説明

コンポーネント装着機で電子コンポーネントを扱う方法及びシステム

【課題】構成が異なる複数のコンポーネント・テープに支持された電子コンポーネントをコンポーネント装着機で容易に取り扱えるようにする方法及びシステムを提供する。
【解決手段】コンポーネント装着機のコンポーネント・テープからコンポーネントを取り上げるためにコンポーネント・テープを所定の位置に運搬する複数のテープ・ガイド10を備える。各テープ・ガイドは、コンポーネントを覆うカバー・テープ22の一部を除去することにより、取り上げ位置にてコンポーネントを露出させるためのコンポーネント露出装置18を備える。テープ・ガイド10は、テープ幅は同一だが構成が異なる複数のコンポーネント・テープのそれぞれに適合する異なる構成のコンポーネント露出装置を有する複数のテープ・ガイドを含んでいて、異なる構成の複数のコンポーネント・テープに対して適当なテープ・ガイドを使用できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね回路基盤の製造および組立の分野に関する。特に、本発明は、コンポーネント装着機でコンポーネントを扱う方法及びシステムに関し、システムは、複数のコンポーネント・テープと、複数のコンポーネント・テープ・ホルダとを備え、各ホルダは、コンポーネント・テープを保持するよう構成され、さらにコンポーネント・テープを受け、このテープからコンポーネントを送給し、ピッキングするためにテープを所定の位置に持たらすよう構成された複数のテープ・ガイドを備える。本発明は、システムで使用するためのテープ・ガイドを識別する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
概して、回路基板の製造および組立の分野において、電子コンポーネントは、コンポーネントを回路基板に機械的および/または電気的に装着するコンポーネント装着機に送り込まれる。このような直付けコンポーネントは、往々にしてコンポーネント・テープの長さに方向に隔置して送出される。一般に、2つの異なるタイプのコンポーネント・テープを使用する。第1タイプは、コンポーネント保持区画を設けた好ましくはプラスチックの下部キャリア・テープで構成され、保持区画は分離可能な薄いプラスチック製上部カバー、またはカバー・テープまたは保護テープで封止されている。第2タイプは、通し穴を設けた厚紙本体で構成される。本体には、分離可能な薄いプラスチックの上部および底部カバー・テープを設け、したがって通し穴を有するコンポーネント区画を形成する。説明を容易にするため、カバー・テープという用語はこれ以降、上部カバーと称する。というのは、底部カバーは、一般にコンポーネント装着過程では外されないからである。その結果、キャリア・テープという用語は、これ以降、底部カバー・テープを含む厚紙本体を意味するものとする。
【0003】
コンポーネント・テープにはさらに、通し穴が設けられ、コンポーネント・テープの全長に渡って区画の側方に延在する横方向部分を設ける。この通し穴は、適切なタイプの送り込み装置の要素と係合するために使用され、送り込み装置は、テープからコンポーネントをピッキングすべく、コンポーネント・テープを所定の位置に送り込む。
【0004】
電子コンポーネントをその対応する区画に配置した後、カバー・テープをキャリア・テープに取り付けて、コンポーネント・テープをコンポーネント・テープ・ホルダに巻き付ける。このホルダは当技術分野では一般にコンポーネント・テープ・リールで構成される。次に、コンポーネント・ホルダをコンポーネント装着機へと移送し、コンポーネントを特定の所定の取り上げ位置に送り込み、これにより、ピックアップ・ヘッドコンポーネントをピックするか収集する。
【0005】
キャリア・テープへのカバー・テープの取り付けは、例えばカバー・テープおよびキャリア・テープの双方またはいずれかの区域に接着剤を設けるか、カバー・テープをキャリア・テープに溶着する区域を設けることで可能となる。一般に、このような区域は細長く、コンポーネント区画の各側に沿って隣接しコンポーネント・テープの全長に延在する。
【0006】
コンポーネントを露出し、コンポーネント・テープからコンポーネントをピッキングする一方法によると、送り込み装置との相互作用によってコンポーネント・テープを送り込むためにコンポーネント・テープを所定の位置に運び、テープからコンポーネントをピックするため、特定のタイプのテープ・ガイドを使用する。テープ・ガイドに露出装置を設け、露出装置は、キャリア・テープからカバー・テープの一部を分離し、持ち上げて、カバーの残りの部分を少なくとも部分的にキャリア・テープに取り付けたままとして、ピッキング位置でコンポーネントを露出させる。さらに、テープ・ガイドは、コンポーネント装着機によって装着プロセスで使用するため、コンポーネント装着機またはコンポーネント・マガジンに着脱自在に装着することができ、事実上、コンポーネント装着機の送り込みおよび取り上げ装置とコンポーネント・テープとの間のアダプタの作用をする。したがって、コンポーネント・テープは、最初にテープ・ガイドに装填することが好ましく、次に装填したテープ・ガイドをコンポーネント装着機の所定の位置に装着する。テープ・ガイドおよびこのようなテープ・ガイドを使用する方法に関しては国際特許第00/38491号および国際特許第00/38492号に開示されているので詳細は、これら文献を参照されたい。
【0007】
このようなテープ・ガイドを使用することは、特に、テープ・ガイドにコンポーネント・テープを装填することが容易で、装填したテープ・ガイドを、コンポーネント装着機で使用するため、コンポーネント装着機またはマガジンに装着し、そこから外すことが容易であり、テープ・ガイドが、可動部品がないため容易かつ経済的に製造できる単純な構成であるという点で有利である。
【0008】
しかし、上述した方法を使用した結果は、全体的に見て満足するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述したようなテープ・ガイドを使用してコンポーネントを扱う改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上およびその他の目的は、本発明によると、独立請求項に記載の特徴を有する方法、システムおよびテープ・ガイドを識別する方法を提供することにより達成される。好ましい実施形態を従属請求項に記載する。
【0011】
本発明は、同じ幅の複数のテープのために、前記コンポーネント・テープが担持するコンポーネントを露出させる特定のコンポーネント露出装置を有するテープ・ガイドを使用するという発想に基づくものであり、前記コンポーネント露出装置は、テープ・ガイドで使用するコンポーネント・テープの形態によって決定されるように設計され、この形態は、担持されるコンポーネントのサイズおよび形態に依存する。それにより、同じまたは同様の基本的形態および幾何学的外形を有するテープガイドを使用するが、コンポーネント露出装置は異なっている。その結果、同じコンポーネント・テープ幅を有するコンポーネント・テープを扱うため、1タイプの基本的構成を有するテープ・ガイドを設け、テープ・ガイドは、テープ・ガイドの露出装置の設計に関して変更される。
【0012】
さらに、本発明の好ましい実施形態により、コンポーネント露出装置が異なるテープ・ガイド同士を識別するため、視覚マークを使用する。
【0013】
本発明の重大な利点は、本発明の単純な構成のテープ・ガイドを、扱うべき様々なコンポーネントのタイプおよびサイズに関係なく、さらにこれが設けられるコンポーネント・テープの構成に関係なく使用できることである。本発明は、このタイプのコンポーネント・テープ・ガイドの使用に関して、扱いを容易にすることも含む。というのは、多数の異なるコンポーネント・テープおよびコンポーネントに必要な補助機器および余分な労働力が最小になるからである。
【0014】
以下の説明は、同じコンポーネント・テープ幅を有するコンポーネント・テープについて行うことに留意されたい。
【0015】
本発明の第1の態様によると、コンポーネント装着機でコンポーネントを扱うシステムが提供され、システムは、任意のコンポーネント・テープ幅を有する複数のコンポーネント・テープを備え、各コンポーネント・テープは、キャリア・テープおよびカバー・テープを備え、さらにキャリア・テープ上に次々と配置されて、カバー・テープで覆われた担持コンポーネントを備え、コンポーネント・テープは、担持されたコンポーネントに応じて異なる構成を有する。システムは、複数のコンポーネント・テープ・ホルダも備え、各ホルダは、コンポーネント・テープを保持するよう配置され、さらに前記任意のコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープを受け、コンポーネント・テープを送り込んで前記コンポーネント装着機でコンポーネント・テープからコンポーネントをピッキングするために前記コンポーネント・テープを所定の位置へと運搬するために配置された複数のテープ・ガイドも備え、前記テープ・ガイドは、好ましくはコンポーネント・マガジン内で前記コンポーネント装着機に着脱式に装着可能である。各テープ・ガイドにはコンポーネント露出装置を設け、露出装置は、前記コンポーネントを覆うカバー・テープの一部を少なくとも部分的に除去するか、変位させることにより、ピッキング位置でコンポーネントを露出させる。また、前記テープ・ガイドは、テープ・ガイドのサブセットに分割され、全サブセットのテープ・ガイドは、同様の幾何学的外形および基本的構成を有し、各サブセットのテープ・ガイドは、同じ設計のコンポーネント露出装置を有するが、他のサブセットのテープ・ガイドのコンポーネント露出装置の設計とは異なり、各サブセットのテープ・ガイド内にあるコンポーネント露出装置の設計は、前記サブセットのテープ・ガイド用とされたコンポーネント・テープの前記形態によって決定される。
【0016】
現在のところ、同じコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープについて、多種多様な異なる形態がある。コンポーネント・テープの厚さは様々であり、区画のサイズは、テープのコンポーネントに依存して様々であり、区画の位置、またはむしろ区画間の距離も、接着剤または溶着区域の位置、さらにカバー・テープの幅の両方に関して、カバー・テープの特徴と同様に、様々にとり得る。しかし、コンポーネントの大部分は、わずかな数の標準化されたコンポーネント・テープ幅から選択した幅を有するコンポーネント・テープ上に設ける。例えば、現在のところ、コンポーネント・テープにパックされ、回路基板組立産業で使用されるコンポーネントの約80パーセントは、8mm幅のコンポーネント・テープ上に設けられている。
【0017】
一般に、各区画はただ一つのコンポーネントを収容している。コンポーネントのサイズは同じ幅のコンポーネント・テープでも大きく異なることがあるので、区画のサイズをそれに応じて変化させる。コンポーネントを収容するために十分なスペースがなければならず、それと同時にコンポーネントの運きを区画内に制限し、コンポーネント・テープ上に可能な限り多数の区画を設けるため、区画を小さくすることが望ましい。サイズの違いとは、区画の長さと幅との両方、さらに区画の深に関する。区画の深さは、コンポーネント・テープの全体的厚さにも影響を与えることがある。標準化プロトコルによると、各区画の横方向中心をコンポーネント・テープの一側縁から画定された距離となる。したがって、区画の側縁からコンポーネント・テープの片側までの距離は、区画の幅により異なる。一般に、カバー・テープをキャリア・テープに取り付ける区域は、各区画の片側のすぐ隣に、つまり区画とコンポーネント・テープの側縁との間に配置する。区画が非常に小さいコンポーネント・テープの場合、この区域は、区画の側縁からわずかに隔置して設けることができる。さらに、カバー・テープの幅は一般に、同じ幅のコンポーネント・テープ同士では同じである。しかし、基本的に区画の幅に対応して、同じコンポーネント・テープ幅内でカバー・テープの幅が異なる例外がある。
【0018】
本発明のテープ・ガイドの露出装置は、コンポーネントを覆うカバー・テープをキャリア・テープから少なくとも部分的に除去するか、変位させることにより、コンポーネントを露出させる。これは、カバー・テープとキャリア・テープ間でコンポーネント・テープと係合し、したがってカバー・テープをキャリア・テープから持ち上げる分離部分を露出装置に設けることによって行うことが好ましい。本発明によると、露出装置の設計は、分離部分が適正な位置でコンポーネントと係合するような方法で、コンポーネント・テープの形態によって変化する。したがって、各テープ・ガイドには、テープ・ガイドが目的のコンポーネント・テープの形態に適合した特定のタイプの露出装置を設ける。その結果、テープ・ガイドをテープ・ガイドのサブグループまたはサブセットに分割することができ、全サブセットのテープ・ガイドは、同じ幾何学的外形および基本的構成を有し、テープ・ガイドの露出装置の設計は、異なるサブセットのテープ・ガイド同士で異なる。つまり、同じサブセット内のテープ・ガイドは全て、同じ幅のコンポーネント・テープの同じ多数のタイプおよび構成を扱うようになっている。
【0019】
以下のパラグラフでは、区画の両側に設けた2つの細長い接着区域を設けたコンポーネント・テープに言及する。しかし、本発明は例えば融着によるか、他の位置またはさらなる位置など、カバー・テープをキャリア・テープに取り付けるために他の解決法を有するコンポーネント・テープにも適用することができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、露出装置の分離部分は、カバー・テープの一側方向部分のみでコンポーネント・テープと係合する。それにより、カバー・テープの一部が一方側のみでキャリア・テープから分離される。つまり、カバー・テープは、区画の他方側ではキャリア・テープに付着したままである。分離部分が幅を有し、対称となるコンポーネント・テープの形態、つまりコンポーネント区画の幅、カバー・テープの幅および個々の接着区域の位置に適合する位置に配置される。分離部分の幅と位置は、カバー・テープが1つの接着区域でキャリア・テープから分離されるが、区画の他方側にある接着区域は少なくとも部分的にそのままにするような幅と位置であり、したがってカバー・テープは、区画のその側でキャリア・テープに付着したままである。本発明のこの実施形態によると、区画の幅が小さくなるほど、使用する分離部分が狭くなる。
【0021】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、分離部分は、基本的に、カバー・テープの横方向中心と概ね一致する区画の横方向中心、またはその付近でコンポーネント・テープと有利に係合するよう配置され、したがって分離手順中のカバー・テープの張力が最小になる。これは、カバー・テープにあり得る引き裂きまたは切断の危険性を少なくとも大幅に低減させる点で有利である。なぜなら引き裂きまたは切断は、場合によってはコンポーネント・テープの送り込み、さらにはコンポーネントの取り上げを妨害するようなカバー・テープの一部のもつれを引き起こすことがある。分離部分は、一方向に区画の同側にある接着区域の部分を超える横方向延長部を有する。したがって、好ましい実施形態によると、分離部分の幅および横方向位置は、コンポーネント・テープの形態に適合し、したがって分離部分は、区画の両側でキャリア・テープからカバー・テープが分離するのを防止するのに十分なだけ小さく、かつそのように配置され、区画の一方側の分離を保守するのに十分なだけ広く、そのように配置される。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によると、分離部分は、前方に、つまりコンポーネント・テープの送り込み方向と対向して突出するトング形の先端部分を有する。先端部分は、カバー・テープが区画の片側でキャリア・テープから分離するのを確保するため、一方向で増加する横方向延長部を有する。分離部分には、さらに、カバー・テープの分離した部分を側方に折り畳むか曲げるため、翼部分を設けることが好ましく、したがってコンポーネントをピッキングする区画は、全くカバー付きテープで覆われていないことになる。
【0023】
本発明の実施形態によると、露出装置はカバー部分を備え、その長手方向範囲は、カバー・テープの形態に適合する。したがって、同じコンポーネント・テープ幅の異なるサブセットのテープ・ガイドでは、前記カバー部分の範囲が異なってもよい。分離部分は、分離部分から取り上げ位置まで、コンポーネントを覆うカバー部分に乗り上げ、したがってコンポーネントは区画内の適正な位置に維持される。この実施形態によると、カバー部分の延長部は、分離部分によってカバー・テープから露出したコンポーネントが、前のコンポーネントがピッキング位置に配置される位置までカバー部分に覆われるようになっている。それにより、隣接するコンポーネント区画間の相対的距離に関係なく、カバー部分の記載された機能が維持される。
【0024】
一般的に、コンポーネント・テープのピッチ、つまり区画の中心から隣接する区画またはその後の区画の中心までの距離は、幾つかの標準化された値をとり、したがってコンポーネント・テープの大部分には同じピッチが設けられる。しかし、非常に大きいまたは非常に小さいコンポーネントを担持するコンポーネント・テープの場合、区画のサイズはそれに応じて異なり、したがって同じピッチを維持することは非現実的または不可能となる。
【0025】
非常に小さい区画の場合、各コンポーネント・テープにより多くのコンポーネントを設けることができるように、標準ピッチを低減し、このため、隣接する区画間の距離が非常に小さくなる。カバー部分は、設けた区画が小さく、配置したピッチが小さくなったコンポーネント・テープでは、延長部が大きくなることが好ましく、したがってカバー部分は、ピッキング位置に近い方のコンポーネント・テープを覆い、それによりピッキングする次のコンポーネントを覆う。コンポーネントおよび区画が大きくなると、カバー部分は、延長部が小さくなることが好ましく、したがってコンポーネント・テープには、ピッキング位置に配置された区画の中心から、つまりピッキング中心から測って、より大きい距離にわたってカバー部分がない。したがって、カバー部分は、区画の中心から後縁までの距離が大きくなった区画からコンポーネントをピッキングしても、ピッキング動作に干渉がない。その結果、同じコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープでは、カバー部分の範囲は、区画のサイズに、およびそれに含まれるコンポーネントに従って種々異なる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によると、異なるサブセットのテープ・ガイド同士を簡単かつ迅速に識別するため、視覚マークを設ける。したがって、同じサブセットのテープ・ガイドに、そのテープ・ガイドがどのサブセットに属するかを示す1つまたは複数の視覚マークを設ける。次に、オペレータは、どの視覚マークが特定のコンポーネント・テープに使用すべきテープ・ガイド、またはコンポーネント・テープ・ホルダを示すのかを判断し、単にそのマークを有するテープ・ガイドを取り出す。それにより、特定のコンポーネント・テープに使用すべきテープ・ガイドを取り出す作業が、迅速かつ簡単な視覚的識別に限定される。
【0027】
視覚マークは、テープ・ガイドをコンポーネント装着機に装着した場合と、していない場合との両方で簡単に目視または識別できるテープ・ガイドの部分に設ける。視覚マークは、視覚マークを設けたラベルの形態、好ましくは接着ラベル、または小さいプレートまたはインセットの形態である。代替的または追加的に、視覚マークは、テープ・ガイド自体の部分で構成することができる。例えば露出装置に視覚マークを設けてもよい。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によると、テープ・ガイドに突出取手を設け、これに例えばハンドル上のラベル、ハンドル内のインセットとして、または視覚マークとして取手自体に特定の色、形状などを設けることにより、視覚マークを設ける。
【0029】
本発明の最も好ましい実施形態によると、視覚マークは特定のカラーリングの形態であり、これは1色または数色でよい。したがって、同じサブセット内の全てのテープ・ガイドに、同じ色の視覚マークを設ける。他の実施形態によると、視覚マークは記号またはテキストの形態、またはパターンの形態である。この視覚マークの形態は、異なるサブセットのテープ・ガイド同士の識別し易さを高めるため、言うまでもなく組み合わせてもよい。
【0030】
特定の実施形態によると、露出装置には視覚マークを設ける。一例として、露出装置は、異なる色または異なるパターンで設けてよく、これにより類似した露出装置は全て、同じ色または同じパターンで設ける。
【0031】
別の実施形態によると、テープ・ガイドの少なくとも一部または全てに、特定の色または特定のパターンを設ける。これで、同じサブセットのテープ・ガイドは全て同じ色またはパターンを有し、これは他のサブセットのテープ・ガイドのテープ・ガイド色またはパターンとは異なる。
【0032】
幾つかの異なるタイプのマークを以上で例示してきたが、マークという用語は広義に、つまり識別目的で使用できる全てのタイプのマークを含むよう解釈されることに留意されたい。
【0033】
本発明のさらなる実施形態によると、コンポーネント・テープまたはコンポーネント・テープ・ホルダまたはその両方に、特定のコンポーネント・テープにはどのテープ・ガイドを使用するかの選択を容易にするため、視覚マークを設ける。視覚マークはテープ・ガイドのそれと対応する、つまりそれぞれ同じパターン、記号、色またはテキストを有する視覚マークと対応することが好ましいが、そうである必要はない。これで、オペレータは、特定の視覚マークを有するコンポーネント・テープまたはコンポーネント・テープ・ホルダについて、対応するマークを有するテープ・ガイドが必要であることを容易に認識する。それにより、特定のコンポーネント・テープにどのテープ・ガイドを使用するか判断する作業が、非常に迅速かつ簡単な目視識別に制限され、これは新しいコンポーネント・テープを関連付けてテープ・ガイドに装填するために必要な時間を短縮させ、誤ったテープ・ガイドを選択するという危険が大幅に低下する。
【0034】
一つの実施形態によると、コンポーネント・テープおよび/またはコンポーネント・テープ・ホルダ、さらにテープ・ガイドに、同様の視覚マーク、例えば類似したラベルまたは同じラベルを設ける。別の実施形態によると、コンポーネント・テープおよび/またはコンポーネント・テープ・ホルダは、テープ・ガイドの視覚マークのパターンまたは色に対応する色またはパターンを付けて生成する。これで、オペレータは、赤いコンポーネント・テープまたはコンポーネント・テープ・ホルダには、赤いマークを有するテープ・ガイドが必要であることを容易に認識する。これにより、どのテープ・ガイドを特定のコンポーネント(テープ)に使用すべきか判断する作業が、さらに非常に迅速かつ単純な色を識別するだけに軽減され、誤ったテープ・ガイドを選択する危険性がさらに低下する。
【0035】
上述したように、テープの母材も変化してよく、これは通常、コンポーネント・テープの横方向部分、つまり送り穴を設けた部分の厚さに影響を及ぼす。一般的に、プラスチックのテープの場合、コンポーネント・テープの横方向部分の厚さは、区画の深さまたはサイズに関係する必要がなく、厚紙テープの場合、厚さは通常、含まれるコンポーネントの高さに依存する区画の深さに対応する。これは、1つの細長い厚紙要素が、送り穴を構成する通し穴、さらに区画を設けたコンポーネント・テープとして使用されるからである。
【0036】
さらに、コンポーネント装着プロセスでコンポーネント・テープを送り込むために使用する送り込み装置は、通常、コンポーネント・テープの送り穴と係合する送りピンを備える。一般的に、送りピンは、送り込みホィールの周囲表面または送り込みピンの往復直線運動用の構成に装着される。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によると、テープ・ガイドには、さらに、好ましくはコンポーネント装着機で使用するコンポーネント・マガジン内にて、コンポーネント装着機に設けた対応するロック要素と自動調節して係合する状態で、コンポーネント装着機にテープ・ガイドを装着するためのロック要素を設ける。自動調節式ロック要素により、テープ・ガイドの少なくとも一部の位置を、テープ・ガイドで使用するコンポーネント・テープの構成に応じて変更することができる。これにより、カバー・テープとキャリア・テープ間でのコンポーネント露出装置の係合によって提供される持ち上げ力に加えて、コンポーネント・テープへの制御された持ち上げ力を獲得することができる。その結果、コンポーネント・テープの上面とコンポーネント露出装置のカバー部分の下面との接触圧が増加し、したがってコンポーネント・テープの供給中に発生する振動によりコンポーネントがその区画から飛び出したり、横向きになるか裏返しになったりする危険性がなくなるか、大幅に低下する。
【0038】
前記自動調節式ロック要素は、前方に旋回するロック要素および後方に変位可能なロック要素を備えることが好ましい。したがって、後方ロック要素は、コンポーネント装着機の対応するロック要素と相互作用し、変位可能な係合では、後方ロック要素に相対的な垂直運動または変位が可能になる。これにより、テープ・ガイドの後方がわずかに上昇し、これにより装着位置を維持しながらテープ・ガイドが旋回することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によると、コンポーネント・テープを送り込む装置のベース表面は、制御し、加圧した状態でコンポーネント・テープの横方向部分と接触し、それによってコンポーネント・テープの前記持ち上げ力を提供する。ベース表面は、ここから送り穴と係合する送りピンが突出する表面である。したがって、区画に含まれ、カバー・テープが移動することによって露出し、区画がピッキング位置に到達するまで上述したカバー部分によって覆われるコンポーネントは、コンポーネント・テープの送り込み中に発生する振動により区画から飛び出したり、横向きになるか裏返しになったりすることが効果的に防止される。
【0040】
テープ・ガイドの垂直位置を調節できる結果、送り込み装置の上面とカバー部分の下面との間の距離を、コンポーネント・テープの横方向部分の厚さに応じて自動的に調節することができる。後方ロック要素は、コンポーネント装着機でロック要素とバイアス付与状態で係合し、それによって送り込み装置の表面とコンポーネント・テープの横方向部分との間の接触圧が基本的に一定になる。
【0041】
テープ・ガイドの後方ロック要素は、コンポーネント装着機にてバイアス付与されたロック要素と相互作用する傾斜した係合表面の形態であることが好ましい。前記バイアス付与ロック要素は、滑動状態でまたはその他変位自在で係合表面と係合するバイアス付与されたレバーの形態でよい。しかし、記載された配置構成は、好ましくはコンポーネント・マガジンでコンポーネント装着機にあるロック要素と、所望の垂直方向に変位可能な装着効果を提供するテープ・ガイドの後方ロック要素との間におけるバイアス付与された任意の係合で置換してもよい。
【0042】
当業者に理解されるように、テープ・ガイドの後方および前方ロック要素の機能は、前方ロック要素が変位自在で、後方ロック要素が旋回するよう、切り換えることができる。
【0043】
本発明のさらなる詳細および態様は、本発明の好ましい実施形態に関する以下の説明から明白になる。
【0044】
次に、本発明の好ましい実施形態を、添付図面に関してさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明の好ましい実施形態によるシステムは、テープ・ガイド10、コンポーネント・テープ20およびコンポーネント・テープ・リール30を備える。使用時には、図1に示すように、コンポーネント・テープ20をコンポーネント・テープ・リール30に巻き付けて、テープ・ガイド10に装填する。次に、その後に、テープ・ガイド10をコンポーネント装着機、あるいは以下で説明する実施形態であるコンポーネント装着機に装填するため、マガジンに装着する。テープ・ガイド10はさらにテープ・ガイドの複数のサブセットに分割(すなわち分類若しくはグループ分け)される。同じサブセットのテープ・ガイドは同様のコンポーネント露出装置を備え、異なるサブセットのテープ・ガイドは異なるコンポーネント露出装置を備える。
【0046】
次に、図2aから図2b、図3aから図3eおよび図4aから図4eを参照して、コンポーネント・テープの構造および様々な異なる形態について説明する。コンポーネント・テープは一般的に2つの主要部分、つまりキャリア・テープおよびカバー・テープを備える。キャリア・テープは、各区画24に1つずつコンポーネントを含むため、区画24を設けた厚紙またはプラスチックの本体21を備える。図2aおよび図2bに例が図示されている厚紙テープの場合、キャリア・テープは、本体21に取り付けられ、コンポーネント・テープ20の全長に沿って延在する底部カバー23も備え、したがって本体21と底部カバー23はともにコンポーネントを担持するキャリア・テープを形成する。さらに、厚紙テープの区画24は、通し穴(すなわち貫通穴)24として設けられ、底部カバー23が区画の底面を形成する。プラスチック・テープの場合、本体21は通常、コンポーネント・テープ20の全キャリア・テープを構成する。本体21にはさらに、通し穴(すなわち貫通穴)26を設けた側方部分25を設け、通し穴は、送り込み装置と係合するよう配置され、前記送り込み装置は、装着過程でコンポーネント・テープ20を通常はコンポーネント・マガジンに送り込む。
【0047】
上述したように、コンポーネント・テープはさらにカバー・テープ22を備え、これは一般的に薄いプラスチックの透明外被で構成される。カバー・テープ22は、区画24に含まれたコンポーネントを封止するために設けられ、コンポーネント・テープ20の全長に沿って延在する。さらに、カバー・テープ22は、接着部分27、28を使用して本体21に取り付ける。あるいは、カバー・テープ22は、図示の部分27、28に沿って本体21に溶着してもよい。
【0048】
図3aから図3eおよび図4aから図4eを参照すると、同じコンポーネント・テープ幅で異なる形態のコンポーネント・テープの例が5つ図示され、図3aから図3cおよび図4aから図4cは厚紙テープを示し、図3dから図3eおよび図4dから図4eはプラスチックのテープを示す。図から分かるように、厚紙テープは、厚紙本体21の全体で同じ厚さを有し、これは区画24の深さによって決定される。しかし、プラスチックのテープは薄い横方向部分25を有し、その厚さは一般的に区画の深さに依存しない。
【0049】
さらに、そしてコンポーネント・テープの母材に関係なく、区画24のサイズは、同じコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープ間でも変化してよい。しかし、標準化プロトコルによると、コンポーネント・テープの縁から各区画の中心までの距離は、コンポーネント・テープ幅ごとに標準値を有する。さらに、区画24のピッチ、つまり隣接する区画または後続の区画との距離は異ならせてもよい。特に図3aを参照すると、ここで区画間の距離は減少している。
【0050】
最後に、カバー・テープ22およびキャリア・テープ21へのその取り付けも種々異らしてもよい。図示のカバー・テープが全て同じ幅を有しているが、そうである必要はない。幅は、区画の幅に従って異なってもよい。図は、区画の幅に対応した接着または溶着部分27、28の異なる位置を示す。これらの部分の幅も、言うまでもなく異なってよい。
【0051】
次に図5、図6aおよび図6bを参照すると、本発明の好ましい実施形態によるテープ・ガイドの一般的外形が、テープ・ガイド10に装填された状態で示したコンポーネント・テープ20の断面図とともに図示されている。一般的に、テープ・ガイドは、対向する細長いテープ案内壁要素11を有し、端部が開放した細長い輪郭を備える。壁要素11にはそれぞれ、コンポーネント・テープの挿入とコンポーネント・テープの案内を容易にするための長手方向溝15を設ける。テープ・ガイド10にはさらに、コンポーネント装着機に取り付けるマガジンに設けた送り込み装置43(図9参照)のピンまたは歯が、コンポーネント・テープ20の送り穴26と係合できるようにするため、窪み16を設ける。テープ・ガイド10をコンポーネント装着機のマガジンに取り付け、そこから取り外すのを容易にするため、テープ・ガイド10の一方端に取手12を配置する。テープ・ガイド10は、テープ・ガイドをマガジンに取り付けるための前方および後方ロック要素13、14も備える。ロック要素13、14は、図9から図11に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0052】
コンポーネント・テープ20の送り込み中、コンポーネント・テープ20は、図5の矢印で示す送り込み方向に露出装置18を通過し、露出装置18はカバー・テープ22の一方側をキャリア・テープ21から解放して(すなわち、剥がして)、カバー・テープの解放した部分(すなわち、剥がした部分)を直立姿勢へと折り畳むか折り曲げる。カバー・テープが直立姿勢にある間、コンポーネントは取り上げ位置すなわちスロット17の位置にて順番に露出され、ここでコンポーネントをコンポーネント1で図示されているようにピックアップ・ヘッドでピッキングすることができる。
【0053】
テープ・ガイド10の拡大部分図を備える図7では、露出装置18がさらに詳細に、3つの異なる変形態様で図示され、テープ・ガイド110は小型区画用に配置され、テープ・ガイド210は中型区画用に配置され、テープ・ガイド310は大型区画用に配置されて、全てのコンポーネント・テープは同じテープ幅を有する。露出装置118、218、318は前方の、つまり送り込み中にコンポーネント・テープに面する分離部分120、220、320を備え、これはカバー・テープ22を分離して引き上げるためのトング形先端部分122、222、322、およびカバー・テープ22を直立姿勢にする翼部分124、224、324を備える。最後に、露出装置118、218、318は、カバー・テープを引き上げる位置とピッキング位置17との間でコンポーネントを覆うカバー部分126、226、326を備える。
【0054】
図7で明白に図示されているように、個々の露出装置118、218、318の設計は、個々のコンポーネント・テープ20の構成に適合する。したがって、小さい区画の場合、先端部分122は、先端部分122の幅および高さ(図示せず)の両方に関して、それぞれ中型および大型区画の先端部分222、322より小さくなる。さらに、翼部分124、224、324の横方向延長部は、3つの変形態様同士で異なる。これにより、取り上げ位置でコンポーネントがカバー・テープから完全に露出し、それと同時に区画の幅が異なってもカバー・テープが区画の両側でキャリア・テープから分離することはない。
【0055】
カバー部分の前端に設けた数字は、長手方向溝の内壁から露出装置の対向する側縁までの距離をミリメートルで示し、これは基本的に、カバー・テープ22がキャリア・テープ21から離れた、コンポーネント・テープ20の縁からの横方向距離に対応する。図示のテープ・ガイドは、8mmの幅を有するコンポーネント・テープを受けるよう構成されている。
【0056】
また、コンポーネント・テープの送り込み方向で見て、カバー部分126、226、326の後方延長部も異なる。これにより、前の区画にあるコンポーネントをピッキングする間、ピッキング位置に到達する区画が、カバー部分126、226、326によって完全に覆われ、それと同時に前の区画はピックアップ・ヘッドに対して完全に露出している。
【0057】
次に図8aから図8eを参照すると、本発明のテープ・ガイドの代替実施形態が図示されている。これらの図では、テープ・ガイドがテープ・ガイドの特定のサブセットに属することを示すため、取手112、212、312に視覚マーク114、214、314を設け、異なる各サブセットにあるテープ・ガイドには、同じ設計、つまり同じサイズおよび形状のコンポーネント露出装置を設ける。図8aおよび図8bでは、カラー・スケールまたはグレー・スケールのマーク114、214、314が図示されている。図8bでは、コンポーネント・テープの構成に従ってテープ・ガイド110、210、310を選択できる方法が概略的に図示されている。矢印で示すように、取手112およびマーク114が図示されているテープ・ガイド110は、比較的小さい区画を設けたコンポーネント・テープ20a〜20d用に選択されている。さらに、取手212およびマーク214を有するテープ・ガイド210は、中型区画を有するコンポーネント・テープ20c〜20e用に選択され、取手312およびマーク314を有するテープ・ガイド310は、大型区画を有するコンポーネント・テープ20eおよび20f用に選択される。例えばコンポーネント・テープ20dに関して図で示すように、1つのコンポーネント・テープ形態に異なるテープ・ガイドが適切なこともあることに留意されたい。
【0058】
図8cから図8eには、視覚マークのさらなる例が図示されている。図8cは、テキストのマーク114、214、314を有するテープ・ガイドを示す。図8dでは、視覚マークが、記号の形態の視覚マーク114、214、314の形態であり、図8eでは、パターンのマーク114、214、314が図示されている。当業者には理解されているように、本発明は、特定タイプの視覚マークに限定されない。本発明の範囲内で、任意のタイプの視覚マークまたはその組合せを想定することができる。さらに、図示の視覚マークを、インセットまたはラベルとして取手に設ける。しかし、マークは、オペレータが容易に位置決めし、認識するテープ・ガイドの任意の場所に設けることができるので便利である。
【0059】
次に図9から図11を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。コンポーネント・マガジン40は、テープ・ガイド10を受け、テープ・ガイド10に装填されたコンポーネント・テープ20をコンポーネント装着機のピッキング位置に送り込むため、前方部分41を備える。マガジン40は、さらに、コンポーネント・テープ20およびコンポーネント・テープ・リール30を保持するよう構成されたコンポーネント・テープ・キャリア50を受けるよう構成された後方部分42を備える。マガジン40の前方部分41は送り込み機構を備え、これは送り込みホィール43と、複数のテープ・ガイドを受けるようになっている前方ロック要素44と、後方ロック要素46(図11aおよび図11b参照)と、安全バリア45を含む。各テープ・ガイド10は、テープ・ガイド10の前方ロック要素13とマガジン40の前方ロック要素44との相互作用、およびテープ・ガイド10の後方ロック要素14とマガジン40の後方ロック要素46との相互作用によって、マガジン内に配置され、装着される。マガジンに装着されたら、テープ・ガイド10は、マガジンの送り込みホィール43の送りピン43aが、各テープ・ガイドに装填されたコンポーネント・テープ25の送り穴26と係合し、コンポーネント・テープを機械のピッキング位置に向かって送り込める位置になる。安全バリア45は、図9に示すような下降位置で、マガジンに装着された全テープ・ガイドが運転位置で適正にロックされることを保証する。テープ・ガイドの挿入または取り出し中に、安全バリア45は、図10に示すように上がっている。
【0060】
特に図10を参照すると、マガジン40へのテープ・ガイド10の装填を示すため、図9のマガジン40の部分の部分図が図示されている。2つのテープ・ガイド10が図示され、1つは既にマガジン40に装着され、1つは装着する過程である。装着は、最初に前方ロック要素44をテープ・ガイドの前方ロック要素13と係合させることによって開始される。この実施形態では、この構成は、アクスル44とそれに対応するほぼ半円形の窪み13となっている。この状態はテープ・ガイド10aで例示される。次に、テープ・ガイドは、好ましい実施形態ではスナップとめ式ロック要素であるマガジン40の後方ロック要素46が、テープ・ガイド10(図6a参照)の後方ロック要素14と係合するよう、単に下方向に旋回する。マガジン40の後方ロック要素46とテープ・ガイド10の対応するロック要素14とがパチンとスナップ係合した後に、装着操作が完了する。完了した装着状態がテープ・ガイド10bで示されている。テープ・ガイド10を取り外すには、テープ・ガイド10の取手12を上げるだけで、後方ロック要素14、43が簡単に解放される。
【0061】
装着位置で、テープ・ガイド(図3参照)に装填されたコンポーネント・テープの送り穴は、マガジン40の送りホィール43の送りピンと係合する。さらに、マガジンの電子接続部に自動的に接続された電子回路をテープ・ガイドに設け、したがってテープ・ガイドおよびコンポーネント・テープに関する情報を、コンポーネント装着機の制御システムが自動的にアクセスすることができる。
【0062】
図11aおよび図11bには、テープ・ガイド10をマガジン40に装着するかロックする配置構成が非常に詳細に図示されている。上述したように、前方ロック要素はアクスル44および対応する半円形の窪み13の形態である。テープ・ガイド10の反対側の端では、テープ・ガイドの後方ロック要素が、傾斜し窪んだ係合表面14aを設けた突起14の形態である。マガジン40の対応する後方ロック要素は、バイアス付与されたレバー46で、これは係合表面14aと係合する上部分47を備える。上部分は、表面14aと転がり係合ホィールを設けた状態で図示されている。しかし、協働する後方ロック要素14、16間で相対的に垂直運動または変位ができる任意の係合を想定することができる。反対端または下端で、レバー46は旋回自在にマガジンに装着される。レバーのバイアスは、ねじりばねまたは旋回ばね(図示せず)で提供することが好ましい。開示された配置構成は、当業者に認識されるように、所期の機能を提供する後方ロック要素の任意のバイアス付与構成で置換できることに留意されたい。
【0063】
記載された配置構成で、マガジン40へのテープ・ガイドのスナップ止め式装着が達成される。さらに、テープ・ガイドは、テープ・ガイド10を装着位置から解放することなく、前方ロック要素13、44によって画定された旋回中心を中心にわずかに旋回することができる。したがって、装着したテープ・ガイド10の垂直位置は、次に説明するように、コンポーネント・テープ20の横方向部分25の厚さに従い、図11aおよび図11bから明白なように変化することができる。
【0064】
図6aで示したテープ・ガイドの断面図である図6bから見られるように、コンポーネント・テープ20は、長手方向溝15によって案内される。カバー・テープ1とキャリア・テープ22間の露出装置18の係合は、コンポーネント・テープ20の上面が長手方向溝15の上内壁と接触するよう、コンポーネント・テープ10を持ち上げる。この接触は、望ましい。なぜなら、これにより露出した区画がカバー部分126、22、326に近づき、それによってコンポーネントが区画から「飛び出す」のを防止するからである。しかし、コンポーネント・テープの持ち上げ動作は、カバー・テープ22とキャリア・テープ21間の取り付け力によってのみ提供され、これは十分ではない。この持ち上げは、コンポーネント・テープの下に支持ばね(図示せず)を設けることによって補助される。しかし、このようなばねを設けた結果、支持ばねとコンポーネント・テープ間に摩擦力が発生し、これはテープ・ガイドの送り込みを損なう。
【0065】
この実施形態によると、持ち上げ動作は、送り込みホィール43の上面、つまり送りピン43aが突出する表面が、テープ・ガイド26の側方部分25に上方向の圧力を加えるようにすることによって提供される。送り込みホィール43の表面は、コンポーネント・テープ20と同時に動作するので、送り込みホィール43とコンポーネント・テープ20の間に送り込み動作を損なうような摩擦力が生じない。
【0066】
テープ・ガイド10とマガジン40間の自動調節式装着構成により、側方部分25の厚さに関係なく、送り込みホィール43の表面とコンポーネント・テープ10の側方部分25とを制御下で接触させることができる。したがって、側方部分25の厚さが異なる、すなわち厚いか薄いコンポーネント・テープを、装着後のテープ・ガイド10に装填すると、後方ロック要素14、46が相互作用して、送り込みホィールにおけるテープ・ガイドの垂直位置を適切な位置へと自動調節する。係合表面14aの角度およびレバー46のバイアスにより、送り込みホィール43とコンポーネント・テープ20間の適切な接触圧が獲得されることが保証される。コンポーネント・テープ自体は、図示を容易にするため図示されていないが、図11aは、側方部分が厚くなったコンポーネント・テープをテープ・ガイドに装填した場合の、テープ・ガイド10の自動調節した位置を示すものであり、図11bは、側方部分が薄くなったコンポーネント・テープをテープ・ガイドに装填した場合の、テープ・ガイド10の自動調節した位置を示すものである。したがって、1つのテープ・ガイド10を、プラスチック・テープ、または一般的にプラスチック・テープより厚い横方向部分を有する厚紙テープのいずれも等しく使用することができる。
【0067】
当業者に理解されるように、本発明のシステムは、同じコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープに制限されているが、本発明は特定のコンポーネント・テープ幅に制限されるものではない。したがって、本発明のシステムは、システムのコンポーネント・テープが同じコンポーネント・テープ幅を有する限り、任意のコンポーネント・テープ幅に等しく適用することができる。
【0068】
本発明を、その例示的実施形態を用いて以上で説明してきたが、当業者に理解されるように、添付請求の範囲によって定義された本発明の範囲内で、その改造、変形および組合せを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のテープ・ガイドとコンポーネント・テープとコンポーネント・テープ・ホルダとの関係を示す。
【図2a】厚紙本体を有するコンポーネント・テープの一般的構造を示す斜視図である。
【図2b】厚紙本体を有するコンポーネント・テープの一般的構造を示す想像線図である。
【図3】図3aから図3eは、様々に構成されたコンポーネント・テープを示す平面図である。
【図4】図4aから図4eは、図3aから図3eで示したコンポーネント・テープの断面図である。
【図5】本発明によるテープ・ガイドの一般的構造を示す。
【図6】図6aおよび図6bは、本発明によるテープ・ガイドの一般的構造を示す。
【図7】異なる形態のコンポーネント・テープを受けるよう構成された3つのテープ・ガイドを示す。
【図8a】本発明の実施形態による様々な視覚マークの形態を示す。
【図8b】本発明の実施形態による様々な視覚マークの形態を示す。
【図8c】本発明の実施形態による様々な視覚マークの形態を示す。
【図8d】本発明の実施形態による様々な視覚マークの形態を示す。
【図8e】本発明の実施形態による様々な視覚マークの形態を示す。
【図9】本発明の実施形態によるテープ・ガイドを使用することができるコンポーネント・マガジンを示す。
【図10】図9のマガジンへのテープ・ガイドの装填を示す。
【図11】図11aおよび図11bは、図9のマガジンと本発明の実施形態によるテープ・ガイドとの間の装着構成を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンポーネント・テープのそれぞれに設けられた区画内に支持されていてコンポーネント装着機で装着すべき電子コンポーネントを扱う方法であって、
前記コンポーネント・テープは、同一のコンポーネント・テープ幅を有するとともに、前記区画のサイズ及び隣接する区画間の距離が互いに異なる複数の異なる構成のコンポーネント・テープを含んでおり、前記方法は、
コンポーネント・テープを受け入れて案内するように構成された複数のテープ・ガイドを設けるステップと、
コンポーネント・テープによって支持された電子コンポーネントを露出させるために、各テープ・ガイドについて1つのコンポーネント露出装置を設けるステップとを含み、
前記コンポーネント露出装置が、前記異なる構成のコンポーネント・テープのそれぞれの構成に適合する複数の異なる構成のコンポーネント露出装置を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記露出装置が、電子コンポーネントを覆う前記コンポーネント・テープのカバー・テープの一部を少なくとも部分的に除去するか変位させることによって電子コンポーネントを露出させることを可能にする構成になっている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各テープ・ガイドに特定の構成のコンポーネント・テープに使用するためのコンポーネント露出装置を設ける請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
各テープ・ガイドが同一のコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープを受け入れるようになっている請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のテープ・ガイドを、1つのサブセットに含まれる各テープ・ガイドが同一構成のコンポーネント露出装置を有するようにして、テープ・ガイドの複数のサブセットに分類し、コンポーネント露出装置の構成を、各テープ・ガイドが受け入れるコンポーネント・テープの構成に適合したものにする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各テープ・ガイドに少なくとも1つの視覚マークを設け、1つのサブセットに含まれる各テープ・ガイドに同様の視覚マークを設けるとともに、前記1つのサブセットとは異なるサブセットの各テープ・ガイドに容易に識別可能な異なる視覚マークを設けるようにして、各サブセットのテープ・ガイドを標記するようにする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
特定のコンポーネント・テープに使用するサブセットのテープ・ガイドを示すための視覚マークをコンポーネント・テープに設け、前記特定のコンポーネント・テープの視覚マークが、特定のサブセットのテープ・ガイドの視覚マークに対応するようにするステップを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
それぞれが1つのコンポーネント・テープを保持するように構成された複数のコンポーネント・テープ・ホルダを設けるステップと、
各コンポーネント・テープ・ホルダに対してどのサブセットのテープ・ガイドを使用すべきかの選択を容易にするため、各コンポーネント・テープ・ホルダに少なくとも1つの視覚マークを設けるステップとを含む請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
複数のコンポーネント・テープのそれぞれに設けられた区画内に支持されていてコンポーネント装着機で装着すべき電子コンポーネントを扱うシステムであって、
前記コンポーネント・テープは、同一のコンポーネント・テープ幅を有するとともに、前記区画のサイズ及び隣接する区画間の距離が互いに異なる複数の異なる構成のコンポーネント・テープを含んでおり、前記システムは、
コンポーネント・テープを受け入れて案内するように構成された複数のテープ・ガイドと、
コンポーネント・テープによって支持された電子コンポーネントを露出させるために各テープ・ガイドに1つ設けられているコンポーネント露出装置とを有し、
前記コンポーネント露出装置が、前記異なる構成のコンポーネント・テープのそれぞれの形状に適合する複数の異なる構成のコンポーネント露出装置を含んでいることを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記露出装置が、電子コンポーネントを覆う前記コンポーネント・テープのカバー・テープの一部を少なくとも部分的に除去するか変位させることによって電子コンポーネントを露出させることを可能にする構成になっている請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
特定のコンポーネント露出装置を有するテープ・ガイドが特定の構成のコンポーネント・テープに使用するようになっている請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
各テープ・ガイドが同一のコンポーネント・テープ幅のコンポーネント・テープを受け入れるようになっている請求項9から11までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のテープ・ガイドが、1つのサブセットに含まれる各テープ・ガイドが同一構成のコンポーネント露出装置を有するようにして、テープ・ガイドの複数のサブセットに分類され、コンポーネント露出装置の構成が、各テープ・ガイドが受け入れるコンポーネント・テープの構成に適合したものなっている請求項9から12までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
各テープ・ガイドが、各テープ・ガイドのサブセットを標記するための少なくとも1つの視覚マークを有し、1つのサブセットに含まれる各テープ・ガイドが同様の視覚マークを有するとともに、前記1つのサブセットとは異なるサブセットの各テープ・ガイドが容易に識別可能な異なる視覚マークを有するようにした請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
特定のコンポーネント・テープに使用するサブセットのテープ・ガイドを示すための視覚マークをコンポーネント・テープに設け、前記特定のコンポーネント・テープの視覚マークが、特定のサブセットのテープ・ガイドの視覚マークに対応している請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
それぞれが1つのコンポーネント・テープを保持するように構成された複数のコンポーネント・テープ・ホルダを設け、各コンポーネント・テープ・ホルダに対してどのサブセットのテープ・ガイドを使用すべきかの選択を容易にするため、各コンポーネント・テープ・ホルダに少なくとも1つの視覚マークを設けた請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンポーネント露出装置が、電子コンポーネントを覆う前記コンポーネント・テープのカバー・テープの一部を該コンポーネント・テープのキャリア・テープから分離することによって前記電子コンポーネントの露出を可能にする先端部分を備え、該先端部分のサイズおよび側方位置が、前記区画のサイズと、各コンポーネント・テープの前記区画に沿う、前記カバー・テープの前記キャリア・テープへの取り付け部分の位置とに適合する請求項9から16までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記先端部分の幅および側方位置が、前記区画のサイズおよび位置、および前記取り付け部分の位置に適合し、したがってカバー・テープが、区画の一方側でキャリア・テープから分離され、区画の他方側でキャリア・テープに取り付けられたままにされる請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
所定の同一のコンポーネント・テープ幅を有するコンポーネント・テープを受け入れ、コンポーネント装着機でコンポーネント・テープを送り込んでコンポーネント・テープからコンポーネントをピッキングするための位置へ位置させるようにする複数のテープ・ガイドであって、所定の同一のコンポーネント・テープ幅で互いに異なる構成のコンポーネント・テープに適合する異なるコンポーネント露出装置を有する複数のテープ・ガイドを識別するように視覚マークを使用する方法。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−288609(P2008−288609A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182558(P2008−182558)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【分割の表示】特願2003−529832(P2003−529832)の分割
【原出願日】平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願人】(500563005)マイデータ オートメーション アクチボラグ (12)
【Fターム(参考)】