説明

コンタクトプローブ及びその製造方法

【課題】微小な被測定部の導通検査を可能にしつつ耐久性も確保することができるコンタクトプローブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブであって、ピン形状の金属導体2cの外周に絶縁被膜3を有する胴体部Aと、被測定体に当たる側の金属導体2bからなる端部Bであって絶縁被膜3を有さず且つ胴体部Aの金属導体2cの直径Dよりも細く加工されてなる端部Bとを有するプローブ1によって、上記課題を解決した。このとき、胴体部Aの金属導体2cの直径Dと端部Bの金属導体2bの直径dと比[d/D]が0.1以上0.8以下であり、前記コンタクトプローブの直径Doが0.025mm以上0.12mm以下であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子部品や基板などの導通検査に用いる検査用のコンタクトプローブ及びその製造方法に関し、特に両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等に使用される高密度実装基板、又は、パソコン等に組み込まれるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のICパッケージ基板等、様々な回路基板が多く用いられている。このような回路基板は、実装の前後の工程において、例えば直流抵抗値の測定や導通検査等が行われ、その電気特性の良否が検査されている。電気特性の良否の検査は、電気特性を測定する検査装置に接続された検査装置用治具(以下、「プローブユニット」という。)を用いて行われ、例えば、プローブユニットに装着されたピン形状のプローブ(本願では「コンタクトプローブ」という。)の先端を、その回路基板の電極(以下「被測定体」ともいう。)に接触させることにより行われている(例えば特許文献1を参照。)。
【0003】
図3は、従来のコンタクトプローブの先端形状の一例を示す概略図であり、図4は、従来のプローブユニットの例を示す概略図である。図3及び図4に示すコンタクトプローブ101は、ばね性を有した直線状の金属導体102が絶縁被膜103で被覆された胴体部と、その絶縁被膜103が剥離処理されて金属導体102が露出した両端部とで構成されている。コンタクトプローブ101の両端については、プリント基板112上の電極111に接触する端部102aと、検査装置側のリード線150に接触する端部102bとで構成されている。なお、図3中の符号Dは金属導体102の直径であり、符号Tは絶縁被膜103の厚さであり、符号Doはコンタクトプローブ101の直径(D+2T)である。また、図4に示すプローブユニット110は、複数本から数千本のコンタクトプローブ101と、コンタクトプローブ101のリード線150側を案内するガイド穴131付きガイドプレート130と、コンタクトプローブ101の端部102aがプリント基板112に形成された電極(被測定体)111に接するようにコンタクトプローブ101の電極側を案内するガイド穴121付きガイドプレート120と、を少なくとも備えている。
【0004】
電気特性の検査は、プローブユニット110とプリント基板112上の電極111とを相対的に上下させ、ばね性のコンタクトプローブ101がたわむことによる弾性力を利用して電極111に所定の圧力で押し当てることにより行われる。このとき、コンタクトプローブ101は電極111に押し当てられた力によってたわみ、その端部102bはリード線150に強く接触し、電極111からの電気信号がそのリード線150を通って検査装置(図示しない。)に送られる。なお、図4中、符号130のガイドプレートは2枚のガイドプレート130a,130bで構成され、符号120のガイドプレートは1枚で構成され、符号140はリード線を保持する保持板を示している。
【0005】
このプローブユニット110においては、ガイドプレート130に設けられたガイド穴131は、コンタクトプローブ101の胴体部の直径Doよりも大きく形成され、一方、ガイドプレート120に設けられたガイド穴121は、コンタクトプローブ101の胴体部の直径Doよりも小さい直径で形成され且つ金属導体102の直径Dよりも大きい直径で形成されている。プローブユニット110へのコンタクトプローブ101のセッティングは、ガイドプレート130に設けられたガイド穴131にコンタクトプローブ101を挿入することにより行われ、その後その先端側にある厚さTの絶縁被膜103の端面103aがガイドプレート120のガイド穴121の縁に引っかかることにより、コンタクトプローブ101を保持し、落下を防いでいる。
【0006】
ところで、プローブユニットの測定対象である電極(被測定体)は近年ますます微小化し、隣接する電極同士の間隔(ピッチ)もより一層小さくなってきている。こうした電極の微小化の傾向は、コンタクトプローブに対してもその細径化を要求する。
【特許文献1】特開2002−131334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図3に示す従来型のコンタクトプローブ101の直径Doを細径化する場合、絶縁被膜103の厚さTを薄くすることも考えられるが、そうすると、絶縁被膜103の端面103aでコンタクトプローブ101を保持することができなくなる。そのため、絶縁被膜103の厚さTはあまり変えずに金属導体102の直径Dを細くしなければならない。しかしながら、プローブユニット110においては、コンタクトプローブ101の先端102aは電極(被測定体)111に対して所定加重で接触することが要求されており、金属導体102の細径化は金属導体自体の機械的強度の低下を招く。そのため、金属導体の細径化は、その所定加重に対する安定動作の点で懸念がある。
【0008】
また、金属導体102の細径化で特に問題になる可能性があるのは、コンタクトプローブ101の製造工程中や、製造されたコンタクトプローブ101をプローブユニット110に装着する際の曲がりや折れの発生である。具体的には、金属導体102に絶縁被膜103を形成し、所定長さに切断した後のプレプローブ(完成品前のコンタクトプローブ中間品のこと。)の両端の絶縁被膜103を剥離する工程や、両端の絶縁被膜103を剥離した工程後のめっき工程や、完成品の検査工程や、完成品をプローブユニット110に装着する工程等において、プレプローブやコンタクトプローブ101をハンドリングする際に、金属導体102の細径化による機械的強度の低下に基づく曲がりや折れの発生である。こうした曲がりや折れは、両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブにおいては、より細径化の傾向になった場合、安定した測定を妨げるおそれがある。また、実際に曲がりや折れが生じない場合であっても、耐久性の点で懸念があり、コンタクトプローブの定期的な交換を計画しなければならず、コストアップになる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決したものであって、その目的は、微小な被測定部の導通検査を可能にしつつ耐久性も確保することができるコンタクトプローブ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明のコンタクトプローブは、両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブであって、ピン形状の金属導体の外周に絶縁被膜を有する胴体部と、前記被測定体に当たる側の金属導体からなる端部であって絶縁被膜を有さず且つ前記胴体部の金属導体の直径よりも細く加工されてなる端部と、を有することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、被測定体に当たる側の金属導体からなる端部は、絶縁被膜を有さず且つ胴体部の金属導体の直径よりも細く加工されているので、胴体部では十分な機械的強度を有している。その結果、製造工程でハンドリングする際に胴体部に曲がりや折れが発生しにくく、安定した測定を確保でき、また、耐久性もあるので、機械的強度の低下に起因する定期的な交換計画も不要となる。また、細径化されている部分が金属導体の先端のみであり、胴体部の機械的強度の低下はないので、測定時に加わる所定加重に対する安定動作の点でも懸念はない。
【0012】
本発明のコンタクトプローブの好ましい態様は、前記胴体部の金属導体の直径Dと前記端部の金属導体の直径dと比(d/D)が0.1以上0.8以下であり、前記コンタクトプローブの直径Doが0.025mm以上0.12mm以下であるように構成する。
【0013】
こうした範囲で構成されたコンタクトプローブは、被測定体の間隔が狭ピッチになった場合であっても十分にその狭ピッチに対応可能であり、測定時に所定加重が加わっても安定した測定が可能である。また、上記範囲の比(d/D)により構成された端部と胴体部との段差部がガイドプレートに当接するストッパーとして作用するので、コンタクトプローブがガイドプレートから脱落することもなく、測定時に加わる所定加重に対する強度も十分である。その結果、安定した測定が可能となる。
【0014】
本発明のコンタクトプローブの好ましい態様は、前記胴体部の金属導体の直径Dと該胴体部上に形成された絶縁被膜の厚さTとの比(T/D)が0.004以上0.24以下であり、前記コンタクトプローブの直径Doが0.025mm以上0.12mm以下であるように構成する。
【0015】
こうした範囲で構成されたコンタクトプローブは、絶縁被膜の厚さTのバラツキが小さく、その結果コンタクトプローブ全体の直径Do外径もバラツキが小さいので、被測定体の間隔が狭ピッチになったためにコンタクトプローブの直径Doを細径化した場合であっても、プローブユニットを構成するガイドプレートの穴への装着を細径化以前の従来型コンタクトプローブと同程度に行うことができる。なお、従来型コンタクトプローブは絶縁被膜が厚いので、コンタクトプローブ全体の直径もバラツキがあり、プローブユニットを構成するガイドプレートの穴に装着しにくくなるおそれがあった。
【0016】
本発明のコンタクトプローブの好ましい態様は、前記端部の金属導体の表面粗さRzが0.5μm以上2.5μm以下であるように構成する。
【0017】
この発明によれば、端部の金属導体の表面粗さRzを上記範囲としたので、端部の金属導体がプローブユニットを構成するガイドプレートの穴に接触した場合の摺動性がよくなってコンタクトプローブの寿命向上に寄与するとともに、端部の金属導体と被測定体(電極)との接触による電極材料(例えば半田)の端部への付着等を抑制することができる。その結果、長期間安定した測定が可能となる。
【0018】
上記課題を解決するための本発明のコンタクトプローブの製造方法は、両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブの製造方法であって、長さ方向の直径が同じ金属導体の外周に所定厚さの絶縁被膜が形成されてなるプレプローブを準備する工程と、前記プレプローブの少なくとも片端の絶縁被膜を所定長さ剥離する工程と、前記剥離によって露出した金属導体を所定の直径に細径化する工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、剥離によって露出した金属導体を所定の直径に細径化する工程を有するので、上記効果を奏する本発明に係るコンタクトプローブを容易に製造することができる。なお、「プレプローブ」とは、完成品前のコンタクトプローブ中間品のことである。
【0020】
本発明のコンタクトプローブの製造方法の好ましい態様は、前記細径化する工程において、該細径化を、電解研磨又は湿式若しくは乾式エッチングにより行うように構成する。この発明によれば、端部の金属導体の表面粗さが小さいコンタクトプローブを製造できる。
【0021】
本発明のコンタクトプローブの製造方法の好ましい態様は、前記細径化する工程後に、細径化された金属導体をめっきする工程を有するように構成する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のコンタクトプローブによれば、製造工程でハンドリングする際に胴体部に曲がりや折れが発生しにくく、安定した測定を確保でき、また、耐久性もあるので機械的強度の低下に起因する定期的な交換計画も不要となる。また、細径化されている部分が金属導体の先端のみであり、胴体部の機械的強度の低下はないので、測定時に加わる所定加重に対する安定動作の点でも懸念はない。
【0023】
また、本発明のコンタクトプローブは、被測定体の間隔が狭ピッチになった場合であっても十分にその狭ピッチに対応可能であり、測定時に所定加重が加わっても安定した測定が可能である。また、コンタクトプローブがガイドプレートから脱落することもなく、測定時に加わる所定加重に対する強度も十分である。
【0024】
また、本発明のコンタクトプローブは、被測定体の間隔が狭ピッチになったためにコンタクトプローブの直径Doを細径化した場合であっても、プローブユニットを構成するガイドプレートの穴への装着を細径化前の従来型コンタクトプローブと同程度に行うことができる。
【0025】
本発明のコンタクトプローブの製造方法によれば、上記効果を奏する本発明に係るコンタクトプローブを容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明のコンタクトプローブ及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0027】
(コンタクトプローブ)
図1は本発明のコンタクトプローブ1の一例を示す概略図であり、図2は、本発明のコンタクトプローブ1を備えたプローブユニット10を用いて被測定体11の電気特性を検査する方法を説明するための模式断面図である。本発明のコンタクトプローブ1(以下、単に「プローブ1」ということがある。)は、図1に示すように、両側の端部(両端)Bに加重を与えてたわませることにより被測定体11に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のプローブである。そして、このプローブ1は、ピン形状の金属導体2の外周に絶縁被膜3を有する胴体部Aと、被測定体3に当たる側の金属導体2bからなる端部であって絶縁被膜3を有さず且つ胴体部Aの金属導体2cの直径Dよりも細く加工されてなる端部Bと、を有している。
【0028】
なお、図1及び図2において、胴体部Aは、金属導体2cの外周に絶縁被膜3を有した直径Doで表される部分である。また、金属導体2の各部分を示す符号2aは、電極等の被測定体11側に配置されてその被測定体11に接触する金属導体の先端を示しており、符号2bは、その先端2aから連続する細径領域の金属導体を示しており、符号2cは、絶縁被膜3が形成された胴体部Aの金属導体を示しており、符号2dは、胴体部Aと端部Bとの段差部の金属導体を示しており、符号2eは、検査装置(図示しない)側に配置されてその検査装置のリード線50に接触する金属導体の後端を示している。なお、符号2aは被測定体11側の先端の金属導体を表す場合と、その先端自体を表すことがあり、符号2eもリード線側の金属導体を表す場合と、後端自体を表す場合がある。
【0029】
金属導体2としては、高い導電性と高いばね性を有する金属線(「金属ばね線」ともいう。)が用いられる。金属導体2に用いられる金属としては、広い弾性域を持つ金属を挙げることができ、例えばベリリウム銅、りん青銅、銅銀合金等の銅合金、タングステン、レニウムタングステン、鋼(例えば高速度鋼:SKH)等を好ましく用いることができる。こうした金属導体2は、通常、上記の金属が所定の径の線状導体となるまで冷間又は熱間伸線等の塑性加工が施される。
【0030】
本発明においては、胴体部Aを構成する金属導体2cの直径Dと、端部Bを構成する金属導体2bの直径dとが[D>d]の関係にある。胴体部Aの金属導体2cの直径Dとしては、特に近年の狭ピッチ化の傾向と機械的強度の確保の観点から、0.025mm以上であることが好ましく、0.030mm以上であることがより好ましく、0.050mm以上であることが特に好ましく、また、0.12mm以下であることが好ましく、0.090mm以下であることがより好ましく、0.070mm以下であることが特に好ましい。なお、直径Dの下限値は金属導体自体の機械的強度の低下を考慮したものであり、直径Dの上限値は狭ピッチ化への対応を考慮したものである。
【0031】
さらに本発明では、そうした胴体部Aの金属導体2cの直径Dと、端部Bの金属導体2bの直径dと比[d/D]が、0.1以上0.8以下であることが好ましい。上記した直径Dの範囲内で前記した比[d/D]をその範囲内とすることにより、被測定体11の間隔が狭ピッチになった場合であっても十分にその狭ピッチに対応可能なプローブ1とすることができ、測定時に所定加重が加わっても安定した測定が可能となる。また、こうした範囲内の比[d/D]により構成された端部Bと胴体部Aとの段差部は金属導体2dで構成されるが、その段差部はガイドプレート20に当接するストッパーとして作用するので、プローブ1がガイドプレート20から脱落することがなく、さらに、測定時に加わる所定加重に対する強度もその段差部が金属導体2dであるが故に十分となる。なお、比[d/D]を算出するときの単位は分子分母で同じであり、[d(mm)/D(mm)]又は[d(μm)/D(μm)]である。
【0032】
上記比[d/D]の下限値は、端部Bの直径dを胴体部Aの直径Dに対してあまりにも細くした場合に生じるおそれのある端部Bの機械的強度を一定以上に確保することを考慮したものであり、比[d/D]の上限値は、端部Bの直径dと胴体部Aの直径Dとをあまり大差なくした場合に生じるおそれのある段差部によるストッパーとしての機能低下を考慮したものである。なお、その比[d/D]は、製造上の容易さの観点から0.4以上0.8以下であることが好ましく、被測定体の微小化対応の観点から0.1以上0.5以下であることがより好ましい。
【0033】
なお、例えば比[d/D]が0.1以上0.8以下である場合において、金属導体2cの直径Dが上記好ましい範囲(0.025mm以上0.12mm以下)内で上限値側、例えば0.090mm以上0.12mm以下程度である場合は、その比[d/D]の全範囲が好ましく適用可能である。一方、上記好ましい範囲(0.025mm以上0.12mm以下)内で下限側、例えば0.025mm以上0.050mm以下程度である場合は、その比[d/D]は0.1以上0.6以下であることが好ましい。その理由は、端部Bと胴体部Aとの段差部を十分な寸法で確保できないからである。
【0034】
本発明において、端部Bを構成する金属導体2bの表面粗さは特に限定されないが、JIS B0601(1994)に基づく十点平均粗さRzで0.5μm以上2.5μm以下であることが好ましい。本発明のプローブ1は後述する製造方法で好ましく製造され、その端部Bは電解研磨や湿式又は乾式エッチングで好ましく形成される。その結果、そうした工程を経て形成された端部Bの金属導体2bの表面は、上記表面粗さRzの範囲で表されるように滑らかに形成される。こうした表面粗さRzの金属導体2bを有するプローブ1は、その金属導体2bがプローブユニット10を構成するガイドプレート20の穴21に接触した場合の摺動性がよくなってプローブ1の寿命向上に寄与する。さらに、金属導体2bと被測定体11との接触に起因した被測定体材料(例えば半田等の電極材料)の端部Bへの付着等を抑制することができる。その結果、長期間安定した測定が可能となる。なお、その表面粗さRzの上限側は、同様の理由により、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが特に好ましい。
【0035】
また、プローブ1をプローブユニット10への装着し易さの観点からは、金属導体2の真直度が高いことが好ましく、具体的には真直度が曲率半径Rで1000mm以上であることが好ましい。真直度の高い金属導体2は、通常、絶縁被膜3が設けられる前に予め直線矯正処理をすることにより得ることができる。ここでの直線矯正処理は、例えば回転ダイス式直線矯正装置等によって行われる。こうした真直度を持たせることにより、プローブユニット10にプローブ1を装着する際に、プローブ1がプレート20,30の案内穴に入り難くなることを防ぐことができる。
【0036】
端部B,Bを構成する金属導体の先端2a及び/又は後端2eの形状は特に限定されず、円錐形状、頂部に半球形状を有する円錐形状、頂部に平坦形状を有する円錐形状、等から選ばれるいずれかであればよい。ここでいう「半球形状」、「円錐形状」は、正確な半球や円錐を含むが、略円錐や略半球も含む。なお、後述する電解研磨やエッチング処理で被測定体11側の端部Bが処理される場合には、その先端の形状はやや丸みを帯びた形状となるが、こうした形状に必ずしも限定されない。
【0037】
金属導体の先端2a又は後端2eには、金属導体2と、被測定体11又は検査装置のリード線50との接触抵抗値の上昇を抑制するために、めっき層が設けられていてもよい。めっき層を構成する金属としては、ニッケル、金、ロジウム等の金属や金合金等の合金を挙げることができる。めっき層は、単層であってもよいし複層であってもよい。複層のめっき層としては、ニッケルめっき層上に金めっき層が形成されたものを好ましく挙げることができる。
【0038】
絶縁被膜3は、胴体部Aを構成する金属導体2c上に設けられて、被測定体11の電気特性を検査する際のプローブ同士の接触を防いで短絡を防止するように作用する。なお、絶縁被膜3は、金属導体2cの外周上に長手方向に亘って設けられていればよく、直接設けられていてもよいし、他の層を介して設けられていてもよい。
【0039】
絶縁被膜3は、絶縁性を有する被膜であれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか1種であることが好ましい。なお、通常は一種類の樹脂により形成される。これらの樹脂からなる絶縁被膜は耐熱性が異なるので、検査の際に発生する熱を考慮して任意に選択することができる。例えば、より耐熱性が要求される場合には、絶縁被膜3がポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等で形成されることが好ましい。なかでも、絶縁被膜3が焼付けエナメル被膜として形成されることが好ましい。焼付けエナメル被膜は、後述するように塗料の塗布と焼付けの繰り返しにより連続工程で形成されるので、生産性がよく、金属導体2cとの間の密着性が高く且つ被膜強度をより高いものとすることができる。
【0040】
絶縁被膜3の厚さTは電気絶縁性を確保できる程度の厚さであればよく、胴体部Aの金属導体2cの直径との関係を考慮した場合において、胴体部Aの金属導体2aの直径Dと胴体部A上に形成された絶縁被膜3の厚さTとの比[T/D]が0.004以上0.24以下であることが好ましい。上記した直径Dの範囲内で前記した比[T/D]をその範囲内とすることにより、その絶縁被膜の厚さTのバラツキが小さく、その結果プローブ全体の直径Do外径もバラツキが小さくなる。したがって、被測定体11の間隔が狭ピッチになったためにプローブ1の直径Doも細径化した場合であっても、プローブユニット10を構成するガイドプレート20,30の穴21,31への装着を細径化前の従来型プローブと同程度に行うことができる。なお、図3及び図4に示すような従来型プローブ101は絶縁被膜103が厚いので、プローブ全体の直径もバラツキがあり、プローブユニット110を構成するガイドプレート120,130の穴121,131に装着し難くなるおそれがあった。本発明では、従来の態様よりも絶縁被膜を薄くできるので、絶縁被膜3の薄膜化の観点からは、比[T/D]を0.004以上0.04以下のように薄くすることが好ましい。なお、比[T/D]を算出するときの単位は分子分母で同じであり、[T(mm)/D(mm)]又は[T(μm)/D(μm)]である。
【0041】
上記の比[T/D]で形成される絶縁被膜3の厚さTは、0.5μm以上12μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、例えば比[T/D]が0.004以上0.24以下である場合において、金属導体2cの直径Dが上記好ましい範囲(0.025mm以上0.12mm以下)内で上限値側、例えば0.090mm以上0.12mm以下程度である場合は、その比[T/D]は下限値側、すなわち0.004以上0.14以下(より好ましくは0.04以下)であることが好ましい。その理由は、絶縁被膜3のバラツキの観点から、金属導体2cの直径Dが大きい場合には絶縁被膜3の厚さTをあまり厚くする必要はないからである。一方、上記好ましい範囲(0.025mm以上0.12mm以下)内で下限側、例えば0.025mm以上0.050mm以下程度である場合は、その比[T/D]は0.01以上0.24以下であることが好ましい。その理由は、絶縁性の観点から金属導体2cの直径Dが小さい場合でも絶縁被膜3の厚さTをある程度の厚さで形成する必要があるからである。
【0042】
本発明に係るプローブ1の長さは、通常、15mm以上30mm以下であるが、必ずしもその長さに限定されない。また、プローブ1を構成する胴体部Aと端部Bとの間の段差部2dの形態は、図1では直角形態で形成されているが、細径化手段によって種々の形態をとることになる。例えば、電解研磨や湿式エッチングで金属導体の端部Bを細径化する場合は、曲面状の段差部2dとなり、乾式エッチングで同様の細径化を行う場合は、図1に示すような比較的直線状の段差部2dとなる。
【0043】
以上説明したように、本発明のコンタクトプローブ1の胴体部Aは十分な機械的強度を有しているので、製造工程でハンドリングする際に胴体部Aに曲がりや折れが発生しにくく、安定した測定を確保でき、また、耐久性もあるので、機械的強度の低下に起因する定期的な交換計画も不要となる。また、細径化されている部分が金属導体の先端側のみであり、胴体部Aの機械的強度の低下はないので、測定時に加わる所定加重に対する安定動作の点でも懸念はない。
【0044】
なお、本発明のプローブ1は、図3に示すような従来型プローブ101とは異なり、胴体部Aよりも細く端部Bが形成されているので、被測定体11に所定の加重で安定して接触することができる。具体的には後述の実施例で示すように、例えばプローブ1を2gの加重で被測定体11に押し当てる場合、本発明のプローブ1では端部Bの直径dが0.035mmに細くしても同じ加重(例えば2g)とすることができる。こうしたことは、プローブ1と被測定体11との単位面積当たりの接触圧を上げるので、接触抵抗を下げることができ、より正確な電気測定を行うことができる。しかもその端部Bの表面粗さRzを上記範囲内とすれば、高い接触圧の下でも、被測定体11を構成する半田材料等の付着を抑制できるので、接触抵抗の観点からより効果がある。
【0045】
(コンタクトプローブの製造方法)
次に、本発明のコンタクトプローブの製造方法について説明する。本発明のプローブ1の製造方法は、上記本発明のプローブ1を製造する方法であって、長さ方向の直径Dが同じ金属導体2cの外周に所定厚さTの絶縁被膜3が形成されてなるプレプローブを準備する工程と、そのプレプローブの少なくとも片端Bの絶縁被膜3を所定長さ剥離する工程と、その剥離によって露出した金属導体2bを所定の直径dに細径化する工程とを少なくとも有する。なお、「プレプローブ」とは、完成品前のコンタクトプローブ中間品のことである。以下、順に説明する。
【0046】
プレプローブを準備する工程では、長さ方向の直径Dが同じ金属導体2cの外周に所定厚さTの絶縁被膜3が形成されてなるプレプローブが準備される。この工程は、所定の直径Dからなる金属導体2を塑性加工により準備する工程、その金属導体2の外周に絶縁被膜3を例えばエナメル線の製造装置を用いて焼付けエナメルを形成する絶縁被膜形成工程、絶縁被膜3が形成された金属導体2を所定長さに切断する切断工程、後端の研削工程、を含んでいてもよい。なお、これらの工程の全てを実施する必要はなく、例えば所定の直径Dからなる金属導体2は購入品であってもよく、また、所定の厚さTが形成されたプレプローブが購入品であっても構わない。
【0047】
プレプローブの少なくとも片端Bの絶縁被膜3を所定長さ剥離する工程は、各種の方法で剥離処理可能であるが、レーザで絶縁被膜を分解除去する方法等も好ましく適用できる。
【0048】
剥離によって露出した金属導体2bを所定の直径dに細径化する工程において、その細径化を、電解研磨又は湿式若しくは乾式エッチングにより行うことが好ましい。こうした細径化手段により、端部Bの金属導体2a,2bの表面粗さを小さくすることができる。
【0049】
なお、この細径化する工程後においては、細径化された金属導体をめっきするめっき工程を有していてもよい。めっき方法は特に限定されず、電気めっきや無電解めっき等の湿式処理でも、蒸着等の乾式処理でもよい。
【0050】
以上説明しように、本発明のプローブ1の製造方法によれば、剥離によって露出した金属導体2bを所定の直径dに細径化する工程を有するので、上記効果を奏する本発明に係るプローブ1を容易に製造することができる。
【0051】
(コンタクトプローブの使用方法)
次に、上述した本発明のプローブ1を用いた電気特性の検査方法について、図2を参照して説明する。本発明のプローブ1は、プローブユニット10に装着されて回路基板等の被測定体11の電気特性の良否の検査に利用される。プローブユニット10は、図2に示すように、複数本から数千本のプローブ1と、プローブ1を被測定体11にガイドするプレート20と、プローブ1を検査装置のリード線50にガイドするプレート30とを備えている。検査装置側のプレート30は、プローブ1の直径Doよりも若干大きい案内穴31を有し、その案内穴31は一本一本のプローブ1をリード線50にガイドする。被測定体側のプレート20は、細径化した金属導体2bの直径dよりも若干大きい案内穴21を有し、その案内穴21は一本一本のプローブ1の金属導体2の先端2aを被測定体11にガイドする。
【0052】
プローブユニット10と被測定体11は、被測定体11の電気特性を検査する際、プローブ1と被測定体11とが対応するように位置制御される。電気特性の検査は、プローブユニット10又は被測定体11のいずれかを上下させ、プローブ1の弾性力を利用して被測定体11にプローブ1の先端2aを所定の圧力で押し当てることにより行われる。このとき、プローブ1の後端2eはリード線50に常時接触し、被測定体11からの電気信号がそのリード線50を通って検査装置(図示しない。)に送られる。なお、図2中の符号40はリード線用の保持板を示す。
【0053】
本発明のプローブ1は、図3に示すような従来型プローブ101とは異なり、胴体部Aよりも細く端部Bが形成されているので、被測定体11に所定の加重で安定して接触させることができる。そして、プローブユニット10を動作させてプローブ1を例えば2gの一定加重で被測定体11に押し当てる場合、本発明のプローブ1では端部Bの直径dを従来型プローブよりも細径にしているので、結果としてプローブ1と被測定体11との単位面積当たりの接触圧を上げるので、接触抵抗を下げることができ、より正確な電気測定を行うことができる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。なお、以下の実施例は一例であって、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
金属導体2として、予め真直度が曲率半径Rで1500mmに直線矯正された長尺の真直ベリリウム銅線(直径D:0.030mm)を用いた。絶縁被膜用の塗料として、ポリウレタン樹脂系のエナメル塗料(東特塗料株式会社製、商品名;TPU5100)を用い、図示しない絶縁被膜焼付装置により厚さ2μmのポリウレタン被膜3を連続的に焼付け、絶縁被膜付き真直ベリリウム銅線(以下、絶縁真直ベリリウム銅線と略記する)を作製した。次に、定尺切断装置で前記絶縁真直ベリリウム銅線を15mm長さに切断し、その後、その後端2eを研削加工装置により半球形状に研削加工して所定形状の端部Bを形成した。なお、研削加工は、エメリー紙を貼った回転円盤上に定尺切断した絶縁真直ベリリウム銅線の後端2eを押し当てて研削し、ベリリウム銅線と絶縁被膜とを同時に半球形状に加工した。次に、エキシマレーザにて、被測定体11側の端部Bの絶縁被膜3を剥離し、その後、電解研磨により露出した端部Bのみを細径化してその直径dを0.015mmとした。最後に、細径化した端部Bにニッケルめっき層(膜厚1μm)及び金めっき層(膜厚0.2μm)からなる2層めっきを施し、実施例1のプローブ1(図1参照)を作製した。このプローブ全体の直径Doは0.034mmであり、外径バラツキは±0.6μmであった。なお、電解研磨は、濃度10g/LのNaOH溶液を用い、電圧3Vを15秒間印加して行った。
【0056】
(実施例2〜10)
実施例1と同様の方法を適用し、胴体部Aの直径D、細径化した端部Bの直径d、絶縁被膜3の厚さTを表1に示すように種々変更し、実施例2〜10に係るプローブ1を作製した。
【0057】
(比較例1)
金属導体2として、予め真直度が曲率半径Rで1500mmに直線矯正された長尺の真直ベリリウム銅線(直径D:0.050mm)を用い、その外周に実施例1と同じ材料及び同じ方法で厚さ10μmのポリウレタン絶縁被膜を形成し、絶縁被膜付き真直ベリリウム銅線(以下、絶縁真直ベリリウム銅線と略記する)を作製した。次に、定尺切断装置で前記絶縁真直ベリリウム銅線を15mm長さに切断し、その後、その後端を実施例1と同様に半球形状に研削加工して所定形状の端部を形成した。次に、エキシマレーザにて、被測定体側の端部の絶縁被膜を剥離し、最後に実施例1と同様のめっきを施して比較例1のプローブ101(図3参照)を作製した。このプローブ全体の直径Doは0.070mmであり、外径バラツキは±5μmであった。
【0058】
(比較例2)
金属導体2として、予め真直度が曲率半径Rで1500mmに直線矯正された長尺の真直ベリリウム銅線(直径D:0.035mm)を用い、その外周に実施例1と同じ材料及び同じ方法で厚さ10μmのポリウレタン絶縁被膜を形成し、絶縁被膜付き真直ベリリウム銅線(以下、絶縁真直ベリリウム銅線と略記する)を作製した。次に、定尺切断装置で前記絶縁真直ベリリウム銅線を15mm長さに切断し、その後、その後端を実施例1と同様に半球形状に研削加工して所定形状の端部を形成した。次に、エキシマレーザにて、被測定体側の端部の絶縁被膜を剥離し、最後に実施例1と同様のめっきを施して比較例2のプローブ101(図3参照)を作製した。このプローブ全体の直径Doは0.055mmであり、外径バラツキは±5μmであった。
【0059】
(評価及び結果)
電気測定は、作製した各プローブを図2に示す態様のプローブユニットに装着し、プリント基板上に形成された電極に2gの加重で繰り返し接触させたときの金属導体の端部Bの状況を観察した。また、露出したプローブ端部の表面粗さは、非接触型の表面粗さ測定装置を用い、JIS B0601(1994)に基づく十点平均粗さRzで評価した。結果を表1に示した。
【0060】
実施例3,4のプローブと比較例1のプローブは胴体部Aに相当する部位の金属導体の直径Dは同じであるが、実施例3,4のプローブの方が機械的強度を保持しつつ全体の直径Doと端部Bの直径dを小さくすることができるので、最近の狭ピッチ化に十分対応することができた。また、実施例3のプローブと比較例2のプローブは端部Bに相当する部位の金属導体の直径dを同じにしたものであるが、実施例3のプローブは機械的強度がありハンドリングの際に曲がりや折れが発生しなかったが、比較例2のプローブは機械的強度が十分ではなく、ハンドリング中に折れが発生することがあった。また、電気測定の試験では、実施例1〜10のプローブはその先端に半田が付きにくかったが、比較例1,2のプローブはその先端に半田が付きやすいという傾向があった。また、実施例1〜10のプローブは外径バラツキが小さいので、比較例1,2のプローブに比べて、歩留まりが高く、また、プローブユニットへの各ガイドプレートの案内穴への挿入も容易であった。また、実施例1〜10のプローブは被めっき面積が小さいので、比較例1,2のプローブに比べて、めっき材料を節約できる。
【0061】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明のコンタクトプローブの一例を示す概略図である。
【図2】本発明のコンタクトプローブを備えたプローブユニットを用いて被測定体の電気特性を検査する方法を説明するための模式断面図である。
【図3】従来のコンタクトプローブの先端形状の一例を示す概略図である。
【図4】従来のプローブユニットの例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0063】
1 コンタクトプローブ
2 金属導体
2a 先端の金属導体
2b 細径部の金属導体
2c 胴体部の金属導体
2d 段差部の金属導体
2e 後端の金属導体
3 絶縁被膜
10 プローブユニット
11 被測定体
12 基板
20 被測定体側のガイドプレート
21 案内穴
30,30a,30b 検査装置側のガイドプレート
31 案内穴
40 リード線用の保持板
50 リード線
A 胴体部
B 端部
d 端部を構成する金属導体の直径
D 胴体部を構成する金属導体の直径
Do プローブの直径
T 絶縁被膜の厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブであって、
ピン形状の金属導体の外周に絶縁被膜を有する胴体部と、
前記被測定体に当たる側の金属導体からなる端部であって絶縁被膜を有さず且つ前記胴体部の金属導体の直径よりも細く加工されてなる端部と、
を有することを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
前記胴体部の金属導体の直径Dと前記端部の金属導体の直径dと比(d/D)が0.1以上0.8以下であり、前記コンタクトプローブの直径Doが0.025mm以上0.12mm以下である、請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項3】
前記胴体部の金属導体の直径Dと該胴体部上に形成された絶縁被膜の厚さTとの比(T/D)が0.004以上0.24以下であり、前記コンタクトプローブの直径Doが0.025mm以上0.12mm以下である、請求項1又は2に記載のコンタクトプローブ。
【請求項4】
前記端部の金属導体の表面粗さRzが0.5μm以上2.5μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
【請求項5】
両端に加重を与えてたわませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定する方式のコンタクトプローブの製造方法であって、
長さ方向の直径が同じ金属導体の外周に所定厚さの絶縁被膜が形成されてなるプレプローブを準備する工程と、
前記プレプローブの少なくとも片端の絶縁被膜を所定長さ剥離する工程と、
前記剥離によって露出した金属導体を所定の直径に細径化する工程と、
を少なくとも有することを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
【請求項6】
前記細径化する工程において、該細径化を、電解研磨又は湿式若しくは乾式エッチングにより行う、請求項5に記載のコンタクトプローブの製造方法。
【請求項7】
前記細径化する工程後に、細径化された金属導体をめっきする工程を有する、請求項5又は6に記載のコンタクトプローブの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−210443(P2009−210443A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54219(P2008−54219)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】