説明

コネクタ装置

【課題】コネクタ間が半嵌合状態であることを検知できるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】レバー20の嵌合開始操作位置から嵌合完了操作位置への操作によって雌コネクタ2と雄コネクタ30間に嵌合力が作用され、雄コネクタ30が嵌合開始位置から嵌合完了位置に移動されて嵌合され、この嵌合された状態でフレーム部10を取付パネル40の取付孔41に挿入して取り付けられるコネクタ装置1であって、雌コネクタ2のフレーム部10の外周面より突出しない非突出位置に位置し、押圧力によってフレーム部10の外周面より突出する突出位置に変移する半嵌合検知部13と、雄コネクタ30に設けられ、嵌合完了位置より手前の嵌合途中位置では、半嵌合検知部13を押圧して突出位置に変移させ、嵌合完了位置では半嵌合検知部13への押圧を解除して半嵌合検知部13を非突出位置とする押圧部34とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーの操作によって、双方のコネクタ間に作用する嵌合力よりも小さい力で嵌合できるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のコネクタ装置として、図12〜図14に示すものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このコネクタ装置100は、第1コネクタ101と第2コネクタ120とから構成されている。第1コネクタ101は、図12(a)に詳しく示すように、第1コネクタハウジング(図示せず)と、この第1コネクタハウジング(図示せず)に固定され、コネクタ嵌合室103aを内部に有するフレーム部103と、このフレーム部103に回転自在に支持されたレバー110とを有する。
【0004】
第1コネクタハウジング102には多数の端子(図示せず)が配置されている。フレーム部103には、一対のピン逃げ孔104が設けられている。フレーム部103の後端には、係止用フランジ部105が突設されている。フレーム部103には、外周面に突出するパネル係止部106が設けられている。パネル係止部106は、外側からの押圧力を受けると、外周面より突出しない位置まで弾性変形できるようになっている。
【0005】
レバー110は、回転支持部111を支点として、嵌合開始操作位置(図13の位置)と嵌合完了操作位置(図14の位置)の間で回転する。レバー110には、一対のカム溝112が設けられている。一対のカム溝112は、レバー110の嵌合開始操作位置では一対のピン逃げ孔104と同じ位置で開口する。
【0006】
第2コネクタ120は、図12(b)に詳しく示すように、第2コネクタハウジング121を有する。この第2コネクタハウジング121には、多数の端子(図示せず)が配置されている。第2コネクタハウジング121には、一対のカムピン122が突設されている。
【0007】
上記構成において、図13に示すように、レバー110を嵌合開始操作位置とし、第2コネクタ120を第1コネクタ101のコネクタ嵌合室103aに挿入する。すると、レバー110のカム溝112の入口部までカムピン122が挿入される。これにより、第2コネクタ120が嵌合開始位置にセットされる。
【0008】
次に、レバー110を嵌合開始操作位置から嵌合完了位置側に回転する。すると、カムピン122がカム溝112内を移動し、第2コネクタ120と第1コネクタ101間に嵌合力が作用して第2コネクタ120が第1コネクタ101のコネクタ嵌合室103aに徐々に引き込まれる。
【0009】
図14に示すように、レバー110を嵌合完了操作位置まで回転すると、第2コネクタ120が嵌合完了位置まで引き込まれ、完全嵌合状態となる。対応する端子(図示せず)同士は、嵌合完了位置では適正な接触状態となる。
【0010】
次に、このような第1コネクタ101と第2コネクタ120を嵌合したコネクタ装置100を、そのフレーム部103側より取付パネル130の取付孔131に挿入する。すると、パネル係止部106が取付孔131の周縁に突き当たり、この状態より更に挿入力を加えると、パネル係止部106が内側に弾性変形してフレーム部103の挿入が許容される。パネル係止部106が取付孔131を完全に抜けると、パネル係止部106が弾性復帰変形すると共に係止用フランジ部105が取付パネル130に突き当たる。パネル係止部106と係止用フランジ部105で取付パネル130を挟み込み、これでコネクタ装置100が取付パネル130に取り付けられる。
【0011】
この従来例では、第1コネクタ101と第2コネクタ120間を予め嵌合させ、嵌合状態のコネクタ装置100を取付パネル130の取付孔131に挿入することによって取り付けできる。従って、取付パネル130に取り付けた第1コネクタ101に対して第2コネクタ120をセットしたり、レバー110を操作したりする取付スペースを確保する必要がなく、このような取付スペースを確保できない場合にも取り付けできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−359029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記従来のコネクタ装置100では、第1コネクタ101と第2コネクタ120間が半嵌合状態でも取付パネル130に取り付けできる。取付パネル130に半嵌合状態で取り付けされると、導通不良の原因となる。導通不良の場合には、コネクタ装置100を取付パネル130より一旦取り外し、半嵌合状態を直して再度取り付ける必要があり、面倒である。そのため、第1コネクタ101と第2コネクタ120間が半嵌合状態の場合には、コネクタ装置100を取付パネル130に取り付ける前に検知できることが要望される。
【0014】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、コネクタ間が半嵌合状態であることを検知できるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1端子が配置された第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに固定され、コネクタ嵌合用ガイド部が設けられたフレーム部と、前記フレーム部に移動自在に支持されたレバーとを有する第1コネクタと、第2端子が配置された第2コネクタハウジングを有し、前記第2コネクタハウジングが前記コネクタ嵌合用ガイド部にガイドされて前記第1コネクタに嵌合可能に設けられた第2コネクタとを備え、前記レバーの嵌合開始操作位置から嵌合完了操作位置への操作によって前記第1コネクタと前記第2コネクタ間に嵌合力が作用され、前記第2コネクタが嵌合開始位置から嵌合完了位置に移動され、前記第1コネクタと前記第2コネクタ間が嵌合された状態で前記フレーム部を取付部材の取付孔に挿入して取り付けられるコネクタ装置であって、前記第1コネクタの前記フレーム部の外周面より突出しない非突出位置に位置し、押圧力によって前記フレーム部の外周面より突出する突出位置に変移する半嵌合検知部と、前記第2コネクタに設けられ、嵌合完了位置より手前の嵌合途中位置では、前記半嵌合検知部を押圧して突出位置に変移させ、嵌合完了位置では前記半嵌合検知部への押圧を解除して前記半嵌合検知部を非突出位置とする半嵌合用操作部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
前記第1コネクタに設けられ、嵌合開始操作位置に位置する前記レバーの移動を阻止するレバー仮係止位置に位置し、押圧力によって前記レバーの移動を許容するレバー仮係止解除位置に変移するレバー仮係止部と、前記第2コネクタに設けられ、嵌合開始位置にセットされた状態では、前記レバー仮係止部を押圧してレバー仮係止解除位置に変移させるレバー仮係止解除部とを備え、前記半嵌合検知部は、前記レバー仮係止部に付設されて追従して変移し、前記レバー仮係止部のレバー仮係止位置では非突出位置に位置し、前記レバー仮係止部のレバー仮係止解除位置では突出位置に位置し、前記半嵌合用操作部と前記レバー仮係止解除部は、同一の押圧部が兼用することが好ましい。
【0017】
前記レバーは、嵌合開始操作位置では、前記フレーム部と共にコネクタ嵌合用間口を構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1コネクタと第2コネクタ間が半嵌合状態の場合には、半嵌合検知部がフレーム部の外周面より突出するため、取付部材の取付孔にフレーム部を挿入する際に半嵌合検知部と取付部材が干渉してコネクタ装置を取付部材に取り付けできない。これにより、コネクタ間が半嵌合状態であることを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を示し、コネクタ装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、第1コネクタと第2コネクタの嵌合前の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、第1コネクタと第2コネクタの嵌合作業の一過程を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、第1コネクタと第2コネクタの嵌合作業の一過程を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、図5のB−B線断面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示し、第1コネクタと第2コネクタの嵌合作業の一過程を示す側面図である。
【図8】本発明の一実施形態を示し、図7のC−C線断面図である。
【図9】本発明の一実施形態を示し、第1コネクタと第2コネクタの嵌合作業の一過程を示す側面図である。
【図10】本発明の一実施形態を示し、図9のD−D線断面図である。
【図11】本発明の一実施形態を示し、(a)は半嵌合状態のコネクタ装置を車体パネルの取付孔に挿入した状態を示す断面図、(b)は適正な嵌合状態のコネクタ装置を車体パネルの取付孔に挿入した状態を示す断面図である。
【図12】従来例を示し、(a)は第1コネクタの斜視図、(b)は第2コネクタの側面図である。
【図13】従来例を示し、第1コネクタと第2コネクタが嵌合開始位置にセットされた状態を示す側面図である。
【図14】従来例を示し、第1コネクタと第2コネクタ間が嵌合された状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、コネクタ装置1は、第1コネクタである雌コネクタ2と第2コネクタである雄コネクタ30とから構成されている。
【0022】
雌コネクタ2は、第1コネクタハウジングである雌コネクタハウジング3と、この雌コネクタハウジング3に固定されたフレーム部10と、このフレーム部10に回転自在に支持されたレバー20とを有する。
【0023】
雌コネクタハウジング3には、多数の雄端子(図示せず)が整列された状態で配置されている。各雄端子には、各電線(図示せず)の端部に接続されている。
【0024】
フレーム部10の内周側には、コネクタ嵌合用ガイド部である一対のガイドレール部11が設けられている。各ガイドレール部11は、雄コネクタ30の嵌合方向に沿って配置されている。フレーム部10の内周側には、一対のレバー仮係止部12が設けられている。各レバー仮係止部12は、アーム状であり、撓み変形可能に設けられている。各レバー仮係止部12は、嵌合開始操作位置に位置するレバー20の移動を阻止するレバー仮係止位置(図8の仮想線位置)に位置し、押圧力によってレバー20の移動を許容するレバー仮係止解除位置(図8の実線位置)に変移する。
【0025】
半嵌合検知部13は、各レバー仮係止部12の先端側に付設されている。一対の半嵌合検知部13は、フレーム部10の突出用孔14に臨む位置に配置されている。一対の半嵌合検知部13は、レバー仮係止部12に追従して変移する。つまり、半嵌合検知部13は、レバー仮係止部12のレバー仮係止位置では、フレーム部10の外周面より突出しない非突出位置(図8の仮想線位置)に位置し、レバー仮係止部12のレバー仮係止解除位置では、フレーム部10の外周面より突出する突出位置(図8の実線位置)に変移する。
【0026】
フレーム部10の後端には、係止用フランジ部15が全周に亘って設けられている。フレーム部10には、外周面に突出するパネル係止部16が設けられている。パネル係止部16は、外側からの押圧力を受けると、外周面より突出しない位置まで弾性変形できるようになっている。
【0027】
レバー20は、回転支持部19を支点として、嵌合開始操作位置(図5の位置)と嵌合完了操作位置(図9の位置)の間で回転する。回転支持部19を中心としてレバー20の操作側とは反対側には、レバー仮ロック部22が設けられている。レバー仮ロック部22は、レバー仮係止部12の仮係止位置では係止されてレバー20の回転が阻止される。レバー仮ロック部22は、レバー仮係止部12の仮係止解除位置では係止されず、レバー20の回転が許容される。レバー20は、嵌合開始操作位置では、フレーム部10と一体となってコネクタ嵌合用間口Mを構成する。レバー20の内面側には、一対のカム溝21が設けられている。各カム溝21は、テーパ状の入口溝部21aと、この入口溝部21aに連通し、回転支持部19の中心からの距離が徐々に変化する曲線溝部21bとを有する。入口溝部21aは、レバー20の嵌合開始操作位置では、コネクタ嵌合用間口Mに開口する。
【0028】
雄コネクタ30は、第2コネクタハウジングである雄コネクタハウジング31を有する。この雄コネクタハウジング31には、多数の雌端子(図示せず)が配置されている。各雌端子には、各電線(図示せず)の端部に接続されている。雄コネクタハウジング31の外側面には、一対のガイド溝32が設けられている。ガイド溝32は、雄コネクタ30の嵌合方向に沿って配置されている。雄コネクタハウジング31の外側面には、一対のカムピン33が突設されている。
【0029】
雄コネクタ30の外側面には、レバー仮係止解除部と半嵌合用操作部の双方として機能する一対の押圧部34が設けられている。一対の押圧部34は、嵌合開始位置にセットされる移動過程でレバー仮係止部12を徐々に押圧し、嵌合開始位置の位置ではレバー仮係止解除位置に変移させる。又、一対の押圧部34は、嵌合開始位置から嵌合完了位置より手前の位置、つまり、嵌合途中位置では、半嵌合検知部13を押圧して突出位置に変移させ、嵌合完了位置では半嵌合検知部13への押圧を解除して半嵌合検知部13を非突出位置とする。
【0030】
次に、雌コネクタ2と雄コネクタ30の嵌合作業を説明する。図3及び図4に示すように、雄コネクタ30は、レバー20が嵌合開始操作位置にセットされる。レバー20は、レバー仮係止部12がレバー仮係止位置に位置し、これにより嵌合開始操作位置に仮係止される。
【0031】
レバー20とフレーム部10によってコネクタ嵌合間口Mが構成された雌コネクタ2に対し、そのコネクタ嵌合間口Mより雄コネクタ30を挿入する。すると、雄コネクタ30の一対のカムピン33がレバー20の各カム溝21の入口溝部21aに挿入される。一対のカムピン33をカム溝21の側面に突き当たる位置まで挿入する。これで、雄コネクタ30が嵌合開始位置にセットされる。この嵌合開始位置までの挿入過程では、図5及び図6に示すように、雄コネクタ30の押圧部34がレバー仮係止部12に干渉し、レバー仮係止部12が弾性変形によって徐々にレバー仮係止解除位置側に変移する。そして、嵌合開始位置では、レバー仮係止部12がレバー仮係止解除位置に変移する。これにより、レバー20の回転が可能となる。
【0032】
次に、図7及び図8に示すように、嵌合開始操作位置のレバー20を嵌合完了操作位置側に回転する。すると、カムピン33がカム溝21内を移動し、雄コネクタ30と雌コネクタ2間に嵌合力が作用して雄コネクタ30と雌コネクタ2間が徐々に嵌合される。この嵌合途中位置では、雄コネクタ30の押圧部34がレバー仮係止部12を押圧し続ける。そのため、嵌合途中位置では、半嵌合検知部13は突出状態に位置する。
【0033】
レバー20を嵌合完了操作位置まで回転すると、図9及び図10に示すように、雄コネクタ30と雌コネクタ2間が嵌合される。嵌合完了位置では、互いに対応する雌端子(図示せず)と雄端子(図示せず)間が適正な接触状態とされる。又、嵌合完了位置では、雄コネクタ30の押圧部34がレバー仮係止部12を乗り越え、押圧を解除する。すると、レバー仮係止部12は弾性復帰力によって非突出位置に戻る。半嵌合検知部13は、嵌合完了位置では、非突出位置に位置する。
【0034】
次に、雌コネクタ2と雄コネクタ30間が嵌合したコネクタ装置1を、そのフレーム部10及びレバー20側より取付部材である取付パネル40(図1、図11に示す)の取付孔41(図1、図11に示す)に挿入する。
【0035】
ここで、雌コネクタ2と雄コネクタ30間が嵌合完了位置まで嵌合された場合、つまり、適正な嵌合状態である場合には、パネル係止部16が取付孔41の周縁に突き当たり、この状態より更に挿入力を加えると、パネル係止部16が内側に弾性変形してフレーム部10及びレバー20の挿入が許容される。パネル係止部16が取付孔41を完全に抜けると、パネル係止部16が弾性復帰変形すると共に係止用フランジ部15が取付孔41の周辺の取付パネル40に突き当たる。パネル係止部16と係止用フランジ部15で取付パネル40を挟み込み、これでコネクタ装置1が取付パネル40に取り付けられる(図11(b)参照)。
【0036】
雌コネクタ2と雄コネクタ30間が嵌合完了位置まで嵌合されなかった場合、つまり、半嵌合状態である場合には、図11(a)に示すように、フレーム部10の外周面より半嵌合検知部13が突出するため、半嵌合検知部13と取付パネル40が干渉してコネクタ装置1を取付パネル40に取り付けできない。
【0037】
以上説明したように、雌コネクタ2と雄コネクタ30間が適正な嵌合状態では、半嵌合検知部13が非突出位置に位置し、取付パネル40の取付孔41にフレーム部10及びレバー20を挿入する際に半嵌合検知部13と取付パネル40が干渉せずにコネクタ装置1を取付部材に取り付けできる。一方、雌コネクタ2と雄コネクタ30間が半嵌合状態では、半嵌合検知部13が突出位置に位置し、取付パネル40の取付孔41にフレーム部10を挿入する際に半嵌合検知部13と取付パネル40が干渉してコネクタ装置1を取付部材に取り付けできない。これにより、コネクタ装置1の半嵌合を検知することができる。
【0038】
このように、半嵌合状態ではコネクタ装置1を取付パネル40に取り付けできないため、半嵌合状態のコネクタ装置1が取付パネル40に取り付けされるような事態を未然に防止できる。又、半嵌合状態では、半嵌合検知部13は、フレーム部10の外周面より突出するため、作業者はこれに視認することによっても半嵌合を検知できる。つまり、取付パネル40への取付作業前に半嵌合を検知できる。
【0039】
半嵌合検知部13は、レバー仮係止部12に付設され、同一の押圧部34が半嵌合用操作部とレバー仮係止解除部を兼用するよう構成されている。従って、レバー仮係止部12とレバー仮係止解除部を既に備えたコネクタ装置にあっては、別部品を追加することなく既存部品の簡単な設計変更によって半嵌合を検知できるコネクタ装置1に変更できる。
【0040】
レバー20は、嵌合開始操作位置では、フレーム部10と共にコネクタ嵌合用間口を構成する。従って、従来例にように、フレーム部10の外側に更にレバー20を配置するという二重構造にならないため、コネクタ嵌合用間口Mを有するコネクタ装置1にあって、その小型化を図ることができる。
【0041】
この実施形態では、第1コネクタは雌コネクタ2にて構成され、第2コネクタは雄コネクタ30にて形成されているが、この逆に、第1コネクタを雄コネクタ30に、第2コネクタを雌コネクタ2に形成しても良い。つまり、雌コネクタ30にフレーム部10及びレバー20が固定される。
【0042】
この実施形態では、コネクタ嵌合用ガイド部は、ガイドレール部11にて形成されているが、これに限定されるものでない。コネクタ嵌合用ガイド部は、雄コネクタ30を雌コネクタ2に嵌合する過程で雄コネクタ30をガイドできるものであれば良く、コネクタ嵌合室を有するものにあっては、コネクタ嵌合室の周壁がコネクタ嵌合用ガイド部である。
【符号の説明】
【0043】
1 コネクタ装置
2 雌コネクタ(第1コネクタ)
3 雌コネクタハウジング(第1コネクタハウジング)
10 フレーム部
11 ガイドレール部(コネクタ嵌合用ガイド部)
12 レバー仮係止部
13 半嵌合検知部
20 レバー
30 雄コネクタ(第2コネクタ)
31 雌コネクタハウジング(第2コネクタハウジング)
34 押圧部(半嵌合用操作部、レバー仮係止解除部)
40 取付パネル(取付部材)
41 取付孔
M コネクタ嵌合用間口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子が配置された第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに固定され、コネクタ嵌合用ガイド部が設けられたフレーム部と、前記フレーム部に移動自在に支持されたレバーとを有する第1コネクタと、
第2端子が配置された第2コネクタハウジングを有し、前記第2コネクタハウジングが前記コネクタ嵌合用ガイド部にガイドされて前記第1コネクタに嵌合可能に設けられた第2コネクタとを備え、
前記レバーの嵌合開始操作位置から嵌合完了操作位置への操作によって前記第1コネクタと前記第2コネクタ間に嵌合力が作用され、前記第2コネクタが嵌合開始位置から嵌合完了位置に移動され、前記第1コネクタと前記第2コネクタ間が嵌合された状態で前記フレーム部を取付部材の取付孔に挿入して取り付けられるコネクタ装置であって、
前記第1コネクタの前記フレーム部の外周面より突出しない非突出位置に位置し、押圧力によって前記フレーム部の外周面より突出する突出位置に変移する半嵌合検知部と、
前記第2コネクタに設けられ、嵌合完了位置より手前の嵌合途中位置では、前記半嵌合検知部を押圧して突出位置に変移させ、嵌合完了位置では前記半嵌合検知部への押圧を解除して前記半嵌合検知部を非突出位置とする半嵌合用操作部とを備えたことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ装置であって、
前記第1コネクタに設けられ、嵌合開始操作位置に位置する前記レバーの移動を阻止するレバー仮係止位置に位置し、押圧力によって前記レバーの移動を許容するレバー仮係止解除位置に変移するレバー仮係止部と、
前記第2コネクタに設けられ、嵌合開始位置にセットされた状態では、前記レバー仮係止部を押圧してレバー仮係止解除位置に変移させるレバー仮係止解除部とを備え、
前記半嵌合検知部は、前記レバー仮係止部に付設されて追従して変移し、前記レバー仮係止部のレバー仮係止位置では非突出位置に位置し、前記レバー仮係止部のレバー仮係止解除位置では突出位置に位置し、
前記半嵌合用操作部と前記レバー仮係止解除部は、同一の押圧部が兼用することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタ装置であって、
前記レバーは、嵌合開始操作位置では、前記フレーム部と共にコネクタ嵌合用間口を構成することを特徴とするコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−16297(P2013−16297A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147142(P2011−147142)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】