説明

コンタクトブロックを備える半導体装置用ソケット

【課題】コンタクトブロックのコンタクト端子の半導体装置の端子に対する相対位置を調整できること。
【解決手段】複数個の透孔14atを位置調整方向に沿って有するコンタクトホルダー14を備えるコンタクトブロック12は、2本の位置決めピン50が、それぞれ、各透孔14atを介してコンタクトブロック収容部46Aにおける位置調整方向に沿って形成される複数個の透孔46atのうちの選択された2つの透孔46atに挿入されることにより、コンタクトホルダー14に保持されるコンタクト端子の接点部の半導体装置の端子に対する相対位置が位置調整されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトブロック、および、コンタクトブロックを備える半導体装置用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置用ソケットは、一般に、ICソケットと称され、例えば、特許文献1にも示されるように、所定の試験電圧が供給されるとともに被検査物としての半導体装置からの短絡等をあらわす異常検出信号を送出する入出力部を有するプリント配線基板上に配される。そのような半導体装置用ソケットにおいては、半導体装置の各端子(電極)に当接する接点を有するコンタクト端子(接触子)群を備えている。このようなコンタクト端子群の交換を容易にするために半導体装置用ソケットのソケット本体に対し着脱可能な接触子ブロックが、特許文献1にも示されるように、提案されている。
【0003】
特許文献1において、接触子ブロックは、複数対の接触子片と、その接触子片を結合する結合ブロックとを含んで構成されている。その接触子ブロックは、ソケット本体における板状部材の穴を介して固定用ボルトが結合ブロックの雌ねじ穴にねじ込まれることにより、ソケット本体に固定される。そして、半導体装置の各電極が各接触子片の接点に押圧された状態で半導体装置の通電試験が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2006/003722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置においては、製造ばらつきにより、その電極の位置(端子の寸法)が所定の規格内でばらつくことがある。また、半導体装置用ソケットにおいては、試験の際、コンタクト端子の接点による半導体装置の電極(端子)に形成される傷跡が所定の位置に要望される場合がある。
【0006】
例えば、半導体装置の端子寸法のばらつきに起因してコンタクト端子の接点による半導体装置の電極(端子)に形成される傷跡が所定の位置から外れる場合がある。斯かる場合、半導体装置の外観検査において、不良品と判定され、歩留まりが大きく低下する虞がある。このような事態を回避するために半導体装置の端子とコンタクト端子の接点との位置調整を予め行うことが考えられる。
【0007】
しかしながら、上述したような接触子ブロックは、ソケット本体に所定の位置に固定され、半導体装置に対し位置調整できない構成である。斯かる構成においては、半導体装置の端子のコンタクト端子の接点に対する位置調整を予め行うことが困難である。
【0008】
以上の問題点を考慮し、本発明は、コンタクトブロックおよびコンタクトブロックを備える半導体装置用ソケットであって、コンタクトブロックのコンタクト端子の半導体装置の端子に対する相対位置を調整できるコンタクトブロック、および、コンタクトブロックを備える半導体装置用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に係るコンタクトブロックは、半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子と、複数のコンタクト端子を所定の方向に配列し保持するコンタクトホルダーと、を備え、コンタクトホルダーは、位置調整方向に沿って形成された複数の透孔を有し、コンタクトホルダーに保持された複数のコンタクト端子の接点部の半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整部材が、複数の透孔のうちの少なくとも1つの透孔に選択的に挿入されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るコンタクトブロックは、半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子と、複数のコンタクト端子を所定の方向に配列し保持するコンタクトホルダーと、を備え、コンタクトホルダーは、位置調整方向に対し略直交する少なくとも一つの当接面を有し、コンタクトホルダーに保持された複数のコンタクト端子の接点部の半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整部材が、少なくとも一つの当接面に当接することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る半導体装置用ソケットは、半導体装置が配される半導体装置収容部の周囲に形成されるコンタクトブロック収容部に対し着脱可能に配され、半導体装置の端子に電気的に接続される接点部を、それぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子を有するコンタクトブロックと、コンタクトブロックに保持された複数のコンタクト端子の接点部の半導体装置収容部に配された半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整手段と、を備えて構成される。
【0012】
そして、本発明に係る半導体装置用ソケットは、半導体装置が配される半導体装置収容部の周囲に形成される少なくとも一つのコンタクトブロック収容部に対し着脱可能に配され、半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子を有する第1および第2のコンタクトブロックと、第1および第2のコンタクトブロックに、それぞれ、保持された複数のコンタクト端子の接点部の半導体装置収容部に配された半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整手段と、を備えて構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るコンタクトブロック、および、コンタクトブロックを備える半導体装置用ソケットによれば、コンタクトブロックに保持された複数のコンタクト端子の接点部の半導体装置収容部に配された半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整手段を備えるのでコンタクトブロックのコンタクト端子の半導体装置の端子に対する相対位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例におけるコンタクトブロック収容部材を、コンタクトブロックとともに示す平面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例における押圧機構部を示す平面図である。
【図3】図2に示される例におけるIII−III線に沿って示される断面図である。
【図4】図3に示される断面図を分解して示す部分断面図である。
【図5】図2に示される例においてコンタクトブロックがコンタクトブロック収容部材に装着された状態を示す平面図である。
【図6】図5において、コンタクトブロックが取り外された状態を示す平面図である。
【図7】(A)は、図2に示されるコンタクトブロックの一部を構成するサイドストッパー部材を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図、(C)は、(A)に示される図の正面図、(D)〜(E)は、それぞれ、(A)に示される図におけるVIID−VIID線、VIIIE−VIIIE線に沿って示される断面図である。
【図8】(A)は、それぞれ、図2に示されるコンタクトブロックの一部を構成するコンタクトホルダー部材を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図、(C)〜(E)は、それぞれ、(A)に示される図における側面図、(A)に示される図におけるVIIID−VIIID線、VIIIE−VIIIE線に沿って示される断面図である。
【図9】(A)は、図2に示されるコンタクトブロックの一部を構成するトップストッパー部材を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の正面図、(C)は、(A)に示される図の側面図、(D)〜(E)は、それぞれ、(A)に示される図におけるIXD−IXD線、IXE−IXE線に沿って示される断面図である。
【図10】(A)〜(D)は、それぞれ、図2に示されるコンタクトブロックの組み立ての手順の説明に供される図である。
【図11】図4において、コンタクトブロックが取り外された状態を示す断面図である。
【図12】(A)および(B)は、それぞれ、第1実施例におけるコンタクトブロックの位置調整の説明に供される部分断面図である。
【図13】本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例におけるコンタクトブロック収容部材を、コンタクトブロックとともに示す平面図である。
【図14】本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例を分解して示す部分断面図である。
【図15】図13に示される例において、コンタクトブロックを取り外した状態を示す平面図である。
【図16】図14において、コンタクトブロックが取り外された状態を示す断面図である。
【図17】(A)および(B)は、それぞれ、第2実施例におけるコンタクトブロックの位置調整の説明に供される部分断面図である。
【図18】コンタクトブロックの変形例を示す断面図である。
【図19】(A)および(B)は、それぞれ、コンタクトブロックにおけるコンタクト端子の他の一例を示す断面図である。
【図20】本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例を分解して示す部分断面図である。
【図21】本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例におけるコンタクトブロック収容部材を、コンタクトブロックとともに示す平面図である。
【図22】(A)および(B)は、それぞれ、図20に示される例における組み立て手順の説明に供される部分断面図である。
【図23】(A)は、図20に示されるコンタクトブロックの一部を構成するコンタクトホルダーを示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図であり、(C)、(D)は、それぞれ、(A)に示されるXXIIIC−XXIIIC線、XXIIID−XXIIID線に沿って示される断面図である。
【図24】(A)は、図20に示されるコンタクトブロックの一部を構成するコンタクトホルダーを示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図であり、(C)、(D)は、それぞれ、(A)に示されるXXIVC−XXIVC線、XXIVD−XXIVD線に沿って示される断面図である。
【図25】図20に示されるコンタクトブロックの位置調整の説明に供される図である。
【図26】(A)および(B)は、それぞれ、図20に示されるコンタクトブロックの位置調整の説明に供される図である。
【図27】(A)および(B)は、それぞれ、図20に示されるコンタクトブロックの位置調整の説明に供される拡大図である。
【図28】(A)および(B)は、それぞれ、図20に示されるコンタクトブロックにおけるコンタクト端子の他の一例を示す断面図である。
【図29】本発明に係る半導体装置用ソケットの第4実施例を示す断面図である。
【図30】図29に示される例を分解して示す断面図である。
【図31】本発明に係る半導体装置用ソケットの第4実施例におけるコンタクトブロック収容部材を、コンタクトブロックとともに示す平面図である。
【図32】図31に示される例において、コンタクトブロックを取り外した状態を示す平面図である。
【図33】(A)および(B)は、それぞれ、コンタクトブロックの組み立ての手順の説明に供される図である。
【図34】(A)は、コンタクトブロックのコンタクトホルダーを示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図である。
【図35】(A)は、コンタクトブロックのコンタクトホルダーを示す平面図であり、(B)は、(A)に示される図の側面図である。
【図36】(A)乃至(B)は、それぞれ、コンタクトブロックの装着の手順の説明に供される断面図である。
【図37】(A)および(B)は、それぞれ、コンタクトブロックの位置調整の説明に供される断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2および図3は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例の外観を示す。
例えば、複数個の半導体装置用ソケットが、プリント配線基板2における所定の各導電層に対応する位置に配されている。なお、図2および図3においては、代表して1個の半導体装置用ソケットが示されている。
【0016】
半導体装置DVのパッケージの種類は、例えば、QFP型の略正方形の半導体装置とされ、複数の端子が各辺に所定の間隔で形成される4つの端子群を有している。なお、半導体装置DVのパッケージの種類は、斯かる例に限られることなく、例えば、、QFJ、QFN型、SOP型、SON型などの略正方形の半導体装置であってもよい。
【0017】
図2に示される半導体装置用ソケットは、例えば、所謂、クラムシェルタイプのソケットとされる。
【0018】
図2においては、半導体装置用ソケットは、押圧機構部と、ソケット本体10とを含んで構成されている。ソケット本体10は、コンタクトブロック収容部材46およびアダプタプレート44を備えている。
【0019】
その押圧機構部20は、半導体装置DVの端子群を後述するコンタクト端子に向けて押圧する。押圧機構部20は、ベース部材24およびリッド部材22を含んで構成される。押圧機構部20は、プリント配線基板2上に配されるコンタクトブロック収容部材46の上端面にアダプタプレート44を介して固定されたものとされる。
【0020】
ベース部材24の外形寸法は、アダプタプレート44およびコンタクトブロック収容部材46の外形寸法と略同一となるように設定されている。ベース部材24の中央部には、開口部24aが形成されている。開口部24a内には、半導体装置収容部24cが形成されている。半導体装置収容部24cは、半導体装置DVの端子群の後述のコンタクト端子に対する位置決め部材として機能する。
【0021】
半導体装置収容部24c内には、後述する半導体装置用載置台30が昇降動可能に配されている。
【0022】
また、開口部24aは、アダプタプレート44の開口部44a、および、ソケット本体10の上端部に連通している。
【0023】
開口部24aの周辺における4隅には、それぞれ、固定用小ネジSCが挿入される孔がアダプタプレート44の貫通孔およびコンタクトブロック収容部材46の雌ねじ孔(不図示)に対応して設けられている。これにより、ベース部材24は、固定用小ネジSCが上述のアダプタプレート44の孔を介してソケット本体10の雌ねじ孔にねじ込まれることにより、ソケット本体10に固定されることとなる。その際、ベース部材24におけるリッド部材22の一端部が連結される部分の下端部24Sは、アダプタプレート44の端部に載置されている。
【0024】
リッド部材22は、その一端部で支持軸28を介してベース部材24に回動可能に支持されている。その支持軸28には、リッド部材22の他端部をベース部材24から離隔する方向に付勢するねじりコイルバネ26が巻装されている。リッド部材22の他端部には、リッド部材22をベース部材24に保持する状態、あるいは、リッド部材22を解放状態とするラッチ部材(不図示)が回動可能に設けられている。ラッチ部材は、その一端部がリッド部材22に回動可能に支持され、その他端が選択的にベース部材24の係止部に係合される。
【0025】
リッド部材22の内面側における中央部の開口部内には、図示が省略されるが、半導体装置の上面を押圧する押圧体が移動可能に設けられている。
【0026】
コンタクトブロック収容部材46は、その中央部に、半導体装置用載置台30を有している。半導体装置用載置台30は、半導体装置DVが載置される平坦な載置面を有するとともに、その中央部に雌ねじ孔46d(図11参照)に固定されるフランジ付支持軸32が挿入される透孔を有している。雌ねじ孔46dの周囲に形成されるスプリング受け孔46SR(図11参照)と半導体装置用載置台30の下端との間には、コイルスプリング34がフランジ付支持軸32の回りに巻装されている。これにより、半導体装置用載置台30が所定のストロークで昇降動可能にコンタクトブロック収容部材46に支持されることとなる。
【0027】
半導体装置用載置台30の周囲には、図3および図6に示されるように、円周方向に沿って90°間隔でコンタクトブロック収容部46A、46B、46C、および、46Dが略十字状に形成されている。コンタクトブロック収容部46A、46B、46C(図3参照)、および、46Dには、互いに連通しており、図5に示されるように、後述する各コンタクトブロック12が着脱可能に収容される。各コンタクトブロック収容部46A、46B、46C、および、46Dは、互いに同一の構造を有しているのでコンタクトブロック収容部46Aについて説明し、他のコンタクトブロック収容部46B〜46Dの説明は省略される。
【0028】
コンタクトブロック収容部46Aを形成する内周面には、図6に示されるように、相対向して逃げ部46arが形成されている。逃げ部46arは、図6に示される直交座標X、Yの座標軸Yが交差する方向(座標軸Xに対し平行)、即ち、後述するコンタクト端子の配列方向に対し略直交する方向の内周面と、座標軸Yに沿った内周面とが交わる部分に形成されている。各逃げ部46arには、コンタクトブロック12の外周部における各角部が挿入される。また、その座標軸Yに沿った内周面における各逃げ部46ar相互間には、二つの溝部46agが所定の間隔をもって形成されている。二つの溝部46ag相互間には、凹部46asが形成されている。凹部46asには、図3に示されるように、後述するコンタクトブロック12におけるトップストッパ部材16の外周部の一部が挿入される。
【0029】
上述の各逃げ部46arに連なる図6におけるX座標軸に沿った内周面には、コンタクトブロック12におけるトップストッパ部材16の外周部を位置決めする位置決め面46aeが形成されている。
【0030】
コンタクトブロック収容部46Aを形成する内周面における凹部46asに対し相対向する部分に形成される凹部46adには、薄板状の弾性部材48が配されている。弾性部材48は、その弾性力で装着されたコンタクトブロック12を凹部46asに向けて付勢するものとされる。
【0031】
なお、コンタクトブロック収容部46B、および、46Dにおける凹部46bd、46ddにも、同様に弾性部材48が配されている。図示が省略されるコンタクトブロック収容部46Cの凹部にも同様な弾性部材48が配されている。
【0032】
コンタクトブロック収容部46Aを形成する底部には、図6に示されるように、開口部46ah1およびah2が所定の間隔をもって形成されている。開口部46ah1およびah2には、図3に示されるように、後述するコンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai,40bi,40ci,42aiおよび42biの固定端子群がそれぞれ、貫通する。開口部46ah1およびah2は、上述の座標軸Yに沿った方向に延在している。開口部46ah1の開口面積は、開口面積46ah2の開口面積に比して大に設定されている。
【0033】
コンタクトブロック収容部46Aを形成する底部の内面における開口部46ah1の
両端近傍には、それぞれ、コンタクトブロック12のコンタクトホルダー14の下端部が載置される載置面46afが形成されている。一方の載置面46afは、コンタクトブロック収容部46Aを形成する内周面および隣接するコンタクトブロック収容部46Bの内周面に臨んで屈曲するように形成されている。他方の載置面46afは、コンタクトブロック収容部46Aを形成する内周面および隣接するコンタクトブロック収容部46Dの内周面に臨んで屈曲するように形成されている。
【0034】
コンタクトブロック収容部46Aにおける載置面46afには、それぞれ、図4および図6に示されるように、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔46atが、共通の直線上に等間隔で、位置調整方向、即ち、座標軸Xに沿って形成されている。また、コンタクトブロック収容部46Bおよび46Dにおける載置面46afには、それぞれ、図6に示されるように、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔46bt、透孔46dtが、共通の直線上に等間隔で、位置調整方向、即ち、座標軸Yに沿って形成されている。透孔46at、透孔46bt、透孔46dtには、それぞれ、コンタクトブロックをコンタクトブロック収容部に位置決めする位置決めピン50が選択的に挿入される。
【0035】
コンタクトブロック12は、図10(A)〜(D)に示されるように、薄板金属材料で成形されるコンタクト端子40ai,40bi,40ci,42ai,および、42bi(i=1〜n,nは正の整数)と、コンタクト端子40ai〜42biを保持するコンタクトホルダー14と、コンタクトホルダー14に保持されるコンタクト端子群の離脱を上方側から規制するトップストッパ部材16と、そのコンタクト端子群の離脱を側方側から規制するサイドストッパ部材18とを含んで構成されている。
【0036】
3種類のコンタクト端子40ai,40bi,40ciは、それぞれ、連結部40afの端部における固定端子部40atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子40aiについて説明し、他のコンタクト端子40bi,40ciの説明は、省略する。
【0037】
コンタクト端子40aiは、図10(A)に拡大されて示されるように、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおける1個の端子(電極)に当接する接点部を一端に有する可動片部40acと、プリント配線基板2に半田付け固定される固定端子部40atと、可動片部40acと固定端子部40atとを連結する連結部40afとを含んで構成されている。
【0038】
弾性変位可能な可動片部40acは、その中央部にスリット40ahを有している。可動片部40acの他端は、屈曲され連結部40afにおける一方の端部に一体に結合されている。連結部40afは、略門型に形成されている。これにより、可動片部40acが連結部40afにおける一方の端部に対し略平行となるように延在している。
【0039】
固定端子部40atは、連結部40afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。なお、コンタクト端子40biは、固定端子部40atの連結部40afにおける結合位置が、コンタクト端子40aiよりも図10(A)において連結部40afの右端に対し左側に偏倚している。コンタクト端子40ciは、固定端子部40atの連結部40afにおける結合位置が、連結部40afの右端に対しもっとも離隔している。
【0040】
2種類のコンタクト端子42aiおよび42biは、それぞれ、連結部42afの端部における固定端子部42btの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子42aiについて説明し、他のコンタクト端子42biの説明は、省略する。
【0041】
コンタクト端子42aiは、図10(A)に拡大されて示されるように、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおけるコンタクト端子40aiの接点部が当接する共通の1個の端子(電極)に所定距離、離隔して当接する接点部を一端に有する可動片部42acと、プリント配線基板2に半田付け固定される固定端子部42btと、可動片部42acと固定端子部42btとを連結する連結部42afとを含んで構成されている。
【0042】
弾性変位可能な可動片部42acは、その中央部にスリット42ahを有している。可動片部42acの他端は、屈曲され連結部42afにおける一方の端部に一体に結合されている。連結部42afは、略門型に形成されている。連結部42afは、コンタクト端子40aiの連結部40afの切り開かれる方向とお互いに逆方向となるように形成されている。これにより、可動片部42acが連結部42afにおける一方の端部に対し略平行となるように延在している。
【0043】
固定端子部42atは、連結部42afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。なお、コンタクト端子42biは、固定端子部40atの連結部42afにおける結合位置が、コンタクト端子42aiよりも図10(A)において連結部40afの左端に対し右側に所定距離だけ偏倚している。
【0044】
従って、コンタクト端子40aiおよびコンタクト端子42aiにおける可動片部によって所謂、ケルビンコンタクトを形成する。
【0045】
コンタクト端子40ai〜42biを保持するコンタクトホルダー14は、例えば、樹脂材料で作られ、図8(A)〜(E)に拡大されて示されるように、コンタクト端子40ai〜42biが挿入されるコンタクト保持部14Bと、コンタクト保持部14Bの両脇に一体に形成される固定端部14Aおよび14Cと、から構成されている。
【0046】
コンタクト保持部14Bは、図8(A)〜(C)に示されるように、コンタクト端子40ai〜42biの連結部がそれぞれ、挿入されるスリット部14Si(i=1〜n,nは正の整数)を矩形断面の外周部に所定の間隔で有している。隣接するスリット部14Siは、隔壁14Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0047】
スリット部14Siは、例えば、コンタクトブロック12がコンタクトブロック収容部46Aおよび46Cに装着される場合、コンタクト端子40ai〜42biの接点部が図6において座標軸Yに沿って配列されるように形成されている。共通の一つのスリット部14Siには、図3に示されるように、例えば、コンタクト端子40aiとコンタクト端子42aiとが向かい合って挿入されている。
【0048】
固定端部14Aおよび14Cは、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部46Aにおける載置面46afに支持され固定される。固定端部14Aおよび14Cには、それぞれ、図8(E)に示されるように、上述の位置調整方向に沿った共通の直線上に等しい間隔Aで3箇所に、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する透孔14atが形成されている。
【0049】
固定端部14Aおよび14Cが、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部46Aにおける載置面46afに支持され固定される場合、図4に示されるように、3個の透孔14atのうちの1個の透孔14atを通じて位置決めピン50の一端が上述の透孔46atに挿入されるように選択的に挿入される。その際、3個の透孔46atの相互間隔は、上述の間隔Aよりも所定の値αだけ大となる値(A+α)に設定されている。なお、3個の透孔46btおよび46dtの相互間隔も、同様に設定されている。なお、透孔46a、46btおよび46dtの数は、それぞれ、3個に限られるものではなく、3個以上形成しても良いし、2個であっても良い。また、上述の例においては、各透孔46a(46btおよび46dt)の列において、3個の透孔46a(46btおよび46dt)における相互間隔が均等とされるが、必ずしもこのようになされる必要がなく、例えば、その相互間隔が互いに異なる値に設定されてもよい。
【0050】
固定端部14Aおよび14Cにおける透孔14atとコンタクト保持部14Bとの間には、図8(D)に示されるように、それぞれ、貫通孔14bが形成されている。貫通孔14bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0051】
また、固定端部14Aおよび14Cにおける各貫通孔14bに対向した位置には、突起部14Pがそれぞれ、形成されている。各突起部14Pは、突部14Paが形成されている。図7(E)に二点鎖線で示されるように、各突起部14Pおよび突部14Paが、サイドストッパ部材18の凹部18Rに嵌合される。
【0052】
サイドストッパ部材18は、図7(A)〜(E)に示されるように、コンタクト端子40ai〜42biの可動片部が挿入されるコンタクト保持部18Bと、コンタクト保持部18Bの両脇に所定の間隔をもって一体に形成される固定端部18Aおよび18Cと、から構成されている。
【0053】
コンタクト保持部18Bは、図7(A)〜(C)に示されるように、コンタクト端子40ai〜42biの可動片部40ac,42acがそれぞれ、挿入されるスリット部18Si(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔で有している。隣接するスリット部18Siは、隔壁18Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0054】
スリット部18Siは、例えば、コンタクトブロック12がコンタクトブロック収容部46Aおよび46Cに装着される場合、上述のコンタクト保持部14Bのスリット部14Siに対応して形成されている。
【0055】
共通の一つのスリット部18Siには、例えば、図10(C)に示されるように、コンタクト端子40aiの可動片部40acとコンタクト端子42aiの可動片部42acとが互いに平行となるように挿入されている。これにより、コンタクト端子40aiの可動片部40acとコンタクト端子42aiの可動片部42acとが、一対の隔壁18wiに案内され、共通の平面上に配されることとなる。
【0056】
また、固定端部18Aおよび18Cには、それぞれ、上述の突起部14Pおよび突部14Paが嵌合される凹部18Rが形成されている。固定端部18Aおよび18Cの相互間には、凹部18Dが形成されている。コンタクト保持部18Bのスリット部18Siに連なる部分の内側には、コンタクト端子42aiおよび42biの連結部42afに係合される内面18dが形成されている。これにより、サイドストッパ部材18がコンタクトホルダー14に対し取り付けられる場合、コンタクト端子42aiおよび42biの連結部42afの移動が内面18dにより規制されることとなる。
【0057】
トップストッパ部材16は、図9(A)〜(E)に示されるように、コンタクト端子40aiの連結部40afに係合される位置規制面16eを有するコンタクト保持部と、コンタクト保持部に対し垂直に延びる一対の脚部16fとから構成されている。
【0058】
コンタクト保持部は、略門型に形成され、中央に開口部16kを有している。また、開口部16kの周囲には、図示が省略される小ネジが挿入される透孔16bが2箇所に形成されている。
【0059】
一対の脚部16fは、図9(C)に示されるように、所定の間隔をもってコンタクト保持部と一体に形成されている。トップストッパ部材16がコンタクトホルダー14に取り付けられる場合、一対の脚部16fは、サイドストッパ部材18の固定端部18Aおよび18Cに形成された突部18Paに、それぞれ、係合される。これにより、後述の小ネジが締結されなくてもコンタクト端子群は、上述のコンタクトホルダーに対して脱落しないこととなる。
【0060】
斯かる構成において、コンタクトブロック12を組み立てるにあたっては、図10(A)〜(D)に示されるように、先ず、コンタクト端子40ai〜42biの連結部が、それぞれ、矢印の示す方向に沿ってコンタクトホルダー14のスリット14Siに挿入される。次に、サイドストッパ部材18が矢印の示す方向に沿ってコンタクトホルダー14に対し取り付けられる。続いて、トップストッパ部材16が、コンタクト端子40ai〜42biがスリット14Siに挿入されたコンタクトホルダー14に対し上方から被せられ、コンタクトブロック12の組み立てが完了する。なお、トップストッパ部材16およびサイドストッパ部材によって、コンタクト端子群がコンタクトホルダー14に対し脱落する虞はない。そして、小ネジがトップストッパ部材16の透孔16b、および、サイドストッパ部材18が取り付けられたコンタクトホルダー14の孔14bに挿入された後、ナット等により締結されることにより、コンタクトブロック12の組み立てが完了する。また、この小ネジにより、各コンタクトブロックがコンタクトブロック収容部材にネジ止めされる。
【0061】
組み立てられた各コンタクトブロック12は、図5に示されるように、その接点群がスプリング受け孔46SRの周囲に隣接して矩形の枠を形成するように各コンタクトブロック収容部46A〜46Dに装着される。その後、位置決めピン50の一端が、例えば、図4に示されるように、コンタクトホルダー14における端から2番目の透孔14atを介してコンタクトブロック収容部46Aにおける端から2番目の透孔46atに挿入される。なお、コンタクトブロック収容部46Aに配された弾性部材48が、位置決めピン50の外周面と透孔14atおよび透孔46atの内周面とのクリアランスを吸収することができる。このため、精度良くコンタクトブロック12をコンタクトブロック収容部46Aに位置決めすることが可能となる。そして、アダプタプレート44がコンタクトブロック収容部材46の上端面に載置され、ベース部材24およびリッド部材22がアダプタプレート44に固定される。その際、位置決めピン50の他端がアダプタプレート44の開口部44a(図4参照)に挿入される。
【0062】
なお、上述の例において、コンタクトブロック12は、コンタクトホルダー14の各辺に相対向して配置される3種類のコンタクト端子40ai,40bi,40ci、2種類のコンタクト端子42aiおよび42biを含むものとされるが、斯かる例に限られることはない。例えば、半導体装置の端子の間隔に対応したコンタクト端子の配列方向に沿った相互間距離に応じて、コンタクトホルダー14の各辺に相対向して1種類のコンタクト端子、あるいは、2種類のコンタクト端子が配置されてもよい。
【0063】
さらに、コンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの半導体装置DVの端子に対する相対位置を調整する場合の説明を行う。例えば、図12(A)に示されるように、コンタクトブロック収容部46Aにおいて、コンタクトブロック12が、その位置決めピン50の一端がコンタクトホルダー14における端から二番目の透孔14atを介してコンタクトブロック収容部46Aの端から二番目の透孔46atに挿入されていると想定する。そのコンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置を所定の値αだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されると仮定する。
【0064】
その場合、一旦、コンタクトブロック12がコンタクトブロック収容部46Aから取り外される。その後、図11に示されるように、位置決めピン50が引き抜かれる。次に、図12(B)に示されるように、位置決めピン50の一端がコンタクトホルダーl4における最も左端の透孔14atを介して最も左端の透孔46atに挿入される。
【0065】
最も左端の透孔46atは、隣接する透孔46atに対し値(A+α)だけ離隔されているのでコンタクトブロック12全体が半導体装置用載置台30に向けて値αだけ近接される。これにより、コンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置が、所定の値αだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されることとなる。
【0066】
従って、コンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置の位置調整手段が、位置決めピン50、コンタクトホルダー14の複数の透孔14at,コンタクトブロック収容部46A〜46Dの複数の透孔46atにより形成される。
【0067】
図13は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例のコンタクトブロック収容部材46´を、装着されたコンタクトブロック12´とともに示す。
【0068】
なお、図13乃至図17(A)、(B)においては、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0069】
本実施例においても、図3に示されるようなベース部材24およびリッド部材22を含んでなる押圧機構部が、プリント配線基板2上に配されるコンタクトブロック収容部材46´の上端面にアダプタプレート44を介して固定されたものとされる。
【0070】
図1に示される例においては、コンタクトブロック12におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置の位置調整手段が、位置決めピン50、コンタクトホルダー14の複数の透孔14at,コンタクトブロック収容部46A〜46Dの複数の透孔46atにより形成されている。一方、図13に示される例においては、その位置調整手段が、位置決めピン50等に代えて、互いに厚さの異なるスペーサ部材60および62を含んで構成される。
【0071】
図13乃至16において、コンタクトブロック収容部材46´は、その中央部に、半導体装置用載置台30を有している。半導体装置用載置台30の周囲には、円周方向に沿って90°間隔でコンタクトブロック収容部46´A(不図示)、46´B、46´C、および、46´Dが略十字状に形成されている。コンタクトブロック収容部46´A、46´B、46´C、および、46´Dには、互いに連通しており、図13に示されるように、後述する各コンタクトブロック12´が着脱可能に収容される。各コンタクトブロック収容部46´A、46´B、46´C、および、46´Dは、互いに同一の構造を有しているのでコンタクトブロック収容部46´Cについて説明し、他のコンタクトブロック収容部46´A〜46´Dの説明は省略される。
【0072】
コンタクトブロック収容部46´Cを形成する内周面には、相対向して逃げ部46´arが形成されている。逃げ部46´arは、図15に示される直交座標X、Yの座標軸Yが交差する方向(座標軸Xに対し平行)、即ち、コンタクト端子の配列方向に対し略直交する方向の内周面と、座標軸Yに沿った内周面とが交わる部分に形成されている。各逃げ部46´arには、コンタクトブロック12´の外周部における各角部が挿入される。また、その座標軸Yに沿った内周面における各逃げ部46´ar相互間には、二つの溝部46´agが所定の間隔をもって形成されている。二つの溝部46´ag相互間には、凹部46´asが形成されている。凹部46´asには、後述するコンタクトブロック12´におけるトップストッパ部材16の外周部の一部が挿入される。内周面における凹部46´asの下方の位置には、位置調整手段の一部を構成するスペーサ部材60が当接している。また、スペーサ部材60は、コンタクトブロック12´の外周部における当接面に当接される。所定の板厚Aを有するスペーサ部材60は、例えば、金属材料で作られ、比較的精度よく仕上げられた表面を有する薄板状の部材である。
【0073】
上述の各逃げ部46´arに連なる図15におけるX座標軸に沿った内周面には、コンタクトブロック12´におけるトップストッパ部材16の外周部を位置決めする位置決め面46´aeが形成されている。
【0074】
コンタクトブロック収容部46´Cを形成する内周面における凹部46´asに対し相対向する部分に形成される凹部46´cdには、薄板状の弾性部材48が配されている。弾性部材48は、その弾性力で装着されたコンタクトブロック12´をスペーサ部材60に向けて付勢するものとされる。
【0075】
なお、コンタクトブロック収容部46´Bおよび、46´Dにおける凹部46´bd、46´ddにも、同様に弾性部材48が配されている。図示が省略されるコンタクトブロック収容部46´Aの凹部にも同様な弾性部材48が配されている。
【0076】
コンタクトブロック収容部46´Cを形成する底部には、図15に示されるように、開口部46´ah1および46´ah2が所定の間隔をもって形成されている。開口部46´ah1および46´ah2には、図14に示されるように、コンタクトブロック12´におけるコンタクト端子40ai,40bi,40ci,42aiおよび42biの固定端子群がそれぞれ、貫通する。開口部46´ah1および46´ah2は、上述の座標軸Yに沿った方向に延在している。開口部46´ah1の開口面積は、開口面積46´ah2の開口面積に比して大に設定されている。
【0077】
コンタクトブロック12´は、上述のコンタクト端子40ai,40bi,40ci,42ai,および、42biと、コンタクト端子40ai〜42biを保持するコンタクトホルダー14´と、コンタクトホルダー14に保持されるコンタクト端子群の離脱を上方側から規制するトップストッパ部材16と、そのコンタクト端子群の離脱を側方側から規制するサイドストッパ部材18とを含んで構成されている。
【0078】
コンタクト端子40ai〜42biを保持するコンタクトホルダー14´は、例えば、樹脂材料で作られる。コンタクトホルダー14´は、コンタクト端子40ai〜42biが挿入されるコンタクト保持部と、コンタクト保持部14Bの両脇に一体に形成される一対の固定端部と、から構成されている。
【0079】
コンタクト保持部14Bは、コンタクト端子40ai〜42biの連結部がそれぞれ、挿入されるスリット部を矩形断面の外周部に所定の間隔で有している。隣接するスリット部は、隔壁によって仕切られている。
【0080】
スリット部は、例えば、コンタクトブロック12´がコンタクトブロック収容部46´Cおよび46´Aに装着される場合、コンタクト端子40ai〜42biの接点部が上述の座標軸Yに沿って配列されるように形成されている。共通の一つのスリット部には、例えば、コンタクト端子40aiとコンタクト端子42aiとが向かい合って挿入されている。
【0081】
一対の固定端部は、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部46´Cにおける載置面に支持され固定される。
【0082】
一対の固定端部におけるコンタクト保持部の両脇には、それぞれ、貫通孔14´b(図14参照)が形成されている。貫通孔14´bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0083】
また、一対の固定端部における各貫通孔14´bに対向した位置には、突起部14´Pがそれぞれ、形成されている。各突起部14´Pは、サイドストッパ部材18の凹部18Rに嵌合される。
【0084】
斯かる構成において、コンタクトブロック12´におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの半導体装置DVの端子に対する相対位置を調整する場合の説明を行う。例えば、図17(A)に示されるように、コンタクトブロック収容部46´Cにおいて、コンタクトブロック12´が、スペーサ部60と弾性部材48との間で位置決めされていると想定する。そのコンタクトブロック12´におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置を所定の値αだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されると仮定する。その場合、一旦、コンタクトブロック12´およびスペーサ部材60がコンタクトブロック収容部46´Cから取り外される。その後、スペーサ部材60の板厚Aよりも大なる板厚(A+α)を有するスペーサ部材62が、図17(B)に示されるように、内周面における凹部46´asの下方の位置に挿入される。
【0085】
これにより、スペーサ部材62の厚さは、スペーサ部材60の厚さに比べて値(α)だけ厚いのでコンタクトブロック12´全体が半導体装置用載置台30に向けて値αだけ近接される。従って、コンタクトブロック12´におけるコンタクト端子40ai〜40ci、コンタクト端子42aiおよび42biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置が、所定の値αだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されることとなる。
【0086】
なお、上述の第1実施例および第2実施例においては、コンタクトブロック12および12´が、それぞれ、3種類のコンタクト端子40ai〜40ci、2種類のコンタクト端子42aiおよび42bi、所謂、ケルビンコンタクトを備えている。
【0087】
しかしながら、必ずしもこのようになされる必要はない。例えば、図18に示されるように、コンタクトブロック12“が、ケルビンコンタクトを備えることなく、2種類のコンタクト端子42aiおよび42biだけを備えるものであってもよい。また、図示はされないが、コンタクト端子40aiおよび40biだけを備えても良い。なお、図18においては、図10(A)〜(D)における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0088】
さらに、上述の第1実施例および第2実施例においては、コンタクトブロック12および12´における3種類のコンタクト端子40ai〜40ci、2種類のコンタクト端子42aiおよび42biの固定端子部は、それぞれ、プリント配線基板2に半田付け固定されるものである。
【0089】
しかしながら、斯かる例に限られることなく、例えば、図19(A)に拡大されて示されるように、コンタクト端子40´ai〜40´ci、コンタクト端子42´aiおよび42´biの固定端子部が、それぞれ、弾性を有する湾曲状の固定端子部40´at,42´atを有するものであってもよい。なお、図19(A)および(B)においては、図10(A)〜(D)における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0090】
そのようなコンタクト端子40´ai〜40´ci、コンタクト端子42´aiおよび42´biの固定端子部は、プリント配線基板2とは異なるプリント配線基板2´に実装される。その実装される表面には、図示が省略される基板内部の導電層に導通される所定のコンタクトパッド群が形成されている。
【0091】
3種類のコンタクト端子40´ai〜40´ciは、それぞれ、連結部40´afの端部における固定端子部40´atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子40´aiについて説明し、他のコンタクト端子40´bi,40´ciの説明は、省略する。
【0092】
コンタクト端子40´aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおける1個の端子(電極)に当接する接点部を一端に有する可動片部40´acと、プリント配線基板2´のコンタクトパッドに所定の圧力で当接される固定端子部40´atと、可動片部40´acと固定端子部40´atとを連結する連結部40´afとを含んで構成されている。
【0093】
湾曲状の固定端子部40´atは、コンタクトパッドに当接する接点部を一端に有し、連結部40´afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。これにより、このようなコンタクトブロックが装着されるコンタクトブロック収容部材が、プリント配線基板2´上に配置される場合、固定端子部40´atは、図19(B)に示されるように、接点部がコンタクトパッドに当接した状態で押圧され変位せしめられる。
【0094】
2種類のコンタクト端子42´aiおよび42´biは、それぞれ、連結部42´afの端部における固定端子部42´atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子42´aiについて説明し、コンタクト端子42´biの説明は、省略する。
【0095】
コンタクト端子42´aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおけるコンタクト端子40´aiの接点部が当接する共通の1個の端子(電極)に所定距離、離隔して当接する接点部を一端に有する可動片部42´acと、プリント配線基板2´に所定の圧力で当接される固定端子部42´atと、可動片部42´acと固定端子部42´btとを連結する連結部42´afとを含んで構成されている。
【0096】
湾曲状の固定端子部42´atは、連結部42´afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。これにより、このようなコンタクトブロックが装着されるコンタクトブロック収容部材が、プリント配線基板2´上に配置される場合、固定端子部42´atが、図19(B)に示されるように、接点部がコンタクトパッドに当接した状態で押圧され変位せしめられる。
【0097】
従って、このようなコンタクトブロックにおいても、コンタクト端子40´aiおよびコンタクト端子42´aiにおける可動片部によって所謂、ケルビンコンタクトを形成する。また、プリント配線基板2´に半田付け固定する必要が無いため、コンタクトブロックの位置調整および交換が容易となる。
【0098】
図20は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例のコンタクトブロック収容部材66を、装着されたコンタクトブロック72および74とともに示す。
【0099】
図1に示される第1実施例および図13に示される第2実施例においては、単一のコンタクトブロックが、それぞれ、各コンタクトブロック収容部内に装着される構成とされるが、一方、図20に示される例においては、二つのコンタクトブロック72および74からなる一組のコンタクトブロックが、各コンタクトブロック収容部内に装着される構成を備えるものとされる。その際、一組のコンタクトブロックにより、後述するように、一組のコンタクトブロックに含まれるコンタクト端子90aiおよびコンタクト端子92aiにおける可動片部によって所謂、ケルビンコンタクトを形成する。
【0100】
なお、図20において、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0101】
図20においては、半導体装置用ソケットは、押圧機構部と、ソケット本体とを含んで構成されている。ソケット本体は、コンタクトブロック収容部材66およびアダプタプレート76を備えている。
【0102】
コンタクトブロック収容部材66は、その中央部に、半導体装置用載置台30を有している。半導体装置用載置台30の周囲には、図21に示されるように、円周方向に沿って90°間隔でコンタクトブロック収容部66A、66B、66C(不図示)、および、66Dが略十字状に形成されている。コンタクトブロック収容部66A、66B、66C、および、66Dは、互いに連通しており、図22(A)に示されるように、後述するコンタクトブロック72および74が着脱可能に収容される。各コンタクトブロック収容部66A〜66Dは、互いに同一の構造を有しているのでコンタクトブロック収容部66Aについて説明し、他のコンタクトブロック収容部66B〜66Dの説明は省略される。
【0103】
コンタクトブロック収容部66Aを形成する内周面には、図21に示されるように、相対向して逃げ部66arが形成されている。逃げ部66arは、図21に示される直交座標X、Yの座標軸Yが交差する方向(座標軸Xに対し平行)、即ち、後述するコンタクト端子の配列方向に対し略直交する方向の内周面と、座標軸Yに沿った内周面とが交わる部分に形成されている。各逃げ部66arには、コンタクトブロック72の外周部における各角部が挿入される。
【0104】
上述の各逃げ部66arに連なる図21におけるX座標軸に沿った内周面には、コンタクトブロック72における外周部を位置決めする位置決め面66aeが形成されている。
【0105】
コンタクトブロック収容部66Aを形成する底部における後述するコンタクトブロック72とコンタクトブロック74との境界部分に対応する位置には、図22(A)に示されるように、薄板状の弾性部材78が固定されている。弾性部材78は、その弾性力で装着されたコンタクトブロック72および74を互いに引き離す方向に付勢するものとされる。なお、斯かる例に限られることなく、弾性部材78は、例えば、コンタクトブロック72とコンタクトブロック74との間に挟持され、コンタクトブロック収容部66Aを形成する底部に対し移動可能に配されてもよい。
【0106】
なお、コンタクトブロック収容部66B、および、66Dにも、弾性部材78が同様に配されている。図示が省略されるコンタクトブロック収容部66Cの凹部にも弾性部材78が同様に配されている。
【0107】
コンタクトブロック収容部66Aを形成する底部には、図20に示されるように、開口部66ah1および66ah2が所定の間隔をもって形成されている。開口部66ah1および66ah2には、後述するコンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai,90bi,90ci,コンタクトブロック70におけるコンタクト端子92aiおよび92biの固定端子群がそれぞれ、貫通している。開口部66ah1および66ah2は、上述の座標軸Yに沿った方向に延在している。
【0108】
コンタクトブロック収容部66Aを形成する底部の内面における開口部66ah1の
両端近傍には、それぞれ、図25に示されるように、コンタクトブロック72の下端部が載置される載置面66afが形成されている。一方の載置面66afは、コンタクトブロック収容部66Aを形成する内周面および隣接するコンタクトブロック収容部66Bの内周面に臨んで広がるように形成されている。他方の載置面66afは、コンタクトブロック収容部66Aを形成する内周面および隣接するコンタクトブロック収容部66Dの内周面に臨んで広がるように形成されている。
【0109】
コンタクトブロック収容部66Aにおける一方の載置面66afには、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔66a1、66a2,66a3が、図25において、座標軸Yに対し所定の角度で右斜めに傾斜した共通の第1の直線上に等間隔で形成されている。また、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔66a4、66a5,66a6が、上述の第1の直線に対し略平行であって所定距離だけ開口部66ah2側に近接した共通の第2の直線上に等間隔で形成されている。
【0110】
その際、透孔66a1の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a2の中心線に対し所定の値+βだけ半導体装置用載置台30から離隔する方向に偏倚している。また、透孔66a3の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a2の中心線に対し所定の値−βだけ半導体装置用載置台30に近接する方向に偏倚している。即ち、透孔66a1,66a3は、後述する位置調整方向に沿って偏倚している。
【0111】
透孔66a6の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a5の中心線に対し所定の値+αだけ半導体装置用載置台30から離隔する方向に偏倚している。また、透孔66a4の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a5の中心線に対し所定の値−αだけ半導体装置用載置台30に近接する方向に偏倚している。即ち、透孔66a6,66a4は、後述する位置調整方向に沿って偏倚している。
【0112】
一方、コンタクトブロック収容部66Aにおける載置面66afの他方には、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔66a7、66a8,66a9が、図25において、座標軸Yに対し所定の角度で左斜めに傾斜した共通の第3の直線上に等間隔で形成されている。また、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する3個の透孔66a10、66a11,66a12が、上述の第3の直線に対し略平行であって所定距離だけ開口部66ah2側に近接した共通の第4の直線上に等間隔で形成されている。
【0113】
その際、透孔66a7の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a8の中心線に対し所定の値−βだけ半導体装置用載置台30から近接する方向に偏倚している。また、透孔66a9の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a8の中心線に対し所定の値+βだけ半導体装置用載置台30に離隔する方向に偏倚している。
【0114】
透孔66a12の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a11の中心線に対し所定の値−αだけ半導体装置用載置台30に近接する方向に偏倚している。また、透孔66a10の中心位置は、図27において誇張して示されるように、Y座標軸に平行な透孔66a11の中心線に対し所定の値+αだけ半導体装置用載置台30から離隔する方向に偏倚している。
【0115】
また、コンタクトブロック収容部66Bおよび66Dにおける載置面66bfおよび66dfには、それぞれ、図25に示されるように、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する複数個の透孔が、互いに平行に二列形成されている。載置面66bfにおいて各列における共通直線は、図25において、座標軸Xに対し所定角度をもって右斜め上方に向けて傾斜している。各列における透孔は、等間隔で形成されている。
【0116】
載置面66dfにおいて各列における共通直線は、図25において、座標軸Xに対し所定角度をもって左斜め上方に向けて傾斜している。各列における透孔は、等間隔で形成されている。
【0117】
透孔66a1〜66a3,66a7〜66a9の大きさ、相互間距離および位置は、後述するコンタクトブロック72の透孔の位置に対応して設定されている。また、透孔66a4〜66a6,66a10〜66a12の大きさ、相互間距離および位置は、後述するコンタクトブロック70の透孔に対応して設定されている。
【0118】
透孔66a1〜66a3,66a7〜66a9のうちの2個の透孔には、それぞれ、コンタクトブロック72をコンタクトブロック収容部に位置決めする位置決めピン80が選択的に挿入される。また、透孔66a4〜66a6,66a10〜66a12のうちの2個の透孔には、それぞれ、コンタクトブロック70をコンタクトブロック収容部に位置決めする位置決めピン80が選択的に挿入される。
【0119】
コンタクトブロック72は、図24(A)〜(D)に示されるように、薄板金属材料で成形されるコンタクト端子90ai,90bi,および、90ci(i=1〜n,nは正の整数)と、コンタクト端子90ai〜90ciを保持するコンタクトホルダーとを含んで構成されている。
【0120】
3種類のコンタクト端子90ai,90bi,および、90ciは、それぞれ、連結部の端部における固定端子部90atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子90aiについて説明し、他のコンタクト端子90bi,および、90ciの説明は、省略する。
【0121】
コンタクト端子90aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおける1個の端子(電極)に当接する接点部を一端に有する可動片部90acと、プリント配線基板2に半田付け固定される固定端子部90atと、可動片部と固定端子部90atとを連結する連結部90afとを含んで構成されている。
【0122】
弾性変位可能な可動片部は、その中央部にスリット90ahを有している。可動片部90acの他端は、屈曲され連結部における一方の端部に一体に結合されている。連結部90afは、略門型に形成されている。これにより、可動片部90acが連結部90afにおける一方の端部に対し略平行となるように延在している。
【0123】
固定端子部90atは、連結部90afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。なお、コンタクト端子90biは、固定端子部90atの連結部90afにおける結合位置が、コンタクト端子90aiよりも図20において連結部90afの右端に対し左側に偏倚している。コンタクト端子90ciは、固定端子部90atの連結部における結合位置が、連結部の右端に対し最も離隔している。
【0124】
コンタクト端子90ai〜90ciを保持するコンタクトホルダーは、例えば、樹脂材料で作られ、図24(A)〜(D)に拡大されて示されるように、コンタクト端子90ai〜90ciが挿入されるコンタクト保持部72Bと、コンタクト保持部72Bの両脇に一体に形成される固定端部72Aおよび72Cと、から構成されている。
【0125】
コンタクト保持部72Bは、図24(A)、および、(B)に示されるように、コンタクト端子90ai〜90ciの連結部がそれぞれ、挿入されるスリット部72Si(i=1〜n,nは正の整数)を矩形断面の外周部に所定の間隔で有している。隣接するスリット部72Siは、隔壁72Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0126】
スリット部72Siは、例えば、コンタクトブロック72がコンタクトブロック収容部66Aおよび66Cに装着される場合、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部が図21において座標軸Yに沿って配列されるように形成されている。
【0127】
固定端部72Aおよび72Cは、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66Aにおける載置面66afに支持され固定される。固定端部72Aおよび72Cには、それぞれ、図24(A)に示されるように、長辺に対し略平行な共通の直線上に等しい間隔で3箇所に、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する透孔72atが形成されている。
【0128】
固定端部72Aおよび72Cが、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66Aにおける載置面66afに支持され固定される。この場合、図21に示されるように、6個の透孔72atのうちの2個の透孔72atを通じて位置決めピン80の一端が上述の透孔66a1〜66a3のうちの1個の透孔,および、透孔66a7〜66a9のうちの1個の透孔に挿入されるように選択的に挿入される。
【0129】
固定端部72Aおよび72Cにおけるコンタクト保持部14Bの両脇となる部分には、図24(A)に示されるように、それぞれ、貫通孔72bが上述の透孔72atの列に対向して形成されている。貫通孔72bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0130】
コンタクトブロック74は、図23(A)〜(D)に示されるように、薄板金属材料で成形されるコンタクト端子92aiおよび92bi(i=1〜n,nは正の整数)と、コンタクト端子92aiおよび92biを保持するコンタクトホルダーとを含んで構成されている。
【0131】
2種類のコンタクト端子92aiおよび92biは、それぞれ、連結部の端部における固定端子部92btの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子92aiについて説明し、他のコンタクト端子92biの説明は、省略する。
【0132】
コンタクト端子92aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおけるコンタクト端子90aiの接点部が当接する共通の1個の端子(電極)に所定距離、離隔して当接する接点部を一端に有する可動片部92acと、プリント配線基板2に半田付け固定される固定端子部92btと、可動片部と固定端子部92btとを連結する連結部92afとを含んで構成されている。
【0133】
弾性変位可能な可動片部92acは、その中央部にスリット92ahを有している。可動片部92acの他端は、屈曲され連結部92afにおける一方の端部に一体に結合されている。連結部92afは、略門型に形成されている。その連結部92afは、コンタクト端子90aiの連結部の切り開かれる方向とお互いに逆方向となるように形成されている。これにより、可動片部92acが連結部における一方の端部に対し略平行となるように延在している。
【0134】
固定端子部92atは、連結部92afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。なお、コンタクト端子92biは、固定端子部92btの連結部における結合位置が、コンタクト端子92aiよりも図22(A)において連結部の左端に対し右側に所定距離だけ偏倚している。
【0135】
従って、上述のコンタクト端子90aiおよびコンタクト端子92aiにおける可動片部によって所謂、ケルビンコンタクトを形成する。
【0136】
コンタクトホルダーは、例えば、樹脂材料で作られ、図23(A)〜(D)に拡大されて示されるように、コンタクト端子92ai、92biが挿入されるコンタクト保持部74Bと、コンタクト保持部74Bの両脇に一体に形成される固定端部74Aおよび74Cと、から構成されている。
【0137】
コンタクト保持部74Bは、図23(A)〜(C)に示されるように、コンタクト端子92ai、92biの連結部がそれぞれ、挿入されるスリット部74Si(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔で有している。隣接するスリット部74Siは、隔壁74Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0138】
スリット部74Siは、例えば、コンタクトブロック74がコンタクトブロック収容部66Aおよび66Cに装着される場合、上述のコンタクトブロック72のコンタクト保持部72Bのスリット部72Siに対応して形成されている。
【0139】
固定端部74Aおよび74Cは、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66Aにおける載置面66afに支持され固定される。固定端部74Aおよび74Cには、それぞれ、図23(A)に示されるように、長辺に対し略平行な共通の直線上に等しい間隔で3箇所に、コンタクトブロックの位置調整手段の一部を構成する透孔74atが形成されている。
【0140】
固定端部74Aおよび74Cが、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66Aにおける載置面66afに支持され固定される。その場合、図21に示されるように、6個の透孔74atのうちの2個の透孔74atを通じて位置決めピン80の一端が上述の透孔66a4〜66a6のうちの1個の透孔,および、透孔66a10〜66a12のうちの1個の透孔に挿入されるように選択的に挿入される。
【0141】
固定端部74Aおよび74Cにおけるコンタクト保持部74Bの両脇となる部分には、図23(A)に示されるように、それぞれ、貫通孔74bが上述の透孔74atの列に対向して形成されている。貫通孔74bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0142】
これにより、図21に示されるように、小ネジが、コンタクトブロック72および74の貫通孔72b、74bにそれぞれ挿入された後、例えば、小ネジが各コンタクトブロック収容部に形成される雌ねじ孔(不図示)にねじ込まれる。これにより、コンタクトブロック72および74が、各コンタクトブロック収容部内に固定される。そして、アダプタプレート76が、図26(A)に示されるように、コンタクトブロック収容部材66の上端面に載置される。その際、2本の位置決めピン80の一方の端部が、それぞれ、アダプタプレート76の下端面に形成される各孔76a内に挿入される。
【0143】
斯かる構成において、例えば、図25に示されるように、コンタクトブロッ72および74が、それぞれ、2本の位置決めピン80の一端がコンタクトホルダーにおける端から二番目の透孔72at、74atを介してコンタクトブロック収容部66Aの端から二番目の透孔66a2、66a8,66a5,66a11に挿入されていると想定する。その場合、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74のコンタクト端子92aiおよび92biの半導体装置DVの端子に対する相対位置が後述するように、調整される。
【0144】
先ず、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を変更することなく、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置が所定の値A(=α+β)だけ半導体装置用載置台30に近づくように調整される。このとき、一旦、コンタクトブロック72および74がコンタクトブロック収容部66Aから取り外される。その後、図22(A)に示されるように、位置決めピン80がコンタクトブロック72および74から引き抜かれる。次に、再度、位置決めピン80の一端がコンタクトブロック72および74のコンタクトホルダーにおけるスリットに最も近い二つの透孔72atおよび74atを介して透孔66a3、66a7,66a4,および、66a12に挿入される。
【0145】
これにより、透孔66a3、66a7の中心位置は、それぞれ、隣接する透孔66a2、66a8の中心線が含まれるY座標軸線に平行な直線に対し値(−β)だけ半導体装置用載置台30側に離隔されているのでコンタクトブロック72全体が半導体装置用載置台30に向けて値βだけ近接される。また、66a4,66a12の中心位置は、それぞれ、隣接する透孔66a5、66a11の中心線が含まれるY座標軸線に平行な直線に対し値(−α)だけ半導体装置用載置台30側に離隔されているのでコンタクトブロック74全体が半導体装置用載置台30に向けて値αだけ近接される。従って、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置が、所定の値A(=−(α+β))だけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されることとなる。なお、上述のαとβとの値は、同一であっても、あるいは、大小関係があるように異なっていても良い。
【0146】
一方、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を変更することなく、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置を所定の値A´(=α+β)だけ半導体装置用載置台30に対し離隔するように調整することを想定する。このとき、位置決めピン80がコンタクトブロック72および74から引き抜かれる。次に、再度、位置決めピン80の一端がコンタクトブロック72および74のコンタクトホルダーにおけるスリットに対し最も離隔した二つの透孔72atおよび74atを介して透孔66a1、66a9,66a6,および、66a10に挿入される。
【0147】
本実施例においては、加えて、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を調整することが可能となる。例えば、図26(A)に示される状態から図26(B)に示されるように、コンタクト端子90aiの接点部とコンタクト端子92aiの接点部との相互間距離がより小とするように、変更される。この場合、一旦、コンタクトブロック72および74がコンタクトブロック収容部66Aから取り外される。その後、位置決めピン80がコンタクトブロック72および74から引き抜かれる。次に、図27に拡大されて示されるように、再度、位置決めピン80の一端がコンタクトブロック72のコンタクトホルダーにおけるスリットに最も近い二つの透孔72atを介して透孔66a3、および、66a7に挿入される。また、位置決めピン80の一端がコンタクトブロック74のコンタクトホルダーにおけるスリットに最も遠い二つの透孔74atを介して透孔66a6、および、66a10に挿入される。
【0148】
これにより、透孔66a3、66a7の中心位置は、それぞれ、隣接する透孔66a2、66a8の中心線が含まれるY座標軸線に平行な直線に対し値(−β)だけ半導体装置用載置台30側に偏倚されているのでコンタクトブロック72全体が半導体装置用載置台30に向けて値βだけ近接される。また、66a6,66a10の中心位置は、それぞれ、隣接する透孔66a5、66a11の中心線が含まれるY座標軸線に平行な直線に対し値(+α)だけ半導体装置用載置台30に対し離隔する方向に偏倚されているのでコンタクトブロック74全体が半導体装置用載置台30に対し離隔する方向に値αだけ近接される。従って、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクトブロック74におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離が、所定の値B(=α−β))だけ小となるように調整されることとなる。
【0149】
さらに、上述の例においては、コンタクトブロック72における3種類のコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74における2種類のコンタクト端子92aiおよび92biの固定端子部は、それぞれ、プリント配線基板2に半田付け固定されるものである。
【0150】
しかしながら、斯かる例に限られることなく、例えば、図28(A)に拡大されて示されるように、コンタクト端子90´ai〜90´ci、コンタクト端子92´aiおよび92´biの固定端子部が、それぞれ、弾性を有する湾曲状の固定端子部90´at,92´atを有するものであってもよい。なお、図28(A)および(B)においては、図22(A)および(B)における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0151】
そのようなコンタクト端子90´ai〜90´ci、コンタクト端子92´aiおよび92´biの固定端子部は、プリント配線基板2とは異なるプリント配線基板2´に実装される。その実装される表面には、図示が省略される基板内部の導電層に導通される所定のコンタクトパッド群が形成されている。
【0152】
3種類のコンタクト端子90´ai〜90´ciは、それぞれ、連結部90´afの端部における固定端子部90´atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子90´aiについて説明し、他のコンタクト端子90´bi,90´ciの説明は、省略する。
【0153】
コンタクト端子90´aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおける1個の端子(電極)に当接する接点部を一端に有する可動片部90´acと、プリント配線基板2´のコンタクトパッドに所定の圧力で当接される固定端子部90´atと、可動片部90´acと固定端子部90´atとを連結する連結部90´afとを含んで構成されている。
【0154】
湾曲状の固定端子部90´atは、コンタクトパッドに当接する接点部を一端に有し、連結部90´afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。これにより、このようなコンタクトブロックが装着されるコンタクトブロック収容部材が、プリント配線基板2´上に配置される場合、固定端子部90´atは、図28(B)に示されるように、接点部がコンタクトパッドに当接した状態で押圧され変位せしめられる。
【0155】
2種類のコンタクト端子92´aiおよび92´biは、それぞれ、連結部92´afの端部における固定端子部92´atの位置を除き、互いに同一の構造を有するのでコンタクト端子92´aiについて説明し、コンタクト端子92´biの説明は、省略する。
【0156】
コンタクト端子92´aiは、プレス加工により成形され、半導体装置DVにおけるコンタクト端子90´aiの接点部が当接する共通の1個の端子(電極)に所定距離、離隔して当接する接点部を一端に有する可動片部92´acと、プリント配線基板2´に所定の圧力で当接される固定端子部92´atと、可動片部92´acと固定端子部92´atとを連結する連結部92´afとを含んで構成されている。
【0157】
湾曲状の固定端子部92´atは、連結部92´afにおける他方の端部に対し垂直となるように一体に形成されている。これにより、このようなコンタクト端子を有するコンタクトブロック74が装着されるコンタクトブロック収容部材が、プリント配線基板2´上に配置される場合、固定端子部92´atが、図28(B)に示されるように、接点部がコンタクトパッドに当接した状態で押圧され変位せしめられる。
【0158】
従って、このようなコンタクトブロックにおいても、コンタクト端子90´aiおよびコンタクト端子92´aiにおける可動片部によって所謂、ケルビンコンタクトを形成する。
【0159】
図29は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第4実施例のコンタクトブロック収容部材66´を、装着されたコンタクトブロック72´および74´とともに示す。
【0160】
なお、図29乃至図37(A)、(B)においては、図20に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0161】
本実施例においても、ベース部材24およびリッド部材22を含んでなる押圧機構部が、プリント配線基板2上に配されるコンタクトブロック収容部材66´の上端面にアダプタプレート44´を介して固定されたものとされる。
【0162】
図20に示される例においては、コンタクトブロック72におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック92におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置の位置調整手段が、位置決めピン80、各コンタクトホルダーの複数の透孔72at,74at,コンタクトブロック収容部66A〜66Dの複数の透孔66a1〜66a12により形成されている。一方、図29に示される例においては、その位置調整手段が、位置決めピン80等に代えて、互いに厚さの異なるスペーサ部材94,96,98,および、100を含んで構成される。
【0163】
図29、図31および図32において、コンタクトブロック収容部材66´は、その中央部に、半導体装置用載置台30を有している。半導体装置用載置台30の周囲には、円周方向に沿って90°間隔でコンタクトブロック収容部66´A、66´B、66´C、および、66´Dが略十字状に形成されている。コンタクトブロック収容部66´A、66´B、66´C、および、66´Dには、互いに連通しており、図36(A)〜(C)に示されるように、後述する各コンタクトブロック72´、および、74´が着脱可能に収容される。各コンタクトブロック収容部66´A、66´B、66´C、および、66´Dは、互いに同一の構造を有しているのでコンタクトブロック収容部66´Cについて説明し、他のコンタクトブロック収容部66´A〜66´Dの説明は省略される。
【0164】
コンタクトブロック収容部66´Cを形成する内周面には、相対向して逃げ部66´arが形成されている。逃げ部66´arは、図32に示される直交座標X、Yの座標軸Yが交差する方向(座標軸Xに対し平行)、即ち、コンタクト端子の配列方向に対し略直交する方向の内周面と、座標軸Yに沿った内周面とが交わる部分に形成されている。各逃げ部66´arには、コンタクトブロック72´の外周部における各角部が挿入される。二つの逃げ部66´ar相互間には、凹部66´asが形成されている。内周面における凹部66´asの下方の位置には、図30に示されるように、位置調整手段の一部を構成するスペーサ部材94が当接している。所定の板厚Bを有するスペーサ部材94は、例えば、金属材料で作られ、比較的精度よく仕上げられた表面を有する薄板状の部材である。また、スペーサ部材94に相対向する内周面には、位置調整手段の一部を構成するスペーサ部材96が内周面に当接している。所定の板厚Aを有するスペーサ部材94は、例えば、金属材料で作られ、比較的精度よく仕上げられた表面を有する薄板状の部材である。
【0165】
上述の各逃げ部66´arに連なる図32におけるX座標軸に沿った内周面には、コンタクトブロック72´におけるトップストッパ部材16の外周部を位置決めする位置決め面66´aeが形成されている。
【0166】
コンタクトブロック収容部66´Cを形成する底部においてコンタクトブロック72´とコンタクトブロック74´との境界部分に対応する位置には、薄板状の弾性部材78が配されている。弾性部材78は、その弾性力で装着されたコンタクトブロック72´および74´を互いに引き離す方向に付勢するものとされる。
【0167】
なお、コンタクトブロック収容部66´A、66´Bおよび、66´Dにも、同様な位置に、弾性部材78が配されている。
【0168】
コンタクトブロック収容部66´Cを形成する底部には、図30に示されるように、開口部66´ah1および66´ah2が所定の間隔をもって形成されている。開口部66´ah1および66´ah2には、図30に示されるように、コンタクトブロック72´におけるコンタクト端子90ai,90bi,および、90ciの固定端子群、コンタクトブロック74´におけるコンタクト端子92ai,および、92biの固定端子群がそれぞれ、貫通する。開口部66´ah1および66´ah2は、上述の座標軸Yに沿った方向に延在している。また、開口部66´ah1および66´ah2の一部は、開口部66´Hにより連通している。
【0169】
コンタクトブロック72´は、図35(A)および(B)に示されるように、透孔72atを除き、上述のコンタクトブロック72の構造と類似した構造を有している。コンタクトブロック72´は、コンタクト端子90ai〜90ciと、コンタクト端子90ai〜90ciを保持するコンタクトホルダーとを含んで構成されている。
【0170】
コンタクト端子90ai〜90ciを保持するコンタクトホルダーは、例えば、樹脂材料で作られ、コンタクト端子90ai〜90ciが挿入されるコンタクト保持部72´Bと、コンタクト保持部の両脇に一体に形成される一対の固定端部72´Aおよび72´Cと、から構成されている。
【0171】
コンタクト保持部72´Bは、コンタクト端子90ai〜90ciの連結部90afがそれぞれ、挿入されるスリット部72´Si(i=1〜n,nは正の整数)を矩形断面の外周部に所定の間隔で有している。隣接するスリット部72´Siは、隔壁72´Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0172】
スリット部は、例えば、コンタクトブロック72´がコンタクトブロック収容部66´Cおよび66´Aに装着される場合、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部が上述の座標軸Yに沿って配列されるように形成されている。
【0173】
一対の固定端部72A´および72´Cは、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66´Cにおける載置面に支持され固定される。
【0174】
一対の固定端部におけるコンタクト保持部の両脇には、それぞれ、貫通孔72´bが形成されている。貫通孔72´bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0175】
コンタクトブロック74´は、図34(A)および(B)に示されるように、透孔74atを除き、上述のコンタクトブロック74の構造と類似した構造を有している。コンタクトブロック74´は、コンタクト端子92aiおよび92biと、コンタクト端子92aiおよび92biを保持するコンタクトホルダーとを含んで構成されている。
【0176】
コンタクト端子92aiおよび92biを保持するコンタクトホルダーは、例えば、樹脂材料で作られ、コンタクト端子92aiおよび92biが挿入されるコンタクト保持部74´Bと、コンタクト保持部の両脇に一体に形成される一対の固定端部74´Aおよび74´Cと、から構成されている。
【0177】
コンタクト保持部74´Bは、コンタクト端子92aiおよび92biの連結部92afがそれぞれ、挿入されるスリット部74´Si(i=1〜n,nは正の整数)を矩形断面の外周部に所定の間隔で有している(図33(B)参照)。隣接するスリット部74´Siは、隔壁74´Wi(i=1〜n,nは正の整数)によって仕切られている。
【0178】
スリット部は、例えば、コンタクトブロック74´がコンタクトブロック収容部66´Cおよび66´Aに装着される場合、コンタクト端子92aiおよび92biの接点部が上述の座標軸Yに沿って配列されるように形成されている。
【0179】
一対の固定端部74A´および74´Cは、それぞれ、上述のコンタクトブロック収容部66´Cにおける載置面に上述のコンタクトブロック72´に隣接して支持され固定される。
【0180】
一対の固定端部におけるコンタクト保持部の両脇には、それぞれ、貫通孔74´bが形成されている。貫通孔74´bには、図示が省略される小ネジが挿入される。
【0181】
コンタクトブロック72´および74´をコンタクトブロック収容部66´A〜66´Dに装着するにあたっては、図36(A)〜(C)に示されるように、先ず、コンタクトブロック74´がコンタクトブロック収容部66´A〜66´D内にそれぞれ、装着された後、開口部66´Hを通じて半導体装置用載置台30の配置部に向けて移動され、スペーサ部材96に当接される。次に、弾性部材78を挟んでコンタクトブロック74´に隣接してコンタクトブロック72´が、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部がそれぞれコンタクト端子92aiおよび92biの接点部が並設されるように、装着され、スペーサ部材94に当接される。そして、アダプタプレート44´がコンタクトブロック収容部材66´の上端面に載置される。その際、半導体装置用載置台30がコンタクトブロック収容部材66´に取り付けられる。
【0182】
斯かる構成において、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を変更することなく、コンタクトブロック72´におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74´におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置を所定の値Aだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整することを想定する。その場合、一旦、コンタクトブロック72´および74´がコンタクトブロック収容部66´Aおよび66´Cから取り外された後、スペーサ部材96が取り外される。次に、コンタクトブロック72´および74´が装着される。これにより、コンタクトブロック74´が弾性部材78の弾性力により内周面に当接される。従って、コンタクトブロック72´および74´が、スペーサ部材96の板厚に相当する所定の値Aだけ半導体装置用載置台30に近づくように調整されることとなる。
【0183】
一方、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を変更することなく、コンタクトブロック72´におけるコンタクト端子90ai〜90ci、コンタクトブロック74´におけるコンタクト端子92aiおよび92biの接点部の半導体装置DVの端子に対する相対位置を所定の値Bだけ半導体装置用載置台30に対し離隔するように調整することを想定する。そのとき、スペーサ部材96に代えて、スペーサ部材94が取り外される。これにより、コンタクトブロック72´が弾性部材78の弾性力により内周面に当接される。従って、コンタクトブロック72´および74´が、スペーサ部材94の板厚に相当する所定の値Bだけ半導体装置用載置台30に対し離隔するように調整されることとなる。
【0184】
さらに、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離を所定の値C(=α+β)だけ小となるように調整することを想定する。この場合、スペーサ部材94および96の代わりに、板厚(B+β)を有するスペーサ部材100、板厚(A+α)を有するスペーサ部材98が図37(B)に示されるように、コンタクトブロック72´、74´に当接するように配置される。これにより、コンタクト端子90ai〜90ciの接点部とコンタクト端子92aiおよび92biの接点部との相互間距離は、コンタクトブロック72´、74´が弾性部材78の弾性力に抗して互いに近接するのでスペーサ部材100および98の板厚の増分だけ小となる。
【0185】
なお、上述の第1実施例乃至第4実施例において、斯かる例に限られることなく、半導体装置用ソケットは、クラムシェル形式の押圧機構に代えて、押圧機構部20として例えば、制御される搬送ロボット(不図示)のハンドラーに対応する形式とされてもよい。
【0186】
また、上述の第1実施例乃至第4実施例においては、コンタクトブロックがクラムシェルタイプのソケットに適用されているが、斯かる例に限られることなく、他の異なる形式のソケットに対し着脱可能に配置されることにより、適用されても良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0187】
12、12´、12“、72、72´、74、74´ コンタクトブロック
14at,46at,72at,74at,66a1,66a7 透孔
40ai,42ai,90ai,92ai コンタクト端子
46、46´、66、66´ コンタクトブロック収容部材
48、78 弾性部材
50、80 位置決めピン
60、62、94、96、98、100 スペーサ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子と、
前記複数のコンタクト端子を所定の方向に配列し保持するコンタクトホルダーと、を備え、
前記コンタクトホルダーは、位置調整方向に沿って形成された複数の透孔を有し、
前記コンタクトホルダーに保持された前記複数のコンタクト端子の接点部の前記半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整部材が、該複数の透孔のうちの少なくとも1つの透孔に選択的に挿入されることを特徴とするコンタクトブロック。
【請求項2】
半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子と、
前記複数のコンタクト端子を所定の方向に配列し保持するコンタクトホルダーと、を備え、
前記コンタクトホルダーは、位置調整方向に対し略直交する少なくとも一つの当接面を有し、前記コンタクトホルダーに保持された前記複数のコンタクト端子の接点部の前記半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整部材が、前記少なくとも一つの当接面に当接することを特徴とするコンタクトブロック。
【請求項3】
半導体装置が配される半導体装置収容部の周囲に形成されるコンタクトブロック収容部に対し着脱可能に配され、該半導体装置の端子に電気的に接続される接点部を、それぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子を有するコンタクトブロックと、
前記コンタクトブロックに保持された前記複数のコンタクト端子の接点部の前記半導体装置収容部に配された半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整手段と、
を具備して構成される半導体装置用ソケット。
【請求項4】
前記位置調整手段は、前記コンタクトブロックに位置調整方向に沿って所定の等間隔に設けられる複数個の透孔からなる第1の透孔列と、該第1の透孔列の透孔に対応し異なる相互間隔で前記コンタクトブロック収容部に前記位置調整方向に沿って設けられる複数の透孔からなる第2の透孔列と、前記第1の透孔列において選択された透孔と該第2の透孔列において選択された透孔とに共通して挿入され、前記コンタクトブロックを該コンタクトブロック収容部に位置決めする位置決めピンと、を含んでなることを特徴とする請求項3記載の半導体装置用ソケット。
【請求項5】
前記位置調整手段は、前記コンタクトブロック収容部の内周面と前記コンタクトブロックの外周面との間に配され、互いに厚さの異なる第1のスペーサ部材および第2のスペーサ部材と、
前記第1のスペーサ部材または第2のスペーサ部材に相対向して前記コンタクトブロック収容部の内周面に配され、前記コンタクトブロックを付勢する弾性部材と、
と、を含んでなることを特徴とする請求項3記載の半導体装置用ソケット。
【請求項6】
半導体装置が配される半導体装置収容部の周囲に形成される少なくとも一つのコンタクトブロック収容部に対し着脱可能に配され、該半導体装置の端子に電気的に接続される接点部をそれぞれ、有する薄板状の複数のコンタクト端子を有する第1および第2のコンタクトブロックと、
前記第1および第2のコンタクトブロックに、それぞれ、保持された前記複数のコンタクト端子の接点部の前記半導体装置収容部に配された半導体装置の端子に対する相対位置を調整する位置調整手段と、
を具備して構成される半導体装置用ソケット。
【請求項7】
前記位置調整手段は、前記第1のコンタクトブロックに位置調整方向に沿って所定の等間隔に設けられる複数個の透孔からなる第1の透孔列と、前記第2のコンタクトブロックに前記位置調整方向に沿って所定の等間隔に設けられる複数個の透孔からなる第2の透孔列と、該第1の透孔列の透孔に対応し異なる相互間隔で前記コンタクトブロック収容部に前記位置調整方向に沿って設けられる複数の透孔からなる第3の透孔列と、該第2の透孔列の透孔に対応し異なる相互間隔で前記コンタクトブロック収容部に前記位置調整方向に沿って設けられる複数の透孔からなる第4の透孔列と、前記第1の透孔列において選択された透孔と該第3の透孔列において選択された透孔とに挿入され、前記第1のコンタクトブロックを該コンタクトブロック収容部に位置決めする第1の位置決めピンと、前記第2の透孔列において選択された透孔と前記第4の透孔列において選択された透孔とに挿入され、前記第2のコンタクトブロックを前記第1のコンタクトブロックに隣接して該コンタクトブロック収容部に位置決めする第2の位置決めピンと、を含んでなることを特徴とする請求項6記載の半導体装置用ソケット。
【請求項8】
前記位置調整手段は、前記コンタクトブロック収容部の内周面と前記第1のコンタクトブロックの外周面との間に配され、互いに厚さの異なる第1のスペーサ部材および第2のスペーサ部材と、
前記コンタクトブロック収容部の内周面と前記第2のコンタクトブロックの外周面との間に配され、互いに厚さの異なる第3のスペーサ部材および第4のスペーサ部材と、
前記コンタクトブロック収容部における前記第1のコンタクトブロックと第2のコンタクトブロックとの間に配され、前記第1のコンタクトブロックおよび第2のコンタクトブロックを互いに離隔する方向に付勢する弾性部材と、
と、を含んでなることを特徴とする請求項6記載の半導体装置用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−119070(P2011−119070A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273696(P2009−273696)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】