説明

コンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法

【課題】短時間でしかも精度よくコンテナを所定位置に位置決めして停止させることで、作業効率を向上させるようにした。
【解決手段】コンテナ3の位置決め機構1は、コンベア10の移動方向に対して直交する方向に光線を送出する発光器および光線を検知する受光器からなる第一乃至第三の光センサーS1、S2、S3を備えてなる位置検知手段20と、コンベア10に固定されていてコンテナ3を把持位置M1に位置決めさせる位置決め装置30とを備えている。第一光センサーS1で第一光線L1がコンテナ3によって遮断される非受光信号を検知すると共に、第二及び第三光センサーS2、S3で第二及び第三光線L2,L3がコンテナ3の両端を通過した信号を検知したときにコンテナ3が所定範囲内で粗位置決めされ、位置決め装置30によってコンテナ3を押圧させながら係止して位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂の積み込み作業などに使用されるコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地下工事における土砂の水平搬送には、不整地運搬車、バックホウによるリレーや、ブルドーザーあるいはベルトコンベアなどが用いられている。一方、地下工事における揚土作業は、バックホウやクラムシェルなどの建設機械あるいは垂直ベルトコンベアなどの連続揚土装置を用いて行われている。また、建築工事では、工期の短縮を図るため、1階の床工事を最初に行い、その後、地下工事と地上工事を並行して行う逆打ち工法が採用されることがある。この逆打ち工法において地下工事で発生する掘削土砂などを搬出する場合、地下工事と地上工事を並行して行う関係上、地上階の躯体、とくに上階の梁や床スラブによって建設機械の上方作業空間が制限されることになる。このような空頭制限下での作業や、障害物が多く狭隘箇所での作業となる場合は、建設機械による作業は大きな制約を受け、土砂の搬出作業能率は大きく低下する。このような状況に対して、作業性の向上や省力化を図るための揚土装置が、例えば特許文献1に提案されている。
特許文献1は、地下部分から地上の所定の高さまで連続する搬送ガイドレールを設け、地下部分において掘削した土砂等をコンテナに積み込み、そのコンテナを搬送ガイドレールに沿って移動可能に設けられた把持装置などで把持してから、搬送ガイドレールに沿わせて地上部まで移動し、地上部においてコンテナ内の土砂をダンプトラックに積み込む揚土装置であって、土砂搬出の効率を向上させたものである。そして、コンテナを搬送ガイドレールに把持させた後の搬送開始、停止、ダンプトラックへの積み込みなどの一連の作業工程を自動運転できるようにした構成とされている。
【特許文献1】特開2004−331373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1は、掘削土砂を積み込んだコンテナを、把持装置で把持できる位置に正確に配置させる必要がある。その配置方法としては、例えばコンテナをコンベアに載置させて把持位置に横移動させる方法がある。この場合、コンベアを手動操作により駆動させて積み込み位置に配置させているコンテナを横移動させ、そのコンテナを上述した把持装置に受け替えさせる所定位置となるように停止させる。ところが、正確な位置決めの際にはコンベアの移動をインチングさせるなど時間のかかる作業を行う必要があり、その結果、揚土作業の作業効率が低下するといった問題があった。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、短時間でしかも精度よくコンテナを所定位置に位置決めして停止させることで、作業効率を向上させるようにしたコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンテナの位置決め機構は、コンベアによってコンテナを横移動させて所定位置で停止させるコンベアの位置決め機構であって、コンベアの移動方向に対して直交する方向に光線を送出する発光器および光線を検知する受光器からなる第一乃至第三の光センサーを設けてコンテナを所定範囲内に粗位置決めさせる位置検知手段と、コンベアに固定されていて位置検知手段によって粗位置決めされたコンテナを移動方向の両端側から押圧させながら係止させて所定位置に位置決めさせる係止手段とを備え、コンテナが所定位置にある状態で、第一光センサーをその第一光線がコンテナによって遮断される位置に配置し、第二光センサー及び第三光センサーをそれらの第二及び第三光線がコンテナの移動方向の両端を通過する位置に配置したことを特徴としている。
また、本発明に係るコンテナの位置決め機構を用いた制御方法では、コンベアの移動方向に対して直交する方向に光線を送出する発光器および光線を検知する受光器からなる第一乃至第三の光センサーを備えてなる位置検知手段と、コンベアに固定されていてコンテナを所定位置に位置決めさせる係止手段とを備えたコンテナの位置決め機構を用いた制御方法であって、コンベアを始動させ、第一光センサーでその第一光線がコンテナによって遮断されてなる非受光信号を検出すると共に、第二光センサー及び第三光センサーでそれらの第二及び第三光線がコンテナの移動方向の両端を通過した受光信号を検出したときにコンテナが所定範囲内で粗位置決めされ、係止手段によってコンテナの両側から押圧させながら係止させて所定位置に位置決めさせるようにしたことを特徴としている。
本発明では、コンテナを載せたコンベアが始動し、第一光センサーの第一光線がコンテナによって遮断されたとき非受光信号が検出され、第二光センサー及び第三光センサーでそれらの第二及び第三光線がコンテナの移動方向の両端を通過した受光信号が検出されたときにコンテナが所定範囲内に移動したものと判断され、粗位置決めされた状態でコンテナの移動が停止される。次いで、そのコンベアの停止信号を受けてから、係止手段によってコンテナをその両側から当接させて押圧させながら移動させ、所定位置に位置決めさせることができる。
【0006】
また、本発明に係るコンテナの位置決め機構では、係止手段は、上端部にコンテナを当接させる当接部を備え、略中間部でコンベアの移動方向に直交する方向を回転軸にしてコンベアに回転可能に支持された回転部材と、回転部材に回転駆動を与える回転駆動装置とが設けられて構成されていることが好ましい。
本発明では、回転駆動装置の回転駆動によって回転部材が回転され、回転部材の当接部がコンテナに当らない位置と、当接部がコンテナに係止する位置とを選択的に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法によれば、コンベア上のコンテナを、短時間でしかも精度よく所定位置に位置決めさせて停止させることができる。そのため、例えば位置決めしたコンテナを所定位置で搬送ガイドレールに受け替えて搬送ガイドレール上を搬送させる揚土装置を用いて揚土作業を行う場合に、コンテナの位置決め作業にかかる待ち時間がなくなり、揚土作業の作業効率を向上させることができる。
また、コンテナの停止位置を精度よく位置決めできるため、コンベアから他の運搬装置などへのコンテナの受け渡し作業を自動化させることが可能となり、より効率的な揚土作業を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法の実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態による揚土作業状態の全体概要を示す図、図2は位置決め機構の全体概要を示す平面図、図3は図2に示す位置決め機構のA−A線矢視図、図4はコンベアの全体を示す図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面図、図5は位置決め装置の取り付け状態を示す平面図、図6は位置決め装置の動作を示す図であって、(a)はコンベア上のコンテナを把持位置で係止させた状態の側面図、(b)はその係止状態を解除させた状態の側面図、図7(a)〜(d)はコンテナの位置決め機構を用いた制御方法の動作説明図である。
【0009】
図1に示すように、本実施の形態によるコンテナの位置決め機構1は、上方作業空間に制限がある低空頭下をなす建築工事において、地上階から地下階まで連続する開口部5を使用して揚土する揚土作業に適用されている。本実施の形態では、地下部6の最下階R1で掘削した土砂を箱状のコンテナ3に積み込んで地上階R2に揚土し、ダンプトラック4に積み込む構成をなしている。
そして、本位置決め機構1は、地下部6の最下階R1の掘削作業階に設けられ、掘削土砂を積み込んだコンテナ3を、最下階R1から地上階R2まで延設された搬送ガイドレール40を備えた揚土装置2に受け替えられる位置に移動させるものである。
【0010】
ここで、揚土装置2の概略な構成について説明しておく。
図1に示すように、揚土装置2は、最下階R1から開口部5を通過して地上階R2までコンテナ3を搬送する搬送ガイドレール40と、搬送ガイドレール40を装着させて開口部5内を搬送ガイドレール40と共に昇降可能に配置した昇降フレーム41と、昇降フレーム41を昇降移動させるための駆動力を与える昇降駆動機構42とから概略構成されている。この搬送ガイドレール40は、上下方向に配置される垂直搬送路40aと、その垂直搬送路40aの上端部から略水平方向に連続して配置される水平搬送路40bとを有している。そして、地上階R2に搬送されたコンテナ3内の土砂は、水平搬送路40bの下方に待機しているダンプトラック4に積み込まれる。
【0011】
そして、揚土装置2には、搬送ガイドレール40に沿って往復移動可能な把持ユニット43が設けられている。この把持ユニット43は、例えばコンテナ3を着脱可能に取り付ける把持手段(図示省略)を有し、その把持手段によりコンベア10(後述)の所定位置にあるコンテナ3を把持して搬送ガイドレール40を移動させることができる。
【0012】
また、昇降フレーム41は、昇降駆動機構42によって周囲躯体(例えば地上階R2の床スラブの下面)から反力をとって昇降可能とされている。これにより、揚土装置2は、土砂搬出の揚土作業時には、図1に示すように搬送ガイドレール40の水平搬送路40bを地上階R2の所定高さとなるように配置させた状態とし、非揚土作業時にはとくに図示しないが昇降フレーム41を矢印H方向に下降して地下部6に格納させた状態に配置させる構成となっている。
【0013】
次に、搬送ガイドレール40の搬送開始位置(この位置を「始点」とする)に配置されて最下階R1の基礎上に設けられる位置決め機構1について、図面に基づいて説明する。
図2及び図3に示すように、位置決め機構1は、コンテナ3を矢印E方向に横移動させると共に、搬送ガイドレール40への受け渡し位置に正確にコンテナ3を位置決めさせるように移動させるコンベア10と、コンベア10によって横移動されるコンテナ3を所定範囲内で粗位置決めする位置検知手段20とからなる。
ここで、図2及び図3に示すように、コンテナ3がコンベア10によって高い精度に位置決めされる所定位置を把持位置M1とし、位置検知手段20によって粗位置決めされる所定範囲内を粗位置決め範囲M2とする。
このコンベア10は、その把持位置M1が搬送ガイドレール40の始点にほぼ一致し、この位置でコンテナ3を搬送ガイドレール40の把持ユニット43に把持させて受け渡すことができる。
【0014】
先に、位置検知手段20の詳細構成から説明する。
図2に示すように、位置検知手段20には、コンベア10の移動方向に対して直交する方向に光線Lを送出する発光器21と、その光線Lを検知する受光器22との組み合わせからなる3組の第一乃至第三の光センサーS1、S2、S3が設けられ、コンテナ3を粗位置決め範囲M2内となるように位置合わせするものである。ここで、粗位置決め範囲M2内とは、後述するコンベア10の位置決め装置30により把持位置M1に位置決めすることができる範囲とされる。
【0015】
各光センサーS1、S2、S3は、発光器21と受光器22とが所定の距離Dをもって互いに対向するように配置され、受光器22が発光器21から送出される光線L1、L2、L3を受光することができる。なお、上述した発光器21と受光器22との所定の距離Dとは、受光器22で発光器21の光線L1、L2、L3を確実に検知できる範囲とされる。
また、これら光センサーS1、S2、S3のうち中央に位置する第一光センサーS1がコンテナ3の配置確認用をなし、その両側に位置する第二及び第三光センサーS2、S3がコンテナ3の移動方向の両端の位置検出用をなしている。
【0016】
図3に示すように、コンベア10上には2台の第一及び第二コンテナ3A、3Bが配置されている。
第一光センサーS1では、その光線L1が遮断されたとき、受光器22によって受光が確認されない状態の受光OFF(非受光信号)が検出される。そして、第二及び第三光センサーS2,S3では、それらの光線L2、L3がコンテナ3によって遮断されずに通過してそれらの受光器22、22によって受光が確認された状態の受光ON(受光信号)が検出される。これらの信号は、例えば図示しない制御装置に向けて発信される。そして、第一光センサーS1で受光OFF、および第二及び第三光センサーS2、S3で受光ONとなる信号が同時に確認されたときに、コンベア10の移動を停止するように位置決め制御される(詳しい制御方法については後述する)。
【0017】
次いで、コンベア10について詳細に説明する。
図4(a)及び(b)に示すように、コンベア10は、コンベア幅方向の両側に配置されていてコンテナ3を載置させて移動させるチェーンベルト11、11と、各チェーンベルト11、11にスプロケットホイール12を介して動力を与える駆動モータ13と、コンテナ3の落下を防止するために幅方向両側に設けられたガイド部材14、14と、平面視でコンベア10の略中央に配置された位置決め装置30(係止手段)とから概略構成されている。
【0018】
図5、図6(a)及び(b)に示すように、コンベア10には、把持位置M1に停止されたコンテナ3(図3参照)の移動方向両側に配置され、コンベア10の幅方向に延設されたガイド部材10a、10aが固定されている。
そして、位置決め装置30には、各ガイド部材10a、10aに固定された回転部材32、32が設けられている。一対の回転部材32、32は、夫々の上端部にコンテナ3を当接させる当接部32aを有し、各回転部材32の略中間部でコンベア10の移動方向に直交する方向を回転軸にしてガイド部材10aに回転可能に支持される回転支点32bを設けている。この回転部材32は、回転支点32bより下方側で側面視かぎ形状に屈曲して形成され、その下端部32cにはコンベア10の移動方向に伸縮する油圧式又は電動式のシリンダ31(回転駆動装置)の先端31aが取り付けられている。両回転部材32、32の各シリンダ31の他端31bは、連結部材33を介してコンベア10の中央幅方向に設けられた支持部材10bに固定されている。
【0019】
これにより、一対の回転部材32、32は、各シリンダ31、31の伸縮により各回転支点32bを中心に回転が可能となる。すなわち、シリンダ31が縮んだ状態のときに、回転部材32の当接部32aがコンベア10上のコンテナ3より下方となる位置に回転し、そのときの位置が解除位置T2(図6(b)参照)とされる。当接部32bが解除位置T2にあるときには、この当接部32bはコンテナ3に当接しない状態となる。
また、シリンダ31が伸びた状態とき、当接部32aは、ガイド部材10aの側面10cに当接して回転部材32の回転を規制させる。このときの当接部32の当接位置(この位置を係止位置T1(図6(a)参照)とする)がコンテナ3の把持位置M1(図3参照)をなしている。
回転部材32における係止位置T1と解除位置T2とは、コンテナ3の状態に応じて選択的に切り替えることができる。
【0020】
そして、位置決め装置30は、上述した位置検知手段20によって粗位置決め範囲M2に位置合わせされたコンテナ3のずれ(把持位置M1に対するずれ)を、ずれている側の当接部32aでコンテナ3を押圧しながら移動させて修正し、把持位置M1に正確に位置決めすることができる。
このように、位置決め装置30は、回転部材32の回転力、すなわちシリンダ31の押し付け力によってコンテナ3を動かす構成である。そのため、このシリンダ31には、土砂を積んだコンテナ3を動かすことができるだけの押し付け能力をもたせておく必要がある。
【0021】
次に、上述した位置決め機構1を用いた制御方法について図7などを用いて説明する。
図2、図7(a)に示すように、コンベア10上には移動方向始点側(図7(a)の左側)に第一コンテナ3Aが配置され、所定の間隔をもってコンベア10の略中央に第二コンテナ3Bが配置されている。この位置において、第一コンテナ3Aには、例えばバックホウなどの積み込み機械により土砂が積み込まれる。このとき、光センサーS1、S2、S3の各検出状態は、コンベア10の中央に第二コンテナ3Bが配置されているため、第一光センサーで受光OFF、第二及び第三光センサーS2、S3で受光ONとなる。また、このとき、位置決め装置30の両回転部材32、32は、解除位置T2の状態とされる(図6(b)参照)。
【0022】
そして、コンベア10が矢印F方向に移動を開始すると同時に位置決め制御が始動する。図7(b)に示すような移動開始直後には、第二光センサーS2による光線L2が第一コンテナ3Aによって遮断され、また、第三光センサーS3による光線L3が第二コンテナ3Bによって遮断され、両光センサーS2、S3の受光器22で光線L2、L3を受光することができないため、全光センサーS1,S2,S3で受光OFFが検出される。
さらに、図に示してはいないが、図7(b)よりさらに第一及び第二コンテナ3A、3Bが移動すると、第二コンテナ3Bによって遮断されていた中央の第一光センサーS1の光線L1が受光器22で受光したことが確認されて受光ONが検出される。
【0023】
そして、図2、図7(c)に示すように、移動中の第一コンテナ3Aがコンベア10の略中央に移動したとき、第一光センサーで受光OFF、第二及び第三光センサーS2、S3で受光ONであることが検出され、第一コンテナ3Aが粗位置決め範囲M2に移動したものと判断される。それにより、コンベア10が粗位置決め範囲M2で位置合わせされた状態で停止され、このときの停止信号が例えば制御装置などに発信される。
【0024】
続いて、図6に示すように、コンベア10の停止信号を受けてから、コンベア10の位置決め装置30の両シリンダ31、31が伸びて、回転部材32、32が第一コンテナ3A側に向けて回転する(図7(d)参照)。そうすると、第一コンテナ3Aは、回転部材32、32の当接部32a、32aで上下流両方向から挟まれるようにして押圧され、粗位置決め範囲M2に対するずれが修正されて把持位置M1で位置決めされることになる。
なお、図1に示すように、把持位置M1に位置決めされた第一コンテナ3Aは搬送ガイドレール40によって搬送されて地上階R2に移動し、ダンプトラック4に土砂を積み込んで再び地下階R1のコンベアの中央位置に載置される。そして、第一コンテナ3Aの搬送中に空の第二コンテナ3Bに土砂が積込み手段により積み込まれる。その後、コンベア10を図7(a)に示す矢印F方向と反対方向に移動させ、上述したコンテナの位置決め制御方法により、位置検知手段20による粗位置きめと位置決め装置30による把持位置M1への正確な位置決めが行われる。
また、コンベア10が始動してから把持位置M1に位置決めするまでの一連の工程は、自動制御により運転させることができる。
【0025】
このようにコンテナ3を位置決め制御させる位置決め機構1と、上述した揚土装置2とを用いた揚土方法について説明する。
図1に示すように、先ず、最下階R1においてバックホウなどの積込み手段により、掘削土砂がコンベア10上の移動方向端部に配置されている空のコンテナ3に積み込まれる。次に、そのコンテナ3は、位置検知手段20とコンベア10の位置決め装置30により把持位置M1、すなわち搬送ガイドレール40の始点の位置に移動して位置決めされる(図7参照)。その後、コンテナ3は、搬送ガイドレール40の把持ユニット43によって把持され、搬送ガイドレール40に沿って地上階R2の積み込み地点まで搬送される。そして、コンテナ3の底部を開いて掘削土砂を予め待機されているダンプトラック3に積み込む。なお、空になったコンテナ3は、搬送ガイドレール40に沿って最下階R1の始点に戻される。
【0026】
上述した本実施の形態によるコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法では、コンベア10上のコンテナ3を、短時間でしかも精度よく把持位置M1に位置決めさせて停止させることができる。そのため、位置決めしたコンテナ3を把持位置M1で搬送ガイドレール40に受け替えて搬送ガイドレール40上を搬送させる揚土装置2を用いて揚土作業を行う場合に、コンテナ3の位置決め作業にかかる待ち時間がなくなり、揚土作業の作業効率を向上させることができる。
また、コンテナ3の停止位置を精度よく位置決めできるため、コンベア10から他の運搬装置などへのコンテナ3の受け渡し作業を自動化させることが可能となり、より効率的な揚土作業を実現することができる。
【0027】
以上、本発明によるコンテナの位置決め機構及びこれを用いた制御方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態による位置決め装置30の構成、形状、取り付け位置などは限定されることはない。例えば回転部材32に回転駆動を与える手段がシリンダ32であることに限定されず、回転駆動モータなどを回転動力としてもよい。要は、位置検知手段20で粗位置決め範囲M2に粗位置決めされたコンテナ3を、その両側から当接して把持位置M1となるように移動させることができればよいのである。
また、コンベア10上に二台のコンテナ3を配置させているが、一台のコンテナ3であっても位置検知手段20と位置決め装置30を用いて把持位置M1に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態による揚土作業状態の全体概要を示す図である。
【図2】位置決め機構の全体概要を示す平面図である。
【図3】図2に示す位置決め機構のA−A線矢視図である。
【図4】コンベアの全体を示す図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図5】位置決め装置の取り付け状態を示す平面図である。
【図6】位置決め装置の動作を示す図であって、(a)はコンベア上のコンテナを把持位置で係止させた状態の側面図、(b)はその係止状態を解除させた状態の側面図である。
【図7】(a)〜(d)はコンテナの位置決め機構を用いた制御方法の動作説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 位置決め機構
2 揚土装置
3、3A、3B コンテナ
10 コンベア
20 位置検知手段
21 発光器
22 受光器
30 位置決め装置(係止手段)
31 シリンダ(回転駆動装置)
32 回転部材
32a 当接部
M1 把持位置(所定位置)
M2 粗位置きめ範囲
L、L1、L2、L3 光線
S1、S2、S3 光センサー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアによってコンテナを横移動させて所定位置で停止させるコンベアの位置決め機構であって、
前記コンベアの移動方向に対して直交する方向に光線を送出する発光器および前記光線を検知する受光器からなる第一乃至第三の光センサーを設けて前記コンテナを所定範囲内に粗位置決めさせる位置検知手段と、
前記コンベアに固定されていて前記位置検知手段によって粗位置決めされた前記コンテナを移動方向の両端側から押圧させながら係止させて所定位置に位置決めさせる係止手段と、
を備え、
前記コンテナが前記所定位置にある状態で、前記第一光センサーをその第一光線が前記コンテナによって遮断される位置に配置し、前記第二光センサー及び第三光センサーをそれらの第二及び第三光線が前記コンテナの移動方向の両端を通過する位置に配置したことを特徴とするコンテナの位置決め機構。
【請求項2】
前記係止手段は、
上端部に前記コンテナを当接させる当接部を備え、略中間部で前記コンベアの移動方向に直交する方向を回転軸にして前記コンベアに回転可能に支持された回転部材と、
前記回転部材に回転駆動を与える回転駆動装置と、
が設けられて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナの位置決め機構。
【請求項3】
コンベアの移動方向に対して直交する方向に光線を送出する発光器および前記光線を検知する受光器からなる第一乃至第三の光センサーを備えてなる位置検知手段と、前記コンベアに固定されていてコンテナを所定位置に位置決めさせる係止手段とを備えたコンテナの位置決め機構を用いた制御方法であって、
前記コンベアを始動させ、前記第一光センサーでその第一光線が前記コンテナによって遮断されてなる非受光信号を検出すると共に、前記第二光センサー及び第三光センサーでそれらの第二及び第三光線が前記コンテナの移動方向の両端を通過した受光信号を検出したときに前記コンテナが所定範囲内で粗位置決めされ、
前記係止手段によって前記コンテナの両側から押圧させながら係止させて前記所定位置に位置決めさせるようにしたことを特徴とするコンテナの位置決め機構を用いた制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−7219(P2008−7219A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176370(P2006−176370)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(392008725)株式会社安田製作所 (4)
【Fターム(参考)】