説明

コンテンツ情報記録再生装置及び記録再生方法及びテレビジョン受信装置

【課題】鍵情報の破損によるリスクを軽減し、残りダビング回数を保障することができるコンテンツ情報記録再生装置及び記録再生方法を提供する。
【解決手段】この発明に係る実施例は、暗号化部と、復号化部と、暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個別々の記録場所に記録する鍵情報記録部と、前記暗号化コンテンツが前記記録媒体に記録されるとき分割されたダビング回数情報を前記鍵情報にそれぞれ対応付けて記録するダビング回数情報記録部と、前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録するエラーチェックコード記録部と、第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化するときエラーチェックを行うエラーチェック部と、エラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を前記復号化処理部に与える鍵情報選択部と、前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するダビング回数処理部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコンテンツ情報記録再生装置及び記録再生方法及びテレビジョン受信装置に関し、暗号化復号化鍵の管理及びダビング回数の管理形態を改良したものである。
【背景技術】
【0002】
放送されたコンテンツを暗号化し暗号化コンテンツとして記録し、再生時には暗号化コンテンツを復号化する情報記録再生装置がある。また暗号化コンテンツを復号化し、別の記録媒体に記録するとき、そのダビング回数を制限する世代管理機能も設けられているものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の装置は暗号化のための鍵情報、及びダビング回数情報の管理方法に問題がある。例えば何らかの要因で、鍵情報が破損した場合、暗号化コンテンツを復号化できず、残りダビング回数が保障されないという問題があった。
【特許文献1】特開2003−22338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、鍵情報の破損によるリスクを軽減し、残りダビング回数を保障することができるコンテンツ情報記録再生装置及び記録再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、コンテンツを暗号化して暗号化コンテンツを得る暗号化部と、暗号化コンテンツを復号化し復号化コンテンツを得る復号化部と、前記暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個(Nは2以上)別々の記録場所に記録する鍵情報記録部と、前記暗号化コンテンツが前記記録媒体に記録されるとき前記コンテンツのダビング回数(M;Mは整数)情報を複数に分割し、分割されたダビング回数情報を前記鍵情報にそれぞれ対応付けて記録するダビング回数情報記録部と、少なくとも前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録するエラーチェックコード記録部と、記N個の鍵情報のうち第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化するとき、前記エラーチェックコードにより前記第1の鍵情報のエラーチェックを行うエラーチェック部と、前記エラーチェックによりエラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を前記復号化処理部に与える鍵情報選択部と、前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するダビング回数処理部を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記の手段によると、鍵情報が使えなくなると言う従来の問題を改善することができ、ダビング回数を保障できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明が適用された例えば多チャンネル録画再生サーバ10の構成例を示している。この装置は、チューナ装置100として複数のチューナ部、例えば4つのチューナ部101、102、103、104を有し、同時に複数のチャンネルを受信することができる。チューナ部の数は一例であり、もっと多くても良い。チューナ部101、102、103、104から出力された受信チャンネル、例えばCH1-CH4のトランスポートストリームは、録画再生制御部200と電子番組案内情報(EPG)処理部301に送られる。
【0008】
録画再生制御部200は、番組信号に関する信号処理を行うもので、録画装置210に対する記録再生処理を実行する。
【0009】
ここで記録処理は例えばチューナ部の数と同じ数分のトランスポートストリームを全部行える。このため録画装置210が例えばハードディスクドライブで構成される場合には、1つのハードディスクではなく、複数のハードディスクを組み合わせ使用することもある。この場合、例えばハードディスク1でCH1、CH2のトランスポートストリームを記録再生、ハードディスク2でCH3、CH4のトランスポートストリームを記録再生など分散処理させることなどする。
【0010】
また受信したチャンネルの番組信号もしくは録画装置210からの再生信号を選択処理して、MPEGデコーダ211に出力することができる。この場合、録画再生制御部200は、システムコントロール部511内の出力番組信号選択部(図示せず)からの制御信号に基いて出力する番組信号を決定している。このように録画再生制御部200から出力する番組信号は、チューナ装置100からのリアルタイム放送の番組信号、または、録画装置210で再生された再生番組信号の場合がある。
【0011】
MPEGデコーダ211でデコードされた表示信号は、オンスクリーン表示処理部212、ネットワーク接続部213を介してネットワーク上の例えばテレビジョン受信機700に送出される。
【0012】
尚、多チャンネル録画再生サーバ10自身が、テレビジョン受信機700内に組み込まれていてもよい。
【0013】
301は、電子番組案内情報(EPG)処理部であり、EPGメモリ302を接続されている。EPGメモリ302は各チャンネルの電子番組案内情報を例えば1週間分蓄積している。この例は、例えば日本の地上デジタル放送のようにCH1-CH4の各トランスポートストリームから各チャンネルのEPG情報を抽出する例を示しているが、BSデジタル放送のように各チャンネルにBS全チャンネルのEPG情報が多重されている場合もある。いずれにしても、電子番組案内情報(EPG)処理部301、EPGメモリ302では多チャンネル受信装置で受信可能なチャンネル数分(図の例では4チャンネル)のEPG情報を受信、抽出し、記憶するものとする。
【0014】
EPG処理部301は、操作入力に応じてEPGメモリ302のEPG情報を読出し、オンスクリーン表示処理部212に供給する。このときは、表示を要求したテレビジョン受信機の画面に例えば1週間分の番組案内を表示することができる。勿論、EPG処理部301は、電子番組案内情報を常に新しい内容に更新するようにCH1-CH4のトランスポートストリームからEPG情報を抽出し、EPGメモリ302に更新記憶する機能を備える。
【0015】
ところで、録画再生制御部200は、トランスポートストリームを録画装置210に記録する場合、暗号化して暗号化コンテンツとして記録する。また記録された暗号化コンテンツを再生する場合、復号化し復号化コンテンツを得る。そのために暗号化部201、復号化部202が設けられている。
【0016】
録画再生制御部200には、メモリ600が接続されている。このメモリ600には、鍵情報記録部601、残りダビング回数情報記録部602、エラーチェックコード記録部603が確保されていれる。鍵情報記録部601の鍵情報は、暗号化部201、復号化部202で用いられる。残りダビング回数情報記録部602、エラーチェックコード記録部603の情報は、システムコントロール部511により処理される。
【0017】
システムコントロール部511は、例えばリモートコントローラ受信部512からの操作入力を受け付けて、チャンネル選択、番組選択、録画番組の再生、レジューム情報の処理などを制御する。13はリモートコントローラである。
【0018】
システムコントロール部511は、エラーチェック部401、鍵情報選択部402、ダビング回数処理部403、鍵情報復活部404、ダビング回数復活部405、移動処理実行部406などを含む。エラーチェック部401は、暗号化部201、復号化部202で使用する鍵情報にエラーが生じているか否かを判定する部分である。鍵情報選択部402は、読出し鍵情報にエラーが生じていないときは、読出し鍵情報を使用鍵情報として選択し、読出し鍵情報にエラーが生じていないときは、エラーが生じていない鍵情報を使用鍵情報として選択する部分である。
【0019】
つまり本装置では、メモリ600内の複数の箇所に鍵情報を格納することができるように構成されている。
【0020】
ダビング回数処理部403は、ダビングのために鍵情報を使用した場合ダビング回数を1つ減じる処理を行う。また鍵情報復活部404は、エラーが生じている鍵情報があった場合その記録領域に対して、エラーが生じていない鍵情報を再書き込みし、復活させる部分である。ダビング回数復活部405は、後でも説明するが、ダビング回数にエラーが生じていた場合、ダビング回数を管理しておき、復活させる機能を有する。つまり本発明の装置では後でも説明するが、複数の箇所に鍵情報を格納することに伴い、ダビング回数情報を複数に分割して複数の箇所の鍵情報に付加して記録することができる。
【0021】
またシステムコントロール部511には移動処理実行部406が設けられており、この移動処理実行部406はコンテンツにコピー制限がある場合、当該コンテンツの移動処理を実行するためのものである。
【0022】
上記の説明では、記録再生制御部200と独立してメモリ600を設けたが、メモリ600自体が記録再生制御部200の内部に組み込まれていてもよいし、あるいはシステムコントロール部511内部に組み込まれていてもよい。またメモリ600は、録画装置210のHDDの一部領域に確保されていてもよい。HDDは、光ディスクに置き換えて用いてもよいことは勿論である。
【0023】
図2にはチューナ部101−104のいずれか1つ例えばチューナ部101の構成例を示している。アンテナ入力は、選局部121で選局され、選局されたチャンネルのストリーム信号は、分離部122を介してデスクランブラ123に入力される。分離部122は制御信号(ECM)、制御信号(EMM)を分離する。分離部122で分離された制御信号(ECM)は、ICカード130に入力される。制御信号(EMM)は、分離部124においてカードIDを用いて当該カードIDのEMMのみ分離されてICカードに入力される。制御信号(ECM)、制御信号(EMM)の詳細は、例えば、電波産業界(ARIB)標準規格(STD B-25)デジタル放送におけるアクセス制御方式の第1部、第3章、関連情報サブシステムに記載のECM、EMMである。
【0024】
ICカード130内では、制御信号ECM,EMMを用いてスクランブル鍵が得られる。このスクランブル鍵を利用して、デスクランブラ123では、トランスポートストリーム中の映像、音声、データのスクランブルされたトランスポートストリームパケットがデスクランブルされて出力される。上記の例は、ICカード130がそれぞれチューナ部に使用されるタイプを示したが、複数のチューナ部で1つのICカードを兼用するタイプであってもよい。
【0025】
図3(A)−図3(D)はこの発明の装置の特徴部の動作例を示す図である。この発明の装置では、暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個(Nは2以上)別々の記録場所に記録する鍵情報記録部601と、暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるときコンテンツのダビング回数(M;Mは整数)情報を複数に分割し、分割されたダビング回数情報を鍵情報にそれぞれ対応付けて記録するダビング回数情報記録部602と、少なくとも前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録するエラーチェックコード記録部603を有する。この処理は、コンテンツを記録処理のときリアルタイムで実行される。
【0026】
コンテンツが再生されるときは、N個の鍵情報のうち第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化する。このときエラーチェックコードにより第1の鍵情報のエラーチェックを行うエラーチェック部401と、エラーチェックによりエラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を前記復号化処理部に与える鍵情報選択部402と、前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するダビング回数処理部403を有する。
【0027】
図3(A)から図3(D)には、鍵情報が2個、別々の記録領域A1,A2に記録された例を示している。またコンテンツのダビング回数は全体で10回であり、5回ずつ分割された状態を示している。そして、この例では、鍵情報と分割されたダビング回数情報に対してそれぞれエラーチェックコードが付加された様子を示している。この発明の装置は、少なくとも鍵情報にそれぞれエラーチェックコードが付加されていればよい。
【0028】
図3(A)は、暗号化コンテンツを復号する(1回目)ために領域A1の鍵情報がエラーチェックされ、エラーが無いことが判定され、次に、この鍵情報が使用鍵情報とされた例を示している。なお、この暗号化コンテンツのダビング回数は全部で10回であり、最後は移動されるものとする。図3(B)は、同じく同暗号化コンテンツを復号する(2回目)ために領域A2の鍵情報がエラーチェックされ、エラーが無いことが判定され、次に、この鍵情報が使用鍵情報とされた例を示している。このとき領域A1の残りダビング回数は(5−1)回に更新されている。図3(C)は、同じく同暗号化コンテンツを復号する(3回目)ために領域A1の鍵情報がエラーチェックされ、エラーが無いことが判定され、次に、この鍵情報が使用鍵情報とされた例を示している。このとき領域A1の残りダビング回数は(5−1)回に更新されている。図3(D)は、同じく同暗号化コンテンツを復号する(4回目)ために領域A2の鍵情報がエラーチェックされ、エラーが無いことが判定され、次に、この鍵情報が使用鍵情報とされた例を示している。このとき領域A1の残りダビング回数は(5−2)回に更新されている。
【0029】
上記のように、領域A1とA2の情報がダイビング毎に基本的には交互に使用される。しかし、鍵情報にエラーがあるときは、他方の領域のエラーの無い鍵情報が使用される。
【0030】
図4はこの発明の装置の動作例を示すフローチャートである。例えばコンテンツYのダビング指示があると(ステップS1,S2)、まず、いずれの領域(例えば領域A1,A2)の鍵情報を読み出すのかを決定する(ステップS3)。この読出し順序は例えばアドレスの昇順が繰り返すように予め設定され、前回使用した領域の次の領域が選択される。鍵情報のエラーチェックの結果、エラーが無い場合(ステップS4)、読み出した鍵情報を用いてコンテンツの復号化(ステップS5)が行なわれ、残りダビング回数の更新が行なわれる(ステップS6)。
【0031】
ステップS4において、鍵情報のエラーが検出された場合、別の領域の鍵情報が読み出され(ステップS7)、エラーチェックが行なわれる(ステップS8)。ここでエラーが検出されなかった場合、この読み出した鍵情報を用いてコンテンツの復号化が行なわれる(ステップS10)。またエラーのあった先の鍵情報の領域に対して、エラーの無い鍵情報を書き込む処理が行われる(ステップS9)。あるいはこのステップS9において、鍵情報の記録領域を変更して、エラーの無い鍵情報を書き込む処理が行われる。尚ステップS10,S9の順番はこの例に限定されない。図の例とは逆であってもよい。次に、使用した鍵情報に付加されている残りダビング回数の更新が行なわれる。
【0032】
ステップS8においてもさらにエラーが検出された場合、全ての鍵情報についてエラーが検出されたかどうかを判定し、全てエラーであった場合、メッセージに表示、或いは音声による状態報告を行い、処理が終了する。
【0033】
図5(A)−図5(D)はこの発明の装置の特徴部の別の動作例を示す図である。なお鍵情報、残りダビング回数情報、エラーチェックコードの組が2組あるものとして説明し、第1の組の情報を鍵情報601−1、残りダビング回数情報602−1、エラーチェックコード603−1、第2の組の情報を鍵情報601−2、残りダビング回数情報602−2、エラーチェックコード603−2として識別している。
【0034】
図5(A)は領域A1の鍵情報601−1にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。図5(B)は領域A1のエラーのある鍵情報601−1の領域に対してエラーのない領域A2の鍵情報601−2をコピーし、鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。
【0035】
図5(C)は、再度、領域A1の鍵情報601−1にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を用いて暗号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。図5(D)は領域A1のエラーのある鍵情報601−1の領域に対してエラーのない領域A2の鍵情報601−2をコピーし、鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。
【0036】
図6(A)−図6(D)はこの発明の装置の特徴部のさらに別の動作例を示す図である。図6(A)は領域A1の鍵情報601−1にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。図6(B)は、先の領域A1に対して新たな領域A3を確保し、エラーのない領域A2の鍵情報601−2をコピーして鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。残りダビング回数情報、エラーチェックコードは先の領域A1の情報がコピーされる。
【0037】
図6(C)は新しい領域A3の鍵情報601−1にエラーが検出されることなく、暗号化コンテンツを復号化するためにこの鍵情報601−1が使用された様子を示している。図6(D)は、領域A3の残りダビング回数が更新された様子を示している。
【0038】
上記のように鍵情報のエラーが検出されたとき、保存領域を変えることにより安定した鍵情報復活を得ることができる。
【0039】
上記の説明では、エラーチェックコードが、鍵情報に対して付加されているものとして説明したが、エラーチェックコードが、鍵情報及び残りダビング回数情報に対して付加されている場合もある。このような場合、鍵情報のみならず、残りダビング回数情報にエラーが発生していることも考えられる。そのために、次のような処理が実行されてもよい。
【0040】
図7(A)は、領域A1の情報にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。
【0041】
図7(B)は、先の領域A1に対して新たな領域A3を確保し(領域A1のままでもよい)、エラーのない領域A2の鍵情報601−2をコピーして鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。残りダビング回数情報、エラーチェックコードは先の領域A1の情報がコピーされる。
【0042】
図7(C)は、領域A3の情報にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を再び使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。つまりこのときは、残りダビング回数情報にエラーが発生している可能性が高くなる。
【0043】
図7(D)は,領域A3の残りダビング回数情報を復活している様子を示している。この場合は、暗号化コンテンツYのダビングが行われる毎にその総合回数を別途ダビング回数総合管理部で管理し、領域A3に記述すべき残りダビング回数を計算し、再書き込みを行なうようにしている。
【0044】
上記の実施の形態ではエラーの検出された保存領域の残りダビング回数を計算するためにダビング回数総合管理部が別途残りダビング回数を管理する必要があったが、エラーのない領域の残りダビング回数をもとに計算してもよい。
【0045】
図8(A)は、領域A1の情報にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。
【0046】
図8(B)は、先の領域A1に対して新たな領域A3を確保し(領域A1のままでもよい)、エラーのない領域A2の鍵情報601−2およびダビング回数情報5の部分602−2を元に鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。ダビング回数総合管理部で鍵情報601−2およびダビング回数情報5の部分602−2および鍵領域選択情報から領域A3に記述すべき残りダビング回数を計算し、再書き込みを行なう。
【0047】
図8(C)は、領域A3の情報にエラーが検出されたために、領域A2の鍵情報601−2を再び使用して復号化コンテンツを復号化するときの様子を示す図である。つまりこのときは、残りダビング回数情報にエラーが発生している可能性が高くなる。
【0048】
図8(D)は,領域A3の残りダビング回数情報を復活している様子を示している。(B)は、先の領域A1に対して新たな領域A3を確保し(領域A1のままでもよい)、エラーのない領域A2の鍵情報601−2およびダビング回数情報5の部分602−2を元に鍵情報601−1を復活させる様子を示す図である。ダビング回数総合管理部で鍵情報601−2およびダビング回数情報5の部分602−2から領域A3に記述すべき残りダビング回数を計算し、再書き込みを行なう。
【0049】
以下に図8(B)や図8(D)におけるダビング回数情報管理部のダビング回数計算の例について説明する。領域A1もしくはA3と領域A2は交互に利用され、残りダビング回数に1より大きな差は生じない。したがって、領域A1にエラーが生じたときには領域A2の残りダビング回数を1減じた値を領域A1(もしくは領域A3)の残りダビング回数とする。逆に領域A2にエラーが生じたときには領域A1(もしくは領域A3)のダビング回数を1減じた値を領域A2もしくはその代替領域の残りダビング回数とする。
【0050】
上記したようにこの発明によると、鍵情報にエラーがあったとしても、別途記録している鍵情報を使い、ダビング機能を保障することができる。また残りダビング回数も分散して記録することで全ての回数情報が消失してしまうことが防止できる。たとえ一方のダビング回数情報を復元できなくても他方の残りダビング回数を採用することができ、回数損失を抑制することができる。
【0051】
なお上記の実施の形態では、第1と第2の領域A1,A2に鍵情報を格納し、またこの2つの領域にダビング回数を分散したが、さらに多くの領域A1,A2,A3,・・・・を用意してもよい。また上記の説明では、領域A1とA2のダビング回数の低減処理を、交互に行った。しかしこれに限らず値が大きい方のダビング回数に対して低減処理を行うようにしてもよい。但し、領域A1,A2のダビング回数が同じであるときは、優先順位通りにダビング回数低減処理が実行される。
【0052】
図9は、ダビングが10回に制限されたコンテンツに対して、ダビングが9回行なわれ最後の1回が残ったときの例である。この場合は、移動機能実行処理が実現され、ダビング回数が最大となり、移動が実行されたことがメッセージとして表示される。
【0053】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明が適用された多チャンネル録画再生サーバ10の構成例を示す図である。
【図2】図1のチューナ部の構成例を示す図である。
【図3】この発明の装置の特徴部の動作例を示す図である。
【図4】この発明の装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】この発明の装置の特徴部の別の動作例を示す図である。
【図6】この発明の装置の特徴部のさらに別の動作例を示す図である。
【図7】この発明の装置の特徴部のまた別の動作例を示す図である。
【図8】この発明の装置の特徴部のまた別の動作例を示す図である。
【図9】この発明の装置の特徴部のさらにまた別の動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
100・・・チューナ装置、200・・・録画再生制御部、201・・・暗号化部、202・・・復号化部、211・・・MPEGデコーダ、212・・・オンスクリーン表示処理部、213・・・ネットワークインターフェース、301・・・電子番組案内情報(EPG)処理部、302・・・EPGメモリ、401・・・エラーチェック部、402・・・鍵情報選択部、403・・・ダビング回数処理部、404・・・鍵情報復活部、405・・・ダビング回数復活部、406・・・移動処理実行部、511・・・システムコントロール部、600・・・メモリ、601・・・鍵情報記録部、602・・・残りダビング回数情報記録部、603・・・エラーチェックコード記録部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを暗号化して暗号化コンテンツを得る暗号化部と、
暗号化コンテンツを復号化し復号化コンテンツを得る復号化部と、
前記暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個(Nは2以上)別々の記録場所に記録する鍵情報記録部と、
前記暗号化コンテンツが前記記録媒体に記録されるとき前記コンテンツのダビング回数(M;Mは整数)情報を複数に分割し、分割されたダビング回数情報を前記鍵情報にそれぞれ対応付けて記録するダビング回数情報記録部と、
少なくとも前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録するエラーチェックコード記録部と、
記N個の鍵情報のうち第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化するとき、前記エラーチェックコードにより前記第1の鍵情報のエラーチェックを行うエラーチェック部と、
前記エラーチェックによりエラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を前記復号化処理部に与える鍵情報選択部と、
前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するダビング回数処理部と
を有したことを特徴とするコンテンツ情報記録再生装置。
【請求項2】
前記エラーが検出された前記第1の鍵情報を前記第2の鍵情報に置換して第1の鍵情報を復活する鍵情報復活部を有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ情報記録再生装置。
【請求項3】
前記第1の鍵情報に対応するダビング回数情報を復活させるダビング回数復活部をさらに有することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ情報記録再生装置。
【請求項4】
前記ダビング回数復活部は、前記全ダイビング回数を管理しており、ダビングが行なわれる毎にダビング回数を更新していることを特徴とする請求項3記載のコンテンツ情報記録再生装置。
【請求項5】
前記ダビング回数情報記録部に記録されているダビング回数の残りが1回のときは移動処理を実行する移動処理実行部を有したことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ情報記録再生装置。
【請求項6】
録画再生制御部がコンテンツを暗号化して暗号化コンテンツを得る暗号化部と、暗号化コンテンツを復号化し復号化コンテンツを得る復号化部を有し、ダビング回数を管理するコンテンツ情報記録再生方法において、
前記暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個(Nは2以上)別々の記録場所に記録し、
前記暗号化コンテンツが前記記録媒体に記録されるとき前記コンテンツのダビング回数(M;Mは整数)情報を複数に分割し、分割されたダビング回数情報を前記鍵情報にそれぞれ対応付けて記録し、
少なくとも前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録し、
前記N個の鍵情報のうち第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化するとき、前記エラーチェックコードにより前記第1の鍵情報のエラーチェックを行い、
前記エラーチェックによりエラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を復号化用として選択し、
前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するようにしたことを特徴とするコンテンツ情報記録再生方法。
【請求項7】
前記エラーが検出された前記第1の鍵情報を前記第2の鍵情報に置換して第1の鍵情報を復活することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ情報記録再生方法。
【請求項8】
前記ダビング回数の残りが1回のときは移動処理を実行することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ情報記録再生方法。
【請求項9】
前記N個の鍵情報のうち、エラーチェック順序は予め順序が設定されていることを特徴とする請求項6記載のコンテンツ情報記録再生方法。
【請求項10】
放送信号より受信したコンテンツを暗号化して暗号化コンテンツを得る暗号化部と、前記暗号化コンテンツを記録媒体に記録する録画装置と、録画装置から再生された前記暗号化コンテンツを復号化し復号化コンテンツを得る復号化部とを有したテレビジョン受信装置において、
前記暗号化コンテンツが記録媒体に記録されるとき復号化用の鍵情報をN個(Nは2以上)別々の記録場所に記録する鍵情報記録部と、
前記暗号化コンテンツが前記記録媒体に記録されるとき前記コンテンツのダビング回数(M;Mは整数)情報を複数に分割し、分割されたダビング回数情報を前記鍵情報にそれぞれ対応付けて記録するダビング回数情報記録部と、
少なくとも前記N個の鍵情報にそれぞれ付されたエラーチェックコードを記録するエラーチェックコード記録部と、
記N個の鍵情報のうち第1の鍵情報を用いて前記暗号化コンテンツを復号化するとき、前記エラーチェックコードにより前記第1の鍵情報のエラーチェックを行うエラーチェック部と、
前記エラーチェックによりエラーが検出されたときは、エラーが検出されない別の第2の鍵情報を前記復号化処理部に与える鍵情報選択部と、
前記第2の鍵情報に対応する前記ダビング回数情報を更新してダビング回数を低減するダビング回数処理部と
を有したことを特徴とするテレビジョン受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−9700(P2010−9700A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169320(P2008−169320)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】