説明

コントローラおよびコンピュータシステム

【課題】プレイヤが片手で把持した状態で操作部を操作することが容易となるコントローラおよびコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】所定のプログラムを実行するコンピュータに操作データを送信するためのコントローラである。コントローラは、ハウジングおよび操作部を備える。ハウジングは、片手で把持可能な大きさでかつ全体として細長く、その上面が長手方向に沿って湾曲している。操作部は、ハウジング上面の前方に設けられ、方向をユーザに指示させるための方向入力部を少なくとも含み、当該方向入力部に与えられた指示に応じたデータを少なくとも操作データとして出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラおよびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが両手にそれぞれコントロールユニットを把持してゲーム操作するコントローラが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたコントローラは、プレイヤの右手で把持されるRユニットと左手で把持されるLユニットとから構成される。RユニットおよびLユニットは、それぞれハウジング上面や側面に操作ボタンやスティックが配置されている。そして、RユニットおよびLユニットは物理的に連結することが可能であり、連結した場合に合体型のコントローラとして使用することができる。
【特許文献1】特開2004−313492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたコントローラは、従来のゲーム機用コントローラを左右に分離できるように構成したに過ぎない。つまり、プレイヤが左右の手にそれぞれRユニットおよびLユニットを把持した状態で操作部を操作することが難しい。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤが片手で把持した状態で操作部を操作することが容易となるコントローラおよびコンピュータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、所定のプログラムを実行するコンピュータ(30)に操作データを送信するためのコントローラ(76)である。コントローラは、ハウジング(77)および操作部(78)を備える。ハウジングは、片手で把持可能な大きさでかつ全体として細長く、その上面が長手方向に沿って湾曲している。操作部は、ハウジング上面の前方に設けられ、方向をユーザに指示させるための方向入力部を少なくとも含み、当該方向入力部に与えられた指示に応じたデータを少なくとも操作データとして出力する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、ハウジングは、前方が太く、後方が細く形成される。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明において、操作部は、少なくとも1つの第1操作ボタン部(78d、78e)をさらに含む。第1操作ボタン部は、ハウジングの前端面に設けられた少なくとも1つの操作ボタンを有し、当該第1操作ボタン部に対する操作に応じたデータを操作データとしてさらに出力する。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、方向入力部は、ユーザがハウジングを把持したとき、ユーザの親指で操作可能な上面の位置に設けられる。第1操作ボタン部は、当該方向入力部に親指を置いた状態でユーザの人指し指で操作可能な前端面の位置に設けられる。
【0011】
第5の発明は、上記第1の発明において、操作部は、第2操作ボタン部(78b、78c)を、さらに含む。第2操作ボタン部は、さらに含むハウジングの上面であって方向入力部の近傍かつ後方に設けられる。
【0012】
第6の発明は、所定のプログラムを実行するコンピュータに操作データを送信するためのコントローラである。コントローラは、ハウジング、第1操作ボタン部、および方向入力部を備える。ハウジングは、片手で把持可能な大きさでかつ全体として細長く、その上面側から見たときその長手方向の前部分が太く後部分が当該前部分よりも細く形成され、その上面が上面側に凸となるように長手方向に湾曲して形成された。第1操作ボタン部は、ハウジングの前端面に設けられ、当該ハウジングを把持したときに片手の人指し指で操作可能であり、当該操作に応じたデータを操作データとして出力する。方向入力部は、第1操作ボタン部に人指し指を置いた状態で親指で操作可能なハウジングの前部分の上面の位置に設けられ、方向をユーザに指示させ、当該指示に応じたデータを操作データとして出力する。
【0013】
第7の発明は、上記第1または第6の発明において、方向入力部は、ハウジングの上面から突出し、傾倒操作によって任意方向を指示可能に構成されたスティック(78a)である。
【0014】
第8の発明は、上記第7の発明において、ハウジングの上面には、スティックが突出するための8角形の開口部が形成される。
【0015】
第9の発明は、上記第1または第6の発明において、方向入力部は、前後左右に並んだ独立した4つの操作ボタン(78i〜78l)である。
【0016】
第10の発明は、上記第1または第6の発明において、方向入力部は、十字形状のスイッチ(78f)である。
【0017】
第11の発明は、上記第1または第6の発明において、方向入力部は、任意方向を指示可能なスライドパッドまたはタッチパッド(78h)である。
【0018】
第12の発明は、上記第1または第6の発明において、加速度センサ(701)またはジャイロセンサをさらに備える。加速度センサまたはジャイロセンサは、ハウジング内に搭載され、当該ハウジングの動きに応じたデータを出力する。操作データには、当該加速度センサまたはジャイロセンサの出力データがさらに含まれる。
【0019】
第13の発明は、上記第1または第6の発明において、受信部、スピーカ、および音声制御部を、さらに備える。受信部は、コンピュータ側から送信された送信データを受信する。音声制御部は、受信部が受信した送信データに基づいて、スピーカから音声を発生させる。
【0020】
第14の発明は、上記第1〜第13の発明の何れか1つにおけるコントローラおよびコンピュータを含む、コンピュータシステム(1)である。コンピュータは、コントローラと通信可能に接続され、当該コントローラから送信される操作データに応じた処理を行う。
【発明の効果】
【0021】
例えばユーザの親指をハウジングの上面(例えば、方向入力部付近)に添え、ユーザの人差し指をハウジングの前面に添え、ユーザの中指、薬指、および小指をハウジングの下面に添えるように、コントローラを把持することが可能となる。したがって、コントローラは、ユーザが片手で把持した状態で方向入力部を容易に操作することができる。
【0022】
また、ハウジング前端面に操作ボタンを設ける場合、ユーザの人差し指等をハウジング前端面に設けられた操作ボタンに添えることができるため、ユーザが片手で把持した状態で前端面の操作ボタンを容易に操作することができる。
【0023】
また、ハウジング内に加速度センサやジャイロセンサを内蔵する場合、ハウジングの動きによって変化するデータを出力できる。これにより、コントローラを利用するためには、ハウジングの動きによって変化する操作データが出力されるため、ユーザが片手にコントローラを把持して手自体を動かして操作するような入力を行わせることができる。また、加速度センサやジャイロセンサを利用することによって、コストを抑えることができる。
【0024】
また、受信部、スピーカ、および音声制御部をさらに備える場合、コンピュータからのデータに応じた音声がスピーカから発生するため、コントローラを持つプレイヤの手元で音声を発生させることができる。
【0025】
また、本発明のコンピュータシステムによれば、上述したコントローラと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1について説明する。なお、図1は、当該ゲームシステム1を説明するための外観図である。以下、据置型ゲーム装置を一例にして、本発明のゲームシステム1について説明する。
【0027】
図1において、当該ゲームシステム1は、家庭用テレビジョン受像機等のスピーカ2aを備えたディスプレイ(以下、モニタと記載する)2に、接続コードを介して接続される据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と記載する)3および当該ゲーム装置3に操作情報を与えるコントローラ7によって構成される。ゲーム装置3は、接続端子を介して受信ユニット6が接続される。受信ユニット6は、コントローラ7から無線送信される送信データを受信し、コントローラ7とゲーム装置3とは無線通信によって接続される。また、ゲーム装置3には、当該ゲーム装置3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例の光ディスク4が脱着される。ゲーム装置3の上部主面には、当該ゲーム装置3の電源ON/OFFスイッチ、ゲーム処理のリセットスイッチ、およびゲーム装置3上部の蓋を開くOPENスイッチが設けられている。ここで、プレイヤがOPENスイッチを押下することによって上記蓋が開き、光ディスク4の脱着が可能となる。
【0028】
また、ゲーム装置3には、セーブデータ等を固定的に記憶するバックアップメモリ等を搭載する外部メモリカード5が必要に応じて着脱自在に装着される。ゲーム装置3は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムなどを実行することによって、その結果をゲーム画像としてモニタ2に表示する。さらに、ゲーム装置3は、外部メモリカード5に記憶されたセーブデータを用いて、過去に実行されたゲーム状態を再現して、ゲーム画像をモニタ2に表示することもできる。そして、ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示されたゲーム画像を見ながら、コントローラ7を操作することによって、ゲーム進行を楽しむことができる。
【0029】
コントローラ7は、その内部に備える通信部75(後述)から受信ユニット6が接続されたゲーム装置3へ、例えばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の技術を用いて送信データを無線送信する。コントローラ7は、2つのコントロールユニット(コアユニット70およびサブユニット76)が屈曲自在な接続ケーブル79を介して互いに接続されて構成されており、主にモニタ2に表示されるゲーム空間に登場するプレイヤオブジェクトを操作するための操作手段である。コアユニット70およびサブユニット76は、それぞれ複数の操作ボタン、キー、およびスティック等の操作部が設けられている。また、後述により明らかとなるが、コアユニット70は、当該コアユニット70から見た画像を撮像するための撮像情報演算部74を備えている。また、撮像情報演算部74の撮像対象の一例として、モニタ2の表示画面近傍に2つのLEDモジュール8Lおよび8Rが設置される。これらLEDモジュール8Lおよび8Rは、それぞれモニタ2の前方に向かって赤外光を出力する。なお、本実施例では、コアユニット70とサブユニット76を屈曲自在なケーブルで接続したが、サブユニット76に無線ユニットを搭載することで、接続ケーブル79をなくすこともできる。例えば、無線ユニットとしてBluetooth(登録商標)ユニットをサブユニット76に搭載することで、サブユニット76からコアユニット70へ操作データを送信することが可能になる。
【0030】
次に、図2を参照して、ゲーム装置3の構成について説明する。なお、図2は、ゲーム装置3の機能ブロック図である。
【0031】
図2において、ゲーム装置3は、各種プログラムを実行する例えばリスク(RISC)CPU(セントラルプロセッシングユニット)30を備える。CPU30は、図示しないブートROMに記憶された起動プログラムを実行し、メインメモリ33等のメモリの初期化等を行った後、光ディスク4に記憶されているゲームプログラムの実行し、そのゲームプログラムに応じたゲーム処理等を行うものである。CPU30には、メモリコントローラ31を介して、GPU(Graphics Processing Unit)32、メインメモリ33、DSP(Digital Signal Processor)34、およびARAM(Audio RAM)35が接続される。また、メモリコントローラ31には、所定のバスを介して、コントローラI/F(インターフェース)36、ビデオI/F37、外部メモリI/F38、オーディオI/F39、およびディスクI/F41が接続され、それぞれ受信ユニット6、モニタ2、外部メモリカード5、スピーカ2a、およびディスクドライブ40が接続されている。
【0032】
GPU32は、CPU30の命令に基づいて画像処理を行うものあり、例えば、3Dグラフィックスの表示に必要な計算処理を行う半導体チップで構成される。GPU32は、図示しない画像処理専用のメモリやメインメモリ33の一部の記憶領域を用いて画像処理を行う。GPU32は、これらを用いてモニタ2に表示すべきゲーム画像データやムービ映像を生成し、適宜メモリコントローラ31およびビデオI/F37を介してモニタ2に出力する。
【0033】
メインメモリ33は、CPU30で使用される記憶領域であって、CPU30の処理に必要なゲームプログラム等を適宜記憶する。例えば、メインメモリ33は、CPU30によって光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや各種データ等を記憶する。このメインメモリ33に記憶されたゲームプログラムや各種データ等がCPU30によって実行される。
【0034】
DSP34は、ゲームプログラム実行時にCPU30において生成されるサウンドデータ等を処理するものであり、そのサウンドデータ等を記憶するためのARAM35が接続される。ARAM35は、DSP34が所定の処理(例えば、先読みしておいたゲームプログラムやサウンドデータの記憶)を行う際に用いられる。DSP34は、ARAM35に記憶されたサウンドデータを読み出し、メモリコントローラ31およびオーディオI/F39を介してモニタ2に備えるスピーカ2aに出力させる。
【0035】
メモリコントローラ31は、データ転送を統括的に制御するものであり、上述した各種I/Fが接続される。コントローラI/F36は、例えば4つのコントローラI/F36a〜36dで構成され、それらが有するコネクタを介して嵌合可能な外部機器とゲーム装置3とを通信可能に接続する。例えば、受信ユニット6は、上記コネクタと嵌合し、コントローラI/F36を介してゲーム装置3と接続される。上述したように受信ユニット6は、コントローラ7からの送信データを受信し、コントローラI/F36を介して当該送信データをCPU30へ出力する。ビデオI/F37には、モニタ2が接続される。外部メモリI/F38には、外部メモリカード5が接続され、その外部メモリカード5に設けられたバックアップメモリ等とアクセス可能となる。オーディオI/F39にはモニタ2に内蔵されるスピーカ2aが接続され、DSP34がARAM35から読み出したサウンドデータやディスクドライブ40から直接出力されるサウンドデータをスピーカ2aから出力可能に接続される。ディスクI/F41には、ディスクドライブ40が接続される。ディスクドライブ40は、所定の読み出し位置に配置された光ディスク4に記憶されたデータを読み出し、ゲーム装置3のバスやオーディオI/F39に出力する。
【0036】
次に、図3および図4を参照して、コントローラ7について説明する。なお、図3は、コントローラ7の外観構成を示す斜視図である。図4は、図3のコントローラ7の接続ケーブル79をコアユニット70から脱着する状態を示す斜視図である。
【0037】
図3において、コントローラ7は、コアユニット70とサブユニット76とが接続ケーブル79で接続されて構成されている。コアユニット70は、ハウジング71を有しており、当該ハウジング71に複数の操作部72が設けられている。一方、サブユニット76は、ハウジング77を有しており、当該ハウジング77に複数の操作部78が設けられている。そして、コアユニット70とサブユニット76とは、接続ケーブル79によって接続されている。
【0038】
図4において、接続ケーブル79の一方端にはコアユニット70のコネクタ73に着脱自在なコネクタ791が設けられており、接続ケーブル79の他方端は固定的にサブユニット76と接続されている。そして、接続ケーブル79のコネクタ791は、コアユニット70の後面に設けられたコネクタ73と嵌合し、コアユニット70とサブユニット76とが当該接続ケーブル79を介して接続される。
【0039】
図5および図6を参照して、コアユニット70について説明する。なお、図5は、コアユニット70の上面後方から見た斜視図である。図6は、コアユニット70を下面前方から見た斜視図である。
【0040】
図5および図6において、コアユニット70は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング71を有している。ハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。
【0041】
ハウジング71上面の中央前面側に、十字キー72aが設けられる。この十字キー72aは、十字型の4方向プッシュスイッチであり、矢印で示す4つの方向(前後左右)に対応する操作部分が十字の突出片にそれぞれ90°間隔で配置される。プレイヤが十字キー72aのいずれかの操作部分を押下することによって前後左右いずれかの方向を選択される。例えばプレイヤが十字キー72aを操作することによって、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタ等の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりすることができる。
【0042】
なお、十字キー72aは、上述したプレイヤの方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部であるが、他の態様の操作部でもかまわない。例えば、リング状に4方向の操作部分を備えたプッシュスイッチとその中央に設けられたセンタスイッチとを複合した複合スイッチを上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、ハウジング71上面から突出した傾倒可能なスティックを倒すことによって、傾倒方向に応じて操作信号を出力する操作部を上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。さらに、水平移動可能な円盤状部材をスライドさせることによって、当該スライド方向に応じた操作信号を出力する操作部を、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、タッチパッドを、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、少なくとも4つの方向(前後左右)をそれぞれ示すスイッチに対して、プレイヤによって押下されたスイッチに応じて操作信号を出力する操作部を上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。
【0043】
ハウジング71上面の十字キー72aより後面側に、複数の操作ボタン72b〜72gが設けられる。操作ボタン72b〜72gは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン72b〜72gに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。例えば、操作ボタン72b〜72dには、1番ボタン、2番ボタン、およびAボタン等としての機能が割り当てられる。また、操作ボタン72e〜72gには、マイナスボタン、ホームボタン、およびプラスボタン等としての機能が割り当てられる。これら操作ボタン72b〜72gは、ゲーム装置3が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの機能が割り当てられるが、本発明の説明とは直接関連しないため詳細な説明を省略する。なお、図5に示した配置例では、操作ボタン72b〜72dは、ハウジング71上面の中央前後方向に沿って並設されている。また、操作ボタン72e〜72gは、ハウジング71上面の左右方向に沿って操作ボタン72bおよび72dの間に並設されている。そして、操作ボタン72fは、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0044】
また、ハウジング71上面の十字キー72aより前面側に、操作ボタン72hが設けられる。操作ボタン72hは、遠隔からゲーム装置3本体の電源をオン/オフする電源スイッチである。この操作ボタン72hも、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0045】
また、ハウジング71上面の操作ボタン72cより後面側に、複数のLED702が設けられる。ここで、コントローラ7は、他のコントローラ7と区別するためにコントローラ種別(番号)が設けられている。例えば、LED702は、コントローラ7に現在設定されている上記コントローラ種別をプレイヤに通知するために用いられる。具体的には、コアユニット70から受信ユニット6へ送信データを送信する際、上記コントローラ種別に応じて複数のLED702のうち、種別に対応するLEDが点灯する。
【0046】
また、ハウジング71上面には、操作ボタン72bおよび操作ボタン72e〜72gの間に後述するスピーカ(図7のスピーカ706)からの音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。
【0047】
一方、ハウジング71下面には、凹部が形成されている。後述で明らかとなるが、ハウジング71下面の凹部は、プレイヤがコアユニット70を把持したときに当該プレイヤの人差し指や中指が位置するような位置に形成される。そして、上記凹部の後面側傾斜面には、操作ボタン72iが設けられる。操作ボタン72iは、例えばBボタンとして機能する操作部であり、シューティングゲームにおけるトリガスイッチや、プレイヤオブジェクトを所定オブジェクトに対して注目させる操作等に用いられる。
【0048】
また、ハウジング71前面には、撮像情報演算部74の一部を構成する撮像素子743が設けられる。ここで、撮像情報演算部74は、コアユニット70が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い場所を判別してその場所の重心位置やサイズなどを検出するためのシステムであり、例えば、最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期であるため比較的高速なコアユニット70の動きでも追跡して解析することができる。この撮像情報演算部74の詳細な構成については、後述する。また、ハウジング71の後面には、コネクタ73が設けられている。コネクタ73は、例えば32ピンのエッジコネクタであり、接続ケーブル79のコネクタ791と嵌合して接続するために利用される。
【0049】
次に、図7および図8を参照して、コアユニット70の内部構造について説明する。なお、図7は、コアユニット70の上筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を後面側から見た斜視図である。図8は、コアユニット70の下筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を前面側から見た斜視図である。ここで、図8に示す基板700は、図7に示す基板700の裏面から見た斜視図となっている。
【0050】
図7において、ハウジング71の内部には基板700が固設されており、当該基板700の上主面上に操作ボタン72a〜72h、加速度センサ701、LED702、およびアンテナ754等が設けられる。そして、これらは、基板700等に形成された配線(図示せず)によってマイコン751等(図8、図17参照)に接続される。また、図示しない無線モジュール753(図17参照)およびアンテナ754によって、コアユニット70がワイヤレスコントローラとして機能する。なお、ハウジング71内部には図示しない水晶振動子703が設けられており、後述するマイコン751の基本クロックを生成する。また、基板700の上主面上に、スピーカ706およびアンプ708が設けられる。加速度センサ701が、基盤700の中央部ではなく周辺部に設けられていることにより、コアユニット70の長手方向を軸とした回転に応じて、重力加速度の方向変化に加え、遠心力による成分の含まれる加速度を検出することができるので、所定の演算により、検出される加速度データからコアユニット70の回転を良好な感度で判定することができる。
【0051】
一方、図8において、基板700の下主面上の前端縁に撮像情報演算部74が設けられる。撮像情報演算部74は、コアユニット70の前方から順に赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744によって構成されており、それぞれ基板700の下主面に取り付けられる。また、基板700の下主面上の後端縁にコネクタ73が取り付けられる。さらに、基板700の下主面上にサウンドIC707およびマイコン751が設けられている。サウンドIC707は、基板700等に形成された配線によってマイコン751およびアンプ708と接続され、ゲーム装置3から送信されたサウンドデータに応じてアンプ708を介してスピーカ706に音声信号を出力する。そして、基板700の下主面上には、バイブレータ704が取り付けられる。このバイブレータ704は、例えば振動モータやソレノイドである。バイブレータ704が作動することによってコアユニット70に振動が発生するので、それを把持しているプレイヤの手にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。バイブレータ704は、ハウジング71のやや前方寄りに配置されるため、プレイヤが把持している状態において、ハウジング71が大きく振動することになり、振動を感じやすくなる。
【0052】
図9〜図12を参照して、サブユニット76について説明する。なお、図9は、サブユニット76の第1の例を示す斜視図である。図10は、図9のサブユニット76の上筐体(ハウジング77の一部)を外した状態を示す斜視図である。図11(a)はサブユニット76の第2の例を示す上面図であり、図11(b)はサブユニット76の第2の例を示す下面図であり、図11(c)はサブユニット76の第2の例を示す左側面図である。図12は、サブユニット76の第2の例を示す上面前方から見た斜視図である。
【0053】
図9において、サブユニット76は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング77を有している。ハウジング77は、その前後方向を長手方向とし、サブユニット76において最太部となる頭部を前方に形成した流線型の立体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。
【0054】
ハウジング77上面の上記最太部近傍に、スティック78aが設けられる。スティック78aは、ハウジング77上面から突出した傾倒可能なスティックを倒すことによって、傾倒方向に応じて操作信号を出力する操作部である。例えば、プレイヤがスティック先端を360°任意の方向に傾倒することによって任意の方向や位置を指定することができ、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタ等の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりすることができる。
【0055】
サブユニット76のハウジング77の前面に、複数の操作ボタン78dおよび78eが設けられる。操作ボタン78dおよび78eは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン78dおよび78eに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。例えば、操作ボタン78dおよび78eには、XボタンおよびYボタン等としての機能が割り当てられる。これら操作ボタン78dおよび78eは、ゲーム装置3が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの機能が割り当てられるが、本発明の説明とは直接関連しないため詳細な説明を省略する。なお、図9に示した配置例では、操作ボタン78dおよび78eは、ハウジング77前面の上下方向に沿って並設されている。
【0056】
図10において、ハウジング77の内部には基板が固設されており、当該基板の上主面上にスティック78aおよび加速度センサ761等が設けられる。そして、これらは、基板等に形成された配線(図示せず)を介して接続ケーブル79と接続されている。
【0057】
図11および図12において、第2の例のサブユニット76は、第1の例と同様のハウジング77、スティック78a、操作ボタン78dおよび78eを有しており、さらにハウジング77上面に操作ボタン78bおよび78cを設けた態様である。
【0058】
サブユニット76の第2の例では、ハウジング77上面のスティック78aより後面側に、複数の操作ボタン78bおよび78cが設けられる。操作ボタン78bおよび78cは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン78bおよび78cに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。これら操作ボタン78bおよび78cも、ゲーム装置3が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの機能が割り当てられるが、本発明の説明とは直接関連しないため詳細な説明を省略する。なお、図11および図12に示した配置例では、操作ボタン78bおよび78cは、ハウジング77上面の中央左右方向に沿って並設されている。
【0059】
なお、スティック78aは、上述したプレイヤの方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部であるが、他の態様の操作部でもかまわない。以下、図13〜図16を参照して、方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部が第2の例のサブユニット76に設けられた第1〜第5の変形例を説明する。
【0060】
第1の変形例として、図13に示すように、コアユニット70に設けられている十字キー72aと同様の十字キー78fを、上記スティック78aの代わりにサブユニット76に設けてもかまわない。第2の変形例として、図14に示すように、水平移動可能な円盤状部材をスライドさせることによって、当該スライド方向に応じた操作信号を出力するスライドパッド78gを、上記スティック78aの代わりにサブユニット76に設けてもかまわない。第3の変形例として、図15に示すように、タッチパッド78hを、上記スティック78aの代わりにサブユニット76に設けてもかまわない。第4の変形例として、図16に示すように、少なくとも4つの方向(前後左右)をそれぞれ示すボタン78i〜78lを設け、プレイヤによって押下されたボタン78i〜78lに応じて操作信号を出力する操作部を上記スティック78aの代わりにサブユニット76に設けてもかまわない。第5の変形例として、リング状に4方向の操作部分を備えたプッシュスイッチとその中央に設けられたセンタスイッチとを複合した複合スイッチを上記スティック78aの代わりにサブユニット76に設けてもかまわない。
【0061】
次に、図17を参照して、コントローラ7の内部構成について説明する。なお、図17は、コントローラ7の構成を示すブロック図である。
【0062】
図17において、コアユニット70は、上述した操作部72、撮像情報演算部74、加速度センサ701、スピーカ706、サウンドIC707、およびアンプ708の他に、その内部に通信部75を備えている。また、サブユニット78は、上述した操作部78および加速度センサ761を備えており、接続ケーブル79とコネクタ791および73とを介して、マイコン751と接続されている。
【0063】
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コアユニット70の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ出射する。撮像素子743は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を撮像する。したがって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。撮像素子743で生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。具体的には、画像処理回路744は、撮像素子743から得られた画像データを処理して高輝度部分を検知し、それらの位置座標や面積を検出した結果を示す処理結果データを通信部75へ出力する。なお、これらの撮像情報演算部74は、コアユニット70のハウジング71に固設されており、ハウジング71自体の方向を変えることによってその撮像方向を変更することができる。しかしながら、ハウジング71は、サブユニット76とは屈曲自在な接続ケーブル79によって接続されているため、サブユニット76の方向や位置を変更しても撮像情報演算部74の撮像方向が変化することはない。後述により明らかとなるが、この撮像情報演算部74から出力される処理結果データに基づいて、コアユニット70の位置や動きに応じた信号を得ることができる。
【0064】
コアユニット70は、3軸の加速度センサ701を備えていることが好ましい。また、サブユニット76は、3軸の加速度センサ761を備えていることが好ましい。この3軸の加速度センサ701および761は、それぞれ3方向、すなわち、上下方向、左右方向、および前後方向で直線加速度を検知する。また、他の実施形態においては、ゲーム処理に用いる制御信号の種類によっては、上下および左右方向(または他の対になった方向)のそれぞれに沿った直線加速度のみを検知する2軸の加速度検出手段を使用してもよい。例えば、この3軸または2軸の加速度センサ701および761は、アナログ・デバイセズ株式会社(Analog Devices, Inc.)またはSTマイクロエレクトロニクス社(STMicroelectronics N.V.)から入手可能であるタイプのものでもよい。加速度センサ701および761は、シリコン微細加工されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電子機械システム)の技術に基づいた静電容量式(静電容量結合式)であることが好ましい。しかしながら、既存の加速度検出手段の技術(例えば、圧電方式や圧電抵抗方式)あるいは将来開発される他の適切な技術を用いて3軸または2軸の加速度センサ701および761が提供されてもよい。
【0065】
当業者には公知であるように、加速度センサ701および761に用いられるような加速度検出手段は、加速度センサの持つ各軸に対応する直線に沿った加速度(直線加速度)のみを検知することができる。つまり、加速度センサ701および761からの直接の出力は、その2軸または3軸のそれぞれに沿った直線加速度(静的または動的)を示す信号である。このため、加速度センサ701および761は、非直線状(例えば、円弧状)の経路に沿った動き、回転、回転運動、角変位、傾斜、位置、または姿勢等の物理特性を直接検知することはできない。
【0066】
しかしながら、加速度センサ701および761からそれぞれ出力される加速度の信号に対して追加の処理を行うことによって、コアユニット70およびサブユニット76に関するさらなる情報をそれぞれ推測または算出することができることは、当業者であれば本明細書の説明から容易に理解できるであろう。例えば、静的な加速度(重力加速度)が検知されると、加速度センサ701および761からの出力を用いて、傾斜角度と検知された加速度とを用いた演算によって重力ベクトルに対する対象(コアユニット70またはサブユニット76)の傾きをそれぞれ推測することができる。このように、加速度センサ701および761をマイコン751(または他のプロセッサ)と組み合わせて用いることによって、コアユニット70およびサブユニット76の傾き、姿勢または位置を決定することができる。同様に、加速度センサ701を備えるコアユニット70または加速度センサ761を備えるサブユニット76が、ここで説明されているように、例えばユーザの手で動的に加速されてそれぞれ動かされる場合に、加速度センサ701および761によって生成される加速度信号をそれぞれ処理することによって、コアユニット70およびサブユニット76のさまざまな動きおよび/または位置をそれぞれ算出または推測することができる。他の実施例では、加速度センサ701および761は、信号をマイコン751に出力する前に内蔵の加速度検出手段から出力される加速度信号に対して所望の処理を行うための、組込み式の信号処理装置または他の種類の専用の処理装置をそれぞれ備えていてもよい。例えば、組込み式または専用の処理装置は、加速度センサが静的な加速度(例えば、重力加速度)を検出するためのものである場合、検知された加速度信号をそれに相当する傾斜角に変換するものであってもよい。加速度センサ701および761でそれぞれ検知された加速度を示すデータは通信部75に出力される。
【0067】
他の実施形態の例では、加速度センサ701および761の代わりに、少なくとも一方を回転素子または振動素子などを内蔵したジャイロセンサを用いてもよい。この実施形態で使用されるMEMSジャイロセンサの一例として、アナログ・デバイセズ株式会社から入手可能なものがある。加速度センサ701および761と異なり、ジャイロセンサは、それが内蔵する少なくとも一つのジャイロ素子の軸を中心とした回転(または角速度)を直接検知することができる。このように、ジャイロセンサと加速度センサとは基本的に異なるので、個々の用途のためにいずれの装置が選択されるかによって、これらの装置からの出力信号に対して行う処理を適宜変更する必要がある。
【0068】
具体的には、加速度センサの代わりにジャイロセンサを用いて傾きや姿勢を算出する場合には、大幅な変更を行う。すなわち、ジャイロセンサを用いる場合、検出開始の状態において傾きの値を初期化する。そして、当該ジャイロセンサから出力される角速度データを積分する。次に、初期化された傾きの値からの傾きの変化量を算出する。この場合、算出される傾きは、角度に対応する値が算出されることになる。一方、加速度センサによって傾きを算出する場合には、重力加速度のそれぞれの軸に関する成分の値を、所定の基準と比較することによって傾きを算出するので、算出される傾きはベクトルで表すことが可能であり、初期化を行わずとも、加速度検出手段を用いて検出される絶対的な方向を検出することが可能である。また、傾きとして算出される値の性質は、ジャイロセンサが用いられる場合には角度であるのに対して、加速度センサが用いられる場合にはベクトルであるという違いがある。したがって、加速度センサに代えてジャイロセンサが用いられる場合、当該傾きのデータに対して、2つのデバイスの違いを考慮した所定の変換を行う必要がある。加速度検出手段とジャイロスコープとの基本的な差異と同様にジャイロスコープの特性は当業者に公知であるので、本明細書ではさらなる詳細を省略する。ジャイロセンサは、回転を直接検知できることによる利点を有する一方、一般的には、加速度センサは、本実施形態で用いるようなコントローラに適用される場合、ジャイロセンサに比べて費用効率が良いという利点を有する。
【0069】
通信部75は、マイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理の際にメモリ752を記憶領域として用いながら、送信データを無線送信する無線モジュール753を制御する。また、マイコン751は、アンテナ754を介して無線モジュール753が受信したゲーム装置3からのデータに応じて、サウンドIC707およびバイブレータ704の動作を制御する。サウンドIC707は、通信部75を介してゲーム装置3から送信されたサウンドデータ等を処理する。
【0070】
コアユニット70に設けられた操作部72からの操作信号(コアキーデータ)、加速度センサ701からの加速度信号(コア加速度データ)、および撮像情報演算部74からの処理結果データは、マイコン751に出力される。また、接続ケーブル79を介して、サブユニット76に設けられた操作部78からの操作信号(サブキーデータ)および加速度センサ761からの加速度信号(サブ加速度データ)は、マイコン751に出力される。マイコン751は、入力した各データ(コアキーデータ、サブキーデータ、コア加速度データ、サブ加速度データ、処理結果データ)を受信ユニット6へ送信する送信データとして一時的にメモリ752に格納する。ここで、通信部75から受信ユニット6への無線送信は、所定の周期毎に行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として行われることが一般的であるので、それよりも短い周期でデータを収集して送信を行うことが必要となる。具体的には、ゲームの処理単位は16.7ms(1/60秒)であり、ブルートゥース(Bluetooth;登録商標)で構成される通信部75の送信間隔は5msである。マイコン751は、受信ユニット6への送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている送信データを一連の操作情報として出力し、無線モジュール753へ出力する。そして、無線モジュール753は、例えばブルートゥース(登録商標)の技術に基づいて、所定周波数の搬送波を用いて操作情報で変調し、その微弱電波信号をアンテナ754から放射する。つまり、コアユニット70に設けられた操作部72からのコアキーデータ、サブユニット76に設けられた操作部78からのサブキーデータ、コアユニット70に設けられた加速度センサ701からのコア加速度データ、サブユニット76に設けられた加速度センサ761からのサブ加速度データ、および撮像情報演算部74からの処理結果データは、無線モジュール753で微弱電波信号に変調されてコアユニット70から放射される。そして、ゲーム装置3の受信ユニット6でその微弱電波信号を受信し、ゲーム装置3で当該微弱電波信号を復調や復号することによって、一連の操作情報(コアキーデータ、サブキーデータ、コア加速度データ、サブ加速度データ、および処理結果データ)を取得することができる。そして、ゲーム装置3のCPU30は、取得した操作情報とゲームプログラムとに基づいて、ゲーム処理を行う。なお、Bluetooth(登録商標)の技術を用いて通信部75を構成する場合、通信部75は、他のデバイスから無線送信された送信データを受信する機能も備えることができる。
【0071】
図18に示すように、ゲームシステム1でコントローラ7を用いてゲームをプレイするためには、プレイヤは、一方の手(例えば右手)でコアユニット70を把持し(図19および図20参照)、他方の手(例えば左手)でサブユニット76を把持する(図22参照)。そして、プレイヤは、コアユニット70の前面(撮像情報演算部74が撮像する光の入射口側)がモニタ2に向くようにコアユニット70を把持する。一方、モニタ2の表示画面近傍には、2つのLEDモジュール8Lおよび8Rが設置される。これらLEDモジュール8Lおよび8Rは、それぞれモニタ2の前方に向かって赤外光を出力する。
【0072】
プレイヤがその前面がモニタ2に向くようにコアユニット70を把持することによって、撮像情報演算部74には2つのLEDモジュール8Lおよび8Rが出力した赤外光が入射する。そして、赤外線フィルタ741およびレンズ742を介して、入射した赤外光を撮像素子743が撮像し、当該撮像画像を画像処理回路744が処理する。ここで、撮像情報演算部74では、LEDモジュール8Lおよび8Rから出力される赤外線成分を検出することで、当該LEDモジュール8Lおよび8Rの位置や面積情報を取得する。具体的には、撮像情報演算部74は、撮像素子743が撮像した画像データを解析して、面積情報からLEDモジュール8Lおよび8Rからの赤外光ではあり得ない画像を除外し、輝度が高い位置をLEDモジュール8Lおよび8Rそれぞれの位置として判別する。そして、撮像情報演算部74は、判別されたそれらの位置座標やそれらの重心座標等を取得し、上記処理結果データとして出力する。このような処理結果データをゲーム装置3へ送信することによって、ゲーム装置3では、上記位置座標や重心座標に基づいて、LEDモジュール8Lおよび8Rに対する撮像情報演算部74すなわちコアユニット70の動き、姿勢、位置等に関連のある操作信号を得ることができる。具体的には、コアユニット70が動かされることによって、通信部75から送信される画像内の高輝度点の位置が変化するため、高輝度点の位置の変化に対応させた方向入力や座標入力を行うことで、コアユニット70の移動方向に沿った方向入力や座標入力を行うことができる。
【0073】
このように、コアユニット70の撮像情報演算部74によって固定的に設置されたマーカ(実施例では、2つのLEDモジュール8Lおよび8Rからの赤外光)を撮像することによって、ゲーム装置3におけるゲーム処理において、コアユニット70の動き、姿勢、位置等に関連した処理結果データを用いることが可能となり、ボタンを押下するような操作ボタンや操作キーとは異なったより直感的な操作入力となる。また、上述したように上記マーカは、モニタ2の表示画面近傍に設置されているため、マーカに対する位置をモニタ2の表示画面に対するコアユニット70の動き、姿勢、位置等に換算することも容易に行うことができる。つまり、コアユニット70の動き、姿勢、位置等による処理結果データは、モニタ2の表示画面に直接作用する操作入力として用いることができる。
【0074】
図19および図20を参照して、プレイヤがコアユニット70を一方の手で把持した状態について説明する。なお、図19は、プレイヤがコアユニット70を右手で把持した状態をコアユニット70の前面側から見た一例である。図20は、プレイヤがコアユニット70を右手で把持した状態をコアユニット70の左側面側から見た一例である。
【0075】
図19および図20に示すように、コアユニット70は、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。そして、プレイヤの親指をコアユニット70の上面(例えば、十字キー72a付近)に添え、プレイヤの人差し指をコアユニット70下面の凹部(例えば、操作ボタン72i付近)に添えたとき、コアユニット70の前面に設けられている撮像情報演算部74の光入射口がプレイヤの前方方向に露出する。なお、このようなコアユニット70に対する把持状態は、プレイヤの左手であっても同様に行えることは言うまでもない。
【0076】
このように、コアユニット70は、プレイヤが片手で把持した状態で十字キー72aや操作ボタン72i等の操作部72を容易に操作することができる。さらに、プレイヤがコアユニット70を片手で把持したとき、当該コアユニット70の前面に設けられている撮像情報演算部74の光入射口が露出するため、上述した2つのLEDモジュール8Lおよび8Rからの赤外光を容易に当該光入射口から取り入れることができる。つまり、プレイヤは、撮像情報演算部74の機能を阻害することなくコアユニット70を片手で把持することができる。つまり、プレイヤがコアユニット70を把持した手を表示画面に対して動かすことによって、コアユニット70は、プレイヤの手の運動が表示画面に直接的に作用する操作入力をさらに備えることができる。
【0077】
ここで、図21に示すように、LEDモジュール8Lおよび8Rは、それぞれ視野角θ1を有している。また、撮像素子743は、視野角θ2を有している。例えば、LEDモジュール8Lおよび8Rの視野角θ1は共に34°(半値角)であり、撮像素子743の視野角θ2は41°である。そして、撮像素子743の視野角θ2の中にLEDモジュール8Lおよび8Rが共に存在し、LEDモジュール8Lの視野角θ1の中でかつLEDモジュール8Rの視野角θ1の中に撮像素子743が存在するとき、ゲーム装置3は、2つのLEDモジュール8Lおよび8Rによる高輝度点に関する位置データを用いてコアユニット70の位置を判定する。
【0078】
一方、撮像素子743の視野角θ2の中に1つのLEDモジュール8Lまたは8Rだけが存在するとき、またはLEDモジュール8Lの視野角θ1およびLEDモジュール8Rの視野角θ1の何れか一方の中に撮像素子743が存在するとき、2つのLEDモジュール8Lおよび8Rの何れか一方だけによる高輝度点に関する位置データを用いてコアユニット70の位置を判定する。
【0079】
また、上述したようにコアユニット70に設けられた加速度センサ701からの出力(コア加速度データ)を用いることによって、コアユニット70の傾き、姿勢、または位置を決定することができる。つまり、プレイヤがコアユニット70を把持した手を上下左右等に動かすことによって、コアユニット70は、プレイヤの手の運動や向きに応じた操作入力手段として機能する。
【0080】
次に、図22を参照して、プレイヤがサブユニット76を一方の手で把持した状態について説明する。なお、図22は、プレイヤがサブユニット76を左手で把持した状態をサブユニット76の右側面側から見た一例である。
【0081】
図22に示すように、サブユニット76は、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。例えば、プレイヤの親指をサブユニット76の上面(例えば、スティック78a付近)に添え、プレイヤの人差し指をサブユニット76前面(例えば、操作ボタン78dおよび78e付近)に添え、プレイヤの中指、薬指、および小指をサブユニット76下面に添えるように、サブユニット76を把持することが可能である。なお、このようなサブユニット76に対する把持状態は、プレイヤの右手であっても同様に行えることは言うまでもない。このように、サブユニット76は、プレイヤが片手で把持した状態でスティック78aや操作ボタン78dおよび78e等の操作部78を容易に操作することができる。
【0082】
また、上述したようにサブユニット76に設けられた加速度センサ761からの出力(サブ加速度データ)を用いることによって、サブユニット76の傾き、姿勢、または位置を決定することができる。つまり、プレイヤがサブユニット76を把持した手を上下左右等に動かすことによって、サブユニット76は、プレイヤの手の運動や向きに応じた操作入力手段として機能する。
【0083】
ここで、上述したコントローラ7を用いてゲーム操作するゲーム例について説明する。第1の例は、コントローラ7を用いてゲーム操作するシューティングゲームである。なお、図23は、ゲーム装置3がシューティングゲームを実行する際にモニタ2に表示されるゲーム画像例を示す図である。
【0084】
図23において、モニタ2の表示画面には3次元の仮想ゲーム空間Sの一部が表示されている。そして、コントローラ7の操作に応じて動作するゲームオブジェクトとして、表示画面には、プレイヤキャラクタPの一部および当該プレイヤキャラクタPが所持するガンGの一部が表示されている。また、表示画面に表示される仮想ゲーム空間Sは、プレイヤキャラクタSの前方となる視界が表現され、図23の一例では敵キャラクタEがシューティング目標として表示されている。そして、プレイヤキャラクタPがガンGで射撃する位置を表す照準が、照準カーソルTとして表示画面に表示される。
【0085】
このようなゲーム画像がモニタ2に表示されるシューティングゲームにおいて、プレイヤは、一方の手でコアユニット70を他方の手でサブユニット76を操作して(図18参照)ゲームを進行する。例えば、プレイヤがサブユニット76に設けられたスティック78a(図11、図12参照)を傾倒することによって、当該傾倒方向に応じて仮想ゲーム空間S内をプレイヤキャラクタPが移動する。また、プレイヤがコアユニット70を把持した手を表示画面に対して動かすことによって、当該モニタ2(LEDモジュール8Lおよび8R)に対するコアユニット70の動き、姿勢、位置等に応じて照準カーソルTが移動する。そして、プレイヤがコアユニット70に設けられた操作ボタン72i(図6参照)を押下することによって、プレイヤキャラクタPが所持するガンGが照準カーソルTに向かって射撃する。
【0086】
つまり、プレイヤは、サブユニット76に設けられたスティック78aをプレイヤキャラクタPの移動指示に用いながら、コアユニット70をあたかもシューティングゲームのガンのように用いることができるため、シューティングゲームの興趣が一層増す。そして、プレイヤキャラクタPを移動させる操作と照準カーソルTを移動させる操作とがそれぞれ別の手で把持されたユニットを用いて行われるため、プレイヤの操作動作がそれぞれ独立した思考で行える。例えば、プレイヤキャラクタPの移動に応じて表示画面に表示される仮想ゲーム空間Sが移り変わっていくため、仮想ゲーム空間S内におけるプレイヤが注目する位置付近(例えば、物陰から飛び出してくる敵キャラクタEに注目)に照準を常に位置させることが難しいことがある。しかしながら、一方の手の動作(例えば左手の親指)でプレイヤキャラクタPを移動させながら、コアユニット70の前面を向ける位置が上記注目位置となるように他方の腕の動作(例えば、右腕)で調整できるため、コントローラ7自体の操作の自由度が著しく向上し、臨場感のあるシューティングゲームを実現できる。また、照準カーソルTを移動させるためにコントローラ自体を動かす操作が行われるが、コントローラを動かすことによってプレイヤキャラクタPを移動させる方向指示操作がやりにくくなるというような問題が発生しないため、プレイヤは安定した2つの方向指示操作を行うことができる。つまり、コントローラ7を用いることによって、プレイヤの左右の手が自由になると同時に、物理的に1つのコントローラでは操作できなかった自由度の高い新たな操作が可能になる。
【0087】
第2の例は、上記第1の例と同様に、プレイヤがサブユニット76に設けられたスティック78aを傾倒することによって、当該傾倒方向に応じて仮想ゲーム空間S内をプレイヤキャラクタPが移動する。そして、プレイヤがコアユニット70を把持した手を表示画面に対して動かすことによって、当該モニタ2(LEDモジュール8Lおよび8R)に対するコアユニット70の位置に応じて仮想カメラの注視点が移動する。このような操作によって、プレイヤは、サブユニット76に設けられたスティック78aをプレイヤキャラクタPの移動指示に用いながら、コアユニット70を向けた仮想ゲーム空間Sの位置を注視することができる。
【0088】
なお、上述した説明では、コントローラ7とゲーム装置3とが無線通信によって接続された態様を用いたが、コントローラ7とゲーム装置3とがケーブルを介して電気的に接続されてもかまわない。この場合、コアユニット70に接続されたケーブルをゲーム装置3の接続端子に接続する。
【0089】
また、コントローラ7を構成するコアユニット70およびサブユニット76のうち、コアユニット70のみに通信部75を設けたが、サブユニット76に受信ユニット6へ送信データを無線送信する通信部を設けてもかまわない。また、コアユニット70およびサブユニット76それぞれに上記通信部を設けてもかまわない。例えば、コアユニット70およびサブユニット76に設けられた通信部がそれぞれ受信ユニット6へ送信データを無線送信してもいいし、サブユニット76の通信部からコアユニット70へ送信データを無線送信してコアユニット70の通信部75で受信した後、コアユニット70の通信部75がサブユニット76の送信データと共にコアユニット70の送信データを受信ユニット6へ無線送信してもいい。これらの場合、コアユニット70とサブユニット76とを電気的に接続する接続ケーブル79が不要となる。
【0090】
また、コントローラ7から無線送信される送信データを受信する受信手段として、ゲーム装置3の接続端子に接続された受信ユニット6を用いて説明したが、ゲーム装置3の本体内部に設けられた受信モジュールによって当該受信手段を構成してもかまわない。この場合、受信モジュールが受信した送信データは、所定のバスを介してCPU30に出力される。
【0091】
また、コアユニット70本体の動きに応じて変化する信号(処理結果データ)を出力する判定部の一例として、撮像情報演算部74をコアユニット70に内蔵して説明したが、他の機構でもかまわない。例えば、コアユニット70は、上述したように加速度センサ701を内蔵しており、ジャイロセンサが用いられていることもあり得る。加速度センサやジャイロセンサは、コアユニット70の動きや姿勢の判定に用いられることが可能であり、その結果、これらの検出信号を用いればコアユニット70本体の動きに応じて変化する信号を出力する判定部のように用いることができる。この場合、コアユニット70に内蔵された撮像情報演算部74を排除してもよいし、センサと撮像情報演算部の両者を組み合わせる構成としてもよい。
【0092】
また、撮像情報演算部74をコアユニット70のみに設けたが、サブユニット76にも同様の撮像情報演算部を設けてもかまわない。
【0093】
また、コントローラ7は、複数のユニットで構成され、それぞれ複数の操作手段(撮像情報演算部、加速度センサ、ジャイロセンサ、スティック、十字キー、操作ボタン等)を設けることができるために、それらの組み合わせによって様々なコントローラが実現する。ここで、コアユニット70およびサブユニット76にそれぞれ設けられる操作手段を、ユニット本体の動きに応じた信号を出力する操作手段A(例えば、撮像情報演算部74、加速度センサ701および761、ジャイロセンサ)と、プレイヤがボタンを押下したり部材を傾倒させたりタッチしたりすることに応じた信号を出力する操作手段B(例えば、スティック、十字キー、操作ボタン、タッチパッド等)とに分類して説明する。
【0094】
コアユニット70に操作手段Aを設け、サブユニット76に操作手段Bを設けた場合、プレイヤが一方の手にコアユニット70を把持して手自体を動かし、他方の手にサブユニット76を把持して従来のコントローラと同じように指による入力を行うことができる。つまり、プレイヤの左右の手で全く異なる操作をさせることが可能になるので、従来にない新たな操作が可能となる。この場合、本発明では、操作手段Aから出力される操作データが第1操作データに相当し、操作手段Bから出力される操作データが第2操作データに相当する。さらに、サブユニット76に操作手段Aを設けて、コアユニット70に操作手段Aを設け、サブユニット76に操作手段Aおよび操作手段Bを設ける態様もある。この態様では、プレイヤが両方の手自体をそれぞれ動かす操作も可能となり、さらに新たな操作が可能となる。この場合、本発明では、サブユニット76の操作手段Aから出力される操作データが第3操作データに相当する。
【0095】
また、コアユニット70およびサブユニット76それぞれに操作手段Aを設けた場合、プレイヤが一方の手にコアユニット70を把持して手自体を動かし、他方の手もサブユニット76を把持して手自体を動かして操作するような入力を行うことができる。つまり、プレイヤの左右の手をそれぞれ動かす操作をさせることが可能になるので、従来にない新たな操作が可能となる。この場合、本発明では、操作手段Aから出力されるそれぞれの操作データが第1操作データおよび第2操作データに相当する。さらに、コアユニット70およびサブユニット76にそれぞれ操作手段AおよびBを設ける態様もある。この態様では、プレイヤが両方の手自体を動かす操作および両手の指による操作をそれぞれ行うことができ、さらに新たな操作が可能となる。この場合、本発明では、コアユニット70の操作手段Bから出力される操作データが第1のキー操作データに相当し、サブユニット76の操作手段Bから出力される操作データが第2のキー操作データに相当する。
【0096】
さらに、コアユニット70およびサブユニット76それぞれに操作手段Aを設けた場合、複数種類の操作手段Aを一方のユニットに設ける態様も考えられる。上述したように、操作手段Aを撮像情報演算部で構成した場合、撮像対象(マーカ)に対するユニットの方向や位置等を算出できるため、モニタ2に対するユニット方向や位置に応じた操作が可能となる。一方、操作手段Aを加速度センサやジャイロセンサで構成した場合、ユニット自体の傾き、姿勢、および位置等を算出することができるため、ユニットの姿勢や位置に応じた操作が可能となる。したがって、コアユニット70に撮像情報演算部と加速度センサまたはジャイロセンサとを設け、サブユニット76に加速度センサまたはジャイロセンサとを設けることによって、コアユニット70では上述した両者の操作が1つのユニットで可能となる。この場合、本発明では、コアユニット70の撮像情報演算部から出力される操作データが第1操作データに相当し、サブユニット76の加速度センサまたはジャイロセンサから出力される操作データが第2操作データに相当し、コアユニット70の加速度センサまたはジャイロセンサから出力される操作データが第3操作データに相当する。
【0097】
また、撮像素子743で撮像した画像データを解析してLEDモジュール8Lおよび8Rからの赤外光の画像の位置座標等を取得し、それらを処理結果データとしてコアユニット70内で生成してゲーム装置3へ送信する態様を説明したが、他の処理段階のデータをコアユニット70からゲーム装置3へ送信してもかまわない。例えば、撮像素子743が撮像した画像データをコアユニット70からゲーム装置3へ送信し、CPU30において上記解析処理を行って処理結果データを取得してもかまわない。この場合、コアユニット70に設けられた画像処理回路744が不要となる。また、上記画像データの解析途中のデータをコアユニット70からゲーム装置3へ送信してもかまわない。例えば、画像データから得られる輝度、位置、および面積等を示すデータをコアユニット70からゲーム装置3へ送信し、CPU30において残りの解析処理を行って処理結果データを取得してもかまわない。
【0098】
また、上述した説明では、2つのLEDモジュール8Lおよび8Rからの赤外光を、コアユニット70の撮像情報演算部74の撮像対象としたが、他のものを撮像対象にしてもかまわない。例えば、1つまたは3つ以上のLEDモジュールをモニタ2の近傍に設置し、それらのLEDモジュールからの赤外光を撮像情報演算部74の撮像対象としてもかまわない。また、モニタ2の表示画面自体や他の発光体(室内灯等)を撮像情報演算部74の撮像対象としてもかまわない。撮像対象とモニタ2の表示画面との配置関係に基づいて、当該表示画面に対するコアユニット70の位置を演算すれば、様々な発光体を撮像情報演算部74の撮像対象として用いることができる。
【0099】
また、上述したコアユニット70およびサブユニット76の形状や、それらに設けられている操作部72および78の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、コアユニット70における撮像情報演算部74の位置(撮像情報演算部74の光入射口)は、ハウジング71の前面でなくてもよく、ハウジング71の外部から光を取り入れることができれば他の面に設けられてもかまわない。
【0100】
また、上述したスピーカ706、サウンドIC707、アンプ708は、コアユニット70側に設けられたが、手元で音声を発生するものであればよく、サブユニット76側に設けられていてもかまわない。
【0101】
このように、本発明のコントローラは、コアユニット70およびサブユニット76を共に操作に用いて、ゲームを楽しむことができる。ここで、一例として、コアユニット70は、撮像情報演算部74や加速度センサ701等のユニット本体の動きに応じた信号を出力する機能を有しており、サブユニット76は、プレイヤの方向入力操作に応じた信号を出力する機能を有している。例えば、コアユニット70とサブユニット76とが合体して一体となったコントローラを仮定した場合、ユニット本体の動きに応じた信号を出力するためには全体を動かすことが必要となり、方向入力操作に影響を与えてしまう。また、その逆の影響も生じてしまう。つまり、コアユニット70とサブユニット76とを合体させると、分離することにより実現していた自由度が著しく損なわれてしまう。また、他の例として、コアユニット70は、撮像情報演算部74や加速度センサ701等のユニット本体の動きに応じた信号を出力する機能を有しており、サブユニット76も、加速度センサ761等のユニット本体の動きに応じた信号を出力する機能を有している。これによって、プレイヤが両方の手に別々のユニットを把持してそれぞれの手自体を動かして操作するような入力を行うことができる。したがって、コアユニット70およびサブユニット76は、従来のゲーム機用コントローラを単に左右に分離できるように構成しただけでなく、プレイヤの左右の手が自由になると同時に合体型では操作できなかった新たな操作が可能となっている。また、コントローラ自体の操作の自由度が著しく向上しているため、臨場感のあるゲーム操作を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明に係るコントローラおよびコンピュータシステムは、プレイヤが片手で把持した状態で操作部を操作することが容易となりコントローラおよびコンピュータシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム1を説明するための外観図
【図2】図1のゲーム装置3の機能ブロック図
【図3】図1のコントローラ7の外観構成を示す斜視図
【図4】図3のコントローラ7の接続ケーブル79をコアユニット70から脱着する状態を示す斜視図
【図5】図3のコアユニット70の上面後方から見た斜視図
【図6】図3のコアユニット70を下面前方から見た斜視図
【図7】図3のコアユニット70の上筐体を外した状態を示す斜視図
【図8】図3のコアユニット70の下筐体を外した状態を示す斜視図
【図9】図3のサブユニット76の第1の例を示す斜視図
【図10】図9のコアユニット70の上筐体を外した状態を示す斜視図
【図11】図3のサブユニット76の第2の例を示す上面図、下面図、および左側面図
【図12】図3のサブユニット76の上面前方から見た斜視図
【図13】図3のサブユニット76の第1の変形例を示す上面図
【図14】図3のサブユニット76の第2の変形例を示す上面図
【図15】図3のサブユニット76の第3の変形例を示す上面図
【図16】図3のサブユニット76の第4の変形例を示す上面図
【図17】図3のコントローラ7の構成を示すブロック図
【図18】図3のコントローラ7を用いてゲーム操作するときの状態を概説する図解図
【図19】プレイヤがコアユニット70を右手で把持した状態をコアユニット70の前面側から見た一例
【図20】プレイヤがコアユニット70を右手で把持した状態をコアユニット70の左側面側から見た一例
【図21】LEDモジュール8Lおよび8Rと撮像素子743との視野角を説明するための図
【図22】プレイヤがサブユニット76を左手で把持した状態をサブユニット76の右側面側から見た一例
【図23】ゲーム装置3がシューティングゲームを実行する際にモニタ2に表示されるゲーム画像例
【符号の説明】
【0104】
1…ゲームシステム
2…モニタ
2b…スピーカ
3…ゲーム装置
30…CPU
31…メモリコントローラ
32…GPU
33…メインメモリ
34…DSP
35…ARAM
36…コントローラI/F
37…ビデオI/F
38…外部メモリI/F
39…オーディオI/F
40…ディスクドライブ
41…ディスクI/F
4…光ディスク
5…外部メモリカード
6…受信ユニット
7…コントローラ
70…コアユニット
71、77…ハウジング
72、78…操作部
73、791…コネクタ
74…撮像情報演算部
741…赤外線フィルタ
742…レンズ
743…撮像素子
744…画像処理回路
75…通信部
751…マイコン
752…メモリ
753…無線モジュール
754…アンテナ
700…基板
701、761…加速度センサ
702…LED
703…水晶振動子
704…バイブレータ
706…スピーカ
707…サウンドIC
708…アンプ
76…サブユニット
79…接続ケーブル
8…LEDモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のプログラムを実行するコンピュータに操作データを送信するためのコントローラであって、
片手で把持可能な大きさでかつ全体として細長く、その上面が長手方向に沿って湾曲しているハウジング、および、
前記ハウジング上面の前方に設けられ、方向をユーザに指示させるための方向入力部を少なくとも含み、当該方向入力部に与えられた指示に応じたデータを少なくとも前記操作データとして出力する操作部を備える、コントローラ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前方が太く、後方が細く形成される、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記操作部は、前記ハウジングの前端面に設けられた少なくとも1つの操作ボタンを有する第1操作ボタン部をさらに含み、前記当該第1操作ボタン部に対する操作に応じたデータを前記操作データとしてさらに出力する、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記方向入力部は、ユーザが前記ハウジングを把持したとき、ユーザの親指で操作可能な上面の位置に設けられ、
前記第1操作ボタン部は、当該方向入力部に親指を置いた状態でユーザの人指し指で操作可能な前記前端面の位置に設けられる、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記操作部は、前記ハウジングの上面であって前記方向入力部の近傍かつ後方に設けられる第2操作ボタン部を、さらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
所定のプログラムを実行するコンピュータに操作データを送信するためのコントローラであって、
片手で把持可能な大きさでかつ全体として細長く、その上面側から見たときその長手方向の前部分が太く後部分が当該前部分よりも細く形成され、その上面が上面側に凸となるように長手方向に湾曲して形成されたハウジング、
前記ハウジングの前端面に設けられ、当該ハウジングを把持したときに片手の人指し指で操作可能であり、当該操作に応じたデータを前記操作データとして出力する第1操作ボタン部、および
前記第1操作ボタン部に人指し指を置いた状態で親指で操作可能な前記ハウジングの前部分の上面の位置に設けられ、方向をユーザに指示させ、当該指示に応じたデータを前記操作データとして出力する方向入力部を備える、コントローラ。
【請求項7】
前記方向入力部は、前記ハウジングの上面から突出し、傾倒操作によって任意方向を指示可能に構成されたスティックである、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記ハウジングの上面には、前記スティックが突出するための8角形の開口部が形成される、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記方向入力部は、前後左右に並んだ独立した4つの操作ボタンである、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記方向入力部は、十字形状のスイッチである、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記方向入力部は、任意方向を指示可能なスライドパッドまたはタッチパッドである、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記ハウジング内に搭載され、当該ハウジングの動きに応じたデータを出力する加速度センサまたはジャイロセンサを、さらに備え、
前記操作データには当該加速度センサまたはジャイロセンサの出力データがさらに含まれる、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記コンピュータ側から送信された送信データを受信する受信部と、
スピーカと、
前記受信部が受信した送信データに基づいて、前記スピーカから音声を発生させる音声制御部とを、さらに備える、請求項1または6に記載のコントローラ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1つに記載のコントローラと、
前記コントローラと通信可能に接続され、当該コントローラから送信される前記操作データに応じた処理を行うコンピュータとを含む、コンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−64449(P2009−64449A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256858(P2008−256858)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【分割の表示】特願2006−122681(P2006−122681)の分割
【原出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】