説明

コンポーネントの製造方法、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネントの製造方法及びコンポーネント

コンポーネント、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネントの製造方法及びコンポーネントが提案され、その際、前記コンポーネントは少なくとも1つの構造化された材料領域を有し、その際、第1の工程において前記の構造化された材料領域は、第1の材料の微粒子が第2の材料のマトリックス中に埋め込まれることにより製造され、かつその際、第2の工程で前記の構造化された材料領域は、乾式エッチング法又は気相エッチング法により多孔質にエッチングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項の上位概念の特徴を有する、マイクロメカニカルコンポーネントの製造方法及びマイクロメカニカルコンポーネントに関する。
【0002】
シリコン及びシリコンカーバイドから多孔性層を製造するために、エッチング媒体として例えばフッ酸を用いる電気化学的陽極酸化を使用することは、例えば米国特許US 5 376 241 Aから公知である。この方法は重大な欠点を有する、それというのも一方で多孔化すべき層の比較的高い導電性を前提とし、他方でエッチング剤が液体として存在するためである。この比較的高い導電性は、特にシリコンカーバイドにとって著しい制限である、それというのもこの材料系は多大な工業的費用をかけてドーピングできるだけであるためである。エッチング媒体が液体として存在すること、及びこれとの関係で前記エッチング媒体の固有の表面張力は、多孔化の際に最小で生じる細孔サイズを制限する。公知の多孔化プロセスの他の欠点はフッ酸の取り扱いを避けることができないことであり、このことは大きな危険性を意味する。
【0003】
発明の開示
それに対して、主請求項に記載された第1の実施態様によるマイクロメカニカルコンポーネントの本発明による製造方法及び本発明によるマイクロメカニカルコンポーネントは、前記コンポーネントの材料領域の構造化が第1の方法工程で既に可能であるため、構造パラメータの本来の定義はこの方法工程で既に行われ、かつ第2の方法工程で構造化された材料領域の一部の選択的エッチングのためのエッチング工程は有利に気相エッチング工程により又は乾式エッチング法により行うことができるため、使用した液体エッチング媒体の表面張力又は化学的性質から生じる、例えば細孔サイズに関する不利な影響は生じないという利点を有する。
【0004】
本発明の場合に、構造化された材料領域は第2の工程で、第1の材料を第2の材料に対して選択的にエッチングするか又は第2の材料を第1の材料に対して選択的にエッチングするか又は第1の材料の微粒子がゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムを有する微結晶であり及び/又は第2の材料のマトリックスがシリコンカーバイド又はシリコンを有することにより多孔質にエッチングされるのが有利である。これにより、有利に、多孔化方法は、この多孔化すべき層によるか又はこの構造化された材料領域により無電流で行うことができる。乾式エッチング法として、本発明の場合にClF3エッチングガスを用いたエッチングが考慮される。第1の材料もしくは第2の材料の材料の組み合わせとして、本発明の場合に、第1の材料として例えばゲルマニウム材料又はシリコン−ゲルマニウム材料もしくは相応する微結晶が考慮され、第2の材料としてシリコンカーバイドが考慮される。この材料の組み合わせによって、例えばClF3エッチングガスを用いたエッチングは、極めて高い選択性(ゲルマニウムもしくはシリコン−ゲルマニウム対シリコンカーバイドのエッチングは、一般に約1063対1〜約105対1)で行うことができる。
【0005】
さらに、主請求項に記載された第2の実施態様による又は第1の実施態様の有利なバリエーションによるマイクロメカニカルコンポーネントの本発明による製造方法及び本発明によるマイクロメカニカル素子は、第1の工程において堆積法を使用し、前記堆積法において前記微粒子がプラズマ中で前駆物質から生じ、その際、前記前駆物質は特にガス状であるという利点を有する。これにより、本発明の場合に、意外にも、いわゆるダストプラズマ(dusty plasma)の効果を、構造化された材料領域の作製のために有利に利用することが可能である。この場合、材料堆積のためのこのようなプラズマの電場の領域内で生じる第1の材料のクリスタリット又は微結晶は、第2の材料と一緒に堆積され、それにより構造化された材料領域の構造化を達成することができる。
【0006】
この場合、構造化された材料領域の製造のために第1の工程で使用される堆積法の場合に、微粒子の周期的な生成及び堆積のためにプラズマ制御を使用するのが特に有利であり、その際、特に微粒子のサイズ及び/又は形状は、前記プラズマ制御の変更により変化し、その際、特に電圧−出力制御がプラズマ制御として使用される。これにより、有利に、比較的簡単な方法で、構造化された材料領域の構造パラメータの制御を、例えば、前記プラズマ又は前記コンポーネントの前記基剤の上方でプラズマ状態を維持するための前記電場を周期的に拍動させることにより達成することができる。このパルスサイクル(これは以後、プラズマサイクルのデューティーサイクルと記載する)はこの場合、本発明により有利に、前記プラズマのスイッチオン時間がプラズマ中に第1の材料の十分に大きな微結晶を生じさせるために十分であり、かつ前記プラズマのスイッチオフ時間は、前記放電が完全に消えかつそれにより第2のマトリックス上に前記の微結晶が落下するために十分であるように形成される。
【0007】
本発明の他の主題は、第1の実施態様又は第2の実施態様による、つまり構造化された材料領域の製造の後に(多孔化する)エッチングあり又はなしの、本発明の方法により製造された、コンポーネント、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネントである。この場合、構造化された材料領域の構造パラメータとして、特に第2の材料のマトリックス中の第1の材料の微粒子の密度並びに前記微粒子のサイズ及び/又は形状が考慮され、かつ前記コンポーネントは、前記の構造化された材料領域とは異なるように調節された構造パラメータを有する少なくとも1つの他の構造化された材料領域を有することが特に有利である。これにより、本発明による製造方法の第1の工程の間の堆積条件の多様な変更によって、極めて多様でかつ特に異なる用途のために適した構造化された膜領域を作製することができる。さらに、本発明の場合に、構造化された材料領域の作製の間に前記堆積条件を連続的及び/又は断続的に及び/又は周期的に交換して変更することで、異なる堆積領域に異なる構造パラメータを存在させることも可能である。
【0008】
本発明によるコンポーネントの構造化された材料領域及び/又は他の構造化された材料領域が、化学的感受性の膜として、特にNH3を検知する膜として、及び/又は半透過性膜として、特に透析に使用するための半透過性膜として、及び/又はフィルタとして、特に化学的に腐食性の液体を濾過するためのフィルタとして、熱的にデカップする膜として、特にマイクロボロメータ用の熱的にデカップルする膜として考慮されていることが特に有利である。これにより、本発明の場合に、有利に、前記の構造化された材料領域のため又は多孔化された構造化された材料領域のために多くの可能な適用を示すことが可能である。相応して、本発明の他の主題は、本発明によるコンポーネントの、ケモセンサとして及び/又は膜として及び/又はフィルタとして及び/又はセンサとしての使用であり、これは本発明によるコンポーネントの適用分野をさらに高める。
【0009】
本発明の実施例が図面に示されており、これらの実施例を以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による第2の実施態様のコンポーネントの断面図を表す。
【図2】本発明による第1の実施態様のコンポーネントの断面図を表す。
【図3】本発明によるコンポーネントの構造化された材料領域の細部を表す断面図を表す。
【図4】本発明によるコンポーネント中での構造化された材料領域のバリエーションを示す図を表す。
【図5】本発明によるコンポーネント中での構造化された材料領域のバリエーションを示す図を表す。
【図6】前記コンポーネントの本発明による製造方法及び製造のための装置を示す図を表す。
【0011】
本発明の実施態様
図1中には、本発明の第2の実施態様による本発明によるコンポーネント10の断面図が示され、図2中には、本発明の第1の実施態様によるコンポーネント10の断面図が示されている。両方の実施態様の場合に、コンポーネント10は構造化された材料領域12を有する。この構造化された材料領域12は、図3において細部を表す断面図で示されている。この場合、構造化された材料領域12は、微粒子20(以後、粒子20と記載する)がマトリックス25中に埋め込まれるように設けられている。前記微粒子20は、主に第1の材料を有し、マトリックス25は主に第2の材料を有する。さらに、図1中でも、図2中でも、コンポーネント10が例示的に有する基材11を有する。
【0012】
第1の実施態様(図2)と第2の実施態様(図1)との差異は、第1の実施態様(図2)の場合に、第2の材料(つまりマトリックス25)に対して相対的に第1の材料(つまり微粒子20)のエッチングが行われるか、又はその逆で第1の材料に対して相対的に第2の材料のエッチングが行われるかであり、第2の実施態様(図1)の場合にはこのようなエッチングは実施されない。本発明のコンポーネント10の第1の実施態様の場合に実施されたエッチングは、図2において、構造化された材料領域12の内部の個々の微粒子20が破線又は点線で示されている。この場合、構造化された材料領域12は、以後、エッチングが実施されても又はされていなくても構造化された材料領域12として表す、それというのも、粒子20がマトリックス25中に埋め込まれることにより構造化された材料領域12中に形成される構造はエッチングされていない場合でも存在し、選択エッチングの際にもマトリックス25に対する粒子20(又はその逆)が存在する。
【0013】
図4及び5の場合に、コンポーネント10中での構造化された材料領域12又は基材11の配置の異なるバリエーションを示す。この場合、構造化された材料領域12の他に、他の構造化された材料領域12′が存在することも示す。この場合、本発明の範囲内で、他の構造化された材料領域12′とは、特にその(マトリックス25内の粒子20の)構造化に関して異なる構造パラメータを有する材料領域であると解釈され、つまり、例えば粒子20がより大きいか、又は他の形状を有するか、又は粒子20が同じ大きさであるが、低い密度で(マトリックス25中に)分布して存在している材料領域であると解釈される。
【0014】
構造化された材料領域12の本発明による作製方法は、コンポーネント10の第1の実施態様の場合でも、第2の実施態様の場合でも、図6において、この製造方法により第1の工程を実施するための装置が図示的に表されることにより示唆的に表されている。本発明による方法の第1の工程の場合に、構造化された材料領域12は、第1の材料の微粒子20を第2の材料のマトリックス25中に埋め込むことにより製造される。次に構造化された材料領域12の多孔化が望まれる場合に、本発明の場合に、気相エッチング法(もしくは乾式エッチング法)を用いて、第2の方法工程で所望のエッチングを行うことができ、湿式エッチング法の前記欠点は生じない。この方法は、図1において矢印及び符号40で示され、これはエッチング媒体又はエッチングガス40の表示のために用いられる。
【0015】
この本発明による方法は、次に優先的に、ゲルマニウム微粒子20もしくはシリコン−ゲルマニウム微粒子20を、主にシリコンカーバイドを有するマトリックス25中に埋め込む実施例に関して例示的に記載する。しかしながら、本発明の場合に、微粒子20とマトリックス25との間で他の材料の組み合わせを選択することも可能である。
【0016】
本発明による方法の第1の工程の場合に、構造化された材料領域12を、例えば非晶質シリコンカーバイドからなるマトリックス25中のゲルマニウム微粒子又はシリコン−ゲルマニウム微粒子20又は微結晶20の埋め込みとして作製する。(第2の方法工程での微粒子20のエッチングの後に、熱による方法工程(図示されていない)を用いて、例えばいわゆるラピッドサーマルプロセッシングにより、多孔性非晶質シリコンカーバイドから多孔性多結晶シリコンカーバイドへの変換を行うことも可能である。)
構造化された材料領域12の製造のために、本発明の場合に例えばPECVDプロセス(プラズマ支援化学蒸着;plasma enhanced chemical vapor deposition)が使用される。このプロセスにおいて、堆積法又は被覆法の過程で層形成する物質(以後、前駆物質31又は前駆体31と記載する)が有利にガス状の形で供給される。これは、図6において、前駆物質31について2つの矢印により示されている。層形成する前駆物質31として、例えばゲルマニウム微粒子又はシリコンゲルマニウム微粒子20のために、ゲルマン(GeH4)又はゲルマン(GeH4)とシラン(SiH4)を考慮することができ、シリコンカーバイドを有するマトリックス25のために、前駆物質31としてシラン(SiH4)及びメタン(CH4)を考慮することができる。この前駆物質31は、本発明の場合に例えば同時にプラズマ放電に供給され、この場合、プラズマの範囲は図6において符号30で示されている。シリコンカーバイドの形成のための前駆物質31の他の例として、全てのケイ素−炭化水素(SikCmHn)及びその混合物又は異性体が本発明の場合に挙げられる。
【0017】
さらに、図6中に、構造化された材料領域12の作製の際に、例えば基材11並びに電極(図6中には符号を用いて示していない)にプラズマ30の生成のための電圧を印加できることが示されている。この場合、通常のプラズマ被覆装置、例えば平行板型反応器(parallel plate reactor)又は誘導結合型プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)が、例えば図示された基材電極と共に、使用することができる。本発明の場合に、構造化される材料領域12を形成するために、異なる材料間の結晶−結合エネルギーの大きな差を利用する。例えば、シリコンカーバイドについての結晶−結合エネルギーは約5eVであり、ゲルマニウム又はシリコン−ゲルマニウムについての結晶−結合エネルギーは約2eVであり、これは、例えば約300℃の典型的なプロセス温度でシリコンカーバイドを非晶質相の形で成長させ、他方で基材の温度及び前記プラズマからのエネルギーは、ゲルマニウム−微結晶又はシリコン−ゲルマニウム−微結晶を(まずプラズマ中に)形成させるのに既に十分であり、引き続き非晶質シリコンカーバイドからなる前記マトリックス中に埋め込まれることになる。本発明の場合に、意外にも、今までむしろ材料層の堆積の際に欠点と見なされていた、いわゆるダストプラズマ(dusty plasma)が、構造化された材料領域12の作製のために有利に利用できる。この場合、このようなプラズマ30の領域内で生じる第1の材料のクリスタリット20又は微結晶20は第2の材料と一緒に堆積し、それにより構造化された材料領域12の構造化が達成される。つまり、例えばシラン含有又はゲルマン含有の低圧プラズマはプラズマ内に粒子を形成する傾向がある(ダストプラズマ)。この粒子は、数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内のサイズの微結晶であり、この微結晶は放電の空間中に形成される、それというのも前記微結晶はガス放電(又はプラズマ30)の自由電子により電気的に負に帯電し、この電荷はプラズマ30と基材11又は基材電極11との間の電荷層(空間電荷区域)中でほぼ浮遊して保持されることができる。そこでは、前記微粒子は(スイッチオンされたプラズマ30の場合に)、前記微粒子が(重力により)前記基材11に落下する程度の重さになるまで成長する。このダストプラズマ効果は、本発明の場合に、微粒子20をマトリックス25中に埋め込むために有利に利用される。このために、本発明の場合に、プラズマ30を持続的にスイッチオンしたままにして(かつ前記粒子20の重力による被覆プロセス又は埋め込みプロセスに利用される)ことができるか、又はプラズマ30を拍動させることができ、つまり、周期的にスイッチオン及びスイッチオフすることができ、スイッチオン時間にわたり前記粒子20の形成及び前記粒子のサイズが調節可能であり、かつスイッチオフ時間にわたり前記粒子20の前記マトリックス25中への埋め込みを行うことができる。このために、図6中には、プラズマ制御35が、特に放電電圧の出力−電圧制御として示唆的に示されている。
【0018】
前記放電又は前記プラズマ30中に水素を本発明により添加することによって(図6には図示されていない)、ゲルマニウム又はシリコン−ゲルマニウムの結晶化が促進される。従って、水素含有量及びプラズマ30の供給される電力によって、本発明の場合に、ゲルマニウム−微結晶又はシリコン−ゲルマニウム−微結晶20の粒度分布を適切に制御することができる。これにより、本発明による方法の第1の工程の間のプラズマ30の被覆条件により、特に微結晶20又は粒子20のサイズを、構造化された材料領域12の主要な構造パラメータとして調節できるか又は簡単に制御できる。前記プラズマ放電のための付加的なキャリアガスとして、本発明の場合に、例えばアルゴン、また他の全ての不活性ガス、例えばヘリウム、ネオン又は窒素が挙げられる。
【0019】
前駆物質31を供給する方法又は装置に応じて、本発明の場合に、粒子20の他の構造パラメータ及びそれにより構造化された材料領域12の他の構造パラメータに影響を及ぼすことも可能である。例えば、それにより粒子20の形状及び/又は粒子20の密度(基材表面積当たりの粒子の数として)を変化させることができる。さらに、本発明の場合に、プラズマ条件のラテラルな変化が構造化された材料領域12の構造パラメータのラテラルな変化を生じさせることもできる。
【0020】
構造化された材料領域12の異なる領域の間の又は相互に境界付けられた異なる材料領域12,12′の間の垂直方向の区別は、本発明の場合に、いわゆるパラメータ勾配(つまり、被覆時間の増大により及びそれにより構造化された材料領域12の層厚の増大にもよるようなプラズマ条件の時間的に変化)により異なる被覆条件をプラズマ中に存在させることができ、それにより異なる構造パラメータを構造化された材料領域12の異なる領域に作成することができる。このようなパラメータ勾配は、例えば前駆物質31のガス流量又はガス流及び/又は放電の電気的パラメータ及び/又は放電圧力において行うことができる。従って、例えば構造化された材料領域12の層厚により可変の粒子−サイズ分布を調節することができ、それにより第2の方法工程においてエッチング工程の間の異なる細孔サイズも生じる。
【0021】
主にシリコンカーバイドからなるマトリックス25中でのゲルマニウム−微結晶20又はシリコン−ゲルマニウム−微結晶20の作製とは別に、本発明の場合に、マトリックス25として非晶質多孔性シリコンを使用することもできる。この場合、同様にゲルマニウム微結晶20又はシリコン−ゲルマニウム−微結晶20を前記マトリックス25中に埋め込むことができる。この場合でも、構造化された材料領域12の多孔化は、乾式エッチング法を用いたエッチングにより、それにより(非晶質)多孔性シリコンを得ることが可能であり、このことは、特に一方のシリコンと他方のゲルマニウム又はシリコン−ゲルマニウムとの間の高いエッチング選択性(例えば約1対4000(例えばClF3を用いたエッチングの場合))により可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの構造化された材料領域(12)を備えたコンポーネント(10)、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネント(10)の製造方法において、第1の工程で前記の構造化された材料領域(12)を、第1の材料の微粒子(20)を第2の材料のマトリックス(25)中に埋め込むことにより製造し、第2の工程で前記の構造化された材料領域(12)を乾式エッチング法又は気相エッチング法により多孔質にエッチングすることを特徴とする、コンポーネント(10)の製造方法。
【請求項2】
構造化された材料領域(12)を第2の工程で、第1の材料を第2の材料に対して選択的にエッチングするか又は第2の材料を第1の材料に対して選択的にエッチングすることにより多孔質にエッチングすることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1の材料の微粒子(12)がゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムを有する微結晶であり、及び/又は第2の材料のマトリックスがシリコンカーバイド又はシリコンを有することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
構造化された材料領域(12)の製造のために第1の工程で堆積法を使用し、その際、微粒子(20)がプラズマ(30)中で前駆物質(31)から生じ、その際、前記前駆物質(31)は特にガス状であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの構造化された材料領域(12)を備えたコンポーネント(10)、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネント(10)の製造方法において、第1の工程で前記の構造化された材料領域(12)を、堆積法を使用して第1の材料の微粒子(20)を第2の材料のマトリックス(25)中に埋め込ことにより製造し、前記堆積法において、前記微粒子(20)はプラズマ中で前駆物質(31)から生じ、その際、前記前駆物質(31)は特にガス状であることを特徴とする、コンポーネント(10)の製造方法。
【請求項6】
第1工程において構造化された材料領域(12)の製造のために使用される堆積法の際に、微粒子(20)の周期的な生成及び堆積のためにプラズマ制御(35)を使用し、その際、特に前記微粒子(20)のサイズ及び/又は形状を、前記プラズマ制御(35)の変更により変化させ、その際、特に電圧制御をプラズマ制御(35)として使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
構造化された領域(12)が構造パラメータとして、特に第2の材料のマトリックス(25)中での第1の材料の微粒子(20)の密度並びに前記微粒子(20)のサイズ及び/又は形状を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法により製造された、コンポーネント(10)、特にマイクロメカニカルコンポーネント及び/又はマイクロ流体コンポーネント及び/又はマイクロエレクトロニクスコンポーネント(10)。
【請求項8】
コンポーネント(10)が少なくとも1つの他の構造化された材料領域(12′)を有し、その際、前記の他の構造化された材料領域(12′)は構造化された材料領域(12)に対して異なるように調節された構造パラメータを有することを特徴とする、請求項7記載のコンポーネント(10)。
【請求項9】
構造化された材料領域(12)及び/又は他の構造化された材料領域(12′)は、化学的感受性の膜として、特にNH3を検知する膜として、及び/又は半透過性膜として、特に透析に使用するための半透過性膜として、及び/又はフィルタとして、特に化学的に腐食性の液体を濾過するためのフィルタとして、熱的にデカップする膜として、特にマイクロボロメータ用の熱的にデカップルする膜として考慮されていることを特徴とする、請求項7又は8記載のコンポーネント(10)。
【請求項10】
ケモセンサとして及び/又は膜として及び/又はフィルタとして及び/又はセンサとしての、請求項7から9までのいずれか1項記載のコンポーネントの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−541080(P2009−541080A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517058(P2009−517058)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054345
【国際公開番号】WO2008/000541
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】