説明

コリン作動性受容体モジュレーターとしてのジアザビシクロアリール誘導体

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体のコリン作動性リガンドであり、且つモノアミン受容体及びトランスポーターのモジュレーターであることが分かった新規なジアザビシクロアリール誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的プロフィールにより、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動性系に関係する疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、苦痛、及び化学物質の乱用中止によって引き起こされる禁断症状のような多様な疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体のコリン作動性リガンドであり、且つモノアミン受容体及びトランスポーターのモジュレーターであることが見出された新規なジアザビシクロアリール誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的プロフィールにより、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動性系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、痛み、及び化学物質の乱用中止によって引き起こされる禁断症状のような多様な疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。
【背景技術】
【0002】
内因性コリン作動性神経伝達物質であるアセチルコリンは、2種のコリン作動性受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を介してその生物学的効果を発揮する。
【0003】
ムスカリン性アセチルコリン受容体は、記憶及び認知に重要である脳領域中でニコチン性アセチルコリン受容体よりも量的に優位であることが十分に確証されているので、記憶関連障害の治療用薬剤の開発を目的とする多くの研究が、ムスカリン性アセチルコリン受容体モジュレーターの合成に焦点を合わせて来た。
【0004】
しかし、最近、nAChRモジュレーターの開発への関心が高まっている。いくつかの疾患、すなわちアルツハイマー型の老人性認知症、血管性認知症、及びアルコール依存症に直接関係する器質性脳損傷疾患による認知障害は、コリン作動性系の変性に関連する。確かにいくつかのCNS障害は、コリン作動性欠損、ドーパミン作動性欠損、アドレナリン作動性欠損、又はセロトニン作動性欠損に起因することがある。
【0005】
米国特許第5478939号(American Cyanamid)と国際公開WO00/34284号(Sanofi−Synthelabo)は共に、ニコチン性受容体に親和性を有する2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を記載している。
【0006】
国際公開WO00/34279号、国際公開WO01/92259号、国際公開WO01/92260号、及び国際公開WO01/92261号(Sanofi−Synthelabo)は、ニコチン性受容体に親和性を有する1,4−ジアザビシクロ[3.3.2]ノナン誘導体を記載している。
【0007】
国際公開WO00/44755号(Abbott)は、ニコチン性アセチルコリン受容体リガンドとして有用なジアザビシクロ誘導体を記載している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コリン作動性受容体、特に、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドーパミン受容体(DAR)、及びノルエピネフリン受容体(NER)に関連する疾患又は障害の治療、並びにセロトニン(5−HT)、ドーパミン(DA)、及びノルエピネフリン(NE)に対する生体(biogenic)アミントランスポーターに関連する疾患又は障害の治療に有効である、ニコチン性受容体及び/又はモノアミン受容体の新規なモジュレーターを提供することを対象とする。
【0009】
本発明の化合物は、その薬理学的プロフィールにより、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動性系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、痛み、及び化学物質の乱用中止によって引き起こされる禁断症状のような多様な疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。
【0010】
本発明の化合物は、様々な診断法で、特にin vivo受容体画像化(神経画像処理)用の診断ツール又はモニター物質としても有用であり、標識された形態で使用することも標識されていない形態で使用することもできる。
【0011】
その第1の態様では、本発明は、式Iで表される新規なジアザビシクロアリール誘導体、そのエナンチオマーのいずれか、又はそのエナンチオマーのいずれかの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩を提供する。
【化1】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環式又は二環式の炭素環又は複素環の基を表し、この炭素環又は複素環の基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換され、
Bは、フェニル基、ナフチル基、5〜6員環の芳香族単環式複素環基、又は芳香族二環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式炭素環若しくは複素環の基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよく、
Lは、単(共有)結合(すなわち、Lは存在しない);−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR’’’’’’−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、−(SO)NR’’’’’’−、及び−NR’’’’’’(SO)−、(式中、R’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−を表し、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である)から選択される連結基である]。
【0012】
その第2の態様では、本発明は、少なくとも1種の製薬上許容される担体又は希釈剤と共に、本発明のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩を治療有効量含む薬剤組成物を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、ヒトを含む哺乳動物のコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性の疾患又は障害又は病態の治療、予防、又は緩和用の薬剤組成物/医薬品を製造するための、本発明のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の使用に関する。
【0014】
最後の態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体のコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性の疾患、障害、又は病態を治療、予防、又は緩和する方法であって、本発明のジアザビシクロアリール誘導体の治療有効量を、それを必要とする動物生体に投与するステップを含む方法を提供する。
【0015】
本発明のその他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ジアザビシクロアリール誘導体
第1の態様では、新規なジアザビシクロアリール誘導体が提供される。本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、一般式I、そのエナンチオマーのいずれか、又はそのエナンチオマーのいずれかの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩によって表すことができる:
【化2】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環式又は二環式の炭素環又は複素環の基を表し、この炭素環又は複素環の基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換される、
Bは、フェニル基、ナフチル基、5〜6員環の芳香族単環式複素環基、又は芳香族二環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式炭素環若しくは複素環の基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよく、
Lは、単(共有)結合(すなわち、Lは存在しない);−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR’’’’’’−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、−(SO)NR’’’’’’−、及び−NR’’’’’’(SO)−(式中、R’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−を表し、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である)から選択される連結基である]。
【0017】
好ましい実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、nが、1、2、又は3である式Iの化合物である。より好ましい実施形態では、nが1又は2である。さらに好ましい実施形態では、nが2である。
【0018】
第2の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、Aが、芳香族単環式又は二環式の炭素環又は複素環の基を表し、この炭素環基又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された、式Iの化合物である。
【0019】
好ましい一実施形態では、Aは、フェニル基;又はフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員環芳香族単環式複素環基;又はピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員環芳香族単環式複素環基;又はインドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、及びベンゾチアゾリルから選択される芳香族二環式複素環基を表す。
【0020】
別の好ましい実施形態では、Aは、フェニル基;又は以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基
【化3】


(式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’は、水素又はアルキルを表す);
又は
以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す。
【化4】

【0021】
第3の好ましい実施形態では、Aは、フェニル基;又は以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基
【化5】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’は、水素又はアルキルを表す];
又は
以下から選択される6員環芳香族単環式炭素環又は複素環基を表す。
【化6】

【0022】
最も好ましい実施形態では、Aはフェニル基を表す。
【0023】
第4の好ましい実施形態では、Aは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表す:
【化7】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’は、水素又はアルキルを表す]。
【0024】
第5の好ましい実施形態では、Aは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表す:
【化8】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’は、水素又はアルキルを表す]。
【0025】
第6の好ましい実施形態では、Aは、以下のものを表す:
【化9】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表す]。
【0026】
最も好ましい実施形態では、Aは、チアジアゾリル基を表す。
【0027】
第7の好ましい実施形態では、Aは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表す:
【化10】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’は、水素又はアルキルを表す]。
【0028】
第8の好ましい実施形態では、Aは、以下のものから選択される6員環の芳香族単環式複素環基を表す。
【化11】

【0029】
第9の好ましい実施形態では、Aは、以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す。
【化12】

【0030】
第10の好ましい実施形態では、Aは、フェニル基;又はフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員環芳香族単環式複素環基;又はピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す。
【0031】
最も好ましい実施形態では、Aは、フェニル、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニル基を表す。
【0032】
第2の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、Bが、フェニル、ナフチル基、5〜6員環の芳香族単環式複素環基、又は芳香族二環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式炭素環若しくは複素環の基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい、式Iの化合物である。
【0033】
より好ましい実施形態では、Bは、フェニル又はナフチル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回若しくは複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよく、或いは
Bは、5〜6員環の芳香族単環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよく、或いは
Bは、芳香族二環式複素環基を表し、この二環式複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0034】
第3の好ましい実施形態では、Bは、フェニル又はナフチル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(式中、Zは、O、S、又はNHを表し、R’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は2回置換されていてもよい。
【0035】
第4の好ましい実施形態では、Bは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及び/又はニトロで任意に1回又は2回置換されたフェニル又はナフチル基を表す。
【0036】
第5の好ましい実施形態では、Bは、フェニル又はナフチル基を表す。
【0037】
第6の好ましい実施形態では、Bは、−CONR’’’R’’’’又は−NR’’’(CO)NR’’’R’’’’{R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、若しくはピリダジニル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す}で任意に置換されたフェニル又はナフチル基を表す。
【0038】
より好ましい実施形態では、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、フラン−3−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル又はピリダジン−3−イルを表し、この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい。
【0039】
第7の好ましい実施形態では、Bは、−NR’’’(CO)NR’’’R’’’’で置換されたフェニル又はナフチル基を表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラン−3−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、若しくはピリジン−4−イル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、ハロ、トリハロアルキル、シアノ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す。
【0040】
第8の好ましい実施形態では、Bは、5〜6員環の芳香族単環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(Zは、O、S、又はNHを表し、R’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されてもよい。
【0041】
より好ましい実施形態では、Bは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピリダジニル基を表し、この複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’{Zは、O、S、又はNHを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、若しくはオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、若しくはピリダジニル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す}からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、フラン−3−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル又はピリダジン−3−イルを表し、この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい。
【0043】
第9の好ましい実施形態では、Bは、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、ピロル−2−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、チアゾル−2−イル、イソチアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−3−イル、ピリジン−3−イル、ピリミジン−2−イル又はピリダジン−3−イル基を表し、この芳香族基は、−NR’’’(CO)NR’’’R’’’’{R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラン−3−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、若しくはピリジン−4−イル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、ハロ、トリハロアルキル、シアノ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す}で任意に置換されていてもよい。
【0044】
第10の好ましい実施形態では、Bは、芳香族二環式複素環基を表し、この二環式複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’(Zは、O、S、又はNHを表し、R’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式の炭素環若しくは複素環基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0045】
第11の好ましい実施形態では、Bは、インドリル、特にインドル−2−、5−、若しくは6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特にベンゾフラン−2−、5−、若しくは6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特にベンゾチエン−2−、5−、若しくは6−イル;又はベンゾチアゾリル、特にベンゾチアゾル−2−、5−、若しくは6−イルを表し、この二環式複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’{Zは、O、S、又はNHを表し、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、若しくはピリダジニル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す}からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0046】
より好ましい実施形態では、R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、−CH、−CH=CH、−CH=CH−CH=CH、シクロペンタ−1−エニル若しくはシクロペンタ−2,4−ジエニル;フラン−3−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、又はピリダジン−3−イル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す。
【0047】
第12の好ましい実施形態では、Bは、インドル−2−、5−、若しくは6−イル;ベンゾフラン−2−、5−、若しくは6−イル;ベンゾチエン−2−、5−、若しくは6−イル;又はベンゾチアゾル−2−、5−、若しくは6−イルを表し、この二環式複素環基は、−NR’’’(CO)NR’’’R’’’’{R’’’は、水素又はアルキルを表し、R’’’’は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はオキソで2回置換されたシクロアルケニル;又はフェニル若しくはベンジル(このフェニル及びベンジルは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、カルバモイル、及び/又はアミドで任意に1〜3回置換されていてもよい);又はフラン−3−イル、イソオキサゾル−3−イル、イソオキサゾル−5−イル、1,3−チアゾル−2−イル、1,3−チアゾル−5−イル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、ピラゾル−1−イル、ピリジン−3−イル、若しくはピリジン−4−イル(この複素環基は、アルキル、ヒドロキシ−アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ−アルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、又はフェニルで任意に置換されていてもよい)を表す}で置換されている。
【0048】
第13の好ましい実施形態では、Bは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表す:
【化13】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、R’’は、水素又はアルキルを表し、この5員環芳香族単環式複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されている]。
【0049】
第14の好ましい実施形態では、Bは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表す:
【化14】


[式中、Xは、O又はSを表し、この5員環芳香族単環式複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されている]。
【0050】
第15の好ましい実施形態では、Bは、以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す。
【化15】

【0051】
第17の好ましい実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R’’’’(式中、R’’’’は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0052】
第18の好ましい実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0053】
第19の好ましい実施形態では、Bは、フェニル基又はピリジル基を表し、この芳香族基が、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0054】
第4の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、次式の5員環芳香族単環式複素環基を表し、
【化16】


[式中、Xは、O、S、若しくはSe;又は以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す]
【化17】


Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R’’’’(R’’’’は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい。
【0055】
第6の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、次式の5員環芳香族単環式複素環基を表し、
【化18】


[式中、Xは、O、S、若しくはSe、又は以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す]
【化19】


Bは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されたフェニル若しくはナフチル基;又は以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基
【化20】


[式中、Xは、O、S、又はSeを表し、5員環芳香族単環式複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されている];又は以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基
【化21】


[この6員環芳香族単環式複素環基は、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されている]を表す。
【0056】
第7の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、Lは、単(共有)結合(すなわち、Lは存在しない);−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR’’’’’’−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、−(SO)NR’’’’’’−、及び−NR’’’’’’(SO)−{式中、R’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−(R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表し、mは、0、1、2、又は3である}から選択される連結基を表す。
【0057】
より好ましい実施形態では、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、又は−NR’’’’’’(SO)−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す、
【0058】
さらに好ましい実施形態では、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR’’’’’’CO−、又は−NR’’’’’’CONR’’’’’’−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す、。
【0059】
さらに好ましい実施形態では、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す。
【0060】
最も好ましい実施形態では、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、又は−NHCONH−を表す。
【0061】
第8の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、フェニル、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニルを表し、Bは、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニル又はピリジル基を表し、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す。
【0062】
第9の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、フェニルを表し、Bは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及び/又はニトロで任意に1回又は2回置換されたフェニル又はナフチル基を表し、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR’’’’’’CO−、又は−NR’’’’’’CONR’’’’’’−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す。
【0063】
より好ましい実施形態では、nは2であり、Aはフェニルを表し、Bは、フェニル又はナフチル基を表し、Lは、−NR’’’’’’CO−又は−NR’’’’’’CONR’’’’’’−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す。
【0064】
さらに好ましい実施形態では、nは2であり、Aは、フェニルを表し、Bは、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニルを表し、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す。
【0065】
最も好ましい実施形態では、本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
1−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フェニル−尿素;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−ニトロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンズアミド;
2−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
3−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
2−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
3−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
4−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−メトキシ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−シアノ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−シアノ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド;又は
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド;
又はそのエナンチオマー、そのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩である。
【0066】
第10の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、以下から選択される5員環芳香族単環式複素環基を表し
【化22】


[式中、Xは、O、S、若しくはSe、又は以下から選択される6員環芳香族単環式の炭素環若しくは複素環基を表す]
【化23】


Bは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回若しくは複数回置換されたフェニル若しくはナフチル基;又は以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表し、
【化24】


Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR’’’’’’’−CO−、又は−NR’’’’’’’−CONR’’’’’’’−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)から選択される連結基を表す。
【0067】
第11の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、次式の基を表し、
【化25】


Bは、フェニル又は次式の基を表し、
【化26】


(このフェニル又はヘテロアリールは、ハロ、アルコキシ、又はアミノで任意に置換されている)、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NH−CO−、又は−NH−CO−NH−を表す。
【0068】
第12の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニルを表し、Bは、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニル又はピリジルを表し、Lは、−O−、−S−、−SCH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す。
【0069】
より好ましい実施形態では、nは2であり、Aはチアジアゾリルを表し、Bは、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニルを表し、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又はNH(SO)−を表す。
【0070】
第13の実施形態では、ジアザビシクロアリール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、nは2であり、Aは、次式の基を表し、
【化27】


Xは、O、S、又はSeを表し、Bは、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及び/又はニトロで任意に1回又は2回置換されたフェニルを表し、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NR’’’’’’’−CO−、又は−NR’’’’’’’−CO−NR’’’’’’’−(R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す。
【0071】
好ましい実施形態では、Aは、チアジアゾリルを表す。
【0072】
別の好ましい実施形態では、Bは、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニルを表す。
【0073】
第3の好ましい実施形態では、Lは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又はNH(SO)−を表す。
【0074】
最も好ましい実施形態では、本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、4−(5−ベンジルスルファニル−[1.3.4]−チアジアゾル−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン、又はそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるその塩である。
【0075】
さらに別の好ましい実施形態では、Aは、ピリジル又はピリダジニルを表す。
【0076】
最も好ましい実施形態では、本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、
4−(6−フェニルエチニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(4−アミノ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(3−ピリジニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェニルスルファニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェニルスルフィニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェノキシ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−(2−ニトロ−フェニル)−尿素−1−N−オキシド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−フェニル−尿素;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−ニトロ−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−ニトロ−ベンズアミド;
4−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
3−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
4−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
3−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−シアノ−ベンズアミド;又は
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−シアノ−ベンズアミド;
又はそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩である。
【0077】
本明細書に記載の実施形態の2種以上のどんな組合せも、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0078】
置換基の定義
本発明において、ハロは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。したがって、トリハロメチル基は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0079】
本発明において、アルキル基は、1価の飽和した直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を表す。この炭化水素鎖は、好ましくは1〜18個の炭素原子(C1〜18−アルキル)を含み、より好ましくは1〜6個の炭素原子(C1〜6−アルキル;低級アルキル)を含む。これには、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルが含まれる。好ましい実施形態では、アルキルはC1〜4−アルキル基を表し、これにはブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルが含まれる。本発明の別の好ましい実施形態では、アルキルは、C1〜3−アルキル基を表し、これは特に、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルとすることができる。
【0080】
本発明において、シクロアルキル基は、好ましくは3〜7個の炭素原子(C3〜7−シクロアルキル)を含む環状アルキル基を表し、これにはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、及びシクロヘプチルが含まれる。
【0081】
本発明において、シクロアルキル−アルキル基は、シクロアルキル基が上記で定義したアルキル基上で置換されているやはり上記で定義したシクロアルキル基を示す。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例には、シクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルがある。
【0082】
本発明においては、アルコキシ基は、「アルキル−O−」基を示し、このアルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシがある。
【0083】
本発明においては、シアノアルキル基は、「−アルキル−CN」基を示し、このアルキルは上記で定義した通りである。
【0084】
本発明において、芳香族単環式又は二環式炭素環基は、単環式又は多環式芳香族炭化水素基を示す。本発明の好ましいアリール基の例には、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、及びアントラセニルがある。
【0085】
本発明においては、5〜6員環芳香族単環式複素環は、環状構造中に1個又は複数のヘテロ原子を保持する5〜6員環ヘテロアリールを示す。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)がある。
【0086】
本発明の好ましい5〜6員環ヘテロアリール基としては、フラニル、特に、フラン−2−又は3−イル;チエニル、特に、チエン−2−又は3−イル;セレノフェニル、特に、セレノフェン−2−又は3−イル;ピロリル(アゾリル)、特に、ピロル−2−又は3−イル;オキサゾリル、特に、オキサゾル−2、4−、又は5−イル;チアゾリル、特に、チアゾル−2、4−、又は5−イル;イミダゾリル、特に、イミダゾル−2−又は4−イル;ピラゾリル、特に、ピラゾル−3−又は4−イル;イソオキサゾリル、特に、イソオキサゾル−3、4−、又は5−イル;イソチアゾリル、特に、イソチアゾル−3−、4−、又は5−イル;オキサジアゾリル、特に、1,2,3−オキサジアゾル−4−若しくは5−イル、又は1,3,4−オキサジアゾル−2−イル;トリアゾリル、特に、1,2,3−トリアゾル−4−イル、又は1,2,4−トリアゾル−3−イル;チアジアゾリル、特に、1,2,3−チアジアゾル−4−若しくは5−イル、又は1,3,4−チアジアゾル−2−イル;ピリジル、特に、ピリド−2−、3−、又は4−イル;ピリダジニル、特に、ピリダジン−3−又は4−イル;ピリミジニル、特に、ピリミジン−2−、4−、又は5−イル;ピラジニル、特に、ピラジン−2−又は3−イル;及びトリアジニル、特に、1,2,4−又は1,3,5−トリアジニルが挙げられる。
【0087】
本発明のより好ましい5員環ヘテロアリール基としては、フラニル、特に、フラン−2−又は3−イル;チエニル、特に、チエン−2−又は3−イル;ピロリル(アゾリル)、特に、ピロル−2−又は3−イル;オキサゾリル、特にオキサゾル−2、4−、又は5−イル;チアゾリル、特に、チアゾル−2、4−、又は5−イル;イソオキサゾリル、特に、イソオキサゾル−3、4−、又は5−イル;イソチアゾリル、特に、イソチアゾル−3−、4−、又は5−イル;及びチアジアゾリル、特に、1,2,3−チアジアゾル−4−若しくは5−イル、又は1,3,4−チアジアゾル−2−イルが挙げられる。
【0088】
本発明の最も好ましい5員環ヘテロアリール基としては、フラニル、特に、フラン−2−又は3−イル;及びチエニル、特に、チエン−2−又は3−イルが挙げられる。
【0089】
本発明のより好ましい6員環ヘテロアリール基としては、ピリジル、特に、ピリド−2−、3−、又は4−イル;及びピラジニル、特に、ピラジン−2−又は3−イルが挙げられる。
【0090】
本発明においては、芳香族二環式複素環基は、環状構造中に1個又は複数のヘテロ原子を含む二環式複素環基を示す。本発明においては、「二環式複素環基」という用語は、1個又は複数のヘテロ原子を有する、ベンゾ縮合5員環及び6員環の複素環を含む。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)がある。
【0091】
本発明の好ましい二環式ヘテロアリール基としては、インドリジニル、特に、インドリジン−2−、5−、又は6−イル;インドリル、特に、インドル−2−、5−、又は6−イル;イソインドリル、特に、イソインドル−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特に、ベンゾフラン−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特に、ベンゾチエン−2−、5−、又は6−イル;ベンゾイミダゾリル、特に、ベンゾイミダゾル−2−、5−、又は6−イル;ベンゾチアゾリル、特に、ベンゾチアゾル−2−、5−、又は6−イル;プリニル、特に、プリン−2−又は8−イル;キノリニル、特に、キノリン−2−、3−、6−、又は7−イル;イソキノリニル、特に、イソキノリン−3−、6−、又は7−イル;シンノリニル、特に、シンノリン−6−又は7−イル;フタラジニル、特に、フタラジン−6−又は7−イル;キナゾリニル、特に、キナゾリン−2−、6−、又は7−イル;キノキサリニル、特に、キノキサリン−2−又は6−イル;1,8−ナフチリジニル、特に、1,8−ナフチリジン−2−、3−、6−、又は7−イル;及びプテリジニル、特に、プテリジン−2−、6−、又は7−イルが挙げられる。
【0092】
本発明のより好ましい二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、特に、インドル−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特に、ベンゾフラン−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特に、ベンゾチエン−2−、5−、又は6−イル;ベンゾイミダゾリル、特に、ベンゾイミダゾル−2−、5−、又は6−イル;ベンゾチアゾリル、特に、ベンゾチアゾル−2−、5−、又は6−イル;及びキノキサリニル、特に、キノキサリン−2−又は6−イルが挙げられる。
【0093】
本発明の最も好ましい二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、特に、インドル−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特に、ベンゾフラン−2−、5−、又は6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特に、ベンゾチエン−2−、5−、又は6−イル;及びベンゾチアゾリル、特に、ベンゾチアゾル−2−、5−、又は6−イルが挙げられる。
【0094】
薬剤として許容される塩
本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、所期の投与に適したどんな形でも提供することができる。適切な形態としては、本発明の化合物の薬理学上(すなわち生理学上)許容される塩、及びプレ若しくはプロドラッグの形態が挙げられる。
【0095】
薬剤として許容される付加塩の例としては、それだけに限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコナート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、それに由来するナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩など、無毒の無機及び有機の酸付加塩が挙げられる。こうした塩は、当技術分野で周知の記載されている手順によって形成することができる。
【0096】
本発明の化合物の金属塩には、カルボキシ基を有する本発明の化合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩がある。
【0097】
本発明においては、N含有化合物の「オニウム塩」も薬剤として許容される塩として企図されている。好ましい「オニウム塩」には、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩、及びシクロアルキルアルキルオニウム塩がある。
【0098】
本発明の特に好ましいオニウム塩としては、次式I’のN’位で生成されるものが挙げられる。
【化28】

【0099】
立体異性体
本発明の化合物は、(+)及び(−)形態、並びにラセミ形態で存在することができる。こうした異性体のラセミ化合物及び個々の異性体自体が、本発明の範囲に含まれる。ラセミ形は、周知の方法及び技術によって光学対掌体に分割することができる。ジアステレオマー塩を分離する一方法は、光学活性な酸を使用し、塩基で処理して光学活性アミン化合物を遊離させるものである。ラセミ化合物を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリクスのクロマトグラフィーに基づくものである。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えば、d−又はl−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はカンファースルホン酸塩)の分別晶出によって、これらの光学対掌体に分割することができる。
【0100】
本発明の化合物はまた、本発明の化合物を、(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸など、光学的に活性な活性化されたカルボン酸と反応させてジアステレオマーアミドを生成させることによって、或いは本発明の化合物を光学活性なクロロギ酸などと反応させてジアステレオマーカルバミン酸塩を生成させることによって分割することができる。
【0101】
光学異性体を分割するためのさらなる方法は、当技術分野で周知である。こうした方法としては、J.Jaques、A.Collet、及びS.Wilenの「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons、ニューヨーク(1981)に記載のものが挙げられる。
【0102】
光学活性化合物はまた、光学活性な出発原料から調製することもできる。
【0103】
ジアザビシクロアリール誘導体の製造法
本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、従来の化学合成法、例えば、実施例に記載されているものによって調製することができる。本出願に記載されている方法のための出発原料は、周知であり、又は市販の化学薬品から従来の方法によって容易に調製することができる。
【0104】
また、本発明のある化合物は、従来の方法を使用して本発明の別の化合物に転換することができる。
【0105】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、従来の技術、例えば、抽出、結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離することができる。
【0106】
生物活性
本発明は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有効である、ニコチン性受容体の新規なリガンド及びモジュレーターを提供することを対象とする。本発明の好ましい化合物は、顕著なニコチン性アセチルコリンα7受容体サブタイプ選択性を示す。
【0107】
本発明の化合物は、特に、ニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、及び/又はアロステリックモジュレーターである可能性がある。
【0108】
本発明の化合物は、その薬理学的プロフィールにより、CNSに関連する疾患、PNSに関連する疾患、平滑筋収縮に関連する疾患、内分泌性疾患、神経変性に関連する疾患、炎症に関連する疾患、痛み、及び化学物質の乱用中止によって引き起こされる禁断症状のような多様な疾患又は病態の治療に有用である可能性がある。
【0109】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、中枢神経系に関連する疾患、障害、又は病態の治療に使用される。こうした疾患又は障害には、不安、認知障害、学習欠陥、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群、うつ病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害;神経性食欲不振症、過食症、及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性認知症、パーリフェリック(periferic)ニューロパシー、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、晩期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、トリコチロマニー、及び時差ボケがある。
【0110】
別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、痙攣性障害、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、及び勃起障害を含む、平滑筋収縮に関連する疾患、障害、又は病態の治療に有用である可能性がある。
【0111】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、甲状腺中毒症、クロム親和性細胞腫、高血圧症、不整脈などの内分泌性障害の治療に有用である可能性がある。
【0112】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、一過性無酸素症及び誘発性神経変性を含む神経変性疾患の治療に有用である可能性がある。
【0113】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、アクネや酒さなどの炎症性皮膚障害、クーロン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含む炎症性疾患、障害、又は病態の治療に有用である可能性がある。
【0114】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、急性、慢性、又は再発性の軽い、穏やかな、さらには激しい苦痛、並びに片頭痛、術後痛、及び幻肢痛によって引き起こされる苦痛の治療に有用である可能性がある。
【0115】
最後に、本発明の化合物は、再発性物質の使用中止によって引き起こされる禁断症状の治療に有用である可能性がある。こうした再発性物質には、たばこなどのニコチン含有製品;ヘロイン、コカイン、モルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン薬剤、ベンゾジアゼピン様薬剤、及びアルコールがある。再発性物質からの離脱は、一般に、不安及びフラストレーション、怒り、不安、集中困難、落ち着きのなさ、心拍数の減少、並びに食欲増進及び体重増加を特徴とする外傷的体験である。
【0116】
ここでの「治療」は、禁断症状の治療、防止、予防、及び緩和;及び節制、並びに再発性物質の摂取量を自発的に減少させる治療を包含する。
【0117】
別の態様では、本発明の化合物は、例えば、様々な組織中のニコチン性受容体の同定及び局在状態のための診断薬として使用される。
【0118】
薬剤組成物
別の態様では、本発明は、本発明のジアザビシクロアリール誘導体を治療有効量含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0119】
治療で使用する本発明の化合物を化合物そのままの形態で投与することもできるが、有効成分を、任意に生理学的に許容される塩の形態で、1種又は複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又はその他の慣用の製薬補助剤と共に薬剤組成物として導入することが好ましい。
【0120】
好ましい実施形態では、本発明は、本発明のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬剤として許容されるその塩若しくは誘導体を、当技術分野で使用されている、周知の1種又は複数の製薬上許容されるそれ用の担体、並びに任意にその他の治療用成分及び/又は予防用成分と共に含む薬剤組成物を提供する。この担体は、製剤の他の成分と適合し、レシピエントに有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0121】
本発明の薬剤組成物は、所望の治療に適する好都合な任意の経路で投与することができる。好ましい投与経路には、経口投与、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、又は液体の形態、並びに非経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈内注射がある。本発明の薬剤組成物は、所望の製剤に適した標準の方法及び通常の技術を使用して、いずれの当業者によっても製造することができる。所望の場合には、有効成分の徐放をもたらすように適合された組成物を使用することができる。
【0122】
製剤及び投与に関する技術のさらなる詳細は、「レミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Maack Publishing Co.、イーストン、ペンシルバニア州)の最新版に出ている。
【0123】
実際の用量決定は、治療される疾患の性質及び重さに依存し、医師の裁量に委ねられ、所望の治療効果を生ずるために本発明の特定の状況に合わせて用量を増減(titration)することによって変えることができる。しかし、現在、単位投与量当たり有効成分を約0.1〜約500mg含有する薬剤組成物が、治療的処置に適していると考えられており、好ましくは約1〜約100mgであり、最も好ましくは、約1〜約10mgである。
【0124】
有効成分は、1日に1回又は数回投与することができる。ある場合には、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(腹腔内)ほどの低い用量で満足のいく結果を得ることができる。用量範囲の上限は、現在、約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)であると考えられている。好ましい範囲は、1日当たり約0.1μg/kg〜約10mg/kg(静脈内)、及び1日当たり約1μg/kg〜約100mg/kg(腹腔内)である。
【0125】
治療方法
本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、有用なニコチン性モノアミン受容体モジュレーターであり、したがってコリン作動性機能障害を伴う一連の病気並びにnAChRモジュレーターの活性に応答性の一連の障害の治療に有用である。
【0126】
別の態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体の、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性の疾患又は障害又は病態の治療、予防、又は緩和方法であって、本発明のジアザビシクロアリール誘導体の治療有効量を、それを必要とするヒトを含む動物生体に投与することを含む方法を提供する。
【0127】
好ましい一実施形態では、疾患、障害、又は病態は、中枢神経系に関係するものである。
【0128】
好ましい一実施形態では、疾患、障害、又は病態は、不安、認知障害、学習欠陥、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群、うつ病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害;神経性食欲不振症、過食症、及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性認知症、末梢神経障害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、晩期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、トリコチロマニー、及び時差ボケである。
【0129】
別の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、痙攣性障害、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、及び勃起障害を含む、平滑筋収縮に関連するものである。
【0130】
第3の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、甲状腺中毒症、クロム親和性細胞腫、高血圧症、及び不整脈などの内分泌系に関係するものである。
【0131】
第4の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、一過性無酸素症及び誘発性神経変性を含む神経変性疾患である。
【0132】
第5の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、アクネや酒さなどの炎症性皮膚障害、クーロン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含む炎症性障害である。
【0133】
第6の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、急性、慢性、又は再発性の軽い、穏やかな、さらには激しい苦痛、並びに片頭痛、術後痛、及び幻肢痛によって引き起こされる痛みである。
【0134】
第7の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は病態は、たばこなどのニコチン含有製品;ヘロイン、コカイン、モルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン薬剤、ベンゾジアゼピン様薬剤、及びアルコールを含む再発性物質の使用中止によって引き起こされる禁断症状に関連するものである。
【0135】
適切な用量範囲は、通常、具体的な投与方法、投与形態、投与の対象となる適応症、関係する対象者(subject involved)、及びこの関係する対象者の体重、さらに担当する医師又は獣医師の好み又は経験に依存し、1日当たり0.1〜1000ミリグラム、1日当たり10〜500ミリグラム、特に1日当たり30〜100ミリグラムであると現在企図されている。
【0136】
ある場合には、0.005mg/kg(静脈内)及び0.01mg/kg(腹腔内)ほどの低い用量で満足のいく結果を得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)である。好ましい範囲は、約0.001〜約1mg/kg(静脈内)、及び約0.1〜約10mg/kg(腹腔内)である。
【実施例】
【0137】
本発明について、以下の実施例を参照してさらに説明するが、これらの実施例は、本明細書で特許請求する本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図するものではない。
【0138】
(実施例1)
調製例
空気感受性の試薬又は中間体が関与する全ての反応は、窒素中及び無水溶媒中で行った。後処理で硫酸マグネシウムを乾燥剤として使用し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
【0139】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間体化合物)
表題化合物を、J.Med.Chem.、1993、36、2311〜2320に従って(且つ下記のわずかに変更された方法に従って)調製した。
【0140】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間体化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(15.8g、113mmol)の無水ジオキサン(130ml)溶液に、LiAlH(4.9g、130mmol)をアルゴン中で添加した。混合物を6時間還流し、次いで室温に達するまで放置した。水(ジオキサン10ml中5ml)を反応混合物に滴下し、この混合物を0.5時間撹拌し、次いでガラスろ過器によってろ過した。溶媒を蒸発させ、クーゲルロール(Kugelrohr)を使用して残渣を90℃で蒸留して、無色の吸湿性材料として1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(11.1g、78%)を得た。
【0141】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(中間体化合物)
3−キヌクリジノン塩酸塩(45g、278mmol)の水(90ml)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(21g、302mmol)及び酢酸ナトリウム(CHCOOH×3HO、83g、610mmol)を添加し、混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。分離した結晶物質を(洗浄なしで)ろ過し、減圧下で乾燥してオキシム40.0gを得た。
【0142】
3−キヌクリジノンオキシム(40.0g)を、120℃に予備加熱したポリリン酸(190g)に小分けして2時間かけて添加した。反応中の溶液の温度を130℃に維持した。全てのオキシムを添加した後、溶液を同じ温度で20分間撹拌し、次いでエナメル容器に移し室温に達するまで放置した。酸性混合物を炭酸カリウム(水300ml中500g)溶液で中和し、2000mlフラスコに移し、水300mlで希釈し、クロロホルム(3×600ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、固体残渣を減圧下で乾燥させてラクタム混合物30.0g(77%)を得た。
【0143】
1,4−ジオキサン(220ml)から得られた混合物を結晶化すると、融点211〜212℃を有する無色の大きな結晶として1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(40.5%)15.8gが得られた。
【0144】
ろ液を蒸発させ、残渣を、溶出液としてアセトンを用いシリカゲル(Merck、9385、230〜400メッシュ)カラムでクロマトグラフィー分離した。溶媒を蒸発させ、残渣をエタン酸エチルから再結晶して、融点125〜126℃を有する無色の微細結晶として1,3−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−オン(10.2g、26%)を得た。
【0145】
ポリリン酸
85%オルトリン酸(500g、294ml、4.337mol)を2000mlフラスコに入れ、次いで五酸化リン(750g、5.284mol)を室温で添加した(酸と五酸化物の比は、2:3)。混合物を200〜220℃で2時間撹拌して、80%Pを含むポリリン酸1250gを得た。
【0146】
方法A
(中間体化合物)
4−(6−ブロモ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩
3,6−ジブロモ−ピリダジン(3.77g、15.85mmol)と1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]−ノナン(2.00g、15.85mmol)と水酸化ナトリウム水溶液(10ml、4M)の混合物を、100℃で30分間撹拌した。混合物をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。ジクロロメタン、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行うと、オイルとして表題化合物が得られた。収量0.88g(20%)。フマル酸で飽和させたジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を添加して対応する塩を得た。融点164.6〜168.9℃。
【0147】
4−(6−クロロ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基
表題化合物を方法Aに従って調製した。融点127.0〜128.5℃。
【0148】
方法B
4−(6−フェニルエチニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物B1)
4−(6−ブロモ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(1.0g、3.5mmol)とフェニルアセチレン(0.77ml、7.1mmol)とエチルジイソプロピルアミン(0.61ml、3.5mmol)とパラダサイクル(palladacycle)(66mg、0.70mmol)とジオキサン(10ml)の混合物を、100℃で15時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(10ml、4M)を添加した。混合物をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。ジクロロメタン、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行うと、オイルとして表題化合物が得られた。収量0.12g(11%)。フマル酸で飽和させたジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を添加して対応する塩を得た。融点196.7〜197.9℃。
【0149】
4−[6−(4−アミノ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物B2)
表題化合物を方法Bに従って調製した。融点181.7〜183.4℃。
【0150】
4−[6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物B3)
表題化合物を方法Bに従って調製した。融点173.5〜175.0℃。
【0151】
4−[6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物B4)
表題化合物を方法Bに従って調製した。融点208〜209℃。
【0152】
4−[6−(3−ピリジニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物B5)
表題化合物を方法Bに従って調製した。融点177.8〜181.2℃。
【0153】
方法C
4−(6−フェニルスルファニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物C1)
4−(6−クロロ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.27g、1.1mmol)とチオフェノール(0.96g、8.4mmol)と炭酸セシウム(369mg、1.1mmol)とDMF(1ml)の混合物を、125℃で15時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(5ml、4M)を添加した。混合物をジクロロメタン(3×5ml)で抽出した。ジクロロメタン、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行うと、オイルとして表題化合物が得られた。収量0.32g(93%)。フマル酸で飽和させたジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を添加して対応する塩を得た。融点102.2℃。
【0154】
4−(6−フェニルスルフィニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物C2)
クロロホルム中でMCPBAを用いて酸化させ、続いて、還流温度でジオキサン中でPPhを使用して還元させることによって、4−(6−フェニルスルファニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナンから表題化合物を調製した。融点162℃。
【0155】
4−(6−フェノキシ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物C3)
方法Cに従って、10日間160℃で、塩基としてNaH、パラダサイクル(5%)、及び銅(5当量)を使用して表題化合物を調製した。融点146〜156℃。
【0156】
方法D
4−(5−ベンジルスルファニル−[1.3.4]−チアジアゾル−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物D1)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(1.0g、7.9mmol)と2,5−ビスベンジルスルファニル[1.3.4]チアジアゾールとエチルジイソプロピルアミン(2.8ml、15.8mmol)の混合物を、110℃で15時間撹拌した。融点138.1〜139.2℃。
【0157】
方法E
1−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フェニル−ウレア遊離塩基(化合物E1)
4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン(0.43g、2.0mmol)とフェニルイソシアナート(0.29ml、2.5mmol)とメタノール(60ml)の混合物を、室温で40時間撹拌した。混合物を蒸発させ、ジエチルエーテル(30ml)を添加し、沈殿物をろ過した。生成物を単離した。収量0.23g(34%)。融点145℃(分解)。
【0158】
4−(4−ニトロ−フェニル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフッ化水素酸塩(中間体化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(20.2g、160mmol)と1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(17.5ml、163.3mmol)とエチレングリコールジエチルエーテル(160ml)の混合物を、135℃で18時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(100ml)を添加した。混合物をろ過し、生成物をろ過で単離した。収量24.8g(58%)。融点122〜129℃。
【0159】
4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(中間体化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(6.3g、50mmol)を、0℃で2−クロロ−ニトロピリジン(11.9、75mmol)とジオキサン(250ml)の混合物に添加した。反応混合物を放置して室温にした。水(100ml)を添加した。混合物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。ジクロロメタン及び10%メタノールを溶媒として用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行うと、オイルとして表題化合物が生じた。収量8.1g(65%)。融点143〜146℃。
【0160】
方法F
4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン(中間体化合物
4−(4−ニトロ−フェニル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(0.50g、2.0mmol)と炭素担持パラジウム(100mg、10%)とメタノール(60ml)の混合物を、水素中で15分間撹拌した(水素130mlを消費)。粗混合物をセライトでろ過し、生成物を定量的収量でオイルとして単離した。
【0161】
2−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物F1)
方法Fに従って、N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−ニトロ−ベンズアミドから調製した。融点238℃(分解)。
【0162】
3−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物F2)
方法Fに従って、N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミドから調製した。融点>250℃(分解)。
【0163】
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物F3)
方法Fに従って、N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンズアミドから調製した。融点>250℃(分解)。
【0164】
4−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物F4)
方法Fに従って、N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−ニトロ−ベンズアミドから調製した。融点>272℃(分解)。
【0165】
3−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物F5)
方法Fに従って、N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−ニトロ−ベンズアミドから調製した。融点>244℃(分解)。
【0166】
6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン(中間体化合物)
方法Fに従って調製した。
【0167】
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド塩酸(化合物F6)
方法Fに従って、N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミドから調製した。融点>265℃。
【0168】
方法G
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物G1)
4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン(0.76g、3.5mmol)、ベンゾイル塩化物(0.41g、3.5mmol)、及びジクロロメタン(33ml)を、室温で17時間撹拌した。混合物を蒸発させ、ジエチルエーテル(50ml)を加えて粉砕した。結晶をメタノール(40ml)から再結晶させた。塩酸塩を単離した。収量0.54g(44%)。融点260℃(分解)。
【0169】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G2)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−2−ニトロベンゾイルから調製した。融点>280℃。
【0170】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G3)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−3−ニトロベンゾイルから調製した。融点>280℃。
【0171】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G4)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−4−ニトロベンゾイルから調製した。融点>280℃。
【0172】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−メトキシ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G5)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−3−メトキシベンゾイルから調製した。融点260℃。
【0173】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド遊離塩基(化合物G6)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化フェニルスルホニルから調製した。融点267℃。
【0174】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−メトキシ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G7)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−4−メトキシベンゾイルから調製した。融点>275℃。
【0175】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−シアノ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G8)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−3−シアノベンゾイルから調製した。融点250℃(分解)。
【0176】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−シアノ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G9)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−4−シアノベンゾイルから調製した。融点250℃(分解)。
【0177】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G10)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−3−フルオロベンゾイルから調製した。融点>270℃(分解)。
【0178】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G11)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−4−フルオロベンゾイルから調製した。融点>270℃(分解)。
【0179】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G12)
方法Gに従って、4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニルアミン及び塩化−2−フルオロベンゾイルから調製した。融点>268℃(分解)。
【0180】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド塩酸塩(化合物G13)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル−アミンから調製した。融点285℃(分解)。
【0181】
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−(2−ニトロ−フェニル)−ウレア−1−N−オキシド(化合物G14)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び2−ニトロフェニルイソシアナートから調製した。融点139℃(分解)。
【0182】
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−フェニル−ウレア塩酸塩(化合物G15)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及びフェニルイソシアナートから調製した。融点235℃(分解)。
【0183】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G16)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−4−ニトロベンゾイルから調製した。融点>310℃(分解)。
【0184】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G17)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−3−ニトロベンゾイルから調製した。融点>280℃(分解)。
【0185】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(化合物G18)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−4−ニトロフェニルスルホニルから調製した。融点>300℃(分解)。
【0186】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G19)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−3−メトキシベンゾイルから調製した。融点>265℃(分解)。
【0187】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−シアノ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G20)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−3−シアノベンゾイルから調製した。融点>265℃(分解)。
【0188】
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−シアノ−ベンズアミド塩酸塩(化合物G21)
方法Gに従って、6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イルアミン及び塩化−4−シアノベンゾイルから調製した。融点>300℃。
【0189】
方法H
2−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド遊離塩基(化合物H1)
2−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド塩酸塩(365mg、1.1mmol)と酢酸ナトリウム(4.4g、54.2mmol)と水(100ml)の混合物に、酢酸(2ml)を0℃で添加した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20ml)を添加してアルカリ性にした。この混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。生成物を単離した。収量95mg(23%)。融点191℃。
【0190】
3−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド遊離塩基(化合物H2)
方法Hに従って調製した。融点184〜187℃。
【0191】
4−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド遊離塩基(化合物H3)
方法Hに従って調製した。融点>240℃。
【0192】
4−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド遊離塩基(化合物H4)
方法Hに従って調製した。融点255℃(分解)。
【0193】
3−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド遊離塩基(化合物H5)
方法Hに従って調製した。融点60℃。
【0194】
(実施例2)
ラット脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合のin vitro阻害
この実施例においては、α−サブタイプのニコチン性受容体に対する本発明の化合物の結合親和性を決定する。
【0195】
α−ブンガロトキシンは、コブラ科のヘビであるアマガサヘビ(Bungarus multicinctus)の毒液から単離されたペプチドである。これは、神経ニコチン性受容体及び神経筋ニコチン性受容体に対して高い親和性を有し、有力なアンタゴニストとして作用する。H−α−ブンガロトキシンは、脳内で見出されるαサブユニットアイソフォーム及び神経筋接合部中のαアイソフォームによって形成されるニコチン性アセチルコリン受容体の標識となる。
【0196】
組織調製
調製は、0〜4℃で行う。雄のウイスターラット(150〜250g)からの大脳皮質を、ウルトラタラックスホモジナイザー(Ultra−Turrax homogeniser)を使用して、118mM NaCl、4.8mM KCl、1.2mM MgSO、及び2.5mM CaCl(pH7.5)を含む20mMヘペス(Hepes)緩衝液15ml中で10秒間ホモジナイズする。組織懸濁液を27,000xgで10分間遠心分離にかける。上澄液を捨て、ペレットを新鮮な緩衝液20ml中で10分間27,000xgで遠心分離によって2回洗浄し、次いで、最終ペレットを0.01%BSAを含む新鮮な緩衝液(原組織1g当たり35ml)中に再浮遊させ、結合アッセイに使用する。
【0197】
アッセイ
ホモジナート500μlのアリコートを、テスト溶液25μl及びH−α−ブンガロトキシン(最終濃度、2nM)25μlに加え、混合し、37℃で2時間インキュベートする。(−)−ニコチン(最終濃度、1mM)を使用して、非特異的結合を決定する。インキュベーション後、サンプルを、0.05%PEIを含む氷冷ヘペス緩衝液5mlに加え、吸引下でワットマンGF/Cガラスファイバーフィルター(0.1%PEI中で少なくとも6時間予備浸漬済み)上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗浄する。
【0198】
フィルター上の放射能の量を、従来の液体シンチレーションカウンティングによって決定する。特異的結合は、全結合から非特異的結合を差し引いたものである。
【0199】
テスト値をIC50H−α−ブンガロトキシンの特異的結合を50%阻害するテスト物質の濃度)として表す。
【0200】
これらの実験結果を、以下の表1に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表されるジアザビシクロアリール誘導体、そのエナンチオマーのいずれか又はそのエナンチオマーのいずれかの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩:
【化1】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環式又は二環式の炭素環又は複素環の基を表し、この炭素環基又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換され、
Bは、フェニル基、ナフチル基、5〜6員環の芳香族単環式複素環基、又は芳香族二環式複素環基を表し、
この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’
(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、
R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R’’’は、水素又はアルキルを表し、
R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、又はベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式炭素環又は複素環の基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよく、
Lは、単(共有)結合(すなわち、Lは存在しない);
−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR’’’’’’−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、−(SO)NR’’’’’’−、及び−NR’’’’’’(SO)−
(式中、R’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、
Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−を表し、
R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、
mは、0、1、2、又は3である)から選択される連結基である]。
【請求項2】
nが、1、2、又は3である、請求項1に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項3】
Aが、芳香族単環式又は二環式の炭素環又は複素環の基を表し、この炭素環基又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換される、請求項1から3までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項4】
Aが、
フェニル基;又は
フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員環芳香族単環式複素環基;又は
ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す、請求項3に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項5】
Aが、フェニル、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニル基を表す、請求項4に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項6】
Bが、フェニル、ナフチル基、5〜6員環の芳香族単環式複素環基、又は芳香族二環式複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR’’’R’’’’、−NR’’’(C=Z)R’’’’、及び−NR’’’(C=Z)NR’’’R’’’’
(式中、Zは、O、S、又はNR’’’’’を表し、
R’’’’’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R’’’は、水素又はアルキルを表し、
R’’’’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換された単環式炭素環若しくは複素環の基を表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい、請求項1から5までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項7】
Bが、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R’’’’(式中、R’’’’は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい、請求項6に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項8】
nが2であり、
Aが、次式の5員環芳香族単環式複素環基を表し、
【化2】


[式中、Xは、O、S、若しくはSe;又は
以下から選択される6員環芳香族単環式複素環基を表す]
【化3】


Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R’’’’(式中、R’’’’は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す)からなる群から選択される置換基で任意に1回又は複数回置換されていてもよい、請求項1に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項9】
Lが、単(共有)結合(すなわち、Lは存在しない);
−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR’’’’’’−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、−(SO)NR’’’’’’−、及び−NR’’’’’’(SO)−
[式中、R’’’’’’は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表し、mは、0、1、2、又は3である]から選択される連結基を表す、請求項1から8までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項10】
Lが、−O−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、−SO−、−NR’’’’’’’−、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NR’’’’’’CO−、−NR’’’’’’CONR’’’’’’−、又は−NR’’’’’’(SO)−(式中、R’’’’’’’は、水素又はアルキルを表す)を表す、請求項9に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項11】
Lが、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又はNH(SO)−を表す、請求項10に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項12】
nが、2であり、
Aが、フェニル、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニルを表し、
Bが、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニル又はピリジル基を表し、
Lが、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す、請求項1に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項13】
nが、2であり、
Aが、フェニルを表し、
Bが、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニルを表し、
Lが、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す、請求項12に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項14】
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
1−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フェニル−尿素;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−ニトロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンズアミド;
2−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
3−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
2−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
3−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
4−アセチルアミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−メトキシ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−シアノ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−シアノ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−3−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−2−フルオロ−ベンズアミド;
N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド;又は
4−アミノ−N−[4−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド;
又はそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩である、請求項13に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項15】
nが、2であり、
Aが、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニルを表し、
Bが、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換されたフェニル又はピリジルを表し、
Lが、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−C≡C−、−NHCO−、−NHCONH−、又は−NH(SO)−を表す、請求項1に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項16】
Aが、チアジアゾリルを表す、請求項15に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項17】
4−(5−ベンジルスルファニル−[1.3.4]−チアジアゾル−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン、又はそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるその塩である、請求項16に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項18】
Aが、ピリジル又はピリダジニルを表す、請求項15に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項19】
4−(6−フェニルエチニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(4−アミノ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[6−(3−ピリジニルエチニル)−ピリダジン−3−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェニルスルファニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェニルスルフィニル−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−(6−フェノキシ−ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−(2−ニトロ−フェニル)−尿素−1−N−オキシド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
1−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−フェニル−尿素;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−ニトロ−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−ニトロ−ベンズアミド;
4−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
3−アミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
4−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
3−アセチルアミノ−N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド;
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−3−シアノ−ベンズアミド;又は
N−[6−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−4−シアノ−ベンズアミド;
又はそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるそれらの塩である、請求項18に記載のジアザビシクロアリール誘導体。
【請求項20】
少なくとも1種の製薬上許容される担体又は希釈剤と共に、請求項1から19までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩を治療有効量含む薬剤組成物。
【請求項21】
ヒトを含む哺乳動物のコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性の疾患又は障害又は病態の治療、予防、又は緩和用の薬剤組成物/医薬品を製造するための、請求項1から19までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の使用。
【請求項22】
前記疾患、障害、又は病態が、中枢神経系に関係する、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記疾患、障害、又は病態が、不安、認知障害、学習欠陥、記憶の欠陥及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群(Gilles de la Tourette’s Syndrome)、うつ病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害;神経性食欲不振症、過食症、及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性認知症、パーリフェリックニューロパシー、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、晩期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、トリコチロマニー、及び時差ボケである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記疾患、障害、又は病態が、痙攣性障害、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、及び勃起障害を含む、平滑筋収縮に関連する、請求項21に記載の使用。
【請求項25】
前記疾患、障害、又は病態が、甲状腺中毒症、クロム親和性細胞腫、高血圧症、不整脈などの内分泌系と関係がある、請求項21に記載の使用。
【請求項26】
前記疾患、障害、又は病態が、一過性無酸素症及び誘発性神経変性を含む神経変性疾患である、請求項21に記載の使用。
【請求項27】
前記疾患、障害、又は病態が、アクネや酒さなどの炎症性皮膚障害、クーロン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含めた炎症性障害である、請求項21に記載の使用。
【請求項28】
前記疾患、障害、又は病態が、急性、慢性、又は再発性の軽い、穏やかな、さらには激しい苦痛、並びに片頭痛、術後痛、及び幻肢痛によって引き起こされる苦痛である、請求項21に記載の使用。
【請求項29】
前記疾患、障害、又は病態が、たばこなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、モルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン薬剤、ベンゾジアゼピン様薬剤、及びアルコールを含めた再発性物質の使用を中止することによって引き起こされる禁断症状に関連する、請求項21に記載の使用。
【請求項30】
ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態の治療、予防、又は緩和の方法であって、前記障害、疾患、又は病態が、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答し、請求項1から19までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアリール誘導体の治療有効量を、それを必要とするヒトを含めたこうした動物生体に投与するステップを含む方法。


【公表番号】特表2007−520526(P2007−520526A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551844(P2006−551844)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050404
【国際公開番号】WO2005/074940
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】