説明

コンテンツ配信制御装置およびコンテンツ配信制御方法

【課題】コンテンツ配信において、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用する。
【解決手段】コンテンツ配信制御装置10は、配信要求の数に基づいて、コンテンツの配信方法を決定し(S121)。その決定した配信方法を配信サーバ20に送信する(S122)。配信サーバ20は、受信した配信方法に基づいて、コンテンツを配信する(S123)。例えば、端末30bは、コンテンツの配信を要求するコンテンツの配信要求をコンテンツ配信制御装置10へ送信する(S111)。コンテンツ配信制御装置10は、配信要求を受け付けて、その配信方法がマルチキャストである場合、端末30bに対して、マルチキャストアドレスを接続先として通知する(S112)。端末30bは、近傍のルータにjoinメッセージを送信する(S113)。端末30bは、配信サーバ20からマルチキャスト配信されたコンテンツを受信する(S114)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの配信方法として、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法または前記第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法のいずれかを適切に選択することによって、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)網において、音声や映像といったコンテンツを連続データとして配信する、ユニキャストまたはマルチキャストを用いたコンテンツ配信サービスが実施されている。このコンテンツ配信サービスでは、サービスごとに配信システムが構築されており、その負荷分散が各サービスに閉じたものとなっていた。
【0003】
コンテンツをユニキャストで配信する場合には、そのサービスのユーザ数の増加にともなって、コンテンツを配信しているネットワークのリソースの負荷が増大し、正常な配信ができなくなる虞がある。このユニキャストは、前記した第2の配信方法の一例に相当する。
【0004】
また、コンテンツをマルチキャストで配信する場合には、送信データの宛先を一度に複数設定できるため、ユニキャストに比較して、回線の使用帯域を少なくすることができる。しかし、伝達経路上のルータは、宛先に応じてデータをコピー処理する等の処理負荷を伴ったり、使用できるアドレス数に制限があったりするために、1つのルータが扱えるマルチキャストの配信数に制約がある。このマルチキャストは、前記した第1の配信方法の一例に相当する。
【0005】
特許文献1では、ユニキャストで配信している最中に、複数のユーザについての配信状況を監視し、同一のコンテンツのユニキャスト配信数が所定の閾値に達した場合、その同一のコンテンツの複数のユニキャスト配信をマルチキャスト配信に切り替えて、ネットワーク設備の負荷を低減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−80566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されている技術は、コンテンツのユニキャスト配信中に配信方法を変更するものである。そのため、特に、ライブ放送の場合には、大規模な配信であればあるほど、配信方式の変更にともなうネットワーク全体での再生処理が煩雑になり、処理負荷がさらに増大するという問題がある。また、コンテンツを受信する端末側では、受信方法の切り替え時の再生信号が不連続にならないようにするため、アプリケーションの再生処理が複雑になるという問題がある。
【0008】
また、従来のコンテンツ配信サービスでは、サービスごとに配信システムを構築していたために、その負荷分散が各サービスに閉じたものとなっていた。そのため、コンテンツ配信の利用が少ない場合には、空きリソースが多くなり、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用できていないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、コンテンツ配信制御装置から受信したコンテンツの配信方法を示す情報に基づいて前記コンテンツを配信する配信サーバと通信可能に接続される前記コンテンツ配信制御装置が、前記コンテンツとそのコンテンツの配信方法とを関連付けた配信方法情報を記憶している記憶部と、ユーザの使用する端末から前記コンテンツの配信要求を受信する受信部と、前記コンテンツに対する前記配信要求の数に基づいて、そのコンテンツの配信方法として、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法および前記第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法のいずれかを決定し、前記決定したコンテンツの配信方法で前記配信方法情報を更新する配信方法決定部と、決定した前記コンテンツの配信方法を示す情報を前記配信サーバに送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、コンテンツに対する配信要求の数に基づいて、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法および第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法のいずれかを決定することができる。ここで、第1の配信方法がマルチキャストであり、第2の配信方法がユニキャストである場合を一例として説明する。ユニキャスト(第2の配信方法)で配信する場合は、配信要求の数が多くなるとネットワークリソースを圧迫する。マルチキャスト(第1の配信方法)で配信する場合は、配信できる配信数に制約がある。そのため、コンテンツに対する配信要求の数のトレンドを考慮して、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信するコンテンツを決定することによって、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。また、特許文献1に記載の開示技術のように、コンテンツの配信方法をコンテンツ配信の途中で切り替えることがないため、安定した品質でコンテンツを配信することができる。また、端末で用いられるアプリケーションにおいて、配信方式の切り替え時の再生信号が不連続にならないようにするための複雑な再生処理が不要となる。
【0012】
また、本発明の前記コンテンツ配信制御装置は、前記配信要求の数をコンテンツごとに集計する第1の集計部を備え、前記配信方法決定部が、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの所定時間あたりの前記配信要求の数と、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数との間で、前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大小を比較し、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数が、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数より小さいと判定した場合、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第1の配信方法を停止し、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第2の配信方法を前記第1の配信方法に変更するように決定することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、第1の配信方法に決定したコンテンツの中で所定時間あたりの配信要求の数の小さいコンテンツと、第2の配信方法に決定したコンテンツの中で所定時間あたりの配信要求の数の大きい第2のコンテンツとの間で、配信方法を変更することができる。すなわち、所定時間あたりの配信要求の数に変動がある場合に、配信方法を変更することができるので、配信要求の数の増減トレンドを考慮して、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。
【0014】
また、本発明の前記コンテンツ配信制御装置は、所定時間あたりの前記配信要求の数をコンテンツごとに集計する第1の集計部と、前記コンテンツの配信要求の数をコンテンツごとに累積して集計する第2の集計部と、を備え、前記配信方法決定部が、前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大きいコンテンツから順に、予め決められている所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第1の処理、前記第2の集計部の集計数の大きい順、または前記第1の集計部の集計数および前記第2の集計部の集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第2の処理、または、前記第1の集計部の集計数および前記第2の集計部の集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、ランキングによる順位付けを行い、所定期間ごとに、現在のランキングの順位を1つ前の前記所定期間のときのランキングの順位から減算して差分を算出し、前記現在のランキングの高い順および前記差分の大きい順に応じて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第3の処理、を実行することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、所定時間あたりの配信要求の数の大きさ、配信要求の累積数の大きさ、ランキングの順位、ランキングの上昇分(差分)の大きさ、に基づいて、第1の配信方法を割り当てることができる。そのため、配信要求の数の増加トレンドを考慮して、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。
【0016】
また、本発明の前記コンテンツ配信制御装置は、前記記憶部が、前記コンテンツ、前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数を関連付けて履歴情報として記憶しており、前記配信方法決定部が、前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数のいずれかが所定の条件を満たさない場合、その所定の条件を満たさないコンテンツの前記配信方法を前記第2の配信方法に決定することを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、過去の履歴情報において所定の条件を満たさないコンテンツに対して、第1の配信方法を無駄に割り当てないようにすることができるので、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。
【0018】
なお、本発明において、特許請求の範囲に記載した前記コンテンツ配信制御装置におけるコンテンツ配信制御方法についても、前記コンテンツ配信制御装置の場合と同様の作用効果がある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コンテンツ配信システムの構成例および動作例の概要を示す図である。
【図2】コンテンツ配信制御装置の構成例を示す図である。
【図3】配信方法DBの一例を示す図である。
【図4】配信要求数DBの一例を示す図である。
【図5】ランキングDBの一例を示す図である。
【図6】履歴情報DBの一例を示す図である。
【図7】マルチキャストユーザ数DBの一例を示す図である。
【図8】配信サーバの構成例を示す図である。
【図9】コンテンツDBの一例を示す図である。
【図10】コンテンツ配信制御装置における処理フローの一例を示す図である。
【図11】コンテンツ配信制御装置における処理フローの一例を示す図である。
【図12】コンテンツ配信制御装置における処理フローの一例を示す図である。
【図13】コンテンツ配信制御装置における処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための形態(以降「本実施形態」と称す。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、特許請求の範囲に記載した「配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法」の例はマルチキャストとし、「第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法」の例はユニキャストとする。このような例とする根拠は、ある程度大きな配信数においては、ユニキャスト(第2の配信方法)による配信に用いられるネットワークリソースは、マルチキャスト(第1の配信方法)による配信に用いられるネットワークリソースより大きいことに基づいている。さらに、マルチキャスト(第1の配信方法)では、配信経路上の1つのルータが扱える配信数に制約があることも該当していることに基づいている。
【0022】
(コンテンツ配信システムの概要)
ユーザの使用する端末30にコンテンツを配信するコンテンツ配信システム1の構成例および動作例の概要について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、コンテンツ配信システム1は、コンテンツ配信制御装置10、コンテンツを配信する配信サーバ20、ユーザの使用する端末30(30a,30b)、コンテンツ配信制御装置10、およびルータとで構成される。
【0023】
コンテンツ配信制御装置10は、端末30からコンテンツの配信要求を受け付けて、コンテンツを提供する接続先をその端末30に通知する。また、コンテンツ配信制御装置10は、コンテンツそれぞれに対して受け付けた配信要求の数に基づいて、そのコンテンツの配信方法を決定し、その決定した配信方法を配信サーバ20へ送信する。なお、コンテンツ配信制御装置10の詳細な説明については、後記する。
【0024】
配信サーバ20は、コンテンツ配信制御装置10から受信した配信方法に基づいて、コンテンツを配信する。なお、配信方法は、マルチキャスト(第1の配信方法)およびユニキャスト(第2の配信方法)のいずれかである。なお、配信サーバ20の詳細な説明については、後記する。
【0025】
端末30は、例えば、パソコン、通信機能を備えたテレビ、または携帯電話等の携帯端末である。
【0026】
ルータは、ルーチングによって、情報やコンテンツを配信先の端末30に転送する。なお、ルータは、マルチキャスト配信機能を備えている場合には、マルチキャスト配信の配信先の端末30を登録しているIGMP(Internet Group Management Protocol)テーブルを備えている。そして、ルータは、各端末30がIGMPテーブルに登録されているか否かを定期的に確認し、IGMPテーブルに登録されている端末30にはマルチキャストでコンテンツを配信し、IGMPテーブルに登録されていない(削除された)端末30にはマルチキャストでコンテンツを配信しない。
【0027】
なお、図1において、コンテンツ配信制御装置10および配信サーバ20は、それぞれ1台ずつしか記載していないが、2台以上であっても構わない。また、端末30は、2台しか記載していないが、各ルータに2台以上接続されていても構わない。
【0028】
次に、本実施形態におけるコンテンツ配信システム1の動作例について、図1を用いて説明する。
【0029】
ステップS101では、端末30aは、コンテンツの配信を要求するコンテンツの配信要求をコンテンツ配信制御装置10へ送信する。
【0030】
ステップS102では、コンテンツ配信制御装置10は、配信要求を受け付けて、配信要求されたコンテンツの配信方法がユニキャストである場合、端末30aに対して、配信サーバ20のアドレスを接続先として通知する。
【0031】
ステップS103では、端末30aは、通知された接続先の配信サーバ20へ接続する。
ステップS104では、配信サーバ20は、コンテンツをユニキャストで配信する。
【0032】
また、ステップS111では、端末30bは、コンテンツの配信を要求するコンテンツの配信要求をコンテンツ配信制御装置10へ送信する。
【0033】
ステップS112では、コンテンツ配信制御装置10は、配信要求を受け付けて、配信要求されたコンテンツの配信方法がマルチキャストである場合、端末30bに対して、マルチキャストアドレスを接続先として通知する。
【0034】
ステップS113では、端末30bは、近傍のルータにjoinメッセージを送信する。そして、当該ルータは、IGMPテーブルに、その端末30bを登録する。
【0035】
ステップS114では、端末30bは、配信サーバ20からマルチキャスト配信されたコンテンツを受信する。
【0036】
ところで、ステップS121では、コンテンツ配信制御装置10は、受信した配信要求の数をコンテンツごとに集計し、集計した配信要求の数に基づいて、配信方法としてマルチキャストおよびユニキャストのいずれを用いるかを所定時間ごとに決定する。
ステップS122では、コンテンツ配信制御装置10は、決定したコンテンツの配信方法を示す情報を、配信サーバ20に送信する。
ステップS123では、配信サーバ20は、受信した配信方法に基づいて、コンテンツを配信する。なお、マルチキャスト配信されるコンテンツは、そのコンテンツを受信するユーザがいなくなるまで、リピート送信(繰り返し送信)される。
【0037】
(コンテンツ配信制御装置)
次に、コンテンツ配信制御装置10の構成例について、図2を用いて説明する。コンテンツ配信制御装置10は、処理部11、通信部12、および記憶部13を備える。処理部11は、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)とメインメモリとで構成され、記憶部13に記憶されているアプリケーションプログラムをメインメモリに展開して、配信方法決定部111、第1の集計部112、第2の集計部113、接続先通知部114、配信方法指示部115、およびマルチキャスト監視部116を具現化する。また、処理部11は、通信部12および記憶部13の制御を司る。
【0038】
配信方法決定部111は、コンテンツそれぞれに対して受け付けた配信要求の数に基づいて、そのコンテンツの配信方法として、マルチキャスト(第1の配信方法)およびユニキャスト(第2の配信方法)のいずれかを決定する。
【0039】
配信方法の決定では、以下の3つの処理のいずれかが用いられる。
【0040】
第1の処理では、所定時間あたりの配信要求の数の大きいコンテンツから順に、予め決められている所定数(前記したようにマルチキャストに対して制限される配信数)分について配信方法をマルチキャスト(第1の配信方法)に決定する。
【0041】
第2の処理では、コンテンツそれぞれの配信要求の累積数の大きい順、または所定時間あたりの配信要求の数および累積数の双方を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、所定数分について配信方法をマルチキャスト(第1の配信方法)に決定する。評価値を算出する式は、例えば、所定時間あたりの配信要求の数および累積数の双方に重み付けして加算等の演算を行うものである。
【0042】
第3の処理では、コンテンツそれぞれの所定時間あたりの配信要求の数および累積数の双方を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、ランキングによる順位付け(最上位を1位とする)を行い、所定期間ごとに、現在のランキングの順位を1つ前の所定期間のときのランキングの順位から減算して差分を算出し、現在のランキングの高い順および前記差分の大きい順に応じて、所定数分について配信方法をマルチキャスト(第1の配信方法)に決定する。なお、所定期間は、前記所定時間と同じ時間長であっても、前記所定時間の複数倍の時間長であっても構わない。
【0043】
また、配信方法決定部111は、マルチキャスト(第1の配信方法)配信時に配信した端末数、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信したコンテンツの提供時間、およびマルチキャスト(第1の配信方法)で配信した回数のいずれかが所定の条件を満たさない場合、その所定の条件を満たさないコンテンツの配信方法をユニキャスト(第2の配信方法)に決定する。この処理は、過去にマルチキャスト(第1の配信方法)で配信したコンテンツの中で、マルチキャスト配信の所定数分にたまたま空きがあってマルチキャスト(第1の配信方法)に決定されたものの、ネットワークリソースの効率化にほとんど寄与しないコンテンツを除外するために行われる。例えば、マルチキャスト配信時に配信した端末数が所定の閾値より小さい場合には、そのコンテンツの配信方法をユニキャスト(第2の配信方法)に決定する。また、例えば、マルチキャストで配信したコンテンツの提供時間が所定の閾値より短い場合には、そのコンテンツの配信方法をユニキャスト(第2の配信方法)に決定する。また、例えば、マルチキャストで配信した回数については、マルチキャスト配信時に配信した端末数が所定の閾値より小さく、かつ、マルチキャストで配信した回数が小さい場合に、そのコンテンツの配信方法をユニキャスト(第2の配信方法)に決定するというように用いることができる。
【0044】
また、配信方法決定部111は、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信することに決定したコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数と、ユニキャスト(第2の配信方法)で配信することに決定したコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数との間で、所定時間あたりの前記配信要求の数の大小を比較する。そして、配信方法決定部111は、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信することに決定したコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数が、ユニキャスト(第2の配信方法)で配信することに決定したコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数より小さいと判定した場合、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信することに決定したコンテンツに対するマルチキャスト(第1の配信方法)を停止し、ユニキャスト(第2の配信方法)で配信することに決定したコンテンツに対するユニキャスト(第2の配信方法)をマルチキャスト(第1の配信方法)に変更することを決定する。ただし、マルチキャスト(第1の配信方法)を停止する場合には、そのコンテンツのユーザがいないこと、すなわち、ルータのIGMPテーブルに当該コンテンツに対して端末30の登録がないことを条件とする。
【0045】
第1の集計部112は、所定時間あたりの前記配信要求の数を、コンテンツごとに集計する。その集計数は、配信方法決定部111における処理に用いられる。
第2の集計部113は、コンテンツの配信要求の数を、コンテンツごとに累積して集計する。その集計数(累積数)は、配信方法決定部111における処理に用いられる。
【0046】
接続先通知部114は、配信要求のあったコンテンツの配信方法がマルチキャストの場合には、マルチキャストアドレスを通信部12を介して端末30に通知する。また、接続先通知部114は、配信要求のあったコンテンツの配信方法がユニキャストの場合には、配信サーバ20のアドレスを通信部12を介して端末30に通知する。
【0047】
配信方法指示部115は、配信方法決定部111によって決定された配信方法を示す情報を通信部12を介して配信サーバ20に送信する。なお、配信方法を示す情報には、マルチキャスト(第1の配信方法)の指示およびユニキャスト(第2の配信方法)の指示だけでなく、マルチキャストとユニキャストとの間の切り替えの指示も含まれる。
【0048】
マルチキャスト監視部116は、ルータのIGMPテーブルに、コンテンツそれぞれに対して端末30の登録があるかないかを定期的に監視し、その監視結果(登録数)を配信方法決定部111に送信する。
【0049】
通信部12は、送信部121および受信部122で構成される。
送信部121は、配信方法指示部115から受信した配信方法を示す情報を配信サーバ20に送信する。また、送信部121は、接続先通知部114から受信したアドレス情報を端末30に送信する。
受信部122は、端末30からコンテンツの配信要求を受信し、受信した配信要求を第1の集計部112および第2の集計部113に送信する。
【0050】
記憶部13は、配信方法DB(配信方法情報)131、配信要求数DB132、ランキングDB133、履歴情報DB(履歴情報)134、およびマルチキャストユーザ数DB135を備える。
【0051】
配信方法DB131は、図3に示すように、コンテンツの識別番号であるコンテンツIDと、配信中の配信方法と、マルチキャストフラグとを関連付けて記憶している(適宜、図2参照)。
配信中の配信方法には、現在、配信方法決定部111によって決定されて配信中の配信方法および接続先のアドレスが記憶される。
【0052】
マルチキャストフラグは、マルチキャスト配信中のコンテンツに対して付けられるフラグである。具体的には、配信方法決定部111は、所定時間ごとに決定した配信方法と、配信方法DB131に記憶されている配信中の配信方法とを比較して、双方ともマルチキャストで一致している場合には、フラグを「0(変更不要)」に設定する。また、配信方法決定部111は、所定時間ごとに決定した配信方法がユニキャストであって、配信方法DB131に記憶されている配信中の配信方法と不一致の場合には、フラグを「1(ユニキャストに変更必要)」に設定する。ただし、マルチキャストのコンテンツの配信方法の変更は、コンテンツの再生途中から行うのではなく、コンテンツの先頭から行うとともに、フラグが「1(ユニキャストに変更必要)」であって、そのコンテンツのマルチキャストを受信しているユーザがいなくなった時点で、配信方法指示部115によって配信サーバ20に通知される。
【0053】
配信要求数DB132は、図4に示すように、コンテンツID、所定時間あたりの配信要求の数(周期)、および配信要求の累積数を関連付けて記憶している(適宜、図2参照)。なお、図4のコンテンツIDは、図3と同じコンテンツIDを表している。
所定時間あたりの配信要求の数(周期)は、第1の集計部112によって集計された集計数を時系列として記憶している。現在の周期をnとし、1周期前をn−1、2周期前をn−2として表している。なお、図4では、2周期前のn−2までしか記載していないが、さらに過去の集計数を記憶しても構わない。
配信要求の累積数は、第2の集計部113によって集計された集計数を表す。
【0054】
ランキングDB133は、図5に示すように、コンテンツID、ランキングの順位(期間)、ランキング上昇分(差分)、およびマルチキャストに変更する優先順位を関連付けて記憶している。なお、図5のコンテンツIDは、図3と同じコンテンツIDを表している。すなわち、コンテンツID=0002,0004がユニキャスト配信中である。
【0055】
ランキングの順位(期間)は、現在を期間mとし、1期前の期間をm−1、2期前の期間をm−2として、その期間のランキングの順位を表している。なお、図5では、2期前のm−2までしか記載していないが、さらに過去のランキングの順位を記憶しても構わない。
ランキング上昇分(差分)は、現在mのランキングの順位を1期前のm−1のときのランキングの順位から減算して差分を算出したものである。
マルチキャストに変更する優先順位は、前記現在のランキングの順位および前記差分の大きさに基づいて、順位付けしたものである。図5では、コンテンツID=0002,0004がユニキャスト配信中であるので、ユニキャスト配信中のコンテンツの間で、順位付けが行われる。
【0056】
履歴情報DB134は、図6に示すように、コンテンツID、マルチキャスト配信した端末数(平均値)、マルチキャスト提供時間(平均値)、およびマルチキャスト回数を関連付けて、過去の履歴情報として記憶している。なお、図6のコンテンツIDは、図3と同じコンテンツIDを表している。履歴情報DB134は、前記したように、マルチキャスト配信した端末数(平均値)、マルチキャスト提供時間(平均値)、およびマルチキャスト回数のいずれかが所定の条件を満たさない場合、その所定の条件を満たさないコンテンツの配信方法をユニキャスト(第2の配信方法)に決定するために参照される。
【0057】
マルチキャストユーザ数DB135は、図7に示すように、コンテンツIDとIGMPテーブルへの登録数とを関連付けて記憶している(適宜、図2参照)。なお、図7のコンテンツIDは、図3と同じコンテンツIDを表している。すなわち、コンテンツID=0001,0003がマルチキャスト配信中である。
マルチキャストユーザ数DB135は、マルチキャスト監視部116によって、ルータのIGMPテーブルから取得された登録数が記憶される。
【0058】
(配信サーバ)
次に、配信サーバ20の構成例について、図8を用いて説明する。配信サーバ20は、処理部21、通信部22、および記憶部23を備える。処理部21は、コンピュータのCPUとメインメモリとで構成され、記憶部23に記憶されているアプリケーションプログラムをメインメモリに展開して、マルチキャスト配信部211およびユニキャスト配信部212を具現化する。また、処理部21は、通信部22および記憶部23の制御を司る。
【0059】
記憶部23は、コンテンツDB231を記憶している。
コンテンツDB231は、図9に示すように、コンテンツIDと配信方法とを関連付けて記憶している。なお、コンテンツDB231の配信方法には、コンテンツ配信制御装置10から受信した配信方法が記憶される。
マルチキャスト配信部211は、コンテンツDB231を参照し、マルチキャストを配信方法とするコンテンツを、IGMPテーブルに登録されている端末30へ配信する。なお、マルチキャストの配信は、コンテンツの再生途中から行うのではなく、コンテンツの先頭から行う。したがって、コンテンツの配信方法をコンテンツ配信の途中で切り替えることがないため、安定した品質でコンテンツを配信することができるとともに、端末30で用いられるアプリケーションにおいて、配信方式の切り替え時の再生信号が不連続にならないようにするための複雑な再生処理が不要となる。
ユニキャスト配信部212は、コンテンツDB231を参照し、ユニキャストを配信方法とするコンテンツを、配信サーバ20へ接続してきた端末30へ配信する。
【0060】
(コンテンツ配信制御装置における処理フロー)
次に、コンテンツ配信制御装置10における処理フローの一例について、図10〜13を用いて説明する(適宜、図2参照)。図10は、前記した第1の処理について示している。図11は、前記した第2の処理の中で、配信要求の累積数を用いる場合について示している。図12は、前記した第2の処理の中で、評価値を用いる場合について示している。図13は、前記した第3の処理について示している。なお、図10〜13において、同じ処理を実行するステップには、同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
図10に示す、ステップS1001では、受信部122は、端末30からコンテンツの配信要求を受信する。
ステップS1002では、第1の集計部112および第2の集計部113は、コンテンツごとに配信要求の数を集計する。そして、第1の集計部112および第2の集計部113は、集計数を配信要求数DB132に記憶する。
ステップS1003では、配信方法決定部111は、配信要求数DB132を参照し、第1の集計部112によって集計された所定時間あたりの配信要求の数を用いて、その所定時間あたりの配信要求の数の大きい順にユニキャスト配信しているコンテンツを順位付けする。
【0062】
ステップS1004では、配信方法決定部111は、履歴情報DB134を参照し、所定の条件を満たさないコンテンツを、ステップS1003において順位付けしたユニキャスト配信しているコンテンツの中から除外する。
ステップS1005では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数が、ステップS1004処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数より小さいか否かを判定する。
【0063】
マルチキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数がステップS1004処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数以上と判定した場合(ステップS1005でNO)、処理はステップS1001へ戻る。
マルチキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数がステップS1004処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの所定時間あたりの配信要求の数より小さいと判定した場合(ステップS1005でYES)、ステップS1006では、配信方法決定部111は、ステップS1005でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいるか否かを判定する。具体的には、配信方法決定部111は、マルチキャストユーザ数DB135を参照し、IGMPテーブルへの登録数が「0」となっているか否かを判定する。なお、IGMPテーブルへの登録数が「0」であれば、ユーザがいないことを表し、IGMPテーブルへの登録数が「0」でなければ、ユーザがいることを表している。
【0064】
ステップS1005でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいると判定した場合(ステップS1006でYES)、処理はステップS1001へ戻る。
ステップS1005でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいないと判定した場合(ステップS1006でNO)、ステップS1007では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信するコンテンツを変更する。具体的には、配信方法決定部111は、ステップS1006でNOに該当するコンテンツのマルチキャスト配信を停止し、ステップS1005でYESに該当するユニキャストのコンテンツの配信方法をマルチキャストに変更するように決定する。
【0065】
ステップS1008では、配信方法決定部111は、配信方法DB131の配信中の配信方法を更新する。また、配信方法決定部111は、変更する配信方法を示す情報を配信サーバ20に送信する。そして、処理はステップS1001へ戻る。
【0066】
次に、図11に示す処理フローにおいて、図10の処理フローと異なる、ステップS1101〜S1105について以下に説明する。
ステップS1101では、配信方法決定部111は、配信要求数DB132を参照し、第2の集計部113によって集計された配信要求の累積数を用いて、その配信要求の累積数の大きい順にユニキャスト配信しているコンテンツを順位付けする。
【0067】
ステップS1102では、配信方法決定部111は、履歴情報DB134を参照し、所定の条件を満たさないコンテンツを、ステップS1101において順位付けしたユニキャスト配信しているコンテンツの中から除外する。
ステップS1103では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数が、ステップS1102処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数より小さいか否かを判定する。
【0068】
マルチキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数がステップS1102処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数以上と判定した場合(ステップS1103でNO)、処理はステップS1001へ戻る。
マルチキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数がステップS1102処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの配信要求の累積数より小さいと判定した場合(ステップS1103でYES)、ステップS1104では、配信方法決定部111は、ステップS1103でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいるか否かを判定する。具体的には、配信方法決定部111は、マルチキャストユーザ数DB135を参照し、IGMPテーブルへの登録数が「0」となっているか否かを判定する。なお、IGMPテーブルへの登録数が「0」であれば、ユーザがいないことを表し、IGMPテーブルへの登録数が「0」でなければ、ユーザがいることを表している。
【0069】
ステップS1103でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいると判定した場合(ステップS1104でYES)、処理はステップS1001へ戻る。
ステップS1103でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいないと判定した場合(ステップS1104でNO)、ステップS1105では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信するコンテンツを変更する。具体的には、配信方法決定部111は、ステップS1104でNOに該当するコンテンツのマルチキャスト配信を停止し、ステップS1103でYESに該当するユニキャストのコンテンツの配信方法をマルチキャストに変更するように決定する。
【0070】
次に、図12に示す処理フローにおいて、図10の処理フローと異なる、ステップS1201〜S1205について以下に説明する。
ステップS1201では、配信方法決定部111は、配信要求数DB132を参照し、所定時間あたりの配信要求の数および配信要求の累積数の双方を用いて算出される評価値の大小に基づいて、ユニキャスト配信しているコンテンツを順位付けする。
【0071】
ステップS1202では、配信方法決定部111は、履歴情報DB134を参照し、所定の条件を満たさないコンテンツを、ステップS1201において順位付けしたユニキャスト配信しているコンテンツの中から除外する。
ステップS1203では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信しているコンテンツの評価値が、ステップS1202処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの評価値より小さいか否かを判定する。
【0072】
マルチキャスト配信しているコンテンツの評価値がステップS1202処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの評価値以上と判定した場合(ステップS1203でNO)、処理はステップS1001へ戻る。
マルチキャスト配信しているコンテンツの評価値がステップS1202処理後のユニキャスト配信しているコンテンツの評価値より小さいと判定した場合(ステップS1203でYES)、ステップS1204では、配信方法決定部111は、ステップS1203でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいるか否かを判定する。具体的には、配信方法決定部111は、マルチキャストユーザ数DB135を参照し、IGMPテーブルへの登録数が「0」となっているか否かを判定する。なお、IGMPテーブルへの登録数が「0」であれば、ユーザがいないことを表し、IGMPテーブルへの登録数が「0」でなければ、ユーザがいることを表している。
【0073】
ステップS1203でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいると判定した場合(ステップS1204でYES)、処理はステップS1001へ戻る。
ステップS1203でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいないと判定した場合(ステップS1204でNO)、ステップS1205では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信するコンテンツを変更する。具体的には、配信方法決定部111は、ステップS1204でNOに該当するコンテンツのマルチキャスト配信を停止し、ステップS1203でYESに該当するユニキャストのコンテンツの配信方法をマルチキャストに変更するように決定する。
【0074】
次に、図13に示す処理フローにおいて、図10の処理フローと異なる、ステップS1301〜S1305について以下に説明する。
ステップS1301では、配信方法決定部111は、配信要求数DB132を参照し、所定時間あたりの配信要求の数および配信要求の累積数の双方を用いて算出される評価値の大小に基づいて、ランキングによる順位付けを行い、所定期間ごとに、現在のランキング順位を1つ前の所定期間のときのランキングの順位から減算して差分を算出し、現在のランキングの順位および前記差分に基づいて、ユニキャスト配信しているコンテンツを順位付けする。なお、現在のランキングの順位が同じ場合には、前記差分の大きい方を、上位とする。
【0075】
ステップS1302では、配信方法決定部111は、履歴情報DB134を参照し、所定の条件を満たさないコンテンツを、ステップS1301において順位付けしたユニキャスト配信しているコンテンツの中から除外する。
ステップS1303では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位が、ステップS1302処理後のユニキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位より小さいか否かを判定する。
【0076】
マルチキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位がステップS1302処理後のユニキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位以上と判定した場合(ステップS1303でNO)、処理はステップS1001へ戻る。
マルチキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位がステップS1302処理後のユニキャスト配信しているコンテンツのランキングの順位より小さいと判定した場合(ステップS1303でYES)、ステップS1304では、配信方法決定部111は、ステップS1303でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいるか否かを判定する。具体的には、配信方法決定部111は、マルチキャストユーザ数DB135を参照し、IGMPテーブルへの登録数が「0」となっているか否かを判定する。なお、IGMPテーブルへの登録数が「0」であれば、ユーザがいないことを表し、IGMPテーブルへの登録数が「0」でなければ、ユーザがいることを表している。
【0077】
ステップS1303でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいると判定した場合(ステップS1304でYES)、処理はステップS1001へ戻る。
ステップS1303でYESに該当のマルチキャスト配信しているコンテンツのユーザがいないと判定した場合(ステップS1304でNO)、ステップS1305では、配信方法決定部111は、マルチキャスト配信するコンテンツを変更する。具体的には、配信方法決定部111は、ステップS1304でNOに該当するコンテンツのマルチキャスト配信を停止し、ステップS1303でYESに該当するユニキャストのコンテンツの配信方法をマルチキャストに変更するように決定する。
【0078】
以上、本実施形態におけるコンテンツ配信制御装置10は、コンテンツに対する配信要求の数に基づいて、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のあるマルチキャスト(第1の配信方法)およびマルチキャスト(第1の配信方法)に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きいユニキャスト(第2の配信方法)のいずれかを決定することができる。そのため、コンテンツに対する配信要求の数の増減トレンドを考慮して、マルチキャスト(第1の配信方法)で配信するコンテンツを決定することによって、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。また、コンテンツの配信方法をコンテンツ配信の途中で切り替えることがないため、安定した品質でコンテンツを配信することができるとともに、端末で用いられるアプリケーションにおいて、配信方式の切り替え時の再生信号が不連続にならないようにするための複雑な再生処理が不要となる。また、コンテンツ配信制御装置10は、過去の履歴情報において所定の条件を満たさないコンテンツに対して、マルチキャスト(第1の配信方法)を無駄に割り当てないようにすることができるので、ネットワーク全体のリソースを効率的に使用することができる。
【0079】
なお、ステップS1005,S1103,S1203,S1303における比較判定に用いるユニキャスト配信のコンテンツの数は、順位の上位から、多くとも、マルチキャスト配信の所定数と同数であれば良い。
また、コンテンツ配信制御装置10は、サーバ機能を備えていても構わない。
【0080】
また、コンテンツ配信制御装置10は、配信サーバ20を含む構成としても構わない。
また、コンテンツ配信制御装置10は、ステップS1003〜S1007の処理、ステップS1101〜S1105の処理、ステップS1201〜S1205の処理、ステップS1301〜S1305の処理、のいずれか1つまたはそれらの処理の組み合わせを実行する構成を備えても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 コンテンツ配信システム
10 コンテンツ配信制御装置
11 処理部
12 通信部
13 記憶部
20 配信サーバ
21 処理部
22 通信部
23 記憶部
30,30a,30b 端末
111 配信方法決定部
112 第1の集計部
113 第2の集計部
114 接続先通知部
115 配信方法指示部
116 マルチキャスト監視部
121 送信部
122 受信部
131 配信方法DB(配信方法情報)
132 配信要求数DB
133 ランキングDB
134 履歴情報DB(履歴情報)
135 マルチキャストユーザ数DB
211 マルチキャスト配信部
212 ユニキャスト配信部
231 コンテンツDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信制御装置から受信したコンテンツの配信方法を示す情報に基づいて前記コンテンツを配信する配信サーバと通信可能に接続される前記コンテンツ配信制御装置であって、
前記コンテンツとそのコンテンツの配信方法とを関連付けた配信方法情報を記憶している記憶部と、
ユーザの使用する端末から前記コンテンツの配信要求を受信する受信部と、
前記コンテンツに対する前記配信要求の数に基づいて、そのコンテンツの配信方法として、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法および前記第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法のいずれかを決定し、前記決定したコンテンツの配信方法で前記配信方法情報を更新する配信方法決定部と、
決定した前記コンテンツの配信方法を示す情報を前記配信サーバに送信する送信部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信制御装置。
【請求項2】
前記配信要求の数をコンテンツごとに集計する第1の集計部を備え、
前記配信方法決定部は、
前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの所定時間あたりの前記配信要求の数と、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数との間で、前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大小を比較し、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数が、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数より小さいと判定した場合、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第1の配信方法を停止し、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第2の配信方法を前記第1の配信方法に変更するように決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項3】
所定時間あたりの前記配信要求の数をコンテンツごとに集計する第1の集計部と、前記コンテンツの配信要求の数をコンテンツごとに累積して集計する第2の集計部と、を備え、
前記配信方法決定部は、
前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大きいコンテンツから順に、予め決められている所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第1の処理、
前記第2の集計部の集計数の大きい順、または前記第1の集計部の集計数および前記第2の集計部の集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第2の処理、
または、
前記第1の集計部の集計数および前記第2の集計部の集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、ランキングによる順位付けを行い、所定期間ごとに、現在のランキングの順位を1つ前の前記所定期間のときのランキングの順位から減算して差分を算出し、前記現在のランキングの高い順および前記差分の大きい順に応じて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第3の処理、
を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記コンテンツ、前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数を関連付けて履歴情報として記憶しており、
前記配信方法決定部は、
前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数のいずれかが所定の条件を満たさない場合、その所定の条件を満たさないコンテンツの前記配信方法を前記第2の配信方法に決定する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項5】
コンテンツ配信制御装置から受信したコンテンツの配信方法を示す情報に基づいて前記コンテンツを配信する配信サーバと通信可能に接続される前記コンテンツ配信制御装置におけるコンテンツ配信制御方法であって、
前記コンテンツ配信制御装置は、
前記コンテンツとそのコンテンツの配信方法とを関連付けた配信方法情報を記憶している記憶部と処理部とを備え、
前記処理部は、
ユーザの使用する端末から前記コンテンツの配信要求を受信するステップ、
前記コンテンツに対する前記配信要求の数に基づいて、そのコンテンツの配信方法として、配信に使用するネットワークリソースが小さく配信数に制約のある第1の配信方法および前記第1の配信方法に比較して配信に使用するネットワークリソースの大きい第2の配信方法のいずれかを決定し、前記決定したコンテンツの配信方法で前記配信方法情報を更新するステップ、
決定した前記コンテンツの配信方法を示す情報を前記配信サーバに送信するステップ、
を実行することを特徴とするコンテンツ配信制御方法。
【請求項6】
前記処理部は、
前記配信要求の数をコンテンツごとに集計するステップ、
前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの所定時間あたりの前記配信要求の数と、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数との間で、前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大小を比較し、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数が、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツの前記所定時間あたりの前記配信要求の数より小さいと判定した場合、前記第1の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第1の配信方法を停止し、前記第2の配信方法に決定した前記コンテンツに対する前記第2の配信方法を前記第1の配信方法に変更するように決定するステップ、
を実行することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ配信制御方法。
【請求項7】
前記処理部は、
所定時間あたりの前記配信要求の数をコンテンツごとに集計する第1の集計ステップと、前記コンテンツの配信要求の数をコンテンツごとに累積して集計する第2の集計ステップと、を実行するとともに、
前記所定時間あたりの前記配信要求の数の大きいコンテンツから順に、予め決められている所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第1の処理ステップ、
前記第2の集計ステップの集計数の大きい順、または前記第1の集計ステップの集計数および前記第2の集計ステップの集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第2の処理ステップ、
または、
前記第1の集計ステップの集計数および前記第2の集計ステップの集計数の双方の前記集計数を所定の式に適用して算出される評価値の大小に基づいて、ランキングによる順位付けを行い、所定期間ごとに、現在のランキングの順位を1つ前の前記所定期間のときのランキングの順位から減算して差分を算出し、前記現在のランキングの高い順および前記差分の大きい順に応じて、前記所定数分について前記配信方法を前記第1の配信方法に決定する第3の処理ステップ、
を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ配信制御方法。
【請求項8】
前記コンテンツ配信制御装置は、
前記記憶部に、前記コンテンツ、前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数を関連付けて履歴情報として記憶しており、
前記処理部は、
前記第1の配信方法で配信した時に配信した前記端末数、前記第1の配信方法で配信したコンテンツの提供時間、および前記第1の配信方法で配信した回数のいずれかが所定の条件を満たさない場合、その所定の条件を満たさないコンテンツの前記配信方法を前記第2の配信方法に決定するステップ
を実行する
ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載のコンテンツ配信制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−175208(P2012−175208A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32794(P2011−32794)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】