コンクリートブロックの複数個同時成形方法及びこれに用いるゴム中子型
【課題】貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形でき、生産効率を高めることのできるコンクリートブロックの複数個同時成形方法を提供する。
【解決手段】外型枠44で囲まれた内側の空間に、挿通穴58を有する仕切板52を設けて複数の成形空間54に区画し、貫通穴を有するコンクリートブロック10を複数個同時に成形する方法であって、内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮するゴム膨張管20を有するゴム中子型18を用い、仕切板52の挿通穴58にゴム中子型18を通した状態でゴム膨張管20を膨張させて挿通穴58内面に密着させた状態の下でコンクリートの打設及び固化を行い、その後にゴム膨張管20を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック10及び仕切板52から抜き取る。
【解決手段】外型枠44で囲まれた内側の空間に、挿通穴58を有する仕切板52を設けて複数の成形空間54に区画し、貫通穴を有するコンクリートブロック10を複数個同時に成形する方法であって、内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮するゴム膨張管20を有するゴム中子型18を用い、仕切板52の挿通穴58にゴム中子型18を通した状態でゴム膨張管20を膨張させて挿通穴58内面に密着させた状態の下でコンクリートの打設及び固化を行い、その後にゴム膨張管20を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック10及び仕切板52から抜き取る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形するコンクリートブロックの複数個同時成形方法及びこれに用いるゴム中子型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の車道と歩道(側路)との境界には、図8に示すようにかさ上げ板(立上げ板)としてのコンクリートブロック200を設置し、歩道202を車道204に対して段上がりにかさ上げすることが行われている。
この道路のかさ上げ用のコンクリートブロック200には排水用の貫通穴206が設けられる。
このコンクリートブロック200は厚みの薄い板状のものであり、このようなコンクリートブロック200は、複数個を同時に成形することが生産効率を高め、またコストを低減する上で望ましい。
【0003】
このような厚みの薄いコンクリートブロックはマンホールにおいても用いられている。
図9はそのマンホールの具体例を示している。
同図において208はマンホールで、210はマンホール壁、212は栗石及び砕石からなる基礎で、214はその上に設置された底板である。
210-1〜210-3はマンホール壁210を構成するコンクリート管(ヒューム管)で、このうち210-1は管取付壁を構成しており、そこに下水道等の配管216が取り付けられている。
【0004】
212-2は管取付壁の上の直壁を構成し、またコンクリート管210-3は斜壁を構成している。
そしてこの斜壁を構成するコンクリート管210-3とマンホールの蓋218及び受枠220との間に、高さ調節用のスペーサリングとしてのコンクリートブロック222が設置されている。
【0005】
マンホール208では、この他にコンクリート管210-3と210-2との間、或いは210-2と210-1との間に高さ調節用のスペーサリングとしてコンクリートブロック222(但しこの場合にはそれに応じた径のものが用いられる)が設置されることもある。
このリング状をなすコンクリートブロック222もまた、複数個を同時に成形することができれば生産効率を高め、コストを低減する上で望ましい。
【0006】
しかしながら、図8のコンクリートブロック200や図9のコンクリートブロック222を複数個同時に成形するに際して、コンクリートブロック200の貫通穴206や、リング状をなすコンクリートブロック222の大径の貫通穴224をどのようにして成形するかが問題となる。
【0007】
コンクリートブロックを複数個同時に成形する方法としては、外型枠で囲まれた内側の空間に仕切板を設けて、その仕切板により空間を複数の成形空間に区画し、各成形空間のそれぞれにコンクリートの打設及び固化を行ってコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法が考えられるが、この場合、各コンクリートブロックに貫通穴を成形する方法として、各仕切板に板厚方向の貫通の挿通穴を形成し、その挿通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に中子型を設け、コンクリートブロックの成形と同時にその中子型によって各コンクリートブロックに貫通穴を成形するといったことが考えられる。
この場合、かかる中子型として鋼管を用いたとき、成形されたコンクリートブロックから鋼管を抜き出すことが難しいといった問題がある。
【0008】
一方、図9に示すような大きな貫通穴224を有するリング状のコンクリートブロック222を成形する方法として、外型枠を内部の流動状態のコンクリートとともに回転させて、遠心力によりリング状のコンクリートブロックを成形する方法も考えられるが、この遠心力による成形の方法の場合、設備が大掛かりとなり、また型組を含む作業が大変となる問題がある。
【0009】
尚、コンクリートブロックを成形すると同時にコンクリートブロックに貫通穴を成形する方法として、ゴム膨張管を有するゴム中子型を用いる方法が下記特許文献1に開示されている。
図10はその具体例を示している。
【0010】
図10において226は外型枠で、228はコンクリートブロックの貫通穴を成形するために外型枠226を貫通する状態に設置されたゴム中子型で、加圧された圧力エアの導入及び排出により径方向に膨張及び収縮するゴム膨張管230を有している。
【0011】
232は、外型枠226で囲まれた空間にコンクリート打設を行ったときに、ゴム中子型228が浮き上りを生じるのを防止するための固定装置で、外型枠226における側枠234と234との間の複数箇所に設けられている。
これら固定装置232は、支持杆236と、ゴム膨張管230の外周面を保持するリング状の固定バンド238とを有しており、各支持杆の236の下端部が、外型枠226の一部をなす底枠240にボルト,ナット等にて固定されている。
【0012】
この図10に示す成形方法では、ゴム膨張管230を膨張させた状態でコンクリート打設及び固化を行い、しかる後ゴム膨張管230を収縮させることで、ゴム中子型228をコンクリートブロック及び外型枠226から抜き出す。
【0013】
しかしながらこの図10に示す成形方法は、1つの型枠ごとに1つのコンクリートブロックを成形する方法に関するものであり、またコンクリート打設時にゴム中子型228の浮き上りや曲り変形を防止するために複数の固定装置232を設けておかなければならず、成形装置に要するコストが高くなるとともに、コンクリートブロックの成形に際しての作業工数が多くなる問題がある。
【0014】
一方、1つの型枠にて1つのコンクリートブロックを成形する方法として、貫通穴成形用に図11に示すような剛性の芯体金具242を有するゴム中子型244を用いる方法も提案されている(下記特許文献2)。
ここで芯体金具242は直管状をなしていて、ゴム膨張管246の内面に沿ってその長手方向に延びる形態で設けられている。
【0015】
この芯体金具242は、ゴム中子型244を直線状に形状保持するためのものであるが、この図11に示すゴム中子型244の場合、芯体金具242を設けることによって重量が重くなり、また併せてコストが高くなる問題がある。
更に芯体部材242はゴム中子型244の端部で支持される片持ち支持となるもので、ゴム膨張管246の長手方向中間部での支持力が弱くなる問題もある。
【0016】
【特許文献1】特許第3602091号公報
【特許文献2】特許第3438522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は以上のような事情を背景とし、貫通穴を有するコンクリートブロックを簡単な設備で複数個同時に容易に成形し得てその生産効率を高めることのできるコンクリートブロックの複数個同時成形方法及びこれに用いるゴム中子型を提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、コンクリートブロックの貫通穴成形用のゴム中子型を軽量化し、また簡単な構造で安価に構成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
而して請求項1はコンクリートブロックの複数個同時成形方法に関するもので、外型枠で囲まれた内側の空間に、板厚方向に貫通の挿通穴を有する仕切板を設けて該仕切板により該空間を複数の成形空間に区画し、コンクリートブロックの貫通穴を成形するための中子型を該貫通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に設けて、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化を行って、前記貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法であって、内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴の内面に密着するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、該仕切板の挿通穴に該ゴム中子型を通した状態で該ゴム膨張管を膨張させて前記挿通穴内面との間をシールした状態で前記コンクリートの打設及び固化を行い、その後に該ゴム膨張管を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック及び仕切板から抜き取ることを特徴とする。
【0019】
請求項2のものは、請求項1において、前記ゴム中子型として、前記ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に伸び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いることを特徴とする。
【0020】
請求項3はゴム中子型に関するものであって、この中子型は、外型枠で囲まれた空間に設けられた仕切板の板厚方向の貫通の挿通穴を挿通し、該仕切板にて区画された成形空間を横切る状態に設けられ、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化によって同時に成形される複数のコンクリートブロックに貫通穴を成形する中子型であって、内部への圧力流体の導入及び排出により径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴に密着するゴム膨張管を有し、且つ該ゴム膨張管は、該ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものであることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0021】
以上のように本発明の成形方法は、コンクリートブロックの貫通穴成形用の中子型として、内部への圧力流体の導入及び排出にて膨張収縮するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、外型枠で囲まれた内側の空間に設けられて複数の成形空間を区画する仕切板の挿通穴に、かかるゴム中子型を通した状態でゴム膨張管を膨張させて挿通穴内面に全周に亘り密着させ、これによるシール状態の下でコンクリートの打設及び固化を行って、その後にゴム膨張管を収縮させてこれを抜き取るもので、この成形方法によれば、複数のコンクリートブロックを同時に成形することができ、且つ複数のコンクリートブロックのそれぞれに、ゴム中子型にて必要な貫通穴を同時に成形することができる。
【0022】
その成形の際、本発明の成形方法では仕切板に通したゴム中子型がゴム膨張管の膨張により仕切板の挿通穴にて強固に拘束保持された状態となり、成形空間へのコンクリートの打設時にゴム中子型がかかる仕切板にて予定した位置にしっかりと位置決めされるとともに、これによる保持力によって、コンクリート打設時にゴム中子型が打設されたコンクリートの浮力により或いは打設圧力により浮き上りを生じたり変形を生じるのが良好に防止され、ゴム中子型にて各コンクリートブロックの貫通穴が良好に成形される。
【0023】
また本発明によれば、遠心力による成形方法のように大掛かりな設備を必要とすることもなく、複数のコンクリートブロック及び各コンクリートブロックの貫通穴の成形のための作業が容易であって安価にこれを製造することができる。
【0024】
加えて本発明によれば、外型枠の内側の空間でコンクリート打設時のゴム中子型の浮き上りや変形を防止するために図10に示すような固定装置を設けることを省略でき、コンクリートブロック成形のための装置を簡単なものとすることができ、併せて成形のための作業を簡単化することができる。
尚、本発明は、厚さが貫通穴径の2倍以下のコンクリートブロックの複数個同時成形に適用して好適なものである。特に厚さが貫通穴径の1.5倍以下のコンクリートブロックの複数個同時成形に適用してより好適なものである。即ち、コンクリトートブロックの厚さが貫通穴径の2倍以下、特に1.5倍以下であれば、仕切板にて区画される成形空間の幅が狭くなって、仕切板によるゴム中子型の形状保持がより十分に行われ、従ってコンクリートブロックの成形時のゴム中子型の浮き上がりや変形をより効果的に防止し得て、コンクリートブロックにより良好に貫通穴を同時成形できる。
【0025】
本発明の成形方法では、ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び、ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有するものを用いることも可能であるが、請求項2に従って、かかるゴム中子型としてこのような剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いるのが好適である。
【0026】
かかる無芯体のゴム中子型を用いた場合でも、外型枠で囲まれた内側の空間においてゴム中子型が仕切板の挿通穴によりしっかりと拘束保持されるため、コンクリート打設時の浮力や圧力によりゴム中子型が浮き上りを生じたり、或いは変形を生じたりするのが良好に防止される。
而してこのような無芯体のゴム膨張管を有するゴム中子型を用いることによって、ゴム中子型の重量を軽量化でき、また構造も簡単化できるとともに、安価にゴム中子型を構成することができる。
【0027】
本発明のコンクリートブロックの複数個同時成形方法は、請求項3のゴム中子型を用いることによって良好に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は道路の車道と歩道との境界に設置される、歩道(側路)かさ上げ板としてのコンクリートブロックで、全体として厚みが一定の板状をなしており、図中左右及び上下の異なった位置に2つの円形の貫通穴12,14を有している。
【0029】
この例のおいて、板状をなすコンクリートブロック10は高さHが400mm,長さLが700mm,厚さT1が50mmである。また貫通穴12,14は、ここでは同じ大きさのもので、それぞれの直径D1がφ32mmとされている。但しこれは一例である。
通常このかさ上げ板としてのコンクリートブロック10は高さHが400〜500mm,長さLが700〜800mm,厚さT1が50〜60mmである。
尚、上端の一方のコーナー部は一定曲率で湾曲するR面(湾曲面)16とされている。
【0030】
図2において、18は貫通穴12を成形するための、全体として円筒形状をなすゴム中子型で、20はその主要素をなすゴム膨張管である。
ゴム膨張管20は内面ゴム層22と、補強層24と、外面ゴム層26との積層構造をなしている。
この実施形態では、内面ゴム層22にとしてSBRが用いられており、外面ゴム層26としてCRが用いられている。また補強層24は化学繊維を編組したもので、編角が静止角度(54°)以下(例えば30°程度)とされており、ゴム膨張管20が十分に径方向に膨張可能とされている(図2ではゴム膨張管20が径方向に収縮した状態で示されている)。
【0031】
ここでゴム膨張管20は、その内面に沿って長手方向に延びる管状の芯体金具、即ちゴム膨張管20を直線状に形状保持し、曲り防止する管状の芯体金具を有しない無芯体のものである。
ゴム膨張管20は両端が開口形状をなしており、図中右端部に端部金具(端部部材)28が挿入状態に装着されている。
【0032】
端部金具28は底付きの円筒形状をなしており、この端部金具28がゴム膨張管20の図中右端部に装着されることで、ゴム膨張管20の同端部が閉鎖されている。
端部金具28の円筒部の外周面には断面形状が鋸刃形状をなす係合歯30が形成されており、この係合歯30のゴム膨張管20内面への食い込みによって、端部金具28がゴム膨張管20から抜け防止されている。
【0033】
ゴム膨張管20の図中右端部には金属製の締付スリーブ(締付部材)32が外装されており、この締付スリーブ32によりゴム膨張管20の右端部が縮径方向に締め付けられることで、端部金具28とゴム膨張管20の右端部とが強固に固定されている。
【0034】
一方、ゴム膨張管20の左端部には円筒形状をなす端部金具(端部部材)34が挿入状態に装着されている。
この端部金具34にもまた、円筒部の外周面に断面形状が鋸刃状をなす係合歯30が設けられており、この係合歯30のゴム膨張管20内面への食い込みによって、端部金具34がゴム膨張管20から抜け防止されている。
【0035】
ゴム膨張管20の左端部には金属製の締付スリーブ(締付部材)32が外装されており、この締付スリーブ32によりゴム膨張管20の左端部が縮径方向に締め付けられることで、端部金具34とゴム膨張管20の左端部とが強固に固定されている。
この左端部の端部金具34はその中心部に雌ねじ孔36を有しており、そこにカプラ38がねじ結合されている。
カプラ38は、図中左端に圧力エアの導入口40を備えている。
【0036】
図3(I)において、42は図1のコンクリートブロック10を複数個同時に成形する型枠で、44は外型枠である。
外型枠44は、図3中左右方向に長手形状をなす一対の側枠(図では一方のみが示されている)46と、長手方向両端の端枠48と底枠50とを有しており、それらにて囲まれた内側の空間に複数の仕切板52が長手方向に所定間隔ごとに設けられている。そしてそれら仕切板52によって、外枠44の内側空間が複数の成形空間54に区画されている。
ここでは、それら仕切板52によって外型枠44の内側空間が20の成形空間54に区画されている。即ち、型枠42は一度の成形で合計20個(20枚)のコンクリートブロック10を同時成形するようになっている。
【0037】
各仕切板52には、図1のコンクリートブロック10における2つの貫通穴12,14に対応した位置に、同じ直径の挿通穴56,58が設けられており、更にコンクリートブロック10のR面16に対応した形状のR面60がそれぞれ設けられている。
尚端枠48にもまた同一径の挿通穴56,58が設けられ、またその内面には底枠50側に、各仕切板52のR面60と同形状のR面60が設けられている。
【0038】
本実施形態のコンクリートブロック10の成形方法では、各貫通穴12,14に対応して2本のゴム中子型18を、図3(I)及び図4(II)に示しているように、各仕切板52の挿通穴56,58に通すようにして複数の成形空間54を横切る状態に型枠42に挿入し配置する。
尚このとき、ゴム中子型18は各端部が型枠42から図中左右に突き出した状態となる。予めそのような長さのゴム中子型18が用いられている。またゴム中子型18は、それぞれ収縮状態で型枠42にこれを挿入しセットする。
【0039】
次に、ゴム中子型18のゴム膨張管20内部に加圧された圧力エアを導入し、ゴム膨張管20を径方向に膨張させる。
このとき、ゴム膨張管20は仕切板52及び端枠48に設けた挿通穴56,58と同じ径まで膨張し、ゴム膨張管20の外周面がそれら挿通穴56,58の内面に密着した状態となって、ゴム膨張管20の外面と各挿通穴56,58の内面とがシールされた状態となる。
換言すれば、ゴム膨張管20は各挿通穴56,58によってそれ以上膨張できない径まで膨張拡径し、膨張径がそれら挿通穴56,58によって自動的に規定される。
図4(III)はこのときの状態を表している。
このとき、ゴム中子型18は各仕切板52の挿通穴56,58によって強固に拘束保持され、かかるゴム中子型18が所定の位置に位置決めされる。
【0040】
次に、図4(IV)に示しているように仕切板52によって区画された各成形空間54に流動状態のコンクリートを打設し且つこれを固化させる。
このコンクリート打設の際ゴム中子型18には打設圧力が作用するとともに、打設されたコンクリートによる浮力が図中上向きに発生するが、ゴム中子型18は各仕切板52の挿通穴56,58によって強く拘束され保持されているため、図2に示しているようにゴム膨張管20が無芯体のものであっても変形を生じることはなく、またコンクリートによる浮力によって浮き上りを生じることもない。
即ちコンクリート打設時にゴム中子型18は直線形状に良好に形状保持される。
【0041】
各成形空間54に打設したコンクリートが固化すると、ここにおいて型枠42により複数(ここでは20)のコンクリートブロック10が成形されると同時に、各コンクリートブロック10ごとに貫通穴12,14が同時に成形される。
【0042】
コンクリート固化によりコンクリートブロック10が成形されたところで、次に図5(V)に示しているようにゴム膨張管20から圧力エアを抜いてゴム膨張管20を径方向に収縮させる。
この収縮によってゴム膨張管20とコンクリートブロック10の貫通穴12,14及び仕切板52,端板48の挿通穴56,58との間に隙間が生じる。
【0043】
そこで2本のゴム中子型18を型枠42即ち仕切板52,端枠48の挿通穴56,58及びコンクリートブロック10の貫通穴12,14から抜き出し、そして成形されたコンクリートブロック10を型枠42から脱型し型枠42から取り出す。
図5(VI)はこのようにして取り出した複数のコンクリートブロック10を表している。
【0044】
以上のような本実施形態の成形方法によれば、複数のコンクリートブロック10を同時に成形することができ、且つそれぞれのコンクリートブロック10に、ゴム中子型18にて必要な貫通穴12,14を同時に成形することができる。
またこの成形方法によれば、仕切板52に通したゴム中子型18が、成形空間54へのコンクリートの打設時に仕切板52の挿通穴56,58にて強固に拘束保持された状態となり、かかる仕切板52にてゴム中子型18が予定した位置にしっかりと位置決めされるとともに、これによる保持力によってコンクリート打設時にゴム中子型18がコンクリートの浮力により或いは打設圧力により変形や浮き上りを生じるのが良好に防止され、ゴム中子型18にて各コンクリートブロック10の貫通穴12,14が良好に成形される。
【0045】
またこの成形方法によれば、遠心力による成形方法のように大掛かりな設備を必要とせず、複数のコンクリートブロック10及び貫通穴12,14の成形のための作業が容易で安価にコンクリートブロック10を製造することができる。
更にこの実施形態で用いるゴム中子型18は、重量の重い芯体金具を有しない無芯体のものであって、これによりゴム中子型18を軽量化でき、また構造も簡単化し得てゴム中子型18を安価に構成することができる。
【0046】
次に本発明の他の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。
図6において、62はマンホールの高さ調節用のスペーサリングとして用いられるコンクリートブロックで内周面,外周面ともに円形をなしている。
ここではコンクリートブロック62は内径D2がφ600mm,外径D3が820mm,厚さT2が100mmである。但しこれは一例で、マンホールの高さ調節用のスペーサリングとしては内径D2がφ400mm,外径D3が480mm,厚さT2が50mmその他の形状のものがある。
【0047】
このリング状をなすコンクリートブロック62には、段付きをなす嵌合突部64と、嵌合凹部66とがそれぞれ上下の互いに逆の面に形成されている。
尚図6において、65はリング状のコンクリートブロック62における大径の貫通穴65を表している。
【0048】
図7において、68はリング状ブロック62を複数個同時に成形するための型枠であって、70は外型枠,72はその外型枠70における端枠,74は底枠である。
外枠70で囲まれた内側の空間には複数の仕切板76が長手方向に一定間隔ごとに複数設けられており、それら仕切板76によって、外型枠70の内側の空間が複数の成形空間78に区画されている。ここでは型枠68内に5つの成形空間78が区画形成されている。即ち型枠68は、コンクリートブロック62を5個同時に成形するようになっている。
【0049】
これら仕切板76及び端枠72には、図6のコンクリートブロック62における大径の貫通穴65と同じ径の挿通穴80が設けられている。
尚各仕切板76及び端枠72には、コンクリートブロック62における上記の段付形状の嵌合突部64,66を成形するための対応した形状の段付形状の成形部が設けられている。
【0050】
図7(I)は、図6のコンクリートブロック62の大径の貫通穴65を成形するためのゴム中子型18を、型枠68に挿入しセットした状態を表している。
尚ここではゴム中子型18として、貫通穴65に対応した大径のものが用いられている。
【0051】
図7(I)は、ゴム中子型18におけるゴム膨張管20を径方向に収縮させた状態を表しており、ゴム中子型18はこのような収縮状態で型枠68に挿入セットされる。
図7(I)に示しているように、ゴム中子型18を型枠68に挿入しセットしたところで、次にゴム膨張管20内部に圧力エアを導入してゴム膨張管20を径方向に膨張させる。
図7(II)はこのときの状態を表している。
【0052】
この実施形態においても、ゴム中子型18はゴム膨張管20の膨張により仕切板76の挿通穴80及び端枠72の挿通穴80に密着してこれをシールした状態となり、また同時にそれら挿通穴80によってゴム中子型18が強固に拘束され位置決め状態に保持される。
そしてその状態で、次に図7(III)に示しているように各仕切板76にて区画された成形空間78に流動状態のコンクリートを打設し且つこれをその後固化させる。
これにより各成形空間78ごとにコンクリートブロック62が成形され、且つ同時に複数のコンクリートブロック62のそれぞれに大径の貫通穴65が成形される。
図7(III)はこのときの状態を表している。
【0053】
その後ゴム膨張管20から圧力エアを抜いてこれを収縮させ、型枠68及びコンクリートブロック62から抜き出すとともに、成形されたコンクリートブロック62を型枠68から脱型し取り出すことで、一連のコンクリートブロック62及び貫通穴65の製造工程が終了する。
このように大径の貫通穴65を成形するに際しても、ゴム中子型18を用いることによって良好に且つ複数のコンクリートブロック62ごとに貫通穴65を同時に成形することができる。
【0054】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明は他の様々な形態の貫通穴付のコンクリートブロックの製造に適用可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の適用対象としてのコンクリートブロックの一例を示した図である。
【図2】本発明の実施形態で用いるゴム中子型の構成を示した図である。
【図3】同実施形態のコンクリートブロック成形方法の実施手順を示す工程説明図である。
【図4】図3に続く工程説明図である。
【図5】図4に続く工程説明図である。
【図6】本発明の適用対象としてのコンクリートブロックの他の例を示した図である。
【図7】本発明の他の実施形態の実施手順を示す工程説明図である。
【図8】道路のかさ上げ用のコンクリートブロックを示す図である。
【図9】マンホールの構成を示す図である。
【図10】コンクリートブロックに貫通穴を成形する従来公知の成形方法を示す図である。
【図11】従来公知のゴム中子型の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10,62 コンクリートブロック
12,14,65 貫通穴
18 ゴム中子型
20 ゴム膨張管
44,70 外型枠
52,76 仕切板
54,78 成形空間
56,58,80 挿通穴
【技術分野】
【0001】
この発明は貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形するコンクリートブロックの複数個同時成形方法及びこれに用いるゴム中子型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の車道と歩道(側路)との境界には、図8に示すようにかさ上げ板(立上げ板)としてのコンクリートブロック200を設置し、歩道202を車道204に対して段上がりにかさ上げすることが行われている。
この道路のかさ上げ用のコンクリートブロック200には排水用の貫通穴206が設けられる。
このコンクリートブロック200は厚みの薄い板状のものであり、このようなコンクリートブロック200は、複数個を同時に成形することが生産効率を高め、またコストを低減する上で望ましい。
【0003】
このような厚みの薄いコンクリートブロックはマンホールにおいても用いられている。
図9はそのマンホールの具体例を示している。
同図において208はマンホールで、210はマンホール壁、212は栗石及び砕石からなる基礎で、214はその上に設置された底板である。
210-1〜210-3はマンホール壁210を構成するコンクリート管(ヒューム管)で、このうち210-1は管取付壁を構成しており、そこに下水道等の配管216が取り付けられている。
【0004】
212-2は管取付壁の上の直壁を構成し、またコンクリート管210-3は斜壁を構成している。
そしてこの斜壁を構成するコンクリート管210-3とマンホールの蓋218及び受枠220との間に、高さ調節用のスペーサリングとしてのコンクリートブロック222が設置されている。
【0005】
マンホール208では、この他にコンクリート管210-3と210-2との間、或いは210-2と210-1との間に高さ調節用のスペーサリングとしてコンクリートブロック222(但しこの場合にはそれに応じた径のものが用いられる)が設置されることもある。
このリング状をなすコンクリートブロック222もまた、複数個を同時に成形することができれば生産効率を高め、コストを低減する上で望ましい。
【0006】
しかしながら、図8のコンクリートブロック200や図9のコンクリートブロック222を複数個同時に成形するに際して、コンクリートブロック200の貫通穴206や、リング状をなすコンクリートブロック222の大径の貫通穴224をどのようにして成形するかが問題となる。
【0007】
コンクリートブロックを複数個同時に成形する方法としては、外型枠で囲まれた内側の空間に仕切板を設けて、その仕切板により空間を複数の成形空間に区画し、各成形空間のそれぞれにコンクリートの打設及び固化を行ってコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法が考えられるが、この場合、各コンクリートブロックに貫通穴を成形する方法として、各仕切板に板厚方向の貫通の挿通穴を形成し、その挿通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に中子型を設け、コンクリートブロックの成形と同時にその中子型によって各コンクリートブロックに貫通穴を成形するといったことが考えられる。
この場合、かかる中子型として鋼管を用いたとき、成形されたコンクリートブロックから鋼管を抜き出すことが難しいといった問題がある。
【0008】
一方、図9に示すような大きな貫通穴224を有するリング状のコンクリートブロック222を成形する方法として、外型枠を内部の流動状態のコンクリートとともに回転させて、遠心力によりリング状のコンクリートブロックを成形する方法も考えられるが、この遠心力による成形の方法の場合、設備が大掛かりとなり、また型組を含む作業が大変となる問題がある。
【0009】
尚、コンクリートブロックを成形すると同時にコンクリートブロックに貫通穴を成形する方法として、ゴム膨張管を有するゴム中子型を用いる方法が下記特許文献1に開示されている。
図10はその具体例を示している。
【0010】
図10において226は外型枠で、228はコンクリートブロックの貫通穴を成形するために外型枠226を貫通する状態に設置されたゴム中子型で、加圧された圧力エアの導入及び排出により径方向に膨張及び収縮するゴム膨張管230を有している。
【0011】
232は、外型枠226で囲まれた空間にコンクリート打設を行ったときに、ゴム中子型228が浮き上りを生じるのを防止するための固定装置で、外型枠226における側枠234と234との間の複数箇所に設けられている。
これら固定装置232は、支持杆236と、ゴム膨張管230の外周面を保持するリング状の固定バンド238とを有しており、各支持杆の236の下端部が、外型枠226の一部をなす底枠240にボルト,ナット等にて固定されている。
【0012】
この図10に示す成形方法では、ゴム膨張管230を膨張させた状態でコンクリート打設及び固化を行い、しかる後ゴム膨張管230を収縮させることで、ゴム中子型228をコンクリートブロック及び外型枠226から抜き出す。
【0013】
しかしながらこの図10に示す成形方法は、1つの型枠ごとに1つのコンクリートブロックを成形する方法に関するものであり、またコンクリート打設時にゴム中子型228の浮き上りや曲り変形を防止するために複数の固定装置232を設けておかなければならず、成形装置に要するコストが高くなるとともに、コンクリートブロックの成形に際しての作業工数が多くなる問題がある。
【0014】
一方、1つの型枠にて1つのコンクリートブロックを成形する方法として、貫通穴成形用に図11に示すような剛性の芯体金具242を有するゴム中子型244を用いる方法も提案されている(下記特許文献2)。
ここで芯体金具242は直管状をなしていて、ゴム膨張管246の内面に沿ってその長手方向に延びる形態で設けられている。
【0015】
この芯体金具242は、ゴム中子型244を直線状に形状保持するためのものであるが、この図11に示すゴム中子型244の場合、芯体金具242を設けることによって重量が重くなり、また併せてコストが高くなる問題がある。
更に芯体部材242はゴム中子型244の端部で支持される片持ち支持となるもので、ゴム膨張管246の長手方向中間部での支持力が弱くなる問題もある。
【0016】
【特許文献1】特許第3602091号公報
【特許文献2】特許第3438522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は以上のような事情を背景とし、貫通穴を有するコンクリートブロックを簡単な設備で複数個同時に容易に成形し得てその生産効率を高めることのできるコンクリートブロックの複数個同時成形方法及びこれに用いるゴム中子型を提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、コンクリートブロックの貫通穴成形用のゴム中子型を軽量化し、また簡単な構造で安価に構成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
而して請求項1はコンクリートブロックの複数個同時成形方法に関するもので、外型枠で囲まれた内側の空間に、板厚方向に貫通の挿通穴を有する仕切板を設けて該仕切板により該空間を複数の成形空間に区画し、コンクリートブロックの貫通穴を成形するための中子型を該貫通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に設けて、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化を行って、前記貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法であって、内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴の内面に密着するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、該仕切板の挿通穴に該ゴム中子型を通した状態で該ゴム膨張管を膨張させて前記挿通穴内面との間をシールした状態で前記コンクリートの打設及び固化を行い、その後に該ゴム膨張管を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック及び仕切板から抜き取ることを特徴とする。
【0019】
請求項2のものは、請求項1において、前記ゴム中子型として、前記ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に伸び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いることを特徴とする。
【0020】
請求項3はゴム中子型に関するものであって、この中子型は、外型枠で囲まれた空間に設けられた仕切板の板厚方向の貫通の挿通穴を挿通し、該仕切板にて区画された成形空間を横切る状態に設けられ、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化によって同時に成形される複数のコンクリートブロックに貫通穴を成形する中子型であって、内部への圧力流体の導入及び排出により径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴に密着するゴム膨張管を有し、且つ該ゴム膨張管は、該ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものであることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0021】
以上のように本発明の成形方法は、コンクリートブロックの貫通穴成形用の中子型として、内部への圧力流体の導入及び排出にて膨張収縮するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、外型枠で囲まれた内側の空間に設けられて複数の成形空間を区画する仕切板の挿通穴に、かかるゴム中子型を通した状態でゴム膨張管を膨張させて挿通穴内面に全周に亘り密着させ、これによるシール状態の下でコンクリートの打設及び固化を行って、その後にゴム膨張管を収縮させてこれを抜き取るもので、この成形方法によれば、複数のコンクリートブロックを同時に成形することができ、且つ複数のコンクリートブロックのそれぞれに、ゴム中子型にて必要な貫通穴を同時に成形することができる。
【0022】
その成形の際、本発明の成形方法では仕切板に通したゴム中子型がゴム膨張管の膨張により仕切板の挿通穴にて強固に拘束保持された状態となり、成形空間へのコンクリートの打設時にゴム中子型がかかる仕切板にて予定した位置にしっかりと位置決めされるとともに、これによる保持力によって、コンクリート打設時にゴム中子型が打設されたコンクリートの浮力により或いは打設圧力により浮き上りを生じたり変形を生じるのが良好に防止され、ゴム中子型にて各コンクリートブロックの貫通穴が良好に成形される。
【0023】
また本発明によれば、遠心力による成形方法のように大掛かりな設備を必要とすることもなく、複数のコンクリートブロック及び各コンクリートブロックの貫通穴の成形のための作業が容易であって安価にこれを製造することができる。
【0024】
加えて本発明によれば、外型枠の内側の空間でコンクリート打設時のゴム中子型の浮き上りや変形を防止するために図10に示すような固定装置を設けることを省略でき、コンクリートブロック成形のための装置を簡単なものとすることができ、併せて成形のための作業を簡単化することができる。
尚、本発明は、厚さが貫通穴径の2倍以下のコンクリートブロックの複数個同時成形に適用して好適なものである。特に厚さが貫通穴径の1.5倍以下のコンクリートブロックの複数個同時成形に適用してより好適なものである。即ち、コンクリトートブロックの厚さが貫通穴径の2倍以下、特に1.5倍以下であれば、仕切板にて区画される成形空間の幅が狭くなって、仕切板によるゴム中子型の形状保持がより十分に行われ、従ってコンクリートブロックの成形時のゴム中子型の浮き上がりや変形をより効果的に防止し得て、コンクリートブロックにより良好に貫通穴を同時成形できる。
【0025】
本発明の成形方法では、ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び、ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有するものを用いることも可能であるが、請求項2に従って、かかるゴム中子型としてこのような剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いるのが好適である。
【0026】
かかる無芯体のゴム中子型を用いた場合でも、外型枠で囲まれた内側の空間においてゴム中子型が仕切板の挿通穴によりしっかりと拘束保持されるため、コンクリート打設時の浮力や圧力によりゴム中子型が浮き上りを生じたり、或いは変形を生じたりするのが良好に防止される。
而してこのような無芯体のゴム膨張管を有するゴム中子型を用いることによって、ゴム中子型の重量を軽量化でき、また構造も簡単化できるとともに、安価にゴム中子型を構成することができる。
【0027】
本発明のコンクリートブロックの複数個同時成形方法は、請求項3のゴム中子型を用いることによって良好に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は道路の車道と歩道との境界に設置される、歩道(側路)かさ上げ板としてのコンクリートブロックで、全体として厚みが一定の板状をなしており、図中左右及び上下の異なった位置に2つの円形の貫通穴12,14を有している。
【0029】
この例のおいて、板状をなすコンクリートブロック10は高さHが400mm,長さLが700mm,厚さT1が50mmである。また貫通穴12,14は、ここでは同じ大きさのもので、それぞれの直径D1がφ32mmとされている。但しこれは一例である。
通常このかさ上げ板としてのコンクリートブロック10は高さHが400〜500mm,長さLが700〜800mm,厚さT1が50〜60mmである。
尚、上端の一方のコーナー部は一定曲率で湾曲するR面(湾曲面)16とされている。
【0030】
図2において、18は貫通穴12を成形するための、全体として円筒形状をなすゴム中子型で、20はその主要素をなすゴム膨張管である。
ゴム膨張管20は内面ゴム層22と、補強層24と、外面ゴム層26との積層構造をなしている。
この実施形態では、内面ゴム層22にとしてSBRが用いられており、外面ゴム層26としてCRが用いられている。また補強層24は化学繊維を編組したもので、編角が静止角度(54°)以下(例えば30°程度)とされており、ゴム膨張管20が十分に径方向に膨張可能とされている(図2ではゴム膨張管20が径方向に収縮した状態で示されている)。
【0031】
ここでゴム膨張管20は、その内面に沿って長手方向に延びる管状の芯体金具、即ちゴム膨張管20を直線状に形状保持し、曲り防止する管状の芯体金具を有しない無芯体のものである。
ゴム膨張管20は両端が開口形状をなしており、図中右端部に端部金具(端部部材)28が挿入状態に装着されている。
【0032】
端部金具28は底付きの円筒形状をなしており、この端部金具28がゴム膨張管20の図中右端部に装着されることで、ゴム膨張管20の同端部が閉鎖されている。
端部金具28の円筒部の外周面には断面形状が鋸刃形状をなす係合歯30が形成されており、この係合歯30のゴム膨張管20内面への食い込みによって、端部金具28がゴム膨張管20から抜け防止されている。
【0033】
ゴム膨張管20の図中右端部には金属製の締付スリーブ(締付部材)32が外装されており、この締付スリーブ32によりゴム膨張管20の右端部が縮径方向に締め付けられることで、端部金具28とゴム膨張管20の右端部とが強固に固定されている。
【0034】
一方、ゴム膨張管20の左端部には円筒形状をなす端部金具(端部部材)34が挿入状態に装着されている。
この端部金具34にもまた、円筒部の外周面に断面形状が鋸刃状をなす係合歯30が設けられており、この係合歯30のゴム膨張管20内面への食い込みによって、端部金具34がゴム膨張管20から抜け防止されている。
【0035】
ゴム膨張管20の左端部には金属製の締付スリーブ(締付部材)32が外装されており、この締付スリーブ32によりゴム膨張管20の左端部が縮径方向に締め付けられることで、端部金具34とゴム膨張管20の左端部とが強固に固定されている。
この左端部の端部金具34はその中心部に雌ねじ孔36を有しており、そこにカプラ38がねじ結合されている。
カプラ38は、図中左端に圧力エアの導入口40を備えている。
【0036】
図3(I)において、42は図1のコンクリートブロック10を複数個同時に成形する型枠で、44は外型枠である。
外型枠44は、図3中左右方向に長手形状をなす一対の側枠(図では一方のみが示されている)46と、長手方向両端の端枠48と底枠50とを有しており、それらにて囲まれた内側の空間に複数の仕切板52が長手方向に所定間隔ごとに設けられている。そしてそれら仕切板52によって、外枠44の内側空間が複数の成形空間54に区画されている。
ここでは、それら仕切板52によって外型枠44の内側空間が20の成形空間54に区画されている。即ち、型枠42は一度の成形で合計20個(20枚)のコンクリートブロック10を同時成形するようになっている。
【0037】
各仕切板52には、図1のコンクリートブロック10における2つの貫通穴12,14に対応した位置に、同じ直径の挿通穴56,58が設けられており、更にコンクリートブロック10のR面16に対応した形状のR面60がそれぞれ設けられている。
尚端枠48にもまた同一径の挿通穴56,58が設けられ、またその内面には底枠50側に、各仕切板52のR面60と同形状のR面60が設けられている。
【0038】
本実施形態のコンクリートブロック10の成形方法では、各貫通穴12,14に対応して2本のゴム中子型18を、図3(I)及び図4(II)に示しているように、各仕切板52の挿通穴56,58に通すようにして複数の成形空間54を横切る状態に型枠42に挿入し配置する。
尚このとき、ゴム中子型18は各端部が型枠42から図中左右に突き出した状態となる。予めそのような長さのゴム中子型18が用いられている。またゴム中子型18は、それぞれ収縮状態で型枠42にこれを挿入しセットする。
【0039】
次に、ゴム中子型18のゴム膨張管20内部に加圧された圧力エアを導入し、ゴム膨張管20を径方向に膨張させる。
このとき、ゴム膨張管20は仕切板52及び端枠48に設けた挿通穴56,58と同じ径まで膨張し、ゴム膨張管20の外周面がそれら挿通穴56,58の内面に密着した状態となって、ゴム膨張管20の外面と各挿通穴56,58の内面とがシールされた状態となる。
換言すれば、ゴム膨張管20は各挿通穴56,58によってそれ以上膨張できない径まで膨張拡径し、膨張径がそれら挿通穴56,58によって自動的に規定される。
図4(III)はこのときの状態を表している。
このとき、ゴム中子型18は各仕切板52の挿通穴56,58によって強固に拘束保持され、かかるゴム中子型18が所定の位置に位置決めされる。
【0040】
次に、図4(IV)に示しているように仕切板52によって区画された各成形空間54に流動状態のコンクリートを打設し且つこれを固化させる。
このコンクリート打設の際ゴム中子型18には打設圧力が作用するとともに、打設されたコンクリートによる浮力が図中上向きに発生するが、ゴム中子型18は各仕切板52の挿通穴56,58によって強く拘束され保持されているため、図2に示しているようにゴム膨張管20が無芯体のものであっても変形を生じることはなく、またコンクリートによる浮力によって浮き上りを生じることもない。
即ちコンクリート打設時にゴム中子型18は直線形状に良好に形状保持される。
【0041】
各成形空間54に打設したコンクリートが固化すると、ここにおいて型枠42により複数(ここでは20)のコンクリートブロック10が成形されると同時に、各コンクリートブロック10ごとに貫通穴12,14が同時に成形される。
【0042】
コンクリート固化によりコンクリートブロック10が成形されたところで、次に図5(V)に示しているようにゴム膨張管20から圧力エアを抜いてゴム膨張管20を径方向に収縮させる。
この収縮によってゴム膨張管20とコンクリートブロック10の貫通穴12,14及び仕切板52,端板48の挿通穴56,58との間に隙間が生じる。
【0043】
そこで2本のゴム中子型18を型枠42即ち仕切板52,端枠48の挿通穴56,58及びコンクリートブロック10の貫通穴12,14から抜き出し、そして成形されたコンクリートブロック10を型枠42から脱型し型枠42から取り出す。
図5(VI)はこのようにして取り出した複数のコンクリートブロック10を表している。
【0044】
以上のような本実施形態の成形方法によれば、複数のコンクリートブロック10を同時に成形することができ、且つそれぞれのコンクリートブロック10に、ゴム中子型18にて必要な貫通穴12,14を同時に成形することができる。
またこの成形方法によれば、仕切板52に通したゴム中子型18が、成形空間54へのコンクリートの打設時に仕切板52の挿通穴56,58にて強固に拘束保持された状態となり、かかる仕切板52にてゴム中子型18が予定した位置にしっかりと位置決めされるとともに、これによる保持力によってコンクリート打設時にゴム中子型18がコンクリートの浮力により或いは打設圧力により変形や浮き上りを生じるのが良好に防止され、ゴム中子型18にて各コンクリートブロック10の貫通穴12,14が良好に成形される。
【0045】
またこの成形方法によれば、遠心力による成形方法のように大掛かりな設備を必要とせず、複数のコンクリートブロック10及び貫通穴12,14の成形のための作業が容易で安価にコンクリートブロック10を製造することができる。
更にこの実施形態で用いるゴム中子型18は、重量の重い芯体金具を有しない無芯体のものであって、これによりゴム中子型18を軽量化でき、また構造も簡単化し得てゴム中子型18を安価に構成することができる。
【0046】
次に本発明の他の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。
図6において、62はマンホールの高さ調節用のスペーサリングとして用いられるコンクリートブロックで内周面,外周面ともに円形をなしている。
ここではコンクリートブロック62は内径D2がφ600mm,外径D3が820mm,厚さT2が100mmである。但しこれは一例で、マンホールの高さ調節用のスペーサリングとしては内径D2がφ400mm,外径D3が480mm,厚さT2が50mmその他の形状のものがある。
【0047】
このリング状をなすコンクリートブロック62には、段付きをなす嵌合突部64と、嵌合凹部66とがそれぞれ上下の互いに逆の面に形成されている。
尚図6において、65はリング状のコンクリートブロック62における大径の貫通穴65を表している。
【0048】
図7において、68はリング状ブロック62を複数個同時に成形するための型枠であって、70は外型枠,72はその外型枠70における端枠,74は底枠である。
外枠70で囲まれた内側の空間には複数の仕切板76が長手方向に一定間隔ごとに複数設けられており、それら仕切板76によって、外型枠70の内側の空間が複数の成形空間78に区画されている。ここでは型枠68内に5つの成形空間78が区画形成されている。即ち型枠68は、コンクリートブロック62を5個同時に成形するようになっている。
【0049】
これら仕切板76及び端枠72には、図6のコンクリートブロック62における大径の貫通穴65と同じ径の挿通穴80が設けられている。
尚各仕切板76及び端枠72には、コンクリートブロック62における上記の段付形状の嵌合突部64,66を成形するための対応した形状の段付形状の成形部が設けられている。
【0050】
図7(I)は、図6のコンクリートブロック62の大径の貫通穴65を成形するためのゴム中子型18を、型枠68に挿入しセットした状態を表している。
尚ここではゴム中子型18として、貫通穴65に対応した大径のものが用いられている。
【0051】
図7(I)は、ゴム中子型18におけるゴム膨張管20を径方向に収縮させた状態を表しており、ゴム中子型18はこのような収縮状態で型枠68に挿入セットされる。
図7(I)に示しているように、ゴム中子型18を型枠68に挿入しセットしたところで、次にゴム膨張管20内部に圧力エアを導入してゴム膨張管20を径方向に膨張させる。
図7(II)はこのときの状態を表している。
【0052】
この実施形態においても、ゴム中子型18はゴム膨張管20の膨張により仕切板76の挿通穴80及び端枠72の挿通穴80に密着してこれをシールした状態となり、また同時にそれら挿通穴80によってゴム中子型18が強固に拘束され位置決め状態に保持される。
そしてその状態で、次に図7(III)に示しているように各仕切板76にて区画された成形空間78に流動状態のコンクリートを打設し且つこれをその後固化させる。
これにより各成形空間78ごとにコンクリートブロック62が成形され、且つ同時に複数のコンクリートブロック62のそれぞれに大径の貫通穴65が成形される。
図7(III)はこのときの状態を表している。
【0053】
その後ゴム膨張管20から圧力エアを抜いてこれを収縮させ、型枠68及びコンクリートブロック62から抜き出すとともに、成形されたコンクリートブロック62を型枠68から脱型し取り出すことで、一連のコンクリートブロック62及び貫通穴65の製造工程が終了する。
このように大径の貫通穴65を成形するに際しても、ゴム中子型18を用いることによって良好に且つ複数のコンクリートブロック62ごとに貫通穴65を同時に成形することができる。
【0054】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明は他の様々な形態の貫通穴付のコンクリートブロックの製造に適用可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の適用対象としてのコンクリートブロックの一例を示した図である。
【図2】本発明の実施形態で用いるゴム中子型の構成を示した図である。
【図3】同実施形態のコンクリートブロック成形方法の実施手順を示す工程説明図である。
【図4】図3に続く工程説明図である。
【図5】図4に続く工程説明図である。
【図6】本発明の適用対象としてのコンクリートブロックの他の例を示した図である。
【図7】本発明の他の実施形態の実施手順を示す工程説明図である。
【図8】道路のかさ上げ用のコンクリートブロックを示す図である。
【図9】マンホールの構成を示す図である。
【図10】コンクリートブロックに貫通穴を成形する従来公知の成形方法を示す図である。
【図11】従来公知のゴム中子型の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10,62 コンクリートブロック
12,14,65 貫通穴
18 ゴム中子型
20 ゴム膨張管
44,70 外型枠
52,76 仕切板
54,78 成形空間
56,58,80 挿通穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外型枠で囲まれた内側の空間に、板厚方向に貫通の挿通穴を有する仕切板を設けて該仕切板により該空間を複数の成形空間に区画し、コンクリートブロックの貫通穴を成形するための中子型を該貫通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に設けて、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化を行って、前記貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法であって
内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴の内面に密着するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、該仕切板の挿通穴に該ゴム中子型を通した状態で該ゴム膨張管を膨張させて前記挿通穴内面との間をシールした状態で前記コンクリートの打設及び固化を行い、その後に該ゴム膨張管を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック及び仕切板から抜き取ることを特徴とするコンクリートブロックの複数個同時成形方法。
【請求項2】
請求項1において、前記ゴム中子型として、前記ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いることを特徴とするコンクリートブロックの複数個同時成形方法。
【請求項3】
外型枠で囲まれた空間に設けられた仕切板の板厚方向の貫通の挿通穴を挿通し、該仕切板にて区画された成形空間を横切る状態に設けられ、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化によって同時に成形される複数のコンクリートブロックに貫通穴を成形する中子型であって
内部への圧力流体の導入及び排出により径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴に密着するゴム膨張管を有し、且つ該ゴム膨張管は、該ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものであることを特徴とするコンクリートブロックの貫通穴成形用のゴム中子型。
【請求項1】
外型枠で囲まれた内側の空間に、板厚方向に貫通の挿通穴を有する仕切板を設けて該仕切板により該空間を複数の成形空間に区画し、コンクリートブロックの貫通穴を成形するための中子型を該貫通穴に通すようにして各成形空間を横切る状態に設けて、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化を行って、前記貫通穴を有するコンクリートブロックを複数個同時に成形する方法であって
内部への圧力流体の導入及び排出にて径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴の内面に密着するゴム膨張管を有するゴム中子型を用い、該仕切板の挿通穴に該ゴム中子型を通した状態で該ゴム膨張管を膨張させて前記挿通穴内面との間をシールした状態で前記コンクリートの打設及び固化を行い、その後に該ゴム膨張管を収縮させて成形後の複数のコンクリートブロック及び仕切板から抜き取ることを特徴とするコンクリートブロックの複数個同時成形方法。
【請求項2】
請求項1において、前記ゴム中子型として、前記ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものを用いることを特徴とするコンクリートブロックの複数個同時成形方法。
【請求項3】
外型枠で囲まれた空間に設けられた仕切板の板厚方向の貫通の挿通穴を挿通し、該仕切板にて区画された成形空間を横切る状態に設けられ、各成形空間へのコンクリートの打設及び固化によって同時に成形される複数のコンクリートブロックに貫通穴を成形する中子型であって
内部への圧力流体の導入及び排出により径方向に膨張収縮し、収縮状態で前記仕切板の挿通穴を挿通可能且つ膨張状態で該挿通穴に密着するゴム膨張管を有し、且つ該ゴム膨張管は、該ゴム膨張管の内面に沿って長手方向に延び該ゴム膨張管を直線状に形状保持する剛性の芯体を有しない無芯体のものであることを特徴とするコンクリートブロックの貫通穴成形用のゴム中子型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−137212(P2008−137212A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324107(P2006−324107)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
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