説明

コンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置

【課題】 コンクリート中における欠陥や鉄筋の位置が裏面側に近い場合においても、感度が高く、しかも短時間で検査することができる、コンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置を提案することを課題とする。
【解決手段】 被検査物であるコンクリートの一方の面側からマイクロ波を照射して該コンクリートを昇温させ、その後に該コンクリートの他方の面側の温度分布を測定し、得られた温度分布および/またはその時間変化より該コンクリートの内部状況を検出するコンクリートの非破壊検査方法、および被検査物であるコンクリート1の一方の面側からマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置2と、マイクロ波照射により昇温したコンクリートの他方の面側の温度分布を測定する温度測定手段4と、上記温度測定手段を用いて測定された温度分布を分析して該コンクリートの内部状況を検出する解析手段6とを備えるコンクリートの非破壊検査装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置に関するもので、特に、コンクリートを外部から加熱して昇温させるアクティブ加熱式のコンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検査物であるコンクリートにマイクロ波を照射して該コンクリートを昇温させ、その後に該コンクリートのマイクロ波照射側の表面温度の分布を測定し、得られた表面温度分布および/またはその時間変化より該コンクリートの内部状況を検出するコンクリートの非破壊検査方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、例えば、アスファルトの熱や、コンクリートの固化の際に放出される熱によりコンクリート製床版部の表面を加熱し、その裏面の温度分布をサーモグラフィで測定して、コンクリート製床版部を検査する方法が開示されている。
【0004】
更に、非特許文献1には、マイクロ波により、コンクリート内部の欠陥および鉄筋の検出に関する基礎実験が報告されている。また、非特許文献2には、マイクロ波を照射した側の面の温度分布を測定した実験結果が報告されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−249536号公報
【特許文献2】特開2003−247964号公報
【非特許文献1】信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE SPS2004-16(2005-02) 33-38頁、竹野裕正、他「マイクロ波照射によるコンクリート内部の欠陥および鉄筋の検出基礎実験」
【非特許文献2】土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月) 1217-1218頁、米田奈諸、他「マイクロ波強制加熱を用いたサーモグラフィ法によるコンクリート中の内部欠陥検出方法に関する研究」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、先ず、上記した特許文献1、あるいは非特許文献1および2に開示された方法にあっては、コンクリート中における欠陥や鉄筋の位置が表面側(マイクロ波の照射側)に近い場合には、感度よく検出できるが、深い位置にある場合には、感度が小さくなるという問題がある。
【0007】
また、上記特許文献2に開示された方法は、コンクリート中の欠陥の存在による熱伝導の異常を検出することを測定原理とするものであるため、熱伝導の差を検出できる程に温度差が生じるためには、かなり長い測定時間を要するという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した背景技術に鑑み成されたものであって、コンクリート中における欠陥や鉄筋の位置が裏面側に近い場合においても、感度が高く、しかも短時間で検査することができる、コンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題は、請求項1および6に記載したマイクロ波加熱を利用したコンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置により解決された。
【0010】
即ち、被検査物であるコンクリートの一方の面側からマイクロ波を照射して該コンクリートを昇温させ、その後に該コンクリートの他方の面側の温度分布を測定し、得られた温度分布および/またはその時間変化より該コンクリートの内部状況を検出するコンクリートの非破壊検査方法により解決された。
【0011】
また、被検査物であるコンクリートの一方の面側からマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、マイクロ波照射により昇温したコンクリートの他方の面側の温度分布を測定する温度測定手段と、上記温度測定手段を用いて測定された温度分布を分析して該コンクリートの内部状況を検出する解析手段とを備えるコンクリートの非破壊検査装置により解決された。
【0012】
ここで、上記本発明の係るコンクリートの非破壊検査方法は、検査されるコンクリートの内部状況、つまり、コンクリート内部の欠陥、コンクリート,タイルあるいは貼り石の剥離、鉄筋の位置、鉄筋の破断、鉄筋のクラック、鉄筋の腐食の有無の全て、又はその幾つかを検査する検査方法とすることができる。
【0013】
また、上記得られた昇温後のコンクリートの温度分布を予め用意された基準の温度分布と比較することにより、上記コンクリートの内部状況を検出する検査方法とすることもできる。
【0014】
また、上記本発明の係るコンクリートの非破壊検査装置において、上記解析手段を、検査されるコンクリートの内部状況、つまり、コンクリート内部の欠陥、コンクリート,タイルあるいは貼り石の剥離、鉄筋の位置、鉄筋の破断、鉄筋のクラック、鉄筋の腐食の有無の全て、又はその一部を検査する検査装置とすることができる。
【0015】
また、予め用意された基準の温度分布を格納する記憶手段を更に有し、上記解析手段を、上記温度測定手段を用いて測定された温度分布と上記記憶手段に格納されている基準の温度分布を比較分析して上記コンクリートの内部状況を検出する検査装置とすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
上記した本発明に係るコンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置によれば、コンクリートの中の欠陥や鉄筋の位置が、マイクロ波照射側に対して裏面になる側に近い場合においても、検出感度が高く、コンクリートの中の欠陥等を精度よく検査することができる。
また、マイクロ波を用いるアクティブ加熱式であるため、短時間で急速に温度を上昇させたり、あるいは加熱速度を調節したりすることができる。従って、検査されるコンクリートの位置や状態などに応じて最適な形態で短時間に検査をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、上記した本発明に係るコンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は、本発明に係るコンクリートの非壊検査方法を実施する本発明に係るコンクリートの非破壊検査装置の一実施の形態を示した概念的平面図である。
【0018】
図1においては、被検査物であるコンクリート1の中に、欠陥1aおよび鉄筋1bを、理解を容易にするためにそれぞれ1つだけ概念的に示している。
このコンクリート1を加熱するための加熱手段として、コンクリートの構成成分が共振するマイクロ波が用いられる。このマイクロ波が水と共振するマイクロ波であるときは、マイクロ波の周波数は2.45GHzの整数分の1、又は整数倍となり、この周波数のマイクロ波を用いるとき、水を確実に含有しているコンクリートを効率的に加熱することができる。
【0019】
上記のようなマイクロ波は、工業用としての加熱に使用可能な例えばマグネトロンを用いて発生させることができる。マグネトロンは、電子レンジなどで使用されているマイクロ波管である。
【0020】
コンクリート1を一様に加熱するため、この実施の形態では、マイクロ波発生装置移動手段3を用いている。
このマイクロ波発生装置移動手段3は、例えばレール3aと、該レール3a上を移動する移動台車3bで構成することができる。移動台車3bの移動方向は、1次元方向、あるいは2次元方向とすることができる。
【0021】
なお、上記レール3aは不可欠な要件ではない。ロボットのアームのようなもので、マイクロ波発生装置2を移動させることも可能である。
また、マイクロ波発生装置2の出力が十分に大きいときは、マイクロ波発生装置2を移動させずに固定しておき、そこからホーンアンテナなどを用いて放射状にマイクロ波をコンクリート1に照射することも可能である。
【0022】
図1に示した実施の形態では、上記移動台車3bにマイクロ波発生装置2を固定し、移動台車3bをレール3aに沿って往復移動させることにより、マイクロ波をコンクリート1に照射している。
【0023】
上記のように、マイクロ波を照射してコンクリート1を昇温させた後、コンクリート1の裏面(マイクロ波の照射と反対側の面)の温度分布を、温度測定手段4を用いて測定する。
【0024】
このコンクリート裏面の温度分布は、コンクリート裏面からの赤外線放射強度に基づき、該裏面上の各点をその点の温度に対応する色で表示する赤外線サーモグラフィで求めることができる。
【0025】
赤外線サーモグラフィである上記温度測定手段4で得られたコンクリート1の裏面温度の分布は、この実施の形態においては、記憶手段5に予め用意された基準の温度分布と比較分析される。即ち、解析手段6が、上記温度測定手段4を用いて測定された温度分布と、上記記憶手段5に格納されている基準の温度分布とを比較分析し、該コンクリート1の内部欠陥1a、鉄筋1bの位置などを検出する。そして、その結果を、必要に応じてディスプレイや印刷手段などの出力手段7に出力する。
なお、解析手段6は、温度測定手段4で得られたコンクリート1の温度分布の時間的変化により、コンクリート1の内部状況を検出し得るものとしてもよい。
【0026】
上記記憶手段5に予め用意された基準の温度分布とは、欠陥などのないコンクリートや、鉄筋のないコンクリートについて、マイクロ波を照射したときのコンクリートの裏面温度分布を予め測定したデータ、あるいはそのコンクリートについて、過去に同じ条件で測定した裏面温度分布についてのデータなどである。
【0027】
上記のようなデータなどは、公知の技術により、ハードディスクなどの記憶手段5に記録し、また呼び出すことができる。また、上記解析手段6も、通常のマイクロコンピュータなどを用いて、公知の技法を用いて容易に実現することができる。
【0028】
図2は、コンクリートの中に欠陥が存在する場合、マイクロ波を照射する面に対して反対側の面、すなわち裏面側の温度分布を測定すると、そこに対応する部分が低温となって現れる理由を説明するための、コンクリートの概念的断面図である。
【0029】
照射されたマイクロ波は、コンクリート中に欠陥等が存在しなければ、コンクリート中を加熱しながらコンクリート中を進行し、徐々にエネルギーを失って行く。しかし、コンクリート中に欠陥等があれば、例えば空隙や異物が存在すると、インピーダンスが不均一になり、マイクロ波の一部または大部分が反射されてしまう。
【0030】
その理論は次の通りである。
コンクリートのインピーダンスをZ1、空隙等の欠陥部のインピーダンスをZ2とするとき、コンクリート側から欠陥側にマイクロ波が進行しているとき、よく知られているように、マイクロ波の電力反射率Rは、次の式(1)で表現できる。

R=(Z1−Z2)2 /(Z1+Z2)2 ・・・ (1)
【0031】
上記式(1)から分るように、インピーダンスの差が大きいほど、すなわち、インピーダンス不整合が大きいほど、マイクロ波の反射率Rが大きくなる。透過波が再びコンクリートに入るときにもインピーダンス不整合が起こるので、反射率はさらに大きくなる。
【0032】
従って、欠陥等の背面側にはマイクロ波が進行せず、その結果、マイクロ波による加熱が少なく、反射波は、欠陥等のマイクロ波の波源側を加熱するのみである。よって、コンクリートの裏面側で温度分布を計測すると、欠陥等の後部に低温域が検出されると考えられる。他方、その欠陥の中に水分が多く含まれている場合には、その水分がマイクロ波のエネルギーを吸収して他の部分より多く発熱し、結果としてその部分に対応する裏面の部分の温度が高くなる場合がある。いずれにしても、欠陥等が存在すると、裏面の温度分布が異常になるので、欠陥等の存在を検出することができる。
【0033】
図3と図4は、試験用のロ字形に形成された欠陥を有するコンクリート供試体に、その一方の面側よりマイクロ波〔周波数:2.45GHz、出力:720W、照射距離:45cm、照射時間:60sec、ホーンアンテナ設置(開口縦:24.85cm,開口横:31.97cm,長さ:20.0cm)〕を照射し、その照射直後に表面側(マイクロ波の照射側)を、照射1分後に裏面側(マイクロ波の照射と反対側)を、それぞれ赤外線サーモグラフィで観測した例である。
なお、この供試体は、図5に示したように、高さHと幅Wがそれぞれ300mm、厚さTが100mmのコンクリート供試体1で、その厚さ方向35mmの位置aに、幅wが40mm、厚さtが10mm、中心長さlが400mmのロ字形の欠陥1aを形成したものである。
【0034】
図3と図4を比較することにより明らかなように、少なくともこの供試体においては、裏面側(マイクロ波の照射と反対側)よりマイクロ波照射後の温度分布を測定した方が、ロ字形の欠陥部分(図4に点線で示す)が明瞭に観測されている。
【0035】
図6は、コンクリートの中に鉄筋が存在する場合、マイクロ波を照射する面に対して反対側の面、すなわち裏面側の温度分布を測定すると、そこに対応する部分が低温となって現れる理由を説明するための、コンクリートの概念的断面図である。
【0036】
この場合には、照射されたマイクロ波は鉄筋に集中し、また鉄筋で反射されたマイクロ波も鉄筋の周囲を加熱するので、マイクロ波の波源側では一度高温になるが、鉄筋の熱伝導率がコンクリートより大きいので、直ぐに温度が下がる。そして、鉄筋の背後にはマイクロ波が到達しないので、マイクロ波によるコンクリートの発熱がない。従って、コンクリートの裏面側で温度分布を計測すると、鉄筋等の金属の後部に低温域が検出されると考えられる。
【0037】
図7と図8は、試験用に十字形に形成された鉄筋を入れたコンクリート供試体に、マイクロ波(上記欠陥部の場合と同一のマイクロ波)を照射し、その2分後に、それを照射側と裏面側から赤外線サーモグラフィで観測した例である。
なお、この供試体は、図9に示したように、高さHと幅Wがそれぞれ300mm、厚さTが100mmのコンクリート供試体1で、その厚さ方向35mmの位置bに、直径φが13mmの鉄筋1bを2本十字に重ねて埋め込んだものである。
【0038】
図7と図8を比較することにより明らかなように、少なくともこの供試体においては、裏面側(マイクロ波の照射と反対側)よりマイクロ波照射後の温度分布を測定した方が、鉄筋の埋設位置(図8に点線で示す)が明瞭に観測されている。なお、水平の鉄筋より、垂直の鉄筋の方が明瞭に観測されているのは、マイクロ波の偏向面が水平であったためと考えられる。
【0039】
いずれにしても、コンクリート中に欠陥や鉄筋があると、周囲温度のレベルと温度レベルが変わるため、裏面で温度分布を計測すると、これらの欠陥等が存在することを検出することができる。また、熱伝導の効果により、温度分布は時間の経過とともに変化するが、この温度分布の時間変化を計測することにより、これらの欠陥や鉄筋の位置を検出することも可能である。なお、欠陥とは、例えば、コンクリートのクラックや、極端に水分含有量が他の部分と異なる領域等である。
【0040】
以上、本発明に係るコンクリートの非破壊検査方法および非破壊検査装置による、コンクリート中の欠陥の検出と鉄筋の位置検出について説明したが、コンクリート,タイルあるいは貼り石の剥離、コンクリートのひび割れ、鉄筋の破断、鉄筋のクラック、鉄筋の腐食などが存在しても、電気力線の分布が変化したり、誘電率の分布が変化したりするため、マイクロ波の減衰の態様が変化し、その結果、コンクリートの温度上昇に差異が表れるため、これらの存在なども検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の係るコンクリートの非破壊検査装置の一実施の形態を示した概念的平面図である。
【図2】コンクリートの中に欠陥等が存在する場合、マイクロ波を照射する面に対して反対側の面、すなわち裏面側の温度分布を測定すると、そこに対応する部分が低温になることの理由を説明するための、コンクリートの概念的断面図である。
【図3】試験用のロ字形に形成された欠陥を有するコンクリート供試体に、その表面側よりマイクロ波を照射し、それを表面側(マイクロ波の照射側)より赤外線サーモグラフィで観測した例である。
【図4】試験用のロ字形に形成された欠陥を有するコンクリート供試体に、その表面側よりマイクロ波を照射し、それを裏面側(マイクロ波の照射と反対側)より赤外線サーモグラフィで観測した例である。
【図5】試験用のロ字形に形成された欠陥を有するコンクリート供試体を示した概念的斜視図である。
【図6】コンクリートの中に鉄筋等の金属が存在する場合、マイクロ波を照射する面に対して反対側の面、すなわち裏面側の温度分布を測定すると、そこに対応する部分が低温になることの理由を説明するための、コンクリートの概念的断面図である。
【図7】試験用に十字形に形成された鉄筋を入れたコンクリート供試体に、その表面側よりマイクロ波を照射し、それを表面側(マイクロ波の照射側)より赤外線サーモグラフィで観測した例である。
【図8】試験用に十字形に形成された鉄筋を入れたコンクリート供試体に、その表面側よりマイクロ波を照射し、それを裏面側(マイクロ波の照射と反対側)より赤外線サーモグラフィで観測した例である。
【図9】試験用に十字形に形成された鉄筋を入れたコンクリート供試体を示した概念的斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 コンクリート
1a コンクリート中の欠陥
1b コンクリート中の鉄筋
2 マイクロ波発生装置
3 マイクロ波発生装置移動手段
3a レール
3b 移動台車
4 温度測定手段
5 記憶手段
6 解析手段
7 出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物であるコンクリートの一方の面側からマイクロ波を照射して該コンクリートを昇温させ、その後に該コンクリートの他方の面側の温度分布を測定し、得られた温度分布および/またはその時間的変化より該コンクリートの内部状況を検出することを特徴とする、コンクリートの非破壊検査方法。
【請求項2】
上記検出するコンクリートの内部状況が、コンクリート内部の欠陥、コンクリート,タイルあるいは貼り石の剥離、鉄筋の位置、鉄筋の破断、鉄筋のクラック、鉄筋の腐蝕の有無の全て、又はその一部であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートの非破壊検査方法。
【請求項3】
上記得られた昇温後のコンクリートの温度分布を予め用意された基準の温度分布と比較することにより、上記コンクリートの内部状況を検出することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリートの非破壊検査方法。
【請求項4】
上記コンクリートに照射するマイクロ波が、2.45GHzの整数分の1、又は整数倍のマイクロ波であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査方法。
【請求項5】
上記コンクリートの温度分布を、赤外線サーモグラフィを用いて測定することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査方法。
【請求項6】
被検査物であるコンクリートの一方の面側からマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、マイクロ波照射により昇温したコンクリートの他方の面側の温度分布を測定する温度測定手段と、上記温度測定手段を用いて測定された温度分布を分析して該コンクリートの内部状況を検出する解析手段とを備えることを特徴とする、コンクリートの非破壊検査装置。
【請求項7】
上記解析手段が検出するコンクリートの内部状況が、コンクリート内部の欠陥、コンクリート,タイルあるいは貼り石の剥離、鉄筋の位置、鉄筋の破断、鉄筋のクラック、鉄筋の腐食の有無の全て、又はその一部であることを特徴とする、請求項6に記載のコンクリートの非破壊検査装置。
【請求項8】
予め用意された基準の温度分布を格納する記憶手段を更に有し、上記解析手段が、上記温度測定手段を用いて測定された温度分布と上記記憶手段に格納されている基準の温度分布を比較分析して上記コンクリートの内部状況を検出することを特徴とする、請求項6又は7に記載のコンクリートの非破壊検査装置。
【請求項9】
上記マイクロ波発生装置より照射されるマイクロ波が、2.45GHzの整数分の1、又は整数倍のマイクロ波であることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査装置。
【請求項10】
上記マイクロ波発生装置が、マグネトロンであることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査装置。
【請求項11】
上記マイクロ波発生装置を移動させるマイクロ波発生装置移動手段および/またはホーンアンテナを更に備えることを特徴とする、請求項6乃至10のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査装置。
【請求項12】
上記温度測定手段が、赤外線サーモグラフィであることを特徴とする、請求項6乃至11のいずれかに記載のコンクリートの非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−132739(P2007−132739A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324822(P2005−324822)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【Fターム(参考)】