説明

コラムシフトスイッチ装置

【課題】シフトの切換え機構とエンジンの始動・停止機構を一体化した、コラムシフトスイッチ装置を提供する。
【解決手段】認証部15によってリモコンキー4のIDが認証された後、運転者が図4(a)の矢印C方向にレバー20を回転させると、IGスイッチ24からECU16を介して駆動部17に始動・停止信号S8が送信され、エンジン17aが始動する。また、レバー20を回転させたまま、矢印A又はB方向に変位させることで、シフトアップスイッチ22又はシフトダウンスイッチ23がオンし、シフトアップ信号S4又は、シフトダウン信号S5がECU16に送信され、シフトアップ信号S4又は、シフトダウン信号S5に基づいたシフト切換信号S6が、駆動部17に送信され、駆動部17は、シフト切換信号S6に基づいて自動変速装置17bを切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラムシフトスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両に搭載された自動変速機をパーキング状態、リバース状態、ニュートラル状態及びドライブ状態等の各状態に切換えるセレクトレバーと、このセレクトレバーを回動可能に支持するセレクト本体と、セレクト本体に設けられ、キーシリンダのシリンダ側ロックリンクに連結し、セレクトレバーのプル操作に連動するキーロックリンクとを備えたコラムシフト装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このコラムシフト装置によると、セレクトレバーが、自動変速機をパーキング状態にするパーキング位置にセレクトされていなければ、イグニッションキーをキーシリンダから抜くことが出来ず、また、イグニッションキーが、オンのとき、ブレーキペダルを踏まなければ、セレクトレバーをパーキング位置からセレクト操作することが出来ない。
【特許文献1】特開平11−115528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のコラムシフト装置は、自動変速機を切換える機構とエンジンを始動させる機構とが、別々であるので、装置が大型化し、部品点数が増える傾向にあった。
【0005】
従って、本発明の目的は、シフトの切換え機構とエンジンの始動・停止機構を、エンジンの始動及び停止とシフトの安全性を損なうこと無く一体化することで小型化及び簡素化し、また、直感的に操作することを可能とするコラムシフトスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、本体に対して回転可能に配置された回転部を有し、前記回転部を所定の方向に回転させることによって車両のエンジンの始動及び停止を指示する始動・停止信号を出力するIGスイッチと、端部が、前記IGスイッチの前記回転部と接続するシャフト部と、前記シャフト部の他の端部に設けられ、前記シャフト部と共に回転するレバーと、前記シャフト部の所定の位置において、前記シャフト部を挟んで対向するように設けられた第1及び第2のスイッチ部とを備え、前記レバーは、前記所定の方向に回転して前記エンジンを始動させたのち、前記所定の方向に回転した状態で、前記第1及び第2のスイッチ部がオンする方向に変位可能であることを特徴とするコラムシフトスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
このような構成によれば、装置を小型化及び簡素化し、また、直感的に操作することを可能とするコラムシフトスイッチ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明のコラムシフトスイッチ装置の第1の実施の形態を図面を参考にして詳細に説明していく。
【0009】
[第1の実施の形態]
(車両1の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両内部の概略図である。車両1は、後述するコラムシフトスイッチ装置2と、後述するECU(Electronic Control Unit)、及び、駆動部及び自動変速装置を搭載した本体10と、駆動部に接続し、運転者の操作に基づいて車両1の進行方向を変えることができるステアリング11と、コラムカバー14に設けられ、各種スイッチ等が配置されたコラム12と、コラム12に設けられ、ワイパー等のオン・オフを切換えることができるレバコン13と、スイッチ類等の取付部を覆うコラムカバー14と、車両1の速度等を表示する表示部18とを備えて概略構成されている。
【0010】
(コラムシフトスイッチ装置2の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図であり、図3は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置に関するID認証システムのブロック図であり、図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、図4(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、図4(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。図2は、ステアリングシャフト11aからステアリング11を取外した状態を表しており、ステアリング11は、取付部11bに取付けられ、ステアリングシャフト11aを回転可能とすることにより車両1の走行方向の操舵を可能としている。
【0011】
コラムシフトスイッチ装置2は、シフトの切換え機構とエンジンの始動・停止機構を一体化しており、レバー20と、シャフト21と、第1及び第2のスイッチとしてのシフトアップスイッチ22及びシフトダウンスイッチ23と、IG(Ignition)スイッチ24とを備えて概略構成されている。
【0012】
(レバー20の構成)
レバー20は、シャフト21に接続され、例えば樹脂材又は金属材によって形成されたレバー本体20aと、レバー本体20aに設けられた第1のストッパ20bと、第1のストッパ20bとシャフト21を挟んで対向する位置に設けられた第2のストッパ20cとを備えて概略構成されている。
【0013】
第1のストッパ20bは、コラム12の第2の凸部12cによって矢印A方向のレバー20の動きを規制し、第2のストッパ20cは、コラム12の底部12dによって矢印B方向のレバー20の動きを規制しており、後述するユニバーサルジョイント部21bによる動きの規制と合わせて、二重にレバー20の動きを規制している。
【0014】
(シャフト21の構成)
シャフト21は、例えば鋼材等で形成されたロッド21a、21fと、ロッド21aとロッド21fをつなぎ合わせ、ピン21eを支点としてロッド21aとロッド21fの作る角度を自由に変えることができるユニバーサルジョイント部21bとを備えて概略構成されている。
【0015】
ロッド21aは、レバー20が接続された端部付近に設けられたブロック21hと、他の端部に設けられたフォーク21cとを有し、フォーク21cは、ピン21eが貫通するピン穴21dを備えて概略構成されている。また、ロッド21aは、図4(b)に示すように、コラム12の第1の凸部12aの先端部12bに設けられた第2の凸部12cの凹部12eを貫通してレバー20と接続し、凹部12eがあるので、矢印A及びB方向の変位を可能にしている。
【0016】
ロッド21fは、フォーク21cに挿入される端部にピン穴と、IGスイッチ24の開口24cに挿入される挿入部21gを備えて概略構成されており、ピン穴は、フォーク21cのピン穴21dに対応する位置に設けられている。
【0017】
ユニバーサルジョイント部21bは、フォーク21cと、ピン穴21d、ロッド21fのピン穴に挿入されたピン21eとによって概略構成され、ピン21eを支点とした、図5(c)に示す矢印A及びB方向のレバー20の変位を可能にしている。なお、レバー20は、運転者から見て左側に設置されるので、自動変速装置17bを切換える操作(シフトアップ及びダウン)が、直感的に操作できる。
【0018】
(IGスイッチ24の構成)
IGスイッチ24は、本体24aと、本体24aに回転可能に収容された回転部24bと、ロッド21fの挿入部21gが挿入される開口24cと、後述するECU16に接続される配線24dとを備えて概略構成されている。なお、IGスイッチ24は、特別な構成を必要としないので、一般に使われているものを流用することが可能で、コストを減らすことができる。
【0019】
(シフトアップスイッチ22及びシフトダウンスイッチ23の構成)
シフトアップスイッチ22及びシフトダウンスイッチ23は、例えばタクトスイッチやマイクロスイッチ等が用いられ、図3に示すリモコンキー4のID(Identification)が認証されて、図4(a)のレバー20の状態から、矢印C方向に回転させて図3に示す駆動部17のエンジン17aを始動させると、後述する図5(c)に示した状態となる。この状態にあるとき、レバー20は、矢印A及びB方向に変位させることが可能となり、シフトアップスイッチ22は、レバー20を矢印A方向に変位させると、シャフト21に設けられたブロック21hのシフトアップ面21iが接触し、シフトアップスイッチ22がオンされるような、コラム12の内部に設けられている。
【0020】
また、シフトダウンスイッチ23は、レバー20を矢印B方向に変位させると、シャフト21に設けられたブロック21hのシフトダウン面21jが接触し、シフトダウンスイッチ23がオンされるような、コラム12の内部に設けられている。
【0021】
なお、エンジン17aを始動するためにレバー20を回転させたときは、自動変速装置17bは、ニュートラル状態(N)であり、レバー20を矢印A方向に操作する度に、自動変速装置17bは、ニュートラル状態(N)から、リバース状態(R)、パーキング状態(P)と順番に切替わり、パーキング状態(P)にあるときは、レバー20を矢印B方向に操作する度に、リバース状態(R)、ニュートラル状態(N)、ドライブ状態(D)へと切替わるよう構成されている。自動変速装置17bの切換えは、上記の例に限定されず、ニュートラル状態(N)から、1速状態、2速状態、3速状態、4速状態等のように切替わる構成でも良い。以下にレバー20を矢印A方向に操作することをシフトアップ、レバー20を矢印B方向に操作することをシフトダウンとするものとする。
【0022】
(ID認証システム3の構成)
ID認証システム3は、車両1と共通のIDを有し、電波を用いてID信号S1を発信するリモコンキー4と、車両1に設けられ、リモコンキー4から発信されたID信号S1を受信し、受信したID信号S1と車両1の有するIDとの認証動作を行う認証部15と、前述のコラムシフトスイッチ装置2と、コラムシフトスイッチ装置2からのシフト切換信号に基づいて駆動部17を制御するECU16と、ECU16から送信された認証信号S2、始動・停止信号S3、シフトアップ信号S4及びシフトダウン信号S5に基づいて、例えば、車両1に搭載された自動変速装置17bをパーキング状態(P)、リバース状態(R)、ニュートラル状態(N)及びドライブ状態(D)等の各状態に切換える駆動部17と、例えば、ECU16から送信された表示信号S7に基づいて、現在の自動変速装置の状態をP、R、N及びD等の文字によって表示する表示部18とを有して概略構成されている。
【0023】
ここで、始動・停止信号S3は、IGスイッチ24からECU16に送信される信号であり、駆動部17のエンジン17aの始動及び停止を意味する信号である。シフトアップ信号S4は、シフトアップスイッチ22からECU16に送信される信号であり、自動変速装置17bをシフトアップさせる信号である。シフトダウン信号S5は、シフトダウンスイッチ23からECU16に送信される信号であり、自動変速装置17bをシフトダウンさせる信号である。
【0024】
また、シフト切換信号S6は、始動・停止信号S3、シフトアップ信号S4及びシフトダウン信号S5に基づいてECU16から駆動部17に送信される信号であり、自動変速装置17bを切換える信号である。なお、シフト切換信号S6は、認証部15によって認証されたときにECU16に送信される、始動・停止信号S3がECU16によって受信されなければ、駆動部17に送信されないものとする。これは、レバー20を図4(a)の矢印C方向に回転させただけでは、自動変速装置17bの切換えをできないようにするためであるが、例えば、認証されないとき、IGスイッチ24の回転部24bが回転しない構成でも良く、これに限定されない。また、本実施の形態において、IDの認証は、認証部15が行うが、認証部15を受信部とし、ECU16がIDの認証を行う構成としても良く、これに限定されない。
【0025】
更に始動・停止信号S8は、IGスイッチ24からECU16に送信された始動・停止信号S3に基づいて、ECU16からエンジン17aに送信される信号であり、エンジン17aは、始動・停止信号S8に基づいて始動又は停止する。
【0026】
(動作)
以下に本発明の第1の実施の形態におけるコラムシフトスイッチ装置の動作を、図1から図4、及び後述する図5を参照しながら詳細に説明していく。
【0027】
(IDの認証について)
運転者が、リモコンキー4を携帯して、車両1と通信が成立する距離まで接近したとき、認証部15は、車両1のIDとリモコンキー4から受信したID信号S1とに基づいて認証動作を開始し、IDが照合されたとき、ドアのロックを解錠し、運転者は、車両1に乗込むことが可能になる。
【0028】
続いて、認証部15は、IDが照合されたことを示す認証信号S2をECU16に送信し、認証信号S2を受信したECU16は、エンジン17aの始動を可能にする状態に移行する。エンジン17aの始動を可能にする状態とは、レバー20が、図4(a)に示す矢印C方向に回転し,IGスイッチ24の回転部24bが回転して、IGスイッチ24がオンしたとき、駆動部17にエンジン17aの始動に必要な電力の供給等を行う状態のことを表している。IDが照合されない場合、レバー20を図4(a)に示す矢印C方向に回転させることは出来るが、IGスイッチ24から始動・停止信号S3がECU16に送信されない、又は、ECU16から始動・停止信号S8が駆動部17に送信されないので、エンジン17aを始動することは出来ない。
【0029】
(エンジン17aの始動について)
運転者は、車両1に乗込むと、エンジン17aを始動するため、図4(a)に示す矢印C方向にレバー20を90°回転させる。このとき、レバー20に接続されたシャフト21を介してIGスイッチ24の回転部24bが回転し、配線24dを介して始動・停止信号S3が、認証部15からECU16に送信され、ECU16は、始動・停止信号S3に基づいて始動・停止信号S8を生成し、エンジン17aに送信し、エンジン17aを始動させる。このとき、レバー20は、図4の矢印C方向に90°回転したまま固定され、次に説明するシフト操作可能な状態になる。なお、本実施の形態において、エンジン17aの始動時のレバー20の回転角は、90°としたが、これに限定されず、運転者の操作の容易さによって変更可能である。
【0030】
(シフト操作について)
図5(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、図5(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、図5(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。図5は、シフト操作可能な状態を表している。
【0031】
運転者の操作によって矢印C方向に回転させられたレバー20は、図5(c)に示す状態になる。このとき、レバー20は、ユニバーサルジョイント部21bのピン21eを支点にして、矢印A及びB方向にそれぞれθ°回転する。本実施の形態においてθは、およそ10°以下であるが、これに限定されない。
【0032】
運転者が、車両1を発進させるため、ニュートラル状態(N)から、ドライブ状態(D)に自動変速装置17bを切換えるよう、レバー20を矢印B方向に操作するとき、レバー20は、シャフト21のピン21eを支点としてθ°矢印B方向に回転し、シフトダウンスイッチ23をオンし、シフトダウンを示すシフトダウン信号S5をECU16に送信する。
【0033】
ECU16は、シフトダウン信号S5を受信し、シフトダウン信号S5に基づいて駆動部17にシフト切換信号S6を送信し、駆動部17は、ECU16から受信したシフト切換信号S6に基づいて自動変速装置17bをドライブ状態(D)に切換える。そして、ECU16は、表示部18に表示信号S7を送信し、表示部18は、表示信号S7に基づいて表示部18に文字「D」を表示する。
【0034】
運転者は、自動変速装置17bをニュートラル状態(N)に切換えるために、レバー20を矢印A方向に操作するとき、レバー20は、シャフト21のピン21eを支点としてθ°矢印B方向に回転し、シフトアップスイッチ22をオンし、シフトアップを示すシフトアップ信号S4をECU16に送信する。
【0035】
ECU16は、シフトアップ信号S4を受信し、シフトアップ信号S4に基づいて駆動部17にシフト切換信号S6を送信し、駆動部17は、自動変速装置17bをドライブ状態(D)からニュートラル状態(N)に切換える。そして、ECU16は、表示部18に表示信号S7を送信し、表示部18は、表示信号S7に基づいて表示部18に文字「N」を表示する。
【0036】
表示部18に「N」が表示されたことを確認した運転者は、エンジン17aを停止させるため、図5(a)に示す矢印D方向にレバー20を90°回転させる。このとき、レバー20に接続されたシャフト21を介してIGスイッチ24の回転部24bが回転し、配線24dを介して始動・停止信号S3が、認証部15からECU16に送信され、ECU16は、始動・停止信号S3に基づいて始動・停止信号S8を生成し、エンジン17aに送信し、エンジン17aを停止させる。
【0037】
(効果)
上記した第1の実施の形態によると、エンジン17aを始動・停止させるレバーと、自動変速装置17bを切換えるシフトレバーとをレバー20として一体化したので、限られたスペースにコラムシフトスイッチ装置2を配置することができ、小型化することができる。また、レバー20に設けられた第1及び第2のストッパ20b、20c、及びシャフト21に設けられたユニバーサルジョイント部21bとによって、レバー20の動きが規制されるので、安全性を損なわないで、レバー20の操作を直感的に行うことができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
以下に、本発明のコラムシフトスイッチ装置の第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明していく。なお、第1の実施の形態と同一の構成及び機能を有する部分については、共通の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
(コラムシフトスイッチ装置2の構成)
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、図6(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。このコラムシフトスイッチ装置2は、第1の実施の形態におけるレバー20の第1及び第2のストッパ20b、20cを取り除いた構成となっており、エンジン17aを始動させる前の状態を表している。
【0040】
(動作)
本実施の形態におけるコラムシフトスイッチ装置2は、第1及び第2のストッパ20b、20cが無いため、コラム12の第2の凸部12c及び底部12dによる、レバー20Aの矢印A及びB方向の操作の規制は出来ない。しかし、レバー20Aを矢印C方向に回転させない状態においては、シャフト21は、図6(b)に示すユニバーサルジョイント部21bを有するため、図6(a)に示す矢印A及びB方向にレバー20Aを操作することは出来ないので、安全性を損なうことは無い。よって、レバー20Aの形状に自由度が増し、コラムシフトスイッチ装置2を小型化することができる。
【0041】
(効果)
上記した第2の実施の形態によると、コラムシフトスイッチ装置2を小型化することができる。
【0042】
[第3の実施の形態]
以下に、本発明のコラムシフトスイッチ装置の第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明していく。なお、第1の実施の形態と同一の構成及び機能を有する部分については、共通の符号を付し、説明を省略する。
【0043】
(コラムシフトスイッチ装置2の構成)
図7(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、図7(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、図7(c)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図であり、エンジン17aを始動させた後の状態を表してる。
【0044】
本実施の形態におけるコラムシフトスイッチ装置2は、第1の実施の形態におけるシャフト21のユニバーサルジョイント部21bを取り除いたシャフト21Aと、凹部25aに設けられた開口25b、及びIGスイッチ24の本体24aに設けられた図示しない開口に挿入されたピン25cを支点として、矢印A及びB方向のIGスイッチ24の回転を支持する支持部材25とを有する構成となっている。なお、本実施の形態において、支持部材25は、IGスイッチ24に設けられたが、シャフト21Aの一部分に支持部材を設け、支点を中心に回転可能とする構成としても良く、また、IGスイッチ24のシャフト21Aが挿入される挿入口に矢印A及びB方向に遊びを持たせて、レバー20の矢印A及びB方向の操作を可能にする構成としても良いし、これに限定されない。
【0045】
(動作)
本実施の形態におけるコラムシフトスイッチ装置2は、ユニバーサルジョイント部21bが無いため、図7(a)に示す矢印A及びB方向にレバー20を操作したとき、レバー20は、IGスイッチ24の本体24aに設けられた支持部材25のピン25cを支点として回転するので、シフトアップスイッチ22及びシフトダウンスイッチ23をオンして、自動変速装置17bを切換えることができる。また、レバー20には、第1及び第2のストッパ20b、20cが設けられているので、レバー20が、例えば、図4(a)に示す状態のとき、矢印A及びB方向にレバー20を操作することは出来ず、安全性を損なうこと無く、コラムシフトスイッチ装置2を簡素化することができる。
【0046】
上記した第3の実施の形態によると、コラムシフトスイッチ装置2を簡素化することができる。
【0047】
なお、本発明は、上記の第1〜第3の実施の形態によって限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能であるのは、言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両内部の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置に関するID認証システムのブロック図であり。
【図4】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。
【図5】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。
【図7】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の斜視図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の正面図であり、(c)は、本発明の第3の実施の形態に係るコラムシフトスイッチ装置の概略図である。
【符号の説明】
【0049】
1…車両、2…コラムシフトスイッチ装置、3…ID認証システム、4…リモコンキー、10…本体、11…ステアリング、11a…ステアリングシャフト、11b…取付部、12…コラム、12a…第1の凸部、12b…先端部、12c…第2の凸部、12d…底部、13…レバコン、14…コラムカバー、15…認証部、16…ECU、17…駆動部、17a…エンジン、17b…自動変速装置、18…表示部、20…レバー、20A…レバー、20a…レバー本体、20b…第1のストッパ、20c…第2のストッパ、21、21A…シャフト、21a…ロッド、21b…ユニバーサルジョイント部、21c…フォーク、21d…ピン穴、21e…ピン、21f…ロッド、21g…挿入部、21h…ブロック、21i…シフトアップ面、21j…シフトダウン面、22…シフトアップスイッチ、23…シフトダウンスイッチ、24…IGスイッチ、24a…本体、24b…回転部、24c…開口、24d…配線、25…支持部材、25a…凹部、25b…開口、25c…ピン、A〜D…矢印、S1…ID信号、S2…認証信号、S3…始動・停止信号、S4…シフトアップ信号、S5…シフトダウン信号、S6…シフト切換信号、S7…表示信号、S8…始動・停止信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に対して回転可能に配置された回転部を有し、前記回転部を所定の方向に回転させることによって車両のエンジンの始動及び停止を指示する始動・停止信号を出力するIGスイッチと、
端部が、前記IGスイッチの前記回転部と接続するシャフト部と、
前記シャフト部の他の端部に設けられ、前記シャフト部と共に回転するレバーと、
前記シャフト部の所定の位置において、前記シャフト部を挟んで対向するように設けられた第1及び第2のスイッチ部と、
を備え、
前記レバーは、前記所定の方向に回転して前記エンジンを始動させたのち、前記所定の方向に回転した状態で、前記第1及び第2のスイッチ部がオンする方向に変位可能であることを特徴とするコラムシフトスイッチ装置。
【請求項2】
前記シャフト部は、前記シャフト部の前記所定の方向の回転軸に対して垂直方向に変位可能なユニバーサルジョイント部を有することを特徴とする請求項1に記載のコラムシフトスイッチ装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のスイッチ部は、前記車両の駆動系を制御する制御部に接続され、前記車両の前記駆動系を切替えるシフトスイッチであることを特徴とする請求項1に記載のコラムシフトスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−51337(P2009−51337A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219471(P2007−219471)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】