コンバイン
【課題】ラジエーターカバーの防塵ネットの塵埃の除去、また、防塵ネットの付着物の除去。
【解決手段】防塵ネット30の内側に遮風プレート35を前記ラジエーターカバー20の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート35は移動により部分的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物の付着力を低下させ、且つ、遮蔽の端縁付近の吸引風が遮風プレート35により遮断されない部分の吸引風より流速の高いことで遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30に付着物を付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れて移動させ、前記遮風プレート35の移動終端の枠体21には、遮風プレート35により移動した付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けたコンバイン。
【解決手段】防塵ネット30の内側に遮風プレート35を前記ラジエーターカバー20の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート35は移動により部分的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物の付着力を低下させ、且つ、遮蔽の端縁付近の吸引風が遮風プレート35により遮断されない部分の吸引風より流速の高いことで遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30に付着物を付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れて移動させ、前記遮風プレート35の移動終端の枠体21には、遮風プレート35により移動した付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けたコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にラジエーターを設け、ラジエーターの外側には矩形の開口部を有する枠体と開口部に設けた防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、防塵ネットの内側には回転移動する所定の幅を有する遮風プレートを設け、前記遮風プレートは、回転移動路中において、冷却用ファンの吸引作用で防塵ネットに付着している付着物のうちの一部を遮風プレートにより一時的に冷却用ファンの吸引風を遮断することで付着力を失わせて落下させるようにした構成は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−59748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、矩形の防塵ネットの中央部分を中心に遮風プレートを回転移動させて、一時的に冷却用ファンの吸引風を遮断し、冷却用ファンの吸引風を遮断することで防塵ネットの付着物の付着力を失わせて落下させるようにして塵埃を除去しているため、ラジエーターカバーの防塵ネットのうちの一部しか塵埃が除去できないという課題がある。
即ち、エンジンルームの冷却効率を高めるためには、ラジエーターカバーの開口部を上下に複数設けると良いが、公知例の構成では、各開口部の防塵ネットに遮風プレートを設けることになり、構造が複雑になる。
また、矩形形状の開口部の防塵ネットに対して遮風プレートを円弧移動させるから、防塵ネットの隅の付着物は除去できないという課題がある。
本願は、遮風プレートの構成を工夫し、一つの遮風プレートにより広範囲のラジエーターカバーの開口部の防塵ネットの塵埃を除去できるようし、除塵効果を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、走行装置2の前方に刈取部4を設け、走行装置2の上方に脱穀装置3を設け、前記走行装置2と刈取部4と脱穀装置を駆動するエンジン12を設け、該エンジン12の外側には冷却用ファン13を設け、該冷却用ファン13の外側にラジエーター14を設け、該ラジエーター14の外側には略矩形の開口部28を有する枠体21と前記開口部28に設けた防塵ネット30を有するラジエーターカバー20を設け、前記防塵ネット30の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート35を前記ラジエーターカバー20の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート35は、ラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物を、遮風プレート35により一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れて移動させる構成とし、前記遮風プレート35の移動行程の終端の枠体21の部位には、遮風プレート35に連れられて移動してきた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで防塵ネット30に付着している付着物の付着力を低下させ、遮風プレート35の端縁付近に防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速が高く強い吸引力の吸引風が通り、この部分の付着物を防塵ネット30に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れ動ごかす。
遮風プレート35の移動行程の終端には、塵埃吸引口55を設けているので、遮風プレート35に連れられて移動してきた付着物は塵埃吸引口55から吸引されて除去される。
請求項2記載の発明は、前記塵埃吸引口55は、ラジエーターカバー20の枠体21に設けた風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成し、前記冷却用ファン13の吸引風が通る構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、ラジエーターカバー20の枠体21に風洞カバー56を取り付けて塵埃吸引口55を形成するので、枠体21の風洞カバー56を設けた部分まで遮風プレート35が移動すると、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物は塵埃吸引口55から吸引除去される。
請求項3記載の発明は、前記塵埃吸引口55は平面視において防塵ネット30と重なる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、塵埃吸引口55は平面視において防塵ネット30と重なっているので、防塵ネット30の端縁部分の塵埃吸引口55と重なった部分の防塵ネット30では他の防塵ネット30よりも流速の高い吸引風が通り、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が塵埃吸引口55と重なった部分の防塵ネット30まで付着物を連れて行くと、付着物は塵埃吸引口55により吸引除去される。
したがって、防塵ネット30の隅々まで付着物が吸引除去される。
請求項4記載の発明は、前記遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は、前記防塵ネット30を越えて前記枠体21と重なる位置まで移動しうる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端縁を越えて枠体21と重なる位置まで移動すると、遮風プレート35の端縁は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断するので、冷却用ファン13の吸引風による付着力を失わせ、防塵ネット30の端縁付近の付着物は塵埃吸引口55により確実に吸引する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明では、遮風プレート35が冷却用ファン13の吸引風を遮断することで、遮風プレート35の端縁付近の流速の高い吸引風により遮風プレート35と一緒に付着物を連れ動ごかし、更に遮風プレート35の移動行程の終端の塵埃吸引口55で遮風プレート35が移動させた付着物を吸引除去でき、除塵効果を向上させ、エンジン12のオーバーヒートを少なくして収穫作業の能率を高めることができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加え、ラジエーターカバー20の枠体21に風洞カバー56を取り付けて塵埃吸引口55を形成するので、枠体21の風洞カバー56を設けた部分まで遮風プレート35が移動させると、付着物を塵埃吸引口55から吸引除去できるので、防塵ネット30の隅まで除塵でき、また、塵埃吸引口55の構成を簡素にでき、安価に提供できる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明の効果に加え、遮風プレート35の移動行程の終端で、防塵ネット30の端縁部分の塵埃吸引口55と重なった部分では他の防塵ネット30により強い吸引風が通り、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が連れ運んだ付着物は塵埃吸引口55により確実に吸引除去でき、エンジン12のオーバーヒートをより少なくすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明の効果に加え、遮風プレート35の端縁が枠体21と重なる位置まで移動するので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を遮風プレート35が確実に遮断して、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率を向上させることができ、エンジン12のオーバーヒートをより少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3で脱穀および選別した穀粒を一次貯留するグレンタンク、6は穀粒排出オーガ、7は操縦部である(図1)。
しかして、操縦部7の運転座席10の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム11を形成し、エンジンルーム11内にエンジン12を設ける。エンジン12の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける(図3)。冷却用ファン13の外側にはラジエーター14を設ける。ラジエーター14の上方にはオイルクーラー15およびインタークーラー16を前後に並設する(図8)。
前記ラジエーター14の外側にはラジエーターカバー20を設ける。ラジエーターカバー20は枠体21を有する。枠体21の形状は任意であるが、前枠22および後枠23と、前枠22および後枠23を連結する上横枠24と下横枠25と、上横枠24と下横枠25との間の中間上横枠26と中間下横枠27を設け、前枠22および後枠23と各横枠上横枠24〜中間下横枠27により包囲された空間に開口部28を形成し、該開口部開口部28に防塵ネット30を設ける(図4)。
【0007】
防塵ネット30は、前記冷却用ファン13の吸引作用によって吸引される外気を、除塵しながら通過させてエンジンルーム11内に冷気を供給する。
枠体21は任意の固定部に回動自在に取付ける。具体的には、前記ラジエーター14を支持する取付ける縦フレーム31に取付軸32中心に回動自在に取付ける(図7)。縦フレーム31は機体フレーム1に固定する。
33は前枠22の上部の斜め枠を示す(図6)。
しかして、防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設ける。遮風プレート35は、ラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部は遮風プレート35により一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を失わせて(低下させて)落下させると共に、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する吸引風よりも流速が高く(速く)強い吸引力の吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動(連れ動ごか)させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
【0008】
したがって、遮風プレート35は防塵ネット30に付着している付着物の一部はその付着力を失って落下させられるように冷却用ファン13の吸引風を遮断しうる幅に形成すると共に、遮風プレート35の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通りうる幅に形成する。
即ち、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させて落下させるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風を積極的に通して、遮風プレート35の端縁と一緒に防塵ネット30の付着物を移動させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
しかして、防塵ネット30の移動構成は任意であるが、防塵ネット30と枠体21との間に防塵ネット30の移動を案内するガイド機構36を設ける(図8)。具体的には、枠体21の上横枠24および中間下横枠27に夫々案内レール37を設け、案内レール37に案内体38を嵌合(係合)させる。案内体38は軸39により枠体21に回転自在に取付ける。
【0009】
遮風プレート35は上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aに長孔41を形成する。下側プレート40Bには長孔41内を移動するピン42を設け、遮風プレート35は長孔41の部分で伸縮自在であって屈曲自在に上側プレート40Aと下側プレート40Bを連結する。
したがって、枠体21が斜め枠33を有することで斜めになっている防塵ネット30の端末の部分も、短い上側案内レール37の終点位置に上側プレート40Aが達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように傾斜移動して吸引外気を遮断する(図17)。
また、遮風プレート35は、上側プレート40Aと下側プレート40Bの間にバネ44を設け、常時短縮するように付勢する。
したがって、斜め枠33から離れる移動行程では、遮風プレート35は直線状態になって移動する。
【0010】
また、枠体21の中間上横枠26には、伝動軸(リードカム軸)45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に移動する移動部材46を取付け、移動部材46は遮風プレート35に取付ける(図8)。
前記伝動軸45は、枠体21の防塵ネット30の存在しない部分に設ける。具体的には伝動軸45は中間上横枠26の内側に配置する。
そのため、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
伝動軸45の後部には従動ギヤ48を設け、従動ギヤ48にモーター49の駆動ギヤ49を噛み合わせる。
即ち、伝動軸45はモーター49により直接駆動回転させずに、従動ギヤ48を介在させて回転させるので、従動ギヤ48と駆動ギヤ49の部分で急な応力を逃がすことができ、モーター49の負荷を軽減させて耐久性を向上させる。
前記モーター49は中間上横枠26より上方の後枠23と重なるように設ける。
【0011】
したがって、モーター49が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を広くし、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
この場合、モーター49の駆動ギヤ49は枠体21の外側(後側)に向けて配置すると、駆動ギヤ49は後枠23と重なり、駆動ギヤ49は防塵ネット30を塞ぐのを防止して、防塵ネット30による外気導入面積を狭くさせず、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
また、駆動ギヤ49および従動ギヤ48が後枠23と重なり、遮風プレート35の移動機構の駆動部が手の届かない範囲に配置できる。
この場合、前記伝動軸45に取付ける移動部材46は、遮風プレート35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの取付部分(ピン42)より下方に位置させる。
したがって、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成できる。
即ち、上側プレート40Aの下部は前側に移動すると、枠体21の斜め枠33に沿うように移動するが、下側プレート40Bは略水平移動するので、この下側プレート40Bに移動部材46を取付け、移動部材46を伝動軸45に取り付ければよく、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成でき、安価に提供できる。
【0012】
また、移動部材46は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとに上下分割形成した状態の遮風プレート35の上下中間(中央)部分に設けるように構成する。
そのため、遮風プレート35の取付・組立の誤差による不具合を無くし、遮風プレート35の移動を円滑にする。
また、移動部材46は遮風プレート35の裏側に取付ける。
したがって、移動部材46が遮風プレート35の端縁付近を通過する吸引風の通り道の邪魔にならず、吸引効果を低下させない。
遮風プレート35の下側プレート40Bの下端は案内体51により挟持されて移動が案内される。
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設ける。
【0013】
したがって、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気よりも流速の高い塵埃吸引口55を通る強い吸引風により吸引除去する。
防塵ネット30の付着物は、遮風プレート35に連れ動かされて塵埃吸引口55により強制的に除去されるので、常時、ラジエーターカバー20の防塵ネット30を綺麗にして、エンジンルーム11内の冷却効果を安定して維持する。
塵埃吸引口55は、その構成は任意であるが、具体的には枠体21の前枠22および後枠後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成する(図5,図11,図12)。
即ち、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の前後移動方向の前後何れか一方または両側に設け、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁によって、防塵ネット30に付着している付着物(塵埃等)を連れて行き、動かされた付着物を塵埃吸引口55により吸引除去する。
【0014】
この場合、塵埃吸引口55は平面視防塵ネット30と重なるように構成する(図11,図12)。
そのため、塵埃吸引口55の吸引力が強くなって、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端部まで連れて行った付着物は、塵埃吸引口55により吸引除去される。
また、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は枠体21の前枠22または後枠23と重なる位置まで移動しうるように構成する(例えば、図11,図12)。
そのため、遮風プレート35が防塵ネット30を通過する外気風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
即ち、仮に、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23まで移動しないと、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁と枠体21の前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13の吸引風が通り、塵埃吸引口55による付着物の吸引を妨げることになるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23と重なるので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
【0015】
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは枠体21に設ける。
即ち、塵埃吸引口55は枠体21の前面側の所定位置に形成し、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fは枠体21の内部を通すように構成する。
この場合、塵埃吸引口55の吸引用風路Fうちの枠体21内を通る吸引風路58は、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等を冷却する冷却用風路59とは分離して形成するように構成する。
そのため、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fとラジエーター14等を冷却する冷却用風路59とは分離しているので、塵埃吸引口55により吸引した塵埃が冷却用風路59に入るのを防止してラジエーター14等に付着するのが避けられる。
吸引風路58と冷却用風路59との分離構成は任意であるが、一例を示すと、吸引風路58は、平面視枠体21の前枠22の内側板60と前記風洞カバー56により包囲された空間により形成され、内側板60の内端側が縦フレーム31と密着し、内側板60が隔壁となって吸引風路58と冷却用風路59とを遮断している。
【0016】
したがって、内側板60により吸引風路58は冷却用風路59と分離させることができ、そのため、塵埃をラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59を流れることなく吸引風路58により吸い込んで、排出させることができ、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
風洞カバー56は前枠22に一体状に形成あるいは取り付けて構成する。
したがって、部品点数を減らして製造コストを抑制し、安価にできる。
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、前記移動側吸引風路58の奥側に前記縦フレーム31に固定側吸引風路61を設けて構成する。31Aは縦フレーム31の外枠、31Bは縦フレーム31の内枠である(図11,図12)。
62は移動側吸引風路58の出口、63は固定側吸引風路61の入り口である。
塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に通るように構成する。
【0017】
したがって、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通るように構成する。
65は枠体21に設けたシール部材であり、シール部材65はラジエーターカバー20を閉じると縦フレーム31に密着し、固定側吸引風路58と固定側吸引風路61を連通させて塵埃吸引口55からの吸引用風路Fを形成する。
したがって、シール部材65により吸引風路58と冷却用風路59との分離を確実にし、塵埃がラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に進入するのを抑制でき、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
この場合、図5,図11,図12の実施例では、シール部材65を4カ所に設けているが、図13の実施例では塵埃吸引口55を前側に設けているので、シール部材65を3カ所設けており、設置箇所等は任意である。
【0018】
しかして、塵埃吸引口55の上部は、固定側吸引風路61(縦フレーム31)の上部より上方に位置させ、ラジエーター14の上方の防塵ネット30の付着物を吸引するように構成する。
冷却用ファン13の回転によりシュラウド64内に生じる負圧を利用して防塵ネット30の付着物を吸引するように構成して、防塵ネット30の付着物除去構成を簡素にしつつ、吸引できる範囲を広くしてラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させる。
しかして、遮風プレート35の移動速度は、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設けた場合、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への移動速度が速くなるように構成する。
即ち、塵埃吸引口55を枠体21の前枠22に設けた場合、前方への移動速度より後方への移動速度が速くなるように構成する。
【0019】
塵埃吸引口55とは反対方向への移動速度を早くするので、効率よく塵埃吸引口55から塵埃を吸引して、吸引効率を向上させられる。
遮風プレート35の移動速度の変更させる構成は任意であるが、一例としてモーター49の回転数を変更して行う。70はリミットスイッチであり、遮風プレート35の反転移動を感知してモーター49の回転数を変更させる。
この場合、遮風プレート35の移動速度は、ラジエーター14の水温等の条件に応じて変更可能に構成する。
例えば、ラジエーター14の水温が低いときは、遮風プレート35の移動速度を低く設定し、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
一方、ラジエーター14の水温の上昇等が起きたときは、遮風プレート35の移動速度を速く設定し、防塵効果を高め、冷却用ファン13による冷却効果を高める。
71は水温センサである。
【0020】
また、遮風プレート35の移動は、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにすると、開始するように構成する。
また、エンジン12の回転をエンジン回転センサ73が検出すると、遮風プレート35の移動を開始させるように構成する。あるいは、回転センサ73によりエンジン12の回転を検出し、作業クラッチ72の入りを検出したとき、遮風プレート35の移動を開始させるように構成してもよい。
これらにより、ラジエーター14の水温が上昇する条件等のときに、遮風プレート35を作動させて、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
しかして、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設けた場合、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への遮風プレート35が移動するとき、遮風プレート35は防塵ネット30から平面視において離れて移動するように構成する。
即ち、遮風プレート35が塵埃吸引口55に向かって進むときは防塵ネット30に近づけて冷却用ファン13の吸引風を遮断し、遮風プレート35が塵埃吸引口55から遠くなる帰路は遮風プレート35をエンジン12側に移動させて防塵ネット30から離し、冷却用ファン13の吸引風の遮断を中断させ、塵埃吸引口55の存在しない帰路では塵埃を連れて移動させないようにし、塵埃の飛散を防止する。
【0021】
しかして、遮風プレート35の移動を案内する案内レール37のうち上側案内レール37Aの前端は、枠体21の斜め枠33の防塵ネット30の斜め部分を上方に延長させた延長線L上か延長線Lよりも前側に配置する(図17)。
これにより、遮風プレート35のうち上側プレート40Aの上部が上側案内レール37Aの前端まで移動して停止すると、上側プレート40Aと下側プレート40Bとの連結部分のピン42ところで屈曲するが、このとき、上側プレート40Aの下部は防塵ネット30の延長線L上か延長線Lよりも前側の案内レール37を中心に回動するので、上側プレート40Aと延長線Lとの交点Kは上から下に移動し、その結果、上側プレート40Aは上から下に風を遮断することになる。
そのため、防塵ネット30の付着物は遮風プレート35により上から下へ移動し、塵埃吸引口55による吸引を良好にする。
【0022】
(実施例の作用)
エンジン12を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取部4で刈取った穀稈を脱穀装置3で脱穀する。
エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転し、ラジエーターカバー20の防塵ネット30から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター14を通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設けているから、遮風プレート35は、一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させ、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30の部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動させ、これにより遮風プレート35が通過した部分の付着物は除去され、防塵ネット30の目詰まりを抑制する。
【0023】
この場合、遮風プレート35は矩形状の開口部28の防塵ネット30に対して前後に移動するから、防塵ネット30の隅々まで除塵する。
また、ラジエーターカバー20の開口部28はデザイン状の要請により一部枠体21に斜め枠33を形成しており、これに伴って開口部28には斜め部分が存在するが、遮風プレート35は上下に分割形成し、上側プレート40Aは上部を支点に回動するので、上側プレート40Aが下側プレート40Bに対して屈折しながら移動する。そのため、斜め部分の防塵ネット30も効率よく除塵できる。
枠体21の上横枠24および中間下横枠27には夫々案内レール案内レール37を設け、案内レール37に案内体案内体38を嵌合(係合)させ、枠体21の中間上横枠26には、伝動軸45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に往復移動する移動部材46を取付けているから、伝動軸45を駆動すると、遮風プレート35はラジエーターカバー20に対して略往復直線移動する。
【0024】
そのため、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
伝動軸45の後部には従動ギヤ48を設け、従動ギヤ48にモーター49の駆動ギヤ49を噛み合わせているから、モーター49は伝動軸45を直接駆動回転させずに、従動ギヤ48を介在させて回転させるので、従動ギヤ48と駆動ギヤ49の部分で急な応力を逃がすことができ、モーター49の負荷を軽減させて耐久性を向上させる。
モーター49は側面視中間上横枠26より上方の後枠23と重なるように設けているので、モーター49が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を広くし、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
【0025】
この場合、モーター49の駆動ギヤ49は枠体21の外側(後側)に向けて配置すると、駆動ギヤ49は後枠23と重なるので、モーター49から伝動軸45への回転伝達機構が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を狭くさせず、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
また、駆動ギヤ49および従動ギヤ48を後枠23と重ねることにより、遮風プレート35の移動機構の駆動部が手の触れない範囲に配置できる。
しかして、遮風プレート35は上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aに長孔41を形成する。下側プレート40Bには長孔41内を移動するピン42を設け、遮風プレート35は長孔41の部分で伸縮自在であって屈曲自在に上側プレート40Aと下側プレート40Bを連結しているから、短い上側案内レール37の終点位置に上側プレート40Aが達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように傾斜して吸引外気を遮断し、斜め枠33から離れる上側プレート40Aの移動行程では、遮風プレート35は直線状態になって移動する。
【0026】
この場合、前記伝動軸45に取付ける移動部材46は、遮風プレート35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの取付部分(ピン42)より下方に位置させているから、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成できる。
また、移動部材46は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとに上下分割形成した状態の遮風プレート35の上下中間(中央)部分に設けているから、遮風プレート35の取付・組立の誤差による不具合を無くし、遮風プレート35の移動を円滑にする。
また、移動部材46は遮風プレート35の裏側に取付けているから、移動部材46が遮風プレート35の端縁付近を通過する吸引風の通り道の邪魔にならず、吸引効果を低下させない。
【0027】
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の前後何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けているから、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気より強い塵埃吸引口55を通る吸引風により吸引除去する。
そのため、防塵ネット30の付着物は、遮風プレート35に連れ動かされて塵埃吸引口55により強制的に除去されるので、常時、ラジエーターカバー20の防塵ネット30を綺麗にして、エンジンルーム11内の冷却効果を安定して維持する。
塵埃吸引口55は枠体21の前枠22および後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成しているから、簡単に構成できる。
この場合、塵埃吸引口55は平面視防塵ネット30と重なるように構成しているから、塵埃吸引口55の吸引力が強くなって、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端部まで連れて行った付着物は、塵埃吸引口55により吸引除去される。
【0028】
また、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は枠体21の前枠22または後枠23と重なる位置まで移動するように構成しているから、遮風プレート35が防塵ネット30を通過する外気風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
即ち、仮に、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23まで移動しないと、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁と枠体21の前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13の吸引風が通り、塵埃吸引口55による付着物の吸引を妨げることになるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23と重なるので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
【0029】
しかして、塵埃吸引口55を通る吸引風の吸引用風路Fは、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等を冷却する外気の冷却用風路59とは分離して形成するように構成しているから、塵埃吸引口55により吸引した塵埃がラジエーター14等に付着するのを避けられる。
塵埃吸引口55の吸引用風路Fの吸引風路58と他の冷却用風路59とは、吸引風路58を、平面視枠体21の前枠22の内側板60と前記風洞カバー56により包囲された空間により形成し、内側板60より内側の冷却用風路59に対して吸引風路58を内側板60により分離しているから、塵埃吸引口55により吸引された塵埃は冷却用風路59に混入しない。
したがって、内側板60により吸引風路58は冷却用風路59と分離させることができ、そのため、塵埃をラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に入れることなく吸い込んで、排出させることができ、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
【0030】
なお、枠体21の前枠22の内側板60と風洞カバー56との関係は、これらの名称により構成は限定されず、枠体21に吸引風路58が形成されればよい。
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fはラジエーターカバー20の移動側吸引風路58と該吸引風路58の奥側の前記縦フレーム31に固定側吸引風路61により構成しているから、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通る。
即ち、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を奥側の固定側吸引風路61に通過させて、エンジンルーム11に通るように構成しているから、塵埃吸引口55を冷却用ファン13の吸引風(力)により吸引することができ、特別に、塵埃吸引口55専用の吸引構成を設けないで済み、しかも、冷却用ファン13の吸引風を利用しながらラジエーター14を塵埃吸引口55により吸引した塵埃で目詰まりさせることもなく、合理的構成になる。
【0031】
この場合、枠体21の所定部分にはシール部材65を設け、シール部材65はラジエーターカバー20を閉じると縦フレーム31に密着し、固定側吸引風路58と固定側吸引風路61を連通させて塵埃吸引口55からの吸引用風路Fを形成する。
したがって、シール部材65により吸引風路58と冷却用風路59との分離を確実にし、塵埃がラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に進入するのを抑制でき、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
なお、シール部材65は具体的には、前後の風洞カバー56と前枠22と後枠23に設け、ラジエーターカバー20を閉めると、前後の縦フレーム31に密着する。
ラジエーターカバー20を開放すると、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0032】
しかして、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設け、遮風プレート35の移動速度は、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への移動速度が速くなるように構成しているから、塵埃吸引口55から離れる方向への移動速度を速くするので、効率よく塵埃吸引口55から塵埃を吸引して、吸引効率を向上させられる。
この場合、遮風プレート35の基準となる設定移動速度は、ラジエーター14の水温等の条件に応じて変更可能に構成しているから、例えば、ラジエーター14の水温が低いときは、遮風プレート35の移動速度を低く設定し、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
一方、ラジエーター14の水温の上昇等が起きたときは、遮風プレート35の移動速度を速く設定して、防塵効果を高め、冷却用ファン13による冷却効果を高める。
しかして、遮風プレート35の移動は、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにすると、開始するように構成しているから、路上走行中等の防塵ネット30の付着物が少なく、塵埃の発生も少ないときには遮風プレート35の移動を停止させ、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】コンバインの右側面図。
【図3】エンジン付近の概略平面図。
【図4】ラジエーターカバーの右側面図。
【図5】同横断平面図。
【図6】ラジエーターカバーの枠体の右側面図。
【図7】同平面図。
【図8】ラジエーターカバーの移動機構および駆動機構を表示した側面図。
【図9】同背面図。
【図10】遮風プレートの背面図。
【図11】ラジエーターカバーの前側の塵埃吸引口部分の断面図。
【図12】ラジエーターカバーの後側の塵埃吸引口部分の断面図。
【図13】ラジエーターカバーの前側に塵埃吸引口を設けた実施例の断面図。
【図14】ラジエーターカバーの枠体の右側面図。
【図15】同正面図。
【図16】ラジエーターカバーの右側面図。
【図17】遮風プレートの移動状態を示す側面図。
【図18】ブロック図。
【符号の説明】
【0034】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…穀粒袋詰め用ホッパー、7…操縦部、10…座席、11…エンジンルーム、12…エンジン、13…冷却用ファン、14…ラジエーター、15…オイルクーラー、16…インタークーラー、20…ラジエーターカバー、21…枠体、22…前枠、23…後枠、24…上横枠、25…下横枠、26…中間上横枠、27…中間下横枠、28…開口部、30…防塵ネット、31…縦フレーム、32…取付軸、33…斜め枠、35…遮風プレート、36…ガイド機構、37…案内レール、38…案内体、40A…上側プレート、40B…下側プレート、41…長孔、42…ピン、44…バネ、45…伝動軸、46…移動部材、48…従動ギヤ、49…モーター、50…駆動ギヤ、55…塵埃吸引口、56…風洞カバー、58…吸引風路、59…冷却用風路、60…内側板、61…固定側吸引風路、64…シュラウド、70…リミットスイッチ、71…水温センサ、72…作業クラッチ、73…回転センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にラジエーターを設け、ラジエーターの外側には矩形の開口部を有する枠体と開口部に設けた防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、防塵ネットの内側には回転移動する所定の幅を有する遮風プレートを設け、前記遮風プレートは、回転移動路中において、冷却用ファンの吸引作用で防塵ネットに付着している付着物のうちの一部を遮風プレートにより一時的に冷却用ファンの吸引風を遮断することで付着力を失わせて落下させるようにした構成は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−59748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、矩形の防塵ネットの中央部分を中心に遮風プレートを回転移動させて、一時的に冷却用ファンの吸引風を遮断し、冷却用ファンの吸引風を遮断することで防塵ネットの付着物の付着力を失わせて落下させるようにして塵埃を除去しているため、ラジエーターカバーの防塵ネットのうちの一部しか塵埃が除去できないという課題がある。
即ち、エンジンルームの冷却効率を高めるためには、ラジエーターカバーの開口部を上下に複数設けると良いが、公知例の構成では、各開口部の防塵ネットに遮風プレートを設けることになり、構造が複雑になる。
また、矩形形状の開口部の防塵ネットに対して遮風プレートを円弧移動させるから、防塵ネットの隅の付着物は除去できないという課題がある。
本願は、遮風プレートの構成を工夫し、一つの遮風プレートにより広範囲のラジエーターカバーの開口部の防塵ネットの塵埃を除去できるようし、除塵効果を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、走行装置2の前方に刈取部4を設け、走行装置2の上方に脱穀装置3を設け、前記走行装置2と刈取部4と脱穀装置を駆動するエンジン12を設け、該エンジン12の外側には冷却用ファン13を設け、該冷却用ファン13の外側にラジエーター14を設け、該ラジエーター14の外側には略矩形の開口部28を有する枠体21と前記開口部28に設けた防塵ネット30を有するラジエーターカバー20を設け、前記防塵ネット30の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート35を前記ラジエーターカバー20の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート35は、ラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物を、遮風プレート35により一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れて移動させる構成とし、前記遮風プレート35の移動行程の終端の枠体21の部位には、遮風プレート35に連れられて移動してきた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで防塵ネット30に付着している付着物の付着力を低下させ、遮風プレート35の端縁付近に防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速が高く強い吸引力の吸引風が通り、この部分の付着物を防塵ネット30に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れ動ごかす。
遮風プレート35の移動行程の終端には、塵埃吸引口55を設けているので、遮風プレート35に連れられて移動してきた付着物は塵埃吸引口55から吸引されて除去される。
請求項2記載の発明は、前記塵埃吸引口55は、ラジエーターカバー20の枠体21に設けた風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成し、前記冷却用ファン13の吸引風が通る構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、ラジエーターカバー20の枠体21に風洞カバー56を取り付けて塵埃吸引口55を形成するので、枠体21の風洞カバー56を設けた部分まで遮風プレート35が移動すると、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物は塵埃吸引口55から吸引除去される。
請求項3記載の発明は、前記塵埃吸引口55は平面視において防塵ネット30と重なる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、塵埃吸引口55は平面視において防塵ネット30と重なっているので、防塵ネット30の端縁部分の塵埃吸引口55と重なった部分の防塵ネット30では他の防塵ネット30よりも流速の高い吸引風が通り、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が塵埃吸引口55と重なった部分の防塵ネット30まで付着物を連れて行くと、付着物は塵埃吸引口55により吸引除去される。
したがって、防塵ネット30の隅々まで付着物が吸引除去される。
請求項4記載の発明は、前記遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は、前記防塵ネット30を越えて前記枠体21と重なる位置まで移動しうる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端縁を越えて枠体21と重なる位置まで移動すると、遮風プレート35の端縁は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断するので、冷却用ファン13の吸引風による付着力を失わせ、防塵ネット30の端縁付近の付着物は塵埃吸引口55により確実に吸引する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明では、遮風プレート35が冷却用ファン13の吸引風を遮断することで、遮風プレート35の端縁付近の流速の高い吸引風により遮風プレート35と一緒に付着物を連れ動ごかし、更に遮風プレート35の移動行程の終端の塵埃吸引口55で遮風プレート35が移動させた付着物を吸引除去でき、除塵効果を向上させ、エンジン12のオーバーヒートを少なくして収穫作業の能率を高めることができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加え、ラジエーターカバー20の枠体21に風洞カバー56を取り付けて塵埃吸引口55を形成するので、枠体21の風洞カバー56を設けた部分まで遮風プレート35が移動させると、付着物を塵埃吸引口55から吸引除去できるので、防塵ネット30の隅まで除塵でき、また、塵埃吸引口55の構成を簡素にでき、安価に提供できる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明の効果に加え、遮風プレート35の移動行程の終端で、防塵ネット30の端縁部分の塵埃吸引口55と重なった部分では他の防塵ネット30により強い吸引風が通り、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が連れ運んだ付着物は塵埃吸引口55により確実に吸引除去でき、エンジン12のオーバーヒートをより少なくすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明の効果に加え、遮風プレート35の端縁が枠体21と重なる位置まで移動するので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を遮風プレート35が確実に遮断して、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率を向上させることができ、エンジン12のオーバーヒートをより少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3で脱穀および選別した穀粒を一次貯留するグレンタンク、6は穀粒排出オーガ、7は操縦部である(図1)。
しかして、操縦部7の運転座席10の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム11を形成し、エンジンルーム11内にエンジン12を設ける。エンジン12の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける(図3)。冷却用ファン13の外側にはラジエーター14を設ける。ラジエーター14の上方にはオイルクーラー15およびインタークーラー16を前後に並設する(図8)。
前記ラジエーター14の外側にはラジエーターカバー20を設ける。ラジエーターカバー20は枠体21を有する。枠体21の形状は任意であるが、前枠22および後枠23と、前枠22および後枠23を連結する上横枠24と下横枠25と、上横枠24と下横枠25との間の中間上横枠26と中間下横枠27を設け、前枠22および後枠23と各横枠上横枠24〜中間下横枠27により包囲された空間に開口部28を形成し、該開口部開口部28に防塵ネット30を設ける(図4)。
【0007】
防塵ネット30は、前記冷却用ファン13の吸引作用によって吸引される外気を、除塵しながら通過させてエンジンルーム11内に冷気を供給する。
枠体21は任意の固定部に回動自在に取付ける。具体的には、前記ラジエーター14を支持する取付ける縦フレーム31に取付軸32中心に回動自在に取付ける(図7)。縦フレーム31は機体フレーム1に固定する。
33は前枠22の上部の斜め枠を示す(図6)。
しかして、防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設ける。遮風プレート35は、ラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部は遮風プレート35により一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を失わせて(低下させて)落下させると共に、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する吸引風よりも流速が高く(速く)強い吸引力の吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動(連れ動ごか)させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
【0008】
したがって、遮風プレート35は防塵ネット30に付着している付着物の一部はその付着力を失って落下させられるように冷却用ファン13の吸引風を遮断しうる幅に形成すると共に、遮風プレート35の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通りうる幅に形成する。
即ち、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させて落下させるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風を積極的に通して、遮風プレート35の端縁と一緒に防塵ネット30の付着物を移動させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
しかして、防塵ネット30の移動構成は任意であるが、防塵ネット30と枠体21との間に防塵ネット30の移動を案内するガイド機構36を設ける(図8)。具体的には、枠体21の上横枠24および中間下横枠27に夫々案内レール37を設け、案内レール37に案内体38を嵌合(係合)させる。案内体38は軸39により枠体21に回転自在に取付ける。
【0009】
遮風プレート35は上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aに長孔41を形成する。下側プレート40Bには長孔41内を移動するピン42を設け、遮風プレート35は長孔41の部分で伸縮自在であって屈曲自在に上側プレート40Aと下側プレート40Bを連結する。
したがって、枠体21が斜め枠33を有することで斜めになっている防塵ネット30の端末の部分も、短い上側案内レール37の終点位置に上側プレート40Aが達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように傾斜移動して吸引外気を遮断する(図17)。
また、遮風プレート35は、上側プレート40Aと下側プレート40Bの間にバネ44を設け、常時短縮するように付勢する。
したがって、斜め枠33から離れる移動行程では、遮風プレート35は直線状態になって移動する。
【0010】
また、枠体21の中間上横枠26には、伝動軸(リードカム軸)45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に移動する移動部材46を取付け、移動部材46は遮風プレート35に取付ける(図8)。
前記伝動軸45は、枠体21の防塵ネット30の存在しない部分に設ける。具体的には伝動軸45は中間上横枠26の内側に配置する。
そのため、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
伝動軸45の後部には従動ギヤ48を設け、従動ギヤ48にモーター49の駆動ギヤ49を噛み合わせる。
即ち、伝動軸45はモーター49により直接駆動回転させずに、従動ギヤ48を介在させて回転させるので、従動ギヤ48と駆動ギヤ49の部分で急な応力を逃がすことができ、モーター49の負荷を軽減させて耐久性を向上させる。
前記モーター49は中間上横枠26より上方の後枠23と重なるように設ける。
【0011】
したがって、モーター49が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を広くし、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
この場合、モーター49の駆動ギヤ49は枠体21の外側(後側)に向けて配置すると、駆動ギヤ49は後枠23と重なり、駆動ギヤ49は防塵ネット30を塞ぐのを防止して、防塵ネット30による外気導入面積を狭くさせず、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
また、駆動ギヤ49および従動ギヤ48が後枠23と重なり、遮風プレート35の移動機構の駆動部が手の届かない範囲に配置できる。
この場合、前記伝動軸45に取付ける移動部材46は、遮風プレート35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの取付部分(ピン42)より下方に位置させる。
したがって、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成できる。
即ち、上側プレート40Aの下部は前側に移動すると、枠体21の斜め枠33に沿うように移動するが、下側プレート40Bは略水平移動するので、この下側プレート40Bに移動部材46を取付け、移動部材46を伝動軸45に取り付ければよく、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成でき、安価に提供できる。
【0012】
また、移動部材46は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとに上下分割形成した状態の遮風プレート35の上下中間(中央)部分に設けるように構成する。
そのため、遮風プレート35の取付・組立の誤差による不具合を無くし、遮風プレート35の移動を円滑にする。
また、移動部材46は遮風プレート35の裏側に取付ける。
したがって、移動部材46が遮風プレート35の端縁付近を通過する吸引風の通り道の邪魔にならず、吸引効果を低下させない。
遮風プレート35の下側プレート40Bの下端は案内体51により挟持されて移動が案内される。
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設ける。
【0013】
したがって、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気よりも流速の高い塵埃吸引口55を通る強い吸引風により吸引除去する。
防塵ネット30の付着物は、遮風プレート35に連れ動かされて塵埃吸引口55により強制的に除去されるので、常時、ラジエーターカバー20の防塵ネット30を綺麗にして、エンジンルーム11内の冷却効果を安定して維持する。
塵埃吸引口55は、その構成は任意であるが、具体的には枠体21の前枠22および後枠後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成する(図5,図11,図12)。
即ち、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の前後移動方向の前後何れか一方または両側に設け、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁によって、防塵ネット30に付着している付着物(塵埃等)を連れて行き、動かされた付着物を塵埃吸引口55により吸引除去する。
【0014】
この場合、塵埃吸引口55は平面視防塵ネット30と重なるように構成する(図11,図12)。
そのため、塵埃吸引口55の吸引力が強くなって、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端部まで連れて行った付着物は、塵埃吸引口55により吸引除去される。
また、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は枠体21の前枠22または後枠23と重なる位置まで移動しうるように構成する(例えば、図11,図12)。
そのため、遮風プレート35が防塵ネット30を通過する外気風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
即ち、仮に、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23まで移動しないと、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁と枠体21の前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13の吸引風が通り、塵埃吸引口55による付着物の吸引を妨げることになるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23と重なるので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
【0015】
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは枠体21に設ける。
即ち、塵埃吸引口55は枠体21の前面側の所定位置に形成し、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fは枠体21の内部を通すように構成する。
この場合、塵埃吸引口55の吸引用風路Fうちの枠体21内を通る吸引風路58は、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等を冷却する冷却用風路59とは分離して形成するように構成する。
そのため、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fとラジエーター14等を冷却する冷却用風路59とは分離しているので、塵埃吸引口55により吸引した塵埃が冷却用風路59に入るのを防止してラジエーター14等に付着するのが避けられる。
吸引風路58と冷却用風路59との分離構成は任意であるが、一例を示すと、吸引風路58は、平面視枠体21の前枠22の内側板60と前記風洞カバー56により包囲された空間により形成され、内側板60の内端側が縦フレーム31と密着し、内側板60が隔壁となって吸引風路58と冷却用風路59とを遮断している。
【0016】
したがって、内側板60により吸引風路58は冷却用風路59と分離させることができ、そのため、塵埃をラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59を流れることなく吸引風路58により吸い込んで、排出させることができ、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
風洞カバー56は前枠22に一体状に形成あるいは取り付けて構成する。
したがって、部品点数を減らして製造コストを抑制し、安価にできる。
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、前記移動側吸引風路58の奥側に前記縦フレーム31に固定側吸引風路61を設けて構成する。31Aは縦フレーム31の外枠、31Bは縦フレーム31の内枠である(図11,図12)。
62は移動側吸引風路58の出口、63は固定側吸引風路61の入り口である。
塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に通るように構成する。
【0017】
したがって、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通るように構成する。
65は枠体21に設けたシール部材であり、シール部材65はラジエーターカバー20を閉じると縦フレーム31に密着し、固定側吸引風路58と固定側吸引風路61を連通させて塵埃吸引口55からの吸引用風路Fを形成する。
したがって、シール部材65により吸引風路58と冷却用風路59との分離を確実にし、塵埃がラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に進入するのを抑制でき、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
この場合、図5,図11,図12の実施例では、シール部材65を4カ所に設けているが、図13の実施例では塵埃吸引口55を前側に設けているので、シール部材65を3カ所設けており、設置箇所等は任意である。
【0018】
しかして、塵埃吸引口55の上部は、固定側吸引風路61(縦フレーム31)の上部より上方に位置させ、ラジエーター14の上方の防塵ネット30の付着物を吸引するように構成する。
冷却用ファン13の回転によりシュラウド64内に生じる負圧を利用して防塵ネット30の付着物を吸引するように構成して、防塵ネット30の付着物除去構成を簡素にしつつ、吸引できる範囲を広くしてラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させる。
しかして、遮風プレート35の移動速度は、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設けた場合、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への移動速度が速くなるように構成する。
即ち、塵埃吸引口55を枠体21の前枠22に設けた場合、前方への移動速度より後方への移動速度が速くなるように構成する。
【0019】
塵埃吸引口55とは反対方向への移動速度を早くするので、効率よく塵埃吸引口55から塵埃を吸引して、吸引効率を向上させられる。
遮風プレート35の移動速度の変更させる構成は任意であるが、一例としてモーター49の回転数を変更して行う。70はリミットスイッチであり、遮風プレート35の反転移動を感知してモーター49の回転数を変更させる。
この場合、遮風プレート35の移動速度は、ラジエーター14の水温等の条件に応じて変更可能に構成する。
例えば、ラジエーター14の水温が低いときは、遮風プレート35の移動速度を低く設定し、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
一方、ラジエーター14の水温の上昇等が起きたときは、遮風プレート35の移動速度を速く設定し、防塵効果を高め、冷却用ファン13による冷却効果を高める。
71は水温センサである。
【0020】
また、遮風プレート35の移動は、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにすると、開始するように構成する。
また、エンジン12の回転をエンジン回転センサ73が検出すると、遮風プレート35の移動を開始させるように構成する。あるいは、回転センサ73によりエンジン12の回転を検出し、作業クラッチ72の入りを検出したとき、遮風プレート35の移動を開始させるように構成してもよい。
これらにより、ラジエーター14の水温が上昇する条件等のときに、遮風プレート35を作動させて、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
しかして、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設けた場合、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への遮風プレート35が移動するとき、遮風プレート35は防塵ネット30から平面視において離れて移動するように構成する。
即ち、遮風プレート35が塵埃吸引口55に向かって進むときは防塵ネット30に近づけて冷却用ファン13の吸引風を遮断し、遮風プレート35が塵埃吸引口55から遠くなる帰路は遮風プレート35をエンジン12側に移動させて防塵ネット30から離し、冷却用ファン13の吸引風の遮断を中断させ、塵埃吸引口55の存在しない帰路では塵埃を連れて移動させないようにし、塵埃の飛散を防止する。
【0021】
しかして、遮風プレート35の移動を案内する案内レール37のうち上側案内レール37Aの前端は、枠体21の斜め枠33の防塵ネット30の斜め部分を上方に延長させた延長線L上か延長線Lよりも前側に配置する(図17)。
これにより、遮風プレート35のうち上側プレート40Aの上部が上側案内レール37Aの前端まで移動して停止すると、上側プレート40Aと下側プレート40Bとの連結部分のピン42ところで屈曲するが、このとき、上側プレート40Aの下部は防塵ネット30の延長線L上か延長線Lよりも前側の案内レール37を中心に回動するので、上側プレート40Aと延長線Lとの交点Kは上から下に移動し、その結果、上側プレート40Aは上から下に風を遮断することになる。
そのため、防塵ネット30の付着物は遮風プレート35により上から下へ移動し、塵埃吸引口55による吸引を良好にする。
【0022】
(実施例の作用)
エンジン12を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取部4で刈取った穀稈を脱穀装置3で脱穀する。
エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転し、ラジエーターカバー20の防塵ネット30から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター14を通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設けているから、遮風プレート35は、一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させ、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30の部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動させ、これにより遮風プレート35が通過した部分の付着物は除去され、防塵ネット30の目詰まりを抑制する。
【0023】
この場合、遮風プレート35は矩形状の開口部28の防塵ネット30に対して前後に移動するから、防塵ネット30の隅々まで除塵する。
また、ラジエーターカバー20の開口部28はデザイン状の要請により一部枠体21に斜め枠33を形成しており、これに伴って開口部28には斜め部分が存在するが、遮風プレート35は上下に分割形成し、上側プレート40Aは上部を支点に回動するので、上側プレート40Aが下側プレート40Bに対して屈折しながら移動する。そのため、斜め部分の防塵ネット30も効率よく除塵できる。
枠体21の上横枠24および中間下横枠27には夫々案内レール案内レール37を設け、案内レール37に案内体案内体38を嵌合(係合)させ、枠体21の中間上横枠26には、伝動軸45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に往復移動する移動部材46を取付けているから、伝動軸45を駆動すると、遮風プレート35はラジエーターカバー20に対して略往復直線移動する。
【0024】
そのため、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
伝動軸45の後部には従動ギヤ48を設け、従動ギヤ48にモーター49の駆動ギヤ49を噛み合わせているから、モーター49は伝動軸45を直接駆動回転させずに、従動ギヤ48を介在させて回転させるので、従動ギヤ48と駆動ギヤ49の部分で急な応力を逃がすことができ、モーター49の負荷を軽減させて耐久性を向上させる。
モーター49は側面視中間上横枠26より上方の後枠23と重なるように設けているので、モーター49が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を広くし、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
【0025】
この場合、モーター49の駆動ギヤ49は枠体21の外側(後側)に向けて配置すると、駆動ギヤ49は後枠23と重なるので、モーター49から伝動軸45への回転伝達機構が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を狭くさせず、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
また、駆動ギヤ49および従動ギヤ48を後枠23と重ねることにより、遮風プレート35の移動機構の駆動部が手の触れない範囲に配置できる。
しかして、遮風プレート35は上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aに長孔41を形成する。下側プレート40Bには長孔41内を移動するピン42を設け、遮風プレート35は長孔41の部分で伸縮自在であって屈曲自在に上側プレート40Aと下側プレート40Bを連結しているから、短い上側案内レール37の終点位置に上側プレート40Aが達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように傾斜して吸引外気を遮断し、斜め枠33から離れる上側プレート40Aの移動行程では、遮風プレート35は直線状態になって移動する。
【0026】
この場合、前記伝動軸45に取付ける移動部材46は、遮風プレート35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの取付部分(ピン42)より下方に位置させているから、遮風プレート35の移動駆動機構を簡素に構成できる。
また、移動部材46は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとに上下分割形成した状態の遮風プレート35の上下中間(中央)部分に設けているから、遮風プレート35の取付・組立の誤差による不具合を無くし、遮風プレート35の移動を円滑にする。
また、移動部材46は遮風プレート35の裏側に取付けているから、移動部材46が遮風プレート35の端縁付近を通過する吸引風の通り道の邪魔にならず、吸引効果を低下させない。
【0027】
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の前後何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けているから、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気より強い塵埃吸引口55を通る吸引風により吸引除去する。
そのため、防塵ネット30の付着物は、遮風プレート35に連れ動かされて塵埃吸引口55により強制的に除去されるので、常時、ラジエーターカバー20の防塵ネット30を綺麗にして、エンジンルーム11内の冷却効果を安定して維持する。
塵埃吸引口55は枠体21の前枠22および後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成しているから、簡単に構成できる。
この場合、塵埃吸引口55は平面視防塵ネット30と重なるように構成しているから、塵埃吸引口55の吸引力が強くなって、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が防塵ネット30の端部まで連れて行った付着物は、塵埃吸引口55により吸引除去される。
【0028】
また、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁は枠体21の前枠22または後枠23と重なる位置まで移動するように構成しているから、遮風プレート35が防塵ネット30を通過する外気風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
即ち、仮に、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23まで移動しないと、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁と枠体21の前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13の吸引風が通り、塵埃吸引口55による付着物の吸引を妨げることになるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁が枠体21の前枠22または後枠23と重なるので、塵埃吸引口55付近の冷却用ファン13の吸引風を確実に遮断し、塵埃吸引口55による付着物の吸引効率を向上させる。
【0029】
しかして、塵埃吸引口55を通る吸引風の吸引用風路Fは、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等を冷却する外気の冷却用風路59とは分離して形成するように構成しているから、塵埃吸引口55により吸引した塵埃がラジエーター14等に付着するのを避けられる。
塵埃吸引口55の吸引用風路Fの吸引風路58と他の冷却用風路59とは、吸引風路58を、平面視枠体21の前枠22の内側板60と前記風洞カバー56により包囲された空間により形成し、内側板60より内側の冷却用風路59に対して吸引風路58を内側板60により分離しているから、塵埃吸引口55により吸引された塵埃は冷却用風路59に混入しない。
したがって、内側板60により吸引風路58は冷却用風路59と分離させることができ、そのため、塵埃をラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に入れることなく吸い込んで、排出させることができ、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
【0030】
なお、枠体21の前枠22の内側板60と風洞カバー56との関係は、これらの名称により構成は限定されず、枠体21に吸引風路58が形成されればよい。
しかして、塵埃吸引口55の吸引用風路Fはラジエーターカバー20の移動側吸引風路58と該吸引風路58の奥側の前記縦フレーム31に固定側吸引風路61により構成しているから、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通る。
即ち、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を奥側の固定側吸引風路61に通過させて、エンジンルーム11に通るように構成しているから、塵埃吸引口55を冷却用ファン13の吸引風(力)により吸引することができ、特別に、塵埃吸引口55専用の吸引構成を設けないで済み、しかも、冷却用ファン13の吸引風を利用しながらラジエーター14を塵埃吸引口55により吸引した塵埃で目詰まりさせることもなく、合理的構成になる。
【0031】
この場合、枠体21の所定部分にはシール部材65を設け、シール部材65はラジエーターカバー20を閉じると縦フレーム31に密着し、固定側吸引風路58と固定側吸引風路61を連通させて塵埃吸引口55からの吸引用風路Fを形成する。
したがって、シール部材65により吸引風路58と冷却用風路59との分離を確実にし、塵埃がラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59に進入するのを抑制でき、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
なお、シール部材65は具体的には、前後の風洞カバー56と前枠22と後枠23に設け、ラジエーターカバー20を閉めると、前後の縦フレーム31に密着する。
ラジエーターカバー20を開放すると、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0032】
しかして、塵埃吸引口55を枠体21の前後何れか一方に設け、遮風プレート35の移動速度は、塵埃吸引口55へ向かうときよりも離れる方向への移動速度が速くなるように構成しているから、塵埃吸引口55から離れる方向への移動速度を速くするので、効率よく塵埃吸引口55から塵埃を吸引して、吸引効率を向上させられる。
この場合、遮風プレート35の基準となる設定移動速度は、ラジエーター14の水温等の条件に応じて変更可能に構成しているから、例えば、ラジエーター14の水温が低いときは、遮風プレート35の移動速度を低く設定し、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
一方、ラジエーター14の水温の上昇等が起きたときは、遮風プレート35の移動速度を速く設定して、防塵効果を高め、冷却用ファン13による冷却効果を高める。
しかして、遮風プレート35の移動は、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにすると、開始するように構成しているから、路上走行中等の防塵ネット30の付着物が少なく、塵埃の発生も少ないときには遮風プレート35の移動を停止させ、消費電力を低くして省エネルギー運転を行う。
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】コンバインの右側面図。
【図3】エンジン付近の概略平面図。
【図4】ラジエーターカバーの右側面図。
【図5】同横断平面図。
【図6】ラジエーターカバーの枠体の右側面図。
【図7】同平面図。
【図8】ラジエーターカバーの移動機構および駆動機構を表示した側面図。
【図9】同背面図。
【図10】遮風プレートの背面図。
【図11】ラジエーターカバーの前側の塵埃吸引口部分の断面図。
【図12】ラジエーターカバーの後側の塵埃吸引口部分の断面図。
【図13】ラジエーターカバーの前側に塵埃吸引口を設けた実施例の断面図。
【図14】ラジエーターカバーの枠体の右側面図。
【図15】同正面図。
【図16】ラジエーターカバーの右側面図。
【図17】遮風プレートの移動状態を示す側面図。
【図18】ブロック図。
【符号の説明】
【0034】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…穀粒袋詰め用ホッパー、7…操縦部、10…座席、11…エンジンルーム、12…エンジン、13…冷却用ファン、14…ラジエーター、15…オイルクーラー、16…インタークーラー、20…ラジエーターカバー、21…枠体、22…前枠、23…後枠、24…上横枠、25…下横枠、26…中間上横枠、27…中間下横枠、28…開口部、30…防塵ネット、31…縦フレーム、32…取付軸、33…斜め枠、35…遮風プレート、36…ガイド機構、37…案内レール、38…案内体、40A…上側プレート、40B…下側プレート、41…長孔、42…ピン、44…バネ、45…伝動軸、46…移動部材、48…従動ギヤ、49…モーター、50…駆動ギヤ、55…塵埃吸引口、56…風洞カバー、58…吸引風路、59…冷却用風路、60…内側板、61…固定側吸引風路、64…シュラウド、70…リミットスイッチ、71…水温センサ、72…作業クラッチ、73…回転センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取部(4)を設け、走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)を設け、前記走行装置(2)と刈取部(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(12)を設け、該エンジン(12)の外側には冷却用ファン(13)を設け、該冷却用ファン(13)の外側にラジエーター(14)を設け、該ラジエーター(14)の外側には略矩形の開口部(28)を有する枠体(21)と前記開口部(28)に設けた防塵ネット(30)を有するラジエーターカバー(20)を設け、前記防塵ネット(30)の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート(35)を前記ラジエーターカバー(20)の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート(35)は、ラジエーターカバー(20)の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン(13)の吸引作用で防塵ネット(30)に付着している付着物を、遮風プレート(35)により一時的に冷却用ファン(13)の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット(30)の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート(35)の端縁付近の防塵ネット(30)部分に付着させたまま遮風プレート(35)と一緒に連れて移動させる構成とし、前記遮風プレート(35)の移動行程の終端の枠体(21)の部位には、遮風プレート(35)に連れられて移動してきた付着物を吸引する塵埃吸引口(55)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記塵埃吸引口(55)は、ラジエーターカバー(20)の枠体(21)に設けた風洞カバー(56)と防塵ネット(30)との間に形成し、前記冷却用ファン(13)の吸引風が通る構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記塵埃吸引口(55)は平面視において防塵ネット(30)と重なる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記遮風プレート(35)の移動方向上手側の端縁は、前記防塵ネット(30)を越えて前記枠体(21)と重なる位置まで移動しうる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取部(4)を設け、走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)を設け、前記走行装置(2)と刈取部(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(12)を設け、該エンジン(12)の外側には冷却用ファン(13)を設け、該冷却用ファン(13)の外側にラジエーター(14)を設け、該ラジエーター(14)の外側には略矩形の開口部(28)を有する枠体(21)と前記開口部(28)に設けた防塵ネット(30)を有するラジエーターカバー(20)を設け、前記防塵ネット(30)の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート(35)を前記ラジエーターカバー(20)の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート(35)は、ラジエーターカバー(20)の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン(13)の吸引作用で防塵ネット(30)に付着している付着物を、遮風プレート(35)により一時的に冷却用ファン(13)の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット(30)の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート(35)の端縁付近の防塵ネット(30)部分に付着させたまま遮風プレート(35)と一緒に連れて移動させる構成とし、前記遮風プレート(35)の移動行程の終端の枠体(21)の部位には、遮風プレート(35)に連れられて移動してきた付着物を吸引する塵埃吸引口(55)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記塵埃吸引口(55)は、ラジエーターカバー(20)の枠体(21)に設けた風洞カバー(56)と防塵ネット(30)との間に形成し、前記冷却用ファン(13)の吸引風が通る構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記塵埃吸引口(55)は平面視において防塵ネット(30)と重なる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記遮風プレート(35)の移動方向上手側の端縁は、前記防塵ネット(30)を越えて前記枠体(21)と重なる位置まで移動しうる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−195210(P2009−195210A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43430(P2008−43430)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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