説明

コンバイン

【課題】走行機体フレームを強固なものにしてトラックフレームに連結できながら、泥土によって受ける走行抵抗を少なく済ませる。
【解決手段】左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の下方に、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41を設けてある。前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体左側の端部41a及び走行機体右側の端部41bを、クローラベルト12のループ内に入り込ませてある。走行機体横向き連結フレーム41の走行機体左側の端部41aと左側のトラックフレーム13に亘って左連結体40Aを連結し、走行機体横向き連結フレーム41の走行機体右側の端部41bと右側のトラックフレーム13に亘って右連結体40Bを連結してある。左連結体40A及び右連結体40Bは、クローラベルト12のループ内に入り込んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右のクローラ走行装置の間で走行機体横方向に並ぶ左右一対の走行機体前後向きフレームと、前記左右一対の走行機体前後向きフレームの上方に走行機体前後方向に並べて配置されて前記左右一対の走行機体前後向きフレームに連結された複数本の走行機体横向きフレームとを備えて走行機体フレームを構成してあるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたコンバインがあった。特許文献1に記載されたコンバインでは、図7に示されるように、左右のクローラ走行装置の間で自走機体横方向に並ぶ左右一対の自走機体前後向きの鋼管を備えて機体フレームが構成され、前記左右一対の鋼管と左右のクローラ走行装置のトラックフレームが連結フレームによって連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−1461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコンバインにおいて、特許文献1に記載された技術を適用することによって走行機体フレームと左右のクローラ走行装置のトラックフレームを連結した場合、湿田においてクローラ走行装置が泥土に深く入り込むと、機体フレームと左右のクローラ走行装置のトラックフレームを連結する連結構造体のために受ける走行抵抗が大きくなりがちであった。
つまり、走行機体フレームとトラックフレームを連結する連結構造体は、左右一対の走行機体前後向きフレームにわたって連結する上端側部と、この上端側部から下方向きに左横外側向きと右横外側向きに分かれて延出し、延出端部が左側あるいは右側のクローラ走行装置のトラックフレームに連結する左右一対の傾斜姿勢の下端側部とを備えて構成するものであって、左右一対の傾斜姿勢の下端側部が、比較的低い対地高さの箇所にクローラ走行装置のクローラベルトのループ外に突出した状態で位置するものであり、下端側部が泥土による走行抵抗を受けやすくなっていた。
【0005】
本発明は、走行機体フレームを強固なものにしてトラックフレームに連結できるものでありながら、湿田であっても泥土によって受ける走行抵抗を少なく済ませられるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、左右のクローラ走行装置の間で走行機体横方向に並ぶ左右一対の走行機体前後向きフレームと、前記左右一対の走行機体前後向きフレームの上方に走行機体前後方向に並べて配置されて前記左右一対の走行機体前後向きフレームに連結された複数本の走行機体横向きフレームとを備えて走行機体フレームを構成してあるコンバインにおいて、
前記左右一対の走行機体前後向きフレームの下方に、走行機体前後方向に並ぶ前後一対の走行機体横向き連結フレームを前記左右一対の走行機体前後向きフレームに連結された状態で設け、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの走行機体左側の端部及び走行機体右側の端部を、前記左右のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込むよう配置し、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体左側の端部と前記左側のクローラ走行装置のトラックフレームに亘って連結されて、前記走行機体横向き連結フレームの前記走行機体左側の端部と前記左側のクローラ走行装置のトラックフレームを走行機体上下方向に離間させる左連結体を、この左連結体の全体が前記左側のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込む状態で設け、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体右側の端部と前記右側のクローラ走行装置のトラックフレームに亘って連結されて、前記走行機体横向き連結フレームの前記走行機体右側の端部と前記右側のクローラ走行装置のトラックフレームを走行機体上下方向に離間させる右連結体を、この右連結体の全体が前記右側のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込む状態で設けてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、左右一対の走行機体前後向きフレームが前後一対の走行機体横向き連結フレームによって連結されて補強されるので、走行機体フレームに優れた強度を備えさせることができる。前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの走行機体左側の端部と左側のクローラ走行装置のトラックフレームを左連結体によって走行機体上下方向に離間させ、前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの走行機体右側の端部と右側のクローラ走行装置のトラックフレームを右連結体によって走行機体上下方向に離間させて、走行機体フレームが湿田でも泥土に入り込みにくいように走行機体フレームの対地高さを高くすることができる。さらに、左連結体及び右連結体が全体にわたってクローラベルトのループ内に入り込む状態になっているから、左連結体及び右連結体が湿田でもクローラベルトのループ内に入り込んだままとなって左連結体や右連結体の前方に位置するクローラベルトの前端部が左連結体や右連結体に対するカバー作用を発揮し、左連結体及び右連結体が泥土によって受ける抵抗を抑制できる。
【0008】
従って、走行機体フレームを走行機体横向き連結フレームと左連結体及び右連結体によって強固なものに構成した状態でトラックフレームに連結できるものでありながら、湿田においても、走行機体フレームを泥土に入り込みにくくするとともに左連結体及び右連結体のために泥土によって受ける抵抗を少なく済ませてスムーズに走行することができ、能率よく作業することができる。
【0009】
本第2発明は、前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体左側の端部に連結する前記左連結体の下端側、及び前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体右側の端部に連結する前記右連結体の下端側を、前記クローラ走行装置の前記トラックフレームの上面に載置して連結し、前記左連結体及び前記右連結体の走行機体前方向き面を、上端側ほど走行機体後方側に位置する傾斜面に形成してある。
【0010】
本第2発明の構成によると、左連結体及び右連結体の下端側をトラックフレームの上面に載置して連結して左連結体及び右連結体とトラックフレームの連結を強固にできるものでありながら、左連結体及び右連結体の前側に泥土が入り込んでも、左連結体及び右連結体の走行機体前方向き面の傾斜による案内作用によって左連結体及び右連結体の上方後方に流動するようにでき、左連結体や右連結体の前側で泥土がトラックフレームの上面に載ったままになることを回避しやすい。
【0011】
従って、左連結体や右連結体の前側に泥土が溜まりにくくて走行や清掃を行いやすい。
【0012】
本第3発明は、前記左連結体を、走行機体前後方向視で下端側ほど徐々に左右幅が狭くなる下すぼまり形状で、且つ、走行機体横方向視で下端側ほど前後幅が徐々に広くなる末広がり形状に形成し、前記右連結体を、走行機体前後方向視で下端側ほど徐々に左右幅が狭くなる下すぼまり形状で、且つ、走行機体横方向視で下端側ほど前後幅が徐々に広くなる末広がり形状に形成してある。
【0013】
本第3発明の構成によると、左連結体及び右連結体そのものを泥土の抵抗を受けにくい状態に構成しながら、左連結体及び右連結体の上端側を走行機体横向き連結フレームに、下端側をトラックフレームにそれぞれ強固に連結でき、走行機体フレームとトラックフレームを泥土による抵抗となりがちな補強部材を多く用いて補強せずに強固に連結できる。
【0014】
従って、走行機体フレームとトラックフレームが強固に連結された優れたコンバインを湿田でも走行抵抗が少なくて走行しやすい状態で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コンバインの全体を示す側面図である。
【図2】クローラ走行装置の全体を示す側面図である。
【図3】クローラ走行装置を示す縦断正面図である。
【図4】走行機体フレームとクローラ走行装置を連結する連結構造を示す正面図である。
【図5】走行機体フレームの全体を示す平面図である。
【図6】左連結体を示す側面図である。
【図7】図6のVII−VII断面矢視図である。
【図8】図6のVIII−VIII断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す側面図である。この図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1及び搭乗型の運転部2を有した走行機体と、この走行機体の走行機体フレーム3の後部に設けた脱穀装置4と、脱穀装置4の機体前部にフィーダ21が上下揺動自在に連結された刈取り部20と、走行機体フレーム3の後部に脱穀装置4の横側方に配置して設けた穀粒タンク5とを備えて構成してある。
【0017】
このコンバインは、稲、麦などの収穫作業を行なうものである。
すなわち、走行機体は、運転座席2aの下方に設けたエンジン6、走行機体フレーム3の前端部に設けたミッションケース7を備え、エンジン6の出力をミッションケース7に入力してミッションケース7の内部に設けてある走行ミッション(図示せず)から左右一対のクローラ走行装置1,1のクローラ駆動輪体11に伝達して左右一対のクローラ走行装置1,1を駆動し、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走する。
【0018】
刈取り部20は、フィーダ21が油圧シリンダ22によって上下に揺動操作されることにより、刈取り部フレーム23に設けてあるバリカン形の刈取装置24が地面近くに下降した下降作業状態と、刈取装置24が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0019】
刈取り部20を下降作業状態に下降させて走行機体を走行させると、刈取り部20は、刈取対象の植立穀稈の穂先側を回転リール25によって刈取装置24及び回転オーガ26の上方に掻き込みながら、植立穀稈の株元を刈取装置24によって刈取り、刈取り穀稈の株元から穂先までの全体を回転オーガ26によってフィーダ21に送り込んでフィーダ21の後端部から脱穀装置4に供給する。脱穀装置4は、フィーダ21からの刈取り穀稈の株元から穂先までの全体を扱室(図示せず)に受け入れて脱穀処理する。穀粒タンク5は、脱穀装置4から供給される脱穀粒を貯留し、貯留した脱穀粒を排出オーガ4aによって排出する。
【0020】
クローラ走行装置1について説明する。
図2は、クローラ走行装置1の全体を示す側面図である。図3は、クローラ走行装置1を示す縦断正面図である。これらの図に示すように、左側及び右側のクローラ走行装置1は、走行機体フレーム3に前後一対の左連結体40A,40A又は前後一対の右連結体40B,40Bを介して連結されたトラックフレーム13と、ミッションケース7から走行機体横外側向きに延出した駆動ケース7aに回転駆動自在に支持されるクローラ駆動輪体11と、トラックフレーム13にクローラ走行装置1の前後方向に並べて回転自在に装着された接地輪体14と、トラックフレーム13の後部に回転自在に装着されたクローラ緊張輪体15と、トラックフレーム13の後端部の上方に位置する上部輪体16と、各輪体11,14,15,16にわたって巻回されたゴム製のクローラベルト12とを備えて構成してある。
【0021】
トラックフレーム13は、トラックフレーム13の前端部から前方上方向きに延出された駆動輪ステー17を備えており、この駆動輪ステー17によって駆動ケース7aの延出端部を支持している。
【0022】
走行機体フレーム3について説明する。
図5は、走行機体フレーム3の全体を示す平面図である。この図及び図2,4に示すように、走行機体フレーム3は、左右のクローラ走行装置1,1の間で走行機体横方向に並ぶ左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30と、左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の上方に走行機体前後方向に並べて配置された複数本の走行機体横向きフレーム36a,36bを有したメインフレーム35とを備えて構成してある。
【0023】
左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30のそれぞれは、走行機体上下方向に並べて連結された下部フレーム30aと上部フレーム30bを備えて構成してある。左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30は、走行機体前後向きフレーム30の走行機体前後方向での複数箇所に配置した連結フレーム31によって連結されている。下部フレーム30a及び上部フレーム30bは、角形鋼管材によって構成してある。
【0024】
メインフレーム35は、メインフレーム35の前部に走行機体前後方向に所定間隔を隔てて並ぶ2本の走行機体横向きフレーム36a,36aと、メインフレーム35の後部に走行機体前後方向に所定間隔を隔てて並ぶ3本の走行機体横向きフレーム36b,36b,36cと、各走行機体横向きフレーム36a,36b,36cの走行機体左側の端部や走行機体右側の端部を連結する走行機体前後向きの連結フレーム37とを備えて構成してある。複数本の走行機体横向きフレーム36a,36b,36cのうちの左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の上方に位置する走行機体横向きフレーム36a,36bは、左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の上面に載置した状態で左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30のそれぞれに溶接によって連結されている。
【0025】
走行機体フレーム3は、複数本の走行機体横向きフレーム36a,36b,36cのうちの走行機体前方側に位置する2本の走行機体横向きフレーム36a,36aに設けたエンジン支持部38を備え、このエンジン支持部38によってエンジン6を支持する。走行機体フレーム3は、一方の連結フレーム37と一方の走行機体前後向きフレーム30にわたって設けたタンク前支持部39a、及び最後方の走行機体横向きフレーム36cに設けたタンク後支持部39bを備え、タンク前支持部39aとタンク後支持部39bによって穀粒タンク5を支持する。穀粒タンク5は、タンク後支持部39bが揺動支点となって揺動開閉するように支持される。
【0026】
走行機体フレーム3とクローラ走行装置1を連結する連結構造について説明する。
図4は、走行機体フレーム3とクローラ走行装置1を連結する連結構造を示す正面図である。この図及び図2,5に示すように、走行機体フレーム3とクローラ走行装置1を連結する連結構造は、走行機体フレーム3の左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の下方に走行機体前後方向に所定間隔を隔てて設けた前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体左側の端部41aと左側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とにわたって設けた左連結体40A、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体右側の端部41bと右側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とにわたって設けた右連結体40Bを備えている。
【0027】
図2,4に示すように、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41は、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの上面と左右一対の走行機体前後向きフレーム30の下部フレーム30aの下面とが当接する状態で左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30に溶接によって連結されている。前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41は、左右一対の走行機体前後向きの補強フレーム42,42によって連結されている。左右一対の補強フレーム42,42は、左右一対の走行機体前後向きフレーム30,30の直下方に分散して位置している。
【0028】
図4に示すように、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体左側の端部41aを、左側のクローラ走行装置1のクローラベルト12のループ内の空間Sに入り込むように左側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13の上方箇所まで延出し、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体右側の端部41bを、右側のクローラ走行装置1のクローラベルト12のループ内の空間Sに入り込むように右側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13の上方箇所まで延出してある。
【0029】
図2,4,5に示すように、前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体左側の端部41aと左側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とにわたって設けた左連結体40Aは、走行機体横向き連結フレーム41のクローラベルト12のループ内に位置する端部41aと左側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13に溶接によって連結されており、走行機体横向き連結フレーム41の走行機体左側の端部41aと左側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とを走行機体上下方向に離間させている。前後一対の走行機体横向き連結フレーム41,41のそれぞれの走行機体右側の端部41bと右側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とにわたって設けた右連結体40Bは、走行機体横向き連結フレーム41のクローラベルト12のループ内に位置する端部41bと右側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13に溶接によって連結されており、走行機体横向き連結フレーム41の走行機体右側の端部41bと右側のクローラ走行装置1のトラックフレーム13とを走行機体上下方向に離間させている。したがって、左連結体40A及び右連結体40Bは、走行機体フレーム3の対地高さが高くなるように、走行機体フレーム3を左右のクローラ走行装置1,1のトラックフレーム13に対して走行機体上方に離間させている。
【0030】
図4,5,6,7に示すように、各左連結体40Aは、泥土の抵抗を受けにくいものでありながら、走行機体横向き連結フレーム41の端部41a及びトラックフレーム13に強固に連結できるように、走行機体前後方向視で下端側ほど徐々に左右幅が狭くなる下すぼまり形状で、且つ、走行機体横方向視で下端側ほど前後幅が徐々に広くなる末広がり形状に形成してある。図4,5に示すように、各右連結体40Bの走行機体前後方向視での形状、及び走行機体横方向視での形状を、左連結体40Aと同じ形状にしてある。
【0031】
図4に示すように、各左連結体40A及び各右連結体40Bは、左連結体40Aの全体や右連結体40Bの全体がクローラベルト12のループ内の空間Sに入り込む状態に構成してあり、左連結体40Aや右連結体40Bの前方に位置するクローラベルト12の走行機体上下向き部分によるカバー作用によって泥土を受けにくくなっている。
【0032】
図4,5に示すように、各左連結体40A及び各右連結体40Bの下端側の横外側部分40bを、トラックフレーム13の上面13aに載置した状態でトラックフレーム13に連結してある。各左連結体40A及び各右連結体40Bの下端側の横内側部分40dを、トラックフレーム13の横側面に当て付けて連結してある。
【0033】
図2,6に示すように、各左連結体40Aの走行機体前向き面40aは、走行機体上方側ほど走行機体後方側に位置する傾斜面に形成してあり、左連結体40Aの前側に位置する泥土を左連結体40Aの走行機体前方向き面40aとトラックフレーム13の上面13aによって形成される隅部に溜まりにくいように上方後方に流動させる。各右連結体40Bの走行機体前方向き面40aも、左連結体40Aの走行機体前方向き面40aと同じ傾斜面に形成してある。
【0034】
図6,7,8に示すように、各左連結体40Aは、走行機体横向き連結フレーム41の端部41aとトラックフレーム13に連結されるとともに横断面視でコ字状の溝形に形成された連結体本体と、この連結体本体の開口を閉じるように連結体本体に装着された板体40cとによって構成してある。各右連結体40Bも、左連結体40Aと同じ構造を備えている。図6,7に示す支持体18は、上部輪体6を回転自在に支持するものである。支持体18は、支持体本体と支持体本体の下側に連なる補強部18aとを備えて構成してあり、走行機体横向き連結フレーム41の走行機体左側の端部41aあるいは走行機体右側の端部41bの後面側と左連結体40Aあるいは右連結体40Bの後面側とにわたって連結されている。
【0035】
図7に示すように、各左連結体40Aの走行機体内向き面となる板体40cは、走行機体上方側ほど走行機体内側に位置する傾斜面に形成してあり、泥土の抵抗になりにくいようになっている。各右連結体40Bの走行機体内向き面となる板体40cも、左連結体40Aの板体40cと同じ傾斜面に形成してある。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、刈取り穀稈の株元から穂先までの全体が扱室に供給される脱穀装置を備えるコンバインの他、刈取り穀稈の株元側が脱穀フィードチェーンによって挟持搬送されて、刈取り穀稈の穂先側だけが扱室に供給される脱穀装置を備えるコンバインにも利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 クローラ走行装置
3 走行機体フレーム
12 クローラベルト
13 トラックフレーム
13a トラックフレームの上面
30 走行機体前後向きフレーム
36a 走行機体横向きフレーム
40A 左連結体
40B 右連結体
40a 連結体の走行機体前方向き面
41 走行機体横向き連結フレーム
41a 走行機体横向き連結フレームの走行機体左側の端部
41b 走行機体横向き連結フレームの走行機体右側の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のクローラ走行装置の間で走行機体横方向に並ぶ左右一対の走行機体前後向きフレームと、前記左右一対の走行機体前後向きフレームの上方に走行機体前後方向に並べて配置されて前記左右一対の走行機体前後向きフレームに連結された複数本の走行機体横向きフレームとを備えて走行機体フレームを構成してあるコンバインであって、
前記左右一対の走行機体前後向きフレームの下方に、走行機体前後方向に並ぶ前後一対の走行機体横向き連結フレームを前記左右一対の走行機体前後向きフレームに連結された状態で設け、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの走行機体左側及び走行機体右側の端部を、前記左右のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込むよう配置し、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体左側の端部と前記左側のクローラ走行装置のトラックフレームに亘って連結されて、前記走行機体横向き連結フレームの前記走行機体左側の端部と前記左側のクローラ走行装置のトラックフレームを走行機体上下方向に離間させる左連結体を、この左連結体の全体が前記左側のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込む状態で設け、
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体右側の端部と前記右側のクローラ走行装置のトラックフレームに亘って連結されて、前記走行機体横向き連結フレームの前記走行機体右側の端部と前記右側のクローラ走行装置のトラックフレームを走行機体上下方向に離間させる右連結体を、この右連結体の全体が前記右側のクローラ走行装置のクローラベルトのループ内に入り込む状態で設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体左側の端部に連結する前記左連結体の下端側、及び前記前後一対の走行機体横向き連結フレームのそれぞれの前記走行機体右側の端部に連結する前記右連結体の下端側を、前記クローラ走行装置の前記トラックフレームの上面に載置して連結し、前記左連結体及び前記右連結体の走行機体前方向き面を、上端側ほど走行機体後方側に位置する傾斜面に形成してある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記左連結体を、走行機体前後方向視で下端側ほど徐々に左右幅が狭くなる下すぼまり形状で、且つ、走行機体横方向視で下端側ほど前後幅が徐々に広くなる末広がり形状に形成し、前記右連結体を、走行機体前後方向視で下端側ほど徐々に左右幅が狭くなる下すぼまり形状で、且つ、走行機体横方向視で下端側ほど前後幅が徐々に広くなる末広がり形状に形成してある請求項1又は2記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−46152(P2012−46152A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192667(P2010−192667)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】