説明

コリンレセプターの薬理活性により腸閉塞を処置する方法

被験体におけるコリンレセプターの活性を高める薬物の有効量を被験体に投与することによる、被験体における腸閉塞を処置する方法。薬物の例には、脳ムスカリンアゴニスト、コリンアゴニストまたはコリンエステラーゼ阻害剤がある。本発明の方法は、腹部手術により引き起こされる腸閉塞を処置するのに、または、例えば、癌の化学療法中での麻酔薬または化学療法薬の投与に使用できる。別の実施態様では、本発明は、被験体における腸閉塞を処置する方法であり、該方法は、該被験体に、コリンアゴニストの有効量を投与する工程を包含する。別の実施態様では、前記コリンアゴニストは、α7ニコチンレセプターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第60/582,545号(これは、2004年6月23日に出願された)から優先権を主張している。上記出願の全教示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
腸閉塞は、消化管全体の部分的または完全な非機械的閉塞であり、これには、小腸および/または大腸の閉塞が挙げられる。腸閉塞は、腸管を通って物質を移動させる律動性の収縮が止まるとき、起こる。腸閉塞は、例えば、腹腔手術中における腸の操作、あるいは麻酔薬または化学療法薬の投与により、引き起こされ得る。
【0003】
術後腸閉塞は、通常、約36〜96時間以内に自然に解消するものの、解消するまで、病院において、付き添いの下でベッドで安静にし腸を休ませることが現在の治療法である。腸閉塞の患者は、口から食物または薬剤を摂取できない。患者は、静脈から水分を補給し、そして経鼻胃管を使用することによって、胃の除圧が行われる。この現在の治療法が不快であり、不便かつコストがかかることは、大きな問題である。
【0004】
腸閉塞を防止する方法は、現在、利用できず、また、腸閉塞を処置する方法は、現在、不十分である。それゆえ、腸閉塞の影響を阻止および/または改善する方法が緊急に必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
現在、腸閉塞は、被験体において、コリンレセプターの活性を高める特定の医薬品を投与することにより、処置できることが発見された。
【0006】
従って、1実施態様では、本発明は、被験体における腸閉塞を処置する方法であり、該方法は、該被験体に、コリンレセプターの活性を高める薬物を投与する工程を包含する。
【0007】
別の実施態様では、本発明は、被験体における腸閉塞を処置する方法であり、該方法は、該被験体に、ムスカリンアゴニストの有効量を投与する工程を包含する。
【0008】
別の実施態様では、本発明は、被験体における腸閉塞を処置する方法であり、該方法は、該被験体に、コリンアゴニストの有効量を投与する工程を包含する。別の実施態様では、前記コリンアゴニストは、α7ニコチンレセプターである。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、コリンレセプターの活性を高める医薬品を被験体に投与することにより、被験体における腸閉塞が処置できるという発見に基づいている。「コリンレセプター活性を高める」薬剤には、そのレセプターの直接および間接の両方の薬理活性化が挙げられる。直接薬理活性化には、アゴニスト、すなわち、このレセプターに結合して刺激する化合物が挙げられる。間接薬理活性化とは、結合による以外でのレセプターの活性化を意味する。例には、迷走神経を活性化して、それにより、末端からのアセチルコリンの放出を生じる薬剤(例えば、脳ムスカリンレセプター剤アゴニスト)が挙げられる。このような増加は、1実施態様では、アセチルコリンレセプターアゴニストを投与することにより、達成できる。さらに別の実施態様では、コリンレセプター活性は、薬理学的手段によって迷走神経を刺激することにより、高められる。
【0010】
迷走神経は、主要な器官(咽頭、喉頭、食道、心臓、肺、胃、膵臓、脾臓、腎臓、副腎、小腸および大腸、結腸、ならびに肝臓が挙げられる)の活動を抑える(enervate)。本明細書中で使用される場合、迷走神経は、主要な迷走神経から枝分かれした神経、および迷走神経に接続される神経節または節後ニューロンを含む。
【0011】
本明細書中で使用される場合、被験体は、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト患者であるが、被験体はまた、愛玩動物(例えば、イヌまたはネコ)、家畜(例えば、ウマ、ウシまたはヒツジ)、または実験動物(例えば、ラット、マウスまたはモルモット)であり得る。
【0012】
本明細書中で使用される場合、「イレウス」は、腸への血流の途絶、または腸における再灌流、もしくは神経学的な損傷以外の原因を有する腸蠕動の抑止(働きを停止または減少させる)を意味する。イレウスは、例えば、開腹手術の間の腸の操作、または麻薬(例えば、硫酸モルヒネ、塩酸メペリジン、リン酸コデイン、または塩酸オキシコドン)、もしくは化学療法剤(例えば、ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、塩酸ドキソルビシンまたはBCNU(カルムスチン))の投与によって引き起こされ得る。したがって、1つの実施形態において、イレウスは、急性の術後イレウスである。別の実施形態において、イレウスは、麻薬の投与によって引き起こされる。イレウスは、例えば、聴診によって検出され得る。イレウスの症状としては、X線、コンピューター断層撮影または超音波によって検出されるような、膨満、嘔吐、便秘、痙攣、しゃっくり、あるいは小腸および/もしくは大腸、または結腸の隔絶されたセグメントのガスによる膨満(gaseous distention)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
(脳ムスカリンレセプターアゴニスト)
本発明の1つの実施形態において、薬理学的因子は、脳のムスカリンレセプターを活性化するアゴニスト(例えば、ムスカリン性アゴニスト)である。本明細書中で使用される場合、ムスカリン性アゴニストは、ムスカリンレセプターに結合して、そしてこれを活性化して、所望の生理学的効果(ここでは、イレウスの症状の軽減)をもたらし得る化合物である。ムスカリンレセプターは、ムスカリン性アゴニスト(例えば、ムスカリン)に対する認識部位を含むコリン作用性レセプターである。1つの実施形態において、ムスカリン性アゴニストは、非選択的であり、そしてムスカリンレセプターに加えて、他のレセプター(例えば、別のコリン作用性レセプター)に対して作用する。このようなムスカリン性アゴニストの例は、アセチルコリンである。好ましい実施形態において、ムスカリン性アゴニストは、ムスカリンレセプター(例えば、ニコチン様レセプター)を、他のコリン作用性レセプターよりも大きい程度で活性化する(例えば、少なくとも10%超、20%超、50%超、75%超、90%超、または95%超)。
【0014】
好ましい実施形態において、上記ムスカリン性アゴニストは、M1ムスカリンレセプター、M2ムスカリンレセプターまたはM4ムスカリンレセプターに対して選択的である(米国特許第6,602,891号、同第6,528,529号、同第5,726,179号、同第5,718,912号、同第5,618,818号、同第5,403,845号、同第5,175,166号、同第5,106,853号、同第5,073,560号および米国特許出願第10/375,696号(2003年2月26日出願)(これらの各々の内容は、その全てが参考として本明細書中に援用される)に開示される)。本明細書中で使用される場合、M1ムスカリンレセプター、M2ムスカリンレセプターまたはM4ムスカリンレセプターに対して選択的であるアゴニストは、少なくとも1つか、もしくは少なくとも2つか、もしくは少なくとも5つの他のムスカリンレセプターのサブタイプ(例えば、M3ムスカリンレセプターまたはM5ムスカリンレセプター)、ならびに/または少なくとも1つか、もしくは少なくとも2つか、もしくは少なくとも5つの他のコリン作用性レセプターよりも大きい程度で、M1ムスカリンレセプター、M2ムスカリンレセプターおよび/またはM4ムスカリンレセプターを活性化するアゴニストである。好ましい実施形態において、このアゴニストは、ムスカリンレセプターならびに/またはM1ムスカリンレセプター、M2ムスカリンレセプターおよび/もしくはM4ムスカリンレセプター以外のコリン作用性レセプターサブタイプに対して、少なくとも10%より大きい活性化の活性、20%より大きい活性化の活性、50%より大きい活性化の活性、75%より大きい活性化の活性、90%より大きい活性化の活性、または95%より大きい活性化の活性を有する。活性化の活性は、当業者に公知のアッセイを使用して決定され得る。
【0015】
これらの方法に有用な好ましいムスカリンアゴニストの非限定的な例には、以下が挙げられる:ムスカリン、McN−A−343、およびMT−3。最も好ましい実施態様では、このムスカリンアゴニストは、N,N’−ビス(3,5−ジアセチルフェニル)デカンジアミドテトラキス(アミジノヒドラビン)テトラヒドロクロライド(CNI−1493)であり、これは、以下の構造式を有する:
【0016】
【化8】

別の実施態様では、このムスカリンアゴニストは、CNI−1493化合物である。本明細書中で使用するCNI−1493化合物は、芳香族グアニルヒドラゾン(さらに適当には、アミジノヒドラビンと称し、すなわち、NH(CNH)−NH−N=である)、例えば、構造式Iを有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0017】
【化9】

は、NH(CNH)−NH−N=CH−、NH(CNH)−NH−N=CCH−またはH−である;X、X’およびX’は、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;Zは、−NH(CO)NH−、−(C)−、−(CNH)−または−A−(CH−A−である;nは、2〜10であり、これは、非置換、モノ−またはジ−C−メチル置換、あるいはそれらのモノまたはジ−不飽和誘導体である;そしてAは、別個に、−NH(CO)−、−NH(CO)NH−、−NH−または−O−である。好ましい実施態様には、Aが唯一の官能基である化合物が挙げられる。また、XおよびXが、Hである;X’およびX’が、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;Zが、−A−(CH−A−であり、nが、3〜8である;Aが、−NH(CO)−または−NH(CO)NH−である構造式Iを有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩も、含まれる。また、XおよびXが、Hである;X’およびX’が、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;Zが、−O−(CH−O−である構造式Iを有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩も、含まれる。
【0018】
CNI−1493化合物のさらに別の例には、Xが、NH(CNH)−NH−N=CH−、NH(CNH)−NH−N=CCH−またはH−である;X、X’およびX’が、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;そしてZが、−O−(CH−O−であり、nが、2〜10である構造式Iの化合物;それらの薬学的に受容可能な塩;およびXが、H以外のものであり、Xが、Xに対してメタ位またはパラ位にあり、そしてX’が、X’に対してメタ位またはパラ位にあるときの関連した属が挙げられる。別の実施態様には、Xが、NH(CNH)−NH−N=CH−、NH(CNH)−NH−N=CCH−、またはHである;X、X’およびX’が、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;Zが、−NH−(C=O)−NH−である構造式Iを有する化合物;それらの薬学的に受容可能な塩;およびXが、H以外のものであり、Xが、Xに対してメタ位またはパラ位にあり、そしてX’が、X’に対してメタ位またはパラ位にあるときの関連した属が挙げられる。
【0019】
CNI−1493化合物には、また、構造式IIを有する芳香族グアニルヒドラゾン化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
【0020】
【化10】

、XおよびXは、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;X’、X’およびX’は、別個に、H−、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;m、mおよびmが0であるとき、Zは、(C)であり、あるいはm、mおよびmが、別個に、2〜6であるとき、ZはNであり、そしてAは、−NH(CO)−、−NH(CO)NH−、−NH−または−O−である。構造式IIのさらに別の化合物には、X’、X’およびX’のいずれかが、H以外のものであるとき、X、XおよびXからなる群の対応する置換基が、それぞれ、X’、XおよびXに対してメタ位またはパラ位にある属;m、mおよびmが、0であり、そしてAが、−NH(CO)−であるときの属;ならびにm、mおよびmが、2〜6であり、Aが、−NH(CO)NH−である属、およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる。CNI−1493化合物およびこのような化合物を製造する方法の例は、米国特許第5,854,289号(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されている。
【0021】
(コリン作用性アゴニスト)
本発明の1つの好ましい実施形態において、イレウスの処置は、被験体に有効量のコリン作用性アゴニストを投与し、それによってその被験体におけるイレウスの症状を処置するか、または軽減する工程を包含する。本明細書中で使用される場合、コリン作用性アゴニストは、コリン作用性レセプターに結合し、そしてそれを活性化して、所望の生理学的効果(ここでは、被験体におけるイレウスの処置またはイレウスの症状の軽減)をもたらす化合物である。当業者は、任意の特定の化合物がコリン作用性アゴニストであるか否かを、任意か、またはいくつかの周知の方法によって決定し得る。コリン作用性アゴニストは、被験体に投与され得るか、またはインビボで天然に生成され得る。本発明において使用するのに適したコリン作用性アゴニストの例としては、アセチルコリン、ニコチン、ムスカリン、カルバコール、ガランタミン、アレコリン、セビメリン、およびレバミゾールが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、コリン作用性アゴニストは、アセチルコリン、ニコチンまたはムスカリンである。
【0022】
1つの実施形態において、上記コリン作用性アゴニストは、α7選択的ニコチン性コリン作用性アゴニストである。本明細書中で使用される場合、α7選択的ニコチン性コリン作用性アゴニストは、被験体において、α7ニコチン性コリン作用性レセプターに選択的に結合し、そしてそれを活性化する化合物である。ニコチン性コリン作用性レセプターは、リガンド開口性(ligand−gated)の五量体イオンチャネルのファミリーである。ヒトにおいて、異なる構造的特性および薬理学的特性を有する、多くのホモ五量体レセプターおよびヘテロ五量体レセプターを形成する、16個の異なるサブユニット(α1〜α7、α9〜α10、β1〜β4、δ、εおよびγ)が、同定されている(Lindstrom,J.M.、Nicotinic Acetylcholine Receptors.、「Hand Book of Receptors and Channels:Ligand−and Voltage−Gated Ion Channels」、R.Alan North CRC Press Inc編、(1995);Leonard,S.、およびBertrand,D.、Neuronal nicotinic receptors:from structure to function.Nicotine & Tobacco Res.3:203−223(2001);Le Novere,N.、およびChangeux,J−P.、Molecular evolution of the nicotinic acetylcholine receptor:an example of multigene family in excitable cells,J.Mol.Evol.、40:155−172(1995))。
【0023】
本明細書中で使用される場合、コリン作用性アゴニストは、アゴニストが少なくとも1つの他のニコチン性レセプターを活性化するよりも大きい程度で、α7ニコチン性コリン作用性レセプターを活性化する場合に、α7ニコチン性コリン作用性レセプターに対して選択的である。α7選択的ニコチン性アゴニストが、少なくとも1つの他のニコチン性レセプター(そして好ましくは、少なくとも2つか、少なくとも3つか、または少なくとも5つの他のニコチン性レセプター)より、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、および最も好ましくは、少なくとも50倍、α7ニコチン性レセプターを活性化することが好ましい。最も好ましくは、α7選択的ニコチン性アゴニストは、別のニコチン性レセプターを、任意の測定可能な程度(すなわち、良好に制御された比較における未処理のレセプターに対して、P=0.05にて有意である)で活性化しない。
【0024】
このような活性化の違いは、任意の公知の方法(例えば、インビトロレセプター結合アッセイ(例えば、NovaScreen Biosciences Corporation(Hanover MD)によってもたらされるようなアッセイ、またはWO 02/44176(α4β2を試験した)、米国特許第6,407,095号(神経節型の末梢ニコチン性レセプター)、米国特許出願公開第2002/0086871号(目的のレセプターをトランスフェクトしたGHCl細胞から調製された膜に対する、標識したリガンドの結合)、およびWO 97/30998に開示される方法)を用いて種々のレセプターの活性化を比較することによって測定され得る。α7レセプターに対して選択的であるアゴニストを決定する方法を記載する参考文献としては、米国特許第5,977,144号(表1)、WO 02/057275(41〜42ページ)、およびHolladayら、Neuronal Nicotinic Acetylcholine Receptors as Targets for Drug Discovery、Journal of Medicinal Chemistry、40:4169−4194(1997)(これらの参考文献の教示は、その全体が本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。他のニコチン性レセプターのサブタイプに対するアッセイは、当業者に公知である。
【0025】
1実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、構造式IIIの化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0026】
【化11】

Rは、水素またはメチルであり、そしてnは、0または1である。好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、(−)−スピロ−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,5’−オクタン−3,5’オキサゾリジン−2’−オン]である。構造式IIIの化合物を調製する方法は、米国特許第5,902,814号で記載されており、この内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0027】
別の実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、構造式IVの化合物、あるいはそれらの鏡像異性体;またはそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0028】
【化12】

mは、1または2である;nは、0または1である;Yは、CH、NまたはNOである;Xは、酸素またはイオウである;Wは、酸素、HまたはFである;Aは、NまたはC(R)である;Gは、NまたはC(R)である;Dは、NまたはC(R)である;但し、A、GおよびDの1個だけが窒素であるが、Y、A、GおよびDの少なくとも1個は、窒素またはNOである;Rは、水素またはC〜Cアルキルである;R、RおよびRは、別個に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、OH、OC〜Cアルキル、CO、−CN、−NO、−NR、−CFまたは−OSOCFである;あるいはRおよびR、またはRおよびRは、それぞれ、一緒になって、AおよびG、またはGおよびDを共有する他の6員芳香環またはヘテロ芳香環を形成し得、該環は、それぞれ、0個と2個の間の窒素原子を含有し、そして以下の置換基の1個〜2個で置換されている:別個に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、OH、OC〜Cアルキル、CO、−CN、−NO、−NR、−CFまたは−OSOCF;RおよびRは、別個に、水素、C〜Cアルキル、C(O)R、C(O)NHR、C(O)OR、SO10であるか、または一緒になって、(CHQ(CHであり得る;ここで、Qは、O、S、NR11、または結合である;jは、2〜7である;kは、0〜2である;そしてR、R、R、R10およびR11は、別個に、C〜Cアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、mが、2である;nが、Oである;Xが、酸素である;Aが、C(R)である;Gが、C(R)である;そしてDが、C(R)である構造式IVの化合物である。特定の好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、(R)−(−)−5’−フェニルスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,2’オクタン−3,2’(3’H)−フロ[2,3−b]ピリジン]である。構造式IVの化合物を調製する方法は、米国特許第6,110,914号で記載されており、この内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0029】
さらに別の実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、構造式Vの化合物である:
【0030】
【化13】

は、水素またはC〜Cアルキルであり、RおよびRは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択されるか、あるいは不在であり得る;そしてRは、以下である:
【0031】
【化14】

、RおよびRは、水素、アルキルの各々で1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノで必要に応じて置換したC〜Cアルキル、1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノで必要に応じて置換したC〜Cアルコキシ、アルコキシに1個〜4個の炭素を有するカルボアルコキシ、アミノ、アシルに1個〜4個の炭素を有するアミド、シアノ、アルキルの各々に1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノ、ハロ、ヒドロキシル、またはニトロである。
【0032】
好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、Rがテトラヒドロピリジン環の3位置に結合された構造式Vの化合物である。別の好ましい実施態様では、R(これは、好ましくは、フェニル環の4位置または2位置に結合されている)は、以下である:アミノ、ヒドロキシル、クロロ、シアノ、ジメチルアミノ、メチル、メトキシ、アセチルアミノ、アセトキシまたはニトロ。特に好ましい1実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、Rが、ヒドロキシルであり、そしてR、RおよびRが、水素である構造式Vの化合物である。別の特に好ましい実施態様では、このα選択性ニコチンアゴニストは、Rが、アセチルアミノであり、そしてR、RおよびRが、水素である構造式Vの化合物である。別の特に好ましい実施態様では、このα選択性ニコチンアゴニストは、Rが、アセトキシであり、そしてR、RおよびRが、水素である構造式Vの化合物である。別の特に好ましい実施態様では、このα選択性ニコチンアゴニストは、Rが、メトキシであり、そしてR、RおよびRが、水素である構造式Vの化合物である。別の特に好ましい実施態様では、このα選択性ニコチンアゴニストは、Rが、メトキシであり、そしてRおよびRが、水素であり、さらに、Rが、フェニル環の2位置に結合され、そしてR(これは、フェニル環の4位置に結合されている)が、メトキシまたはヒドロキシである構造式Vの化合物である。
【0033】
好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、以下である:
3−(2,4−ジメトキシベンジリデン)アナバセイン(DMXB−A)、
3−(4−ヒドロキシベンジリデン)アナバセイン、
3−(4−メトキシベンジリデン)アナバセイン、
3−(4−アミノベンジリデン)アナバセイン、
3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシベンジリデン)アナバセイン、
3−(4−メトキシ−2−ヒドロキシベンジリデン)アナバセイン、
トランス−3−シンナミリデンアナバセイン、
トランス−3−(2−メトキシ−シンナミリデン)アナバセイン、または
トランス−3−(4−メトキシシンナミリデン)アナバセイン.
構造式Vの化合物を調製する方法は、米国特許第5,977,144号および第5,741,802号で記載されており、これらの内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0034】
さらに別の実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、構造式VIの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0035】
【化15】

Xは、OまたはSである;Rは、H、OR、NHC(O)R、またはハロゲンである;そしてRは、C〜Cアルキルである。特定の好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、以下である:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンズアミド、N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−(4−アセトアミドフェノキシ)ベンズアミド、N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−(フェニルスルファニル)ベンズアミド、またはN−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−(3−クロロフェニルスルホニル)ベンズアミド。
【0036】
構造式VIの化合物を調製する方法は、米国特許出願第2002/0040035号で記載されており、この内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0037】
さらに別の実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−カルバミン酸1−(2−フルオロフェニル)−エチルエステルである。この化合物を調製する方法は、米国特許出願公報第2002/0040035号で記載されており、この内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0038】
さらにより好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、以下である:DMXB−A、3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシベンジリデン)アナバセイン、3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシベンジリデン)アナバセイン、(R)−(−)−5’−フェニルスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,2’オクタン−3,2’(3’H)−フロ[2,3−b]ピリジン]、(−)−スピロ−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,5’−オキサゾリジン−2’−オン]、またはコカインメチオジド。
【0039】
別の好ましい実施態様では、このα7選択性ニコチンアゴニストは、トランス−3−シンナミリデンアナバセイン、トランス−3−(2−メトキシ−シンナミリデン)アナバセイン、およびトランス−3−(4−メトキシシンナミリデン)アナバセインからなる群から選択される。
【0040】
なお別の実施形態において、α7選択的ニコチン性アゴニストは、α7ニコチン性レセプターに対する選択的アゴニスト(最も好ましくは、特異的アゴニスト)である抗体である。これらの抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはモノクローナルであり得、ヒト、非ヒト真核生物、細胞、真菌、または細菌の供給源に由来し得、ゲノム配列またはベクターによって媒介される配列によってコードされ得、そしてアジュバントを使用してか、またはこれを使用せずに、ネイティブなα7もしくは組換えα7またはそのフラグメントに対して惹起され得る(全て、当該分野において周知である、抗体を生成し、そして産生するための種々の方法に従う)。このような有効な抗体の他の例としては、キメラ型、単鎖型、および種々のヒト型またはヒト化型の抗体、ならびにそれらのフラグメント(例えば、Fabフラグメントおよび特化した発現系から産生されるフラグメント)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
さらなる実施形態において、α7選択的ニコチン性アゴニストは、α7ニコチン性レセプターに対する選択的アゴニスト(最も好ましくは、特異的アゴニスト)であるアプタマーである。アプタマーは、タンパク質または低分子(例えば、ステロイドまたは薬物など)のような特定の標的分子に結合する一本鎖オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドアナログである。したがって、アプタマーは、抗体と類似するオリゴヌクレオチドである。しかし、アプタマーは、抗体よりも小さい(一般に、50〜100ntの範囲である)。これらの結合は、そのアプタマーオリゴヌクレオチドによって形成される二次構造に大きく依存する。RNAおよび一本鎖DNA(またはアナログ)は両方とも、アプタマーであることが公知である。例えば、Burkeら、J.Mol.Biol.、264(4):650−666(1996);EllingtonおよびSzostak、Nature、346(6287)818−822:(1990);Hiraoら、Mol Divers.、4(2):75−89(1998);Jaegerら、The EMBO Journal 17(15):4535−4542(1998);Kenschら、J.Biol.Chem.、275(24):18271−18278(2000);Schneiderら、Biochemistry、34(29):9599−9610(1995);ならびに米国特許第5,496,938号、同第5,503,978号、同第5,580,737号、同第5,654,151号、同第5,726,017号、同第5,773,598号、同第5,786,462号、同第6,028,186号、同第6,110,900号、同第6,124,449号、同第6,127,119号、同第6,140,490号、同第6,147,204号、同第6,168,778号、および同第6,171,795号を参照のこと。アプタマーはまた、トランスフェクトされたベクターから発現され得る(Joshiら、J.Virol.、76(13)、6545−6557(2002))。
【0042】
実質的に任意の特定の標的に結合するアプタマーは、SELEX(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichmentの略語である)と称される反復性のプロセスを使用することによって選択され得る(Burkeら、J.Mol.Biol.、264(4):650−666(1996);EllingtonおよびSzostak、Nature、346(6287)818−822:(1990);Schneiderら、Biochemistry、34(29):9599−9610(1995);Tuerkら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:6988−6992(1992);TuerkおよびGold、Science、249(4968)505−510:(1990))。このプロセスを改良し、そして特定の状況下においてこれらの使用を可能にするSELEXの数種の変化形が、開発された。例えば、米国特許第5,472,841号、同第5,503,978号、同第5,567,588号、同第5,582,981号、同第5,637,459号、同第5,683,867号、同第5,705,337号、同第5,712,375号、および同第6,083,696号を参照のこと。したがって、α7ニコチン性レセプターが挙げられる任意の特定のオリゴペプチドに対するアプタマーの生成は、過度な実験を必要としない。
【0043】
(他の医薬品)
別の実施態様では、被験体において腸閉塞を処置することは、被験体に、非−ステロイド抗炎症剤(NSAID)を投与する工程を包含する。適当なNSAIDの例には、以下が挙げられる:アスピリン、インドメタシン、およびイブプロフェン。あるいは、腸閉塞は、被験体に、アミオダロンまたはα−メラミン形成細胞刺激ホルモン(MSH)を投与することにより、処置される。
【0044】
上記のように、これらの化合物は、薬学的に受容可能な塩の形態で、投与できる。これらには、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、または両方の官能基を有する本明細書中で開示した化合物が挙げられ、従って、多数の有機塩または無機塩、および有機酸または無機酸のいずれかと反応されて、塩が形成できる。塩基性基を有する化合物から酸付加塩を形成するのに通例使用される酸には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸など)、および有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸など)がある。このような塩の例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。
【0045】
このような薬学的に受容可能な塩は、薬学的に受容可能なカチオンを生じる塩基を使って製造され得、これには、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩だけでなく、生理学的に受容可能な有機塩基、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルフォリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、ベンジル−フェネチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、および塩基性アミノ酸(例えば、リジンおよびアルギニン)が挙げられる。これらの塩は、当業者に公知の方法により、調製され得る。
【0046】
本明細書中で使用する「アルキル」との用語は、特に明記しない限り、直鎖または分枝部分を有する飽和一価炭化水素ラジカル、典型的には、C〜C10、好ましくは、C〜Cを含む。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびt−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書中で使用する「アルケニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分(これは、上で定義した)を含む。アルケニル基の例には、エテニルおよびプロペニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書中で使用する「アルキニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するアルキル部分(これは、上で定義した)を含む。アルキニル基の例には、エチニルおよび2−プロピニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書中で使用する「アルコキシ」との用語は、「アルキル−O−」基を意味し、ここで、アルキルは、上で定義されている。
【0050】
本明細書中で使用する「シクロアルキル」との用語は、非芳香族飽和環状アルキル部分を含み、ここで、アルキルは、上で定義されている。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。「ビシクロアルキル」基とは、2個の環からなる非芳香族飽和炭素環基である。ビシクロアルキル基の例には、ビシクロ−[2.2.2]−オクチルおよびノルボルニルが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルケニル」および「ビシクロアルケニル」との用語は、炭素環員を連結する1個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合(「環内」二重結合)および/または炭素環員と隣接非環炭素とを連結する1個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合(「環外」二重結合)を含むこと以外は、上で定義した非芳香族炭素環式シクロアルキルおよびビシクロアルキル部分を意味する。シクロアルケニル基の例には、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。ビシクロアルケニル基の例には、ノルボレニルがある。シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキルおよびビシクロアルケニル基には、また、1個またはそれ以上のオキソ部分で置換されていること以外は、これらの各個の範疇の各々について上記のものと類似の基が挙げられる。オキソ部分を有するこのような基の例には、オキソシクロペンチル、オキソシクロブチル、オキソシクロペンテニルおよびノルカムホリル(norcamphoryl)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書中で使用する「シクロアルコキシ」との用語は、「シクロアルキル−O−」基を含み、ここで、シクロアルキルは、上で定義されている。
【0052】
本明細書中で使用する「アリール」との用語は、炭素環基を意味する。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書中で使用する「ヘテロアリール」との用語は、1個またはそれ以上のヘテロ原子(O、SまたはN)を含有する芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は、単環式または多環式であり得る。本発明のヘテロアリール基はまた、1個またはそれ以上のオキソ部分で置換された環系を含むことができる。ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、ピリダジナル(pyridazinal)、イミダキソリル(imidaxolyl)、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチラゾリル(benzotirazolyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリル、フロフィリジル(furophridinyl)、ピロロピリミジニル(pyrolopyrimidinyl)およびアザインドイル(azaindoyl)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
前述のヘテロアリール基は、C−結合またはN−結合され得る(このようなことが可能な場合)。例えば、ピロールから誘導された基は、ピロール−1−イル(N−結合)またはピロール−3−結合(C−結合)であり得る。
【0055】
本発明の状況では、二環式炭素環基は、環原子として炭素のみを保持する二環式化合物である。その環構造は、特に、芳香族、飽和または部分飽和であり得る。
【0056】
このような化合物の例には、インダニル、ナフタレニルまたはアズレニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本発明の状況では、アミノ基は、第一級(−NH)、第二級(−NHR)または第三級(−NR)であり得、ここで、RおよびRは、以下であり得る:アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、または二環式炭素環基。
【0058】
本発明の薬理学的因子の投与の経路は、処置される状態に依存する。投与の経路および投与される投薬量は、標準的な用量反応研究との組み合わせにおいて、過度な実験を伴わずに、当業者によって決定され得る。これらの決定を行うことにおいて検討される関連した状況としては、処置される状態、投与される組成物の選択、年齢、体重、および個々の被験体の応答、および被験体の症状の重症度が挙げられる。本発明のために有用な組成物は、非経口的(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、鞘内投与または皮下投与による)に投与され得る。非経口投与は、溶液または懸濁物中に薬物を組み込むことによって達成され得る。このような溶液または懸濁物としてはまた、注射用水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒のような滅菌した希釈剤が挙げられ得る。非経口処方物としてはまた、抗細菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム)、およびキレート剤(例えば、EDTA)が挙げられ得る。緩衝液(アセテート、シトレート、またはホスフェート)、および張度の調整のための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)がまた、添加され得る。非経口調製物は、ガラス製またはプラスチック製の、アンプル、使い捨てのシリンジ、または複数回用量のバイアル中に封入され得る。
【0059】
直腸投与は、直腸または大腸中に、薬学的組成物を投与する工程を包含する。これは、坐剤または浣腸を使用して達成され得る。坐剤処方物は、当該分野で公知の方法によって作製され得る。例えば、坐剤処方物は、グリセリンを約120℃まで加熱し、そのグリセリンに薬物を溶解し、精製水が添加され得た後、この加熱されたグリセリンを混合し、そしてこの熱い混合物を坐剤の型に注ぐことによって調製され得る。
【0060】
経皮投与としては、皮膚を通した薬物の経皮吸収が挙げられる。経皮処方物としては、パッチ、軟膏(ointment)、クリーム、ゲル、軟膏(salve)などが挙げられる。好ましい実施形態において、コリン作用性アゴニスト(ニコチン)は、ニコチンパッチの手段によって経皮的に投与される。
【0061】
経食道デバイスとしては、食道組織を灌流する血液中にそのデバイス内に含まれる薬物を拡散させる、食道の表面上におかれたデバイスが挙げられる。
【0062】
本発明は、上記薬物の有効量を被験体に経鼻的に投与する工程を包含する。本明細書中で使用される場合、経鼻投与は、被験体の鼻道(nasal passage)または鼻腔の粘膜に薬物を投与する工程を包含する。本明細書中で使用される場合、薬物の経鼻投与のための薬学的組成物は、周知の方法によって調製された薬物(例えば、鼻スプレー、点鼻液、懸濁物、ゲル、軟膏、クリームまたは粉末)の投与される有効量を含む。薬物の投与はまた、鼻用タンポン、または鼻用スポンジを使用して行われ得る。
【0063】
したがって、経口投与、舌投与、舌下投与、口腔粘膜投与および口内投与のために設計された薬物組成物は、開示された方法によって使用され得、そして当該分野で周知の手段(例えば、不活性な希釈剤または可食キャリアを用いる)によって、過度の実験を伴わずに作製され得る。これらの組成物は、ゼラチンカプセル中に封入されても、錠剤中に圧縮されてもよい。治療的経口投与の目的のために、本発明の薬学的組成物は、賦形剤と合わせられ得、そして錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁物、シロップ剤、カシェ剤、チューイングガムなどの形態で使用され得る。
【0064】
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などはまた、結合剤、レシピエント(recipient)、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、および矯味矯臭剤を含み得る。結合剤のいくつかの例としては、微結晶セスロース、トラガントガム、またはゼラチンが挙げられる。賦形剤の例としては、デンプンまたはラクトースが挙げられる。崩壊剤のいくつかの例としては、アルギン酸、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。滑沢剤のいくつかの例としては、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カリウムが挙げられる。流動促進剤(glidant)の例としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。甘味剤のいくつかの例としては、スクロース、サッカリンなどが挙げられる。矯味矯臭剤の例としては、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー(orange flavoring)などが挙げられる。これらの種々の組成物を調製するのに使用される材料は、薬学的に純粋であるべきであり、そして使用される量において無毒性であるべきである。
【0065】
ムスカリン性アゴニストは、上に記載されるように、被験体に対して、経口的、非経口的、鼻腔内、膣、結腸、舌、舌下、頬(buccaly)、口内(intrabuccaly)または経皮的に投与され得るが、但し、ムスカリン性アゴニストは、血液脳関門を横切り得るか、または血液脳関門を有さない脳室周囲器官群を通過して脳に浸透し得る。脳のムスカリン性アゴニストはまた、脳室内注射によって投与され得る。NSAIDs、アミオダロン、およびαMSHはまた、脳室内注射か、または上に記載される技術の1つによって投与され得るが、但し、これらは、血液脳関門を横切り得るか、血液脳関門を有さない脳室周囲器官群を通過して脳に浸透し得る。
【0066】
有効量は、所望の生物学的効果(ここでは、被験体におけるイレウスの処置またはイレウスの症状の軽減)を達成するための、薬物の治療的または予防的に十分な量として本明細書中で定義される。有効量の例は、代表的に、体重25gあたり約0.5g〜約0.0001ngの範囲であり、そして好ましくは、体重25gあたり約5mg〜約1ngの範囲である。
【0067】
本発明の方法は、開腹手術、または麻薬もしくは化学療法剤の投与(例えば、癌の化学療法の間)によって引き起こされるイレウスの処置に使用され得る。イレウスの首尾よい処置は、イレウスのの症状の減少および軽減を含む。被験体におけるイレウスの症状に関する場合、用語「減少」または「軽減」は、非処置コントロールに対して、測定可能な指標(indicia)における減少を包含する。このような測定可能な指標としては、胃管栄養法後の胃内容物の保持時間、および回腸の筋系におけるミエロペルオキシダーゼの活性(1グラムあたりの単位数)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、この測定可能な指標は、非処置のコントロールに対して、少なくとも20%減少し;より好ましい実施形態において、この減少は、少なくとも70%であり;そしてよりさらに好ましい実施形態において、この減少は、少なくとも80%である。最も
好ましい実施形態において、イレウスの症状は、実質的に除去される。
【0068】
本明細書中で使用する場合、「処置」は、術前、術中、および術後の、イレウスの処置を含む。したがって「処置」は、イレウスの危険にある被験体(例えば、開腹手術を受ける被験体、開腹手術に経験する被験体、または麻薬または化学療法剤を投与される被験体)の予防的処置を意味する。本発明の方法は、発症のときにイレウスを処置するために使用され得、そしてまた、イレウスの予防的処置に適する。「予防的処置」とは、イレウスの出現を妨げるか、阻害するかまたは減少させる、イレウスの発症前の処置をいう。例えば、イレウスの危険にある被験体(例えば、開腹手術を受ける被験体、開腹手術を受けるところである被験体、または麻薬もしくは化学療法剤を投与される(または投与されるところである)被験体)は、イレウスの予測された発症の前(例えば、開腹手術の前、開腹手術の間および/もしくは開腹手術後の約48時間までの間、麻薬もしくは化学療法薬の投与前または投与後であるが、イレウスの発症前)に、本発明の方法に従って予防的に処置され得る。「処置」はまた、被験体が既にイレウスに直面している場合、治療的処置を意味する。
【0069】
本発明は、その好ましい実施態様に関連して特に示され記述されているものの、当業者は、添付の請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細において種々の変更を行い得ることを理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における腸閉塞を処置する方法であって、該被験体に、ムスカリンアゴニストの有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項2】
前記被験体が、ヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記腸閉塞が、術後腸閉塞である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記被験体が、手術を受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記薬物が、手術の前に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記薬物が、手術の後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記薬物が、手術後24時間以内に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ムスカリンアゴニストが、M1、M2またはM4レセプターに対して選択性である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ムスカリンアゴニストが、ムスカリン、McN−A−343、またはMT−3である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ムスカリンアゴニストが、芳香族アミジノヒドラゾンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ムスカリンアゴニストが、N,N’−ビス(3,5−ジアセチルフェニル)デカンジアミドテトラキス(アミジノヒドラビン)テトラヒドロクロライド(CNI−1493)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ムスカリンアゴニストが、構造式Iを有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項10に記載の方法:
【化1】

ここで:
は、NH(CNH)−NH−N=CH−、NH(CNH)−NH−N=CCH−またはH−である;
、X’およびX’は、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;
Zは、−NH(CO)NH−、−(C)−、−(CNH)−または−A−(CH−A−である;
nは、2〜10である;そして
Aは、別個に、−NH(CO)−、−NH(CO)NH−、−NH−または−O−である、
方法。
【請求項13】
前記ムスカリンアゴニストが、構造式IIを有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項10に記載の方法:
【化2】

ここで:
、XおよびXは、別個に、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;
X’、X’およびX’は、別個に、H−、NH(CNH)−NH−N=CH−またはNH(CNH)−NH−N=CCH−である;
Zは、(C)であり、そしてm、mおよびmは、0である;あるいは
Zは、Nであり、そしてm、mおよびmは、別個に、2〜6である;
Aは、−NH(CO)−、−NH(CO)NH−、−NH−または−O−である、
方法。
【請求項14】
前記ムスカリンアゴニストが、前記被験体の脳に直接投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ムスカリンアゴニストが、前記被験体の脳に浸透できる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ムスカリンアゴニストが、経皮または経食道装置を経由して、投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
被験体における腸閉塞を処置する方法であって、該被験体に、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
前記被験体が、ヒトである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記腸閉塞が、術後腸閉塞である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体が、手術を受けている、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記薬物が、手術の前に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記薬物が、手術の後に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記薬物が、手術後24時間以内に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記NSAIDが、アスピリン、インドメタシンまたはイブプロフェンである、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記NSAIDが、経皮または経食道装置を経由して、投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
被験体における腸閉塞を処置する方法であって、該被験体に、α−メラミン形成細胞刺激ホルモンおよびアミオダロンからなる群から選択される薬物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
前記化合物が、経皮または経食道装置を経由して、投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記被験体が、ヒトである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記腸閉塞が、術後腸閉塞である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体が、手術を受けている、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記薬物が、手術の前に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記薬物が、手術の後に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記薬物が、手術後24時間以内に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
被験体における腸閉塞を処置する方法であって、該被験体に、コリンアゴニストの有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項35】
前記被験体が、ヒトである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記腸閉塞が、術後腸閉塞である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記被験体が、手術を受けている、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記薬物が、手術の前に投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記薬物が、手術の後に投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記薬物が、手術後24時間以内に投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記コリンアゴニストが、アセチルコリン、ニコチン、ムスカリン、カルバコール、ガランタミン、アレコリン、セビメリンまたはレバミゾールである、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記コリンアゴニストが、ニコチンである、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記コリンアゴニストが、経皮投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記コリンアゴニストが、α7ニコチンレセプターに対して選択性である、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、構造式IIIの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項44に記載の方法:
【化3】

ここで:
Rは、水素またはメチルである;そして
nは、0または1である、
方法。
【請求項46】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、(−)−スピロ−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,5’−オクタン−3,5’オキサゾリジン−2’−オンである、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、構造式IVの化合物、あるいはそれらの鏡像異性体;またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項44に記載の方法:
【化4】

ここで:
mは、1または2である;
nは、0または1である;
Yは、CH、NまたはNOである;
Xは、酸素またはイオウである;
Wは、酸素、HまたはFである;
Aは、NまたはC(R)である;
Gは、NまたはC(R)である;
Dは、NまたはC(R)である;
但し、A、GおよびDの1個だけが窒素であるが、Y、A、GおよびDの少なくとも1個は、窒素またはNOである;
は、水素またはC〜Cアルキルである;
、RおよびRは、別個に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、OH、OC〜Cアルキル、CO、−CN、−NO、−NR、−CFまたは−OSOCFである;あるいは
およびR、またはRおよびRは、それぞれ、一緒になって、AおよびG、またはGおよびDを共有する他の6員芳香環またはヘテロ芳香環を形成し得、該環は、それぞれ、0個と2個の間の窒素原子を含有し、そして以下の置換基の1個〜2個で置換されている:別個に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、OH、OC〜Cアルキル、CO、−CN、−NO、−NR、−CFまたは−OSOCF
およびRは、別個に、水素、C〜Cアルキル、C(O)R、C(O)NHR、C(O)OR、SO10であるか、または一緒になって、(CHQ(CHであり得る;ここで、Qは、O、S、NR11、または結合である;
jは、2〜7である;
kは、0〜2である;そして
、R、R、R10およびR11は、別個に、C〜Cアルキル、アリール、またはヘテロアリールである、
方法。
【請求項48】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、(R)−(−)−5’−フェニルスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,2’オクタン−3,2’(3’H)−フロ[2,3−b]ピリジン]である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、構造式Vの化合物である、請求項44に記載の方法:
【化5】

ここで:
は、水素またはC〜Cアルキルであり、RおよびRは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択されるか、あるいは不在であり得る;そして
は、以下である:
【化6】

ここで:
、RおよびRは、別個に、水素、アルキルの各々で1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノで必要に応じて置換したC〜Cアルキル、1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノで必要に応じて置換したC〜Cアルコキシ、アルコキシに1個〜4個の炭素を有するカルボアルコキシ、アミノ、アシルに1個〜4個の炭素を有するアミド、シアノ、アルキルの各々に1個〜4個の炭素を有するN,N−ジアルキルアミノ、ハロ、ヒドロキシル、またはニトロである、
方法。
【請求項50】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシベンジリデン)アナバセインである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、3−(2,4−ジメトキシベンジリデン)アナバセイン(DMXB−A)である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、構造式VIの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項31に記載の方法:
【化7】

ここで:
Xは、OまたはSである;
Rは、H、OR、NHC(O)R、またはハロゲンである;そして
は、C〜Cアルキルである、
方法。
【請求項53】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−カルバミン酸1−(2−フルオロフェニル)−エチルエステルである、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、コカインメチオジドである、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記α7選択性ニコチンアゴニストが、コリンである、請求項44に記載の方法。
【請求項56】
前記コリンアゴニストが、経皮または経食道装置を経由して、投与される、請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2008−504282(P2008−504282A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518311(P2007−518311)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022495
【国際公開番号】WO2006/002375
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506320303)ザ ファインスタイン インスティテュート フォー メディカル リサーチ (3)
【出願人】(501102988)ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション (24)
【Fターム(参考)】