合性について課題がある。
【0006】
第2のアースばねは、導電性布付きスポンジと同様に筐体の金属部と回路基板とで圧縮状態で保持される。ところがアースばねも小さな部品であるため、前述の導電性布付きスポンジと同様に取付作業が困難である。またアースばねは、金属材でなる硬質の接点部を、金属部又は回路基板の接地接続部に対して点接触させるのが通常である。このため前述の電磁波ノイズと静電気を除去するために、必ずしも十分な導電特性を有するものではない。このように第2のアースばねは取付作業性、導電特性について課題がある。
【0007】
第3の導電性シリコーンゴムもまた、筐体の金属部と回路基板とで圧縮状態で保持される。ところが導電性シリコーンゴムも小さな部品であるため、前述の導電性布付きスポンジ及びアースばねと同様に取付作業が困難である。また前述の電磁波ノイズや静電気を除去するためには抵抗値を1Ω以下と小さくすることが必要であり、このためには基材のシリコーンゴムに多量の導電性フィラーを全体的に均一分散させる必要がある。ところが多量の導電性フィラーを均一分散させるとシリコーンゴムが硬く、脆く、欠損しやすくなり、さらにコスト高となる。このため電磁波ノイズと静電気を除去するために必要な導電特性を実現するのが難しい。このように第3の導電性シリコーンゴムでは取付作業性、導電特性について課題がある。
【0008】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明の目的は、電磁波ノイズや静電気を除去するのに必要な導電特性を有し、簡単な取付作業で筐体の金属部と回路基板とを接地接続できる新しいコネクタシート及びそれを備える携帯型電子機器を提供することにある。また本発明の他の目的は電子機器の小型化に適応することができる新しいコネクタシート及びそれを備える携帯型電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
【0010】
本発明は、電子機器の筐体を構成する金属部と筐体に内蔵する回路基板の接地接続部とを電気的に接続するコネクタシートであって、金属部と対向する回路基板を被覆するように回路基板に取付ける電気絶縁性のシート部と、シート部における金属部と接地接続部との対向部位に、金属部に接触する一端と接地接続部に接触する他端とを有する導通部を、一体に設けたコネクタ部と、を備えるコネクタシートを提供する。
【0011】
本発明では、コネクタ部の導通部が筐体の金属部と回路基板の接地接続部に接触して、それらを電気的に接続する。このため金属部に電磁波ノイズが集まることを防止し、金属部から電磁波ノイズが発散することを防ぐことができる。また金属部に静電気が帯電することを防止し、金属部から静電気が放電することも防ぐことができる。
【0012】
本発明ではこのコネクタ部がシート部の一部分に設けられる。即ちシート部は筐体の金属部と対向する回路基板を部分的に又は全面的に覆うように回路基板に取付けられ、コネクタ部はこのシート部における金属部と接地接続部との対向部位に設けられる。このため本発明によれば、コネクタ部よりも大きなシート部によって取付作業を行うことができる。したがって前述の従来技術とは異なり、小さなコネクタ部だけを単体で取付ける必要がなく、取付作業を容易に行うことができる。
【0013】
またコネクタ部はシート部における金属部と接地接続部との対向部位に設けられる。したがって前述のようにシート部を回路基板に取付ければ、小さなコネクタ部を回路基板の接地接続部に対して正確に位置決めすることができる。
【0014】
さらにコネクタ部を回路基板の接地接続部に対して正確に位置決めできるので、位置ずれに対する許容性を考慮に入れて導通部及びコネクタ部を余計に大きく設計する必要がない。したがって配線や回路素子が回路基板に高密度実装される電子機器、特に携帯型電子機器への使用に好適であり、それらの機器の小型化の要請にも適応することができる。
【0015】
前記本発明は、シート部が回路基板に固定する複数の取付部を有するコネクタシートとして構成できる。シート部が1つの取付部ではなく複数の取付部で固定される。このため本発明ではシート部を正確な取付位置に位置決め可能であり、且つその取付状態を維持することができる。
【0016】
前記本発明は、コネクタ部が少なくとも2つの取付部の間にあるコネクタシートとして構成できる。少なくとも取付部と他の取付部との間にコネクタ部があることによってコネクタ部の取付位置が2つの取付部によって拘束される。このため本発明ではコネクタ部の取付位置のずれを防止可能であり、且つその取付状態を維持することができる。
【0017】
前記本発明は、シート部が回路基板に固定する少なくとも1つの取付部と、回路基板に粘着する粘着部とを有するコネクタシートとして構成できる。本発明では取付部が1つであっても粘着部が回路基板に密着するので、シート部とコネクタ部の取付位置を正確に維持することができる。
【0018】
この場合の粘着部は、シート部における回路基板との対向面に塗布した粘着剤、シート部における該対向面に貼り付けた両面粘着テープとして構成できる。またシート部そのものが粘着性を発現する添加剤を含有するものとしても構成できる。そして粘着部を厚みのある軟質の粘着層とする場合には、回路基板の回路素子、配線及びシート部と柔らかく接触してそれらを保護するクッションとして機能させることができる。
【0019】
以上の本発明における「取付部」は、具体的には、回路基板を筐体に固定するねじの挿通孔としてシート部に貫通形成することができる。これによればシート部が電気絶縁性であるため、シート部をねじの頭部を受けるワッシャ代わりに利用できる。またシート部における回路基板との対向面に突出形成した回路基板に対して係止する突起として構成することができる。この場合には回路基板にその突起が係止する孔を設ける取付構造として構成できる。これによれば突起を孔に押し込むワンタッチの取付作業で容易にコネクタシートを回路基板に取付けることができる。
【0020】
前記本発明は、回路基板の接地接続部が基板面から突出する形状であり、コネクタ部が該接地接続部に対して係止する係止凹部を有するコネクタシートとして構成できる。コネクタ部の係止凹部が突起形状の接地接続部と係止する。このため本発明では接地接続部に対するコネクタ部の取付作業を容易に行うことができる。またコネクタ部の接地接続部との位置ずれや離脱を防ぐことができ、安定した接地接続を維持することができる。
【0021】
前記本発明は、シート部が回路素子の有無に応じて高低する回路基板の高さ変化に応じて追従する可撓性を有するコネクタシートとして構成できる。シート部に可撓性があるため、本発明では回路基板の高さに回路素子の有無に応じた高さ変化があっても、その高さ変化に応じてシート部を回路基板に確実に取付けることができる。
【0022】
前記本発明は、シート部が回路素子の有無に応じて高低する回路基板の高さ変化に応じてシート部の剪断方向での開きを許容する切欠部を有するコネクタシートとして構成できる。シート部の切欠部が開くことで回路素子の有無などによる回路基板の高さ変化を吸収できる。このため本発明では回路基板の高さ変化によってシート部が無理に引き伸ばされたり変形したりすることを回避できる。よってシート部を無理なく回路基板に固定することができ、コネクタ部を正確な取付位置に取付けて、その取付状態を維持することができる。
【0023】
前記本発明は、コネクタ部がシート部を厚み方向で貫通し且つその両面からそれぞれ突出する形状のコネクタシートとして構成できる。本発明のコネクタシートを取付ける際に、シート部とコネクタ部とが平坦に連続していると、コネクタ部の安定的な導電接続を得るためには、コネクタ部だけでなくシート部に対しても圧縮荷重を加えなければならない。すると筐体と回路基板に対して広い面積で大きな反撥荷重が常に作用し、筐体又は回路基板が変形するおそれがある。しかし本発明であれば、シート部から突出するコネクタ部に荷重を加えればよい。このため少ない圧縮荷重でコネクタ部の安定的な導電接続を得ることができ、前述の変形を防止することができる。
【0024】
前記本発明は、コネクタ部がシート部を厚み方向で貫通し且つその片面で突出する形状のコネクタシートとして構成できる。本発明ではコネクタ部がシート部の片面から突出しており、コネクタ部の高さ方向における中間にシート部が介在しない。このためコネクタ部を金属部と回路基板とで安定的な導電接続を得るために圧縮させて保持した場合に、コネクタ部の側面が外方に膨出変形しやすく、安定的な導電接続を得るために加える圧縮荷重を小さくできる。よって筐体又は回路基板に作用するコネクタ部の反撥荷重を小さくすることができ、それらが変形することを防止できる。
【0025】
また本発明は、金属部を有する筐体と、筐体に内蔵する回路基板と、筐体の金属部と回路基板の接地接続部とを電気的に接続する前記本発明のコネクタシートとを備える携帯型電子機器を提供する。
【0026】
本発明によれば、コネクタシートのコネクタ部によって電磁波ノイズや静電気を確実に除去し動作信頼性を高めることができる。また、携帯型電子機器の組立工程ではシート部を介してコネクタシートを容易に取付け可能である。このため生産性を高めることができる。さらにコネクタ部を正確に位置決めして取付け可能であり、その取付状態を維持できる。このため高機能化に伴って配線や回路素子がますます高密度実装されたり、機器全体の小型化が要請されても、それに対応することができる。なお本発明の携帯型電子機器は、具体的には携帯電話機、PDA、携帯音楽プレーヤ、携帯動画プレーヤ、携帯パソコン、リモコンなど様々な携帯機器として構成できる。
【0027】
前記本発明は、コネクタ部が導通部と該導通部の外周を取り巻いて保持するゴム状弾性体でなる絶縁部とを有するコネクタシートとして構成できる。筐体の金属部と回路基板の接地接続部とでコネクタ部を圧縮させて保持すると、コネクタ部は圧縮により外向きに膨出変形する。するとコネクタ部の導通部が回路基板に高密度実装された回路素子や配線と電気的に接触するおそれがある。しかし本発明ではゴム状弾性体でなる絶縁部が導通部の外周を包囲する。このためコネクタ部の導通部が周辺の回路素子や配線と電気的に接触することを防ぐことができる。
【0028】
前記本発明は、コネクタ部の導通部が導電性粒子を連鎖的にシート部の厚み方向で磁場配向させた柱形状であるコネクタシートとして構成できる。このため良好な導電特性を有しながらも、導電性フィラーを多量に均一分散させた従来技術の導電性シリコーンゴムと比べて導電性粒子の含有量が少なく軟質の導通部を実現できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のコネクタシート及び携帯型電子機器によれば、筐体に金属部があっても、金属部に電磁波ノイズが集まることを防止し、また金属部に静電気が帯電することを防止できる。よって電磁波ノイズや静電気の影響を受け難く、その影響による誤作動の少ない電子機器を実現することができる。
【0030】
本発明のコネクタシート及び携帯型電子機器によれば、小さなコネクタ部が大きなシート部に一体化してあり、シート部を使って容易に回路基板に取付けることができる。よって取付作業性を大幅に高めることができ、電子機器の生産性を向上できる。
【0031】
本発明のコネクタシート及び携帯型電子機器によれば、コネクタ部が正確に位置決めされて取付けられ、その正確な取付状態を維持できる。よって回路基板に配線、回路素子、回路素子を固定する半田などが高密度実装されている回路基板でも、コネクタ部がそれらと接触することがない。したがって電子機器の小型化、薄型化の要請に対応でき、特に携帯電話機、携帯楽曲プレーヤなどの携帯型電子機器への利用に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成については、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0033】
第1実施形態〔図1〜図3〕
第1実施形態のコネクタシート1は、2つのコネクタ部2,3と、「シート部」としての樹脂シート4を備えている。
【0034】
第1のコネクタ部2は、シリコーンゴムなどのゴム状弾性体で形成されている。コネクタ部2は導通部5と絶縁部6を有している。このうち導通部5は、コネクタ部2の中心に位置し、磁性を有する微小の導電性粒子がコネクタ2の厚み方向(軸心に沿う高さ方向)で連鎖的に配向する円柱状に形成されている。絶縁部6は、導通部5の外周を取り巻くように筒状に形成されている。この絶縁部6の外周側面には、樹脂シート4に貫通形成した円形状の第1の透孔4aとその周辺部分(孔縁部分)が埋め込まれている。即ちコネクタ部2は樹脂シート4の透孔4aを貫通し、樹脂シート4の両面から突出するように形成されている。したがってコネクタ部2は、樹脂シート4の透孔4a及びその周辺部分との係合的な固着構造によって、脱離しないように強固に一体化している。
【0035】
第2のコネクタ部3もシリコーンゴムなどのゴム状弾性体でなり、導通部5と絶縁部6を有している。ただし導通部5は2つあり、ともに磁性を有する導電性粒子がコネクタ部3の厚み方向で連鎖的に配向する円柱状に形成されている。絶縁部6は、樹脂シート4に固着する直方体形状のベース部6aと、ベース部6aの上面及び下面から円筒形状にそれぞれ突出する突出部6bとを有している。ベース部6aの外周側面には、樹脂シート4に貫通形成した略円形状の第2の透孔4bとその周辺部分(孔縁部分)が埋め込まれている。つまり前述のコネクタ部2と同様に、樹脂シート4の透孔4bを貫通してその両面から突出しており、樹脂シート4の透孔4b及びその周辺部分と係合的な固着構造によって、脱離しないように強固に一体化されている。このベース部6aからさらに突出する突出部6bは、樹脂シート4の上面側で突出する部分と下面側で突出する部分とで軸心が一致している。したがって前述の2つの導通部5はその共通軸心に沿ってコネクタ部3を厚み方向で貫通するように形成されている。
【0036】
なおコネクタ部2,3はともに後述するように金型成形によって形成される。具体的には液状シリコーンゴムに分散している導電性粒子を金型内で磁場配向することで導電部5を形成し、その後に硬化処理を施すことでコネクタ部2,3が形成される。したがって微視的には導通部5と絶縁部6とが厳密に分離しているのではなく、導通部5の内部にも絶縁部6をなすシリコーンゴムが介在していることになる。このためコネクタ部2,3は全体として弾性変形することが可能である。そして電子機器への取付時には、圧縮荷重を加えて弾性変形させることで導電性粒子どうしの密着度が高まり良好な導電特性を発揮することができる。
【0037】
樹脂シート4は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などの絶縁性のフィルムでなる。樹脂シート4には可撓性がある。この可撓性は樹脂シート4が、回路基板8上に実装される回路素子11の有無によって生じる回路基板8の基板面と回路素子11の上面との高低差や基板面からの高さの異なる回路素子11どうしの高低差に応じて追従できるという意味での可撓性である。樹脂シート4には、前述の第1の透孔4a及び第2の透孔4bが貫通形成されているほか、さらにステンレスでなる金属ねじ7によってコネクタシート1とともに回路基板8を携帯音楽プレーヤなどの電子機器9に固定するのに利用する2つの挿通孔4cが形成されている(図3)。
【0038】
次に、第1実施形態のコネクタシート1を備える「携帯型電子機器」としての電子機器9の実施形態を説明する。電子機器9は、例えばマグネシウム合金などの金属材でなる筐体10の内部に、少なくともコネクタシート1と回路基板8とを備えている。
【0039】
コネクタシート1は、回路基板8に配置される回路素子11や配線などを覆うように回路基板8に被せて使用する。この回路基板8は、金属ねじ7を使って筐体10に取付けられる。その金属ねじ7の隣には基板回路に接続されている半田でなる接地接続部12が形成されている。具体的な取付方法は、先ずコネクタシート1の挿通孔4cと回路基板8の挿通孔8aとを整合する。こうして整合させるとコネクタシート1の導通部5の一端が基板面から突出する接地接続部12に対して位置決めされる。そして金属ねじ7をコネクタシート1の上から挿通孔4c,8aに貫入して、筐体10の内部に設けた取付突起10aの取付孔10bに螺合させる。最後に筐体10を被せれば、コネクタシート1の導通部5の他端が金属材でなる筐体10の内面と圧縮状態で接触する。これによって筐体10と回路基板8の接地接続部12とが電気的に接続される。
【0040】
ここで、本実施形態を構成するコネクタシート1の各構成部材の材質を説明する。なお以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
【0041】
コネクタ部2,3の「ゴム状弾性体」は、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ウレタンゴム等を使用できる。電気絶縁性や環境特性の観点で特に優れるシリコーンゴムを使用するのが好ましい。また、導通部5を構成する導電性粒子がゴム状弾性体の中で連鎖を形成しやすくするために、固化前は液状であるものを使用する。特に液体のときの粘度(25℃)が10Pa・s〜50Pa・sであると、成型金型内での磁場配向によって液状ゴム状弾性体中に分散する導電性粒子が移動し易くすることができ、絶縁部6には残存しないように導通部5に導電性粒子を集中させることができる。
【0042】
樹脂シート4は、ゴム状弾性体を加熱により一体成形することを考慮し、耐熱性の良い樹脂を用いた樹脂シートを使用できる。例えばPET樹脂、カプトン樹脂、ポリイミド樹脂などは寸法安定性もよく、好ましく使用できる。
【0043】
「導電性粒子」は、例えば粒子状、繊維状、細片状、細線状の磁性導電材である。具体的には、ニッケル、コバルト、鉄、フェライト、またはそれらを多く含有する合金、良電性の金、銀、白金、アルミ、銅、鉄、パラジウム、クロム等の金属類やステンレス等の合金類、樹脂、セラミック等からなる粉末や細線を磁性導電体で鍍金したもの、或いは逆に磁性導電体に良導電体の金属を鍍金したものを用いることができる。また導電性粒子の大きさは平均粒径で1μm〜200μm程度の大きさのものであれば、成形金型内に作用させる磁場中で効率よく磁力線方向に沿って連鎖状態を形成することができる。
【0044】
次にコネクタシート1の製造方法について説明する。
【0045】
先ず金型を準備する。金型はアルミニウムや銅などの非磁性体でなる上型と下型で構成される。上型と下型には、それぞれ導通部5に対応する位置に、鉄や磁石などの強磁性体でなる配向ピンが埋め込まれる。配向ピンの一端は、上型と下型のキャビティ面に露出している。
【0046】
他方樹脂フィルムを打ち抜き加工し、図3で示すような樹脂シート4を形成する。その樹脂シート4を配向ピンを埋設している前記金型にインサートし、コネクタ部2,3の材料である液状シリコーンゴムをキャビティ内に注入する。この液状シリコーンゴムには磁性を有する導電性粒子が予め混合されている。
【0047】
次に磁石を用いて金型の上下から磁場をかける。キャビティ内には配向ピンを繋ぐ平行磁場が形成され、液状シリコーンゴム中の導電性粒子が磁力線方向に数珠繋ぎ状に配列する。この配列後に上下の金型を完全に締めて加熱処理を行い、液状シリコーンゴムを硬化させると、コネクタ部2,3と樹脂シート4が一体となったコネクタシート1が一体の成形体として形成される。
【0048】
最後に、本実施形態のコネクタシート1及び電子機器9の作用・効果を説明する。
【0049】
コネクタシート1によれば、コネクタ部2,3の導通部5が筐体10と回路基板8の接地接続部12とに導電接続しているため、金属製の筐体10に電磁波ノイズが集まることを防止し、筐体10から電磁波ノイズが回路基板8に発散することを防ぐことができる。また筐体10に静電気が帯電することを防止し、筐体10から回路基板8に静電気が放電することも防ぐことができる。よって電磁波ノイズや静電気による誤動作を防止することができ、電子機器9の動作信頼性、動作安定性を実現できる。
【0050】
コネクタ部2,3がこれらよりも大きな樹脂シート4と一体であるため、樹脂シート4によってコネクタ部2,3の取付作業を行うことができる。よって従来技術とは異なり、小さなコネクタ部2,3をそれぞれ単体で位置決めして取付ける必要がなく取付作業を容易に行うことができる。
【0051】
またコネクタ部2,3を樹脂シート4における接地接続部12と筐体10との対向位置に設けているため、樹脂シート4を回路基板8に取付ければ、コネクタ部2,3を回路基板8の接地接続部12に正確に位置決めすることができる。
【0052】
樹脂シート4を2箇所の挿通孔4cで固定しているため、樹脂シート4が位置ずれせずにその取付位置を正確に維持することができる。しかも樹脂シート4はその外縁側位置で回路基板8に固定される。したがって回路基板8との固定状態で、樹脂シート4に「張り」を持たせることができる。よってコネクタ部3の位置決めを正確に行うことができ、その位置を維持することができる。特に本実施形態のコネクタ部3は金属ねじ7によって固定される2つの挿通孔4cの間に存在する。したがってコネクタ部3の位置が、樹脂シート4に「張り」のある状態で、固定箇所となる2つの挿通孔4cによって拘束されるので、特にコネクタ部3の位置ずれを防止できる。
【0053】
本実施形態では、金属ねじ7を樹脂シート4の上から挿通孔4c,8aに貫入して筐体10に固定しているため、樹脂シート4に金属ねじ7の頭部を受ける絶縁性のワッシャとしての機能も持たせることができる。よって金属ねじ7とこれに隣接する回路基板8の接地接続部12との電気的な接触を防ぐことができる。
【0054】
樹脂シート4に可撓性を有するため、回路基板8の高さに回路素子11の有無に応じた高さ変化があっても、その高さ変化に応じて確実に取付けることができる。
【0055】
コネクタ部2,3は、樹脂シート4を厚み方向で貫通しその両面からそれぞれ突出する形状のため、コネクタシート1を電子機器9に組み込み、筐体10と回路基板8とで圧縮すると、コネクタ部2,3にのみ圧縮荷重がかかる。よって少ない圧縮荷重でコネクタ部2,3の安定的な導電接続を実現でき、筐体10又は回路基板8の変形を防止することができる。
【0056】
コネクタ部2,3は導通部5の外周を取り巻く絶縁部6を有するため、筐体10と回路基板8の接地接続部12によって圧縮され外向きに膨出変形しても、コネクタ部2,3の導通部5が周辺の金属ねじ7、回路素子11、配線などと電気的に接触することを防ぐことができる。
【0057】
コネクタ部2,3の導通部5は導電性粒子を導通方向に数珠繋ぎ状に並べているため、導電性フィラーを全体的に多量に均一分散させた従来技術の導電性シリコーンゴムに比べて導電性粒子の含有量を小さくでき、軟質の導通部5が実現できる。
【0058】
第2実施形態〔図4,図5〕
第2実施形態のコネクタシート13が、第1実施形態のコネクタシート1と異なるのは、樹脂シート4の構成である。残余の構成及びその作用と効果は第1実施形態と同じである。
【0059】
樹脂シート4には、第1の透孔4aと隣接する挿通孔4cの間に切欠4dを形成してある。
【0060】
次に、第2実施形態のコネクタシート13を備える電子機器9の実施形態を説明する。電子機器9は、例えばマグネシウム合金でなる金属製の筐体10の内部に、少なくともコネクタシート13と回路基板8とを備えている。コネクタシート13はコネクタシート1と同様に、回路基板8に配置される回路素子11などを覆うように回路基板8に被せて取付けられる。回路基板8は金属ねじ7で筐体10に固定される。金属ねじ7の隣には半田でなる接地接続部12が形成されている。
【0061】
第2実施形態のコネクタシート13は、第1実施形態のコネクタシート1と同様の作用と効果を発揮できるほか、さらに次の作用・効果を発揮する。
【0062】
コネクタシート13によれば、樹脂シート4における回路基板8の基板面と接する挿通孔4cの周囲とコネクタ部2の側面に埋め込まれている透孔4aの周囲との間に生じる高低差に対して、切欠4dが剪断方向で開くことで、この高低差を吸収できる。このため、回路基板8上の高低差に対し樹脂シート4が無理に引き伸ばされたり変形したりすることを回避できる。よって樹脂シート4を無理なく回路基板8に固定することができ、コネクタ部2を正確な取付位置に取付けて、その取付状態を維持することができる。
【0063】
第3実施形態〔図6,図7〕
第3実施形態のコネクタシート14が、第2実施形態のコネクタシート13と異なるのは、コネクタ部2、樹脂シート4の構成である。残余の構成及びその作用と効果は第2実施形態と同じである。
【0064】
コネクタ部2の絶縁部6では、両端面の角部を面取りしている。即ちコネクタ部2は樹脂シート4の透孔4aを貫通し、樹脂シート4の両面から円錐台状に突出するように形成されている。
【0065】
樹脂シート4には、挿通孔4cを1つ形成し、回路基板8の対向面に粘着層15を備えている。粘着層15は、粘着剤の塗布、両面粘着テープの貼り付けなどによって形成することができる。
【0066】
次に、第3実施形態のコネクタシート14を備える電子機器9の実施形態を説明する。電子機器9は、金属製の筐体10の内部に、少なくともコネクタシート14と回路基板8とを備えている。コネクタシート14はコネクタシート13と同様に、回路基板8に配置される回路素子11などを覆うように回路基板8に被せて取付けられ、金属ねじ7の隣には半田でなる接地接続部12が形成されている。ただし本実施形態では1つの金属ねじ7で回路基板8に固定される。
【0067】
第3実施形態のコネクタシート14は、第1実施形態のコネクタシート1と第2実施形態のコネクタシート13と同様の作用と効果を発揮できるほか、さらに次の作用・効果を発揮する。
【0068】
コネクタシート14では、可撓性のある樹脂シート4の裏面に設けた粘着層15が回路基板8に対して粘着する。即ち粘着層15は回路素子11の上面、回路素子11が無い基板面、配線に対して粘着する。このため取付孔4cを1つにして使用する金属ねじ7の本数を削減しても粘着層15が回路基板8に密着するため樹脂シート4が回路基板8上でずれ難くなる。よって樹脂シート4とコネクタ部2,3の取付位置を正確に維持することができる。
【0069】
コネクタ部2の両端面の角部を面取りしているため、筐体10又は回路基板8との接触面積が小さくなり、コネクタ部2の圧縮荷重を小さくできる。よって筐体10や回路基板8に対する反撥荷重を小さくできる。
【0070】
第4実施形態〔図8,図9〕
第4実施形態のコネクタシート16が、第2実施形態のコネクタシート13と異なるのは、第1のコネクタ部2の構成である。残余の構成及びそれによる作用と効果は第2実施形態と同じである。
【0071】
第1のコネクタ2には、回路基板8の基板面から突出する「接地接続部」としてのステンレスでなるねじ17の頭部17aを覆うように係止する係止凹部2aが形成されている。導通部5の下端は係止凹部2aの底面に露出しており、したがって頭部17aと筐体10とを導通するように形成されている。絶縁部6は導通部5の外周を取り巻き、係止凹部2aの側面を形成するように筒状に形成されている。
【0072】
次に、第4実施形態のコネクタシート16を備える電子機器9の実施形態を説明する。電子機器9は、金属製の筐体10の内部に、少なくともコネクタシート16と回路基板8とを備えている。コネクタシート16はコネクタシート13と同様に、回路基板8に配置される回路素子11などを覆うように回路基板8に被せて取付けられる。回路基板8は金属ねじ7で筐体10に固定される。ただし金属ねじ7の隣には半田でなる接地接続部12のほかに、ねじ17の頭部17aでなる接地接続部12も形成されている。
【0073】
第4実施形態のコネクタシート16は、第2実施形態のコネクタシート13と同様の作用と効果を発揮するほか、さらに次の作用・効果を発揮する。
【0074】
本実施形態のコネクタシート16では、第1のコネクタ部2の係止凹部2aを突起形状のねじ17の頭部17aに被せて取付ける。このねじ17の頭部17aに対する係止がコネクタ部2を位置決めする目安となるため、コネクタ部2の取付作業を容易に行うことができる。またコネクタ2とねじ17の頭部17aとの位置ずれや離脱を防ぐことができ、安定した接地接続を維持することができる。よって落下衝撃や接触衝撃などの外力を受けやすい携帯電子機器に好適である。
【0075】
第5実施形態〔図10,図11〕
第5実施形態のコネクタシート18が、第2実施形態のコネクタシート13と異なるのは、第1のコネクタ部2及び第2のコネクタ部3の構成である。残余の構成及びそれによる作用と効果は第2実施形態と同じである。
【0076】
コネクタ部2,3は、樹脂シート4を貫通するもののその片面においてのみ突出する形状である。これらの絶縁部6における外周側面の下端には、樹脂シート4に貫通形成した円形状の第1の透孔4a又は第2の透孔4bとそれらの周辺部分が埋め込まれている。即ちコネクタ部2,3は樹脂シート4の透孔4a又は透孔4bを貫通し、樹脂シート4の片面から突出するように形成されている。したがってコネクタ部2は樹脂シート4の透孔4a及びその周辺部分と、コネクタ部3は樹脂シート4の透孔4b及びその周辺部分との固着構造によって、脱離しないように一体化している。
【0077】
次に、第5実施形態のコネクタシート18を備える電子機器9の実施形態を説明する。電子機器9は、金属製の筐体10の内部に、少なくともコネクタシート18と回路基板8とを備えている。コネクタシート18はコネクタシート13と同様に、回路基板8に配置される回路素子11などを覆うように回路基板8に被せて取付けられる。回路基板8は、金属ねじ7で筐体10に固定される。金属ねじ7の隣には半田でなる接地接続部12が形成されている。
【0078】
第5実施形態のコネクタシート18は、第2実施形態のコネクタシート13と同様の作用と効果を発揮するほか、さらに次の作用・効果を発揮する。
【0079】
本実施形態のコネクタシート18は、コネクタ部2,3が樹脂シート4の片面より突出する形状である。コネクタ部2,3を筐体10と回路基板8との間に圧縮状態で保持したときに、コネクタ部2,3の側面が外方に膨出し易い。よって圧縮荷重が小さくなり回路基板8にかかるコネクタ部2,3の反撥荷重を小さくすることができ、回路基板8の変形を防ぐことができる。
【0080】
各実施形態に共通の変形例
以下に各実施形態のコネクタシートに共通する変形例を説明する。
【0081】
第1の変形例
前述の各実施形態では「シート部」として樹脂シート4を例示したが、これをゴムシートに代えて実施することが可能である。この場合のゴムシートは、コネクタ部2,3の基材となるシリコーンゴム等のゴム状弾性体により形成することができる。具体的にはゴムシートとコネクタ部2,3とを別素材のゴム状弾性体で形成することもできるが、使用する素材数の削減や生産工程の削減という観点からは、同一素材を使用する単一の成形体として形成するのが良い。
【0082】
第2の変形例
前述の各実施形態では樹脂シート4における筐体10との対向面に何も設けていないが、樹脂シート4の面積の広さを有効活用することができる。即ち、その対向面にアルミニウムなどの金属層又はグラファイトシートを積層する形態で実施することが可能である。このように金属層を設けることで、樹脂シート4に外部からの電磁波を反射する特性を付加することができる。またグラファイトシートを設けると、樹脂シート4に電子機器9の内部から放出される電磁波を吸収する特性を付加することができる。よってさらに付加価値の高いコネクタシートを実現することができる。
【0083】
第3の変形例
前述の各実施形態ではコネクタ部2,3をシリコーンゴムで形成する例を説明したが、シリコーンゴムに代えて緩衝性を有するゴム状弾性体でなるコネクタ部2,3として実施することが可能である。このような構成のコネクタシートにすれば、電子機器9に衝撃が加わった際、コネクタ部2,3の緩衝作用によって筐体10から回路基板8へ伝わる衝撃に対して特に優れた吸収性を発揮することができる。よって落下衝撃や接触衝撃などの外力を受けやすい携帯電子機器に好適である。この場合、緩衝性を有するゴム状弾性体の材質としてはブチルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴムなどを使用できる。
【0084】
第4の変形例
前述の実施形態では回路基板8を部分的に覆う樹脂シート4の例を説明したが、回路基板8の基板面全体を覆うように樹脂シートとしてもよい。
【0085】
第5の変形例
前述の第1、第2、第4、第5実施形態では金属ねじ7によりコネクタシート1,13,16,18を二点で固定することで樹脂シート4に張りを持たせるする例を説明したが、3点以上で固定して樹脂シート4に張りを持たせるようにしてもよい。
【0086】
第6の変形例
前述の第2〜第5実施形態では、コネクタ部2と金属ねじ7を通す挿通孔4cとの間に切欠4dを設ける例を説明したが、例えば図12で示すように、コネクタ部3とこれに隣接する回路素子11との間のように近接位置で大きな高低差がある箇所に同様の切欠4dを設けるようにしてもよい(図12(A)(B))。また切欠4dを樹脂シート4の外縁から面内に向けて設ける例を説明したが、樹脂シート4の面内位置に設けるようにしてもよい(図12(C))。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1実施形態のコネクタシートを備える電子機器の説明図。
【図2】図1のSA−SA線断面図。
【図3】第1実施形態のコネクタシートに用いるシート部の説明図。
【図4】第2実施形態のコネクタシートを備える電子機器の説明図。
【図5】図4のSB−SB線断面図。
【図6】第3実施形態のコネクタシートを備える電子機器の説明図。
【図7】図6のSC−SC線断面図。
【図8】第4実施形態のコネクタシートを備える電子機器の説明図。
【図9】図8のSD−SD線断面図。
【図10】第5実施形態のコネクタシートを備える電子機器の説明図。
【図11】図10のSE−SE線断面図。
【図12】切欠の変形例を示す部分拡大図で、分図(A)は拡大平面図、分図(B)は分図(A)のSF−SF線拡大断面図、分図(C)は他の変形例の拡大平面図。
【符号の説明】
【0088】
1 コネクタシート(第1実施形態)
2 コネクタ
2a 係止凹部
3 コネクタ
4 樹脂シート
4a 透孔
4b 透孔
4c 挿通孔
4d 切欠
5 導通部
6 絶縁部
6a ベース部
6b 突出部
7 金属ねじ
8 回路基板
8a 取付孔
9 電子機器
10 筐体
11 回路素子
12 導電部
13 コネクタシート(第2実施形態)
14 コネクタシート(第3実施形態)
15 粘着層
16 コネクタシート(第4実施形態)
17 ねじ
17a 頭部
18 コネクタシート(第5実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体を構成する金属部と筐体に内蔵する回路基板の接地接続部とを電気的に接続するコネクタシートであって、
金属部と対向する回路基板を被覆するように回路基板に取付ける電気絶縁性のシート部と、
シート部における金属部と接地接続部との対向部位に、金属部に接触する一端と接地接続部に接触する他端とを有する導通部を、一体に設けたコネクタ部と、を備えるコネクタシート。
【請求項2】
シート部が回路基板に固定する複数の取付部を有する請求項1記載のコネクタシート。
【請求項3】
コネクタ部が少なくとも2つの取付部の間にある請求項2記載のコネクタシート。
【請求項4】
シート部が回路基板に固定する少なくとも1つの取付部と、回路基板に粘着する粘着部とを有する請求項1記載のコネクタシート。
【請求項5】
回路基板の接地接続部が基板面から突出する形状であり、
コネクタ部は該接地接続部に対して係止する係止凹部を有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のコネクタシート。
【請求項6】
シート部が回路素子の有無に応じて高低する回路基板の高さ変化に応じて追従する可撓性を有する請求項1〜請求項5何れか1項記載のコネクタシート。
【請求項7】
シート部が回路素子の有無に応じて高低する回路基板の高さ変化に応じてシート部の剪断方向での開きを許容する切欠部を有する請求項1〜請求項6何れか1項記載のコネクタシート。
【請求項8】
コネクタ部がシート部を厚み方向で貫通し且つその両面でそれぞれ突出する形状である請求項1〜請求項7何れか1項記載のコネクタシート。
【請求項9】
コネクタ部がシート部を厚み方向で貫通し且つその片面で突出する形状である請求項1〜請求項7何れか1項記載のコネクタシート。
【請求項10】
金属部を有する筐体と、筐体に内蔵する回路基板と、筐体の金属部と回路基板の接地接続部とを電気的に接続する請求項1〜請求項9何れか1項記載のコネクタシートとを備える携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−227111(P2007−227111A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46047(P2006−46047)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】