説明

コネクタピン及び方法

【課題】 相手方コネクタへの挿入の際のコネクタピンのゆがみ耐性を改善する。
【解決手段】 電気的コネクタ及び方法は、コネクタ14と、嵌合端20のゆがみを防止するために、コネクタ14の嵌合端20と近接している、又は接触している整合部材22とを含んでいる。コネクタ14の嵌合端20は、メス又はオスタイプであり、ポスト、チューブ、ブレード、ピン、又は他の構成をしている。整合材料でできている部材22は、例えば、エラストマー、エポキシ、又はラバータイプの材料であり、コネクタ14の嵌合端20と接触するように構成され位置付けされ、組み付け中の支持を提供し、嵌合端20のゆがみを防止している。整合部材22は、コネクタピン14を支持するために必要とされるように、四角形、くさび型、円筒形、円錐形、環形、又は他の構成をしている。整合部材22は、ゆがみをより防止するために、接着剤で嵌合端20に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府により後援された研究又は開発に関する陳述
本発明は、NASAスペースアクトアグリーメント(Space Act Agreement)第SAA-AT-07-003号に基づいて、政府の支援によりなされたものである。政府はこの発明に関し、いくつかの権利を有する。
関連出願へのクロスレファレンス
本出願は、2009年4月30日に出願された米国仮出願第61/174,316号について優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、電気的コネクタに関し、特に、端子又は端子ピンとしても知られているコネクタピンに関する。
【背景技術】
【0003】
各種構成の電気的コネクタは、例えばロボットの腕又は指のような空間が限定された環境において、盲目的な相互挿入が要求されるような状況で使用されることもあり得る。盲目的な相互挿入、又は視覚的な支援のない挿入の間、一方のコネクタのピンの、相手方コネクタのピンに対する不整列により、コネクタピンのゆがみが生じ、その結果、物理的な干渉により電気的接続がうまくいかない、ということもあり得た。このゆがみには、コネクタピンの係合端の曲がり、コネクタピンの一部のその中心軸からの曲がり、係合ピン端の潰れ、又はピン係合端のフレキシブル要素のゆがみが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタの数多くの着脱を必要とする応用においては、コネクタピンのゆがみが累積し、経年的に機能が衰え、故障が生じてしまう。いくつかの応用においては、コネクタが、障害を引き起こすような使用条件に服している場合、組立てのあとにゆがみが生じ得る。障害を引き起こすような使用条件としては、例えば、ロボットアーム又はマニピュレータの不適切な組立て、ジャッキねじを使用していない組立て、他のコネクタ保持機構による不完全な接続による組立てのような、プッシュプル又は反復動作環境における、例えば、過度の振動、物理的付加、熱応力、反復応力がある。
【0005】
コネクタピンのゆがみにより、コネクタが使用不能となり、その結果、例えば、許容できないコネクタの寿命、修理および交換費用や、動作能力の損失や、信頼性の低下や、電気的接続の気密欠如一体性等が発生することとなる。コネクタピンのゆがみを防止する現状の解決策は、すべての動作環境に対して適用可能なわけではない。例えば、コネクタハウジングに付加された整列機構、又は、二次的クリップ及びタングのような保持機構は、空間制約により、これらの機構を組み込むのに必要な、より大きなハウジングのサイズが得られないようないくつかの応用においては、採用することができない。コネクタピンと一体の、又はそれに組み込まれる、他のゆがみ防止方法は、空間が制約された応用においては、コネクタ信頼性を改善するのに有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、例えばロボットアームのような空間が制約された環境において要求されるタイプの盲目的嵌合挿入のような、相手方コネクタへの挿入の際の、コネクタピンのゆがみ耐性を改善することにより、コネクタピンの耐久性を増すことにある。相手方電気的コネクタへのアセンブリが可能なように構成され、1つ以上のコネクタピンを伴うコネクタハウジングを備える電気的コネクタが構成される。各コネクタピンは、メス又はオスタイプの嵌合端を有している。コネクタピンは、例えば、ポスト、チューブ、ブレード、ピン、又は当業者が認知している他の構成のように、各種構成が考えられる。
【0007】
例えば、エラストマー、エポキシ、又はラバータイプの材料のような整合材料でできた部材が、コネクタピン内に組み込まれており、その整合部材は、嵌合端のゆがみを防止するために、コネクタピンの嵌合端と十分に接触しており、アセンブリの間、支持するものである。その整合部材の構成は、方形、楔形、円筒形、円錐形、環状等の構成をしており、又は、コネクタピンとコネクタハウジングの特定の構成を支持するのに必要な他の構成とすることができる。整合部材は、ピンの嵌合端の内部に挿入され、アセンブリの間、嵌合端のゆがみを防止するような支持可能部材を提供している。あるいは、整合部材は、嵌合端の外側面の一部を囲い、その外側面を押圧し、アセンブリの間、ゆがみを防止している。整合部材の固定を保証するために、及び/又は、ゆがみを防止する付加的支持を提供する方法として、コネクタピンの嵌合端に整合部材を位置付けして接着するために、接着剤が使用できる。
【0008】
整合部材は、コネクタハウジングにコネクタピンを組み付ける前に、コネクタピン内に組み込んでコネクタピンアセンブリを形成できる。あるいは、整合部材は、コネクタピンが、コネクタハウジング内に組み付けられた後に、コネクタピン内に組み込むことができる。
【0009】
整合部材は、コネクタピンの嵌合端への支持を提供し、相手方コネクタピンへのアセンブリの間のコネクタピンのゆがみを防止している。更に、コネクタピンの繰返しの着脱の間におけるピンのゆがみに対する耐性を増すことにより、及び、例えばロボットアーム又はロボットフィンガーのような、例えば、誤組み付け、振動、物理的負荷、熱応力、プッシュプル応力下への晒し又は反復動作環境のような他の使用条件によるゆがみに対するピンの耐性を増すことにより、コネクタピンの耐久性を改善している。本発明は、電気的コネクタピンの改善されたコネクタピン耐久性、長いコネクタ寿命、減少した修繕維持費、減少した機器ダウン時間、及び改善した統合性の利益を提供している。
【0010】
請求項の発明は、多くの異なるタイプの電気的なコネクタピン及びコネクタハウジングの組み合わせに適用でき、また、他のコネクタ配列及び固定機構との関連で使用できる。本発明の上記特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付図面との関連で考慮すると、発明を実施するためのベストモードについての以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、コネクタの概略斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのコネクタの概略平面図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び1Bに示したコネクタのコネクタピンの端部の部分概略図である。
【図2A】図2Aは、コネクタピン内に整合材料挿入物を有するコネクタの概略斜視図である。
【図2B】図2Bは、コネクタピン内に整合材料挿入物を有する、図1Aのコネクタの概略平面図である。
【図2C】図2Cは、整合材料挿入物を有する、図2A及び2Bに示されたコネクタのコネクタピンの端部の部分概略図である。
【図3A】図3Aは、他のコネクタピンの部分断面図である。
【図3B】図3Bは、整合部材を有する、図3Aのコネクタピンの部分断面図である。
【図4A】図4Aは、ゆがみのない更に他のコネクタピンの部分断面図である。
【図4B】図4Bは、整合部材を有する、図4Aのコネクタピンの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図を参照するが、それらの図においては、同様の参照符号は、同じ又は類似の構成要素を言っている。図1Aから始めると、10として一般的に示されたコネクタアセンブリが示されている。電気的コネクタアセンブリ10は、コネクタハウジング12及びコネクタピン14を含んでいる。いくつかの図面を通して示されているコネクタピン14、及び類似のコネクタピンは、コネクタポスト、コネクタエンド、ターミナル、ターミナルエンド、ターミナルピン、ピン、ポスト、又は当業者に馴染みのある他の技術のことをいっている。コネクタピン14は、フレキシブルな部分又は部材16を含んでおり、それは、ここでは嵌合タング又は突起といっている。嵌合タング16は、コネクタ接続を確立するよう、相手方コネクタピン(図示せず)の端部に嵌合又は組み付けられる。図1B及び1Cに示すように、各コネクタピン14のそれぞれのフレキシブル部材16及びそれぞれの嵌合端20は、各コネクタピン14の相手方コネクタピン(図示せず)への適切な組み付けに要求されるように、各コネクタピン14の各軸18に対して半径方向に揃っている。
【0013】
コネクタアセンブリ10は、コネクタを使用した電気的接続が必要なあらゆる応用において、使用可能である。請求する発明を限定するものではないが例として、コネクタアセンブリ10は、ロボットに使用され、ロボットの腕又は指への電気的接続を提供する。ロボットの腕又は指のような応用においては、コネクタアセンブリ10及びコネクタピン14は、相手方コネクタへの盲目的嵌合挿入が要求される空間制限環境において、及び/又は、ジャックねじ又は保持タングのような二次的保持機器を備えないアセンブリ内に、位置付けされ得る。加えて、ロボットの腕又は指のような応用においては、コネクタアセンブリ10及びコネクタピン14は、機能提供及び調整のために繰返しの着脱が行われ、また、繰返しの周期的負荷や繰返しの動作デューティー比からのプッシュプル応力に晒され、それにより、コネクタアセンブリ10及びコネクタピン14にはゆがみ応力が課せられる。
【0014】
コネクタアセンブリ10の組立ての間、コネクタピン14のタング16の嵌合端20は、相手方コネクタの嵌合端と不整合となる可能性があり、それにより干渉状態となり、その結果、1つ以上のコネクタピン14の1つ以上のタング16に偏りやゆがみが生じる。不整合は、例えば盲目的な挿入により起こり得る。不整合となる他の要因は、例えば、ジャックねじや他の保持クリップを使用することができない空間制約環境におけるアセンブリや、又は、空間制約により、挿入前にコネクタピン14のコネクタ嵌合端20及び軸18の相手方コネクタアセンブリ内の同様パーツとの最適整合が阻害されるようなことが含まれる。
【0015】
タング16は、多くのあらゆる構成において、ゆがんだり偏ったりする可能性がある。図1Cを参照すると、コネクタピン14は、4つのタング16を含んでいる。各タング16は、その嵌合端に、組み付けの間、相手方コネクタと接触する面20を有している。図1B及び1Cに示すように、タング16及び面20は、円の周と一致するように概して向いており、その円の中心は、コネクタピン14の中心軸18と一致している。偏りのない状態では、タング16は、その円の周について均等に隔てられている。相手方コネクタと干渉したり不整合となった後、又は障害となる接触の他の原因の後は、タング16は、偏った、又はゆがんだ状態となる。偏った、又はゆがんだ状態とは、例えば、タング16が曲がって隣接するタング16と重なったりする場合である。タング16は、中心軸18から半径方向の内側又は外側に偏り、それにより面20は、ゆがみのないタング16の面20により画定される面の周とは、もはや一致しなくなる。タング16は、かなり捻じれたり捻じ曲げられたりして周方向から外れ、それにより隣りのタング16と接触してしまうようになる。半径方向と周方向の双方にずれるような他の構成もあり得、当業者には理解できるであろう。
【0016】
嵌合端20でのタング16のいくらかの偏りは、予見され、適切な組み付けでは許容される。図1Cを参照すると、コネクタピン14のタング16は、挿入の際に、相手方コネクタにより半径方向に偏り、押圧される。この偏り及び押圧が、コネクタピン材料の弾性範囲で起きると、タング16は、相手方コネクタとの接触による制約がなければ、挿入の後、半径方向に拡がって押圧前の状態に復帰する。このように、タング16の、相手方コネクタの面に対する制約された接触は、使用中、特に、コネクタピン14が、繰返しの周期的負荷や繰返しの動作デューティー比からの振動及び/又はプッシュプル応力に晒されるような使用中において、電気的接触を確立し、その電気的接触の一貫性を維持することにおいて有用である。
【0017】
コネクタピン14の1つ以上のタング16の偏りの量が重大になったとき、例えば、組み付けの試みの間の相手方コネクタとの不整合及び干渉により、又は扱い方の誤りもしくは他の損傷の結果として、1つ以上のタング16が可塑性の変形を起こしたり、永久的に偏ってしまったときは、多くの状況が結果として起こり得る。タング16のゆがみが、コネクタアセンブリ10を相手方コネクタアセンブリに組み付けることができないほどに大きくなったときには、損傷したコネクタピン14又はコネクタアセンブリ全体の交換が必要となる。このような状況は、コネクタアセンブリ10に対する再作業、修繕又は交換が必要となり、時間の浪費、生産性の低下、及びコスト増大の結果となる。
【0018】
コネクタピン14のゆがみが重大になったとき、例えば、タング16の可塑性変形及び永久的偏りが起こったとき、コネクタアセンブリ10を相手方コネクタアセンブリに組み付けることは可能である。この第2の状況のとき、得られる電気的接続は、1つ以上の回路において電気的一体性が失われ、信頼性が低下し、例えば、振動及びプッシュプル応力の状況を含むいくつかの動作状況下においては、電気的な変動に対してより敏感となる。
【0019】
電気的接続の品質試験が不合格となると、損傷コネクタピン14又はコネクタアセンブリ10の交換が必要となる。重ねて、この状況は、コネクタアセンブリ10に対する再作業、修繕又は交換が必要となり、時間の浪費、生産性の低下、及びコスト増大の結果となる。
【0020】
第3の状況においては、タング16のゆがみが、コネクタアセンブリ10を相手方コネクタアセンブリに組み付けることができないほどに、又は初期品質試験の間、電気的接続が失われるようなほどに大きくないとき、いくらかゆがんだコネクタアセンブリは、機能的応用に使用され得る。しかしながら、コネクタピン14のゆがみは、コネクタアセンブリ10が使用された後の、1つ以上の回路における電気的一体性の劣化の結果となり、又は、時間経過に渡る信頼性の低下の結果となり、例えば、電気的接続は、振動及びプッシュプル応力の状況を含むいくつかの動作状況下においては、電気的な変動に対してより敏感となる。この状況により、時間の浪費、保証費用が生じ、コネクタ10に対する再作業、修繕又は交換が必要となる。例えば、使用又はサービスの間のコネクタピンの複数回の着脱の結果として、又は、コネクタアセンブリ10の振動、熱的もしくは機械的応力による、組み付け途中のコネクタピン14に対する応力の結果として、コネクタピン14のタング16のゆがみ及び偏りは、蓄積されてしまうものである。ゆがみは、ピン14の電気的接続の一体性が崩れ、コネクタアセンブリ10が故障するまで蓄積する。
【0021】
図2Aを参照すると、26として一般的に示された、請求された発明であるコネクタアセンブリが示されている。コネクタアセンブリ26は、コネクタハウジング12と、整合部材22を含むコネクタピン24とを含んでいる。図2Bは、図2Aのコネクタ26の概略図であり、コネクタハウジング12、コネクタピン24、及び整合部材22を再度示している。図2Cは、請求発明の整合部材22を含むコネクタピン24の嵌合端の一実施形態を示す図である。各コネクタピン24のそれぞれのフレキシブル部材16及び嵌合端20は、コネクタピン24の相手方コネクタピン(図示せず)に対する適切な組み付けに必要とされるように、それぞれのコネクタピン24のそれぞれの軸28に対して半径方向に揃っており、各コネクタピン24は、整合部材22によりこの半径方向の揃った位置に支持されている。この実施形態においては、整合部材22は、コネクタピン24の中空円筒形内部に挿入された円筒形部材として構成されており、フレキシブル部材16の内側面に近接しているか、又は接触している。整合部材22の他の構成を採用することも可能であり、例えば、相手方に最適に適合するように、球形又は円錐形部材であって、コネクタピン24に近接して、又は接触して位置付けされ、組み付けのための挿入の間、コネクタピン24のフレキシブル部材16及び嵌合端20を支持してそれらのゆがみを防止している。
【0022】
整合部材22は、所望の支持的及び機能的特性を提供する整合材料、例えばエラストマー材料、プラスチック、エポキシベースの材料、ラバー又はラバーベースの材料、又は当業者に知られた類似の材料でできており、コネクタピン14の嵌合端のゆがみ及び/又は可塑性変形を防止するようになっている。整合材料の選択は、例えば、動作温度、電気的伝導性、結合特性、成形性、弾性及びデュロメータのような実施化したときの他の要求により影響される。本実施形態においては、整合部材22は、ラバーベースの材料でできている。
【0023】
なお、整合部材22は、それがフレキシブル部材16及び嵌合端20を支持するのに適した位置に保持できるように改良すべく、接着剤(図示せず)でコネクタピン24に接着されるようにしてもよい。接着剤は、例えば、整合部材22がフレキシブル部材16の内側面に接触する領域において、整合部材22の外側面とフレキシブル部材16の内側面と間に塗布される。接着剤は、また、フレキシブル部材16及び嵌合端20に対する支持を提供することに貢献し、それらのゆがみを防止する。接着剤は、例えば、シリコンもしくはエポキシタイプ、又は当業者に知られた類似の材料でできている。接着剤材料の選択は、例えば、動作温度、電気的伝導性、結合特性、弾性及び強度のような実施化したときの他の要求により影響される。本実施形態においては、シリコンRTVタイプである。
【0024】
本発明の適用は、特定のタイプのコネクタアセンブリ、コネクタハウジング、又はコネクタピンに限定されるものではない。整合部材は、各種タイプのコネクタピン、例えばメス及びオスコネクタピン、並びに中空及び中実コネクタピン、を使用するのに適するように、各種形状及び各種材料で構成できる。整合部材は、コネクタピンの、コネクタハウジングへの組み付けの前に、コネクタピンへ組み込まれてコネクタアピンセンブリを形成できる。あるいは、整合部材は、コネクタピンがコネクタハウジング内に組み付けられた後に、コネクタピン内に組み込まれてもよい。更に、整合部材は、コネクタピンがコネクタハウジング内に組み付けられた後であって、更に、修繕方法又は耐久性強化機構として、コネクタアセンブリがより大きいアセンブリに組み込まれた後に、コネクタピンに組み込まれてもよい。
【0025】
図3Aを参照して、コネクタピンは、一般的に34で示されている。コネクタピン34は、例えばブレードタイプコネクタピンのようなオスタイプであり、フレキシブル部材36と、空間32で分けられた嵌合端30とを含んでいる。コネクタピン34は、非ゆがみ状態で示されており、例えば図4Aに示された構成のコネクタピンである相手方コネクタにコネクタピン34を適切に組み付けることができるように、コネクタピン34のフレキシブル部材16及び嵌合端30は、コネクタピン34の軸38と揃っている。
【0026】
相手方メスコネクタピンへのコネクタピン34の挿入に際、例えば、図4Aに示すコネクタピン54のタング56への挿入の間、相手方コネクタピンからのコネクタピン34の繰返しの着脱の際における不適切な整列及び/又は干渉の結果、又は例えばコネクタハウジングへの組み付けの間の取扱い損傷又はゆがみにより、フレキシブル部材36は、ゆがみ、コネクタピン34の軸38から整合外れを起こす。ゆがみは、コネクタピン34が相手方メスコネクタピンに適切の挿入することができないほどに十分に大きくなり得、それにより、適切な組み付け及び適切な電気的接続の達成が阻害される。
【0027】
図3Bを参照して、コネクタピン34の他の実施形態によれば、整合部材42は、コネクタピン34のフレキシブル部材36の間の空間32内に位置付けされるように構成されており、フレキシブル部材36の内側面に近接しているか、又は接触している。整合部材42の他の構成も採用することができ、例えば、相手方に最適に適合するように、四角形、三角形、六角形、くさび型、円筒形、球形、円錐形、又は他の多角形部材であって、コネクタピン34のタング36の内側面に近接して、又は接触して位置付けされ、コネクタピン34のフレキシブル部材36及び嵌合端30を支持してそれらのゆがみ及び可塑性変形を防止している。
【0028】
図2Cに示された実施形態における整合部材22について議論したように、整合部材42は、所望の支持的及び機能的特性を呈する整合材料、例えばエラストマー材料、プラスチック、エポキシベースの材料、及びラバー又はラバーベースの材料でできている。整合部材42は、コネクタピン34の製造の間にコネクタピン34に組み込まれて、コネクタピンアセンブリ44を形成するようにしてもよい。あるいは、整合部材42は、コネクタピン34の空間32に挿入又は注入することにより、コネクタピン34が製造された後に、コネクタピン34に組み込まれてもよい。
【0029】
同様に先に議論したように、整合部材42は、それがフレキシブル部材36及び嵌合端30を支持するのに適した位置に保持できるように改良すべく、接着剤(図示せず)でコネクタピン34に接着されるようにしてもよい。接着剤は、例えば、整合部材42がフレキシブル部材36の内側面に接触する領域において、整合部材42の外側面とフレキシブル部材36の内側面と間に塗布される。接着剤は、また、フレキシブル部材36及び嵌合端30に対する支持を提供することに貢献し、それらのゆがみを防止する。接着剤は、例えば、シリコンもしくはエポキシタイプ、又は当業者に知られた類似の材料でできている。
【0030】
図4Aを参照して、コネクタピンは、一般的に54で示されている。コネクタピン54は、メスタイプであり、フレキシブル部材56と、空間52で分けられた嵌合端50とを含んでいる。コネクタピン54は、非ゆがみ状態で示されており、例えば図3Aに示された構成のコネクタピンである相手方オスコネクタにコネクタピン54を適切に組み付けることができるように、コネクタピン54のフレキシブル部材56及び嵌合端50は、コネクタピン54の軸58と揃っている。
【0031】
相手方オスコネクタピンへのコネクタピン54の挿入に際、例えば、図3Aに示すコネクタピン34のタング36への挿入の間、相手方コネクタピンからのコネクタピン54の繰返しの着脱の際における不適切な整列又は干渉の結果、又は例えばコネクタハウジングへの組み付けの間の取扱い損傷又はゆがみにより、フレキシブル部材56は、ゆがみ、コネクタピン54の軸58から整合外れを起こす。ゆがみは、メスコネクタピン54が相手方オスコネクタピンと適切に嵌合組み付けできないほどに十分に大きくなり得、それにより、適切な電気的接続の達成が阻害される。
【0032】
図4Bを参照して、整合部材62は、フレキシブル部材56の外側面に接触する概して環形状部材として構成されている。整合部材42の他の構成も採用することができ、例えば、相手方に最適に適合するように、半円リング又は概してクリップ形状であって、コネクタピン54に十分に接触して位置付けされ、コネクタピン54のフレキシブル部材56及び嵌合端50を強制して支持してそれらのゆがみ及び可塑性変形を防止している。
【0033】
図2Cに示された実施形態における整合部材22について議論したように、整合部材62は、所望の支持的及び機能的特性を呈する整合材料、例えばエラストマー材料、プラスチック、エポキシベースの材料、及びラバー又はラバーベースの材料でできている。整合部材62は、コネクタピン54の製造の間にコネクタピン54に組み込まれて、コネクタピンアセンブリ64を形成するようにしてもよい。あるいは、整合部材62は、修繕方法又は耐久性強化機構として、コネクタピン54の外側面上に組み付けることにより、コネクタピン54が製造された後に、コネクタピンに組み込まれてもよい。
【0034】
同様に先に議論したように、整合部材62は、それがフレキシブル部材56及び嵌合端50を支持するのに適した位置に保持できるように改良すべく、接着剤(図示せず)でコネクタピン54に接着されるようにしてもよい。接着剤は、例えば、整合部材62がフレキシブル部材56の外側面に接触する領域において、整合部材62の内側面とフレキシブル部材56の外側面と間に塗布される。接着剤は、また、フレキシブル部材56及び嵌合端50に対する支持を提供することに貢献し、それらのゆがみを防止する。接着剤は、例えば、シリコンもしくはエポキシタイプ、又は当業者に知られた類似の材料でできている。
【0035】
本発明を実施するためのベストモードを詳細に記述してきたが、本発明の関連技術に精通した者であれば、本発明を実施するための他の各種デザイン及び実施形態が、添付の請求の範囲内にあることが認識できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合端を有するコネクタピンと、
整合部材と、
を備える電気的コネクタであって、
前記整合部材は、前記嵌合端のゆがみを防止するために、前記コネクタピンの嵌合端と十分に接触するように構成され位置付けされていることを特徴とする電気的コネクタ。
【請求項2】
前記整合部材は、エラストマー又はエポキシベースの材料のうちの少なくとも1つから成っていることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項3】
前記整合部材は、ラバーベースの材料から成っていることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項4】
前記整合部材は、接着剤により、前記コネクタピンの嵌合端と接触するように保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項5】
前記整合部材は、四角形、三角形、六角形、多角形、くさび型、円筒形、円錐形、及び環形のうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項6】
少なくとも1つのコネクタピンと組み合わさってコネクタアセンブリを形成するコネクタハウジングを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項7】
前記コネクタピンの嵌合端は、オスタイプであることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項8】
前記コネクタピンの嵌合端は、メスタイプであることを特徴とする請求項1に記載の電気的コネクタ。
【請求項9】
コネクタハウジングと、
嵌合端を有する少なくとも1つのコネクタピンと、
少なくとも1つの整合部材と、
を備える電気的コネクタアセンブリであって、
前記少なくとも1つの整合部材は、前記嵌合端のゆがみを防止するために、前記少なくとも1つのコネクタピンの嵌合端と十分に接触するように構成され位置付けされていることを特徴とする電気的コネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの整合部材は、エラストマー、エポキシベース、ラバーベースの材料のうちの少なくとも1つから成っていることを特徴とする請求項9に記載の電気的コネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの整合部材は、接着剤により、前記コネクタピンの嵌合端と接触するように保持されていることを特徴とする請求項9に記載の電気的コネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記整合部材は、四角形、くさび型、円筒形、円錐形、及び環形のうちの1つであることを特徴とする請求項9に記載の電気的コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記コネクタピンの嵌合端は、オスタイプであることを特徴とする請求項9に記載の電気的コネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記コネクタピンの嵌合端は、メスタイプであることを特徴とする請求項9に記載の電気的コネクタアセンブリ。
【請求項15】
電気的コネクタの嵌合端のゆがみを防止する方法であって、
前記嵌合端のゆがみを防止するために、前記コネクタピンの嵌合端と十分に接触するように整合部材を構成して位置付けすることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記整合部材を位置付けすることにおいては、接着剤を使用して、前記整合部材を前記嵌合端に固定取り付けすることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記整合部材を前記嵌合端と十分に接触するように位置付けすることにおいては、前記嵌合端の中に、又は周りに、前記整合部材を挿入するか注入して、前記嵌合端を伴った前記整合部材のアセンブリを形成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記整合部材は、エラストマー、エポキシベース、及びラバーベースの材料のうちの1つにより構成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記整合部材は、四角形、三角形、六角形、多角形、くさび型、円筒形、円錐形、及び環形のうちの1つに構成されていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記電気的コネクタを修繕するステップを更に備え、そのステップにおいては、当該方法に基づいて整合部材を構成することを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2010−262927(P2010−262927A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−105602(P2010−105602)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【出願人】(506024342)オーシャニアリング・インターナショナル・インク (3)
【Fターム(参考)】