説明

コンテンツ表示装置、コンテンツ表示システム、サーバ、端末、コンテンツ表示方法、および、コンピュータ・プログラム

【課題】コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定可能なコンテンツ表示装置を提供すること。
【解決手段】コンテンツ取得部101と、コンテンツを表示装置に出力するコンテンツ出力部102と、接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報から操作情報を生成する操作情報生成部104と、接触物体の種別を判別する接触物体判別部105と、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率変更指示を表す操作情報が生成されると、その後の入力が予測される手書き情報の大きさの予測値を接触物体の種別に基づいて求め、求めた予測値に基づいて手書き情報入力時の表示倍率を決定する表示倍率決定部106と、入力時表示倍率にしたがってコンテンツを変倍して出力するようコンテンツ出力部102を制御する表示制御部103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置にコンテンツを表示するコンテンツ表示装置に関し、特に、表示中のコンテンツの表示倍率を変更可能なコンテンツ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示中のコンテンツの表示倍率を変更可能なコンテンツ表示装置が知られている。ここで、コンテンツとは、例えば、写真などの静止画、テキストや画像を含む文書、または、ビデオ映像などの動画像等、表示装置に表示可能なデータをいう。このようなコンテンツ表示装置として、表示中のコンテンツにおける位置座標を示す入力情報を取得し、取得した入力情報にしたがってコンテンツの表示倍率を変更するものがある。例えば、このようなコンテンツ表示装置は、液晶ディスプレイ等の表示装置とタッチパネル等の座標入力装置とが一体に形成されたタッチパネル付ディスプレイにコンテンツを表示する。そして、このようなコンテンツ表示装置は、タッチパネル付ディスプレイを介して取得される入力情報にしたがって、コンテンツの表示倍率を変更する。
【0003】
このようなコンテンツ表示装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のコンテンツ表示装置は、コンテンツ表示中のタッチパネル付ディスプレイに対するタッチペンなどによるタッチ操作を検出する。そして、このコンテンツ表示装置は、一定時間以上のタッチ操作を検出すると、タッチ点を中心に、コンテンツを拡大して表示する。
【0004】
また、このようなコンテンツ表示装置の他の一例が、特許文献2に記載されている。特許文献2に記載のコンテンツ表示装置は、コンテンツ表示中のタッチパネル付ディスプレイに対する手の指などによる接触操作を検出する。そして、このコンテンツ表示装置は、接触領域の中心座標を中心とする所定領域のコンテンツを拡大してポップアップ表示する。また、このコンテンツ表示装置は、ポップアップ領域に含まれる1文字を表す領域の大きさが、検出された接触領域の大きさよりも大きくなるように拡大率を設定する。
【0005】
また、このようなコンテンツ表示装置のさらに他の一例が、特許文献3に記載されている。特許文献3に記載のコンテンツ表示装置は、コンテンツ表示中のタッチパネル付ディスプレイに対する接触操作を検出する。そして、このコンテンツ表示装置は、接触位置を含む所定範囲のコンテンツを拡大した拡大表示領域を、あらかじめ表示されていたコンテンツに重畳して表示する。また、このコンテンツ表示装置は、接触位置周辺に表示されている情報の種類に基づいて、拡大率を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−046797号公報
【特許文献2】特開2010−146279号公報
【特許文献3】特開2010−237928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のようなコンテンツ表示装置は、タッチペンや手の指によって入力される手書き情報を、表示中のコンテンツに重畳して表示する機能を有する場合も多い。このようなコンテンツ表示装置では、手書き情報入力時のコンテンツの表示倍率が問題となる。
【0008】
例えば、文書を表すコンテンツに対して手書き情報が入力されるケースについて考える。この場合、表示中の文書の行間、段落間、頁の上下左右等の余白領域に対して、手書き情報の入力がなされるケースが多いと考えられる。このとき、文書を表すコンテンツ全体が、タッチパネル付ディスプレイの表示領域に収まるよう縮小表示されていると、余白領域も縮小表示されているため、その面積は小さい。したがって、このような小さな面積の余白領域に対して入力可能な手書き文字の情報量は少なくなる。
【0009】
そこで、上述のようなコンテンツ表示装置では、コンテンツを表示中のタッチパネル付ディスプレイに対して手書き情報の入力操作が行われる際に、コンテンツを拡大表示することが考えられる。このとき、コンテンツを拡大表示した状態で手書き情報が入力された後、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻す操作が行われると、入力時よりも縮小表示された手書き情報が、ユーザにとって認識しづらくなる場合がある。例えば、手書き情報が文字を表していた場合、入力時よりも縮小表示された手書き文字が判読しづらくなる場合がある。このような問題は、手書き情報を構成する描画線の太さがより太く、手書き情報入力時の表示倍率から閲覧時の表示倍率への縮小率がより高い場合に発生しやすいと考えられる。例えば、手の指による接触操作による描画線は、タッチペンによる描画線よりも太くなるのが一般的である。
【0010】
しかしながら、このような場合に、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるよう、手書き情報を構成する描画線の太さを考慮しながら手書き情報入力時のコンテンツ表示倍率を調整する操作は煩雑である。
【0011】
特許文献1には、このようなコンテンツの表示倍率の調整については記載されていない。
【0012】
また、特許文献2に記載されたコンテンツ表示装置は、拡大後の一文字の大きさが接触領域より大きくなるように表示倍率を設定することはできるものの、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定することはできない。
【0013】
また、特許文献3に記載されたコンテンツ表示装置は、コンテンツの種別によって表示倍率を設定することはできるものの、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定することはできない。
【0014】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定可能なコンテンツ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のコンテンツ表示装置は、表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、を備える。
【0016】
また、本発明のコンテンツ表示システムは、端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、前記端末は、表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報を前記サーバに送信する入力情報送信部と、前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、を有し、前記サーバは、前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて、前記端末において前記入力装置に接触した接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を出力させるよう前記端末の前記コンテンツ出力部を制御する表示制御部と、を有する。
【0017】
また、本発明の端末は、コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末であって、前記表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、前記接触物体の種別に基づいて前記コンテンツの表示倍率を決定するサーバに対して、前記入力装置を介して取得される情報を送信する入力情報送信部と、前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、を備える。
【0018】
また、本発明のサーバは、コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末から、前記入力装置を介して得られる情報を受信するサーバであって、前記入力装置を介して得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、前記入力装置を介して得られる情報に基づいて、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を表示させるよう前記端末を制御する表示制御部と、を備える。
【0019】
また、本発明のコンテンツ表示システムは、端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、前記端末は、表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を前記サーバに送信する履歴送信部と、前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記サーバから受信することにより、受信した前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、を有し、前記サーバは、前記手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を、前記端末から受信することにより蓄積するとともに、前記端末からの要求において指定される前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記端末に送信する履歴蓄積部と、を有する。
【0020】
また、本発明のコンテンツ表示方法は、コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示し、接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成し、前記接触物体の種別を判別し、前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定し、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示する。
【0021】
また、本発明のコンピュータ・プログラムは、コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示するコンテンツ表示ステップと、接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成ステップと、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別ステップと、前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求める手書き情報サイズ予測ステップと、前記手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定ステップと、前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示するコンテンツ変倍ステップと、をコンピュータ装置に実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定可能なコンテンツ表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置のハードウェア構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置が表示倍率を決定する計算式の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置が表示倍率を決定する動作の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置が表示倍率を決定する動作の詳細を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムのハードウェア構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムの機能ブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムの動作を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システムの機能ブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1のハードウェア構成を図1に示す。図1において、コンテンツ表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)1001と、RAM(Random Access Memory)1002と、ROM(Read Only Memory)1003と、タッチパネル付ディスプレイ1004と、ハードディスクや不揮発性のフラッシュメモリ等の記憶装置1005とを備えたコンピュータ装置によって構成されている。
【0026】
ROM1003および記憶装置1005は、コンピュータ装置をコンテンツ表示装置1として機能させるための各種コンピュータ・プログラムモジュールおよび各種データを記憶している。また、記憶装置1005は、タッチパネル付ディスプレイ1004に表示させるためのコンテンツを表すデータも記憶している。
【0027】
CPU1001は、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行することにより、コンピュータ装置をコンテンツ表示装置1として機能させる。
【0028】
タッチパネル付ディスプレイ1004は、液晶ディスプレイとタッチパネルとが一体に形成された装置である。タッチパネル付ディスプレイ1004は、CPU1001によって処理される画像を表示する。また、タッチパネル付ディスプレイ1004は、接触物体の接触位置を検出することにより、入力情報を取得する。例えば、タッチパネル付ディスプレイ1004は、抵抗膜方式、静電容量方式、あるいは、電磁誘導方式等の接触検出技術を用いて接触物体の接触位置を検出するものであってもよい。抵抗膜方式は、表示画面を構成するガラスと、該ガラスに対してわずかな間隔で取り付けられたフィルムとの双方に導通性の薄膜を貼り、両者が接して電気が通った場所を検出する技術である。静電容量方式は、指先と導電膜との間の静電容量の変化を捉えることにより、指先によって導電膜にタッチされた位置を検出する技術である。電磁誘導方式は、磁界を発生可能な専用のタッチペンによってタッチパネルにタッチされた際に発生する電磁エネルギーを受け取ることにより、タッチした位置を検出する技術である。
【0029】
このタッチパネル付ディスプレイ1004は、本発明における表示装置および入力装置の一実施形態を構成している。なお、本発明の各実施の形態では、本発明における表示装置および入力装置がタッチパネル付ディスプレイによって構成されるものとして説明するが、本発明における入力装置および表示装置は、必ずしも一体に形成されていなくてもよい。本発明における表示装置は、コンテンツを表す画像を表示可能な装置であればよい。また、本発明における入力装置は、接触物体の接触位置を検知することにより入力情報を取得する装置であればよい。例えば、本発明のコンテンツ表示装置は、液晶ディスプレイおよびタッチパッドを備えたノート型コンピュータによって構成されることも可能である。
【0030】
次に、コンテンツ表示装置1の機能ブロック構成を図2に示す。図2において、コンテンツ表示装置1は、コンテンツ取得部101と、コンテンツ出力部102と、表示制御部103と、操作情報生成部104と、接触物体判別部105と、表示倍率決定部106とを備える。ここで、コンテンツ取得部101と、コンテンツ出力部102と、操作情報生成部104と、接触物体判別部105とは、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行するCPU1001、ならびに、タッチパネル付ディスプレイ1004によって構成される。また、表示制御部103および表示倍率決定部106は、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行するCPU1001によって構成される。なお、コンテンツ表示装置1の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は上述の構成に限定されない。
【0031】
コンテンツ取得部101は、タッチパネル付ディスプレイ1004に表示するためのコンテンツを表す情報を取得する。例えば、コンテンツ取得部101は、コンテンツの一覧を表す情報をタッチパネル付ディスプレイ1004に表示し、タッチパネル付ディスプレイ1004によって検出された接触位置に表示されているコンテンツを表す情報を取得してもよい。また、コンテンツ取得部101は、取得した情報が示すコンテンツが記憶装置1005に記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合は、該当するコンテンツを表す情報を後述の表示制御部103に通知する。また、コンテンツ取得部101は、取得した情報が示すコンテンツが記憶装置1005に記憶されていない場合は、記憶されていないことを表す情報を、タッチパネル付ディスプレイ1004を介してユーザに通知してもよい。
【0032】
コンテンツ出力部102は、後述する表示制御部103の制御に基づいて、コンテンツをタッチパネル付ディスプレイ1004に表示する。また、コンテンツ出力部102は、後述する表示制御部103によって手書き情報の重畳表示を指示されると、表示中のコンテンツに、該当する手書き情報を重畳した画像を、タッチパネル付ディスプレイ1004に表示する。また、コンテンツ出力部102は、後述する表示制御部103によって表示倍率を指定されると、表示中のコンテンツの表示倍率を指定された倍率に変更して再表示する。ここで、表示倍率とは、基準となる大きさで表示されたコンテンツに対する変倍率をいう。また、基準となる大きさとは、例えば、コンテンツを表す画像を構成する各画素を、タッチパネル付ディスプレイ1004を構成する1ドットに対応させて表示した大きさであってもよい。また、印刷時の用紙サイズ等が設定されているコンテンツの場合、基準となる大きさとは、印刷時の用紙サイズと略同一のサイズでタッチパネル付ディスプレイ1004に表示された大きさであってもよい。以下、基準となる大きさを「原寸大」とも記載する。
【0033】
また、コンテンツ出力部102は、表示制御部103から表示倍率の指定がない場合は、あらかじめ定められた初期倍率でコンテンツをタッチパネル付ディスプレイ1004に表示してもよい。この初期倍率は、例えば、原寸大やその他の固定の値であってもよい。あるいは、初期倍率は、タッチパネル付ディスプレイ1004内にコンテンツ全体が表示されるようコンテンツ毎に調整される可変値であってもよい。
【0034】
操作情報生成部104は、タッチパネル付ディスプレイ1004に対する接触物体の接触位置が検出されると、タッチパネル付ディスプレイ1004から取得される情報に基づいて、操作情報を生成する。ここで、タッチパネル付ディスプレイ1004から取得される情報には、タッチパネル付ディスプレイ1004の表示領域における接触位置を表す座標情報が含まれる。また、操作情報とは、表示中のコンテンツに対するユーザの操作指示を表す情報である。
【0035】
具体的には、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列が、表示中のコンテンツに重畳表示させるための手書き情報を描画する操作を表していると判断した場合、これらの座標情報が表す軌跡を手書き情報として含む操作情報を生成する。例えば、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列がドラッグ操作(ディスプレイにタッチしたまま上下左右にずらす操作)を表している場合に、手書き情報の入力操作であると判断してもよい。
【0036】
また、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列が、コンテンツに重畳表示させるための手書き情報の入力のためのコンテンツの表示倍率変更を指示する操作を表していると判断した場合、手書き情報入力のための表示倍率変更指示であることを表す操作情報を生成する。例えば、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列が長押し操作(一つの点を所定の時間以上タッチする操作)を表している場合に、手書き情報入力のための表示倍率変更指示であると判断してもよい。この場合、操作情報生成部104は、長押しされた点を中心とした表示倍率変更指示であるとして、長押しされた点の座標を含めて操作情報を生成してもよい。
【0037】
このように、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列に基づく各種操作イベントを判別し、判別した操作イベントにあらかじめ対応付けられた操作内容を表す情報および関連する座標情報を含む操作情報を生成する。例えば、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列がタップ操作(ディスプレイ上を軽くつつく操作)を表す場合、手書き情報入力後にコンテンツ閲覧時の表示倍率に戻す指示を表す操作情報を生成してもよい。その他、操作情報生成部104は、取得される座標情報の時系列に基づいて、表示するコンテンツの変更指示を表す操作情報や、コンテンツの表示終了指示を表す操作情報を生成してもよい。
【0038】
接触物体判別部105は、操作情報生成部104によって操作情報が生成されると、その操作情報が生成された際にタッチパネル付ディスプレイ1004に接触した接触物体の種別を判別する。
【0039】
例えば、接触物体判別部105は、タッチパネル付ディスプレイ1004において接触物体の接触位置の検出に用いられた技術の種別に基づいて、接触物体の種別を判別してもよい。例えば、接触物体判別部105は、静電容量方式で接触位置の検出が行われていた場合、接触物体は手の指である判別してもよい。また、接触物体判別部105は、電磁誘導方式で接触位置の検出が行われていた場合、接触物体はタッチペンであると判別してもよい。また、接触物体判別部105は、抵抗膜方式で接触位置の検出が行われていた場合、導通性薄膜同士の接地面積を表す情報を取得し、取得した接地面積に基づいて、接触物体の種別(指、または、タッチペン等)を判別してもよい。
【0040】
表示倍率決定部106は、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、接触物体の種別に基づいて求める。そして、表示倍率決定部106は、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する。
【0041】
例えば、表示倍率決定部106は、接触物体の種別毎にあらかじめ定められた手書き情報サイズ予測値を、手書き情報サイズ予測値ファイルとして記憶装置1005に記憶しておいてもよい。この場合、手書き情報の入力時にタッチパネル付ディスプレイ1004に接触する面積がより広いと予測される接触物体ほど、より大きい値の手書き情報サイズ予測値があらかじめ定められていることが好ましい。言い換えると、手書き情報を構成する描画線がより太いと予測される接触物体ほど、より大きい値の手書き情報サイズ予測値が定められていることが好ましい。例えば、手書き情報が文字を表すと想定される場合について説明する。この場合、手書き情報の単位領域の大きさは、手書き文字1文字の大きさとなる。そして、表示倍率決定部106は、手の指による手書き文字1文字の大きさを6センチ四方とし、タッチペンによる手書き文字1文字の大きさを3センチ四方であるとした手書き情報サイズ予測値ファイルを、あらかじめ記憶装置1005に記憶しておいてもよい。
【0042】
また、表示倍率決定部106は、コンテンツ表示装置1の利用状態により、上述のように求めた手書き情報サイズ予測値を調整してもよい。ここで、コンテンツ表示装置1の利用状態とは、コンテンツ表示装置1が、ユーザによって片手で保持された状態で手書き情報が入力されようとしている等の、手書き情報の単位領域の大きさを左右する利用状態をいう。この場合、例えば、表示倍率決定部106は、各種センサを用いてコンテンツ表示装置1の揺れを検知することにより、コンテンツ表示装置1の利用状態を推定してもよい。例えば、コンテンツ表示装置1が片手で保持されている状態であれば、タッチパネル付ディスプレイ1004の画面が固定されず不安定であると考えられる。そこで、この場合、表示倍率決定部106は、手書き情報サイズ予測値を所定割合大きくする調整を行ってもよい。
【0043】
また、表示倍率決定部106は、このようにして求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、入力時表示倍率を決定する。例えば、手書き情報が文字を表すと想定される場合について説明する。この場合、手書き情報サイズ予測値は、接触物体の種別に応じた手書き文字の単位領域としての1文字の大きさの予測値である。このとき、表示倍率決定部106は、手書き情報サイズ予測値と、閲覧時表示倍率と、閲覧時表示倍率で認識可能な可読文字サイズとに基づいて、入力時表示倍率を決定してもよい。ここで、閲覧時表示倍率とは、入力時表示倍率にしたがって変倍される前のコンテンツの表示倍率である。つまり、閲覧時表示倍率とは、手書き情報入力のための表示倍率変更指示を表す操作がなされた時点でのコンテンツの表示倍率であるともいえる。また、可読文字サイズとは、閲覧時表示倍率で表示中のコンテンツに含まれる1文字の領域の大きさをいう。例えば、表示倍率決定部106は、表示領域内の画像における1文字の領域を認識することにより、その大きさを可読文字サイズとして求めてもよい。なお、表示倍率決定部106は、閲覧時表示倍率で表示中のコンテンツに複数のサイズの文字が含まれる場合、最も大きいサイズの文字の領域の大きさを可読文字サイズとしてもよい。
【0044】
また、このとき、表示倍率決定部106は、図3に示す式(a)および(b)に基づいて、入力時表示倍率を求めてもよい。
【0045】
以上のように、表示倍率決定部106は、接触物体の種別に応じて予測される手書き情報サイズ予測値に基づいて、手書き情報入力時の表示倍率(入力時表示倍率)を設定する。ここで、手書き情報サイズ予測値としては、手書き情報を構成する描画線がより太いと予測される接触物体ほどより大きい値が予測されている。そして、表示倍率決定部106は、描画線がより太いと予測される接触物体ほど、入力時表示倍率をより大きく設定することになる。そして、入力時表示倍率がより大きいほど、手書き情報入力後に閲覧時表示倍率に戻される際の縮小率はより高くなる。そして、閲覧時表示倍率に戻される際の縮小率がより高いほど、手書き情報を構成する描画線の細線化率も高くなる。なお、ここで細線化率とは、入力時表示倍率での描画線の太さに対する閲覧時表示倍率に戻した後の描画線の太さの割合をいう。このように、より太い描画線で構成される手書き情報は、より大きい入力時表示倍率で表示されるコンテンツにおいて入力されることにより、閲覧時表示倍率に戻した時点でより高い細線化率で縮小化される。これにより、閲覧時表示倍率に戻した時点での手書き情報は、潰れることなく認識可能に表示されることになる。
【0046】
さらに、手書き情報が文字を表しており、図3に示す式(a)および(b)に基づいて入力時表示倍率が求められている場合、入力時表示倍率で表示中のコンテンツに対して手書き情報サイズ予測値どおりのサイズで入力された手書き文字は、閲覧時表示倍率に戻された際に、閲覧時表示倍率における可読文字サイズと略同サイズで表示されることになる。したがって、より太い描画線で構成される手書き文字は、より大きい入力時表示倍率で表示されるコンテンツにおいて入力されることにより、閲覧時表示倍率に戻した時点でより高い細線化率で可読文字サイズに縮小化される。これにより、閲覧時表示倍率に戻した時点での手書き文字は、潰れることなく判読可能に適切なサイズで表示されることになる。
【0047】
このように、表示倍率決定部106は、接触物体の種別に応じて予測される手書き情報サイズ予測値に基づくことにより、閲覧時表示倍率に戻した時点で認識可能に手書き情報が表示されるような入力時表示倍率を設定可能となっている。
【0048】
表示制御部103は、コンテンツ取得部101によって取得された情報が表すコンテンツを出力するようコンテンツ出力部102を制御する。
【0049】
また、表示制御部103は、操作情報生成部104によって生成された操作情報が、手書き情報入力のための表示倍率変更指示である場合、表示中のコンテンツを、表示倍率決定部106によって決定された入力時表示倍率で変倍して再出力するようコンテンツ出力部102に通知する。
【0050】
また、表示制御部103は、操作情報生成部104によって生成された操作情報が、表示中のコンテンツに重畳させる手書き情報を表す場合、表示中のコンテンツにその手書き情報を重畳して再出力するようコンテンツ出力部102に通知する。
【0051】
また、表示制御部103は、操作情報生成部104によって生成された操作情報が、コンテンツの表示終了を表すとき、コンテンツの出力を終了するようコンテンツ出力部102に通知する。
【0052】
また、表示制御部103は、操作情報生成部104によって生成された操作情報が、表示中のコンテンツに対するその他の指示を表す場合、その指示に基づく処理を行ったコンテンツを出力するよう、コンテンツ出力部102に通知する。
【0053】
また、表示制御部103は、各機能ブロック間におけるデータの受け渡しの仲介も行う。
【0054】
以上のように構成されたコンテンツ表示装置1の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
まず、コンテンツ取得部101は、タッチパネル付ディスプレイ1004に表示するためのコンテンツを表す情報を取得する(ステップS1でYes)。
【0056】
例えば、コンテンツ取得部101は、タッチパネル付ディスプレイ1004に示したコンテンツ一覧のうち、ユーザの接触操作によって選択されたコンテンツを表す情報を取得してもよい。このコンテンツを表す情報は、例えば、コンテンツの保存場所を示すファイルパス等であってもよい。
【0057】
また、コンテンツ取得部101は、取得した情報が表すコンテンツが指定された保存場所に保存されていなければ(ステップS1でNo)、コンテンツが存在しないことをユーザに通知して、ステップS1を再度実行する。
【0058】
次に、表示制御部103は、コンテンツ取得部101によって取得された情報が表すコンテンツを、タッチパネル付ディスプレイ1004に出力するようコンテンツ出力部102に通知する(ステップS2)。このとき、表示制御部103は、表示倍率決定部106によって入力時表示倍率が決定されていれば、その入力時表示倍率に変倍したコンテンツを出力するようコンテンツ出力部102に通知する。また、表示倍率決定部106によって表示倍率が指定されていなければ、コンテンツ出力部102は、初期倍率でコンテンツを表示することになる。例えば、初期倍率として「原寸大」が設定されている場合、初期倍率は100%となる。また、初期倍率として「画面サイズにあわせて表示」が設定されている場合、原寸大のコンテンツのサイズに対する画面サイズの倍率が、初期倍率として算出される。
【0059】
次に、操作情報生成部104は、タッチパネル付きディスプレイ1004に対するユーザ操作があるか否かを判断する。すなわち、操作情報生成部104は、タッチパネル付きディスプレイ1004に接触物体が接触したか否かを判断する(ステップS3)。
【0060】
ここで、ユーザ操作が無いと判断すれば、コンテンツ表示装置1の動作は、ステップS2に戻り、ユーザ操作を待つ。
【0061】
一方、ユーザ操作があると判断すれば、操作情報生成部104は、タッチパネル付ディスプレイ1004から得られる接触位置の座標情報に基づいて、操作情報を生成する(ステップS4)。
【0062】
例えば、接触物体による接触位置が同一の点に所定時間以上検出された場合、操作情報生成部104は、手書き情報入力のための表示倍率の変更指示を表す操作情報を生成する。また、例えば、接触物体による接触位置の時系列が連続した線となるドラッグ操作であるとみなせる場合、操作情報生成部104は、表示中のコンテンツに重畳表示させるための、ドラッグ操作の軌跡を表す手書き情報を含む操作情報を生成する。
【0063】
次に、操作情報生成部104は、ステップS4で生成された操作情報が、表示中のコンテンツに重畳表示させる手書き情報入力のための表示倍率の変更指示であるか否かを判断する(ステップS5)。
【0064】
ステップS5において、手書き情報入力のための表示倍率の変更指示であると判断された場合、接触物体判別部105は、ステップS3においてタッチパネル付ディスプレイ1004に接触した接触物体の種別を判別する(ステップS6)。
【0065】
例えば、接触物体判別部105は、前述のように、タッチパネル付ディスプレイ1004が接触物体の接触位置を検出した技術の種別に基づいて、接触物体の種別を判別してもよい。具体的には、接触物体判別部105は、静電容量方式で接触位置が検出されていたら、接触物体は指であると判別する。また、接触物体判別部105は、電磁誘導方式で接触位置が検出されていたら、接触物体はタッチペンであると判別する。また、接触物体判別部105は、抵抗膜方式で接触位置が検出されていたら、接地面積に基づいて、接触物体が指であるかタッチペンであるかを判別してもよい。
【0066】
次に、表示倍率決定部106は、接触物体の種別に応じた手書き情報サイズ予測値に基づいて、入力時表示倍率を決定する(ステップS7)。ステップS7の動作の詳細については後述する。
【0067】
次に、表示制御部103は、ステップS7で決定された入力時表示倍率でコンテンツを変倍して再表示するようコンテンツ出力部102に通知する(ステップS8)。
【0068】
そして、コンテンツ表示装置1の動作はステップS2に戻る。
【0069】
一方、ステップS5において、手書き情報入力のための表示倍率の変更指示でないと判断された場合、表示制御部103は、操作情報が、終了指示を表しているか否かを判断する(ステップS9)。
【0070】
ここで、操作情報が終了指示を表していれば、コンテンツ表示装置1は、動作を終了する。
【0071】
一方、操作情報が終了指示を表していない場合、表示制御部103は、操作情報が表す操作内容に基づいて処理を行ったコンテンツを出力するよう、コンテンツ出力部102に通知する(ステップS10)。
【0072】
例えば、操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表している場合、表示制御部103は、その手書き情報を重畳してコンテンツを再出力するよう、コンテンツ出力部102に通知する。
【0073】
そして、コンテンツ表示装置1の動作はステップS2に戻る。
【0074】
次に、ステップS7における動作の詳細について、図5を参照して説明する。なお、図5の例では、手書き情報として文字が入力されることが想定されているものとする。また、接触物体の種別として、手の指およびタッチペンが想定されているものとする。また、記憶装置1005には、あらかじめ手書き情報サイズ予測値ファイルが保存されており、手の指による手書き文字1文字の領域の大きさの予測値と、タッチペンによる手書き文字1文字の領域の大きさの予測値とが記録されているものとする。
【0075】
ここでは、まず、表示倍率決定部106は、ステップS7の実行時点の表示倍率(閲覧時表示倍率)で表示中のコンテンツの表示領域内に表示されている1文字の領域の大きさ(可読文字サイズ)を取得する(ステップS21)。
【0076】
このとき、表示倍率決定部106は、この時点で表示中のコンテンツの表示領域内に複数のサイズの文字が含まれている場合、例えば、一番大きい文字の領域の大きさを、可読文字サイズとしてもよい。なお、表示倍率決定部106は、コンテンツの表示領域内に文字が表示されていない場合のために、あらかじめ閲覧時表示倍率に対応付けた可読文字サイズを記憶装置1005に記憶しておいてもよい。
【0077】
次に、表示倍率決定部106は、ステップS6で判別された種別が、指であるかタッチペンであるかを判断する(ステップS22)。
【0078】
ここで、接触物体の種別がタッチペンである場合、表示倍率決定部106は、手書き情報サイズ予測値ファイルから、タッチペンによる手書き文字の1文字の領域のサイズ予測値を取得する(ステップS23)。
【0079】
一方、接触物体の種別が指である場合、表示倍率決定部106は、手書き情報サイズ予測値ファイルから、指による手書き文字の1文字の領域のサイズ予測値を取得する(ステップS24)。
【0080】
次に、表示倍率決定部106は、現時点での表示倍率(閲覧時表示倍率)と、可読文字サイズとを用いて、原寸大(表示倍率100%)での可読文字サイズを計算する。そして、表示倍率決定部106は、原寸大での可読文字サイズと、ステップS23またはS24で取得された手書き情報サイズ予測値とを用いて、手書き情報入力のための表示倍率を算出する(ステップS25)。
【0081】
以上で、ステップS7における表示倍率決定動作の詳細の説明を終了する。
【0082】
次に、以上のように動作するコンテンツ表示装置1にタブレット端末を適用した場合の動作例について、図4および図5を参照しながら、具体的に説明する。タブレット端末とは、表示画面に対する接触操作により動作する携帯可能な情報端末である。ここでは、ユーザが、タブレット端末の表示画面に、作成済みのプレゼンテーション原稿を表示し、手書き文字を重畳入力するケースを想定する。
【0083】
タブレット端末は、図1に示したようなハードウェア構成を備える。タブレット端末の記憶装置1005は、プレゼンテーション原稿を表すコンテンツを記憶しているものとする。また、タブレット端末のタッチパネル付きディスプレイ1004は、静電容量方式および電磁誘導方式の双方によって接触物体の接触位置を検出可能なデバイスであるものとする。また、タブレット端末のタッチパネル付ディスプレイ1004に接触する接触物体として、タッチペンおよび手の指のいずれかが想定されているものとする。また、タブレット端末の記憶装置1005は、タッチペンおよび手の指を用いて入力されると予測される各手書き文字の1文字の領域サイズの予測値を記録した手書き情報サイズ予測値ファイルを記憶しているものとする。
【0084】
ここでは、まず、タブレット端末の記憶装置1005内に記憶されたプレゼンテーション原稿ファイルを指定する接触操作が行われると、コンテンツ取得部101は、指定されたプレゼンテーション原稿ファイルの保存先を表す情報を表示制御部103に渡す(ステップS1でYes)。
【0085】
次に、表示制御部103は、コンテンツ取得部101から受け取ったプレゼンテーション原稿ファイルを、コンテンツ出力部102に通知する。そして、コンテンツ出力部102は、初期倍率でプレゼンテーション原稿ファイルを表示する。ここでは、初期倍率として、タッチパネル付ディスプレイ1004の画面サイズにあわせた「80%」が設定されたものとする。そして、コンテンツ出力部102は、プレゼンテーション原稿ファイルを、表示倍率「80%」で、タッチパネル付きディスプレイ1004に出力する(ステップS2)。
【0086】
このとき、ユーザにとって、80%で表示されたプレゼンテーション原稿内の文字が判読可能な大きさであり、閲覧時の表示倍率の変更はなかったものと想定する。
【0087】
次に、タッチパネル付ディスプレイ1004の画面内のある箇所をタッチペンで3秒程度押し続ける接触操作がなされると(ステップS3でYes)、操作情報生成部104は、表示中のプレゼンテーション原稿に重畳表示させる手書き情報の入力のための表示倍率変更指示であることを表す操作情報を生成する(ステップS4)。
【0088】
次に、ステップS4で、手書き情報入力のための表示倍率変更指示を表す操作情報が生成されているので(ステップS5でYes)、接触物体判別部105は、接触物体の種別を判別する。ここでは、ステップS3における接触位置の検出に用いられた技術の種別が電磁誘導方式であることに基づいて、接触物体判別部105は、接触物体がタッチペンであると判別する(ステップS6)。
【0089】
次に、表示倍率決定部106は、80%の表示倍率で表示中のプレゼンテーション原稿内の1文字の領域の大きさ(可読文字サイズ)として、0.5センチ四方を取得する(ステップS21)。
【0090】
次に、表示倍率決定部106は、ステップS5で判別された種別であるタッチペンによる手書き文字サイズの予測値を、手書き情報予測値ファイルから取得する。ここでは、タッチペンによる手書き文字サイズ予測値として、3センチ四方が取得されたものとする(ステップS23)。
【0091】
次に、表示倍率決定部106は、図3に示した計算式を用いて、手書き情報入力時のコンテンツの表示倍率である入力時表示倍率を求める。具体的には、まず、表示倍率決定部106は、図3(a)の計算式に基づいて、閲覧時表示倍率(ここでは80%、0.8)および可読文字サイズ(ここでは0.5センチ四方)を用いて、原寸大での可読文字サイズを算出する。この場合、原寸大での可読文字サイズとして、0.625センチ四方が算出される。そして表示倍率決定部106は、図3(b)の計算式に基づいて、原寸大での可読文字サイズ(ここでは0.625四方)およびタッチペンによる手書き文字サイズの予測値(ここでは3センチ四方)を用いて、入力時表示倍率を算出する。ここでは、入力時表示倍率として、4.8(480%)が算出される(ステップS25)。
【0092】
次に、表示制御部103は、表示中のプレゼンテーション原稿を480%の表示倍率で再表示するように、コンテンツ出力部102に通知する(ステップS8)。
【0093】
次に、コンテンツ出力部102は、ユーザによって3秒以上の接触操作がなされた点を中心に、プレゼンテーション原稿を480%の表示倍率で、タッチパネル付ディスプレイ1004に再出力する(ステップS2)。
【0094】
次に、タッチパネル付ディスプレイ1004の画面に対するドラッグ操作がなされると(ステップS3でYes)、操作情報生成部104は、表示中のプレゼンテーション原稿に重畳表示させるためドラッグ操作の軌跡を表す手書き情報を含む操作情報を生成する(ステップS4)。このとき、ドラッグ操作の軌跡によって表される手書き情報の1文字の領域の大きさは、予測値どおり3センチ四方であったものとする。
【0095】
次に、表示制御部103は、ステップS4で手書き情報を表す操作情報が生成されているので(ステップS5でNo、ステップS9でNo)、その手書き情報を重畳したコンテンツを再出力するよう、コンテンツ出力部102に通知する(ステップS10)。
【0096】
次に、コンテンツ出力部102は、表示倍率480%で表示中のプレゼンテーション原稿に手書き情報を重畳して、タッチパネル付ディスプレイ1004に再出力する(ステップS2)。
【0097】
次に、タッチパネル付ディスプレイ1004の画面に対してタップ操作がなされると(ステップS3でYes)、操作情報生成部104は、表示中のプレゼンテーション原稿の表示倍率を閲覧時表示倍率に戻す指示を表す操作情報を生成する(ステップS4)。
【0098】
次に、表示制御部103は、ステップS4で閲覧時表示倍率に戻す指示を表す操作情報が生成されているので(ステップS5でNo、ステップS9でNo)、手書き情報が重畳されて480%で表示中のプレゼンテーション原稿を、閲覧時表示倍率である80%で再出力するよう、コンテンツ出力部102に通知する(ステップS10)。
【0099】
次に、コンテンツ出力部102は、表示倍率80%で、手書き情報が重畳されたプレゼンテーション原稿を、タッチパネル付ディスプレイ1004に再出力する(ステップS2)。すなわち、コンテンツ出力部102は、表示倍率480%において1文字3センチ四方で入力された手書き情報を、1文字0.5センチ四方で表示されるように縮小化(細線化)処理し、タッチパネル付ディスプレイ1004に再表示する。これにより、閲覧時表示倍率に戻した後も、手書き情報の文字がユーザにとって判読可能に表示されることになる。
【0100】
以上で、コンテンツ表示装置1にタブレット端末を適用した場合の動作の具体例の説明を終了する。
【0101】
このように、このタブレット端末は、プレゼンテーション原稿表示中のタッチパネル付ディスプレイ1004がユーザにより所定時間以上押下されると、タッチペンによる手書き文字入力のために適した入力時表示倍率480%にプレゼンテーション原稿を拡大する。そして、このタブレット端末は、その入力時表示倍率で入力された手書き文字を重畳表示した後、元の閲覧時表示倍率(80%)でプレゼンテーション原稿を表示する。すると、元の閲覧時表示倍率(80%)のプレゼンテーション原稿において、手書き文字の線幅も倍率にあわせて細くなり、手書き文字は、潰れることなく判読可能に表示されることになる。
【0102】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
【0103】
本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置は、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるように、手書き情報入力時の適切な表示倍率を設定することができる。
【0104】
その理由について説明する。接触物体による接触位置を検出する装置を介して手書き情報を取得するコンテンツ表示装置では、接触物体の種別(例えば、手の指やタッチペン)によって手書き情報を構成する描画線の太さが異なると考えられる。そのため、このような装置では、描画線の太さによって手書き情報の単位領域の大きさが異なってくると考えられる。そこで、本発明の第1の実施の形態のコンテンツ表示装置は、接触物体判別部が、入力装置に接触した接触物体の種別を検出し、表示倍率決定部が、接触物体の種別に応じて予測される手書き情報の単位領域の大きさの予測値に基づいて、手書き情報入力時の表示倍率を設定する。これにより、本発明の第1の実施の形態のコンテンツ表示装置は、手書き情報入力後に、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した際にも、手書き情報を認識可能に表示することが可能となるからである。
【0105】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0106】
まず、本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置2の機能ブロック構成を図6に示す。なお、コンテンツ表示装置2のハードウェア構成は、図1に示した本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1と同様の構成を適用可能であるため、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0107】
図6において、コンテンツ表示装置2は、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1に対して、表示倍率決定部106に替えて表示倍率決定部206を備え、さらに、履歴蓄積部207を備える点が異なる。ここで、履歴蓄積部207は、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行するCPU1001、ならびに、記憶装置1005によって構成される。
【0108】
履歴蓄積部207は、操作情報生成部104によってコンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成された場合に、手書き情報サイズ実測値と、接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する。ここで、手書き情報サイズ実測値とは、表示中のコンテンツに重畳表示させるために実際に入力された手書き情報の単位領域の大きさを表す。例えば、履歴蓄積部207は、手書き情報が文字であることが想定される場合、手書き文字1文字の領域を認識することにより、手書き情報サイズ実測値を求めてもよい。また、手書き情報サイズ実測値に対応付ける接触物体の種別は、その手書き情報の入力操作がなされた際に用いられた接触物体の種別である。
【0109】
表示倍率決定部206は、本発明の第1の実施の形態における表示倍率決定部106と同様に構成されるが、手書き情報サイズ予測値の求め方が異なる。表示倍率決定部206は、接触物体判別部105によって判別された接触物体の種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴を履歴蓄積部207から取得する。そして、表示倍率決定部206は、取得した履歴に基づいて、手書き情報サイズ予測値を求める。例えば、表示倍率決定部206は、接触物体の種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の平均値を、手書き情報サイズ予測値としてもよい。
【0110】
以上のように構成されたコンテンツ表示装置2の動作について、図7および図8を参照して説明する。
【0111】
まず、コンテンツ表示装置2は、ステップS1〜S4まで、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1と同様に動作して、操作情報を生成する。
【0112】
次に、コンテンツ表示装置2は、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1と同様の接触物体の判別処理(ステップS6)を、操作情報の内容による分岐(ステップS5)の前に実行する。これは、コンテンツ表示装置2が、分岐後のいずれの処理においても接触物体の種別を用いるためである。
【0113】
ステップS5において、操作情報の内容が、手書き情報入力のための表示倍率変更指示であると判断された場合、表示倍率決定部206は、履歴蓄積部207を参照することにより、接触物体の種別に応じた手書き情報サイズ予測値を求める。そして、表示倍率決定部206は、手書き情報サイズ予測値に基づいて、入力時表示倍率を決定する(ステップS31)。ステップS31の動作については詳細を後述する。
【0114】
次に、入力時表示倍率が決定されると、コンテンツ表示装置2は、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1と同様にステップS8を実行した後、ステップS2からの処理を再度実行する。これにより、接触物体の種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて決定された入力時表示倍率で、コンテンツが再表示される。
【0115】
一方、ステップS5において、操作情報の内容が、表示中のコンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す場合(ステップS5でNo、ステップS9でNo)、表示制御部103は、表示中のコンテンツに手書き情報を重畳表示させるようコンテンツ出力部102に通知する(ステップS10)。
【0116】
次に、履歴蓄積部207は、重畳表示された手書き情報サイズ実測値と、ステップS6で判別された接触物体の種別とを対応付けて記憶する(ステップS32)。
【0117】
そして、コンテンツ表示装置2の動作はステップS2に戻る。これにより、入力時表示倍率で表示されたコンテンツに手書き情報が重畳されて再表示される。
【0118】
次に、ステップS31における動作の詳細について、図8を参照して説明する。なお、図8の例では、手書き情報として文字が入力されることが想定されているものとする。また、接触物体の種別として、手の指およびタッチペンが想定されているものとする。また、履歴蓄積部207には、既に、種別「手の指」に対応付けられた手書き文字の1文字の領域の大きさの実測値と、種別「タッチペン」に対応付けられた手書き文字の1文字の領域の大きさの実測値とが蓄積されているものとする。
【0119】
ここでは、まず、表示倍率決定部206は、ステップS21〜S22まで本発明の第1の実施の形態における表示倍率決定部106と同様に動作することにより、接触物体が指であるかタッチペンであるかによって処理を分岐する。
【0120】
ここで、接触物体の種別がタッチペンである場合、表示倍率決定部206は、履歴蓄積部207を参照することにより、種別「タッチペン」に対応付けられた手書き文字の1文字の領域サイズの実測値を取得し、取得した実測値に基づいて、手書き情報サイズ予測値を決定する(ステップS41)。例えば、表示倍率決定部206は、取得した実測値の平均値を手書き情報サイズ予測値としてもよい。
【0121】
一方、接触物体の種別が指である場合、表示倍率決定部206は、履歴蓄積部207を参照することにより、種別「手の指」に対応付けられた手書き文字の1文字の領域サイズの実測値を取得し、取得した実測値に基づいて、手書き情報サイズ予測値を決定する(ステップS42)。例えば、表示倍率決定部206は、取得した実測値の平均値を手書き情報サイズ予測値としてもよい。
【0122】
そして、表示倍率決定部206は、本発明の第1の実施の形態における表示倍率決定部106と同様にステップS25を実行することにより、入力時表示倍率を決定する。
【0123】
以上で、ステップS31における表示倍率決定動作の詳細な説明を終了する。
【0124】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
【0125】
本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置は、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるような手書き情報入力時の適切な表示倍率を、より精度良く設定することができる。
【0126】
その理由は、実際に入力された手書き情報の単位領域の大きさ(手書き情報サイズ実測値)と接触物体の種別とを対応付けて蓄積しておく履歴蓄積部を備えることにより、表示倍率決定部が、接触物体の種別に応じた手書き情報の単位領域の大きさの予測値(手書き情報サイズ予測値)を、手書き情報サイズ実測値に基づいて求めるからである。これにより、接触物体の種別に応じた手書き情報サイズ予測値は、利用者の操作実績が反映されたものとなる。したがって、本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置は、接触物体の種別に応じてより精度良く予測した手書き情報サイズ予測値に基づいて、より精度良く入力時表示倍率を求めることが可能となるからである。
【0127】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態として、サーバおよび端末からなるコンテンツ表示システム3について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1および第2の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0128】
まず、コンテンツ表示システム3を構成する各装置のハードウェア構成を図9に示す。図9において、端末31は、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1を構成するコンピュータ装置と同一の各部に加えて、ネットワークインタフェース1006を備えたコンピュータ装置によって構成される。また、サーバ32は、CPU2001と、RAM2002と、ROM2003と、ハードディスク装置等の記憶装置2005と、ネットワークインタフェース2006とを備えたコンピュータ装置によって構成される。各コンピュータ装置の記憶装置1005および記憶装置2005には、それぞれ端末31およびサーバ32を本発明のコンテンツ表示システムにおける端末およびサーバとして動作させるための各種コンピュータ・プログラムモジュールおよび各種データが記憶されている。
【0129】
次に、コンテンツ表示システム3の機能ブロックについて、図10を参照して説明する。図10において、コンテンツ表示システム3は、端末31およびサーバ32を備えている。また、端末31およびサーバ32は、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆回線網、無線通信網またはこれらの組合せ等によって構成されるネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、図10には、端末31およびサーバ32をそれぞれ1つずつ示したが、本発明が備える端末31およびサーバ32の数を限定するものではない。
【0130】
端末31は、入力情報送信部313と、コンテンツ取得部311と、コンテンツ出力部312とを備えている。また、サーバ32は、表示制御部323と、操作情報生成部324と、接触物体判別部325と、表示倍率決定部206と、履歴蓄積部207とを備えている。
【0131】
ここで、入力情報送信部313、コンテンツ取得部311およびコンテンツ出力部312は、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行するCPU1001、タッチパネル付ディスプレイ1004、ならびに、ネットワークインタフェース1006によって構成される。また、表示制御部323は、ROM2003または記憶装置2005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM2002に読み込んで実行するCPU2001、ならびに、ネットワークインタフェース2006によって構成される。操作情報生成部324および接触物体判別部325は、ROM2003または記憶装置2005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM2002に読み込んで実行するCPU2001によって構成される。なお、端末31およびサーバ32の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
【0132】
まず、端末31の各機能ブロックについて説明する。
【0133】
入力情報送信部313は、タッチパネル付ディスプレイ1004を介して取得される情報をサーバ32に送信する。具体的には、入力情報送信部313は、タッチパネル付ディスプレイ1004によって検出された接触物体の接触位置を表す情報を、サーバ32に送信する。さらに、入力情報送信部313は、タッチパネル付ディスプレイ1004によって接触物体の接触位置が検出された際に用いられた技術の種別を表す情報を、サーバ32に送信してもよい。
【0134】
コンテンツ取得部311は、本発明の第1および第2の実施の形態におけるコンテンツ取得部101と同様に構成されるのに加えて、さらに、取得したコンテンツを表す情報をサーバ32に送信する。なお、コンテンツ取得部311は、端末31の記憶装置1005に記憶されているコンテンツを表す情報を取得した場合、そのコンテンツのデータをサーバ32に送信してもよい。あるいは、コンテンツ取得部311は、サーバ32の記憶装置2005に記憶されているコンテンツ一覧をタッチパネル付ディスプレイ1004に表示することにより接触操作により選択されたコンテンツを識別する情報(サーバ32におけるファイルパス等)を取得した場合、そのコンテンツを識別する情報をサーバ32に送信してもよい。
【0135】
コンテンツ出力部312は、本発明の第1および第2の実施の形態におけるコンテンツ出力部102に対して、サーバ32の表示制御部323から受信する情報に基づいてコンテンツの出力処理を行う点が異なる。具体的には、コンテンツ出力部312は、サーバ32の表示制御部323からコンテンツおよび表示倍率を受信する。そして、コンテンツ出力部312は、受信した表示倍率でコンテンツをタッチパネル付ディスプレイ1004に出力する。
【0136】
次に、サーバ32の各機能ブロックについて説明する。
【0137】
表示制御部323は、本発明の第1および第2の実施の形態における表示制御部103と同様に構成されることに加え、他の機能ブロック(操作情報生成部324、接触物体判別部325、表示倍率決定部206、履歴蓄積部207)と、端末31との間のデータの送受信の仲介を行う。これにより、表示制御部323は、端末31のコンテンツ取得部311から受信したコンテンツを、表示倍率決定部206によって決定された表示倍率で表示するよう、端末31のコンテンツ出力部312に通知する。
【0138】
操作情報生成部324は、端末31の入力情報送信部313から表示制御部323を介して受信する情報に基づいて、操作情報を生成する。ここで、端末31の入力情報送信部313から受信する情報は、端末31においてタッチパネル付ディスプレイ1004から得られた情報である。そして、操作情報生成部324は、本発明の第1および第2の実施の形態における操作情報生成部104と同様に、タッチパネル付ディスプレイ1004から得られた情報に基づいて、操作情報を生成する。
【0139】
接触物体判別部325は、端末31の入力情報送信部313から表示制御部323を介して受信する情報に基づいて、端末31においてタッチパネル付ディスプレイ1004に接触した接触物体の種別を判別する。例えば、端末31の入力情報送信部313から受信する情報に、端末31のタッチパネル付ディスプレイ1004において接触物体の接触を検出した技術の種別を表す情報が含まれる場合、接触物体判別部325は、接触を検出した技術の種別に基づいて、接触物体の種別を判別する。前述のように、例えば、接触物体判別部325は、受信した情報に、静電容量方式で接触を検出したことを表す情報が含まれていた場合、接触物体は手の指である判別してもよい。また、接触物体判別部325は、受信した情報に、電磁誘導方式で接触を検出したことを表す情報が含まれていた場合、接触物体はタッチペンであると判別してもよい。また、接触物体判別部325は、受信した情報に、抵抗膜方式で接触を検出したことを表す情報および導通性薄膜同士の接地面積を表す情報が含まれていた場合、その接地面積に基づいて、接触物体の種別(指、または、タッチペン等)を判別してもよい。
【0140】
表示倍率決定部206および履歴蓄積部207は、本発明の第2の実施の形態における各機能ブロックと同様に構成される。これにより、サーバ32が複数の端末31に接続されていれば、履歴蓄積部207は、複数の端末31における手書き情報実測値を蓄積することになる。
【0141】
以上のように構成されたコンテンツ表示システム3の動作について、図11を参照して説明する。なお、図11において、左側のフロー図は端末31の動作を表し、右側のフロー図はサーバ32の動作を表し、左右を結ぶ破線の矢印は、データの流れを表している。
【0142】
まず、端末31は、ステップS1〜S3まで本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1と同様に動作することにより、ユーザによるタッチパネル付ディスプレイ1004に対する接触操作を検出する(ステップS3でYes)。
【0143】
次に、入力情報送信部313は、タッチパネル付ディスプレイ1004から得られる情報を、サーバ32に対して送信する(ステップS51)。例えば、入力情報送信部313は、タッチパネル付ディスプレイ1004で検出された接触位置の座標情報、および、その接触位置の検出に用いられた技術の種別を表す情報を、サーバ32に対して送信してもよい。
【0144】
次に、サーバ32において、操作情報生成部324は、端末31から受信した情報に基づいて、操作情報を生成する(ステップS52)。このとき生成される操作情報は、本発明の第1の実施の形態における場合と同様に、「コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率変更指示」、「コンテンツに重畳表示させる手書き情報」、「コンテンツの表示終了指示」、「閲覧時表示倍率に戻す指示」等を表すものである。また、操作情報は、これらの指示内容を表す情報に加えて、関連する接触位置を表す座標情報を含んでいる。
【0145】
次に、接触物体判別部325は、端末31から受信した情報に基づいて、接触物体の種別を判別する(ステップS53)。例えば、接触物体判別部325は、前述のように、接触位置の検出に用いた技術の種別を表す情報を端末31から受信している場合、その技術の種別を表す情報に基づいて、接触物体が指であるか、タッチペンであるかを判別してもよい。
【0146】
次に、ステップS52で生成された操作情報が、手書き情報を入力するための表示倍率変更指示である場合(ステップS5でYes)、サーバ32は、本発明の第2の実施の形態と同様に、ステップS31、ステップS8を実行する。これにより、サーバ32は、入力時表示倍率を決定し、決定した表示倍率でコンテンツを変倍して再出力するよう、端末31に通知する。
【0147】
一方、ステップS52で生成された操作情報が、コンテンツに重畳表示させるための手書き情報を表す場合(ステップS5でNo)、サーバ32は、本発明の第2の実施の形態と同様にステップS10、S32を実行する。これにより、サーバ32は、入力時表示倍率で表示されているコンテンツに対して、手書き情報を重畳して再出力するよう、端末31に通知する。そして、サーバ32は、手書き情報サイズ実測値と、接触物体の種別とを対応付けて蓄積する。
【0148】
コンテンツの変倍または手書き情報の重畳を表す表示内容を受信した端末31では(ステップS54)、コンテンツ出力部312が、受信した表示内容にしたがってコンテンツを再出力する(ステップS2)。
【0149】
また、ステップS52で生成された操作情報が終了指示であった場合、表示制御部323は、コンテンツの表示を終了するよう端末31に通知する。なお、図11では、この終了動作についての図示を省略している。
【0150】
以上で、コンテンツ表示システム3の動作の説明を終了する。
【0151】
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について述べる。
【0152】
本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるような手書き情報入力時の適切な表示倍率を、さらに精度良く設定することができる。
【0153】
その理由は、実際に入力された手書き情報の単位領域の大きさ(手書き情報サイズ実測値)と接触物体の種別とを対応付けて蓄積しておく履歴蓄積部を、サーバに備えるからである。これにより、履歴蓄積部は、1つ以上の端末において実際に入力された手書き情報サイズ実測値を、接触物体の種別と対応付けて蓄積する。そして、表示倍率決定部が、接触物体の種別に応じた手書き情報の単位領域の大きさの予測値(手書き情報サイズ予測値)を、1つ以上の端末における手書き情報サイズ実測値に基づいて求めるためである。これにより、接触物体の種別に応じた手書き情報サイズ予測値は、1人以上の利用者の操作実績が反映されたものとなる。したがって、本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、接触物体の種別に応じてさらに精度良く予測した手書き情報サイズ予測値に基づいて、さらに精度良く入力時表示倍率を求めることが可能となるからである。
【0154】
また、本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるような手書き情報入力時の適切な表示倍率を、その端末における手書き情報の入力実績が少ない場合にも、精度良く設定することができる。
【0155】
その理由は、履歴蓄積部をサーバに設けるからである。これにより、手書き情報入力のための表示倍率変更指示が入力された端末は、自装置で該当する種別の接触物体による手書き情報の入力実績が少ない場合であっても、他の端末における該当する種別の接触物体による手書き情報サイズ実測値を用いることができ、手書き情報サイズ予測値を求めることが可能となるからである。
【0156】
また、本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、コンテンツの表示制御をサーバで実行することによって、端末の処理負荷を軽減することができる。その結果、処理能力が低い端末でも、本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムを利用することが可能である。
【0157】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システム4について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1〜第3の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0158】
まず、コンテンツ表示システム4の機能ブロックについて、図12を参照して説明する。なお、コンテンツ表示システム4を構成する各装置のハードウェア構成は、図10に示した本発明の第3の実施の形態としてのコンテンツ表示システムを構成する各装置と同様であるため、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0159】
図12において、コンテンツ表示システム4は、端末41およびサーバ42を備えている。また、端末41およびサーバ42は、インターネット、LAN、公衆回線網、無線通信網またはこれらの組合せ等によって構成されるネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、図12には、端末41およびサーバ42をそれぞれ1つずつ示したが、本発明が備える端末41およびサーバ42の数を限定するものではない。
【0160】
端末41は、本発明の第1の実施の形態としてのコンテンツ表示装置1に対して、表示倍率決定部106に替えて表示倍率決定部416を備え、さらに、履歴送受信部418を備える点が異なる。また、サーバ42は、履歴蓄積部427を備える。ここで、履歴送受信部418は、本発明における履歴送信部の一実施形態を構成する。また、表示倍率決定部416および履歴送受信部418は、本発明における表示倍率決定部の一実施形態を構成する。また、履歴送受信部418は、ROM1003または記憶装置1005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM1002に読み込んで実行するCPU1001、ならびに、ネットワークインタフェース1006によって構成される。また、履歴蓄積部427は、ROM2003または記憶装置2005に記憶されたコンピュータ・プログラムモジュールおよびデータをRAM2002に読み込んで実行するCPU2001、記憶装置2005、ならびに、ネットワークインタフェース2006によって構成される。なお、端末41およびサーバ42の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
【0161】
まず、端末41の各機能ブロックについて説明する。
【0162】
履歴送受信部418は、操作情報生成部104によって、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、接触物体の種別とを対応付けた情報をサーバ42に送信する。
【0163】
また、履歴送受信部418は、表示倍率決定部416による制御の基に、接触物体判別部105によって判別された種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴を要求する情報を、サーバ42に対して送信する。そして、履歴送受信部418は、サーバ42から、該当する履歴を表す情報を受信する。
【0164】
表示倍率決定部416は、操作情報生成部104によって手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、接触物体判別部105によって判別された種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴をサーバ42に要求するよう、履歴送受信部418を制御する。そして、表示倍率決定部416は、履歴送受信部418を介して受信した手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を求める。そして、表示倍率決定部416は、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、入力時表示倍率を決定する。
【0165】
次に、サーバ42の機能ブロックについて説明する。
【0166】
履歴蓄積部427は、手書き情報サイズ実測値と、接触物体の種別とを対応付けた情報を、端末41から受信することにより蓄積する。このとき、サーバ42が1つ以上の端末41と通信可能に接続されていれば、履歴蓄積部427は、複数の端末41における手書き情報実測値を蓄積することになる。
【0167】
また、履歴蓄積部427は、端末41からの要求において指定される接触物体の種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴を、端末41に送信する。
【0168】
以上のように構成されたコンテンツ表示システム4の動作について、図13を参照して説明する。なお、図13において、左側のフロー図は端末41の動作を表し、右側のフロー図はサーバ42の動作を表し、左右を結ぶ破線の矢印は、データの流れを表している。
【0169】
まず、端末41は、ステップS1〜S6まで本発明の第2の実施の形態としてのコンテンツ表示装置2と同様に動作することにより、手書き情報入力のための表示倍率変更指示を表す操作情報が生成されたか否かに基づいて、処理を分岐する。
【0170】
ここで、手書き情報入力のための表示倍率変更指示を表す操作情報が生成されている場合(ステップS5でYes)、表示倍率決定部416は、ステップS6で取得された種別に対応付けられた手書き情報実測値の履歴を、サーバ42に対して要求する(ステップS61)。
【0171】
次に、サーバ42の履歴蓄積部427は、端末41から受信した要求において指定された接触物体の種別に対応付けられた手書き情報実測値の履歴を、端末41に対して送信する(ステップS62)。
【0172】
次に、端末41では、表示倍率決定部416は、受信した手書き情報実測値の履歴を用いて、手書き情報サイズ予測値を求める。そして、表示倍率決定部416は、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、入力時表示倍率を決定する(ステップS31)。そして、表示制御部103は、決定した入力時表示倍率でコンテンツを再表示するよう、コンテンツ出力部102に通知する(ステップS8)。
【0173】
一方、コンテンツに重畳させる手書き情報を表す操作情報が生成されている場合(ステップS5でNo)、表示倍率決定部416は、表示中のコンテンツに手書き情報を重畳して再出力するようコンテンツ出力部102に通知する(ステップS10)。
【0174】
次に、履歴送受信部418は、ステップS4で生成された操作情報に含まれる手書き情報の単位領域の大きさと、ステップS6で判別された接触物体の種別とを対応付けた情報を、サーバ42に対して送信する(ステップS63)。
【0175】
これらの情報を受信したサーバ42では、履歴蓄積部427は、受信した手書き情報サイズ実測値および接触物体の種別を対応付けた情報を蓄積する(ステップS64)。
【0176】
なお、ステップS4で生成された操作情報が終了指示であった場合、端末41は、動作を終了する。なお、図13では、この終了動作についての図示を省略している。
【0177】
以上で、コンテンツ表示システム4の動作の説明を終了する。
【0178】
次に、本発明の第4の実施の形態の効果について述べる。
【0179】
本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるような手書き情報入力時の適切な表示倍率を、さらに精度良く設定することができる。
【0180】
その理由は、実際に入力された手書き情報の単位領域の大きさ(手書き情報サイズ実測値)と接触物体の種別とを対応付けて蓄積しておく履歴蓄積部を、サーバに備えたからである。これにより、履歴蓄積部は、1つ以上の端末において実際に入力された手書き情報サイズ実測値を、接触物体の種別と対応付けて蓄積する。そして、表示倍率決定部が、接触物体の種別に応じた手書き情報の単位領域の大きさの予測値(手書き情報サイズ予測値)を、1つ以上の端末における手書き情報サイズ実測値に基づいて求めるためである。これにより、接触物体の種別に応じた手書き情報サイズ予測値は、1人以上の利用者の操作実績が反映されたものとなる。したがって、本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、接触物体の種別に応じてさらに精度良く予測した手書き情報サイズ予測値に基づいて、さらに精度良く入力時表示倍率を求めることが可能となるからである。
【0181】
また、本発明の第4の実施の形態としてのコンテンツ表示システムは、コンテンツ閲覧時の表示倍率に戻した時点で手書き情報が認識可能に表示されるような手書き情報入力時の適切な表示倍率を、その端末における手書き情報の入力実績が少ない場合にも、精度良く設定することができる。
【0182】
その理由は、履歴蓄積部をサーバに設けるからである。これにより、手書き情報入力のための表示倍率変更指示が入力された端末は、自装置で該当する種別の接触物体による手書き情報の入力実績が少ない場合でも、他の端末における該当する種別の接触物体による手書き情報サイズ実測値を用いることができ、手書き情報サイズ予測値を求めることが可能となるからである。
【0183】
なお、本発明の第3および第4の実施の形態において、表示制御部、操作情報生成部、接触物体判別部、および、表示倍率決定部の各部は、端末の処理能力や利用形態に基づいて、サーバおよび端末のいずれに配置されることもそれぞれ可能である。これらの各部がサーバおよび端末のいずれに配置されていても、本発明の第3および第4の実施の形態は、上述した効果を奏する。
【0184】
また、本発明の第3および第4の実施の形態において、履歴蓄積部は、手書き情報サイズ実測値と、接触物体との種別とに、さらに端末の識別情報または利用者の識別情報を対応付けて蓄積してもよい。そして、この場合、表示倍率決定部は、接触物体の種別に対応付けられた手書き情報サイズ実測値の履歴のうち、該当する利用者または端末に対応付けられたものを取得してもよい。また、この場合、表示倍率決定部は、端末においてあらかじめ設定された情報に基づいて、該当する接触物体の種別に対応付けられた全ての手書き情報サイズ実測値の履歴を用いるか、利用者や端末毎の手書き情報サイズ実測値の履歴を用いるかを選択してもよい。
【0185】
また、本発明の各実施の形態において、手書き情報が主に文字を表す場合について説明を行っている。これに限らず、本発明の各実施の形態としてのコンテンツ表示装置は、図形や記号等、文字以外の情報を表す手書き情報が入力される場合にも適用可能である。その場合、本発明の各実施の形態としてのコンテンツ表示装置は、手書き情報を構成する描画線が略連続していると認識される領域を単位領域としてもよい。
【0186】
また、本発明の各実施の形態では、接触物体判別部が、接触位置の検出に用いる技術の種別に基づいて接触物体の種別を判別する例を中心に説明している。これに限らず、本発明の各実施の形態における接触物体判別部は、その他の情報に基づいて接触物体の種別を判別してもよい。例えば、接触物体判別部は、接触領域の面積に基づいて接触物体の種別を判別してもよい。
【0187】
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明した各装置の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとしてコンピュータ装置の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPUが読み出して実行するようにしてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【0188】
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
【0189】
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。
【0190】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、
を備えたコンテンツ表示装置。
(付記2)
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、該手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部をさらに備え、
前記表示倍率決定部は、前記接触物体判別部によって判別された前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、前記手書き情報サイズ予測値を求めることにより、前記入力時表示倍率を決定することを特徴とする付記1に記載のコンテンツ表示装置。
(付記3)
前記接触物体判別部は、前記入力装置において接触位置の検出に用いられた技術の種別に基づいて前記接触物体の種別を判別することを特徴とする付記1または付記2に記載のコンテンツ表示装置。
(付記4)
前記表示倍率決定部は、その後入力されると予測される手書き文字の大きさを前記接触物体の種別に基づいて予測した値を前記手書き情報サイズ予測値として求め、求めた手書き情報サイズ予測値と、前記入力時表示倍率にしたがって変倍される前の前記コンテンツの表示倍率である閲覧時表示倍率と、前記閲覧時表示倍率で表示された前記コンテンツにおける可読文字サイズとに基づいて、前記入力時表示倍率を決定することを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載のコンテンツ表示装置。
(付記5)
端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、
前記端末は、
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報を前記サーバに送信する入力情報送信部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて、前記端末において前記入力装置に接触した接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を出力させるよう前記端末の前記コンテンツ出力部を制御する表示制御部と、
を有するコンテンツ表示システム。
(付記6)
前記サーバの接触物体判別部は、前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に含まれる、前記接触物体の接触位置の検出に用いられた技術の種別を表す情報に基づいて、前記接触物体の種別を判別することを特徴とする付記5に記載のコンテンツ表示システム。
(付記7)
コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末であって、
前記表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記接触物体の種別に基づいて前記コンテンツの表示倍率を決定するサーバに対して、前記入力装置を介して取得される情報を送信する入力情報送信部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
を備えた端末。
(付記8)
前記入力情報送信部は、前記接触位置の検出に用いられた技術の種別を表す情報を、前記入力装置を介して取得される情報に含めて、前記サーバに送信することを特徴とする付記7に記載の端末。
(付記9)
コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末から、前記入力装置を介して得られる情報を受信するサーバであって、
前記入力装置を介して得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記入力装置を介して得られる情報に基づいて、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を表示させるよう前記端末を制御する表示制御部と、
を備えたサーバ。
(付記10)
前記接触物体判別部は、前記入力装置を介して得られる情報に含まれる、前記接触物体の接触位置の検出に用いられた技術の種別を表す情報に基づいて前記接触物体の種別を判別することを特徴とする付記9に記載のサーバ。
(付記11)
端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、
前記端末は、
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を前記サーバに送信する履歴送信部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記サーバから受信することにより、受信した前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、
を有し、
前記サーバは、
前記手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を、前記端末から受信することにより蓄積するとともに、前記端末からの要求において指定される前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記端末に送信する履歴蓄積部と、
を有するコンテンツ表示システム。
(付記12)
前記端末の接触物体判別部は、前記入力装置において接触位置の検出に用いられた技術の種別に基づいて前記接触物体の種別を判別することを特徴とする付記11に記載のコンテンツ表示システム。
(付記13)
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報をサーバに送信する履歴送信部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記サーバから受信することにより、受信した手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、
を備えた端末。
(付記14)
前記接触物体判別部は、前記入力装置において接触位置の検出に用いられた技術の種別に基づいて前記接触物体の種別を判別することを特徴とする付記13に記載の端末。
(付記15)
コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末から、前記表示装置に表示中のコンテンツに重畳表示させるために前記入力装置に入力された手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記手書き情報が入力された際の前記接触物体の種別とを対応付けた情報を受信することにより、受信した情報を蓄積するとともに、前記端末からの要求において指定される前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記端末に送信する履歴蓄積部を備えたサーバ。
(付記16)
コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示し、
接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成し、
前記接触物体の種別を判別し、
前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、
求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定し、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示する、
コンテンツ表示方法。
(付記17)
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成された場合、該手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積し、
前記表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成された際の前記接触物体の種別に対して対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、前記手書き情報サイズ予測値を求めることにより、前記入力時表示倍率を決定することを特徴とする付記16に記載のコンテンツ表示方法。
(付記18)
コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示するコンテンツ表示ステップと、
接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成ステップと、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別ステップと、
前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求める手書き情報サイズ予測ステップと、
前記手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定ステップと、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示するコンテンツ変倍ステップと、
をコンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記19)
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成された場合、該手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積ステップをさらに前記コンピュータ装置に実行させ、
前記手書き情報サイズ予測ステップは、前記表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成された際に前記接触物体判別ステップで判別された前記接触物体の種別に対して対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、前記手書き情報サイズ予測値を求めることを特徴とする付記18に記載のコンピュータ・プログラム。
【符号の説明】
【0191】
1、2 コンテンツ表示装置
3、4 コンテンツ表示システム
31、41 端末
32、42 サーバ
101、311 コンテンツ取得部
102、312 コンテンツ出力部
103、323 表示制御部
104、324 操作情報生成部
105、325 接触物体判別部
106、206、416 表示倍率決定部
207、427 履歴蓄積部
313 入力情報送信部
418 履歴送受信部
1001、2001 CPU
1002、2002 RAM
1003、2003 ROM
1004 タッチパネル付ディスプレイ
1005、2005 記憶装置
1006、2006 ネットワークインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、
を備えたコンテンツ表示装置。
【請求項2】
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、該手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部をさらに備え、
前記表示倍率決定部は、前記接触物体判別部によって判別された前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、前記手書き情報サイズ予測値を求めることにより、前記入力時表示倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項3】
前記接触物体判別部は、前記入力装置において接触位置の検出に用いられた技術の種別に基づいて前記接触物体の種別を判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項4】
前記表示倍率決定部は、その後入力されると予測される手書き文字の単位領域の大きさを前記接触物体の種別に基づいて予測した値を前記手書き情報サイズ予測値として求め、求めた手書き情報サイズ予測値と、前記入力時表示倍率にしたがって変倍される前の前記コンテンツの表示倍率である閲覧時表示倍率と、前記閲覧時表示倍率で表示された前記コンテンツにおける可読文字サイズとに基づいて、前記入力時表示倍率を決定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンテンツ表示装置。
【請求項5】
端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、
前記端末は、
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報を前記サーバに送信する入力情報送信部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記端末の前記入力情報送信部から受信する情報に基づいて、前記端末において前記入力装置に接触した接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を出力させるよう前記端末の前記コンテンツ出力部を制御する表示制御部と、
を有するコンテンツ表示システム。
【請求項6】
コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末であって、
前記表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記接触物体の種別に基づいて前記コンテンツの表示倍率を決定するサーバに対して、前記入力装置を介して取得される情報を送信する入力情報送信部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するとともに、前記サーバによって決定された表示倍率で前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
を備えた端末。
【請求項7】
コンテンツを表示する表示装置および接触物体の接触位置を検出する入力装置を有する端末から、前記入力装置を介して得られる情報を受信するサーバであって、
前記入力装置を介して得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記入力装置を介して得られる情報に基づいて、前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報の履歴を蓄積する履歴蓄積部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を、前記接触物体判別部によって判別された種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を表示させるよう前記端末を制御する表示制御部と、
を備えたサーバ。
【請求項8】
端末と、サーバとを備えるコンテンツ表示システムであって、
前記端末は、
表示装置に表示するためのコンテンツを表す情報を取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツを前記表示装置に出力するコンテンツ出力部と、
接触物体の接触位置を検出する入力装置を介して取得される情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別部と、
前記コンテンツに重畳表示させる手書き情報を表す操作情報が生成されると、前記手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を前記サーバに送信する履歴送信部と、
前記手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す操作情報が生成されると、前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記サーバから受信することにより、受信した前記手書き情報サイズ実測値の履歴に基づいて、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を求め、求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定部と、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記コンテンツ出力部に出力させるよう制御する表示制御部と、
を有し、
前記サーバは、
前記手書き情報サイズ実測値と、前記接触物体の種別とを対応付けた情報を、前記端末から受信することにより蓄積するとともに、前記端末からの要求において指定される前記接触物体の種別に対応付けられた前記手書き情報サイズ実測値の履歴を前記端末に送信する履歴蓄積部と、
を有するコンテンツ表示システム。
【請求項9】
コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示し、
接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成し、
前記接触物体の種別を判別し、
前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求め、
求めた手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定し、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示する、
コンテンツ表示方法。
【請求項10】
コンテンツを表す情報を取得して表示装置に表示するコンテンツ表示ステップと、
接触物体の接触位置を検出する入力装置において接触位置が検出されると、前記入力装置から得られる情報に基づいて操作情報を生成する操作情報生成ステップと、
前記接触物体の種別を判別する接触物体判別ステップと、
前記操作情報が、コンテンツに重畳表示させる手書き情報を入力するための表示倍率の変更指示を表す場合、その後入力されると予測される手書き情報の単位領域の大きさを表す手書き情報サイズ予測値を前記接触物体の種別に基づいて求める手書き情報サイズ予測ステップと、
前記手書き情報サイズ予測値に基づいて、前記手書き情報の入力時の表示倍率である入力時表示倍率を決定する表示倍率決定ステップと、
前記入力時表示倍率にしたがって前記コンテンツを変倍した画像を前記表示装置に表示するコンテンツ変倍ステップと、
をコンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−243074(P2012−243074A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112330(P2011−112330)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】