説明

コネクタ

【課題】簡単かつ安価な構成で端子金具に付着した異物を確実に除去できるコネクタを提供する。
【解決手段】雄コネクタハウジング11と雌コネクタハウジング31との嵌合作業を行う際に、雌コネクタハウジング11に設けられた一対の接触突部52の間を雄端子金具17のタブ部18が通過することによって、タブ部18の表面に付着した異物を除去することができる。接触突部52は、雌コネクタハウジング31の前端部に設けられた端子挿入部50に備えられているので、雌コネクタハウジング31形成の際に一体的に形成することができる。従って、簡単かつ安価な構成で雄端子金具17のタブ部18に付着した異物を、雄コネクタ10と雌コネクタ30との嵌合作業時に確実に除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに嵌合する2種類のハウジングを有するコネクタに関し、詳細には、両ハウジングに備えられた雄雌端子金具の電気的な接続を確実に行えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
雄端子金具と雌端子金具との電気的な接続を確実に行えるコネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。このコネクタは、雌端子金具が挿入される筒状の収容部を有するハウジング部と、収容部に配置され雌端子金具と嵌合するタブ部を有する雄端子金具と、タブ部が挿通可能な貫通孔とこの貫通孔の内周部に設けられタブ部の表面に付着した塵埃を除去する糸状集合体からなる除去部とを有する異物除去体とを備えている。
【0003】
異物除去体は、貫通孔にタブ部を挿通させた状態で収容部内を移動自在となるように配置されている。また、収容部内の奥部(雄端子金具が収納されているハウジング部の壁面)と異物除去体との間には、ばね等の付勢手段が配置されており、異物除去体はこの付勢手段によって収容部の先端側開口部(雌端子金具との嵌合側)に付勢されている。
【0004】
雌端子金具をコネクタに嵌合させるときは、雌端子金具を収容部の先端側開口部から挿入する。雌端子金具を収容部の奥側に押し込む際、雌端子金具の前端部が異物除去体を付勢手段の付勢力に逆らって収容部の奥側に押し込む。このとき、異物除去体の貫通孔に設けられた除去部が雄端子金具のタブ部表面を摺動することで、タブ部表面に付着している塵埃等の異物を除去できる。そして、異物除去体が収容部の奥側まで押し込まれると、雌端子金具に雄端子金具のタブ部が嵌合し、雌端子金具とコネクタとの嵌合が完了する。
【0005】
上述したように、雌端子金具とコネクタとの嵌合作業を行う際に、コネクタに備えられた異物除去体によって雄端子金具のタブ部表面が清掃されるので、タブ部が雌端子金具と嵌合したときに両者の間に塵埃等の異物が介在しこれにより電気的な接触が妨げられて導通不良となる、といった不具合を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−230017号公報(第2〜4頁、第1図〜第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したコネクタでは、塵埃を除去する除去部を備えた異物除去体を、コネクタの収容部内を移動可能となるように設け、これを付勢する付勢手段も設けているので、部品点数が増加するとともに構造が複雑となる。また、異物除去体が収容部内を傾きなく移動して雄端子金具のタブ部を変形させる虞がないよう、異物除去体を精度よく作成する必要がある。以上のことが、コネクタのコストアップの要因となっていた。
【0008】
また、異物除去体の除去部は糸状集合体で形成されているため、雌端子金具とコネクタとの嵌合作業時にタブ部から除去された塵埃が除去部に残留する虞があり、コネクタから雌端子金具を抜き取る際に、除去部に残留する塵埃が再度タブ部に付着する虞があった。
【0009】
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、簡単かつ安価な構成で端子金具に付着した異物を確実に除去できるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明のコネクタは、雄端子金具を有する雄コネクタハウジングと雌端子金具を有する雌コネクタハウジングとを備えており、雄コネクタハウジングには、雌コネクタハウジングを挿入したときに雌コネクタハウジングと嵌合可能なフード部と、雄端子金具の一部を構成しフード部に突出するように配置されて雌端子金具と嵌合するタブ部が設けられている。また、雌コネクタハウジングの前端部には、雌端子金具の配置に対応して配置された端子挿入部が設けられている。そして、端子挿入部には、タブ部の形状に対応した形状とされ、雄コネクタハウジングに雌コネクタハウジングを挿入するときにタブ部の表面と接触しながら摺動することによってタブ部の表面に付着した異物を除去する接触突部が設けられているものである。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明のコネクタによれば、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとの嵌合作業を行う際に、雌コネクタハウジングの端子挿入部に設けられた接触突部の働きによって、雄端子金具のタブ部表面に付着した異物を除去することができる。従って、簡単かつ安価な構成で雄端子金具のタブ部に付着した異物を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例における、雄コネクタの外観図であり、(A)は上面図、(B)は(A)におけるF−F断面図である。
【図2】本発明の実施例における、雌コネクタの外観図であり、(A)は上面図、(B)は(A)におけるD−D断面図、(C)は(B)におけるE部拡大図である。
【図3】本発明の実施例における、雌コネクタと雄コネクタとの嵌合作業説明図であり、(A)は嵌合前の状態断面図、(B)は嵌合途中の状態断面図、(C)は(B)におけるG部拡大図である。
【図4】本発明の実施例における、雌コネクタと雄コネクタとの嵌合完了時の状態断面図である。
【図5】本発明の他の実施例における、雌コネクタの外観図であり、(A)は断面図、(B)は(A)におけるH部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。また、以下の説明では、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく相対的なものであり、本発明のコネクタの各部が図に描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。また、前後については、コネクタの嵌合方向を前方とし、離脱方向を後方としている。
【実施例1】
【0014】
図1および図2に示すように、本発明のコネクタは雄コネクタ10と雌コネクタ30とから構成されている。雄コネクタ10は、図1に示すように、合成樹脂材により一体に形成されている雄コネクタハウジング11を有している。
【0015】
雄コネクタハウジング11は、図1(B)に示すように、後半部に雄端子金具17を収容しており、前半部は前方へ開口する角筒状のフード部12となっている。雄コネクタハウジング11の後半部には、収容する雄端子金具17の本数に応じた個数の端子収容部19が設けられており、この端子収容部19は雄コネクタハウジング11の後半部を前後方向に貫通して形成されている。端子収容部19には、雄端子金具17を弾性的に係止して端子収容部19からの抜け止めをするためのランス20が設けられている。また、図1(A)および(B)に示すように、後半部の上面からは、雄端子金具17を係止するためのリテーナ21が装着されており、上述したランス20と併せて雄端子金具17に対する二重の抜け止めを行っている。尚、雄端子金具17には、電線26が加締められて接続されている。
【0016】
フード部12には、図1(A)に示すように、上面の幅方向両端部に一対の突壁22が設けられている。突壁22は、フード部12の全長に亘って中空状に形成されている。また、図1(B)に示すように、フード部12の天井面(上面)には、突壁22の内側面真下から下方に向かって、一対のインナーリブ23がフード部12の天井面の全長に亘って設けられている。
【0017】
図1(A)に示すように、突壁22の内側空間と、インナーリブ23およびフード部12の両側面壁との間の空間は、相互に連通して一対のガイド溝24を形成している。ガイド溝24は、後述する雌コネクタハウジング31に設けられた一対のガイド壁37と嵌合可能であり、これにより雌コネクタ30を雄コネクタハウジング11のフード部12に案内する。
【0018】
図1(A)に示すように、フード部12上面における幅方向中央部でかつ開口縁から所定寸法(フード部12に雌コネクタハウジング31が嵌合した際の、後述するロックアーム32の係止突起34の位置に対応した寸法)後方の位置には、矩形状の孔である係合孔13が設けられている。係合孔13におけるフード部12の開口縁側の前縁は、図1(B)に示すように、フード部12内側から外側に向かって拡開するようなテーパーとなる傾斜面14が形成されている。
【0019】
また、フード面12天井面における係合孔13より前方部は、後述するロックアーム32の上面が当接する当て面15となっており、その前端部には所定の曲率を有する湾曲面16が形成されている。尚、図1(B)に示すように、フード部12内部には、雄端子金具17の一部を構成し、後述する雌端子金具38に嵌合する断面長方形状で厚さ寸法Tのタブ部18が突出した状態で保持されている。また、雄コネクタ10の下面には、ブラケット等の図示しない固定部に雄コネクタ10を装着する装着部25が形成されている。
【0020】
雌コネクタ30は、図2に示すように、合成樹脂材により一体に形成され、雄コネクタハウジング11のフード部12に嵌合可能な形状とされた雌コネクタハウジング31を有している。図2(B)に示すように、雌コネクタハウジング31には、雄端子金具17と同じ本数である雌端子金具38の本数に応じた個数の端子収容部39が設けられており、この端子収容部39は雌コネクタハウジング31を前後方向に貫通して形成されている。端子収容部39には、雌端子金具38を弾性的に係止して端子収容部39からの抜け止めをするためのランス40が設けられている。また、雌コネクタハウジング31の下面からは、雌端子金具38を係止するためのリテーナ41が装着されており、上述したランス40と併せて雌端子金具38に対する二重の抜け止めを行っている。尚、雌端子金具38には、電線60が加締められて接続されている。
【0021】
図2(A)に示すように、雌コネクタハウジング31上面の幅方向中央部には、雄コネクタ10と雌コネクタ30との嵌合作業完了後に両コネクタを正規嵌合状態でロックするためのロックアーム32が設けられている。ロックアーム32は、雌コネクタハウジング31の前端縁上部から連続的に形成された固定部42を基端とし、後方へ向けて前後方向に片持ち状に延出され、雌コネクタハウジング31の後端縁にほぼ至る長さを有するよう形成されている。ロックアーム32は、上下方向に撓み可能であり、固定部42には肉抜き部43が前後方向に貫通して形成されている。
【0022】
ロックアーム32の上面における長さ方向の略中央部には、係止突起34が形成されている。この係止突起34は、雄コネクタ10と雌コネクタ30とが正規嵌合状態となったときに、雄コネクタハウジング11の係合孔13に嵌ることで正規嵌合状態をロックする役割を果たす。係止突起34は、ロックアーム32の幅方向に所定寸法(係合孔13の寸法に対応した寸法)で形成され、図2(B)に示すように、係止突起34の前面側は所定の曲率を有する湾曲面35とされ、係止突起34の後面側は略垂直に切り立った面とされている。
【0023】
ロックアーム32の後端部は、ロック解除時にロックアーム32を下方へ押し下げるための操作部33となっている。また、図2(A)に示すように、雌コネクタハウジング31の上面の幅方向両端部には、一対のガイド壁37が上方に向かって垂直に立設されている。このガイド壁37は、雄コネクタハウジング11のガイド溝24と嵌合可能な形状とされており、具体的には、前後方向の長さ寸法は雌コネクタハウジング31の全長に亘った長さであり、高さ寸法はロックアーム32の係止突起34よりもやや高い寸法とされている。これら一対のガイド壁37の後端部を接続しロックアーム32の操作部33を覆うように覆い部36が設けられており、覆い部36によって、操作部33が不用意に操作されないようにしている。
【0024】
また、図2(B)に示すように、各端子収容部39の前方には、端子挿入部50が設けられている。端子挿入部50は、雄コネクタ10と雌コネクタ30とを嵌合させる際、雄端子金具17のタブ部18を雌端子金具38に案内するものであり、図2(C)に示すように、導入部51と一対の接触突部52とを有している。
【0025】
導入部51は、端子収容部39の内側から外側に向かって拡開するようなテーパーが形成されており、タブ部18がスムーズに上下の接触突部52の間に案内されるようにしている。接触突部52は、雌コネクタハウジング31に一体に設けられており、具体的には、端子挿入部50の上下面であって端子挿入部50の後方(端子収容部39側)に、所定の幅寸法(タブ部18通過時の接触抵抗が大きくならない程度の寸法、例えば、2mm)で設けられている。接触突部52の間隔寸法Sは、タブ部18の厚さ寸法Tと同じか若干小さい寸法(例えば、タブ部18の厚さ寸法Tより0.5mm小さい寸法)とされている。
【0026】
次に、図3および図4を用いて、本発明の雄コネクタ10と雌コネクタ30との嵌合作業時における各部の働きと、端子挿入部50に備えられた接触突部52による効果について説明する。雄コネクタ10と雌コネクタ30とを嵌合する場合は、図3(A)に示すように、雌コネクタハウジング31の前端部を雄コネクタハウジング11のフード部12に向けて近付ける。そして、雌コネクタハウジング31のガイド壁37を、雄コネクタハウジング11のガイド溝24に嵌合させるようにして、雌コネクタハウジング31を雄コネクタハウジング11のフード部12に挿入する。
【0027】
このとき、雌コネクタハウジング31の下面からロックアーム32の上面までの高さ寸法は、雄コネクタハウジング11のフード部12内部の高さ寸法より大きいため、嵌合開始時はロックアーム32の上面がフード部12の当て面15と干渉した緩い嵌合状態となっている。この状態で、雌コネクタハウジング31を押し込んで嵌合を進めるに従って、ロックアーム32が下方へ撓んで徐々に押し下げられる。
【0028】
上述した緩い嵌合状態から雌コネクタハウジング31を押し込んで嵌合を進めると、雌コネクタハウジング31の端子挿入部50に雄コネクタハウジング11のタブ部18が進入し、進入したタブ部18は導入部51を経て接触突部52の間へと案内される。
【0029】
この状態で雌コネクタハウジング31を押し込んでいくと、図3(B)に示すように、タブ部18が接触突部52の間に進入するが、上述したように、接触突部52の間隔寸法Sは、タブ部18の厚さ寸法Tと同じか若干小さいとされているので、図3(C)に示すように、タブ部18の表面(上下面)が接触突部52に当接した状態のままで接触突部52の間を通過していく。これにより、タブ部18の表面に付着している塵埃等の異物が、接触突部52によってタブ部18の表面から除去される。
【0030】
また、接触突部52は、雌コネクタハウジング31に一体に設けられて雌コネクタハウジング31に固定されており、両コネクタの嵌合作業の際にタブ部18が接触突部52の間に進入していくので、背景技術のコネクタのように、異物除去体が移動することに起因する雄端子金具のタブ部の変形が起こらない。
【0031】
更に、雌コネクタハウジング31を押し込んでいくと、ロックアーム32の係止突起34の湾曲面35が、雄コネクタハウジング11の湾曲面16に当たり、湾曲面35と湾曲面16とが摺動を開始する。これにより、ロックアームは更に下方へ押し下げられ、係止突起34の頂点部が当て面15に接触した時点(当て面15が係止突起34の頂点部に乗り上げた時点)で、図3(B)に示すように、ロックアーム32の撓みは最大となり、下方に最大に押し下げられた状態となる。
【0032】
上記の状態から、更に雌コネクタハウジング31を押し込むと、係止突起34が当て面15を通過して係合孔13に至り係止突起34が係合孔13に嵌った時点で、ロックアーム32が上方へ弾性復帰し、図4に示すように、雄コネクタ10と雌コネクタ30とが正規の嵌合状態となってこの正規嵌合状態がロックされる。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明のコネクタの第2の実施例について説明する。尚、本実施例では、雄コネクタの形状や、雄コネクタと雌コネクタとの嵌合作業時における各部の働き、雌コネクタに備えられた接触突部による雄端子金具のタブ部の異物除去効果については、第1の実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。第1の実施例と異なるのは、雌コネクタに設けられた端子挿入部における、接触突部の形状である。
【0034】
図5に示すように、本実施例の雌コネクタ300は、図2を用いて説明した雌コネクタ30の端子挿入部50の形状違いであるため、雌コネクタ30と共通の部分については同じ番号を付与して詳細な説明を省略する。以下の説明では、主に図5(B)を用いて、端子挿入部500の構造とその効果について説明する。
【0035】
図5(B)に示すように、各端子収容部39の前方には、端子挿入部500が設けられている。端子挿入部500は、雄コネクタ10と雌コネクタ300とを嵌合させる際、雄端子金具17のタブ部18を雌端子金具38に案内するものであり、導入部510と下側接触突部520および上側接触突部530とを有している。
【0036】
導入部510は、端子収容部39の内側から外側に向かって拡開するようなテーパーが形成されており、タブ部18がスムーズに下側接触突部520および上側接触突部530との間に案内されるようにしている。下側接触突部520と上側接触突部530との間隔寸法Sは、タブ部18の厚さ寸法Tに比べて若干小さい寸法(例えば、タブ部18の厚さ寸法Tより0.5mm小さい寸法)とされている。
【0037】
図5(B)に示すように、上側接触突部530は、端子収容部39側に突出し、上側接触突部530の上側が空間540とされている。これにより、上側接触突部530は弾性を有するようになり、上方へ撓んで押し上げられるようになっている。
【0038】
下側接触突部520と上側接触突部530との間隔寸法Sがタブ部18の厚さ寸法Tに比べて若干小さくされている場合は、下側接触突部520と上側接触突部530との間に、タブ部18が通過する際に、上側接触突部530の付勢力によってタブ部18の表面により強く下側接触突部520と上側接触突部530とが接触することとなり、タブ部18表面に付着した異物をより効果的に除去することができる。
【0039】
以上説明した実施例では、上側接触突部530を弾性変形するような形状としているが、下側接触突部520を弾性変形するような形状としてもよく、また、下側接触突部520および上側接触突部530の両方を弾性変形するような形状としてもよい。
【0040】
以上説明したように、本発明のコネクタは、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとの嵌合作業を行う際に、雌コネクタハウジングに設けられた接触突部の働きによって、雄端子金具のタブ部表面に付着した異物を除去することができる。接触突部は雌コネクタハウジングの前端部に設けられた端子挿入部に備えられているので、雌コネクタハウジング形成の際に一体的に形成することができる。また、接触突部は雌コネクタハウジングの前端部に固定されているので、接触突部を雄端子金具のタブ部が通過する際にタブ部を変形させる虞を低減することができる。従って、簡単かつ安価な構成で雄端子金具のタブ部に付着した異物を確実に除去することができる。
【0041】
尚、本発明に係る実施例では、タブ部が断面長方形状であり、これに対応して接触突起がタブ部の上下表面に接触するような形状および配置となっている場合について説明したが、これに限るものではなく、タブ部の断面形状が別形状で接触突起の形状や配置もタブ部の断面形状に対応したものであればよく、例えば、タブ部が断面円形状である場合は、これに対応して接触突起はタブ部の全周に接触するような形状および配置とすればよい。
【符号の説明】
【0042】
10 雄コネクタ
11 雄コネクタハウジング
12 フード部
13 係合孔
14 傾斜面
15 当て面
16 湾曲面
17 雄端子金具
18 タブ部
19 端子収容部
22 突壁
23 インナーリブ
24 ガイド溝
30 雌コネクタ
31 雌コネクタハウジング
32 ロックアーム
33 操作部
34 係止突起
35 湾曲面
36 覆い部
37 ガイド壁
38 雌端子金具
39 端子収容部
50 端子挿入部
51 導入部
52 接触突部
300 雌コネクタ
310 雌コネクタハウジング
500 端子挿入部
510 導入部
520 下側接触突部
530 上側接触突部
540 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄端子金具を有する雄コネクタハウジングと雌端子金具を有する雌コネクタハウジングとを備え、
前記雄コネクタハウジングには、前記雌コネクタハウジングを挿入したときに同雌コネクタハウジングと嵌合可能なフード部と、前記雄端子金具の一部を構成し前記フード部に突出するように配置されて前記雌端子金具と嵌合するタブ部が設けられ、
前記雌コネクタハウジングの前端部には、前記雌端子金具の配置に対応して配置された端子挿入部が設けられ、
前記端子挿入部には、前記タブ部の形状に対応した形状とされ、前記雄コネクタハウジングに前記雌コネクタハウジングを挿入するときに前記タブ部の表面と接触しながら摺動することによって、同タブ部の表面に付着した異物を除去する接触突部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記接触突部は、前記タブ部の挿入に伴って変形する形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−93128(P2013−93128A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232924(P2011−232924)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】