説明

コネクタ

【課題】第一インタロックコネクタがボルトや端子金具などと接触することを防止するとともに、カバーの位置決めができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタは、端子金具12が設けられた端子収容部と、カバー部材と、前記カバー部材から突出して設けられた第一インタロックコネクタ28と、端子収容部に設けられて前記第一インタロックコネクタ28と嵌合する第二インタロックコネクタ39とを備え、端子収容部がカバー部材で覆われた際に、前記第一、第二インタロックコネクタ28、39が嵌合されて端子収容部がカバー部材で覆われたことを検知して、コネクタ取付部2の電極44と端子金具12との通電を許容する。端子収容部には、端子金具12と電極44とのボルト留め室と、挿通穴16と、ボルト留め室と挿通穴16とを隔てる隔壁15と、が設けられ、かつ、挿通穴16には、第二インタロックコネクタ39が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一インタロックコネクタがボルトや端子金具などと接触することを防止するとともに、ボルト留め室を覆うカバーの位置決めができるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド電気自動車には、動力源としての三相交流モータと、電力源としてのバッテリと、前記バッテリの直流電力を三相交流電力に変換するインバータと、が搭載されている。三相交流モータとバッテリとは、インバータを介して接続されている。三相交流モータとインバータとは、電線を介して電気的に接続されている。インバータとバッテリとは、電線を介して電気的に接続されている。
【0003】
三相交流電力を三相交流モータに供給する電線は、インバータのコネクタ取付部に取り付けられるコネクタによって接続されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示されたコネクタは、端子金具と、インバータのコネクタ取付部の電極と前記端子金具とがボルト留めされるボルト留め室と、前記ボルト留め室を覆うカバーと、前記カバーから立設されたインタロック雄端子と、前記ボルト留め室から立設されたインタロック雌端子と、を備えている。
【0004】
また、特許文献1に示されたコネクタは、三相交流モータとインバータとには高電圧が印加されるため、前記ボルト留め室がカバーで覆われた際に、インタロック雄端子とインタロック雌端子とが接続されて、前記電極と前記端子金具との通電を許容している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されたコネクタは、端子金具と電極とをボルト留めする際に、ボルト留め用工具がインタロック雌端子と衝突して、該インタロック雌端子を破損する虞があった。
【0006】
このような問題に鑑みて、本願出願人は、図7に示すようなコネクタ101を提案した(特願2009−252686号)。コネクタ101は、端子金具121と、コネクタ取付部102の電極144と前記端子金具121とがボルト145でボルト留めされるボルト留め室111と、前記ボルト留め室111を覆うカバー106と、前記カバー106から立設された第一インタロック端子128と、前記ボルト留め室111に設けられ且つ前記端子金具121よりも低い位置に設けられるとともに該端子金具121同士の間に設けられた第二インタロック端子139と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−126661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した本願出願人が提案したコネクタ101は、第二インタロック端子139が、ボルト留め室111内に設けられ且つ端子金具121よりも低い位置に設けられているとともに該端子金具121同士の間に設けられているため、前記ボルト留め室111をカバー106で覆う際に、該カバー106から立設された第一インタロック端子128が、ボルト145や端子金具121と衝突したり接触したりする虞があるという問題があった。
【0009】
また、コネクタ101は、第二インタロック端子139が、ボルト留め室111の端子金具121よりも低い位置に設けられているため、前記ボルト留め室111をカバー106で覆う際に、第一インタロック端子128と第二インタロック端子139とが嵌合するまではカバー106の位置決めがなされない。このため、カバー106がズレた状態でボルト留め室111に押圧された場合には、前記ボルト留め室111の開口部の縁端部によって前記カバー106のパッキン部材が抉られる虞があるという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、第一インタロックコネクタがボルトや端子金具などと接触することを防止するとともに、ボルト留め室を覆うカバーの位置決めができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、コネクタ取付部の電極と接続される端子金具が設けられた端子収容部と、前記端子収容部を覆うカバー部材と、前記カバー部材から突出して設けられた第一インタロックコネクタと、前記端子収容部に設けられて前記第一インタロックコネクタと嵌合する第二インタロックコネクタと、を備え、前記端子収容部が前記カバー部材で覆われた際に、前記第一インタロックコネクタと前記第二インタロックコネクタとが嵌合されて前記端子収容部が前記カバー部材で覆われたことを検知して、前記コネクタ取付部の前記電極と前記端子金具との通電を許容するコネクタにおいて、前記端子収容部には、前記端子金具と前記電極とがボルト留めされるボルト留め室と、前記第一インタロックコネクタが挿通される挿通穴と、前記ボルト留め室と前記挿通穴とを隔てる隔壁と、が設けられ、かつ、前記挿通穴に対応する箇所には、前記第二インタロックコネクタが設けられていることを特徴とするコネクタである。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記隔壁が、前記挿通孔に対応する箇所と、前記ボルト留め室に対応する箇所とを開口して形成された連結壁であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、コネクタは、第二インタロックコネクタが設けられた挿通穴とボルト留め室とを隔壁によって隔てたため、第一インタロックコネクタがボルト留め室内の端子金具や該端子金具と電極とをボルト留めしたボルト等と接触したり衝突したりすることを防止できる。
【0014】
また、第一インタロックコネクタが挿通される挿通穴に第二インタロックコネクタを設けたため、前記第一インタロックコネクタが挿通穴内を挿通するとともにカバー部材の位置決めがなされる。
【0015】
このため、カバー部材がズレた状態でボルト留め室に組み付けられるのを防止して、前記ボルト留め室の開口部の縁端部でカバー部材のパッキンが抉られるのを防止する。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、コネクタは、前記隔壁が、前記挿通孔に対応する箇所と、前記ボルト留め室に対応する箇所とを開口して形成された連結壁であるため、前記連結壁に端子収容部が連結される。このため、成型時に端子収容部がヒケによって変形することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタのII−II矢視断面図である。
【図3】コネクタハウジングとカバーとを示す斜視図である。
【図4】図3に示すコネクタハウジングとカバーとのIII−III矢視断面図である。
【図5】カバーが外されたコネクタハウジングの平面図である。
【図6】本発明のコネクタの変形例を示す図である。
【図7】従来のコネクタの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、図1に示すように、インバータのコネクタ取付部2にボルト51でボルト留めされて固定されるコネクタハウジング5と、止水部材19(図4に示す)と、カバー部材6と、を備えている。
【0019】
コネクタハウジング5は、図3に示すように、電線7a〜7fが導出される導出部10と、ボルト51が挿通される挿通穴18aが開孔された複数(図示例では、4つ)の取付片18と、前記電線7が一端側に接続されるとともに前記コネクタ取付部2の電極44a〜44fが他端側に接続される端子金具12を収容した端子収容部17と、を備えている。コネクタハウジング5は、銅又は銅合金あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金などの導電性の金属から構成されている。
【0020】
導出部10は、筒状に形成されており、前記端子金具12a〜12fの電線接続部が配されている。導出部10からは、複数本(図示例では、6本)の電線7a〜7fが導出されている。電線7a〜7fは、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備えている。芯線は、複数本の銅又は銅合金あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金などの導電性の金属からなる導線が撚られて形成されている。被覆部は、前記芯線を被覆しており、ポリ塩化ビニル樹脂などの絶縁性の合成樹脂によって形成されている。なお、芯線は、一本の芯線から構成されても良い。
【0021】
取付片18は、前記コネクタハウジング5の長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ設けられている。取付片18は、前記長手方向の両端にそれぞれ複数(図示例では、2つ)設けられている。取付片18は、薄板状に形成されている。取付片18のそれぞれには、ボルト51が挿通される挿通孔18aが設けられている。
【0022】
端子収容部17は、図3および図5に示すように、両端が円弧状に形成された楕円形状に開口されて形成されている。端子収容部17には、前記端子金具12a〜12fの他端側が前記電極44a〜44fにボルト留めされるボルト留め室11a,11bと、挿通穴16と、前記ボルト留め室11a,11bと前記挿通穴17とを隔てる隔壁15と、が設けられている。端子収容部17の開口部の内周面は、後述するカバー部材6のパッキン25(図2および図4に示す)が摺接する。
【0023】
ボルト留め室11a,11bは、両端が円弧状の楕円形状に開口されて凹穴状に形成されている。ボルト留め室11a,11bは、前記端子金具12a〜12fをボルト留めしたボルト45a〜45fの頭部が、前記壁部14の上面よりも低い位置となる深さに形成されている。ボルト留め室11a,11b同士は、壁部14を介して隣り合って設けられている。ボルト留め室11aには、端子金具12a〜12cが設けられているとともに、ボルト45a〜45cの取付孔13a〜13cが互いに等間隔となるように配されている。ボルト留め室11bには、端子金具12d〜12fが設けられているとともに、ボルト45d〜45fの取付孔13d〜13fが互いに等間隔となるように配されている。
【0024】
端子金具12a〜12fは、銅又は銅合金あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金などの導電性の金属から構成された板金をプレス加工した後に、折り曲げ加工されて形成されている。端子金具12a〜12fは、一端側に前記電線7a〜7fを加締める加締片が設けられるとともに、他端側にボルト45a〜45fが挿通されて前記電極44a〜44fとボルト留めされる取付孔13a〜13fが設けられている。
【0025】
挿通穴16は、図2および図5に示すように、端子収容部17の長手方向の一端側に設けられている。挿通穴16は、該挿通穴16に連通され且つ前記コネクタ取付部2に設けられた挿通穴16aとともに、一連の挿通穴16,16aを形成している。一連の挿通穴16,16aは、四角状に開孔され、後述するカバー部材6の第一インタロックコネクタ28の外径よりも僅かに大径に形成され、該第一インタロックコネクタ28を挿通するように形成されている。
【0026】
なお、図示した本実施形態は、第一インタロックコネクタ28を長尺に形成することで、カバー部材6がコネクタハウジング5から十分に離れた位置で前記第一インタロックコネクタ28を挿通穴16に挿通させるようにしているので、第二インタロックコネクタ39をコネクタ取付部2の挿通穴16aに設けている。よって、第二インタロックコネクタ39を挿通穴16に設けても良い。即ち、第一インタロックコネクタ28を挿通穴16に挿通し、この挿通した第一インタロックコネクタ28と第二インタロックコネクタ39とを嵌合させるように、該第二インタロックコネクタ39を挿通穴16に対応する箇所に設ければ良い。
【0027】
本発明でいう、挿通穴16に対応する箇所に第二インタロックコネクタ39を設けるとは、前記挿通孔16の軸線上に第二インタロックコネクタ39を配するということである。
【0028】
第二挿通穴16aには、第二インタロックコネクタ39が設けられている。第二挿通穴16aと前記第二インタロックコネクタ39とは、互いに嵌合して固定されている。
【0029】
第二インタロックコネクタ39は、四角柱状に形成され、先端部に導電性の金属からなる第二インタロック端子の電気接触部が設けられている。第二インタロックコネクタ39は、先端側が縮小して形成されている。電気接触部は、前記コネクタ取付部2の電極44a〜44fに通電を許容するスイッチング装置の通電検知回路に接続されている。電気接触部は、後述する第一インタロックコネクタ28に設けられた第一インタロック端子29によって短絡されるように構成されている。スイッチング装置は、通電検知回路の短絡を検知して、前記コネクタ取付部2の電極44a〜44fに通電を許容する。
【0030】
隔壁15は、図3に示すように、前記挿通穴16とボルト留め室11aとの間に設けられている。隔壁15は、前記挿通孔16に対応する箇所と、前記ボルト留め室11a,11bに対応する箇所とを開口して形成された連結壁とされている。このため、連結壁に、カバー部材6が取り付けられる間口としての端子収容部17が連結されて、成型時に前記端子収容部17がヒケによって変形することが防止される。
【0031】
本発明でいう、前記挿通孔16に対応する箇所と、前記ボルト留め室11a,11bに対応する箇所とを開口して連結壁を形成したとは、端子収容部17の開口されていない箇所を連結壁とするということである。このため、挿通孔16とボルト留め室11a,11bとが必要最小限の開口となって、前記端子収容部17の強度を保つことができ、成型時の変形を防止することができる。
【0032】
隔壁15は、前記挿通穴16の穴径の二倍程度の厚さに形成されている。なお、隔壁15の厚さは、挿通穴16とボルト留め室11aとを十分に離間させ、カバー部材6がコネクタハウジング5に装着される際に、第一インタロックコネクタ28が電極44a〜44cやボルト45a〜45cに接触しない厚さであればよい。
【0033】
止水部材19は、図2および図4に示すように、前記コネクタハウジング5の下面に設けられ、前記端子収容部17の外形に沿って輪状に形成されている。止水部材19は、シリコンゴムなどのゴム弾性を有する合成ゴムから構成されている。止水部材19は、前記コネクタハウジング5の下面に形成された凹溝に装着されている。
【0034】
カバー部材6は、図3および図4に示すように、本体部26と、前記本体部26の上面に設けられた上面板22と、前記本体26の側面に設けられたパッキン25と、前記本体部26から立設された第一インタロックコネクタ28と、を備えている。
【0035】
本体部26は、前記端子収容部17の開口部の内周面に沿って摺動して嵌入される形状に形成されている。本体部26は、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの絶縁性を有する合成樹脂で構成されている。本体部26には、図示しないネジ穴と、位置決め突起26a,26aが設けられている。
【0036】
上面板22は、前記本体部26の上面に被されるとともに前記導出部10を覆い且つ該導出部10から導出された前記電線7a〜7fを覆う形状に形成されている。上面板22は、前記電線7a〜7fを覆う箇所が下方に曲げられた庇部23が設けられている。上面板22には、前記本体部26のネジ穴に螺合するネジ35と、前記本体部26の位置決め突起26a,26aが挿入される開孔部と、ボルト52が挿通される挿通穴31aが開孔された取付片31と、が設けられている。上面板22は、ステンレス鋼などの合金鋼で構成されており、プレス加工により形成されている。
【0037】
庇部23は、前記導出部10から導出されて下方に曲げられた電線7a〜7fの形状に沿って曲げられて形成されている。
【0038】
パッキン25は、シリコンゴムなどのゴム弾性を有する合成ゴムから構成されている。パッキン25は、本体部26の側面に形成された凹溝に装着されている。
【0039】
第一インタロックコネクタ28は、図3および図4に示すように、前記挿通穴16の形状に沿って四角柱状に形成されている。第一インタロックコネクタ28は、前記第二インタロックコネクタ39に嵌合する長さに形成されている。第一インタロックコネクタ28は、先端部に穴部28aが形成され、該穴部28aに第一インタロック端子29が設けられている。
【0040】
穴部28aは、前記第二インタロックコネクタ39の縮小された先端部の外形に沿って形成されている。第一インタロック端子29は、導電性の金属から構成されており、前記第二インタロックコネクタ39の前記第二インタロック端子の先端部の電気接触部に接触して、該電気接触部を短絡させる。
【0041】
次に、上述の如く構成されたコネクタ1をインバータのコネクタ取付部2に取り付ける取付方法について説明する。
【0042】
まず、図3に示すように、電線7a〜7fを加締めた端子金具12a〜12が設けられたコネクタハウジング5をコネクタ取付部2に装着し、互いに重ね合わされた端子金具12a〜12fと電極44a〜44fとをボルト45a〜45fでボルト留めする。
【0043】
次いで、カバー部材6をコネクタハウジング5の端子収容部17に向かって押圧する。このとき、カバー部材6の第一インタロックコネクタ28がコネクタハウジング5の挿通穴16に挿通され、カバー部材6とコネクタハウジング5との位置決めがなされる。さらにこのとき、四角形状に開孔された挿通穴16に四角柱形状に形成された第一インタロックコネクタ28が挿通することで、カバー部材6とコネクタハウジング5との平面方向の位置決め精度が向上する。
【0044】
次いで、第一インタロックコネクタ28が第二インタロックコネクタ39と嵌合して、前記第一インタロックコネクタ28の第一インタロック端子29と前記第二インタロックコネクタ39の第二インタロック端子の先端部の電気接触部とを接触させる。
【0045】
そして、スイッチング装置の通電検知回路が、端子収容部17がカバー部材6で覆われたことを検知し、前記電極44a〜44fへの通電が許容され、電線7a〜7fを介してモータに三相交流電力が供給される。
【0046】
なお、コネクタ1の変形例として、図6に示すように、端子収容部17の長手方向の一端側にボルト留め室11aを設け、前記端子収容部17の長手方向の他端側にボルト留め室11bを設け、前記端子収容部17の中央部に第二インタロックコネクタ39を有する挿通穴16を設け、前記挿通穴16と前記ボルト留め室11aとの間に隔壁15を設け、前記挿通穴16と前記ボルト留め室11bとの間に隔壁15を設けたものであっても良い。第一インタロックコネクタ28は、カバー部材6の中央部に設けられ且つ前記挿通穴16に対応する位置に設ける。
【0047】
このように構成されたコネクタ1は、挿通穴16とボルト留め室11a,11bとを隔壁15,15によって隔てたため、第一インタロックコネクタ28がボルト留め室11a,11b内の端子金具12a〜12fや該端子金具12a〜12fと電極44a〜44fとをボルト留めしたボルト45a〜45f等と接触したり衝突したりすることを防止できる。
【0048】
本実施形態によれば、コネクタ1は、コネクタ取付部2の電極44a〜44fと接続される端子金具12a〜12fが設けられた端子収容部17と、前記端子収容部17を覆うカバー部材6と、前記カバー部材6から突出して設けられた第一インタロックコネクタ28と、前記端子収容部17に設けられて前記第一インタロックコネクタ28と嵌合する第二インタロックコネクタ39と、を備え、前記端子収容部17が前記カバー部材6で覆われた際に、前記第一インタロックコネクタ28と前記第二インタロックコネクタ39とが嵌合されて前記端子収容部17が前記カバー部材6で覆われたことを検知して、前記コネクタ取付部2の前記電極44a〜44fと前記端子金具12a〜12fとの通電を許容する。前記端子収容部17には、前記端子金具12a〜12fと前記電極44a〜44fとがボルト留めされるボルト留め室11a,11bと、前記第一インタロックコネクタ28が挿通される挿通穴16と、前記ボルト留め室11a,11bと前記挿通穴16とを隔てる隔壁15と、が設けられ、かつ、前記挿通穴16に対応する箇所には、前記第二インタロックコネクタ39が設けられている。
【0049】
このため、コネクタ1は、第二インタロックコネクタ39が設けられた挿通穴16とボルト留め室11a,11bとを隔壁15によって隔てたため、第一インタロックコネクタ28がボルト留め室11a,11b内の端子金具12a〜12fや該端子金具12a〜12fと電極44a〜44fとをボルト留めしたボルト45a〜45f等と接触したり衝突したりすることを防止できる。
【0050】
また、第一インタロックコネクタ28が挿通される挿通穴16に第二インタロックコネクタ39を設けたため、前記第一インタロックコネクタ28が挿通穴16内を挿通するとともにカバー部材6の位置決めができる。
【0051】
このため、カバー部材6がズレた状態でボルト留め室11a,11bに組み付けられるのを防止して、前記ボルト留め室11a,11bの開口部の縁端部でカバー部材6のパッキン25が抉られるのを防止できる。
【0052】
また、本実施形態によれば、コネクタ1は、前記隔壁が、前記挿通孔に対応する箇所と、前記ボルト留め室に対応する箇所とを開口して形成された連結壁であるため、前記連結壁に端子収容部が連結される。よって、成型時に端子収容部がヒケによって変形することを防止できる。
【0053】
なお、前述した実施形態および変形例では、コネクタ1の端子収容部17のボルト留め室11a,11bが2つ設けられたものについて説明したが、ボルト留め室と挿通穴16との間に隔壁15を設けている場合には該ボルト留め室が1つ又は複数であっても良い。
【0054】
なお、前述した実施形態および変形例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 コネクタ
2 コネクタ取付部
5 コネクタハウジング
6 カバー部材
11a,11b ボルト留め室
12a〜12f 端子金具
15 隔壁
16 挿通穴
16a 第二挿通穴
17 端子収容部
28 第一インタロックコネクタ
39 第二インタロックコネクタ
44a〜44f 電極
45a〜45f ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ取付部の電極と接続される端子金具が設けられた端子収容部と、前記端子収容部を覆うカバー部材と、前記カバー部材から突出して設けられた第一インタロックコネクタと、前記端子収容部に設けられて前記第一インタロックコネクタと嵌合する第二インタロックコネクタと、を備え、前記端子収容部が前記カバー部材で覆われた際に、前記第一インタロックコネクタと前記第二インタロックコネクタとが嵌合されて前記端子収容部が前記カバー部材で覆われたことを検知して、前記コネクタ取付部の前記電極と前記端子金具との通電を許容するコネクタにおいて、
前記端子収容部には、前記端子金具と前記電極とがボルト留めされるボルト留め室と、前記第一インタロックコネクタが挿通される挿通穴と、前記ボルト留め室と前記挿通穴とを隔てる隔壁と、が設けられ、かつ、
前記挿通穴に対応する箇所には、前記第二インタロックコネクタが設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記隔壁が、前記挿通孔に対応する箇所と、前記ボルト留め室に対応する箇所とを開口して形成された連結壁であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−4446(P2013−4446A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137136(P2011−137136)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】