説明

コーティング装置

【課題】短時間でたくさんのレンズにコーティング被膜を形成するコーティング装置を提供すること。
【解決手段】レンズのコーティング装置において、レンズセンタリング装置2のレンズ支持部、レンズ塗布装置5のレンズ支持部及びレンズ乾燥装置7のレンズ支持部を等間隔に配置した。レンズ搬送装置8のレンズ保持部80,81を各レンズ支持部の間隔と同じ間隔を開けて一対設け、レンズ保持部のうち第1のレンズ保持部80がレンズ10をセンタリング装置2のレンズ支持部から塗布装置5のレンズ支持部に搬送すると同時に、レンズ保持部の第2のレンズ保持部81がレンズ10を塗布装置5のレンズ支持部から乾燥装置7のレンズ支持部に搬送するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡などのレンズに、例えばフォトクロミックコーティングの前に行うプライマーコーティングなどのコーティング液のコーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光により色が変化する材料にフォトクロミック物質がある。フォトクロミック物質は、紫外線の有無によって構造が可逆的に変化し、吸収スペクトルが変わる性質を持っており、これは、一つの異性体に特定波長の光を照射すると、光の作用により単一の化学物質が吸収スペクトルの異なる異性体を可逆的に生成する物質の性質である。そして、生成した他の異性体は、熱又は別の波長の光により元の異性体の色へ戻る。
このフォトクロミック材料の性質をレンズに利用したフォトクロミック眼鏡がある。これは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、光の照射のない屋内では、退色して透明な通常の眼鏡として機能する。
【0003】
フォトクロミック性を有するレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミックコーティング液を含浸させる方法、モノマーにフォトクロミックコーティング液を溶解させ、それを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法、及びフォトクロミック化合物を含有するコーティング剤を用いてレンズの表面にフォトクロミック性を有する層を設ける方法が知られている。
【特許文献1】特開2000−334369号
【特許文献1】特開2005−013873号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のレンズの製造方法のうち、フォトクロミックコーティング液をコーティングするコーティング法では、フォトクロミック層とレンズ基材との密着性を良くするため、フォトクロミックコーティング作業の前処理として、レンズの表面にプライマーコーティングを施した後にフォトクロコーティングを行うことがある。
このプライマーコーティング作業では、レンズを回転させながら、プライマーコーティング液を入れたベゼルのノズルからプライマーコーティング液をレンズの表面に吐出させて、レンズの表面にコーティング層を形成している。
【0005】
しかしながら、レンズの大きさ、勾配が同じで同種のレンズをコーティングする場合は、装置の設定が変わらないので問題はないが、大きさ勾配の異なるレンズにコーティング液を塗布する場合、レンズの形状に装置を適合させる必要がある。このような場合、予め、レンズの高さや勾配が分かっていれば、装置の設定をそのパターンに合わせることができるが、レンズの高さ勾配が不明な場合は、あらためてそのレンズの高さ、勾配を調べてから、そのレンズにあった位置に応じて、レンズの高さ若しくはノズルの高さを合わせてコーティング層が均一になるようにしていた。また、レンズをコーティング処理するのに短時間で多くのレンズを効率よくコーティングすることが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、レンズの高さ、勾配を自動的にかつ容易に検知することができ、安定したコーティング被膜を形成するとともに、短時間でたくさんのレンズにコーティング被膜を形成するコーティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面のコーティング装置は、上記目的を達成するために、レンズの表面を上方に向けてレンズの中心の位置出しを行うセンタリング装置と、レンズの表面にノズルによってコーティング液を塗布する塗布装置と、レンズの表面上のコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズ保持部を設け該レンズをセンタリング装置からコーティング液塗布装置に搬送し、さらに該レンズをコーティング液塗布装置から乾燥装置に搬送するレンズ搬送装置を備えたレンズのコーティング装置において、前記センタリング装置、前記塗布装置及び前記乾燥装置の各レンズ支持部を等間隔に配置し、前記レンズ搬送装置の前記レンズ保持部を前記各レンズ支持部と同じ間隔を開けて一対設け、前記レンズ保持部のうち第1のレンズ保持部がレンズを前記センタリング装置のレンズ支持部から前記塗布装置のレンズ支持部に搬送すると同時に、前記レンズ保持部のうち第2のレンズ保持部がレンズを前記塗布装置のレンズ支持部から前記乾燥装置のレンズ支持部に搬送するようにした。
本発明の第2の局面のコーティング装置は、前記塗布装置に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、センサーによって検知するレンズ高さ計測センサーを設けるようにした。
本発明の第3の局面のコーティング装置は、前記レンズ高さ計測センサーが、2組の発光器と受光器とを備え、発光器から受光器へ到達する光をレンズが遮断することによってレンズの高さを求めるようにした。
本発明の第4の局面のコーティング装置は、前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記ノズルを移動させながら回転するレンズ表面にコーティング液を塗布するようにした。
本発明の第5の局面のコーティング装置は、前記乾燥装置が回転軸を中心に回転可能なターンテーブルであって、該ターンテーブルに前記乾燥装置のレンズ支持部を複数設け、複数のレンズを乾燥させるようにした。
本発明の第6の局面のコーティング装置は、前記塗布装置の非稼動時に溶媒が溜められた前記ノズルの待機槽を設け、該待機槽に前記ノズルの先端を浸漬させるようした。
本発明の第7の局面のコーティング装置は、前記コーティング液のレンズへの塗布作業が、レンズのフォトクロミックコーティングの前に行うプライマーコーティングの塗布作業とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第1の局面のコーティング装置は、センタリング装置、塗布装置及び乾燥装置の各レンズ支持部を等間隔に配置し、レンズ搬送装置のレンズ保持部を前記各レンズ支持部と同じ間隔を開けて一対設け、前記レンズ保持部のうち第1のレンズ保持部がレンズを前記センタリング装置のレンズ支持部から前記塗布装置のレンズ支持部に搬送すると同時に、前記レンズ保持部のうち第2のレンズ保持部がレンズを前記塗布装置のレンズ支持部から前記乾燥装置のレンズ支持部に搬送するようにしたので、レンズ搬送装置の無駄な動きを防止することができるとともに、レンズ搬送時間を短時間にすることができる。
本発明の第2の局面のコーティング装置は、前記塗布装置に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、センサーによって検知するレンズ高さ計測センサーを設けるようにしたので、レンズの高さや勾配を予め知ることなく、作業を行うことができるので、コーティング作業の円滑化を図ることができる。
本発明の第3の局面のコーティング装置は、前記レンズ高さ計測センサーが、2組の発光器と受光器とを備え、発光器から受光器へ到達する光をレンズが遮断することによってレンズの高さを求めるようにしたので、一回の測定作業でレンズの形状や大きさを測定できる。
本発明の第4の局面のコーティング装置は、前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記ノズルを移動させながら回転するレンズ表面にコーティング液を塗布するようにしたので、レンズ表面にコーティング液を均一に塗布することができる。
本発明の第5の局面のコーティング装置は、前記乾燥装置が回転軸を中心に回転可能なターンテーブルであって、該ターンテーブルに前記乾燥装置のレンズ支持部を複数設け、複数のレンズを乾燥させるようにしたので、レンズを順次乾燥させることができ、効率良くレンズを乾燥できる。
本発明の第6の局面のコーティング装置は、前記塗布装置の非稼動時に溶媒が溜められた前記ノズルの待機槽を設け、該待機槽に前記ノズルの先端を浸漬させるようしたので、ノズルの先端が乾燥することを防止し、コーティング液を安定して供給できる。
本発明の第7の局面のコーティング装置は、前記コーティング液のレンズへの塗布作業が、レンズのフォトクロミックコーティングの前に行うプライマーコーティングの塗布作業であるので、好適なプライマーコーティングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態によるコーティング装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、レンズにプライマー液を自動制御によりコーティングするプライマーコーティング装置(以下、コーティング装置とする)を示す。なお、図1のフォトクロミックコーティング装置の下側が装置の前側(Y軸方向)とし、左右を横方向(X軸方向)とし、図面(紙面)に対して垂直な向きを上下方向(Z軸方向)とする。
コーティング装置1は、主としてレンズの中心位置を決めるセンタリング装置2、レンズを回転させるスピン装置3、レンズの高さや勾配を計測するレンズ高さ計測センサー4、レンズの表面にコーティング液を塗布する塗布装置5と、この塗布装置のノズルの非稼動時にノズルの先端を溶媒に浸漬するノズル待機槽6、レンズの表面上のコーティング液を乾燥させるレンズ乾燥装置7と、及びレンズ搬送装置8を備えている。
【0009】
図2は、センタリング装置2の平面図、図3は図2のA−A方向の断面図である。
センタリング装置2には、コーティング装置1の基台9上に複数(4本)の支柱12に支持されているセンタリング冶具11が設けられている。センタリング冶具11は、水平方向に対する外周形状が矩形であり、その平面視において中心部に円弧形状の湾曲面を有する一対のブロックプレート14が設けられ、図4に示すように、このブロックプレート14には、レンズ10の中心の位置出しを行う階段状の段部dを形成している。そして、段部dは、各レンズ10のサイズの外周形状に合わせて形成され、一番下側の段部d1からd2、d3、d4、d5の順、大きさの異なるプレートを重ね合わせて(または一体ものでもよい)、小径のレンズ10から大径のレンズ10の各々のセンタリングができる。各レンズ10のサイズに応じた段部d1〜d5に、レンズ10の下側縁部(レンズの裏側縁部)を当接させることによってレンズ10の中心に対して位置出しを行う。センタリング冶具11による位置出しは、後続の作業におけるレンズ10のセンタリングの基準となる。なお、センタリング冶具11の段部dには、ハンドリング装置(図示せず)若しくは人手によって、レンズ10を載置する。
【0010】
図3に示すように、基台9の裏側の基台内部には、基台9の天井面から下方に垂下したガイド部材15が設けられ、ガイド部材15にはエアスライドテーブル16が上下方向にスライド可能に嵌合し、図示しない空圧手段の空圧力によってスライドする。
エアスライドテーブル16には、断面がL字形状の支持部材17が取付けられ、支持部材17の上端部に設けられた水平板17aには、横断面が円形のセンタリングロッド18が先端を上方にして立設されている。センタリングロッド18の中心位置は段部d1〜d5の中心と一致するように配置されている。センタリングロッド18は、基台9とセンタリング冶具11に形成された孔9aを貫通できるように配置されている。そして、エアスライドテーブル16を稼動させることによって、センタリング冶具11にセットされたレンズ10をセンタリングロッド18の先端部で支持し、レンズ10をセンタリング冶具11の上面11bよりも上方に移動させることができる。
【0011】
図5は、スピン装置3の平面図、図6はスピン装置3をコーティング装置1のX軸方向から見た断面図である。
基台9の内部には、スピン装置3の昇降ユニット21が配設されている。昇降ユニット21は、基台9側に固定された固定側支持板23を設け、基台9の天壁と固定側支持板23との間に2本のボールねじ22(図5、図8参照)が垂直方向に固定され、ボールねじ22にはボールナットを備えた昇降ブロック24が噛合している。
図8に示すように、固定側支持板23には、サーボモータ25が取付けられ、サーボモータ25には駆動プーリ28が設けられている。固定側支持板23の下部には図9に示すように一対のアイドラプーリ26取付けられ、ボールねじ22の下部には、タイミングプーリ27が取付けられている。各プーリ26〜28には、タイミングベルト36が巻回され、昇降ブロック24はサーボモータ25を駆動させることによって、昇降可能である。図5及び図9に示すように、昇降ブロック24にはガイドローラ29を設け、ガイドローラ29は、基台9の下部に配設されている側壁30に形成されているローラガイド31にガイドされる。
【0012】
図5に示すように、昇降ブロック24には、サーボモータ32が設けられ、サーボモータ32には回転プーリ33が取付けられ、また、昇降ブロック24にはスピン軸34が軸を上下方向に向けて配設され、スピン軸34の下端には、スピンプーリ35が取付けられている。そして、それらのプーリ33,35には、タイミングベルト37を巻回させて、スピン軸34を回転可能にさせている。スピン軸34の上端部には、図10に示すように、O−リング38が装着され、スピン軸34の中心部には吸着孔39が設けられ、吸着孔39は図示しない空気吸引手段と接続され、レンズ10を吸着できるようにしている。
基台9上には、コーティング液の回収トレイ45が基台9に形成された円形孔9bを閉塞するように載置されている。回収トレイ45の上部には、スピン軸34の周囲を覆うカバー46を配設し、カバー46のスピン軸34が位置する中央部には、レンズ10などを出し入れする開口46aを形成している。カバー46はコーティング液を塗布したレンズ10を回転させる際に、コーティング液の周囲への飛散を防止し、コーティング液を回収トレイ45に回収する役割を果たす。
【0013】
図11及び図12は、レンズ高さ計測センサー4を示す。
レンズ高さ計測センサー4には、基台9上に配設されているY軸スライドブロック41が設けられ、Y軸スライドブロック41は基台9の後部側から、レンズ搬送装置8の上部を跨いでスピン軸34側に延びている。Y軸スライドブロック41には、Y軸ガイド部材40が設けられ、Y軸スライドブロック41上をスピン軸34側にY軸方向へ進退移動をすることができる。Y軸スライドブロック41の先端部には、U字形状のセンサー取付部材42が設けられ、その対向する両側端部には、2組のセンサーユニット43,44が配設されている。センサーユニット43,44のセンサー43a,44aは、発光部と受光部とを有し発光部によってレーザ光を照射し、ミラー(フォトリフレクター)43b,44bはそのレーザ光を反射してセンサー43a,44aの受光部で受光することができる。
【0014】
図13のA、Bに示すように、各センサーユニット43,44は、センサー43a,44aとミラー43b,44bとが互い違いにかつ向かい合って配設され、さらに一方のセンサー43a及びミラー43bを結ぶ線に対し、他方のセンサー44a及びミラー44bを結ぶ線が、同じ水平高さ位置でかつ平行に配置されている。これらのセンサー43a,44aとミラー43b,44bとの間にレンズ10が配置される。センサーユニット43,44は、レンズ10がセンサー43a,44a及びミラー43b,44b間に配置されると、レーザ光がレンズ10により屈曲されることによって遮断されてレンズ10の有無とレンズ面の基台2からの基準高さを検知する(図22参照)。
【0015】
図14〜図16は、レンズ10にプライマーコーティング液を塗布する塗布装置5を示す。図に示すように、基台9の天井面の前部にはY軸ガイドユニット50がY軸方向に延在し、Y軸ガイドユニット50は、サーボモータ51に接続されたY軸ボールネジ52に螺着され、Y軸ボールネジ52にはスライドユニット53が取付けられている。サーボモータ51を駆動させると、スライドユニット53がY軸方向に進退移動することができる。
スライドユニット53には、サーボモータ54に接続された上下方向に延びるZ軸ボールネジ55に螺着する昇降ブロック56が取付けられ、サーボモータ54が駆動すると、昇降ブロック56が上下動するように構成されている。昇降ブロック56には、垂直方向に立設する支持ロッド57が設けられている。支持ロッド57は、Y軸ガイドユニット50に沿って基台9に形成された長孔9cを上下の貫通し、基台9の内部から基台9上に突出する。支持ロッド57の上部には、X軸方向に延びる支持アーム58が水平に延び、その先端側にはコーティング装置1の前側に向いた支持板58aを取付けている。そして、支持板58aの先端部にはディスペンスバルブ59を設け、ディスペンスバルブ59の下端部には、コーティング液を吐出するノズル59aが先端を直下に向けて取付けられている。ノズル59aの中心位置、及びスピン装置3のスピン軸34の中心位置は、Y軸の同一座標軸上に位置できるように構成されている。
【0016】
コーティング装置1の基台9の前部には、図14及び図17に示すディスペンスバルブ59のノズル59aを浸漬するためのノズル待機槽6が設けられ、ノズル待機槽6の内部には溶媒が溜められている。ノズル待機槽6の位置は、スピン軸34の前方(同一Y軸座標上)に位置させている。塗布装置5の非稼動時では、ディスペンスバルブ59のノズル59aの先端がノズル待機槽6の溶媒中に浸けられ、サーボモータ54を駆動させると、昇降ブロック56が上方移動する。これによって、ディスペンスバルブ59が上方に移動し、Y軸ガイドユニット50のサーボモータ51を駆動させると、ディスペンスバルブ59をY軸方向へ移動させて、ノズル59aをスピン軸34の中心の直上方に位置させる。そして、再度サーボモータ51を駆動させて、ノズル59aの高さを、レンズ10に対応させたコーティング液の塗布時の高さに調整できる。
ノズル待機槽6は、内部が溶媒槽とオーバフロー槽の2つの区画に仕切られている。溶媒槽の溶媒が供給され、余剰となったものがオーバフロー槽へ流れることにより溶媒槽の溶媒の液面の高さを一定に保つ構造となっている。ノズル待機槽6は、溶媒液の減少を検知する液面センサーや、少なくなった溶媒を自動でノズル待機槽6へ供給する機構を有してもよい。
【0017】
レンズ乾燥装置7は、図18及び図19に示すように、基台9上にターンテーブル61が設けられ、ターンテーブル61は基台9に固定されている支持ケース64に支持軸63が回転可能に支持されている。ターンテーブル61にはレンズ10を支持する8個のスライドシャフト62が設けられ、支持軸63の中心と同心円上に配置されている。ターンテーブル61の一部は、扇上のカバー65によって覆われる。
基台9の天井面には、断面がL字形のモータ支持ブラケット66が固定され、モータ支持ブラケット66には、先端側にギヤヘッド67aを設けたスピードコントロールモータ67が取付けられ、スピードコントロールモータ67のギヤヘッド67aと、ターンテーブル61の支持軸63の間には、回転軸方向を水平方向から垂直方向に変換するギヤボックス68が設けられている。そして、ギヤヘッド67aとギヤボックス68との間、支持軸63とギヤボックス68との間の各々の接続部には、カップリング69,70を介在させて、それらを接続している。
レンズ乾燥装置7は、スピードコントロールモータ67を駆動によって、ターンテーブル61を回転させて、支持軸63に支持させたコーティング済みのレンズ10を、順次回転させる。
【0018】
図20及び図21は、レンズ搬送装置8を示す。
レンズ搬送装置8は、基台9上にX軸ボールネジ71をX軸方向に向けて配設し、X軸ボールネジ71の両端部は、基台9上に固定された軸受け72,73によって支持されている。X軸ボールネジ71の端部には、X軸サーボモータ74が接続されるとともにそのネジ部にはX軸ボールナット75が螺着し、X軸ボールナット75にはスライダー76が取付けられている。このスライダー76は、X軸ボールネジ71の両側に、該X軸ボールネジ71と平行に配設されているガイドレール82,83にガイドされ、X軸サーボモータ74の駆動によって、X軸方向に移動が可能である。
【0019】
スライダー76の前端側には、X軸方向に延在する支持板77が取付けられ、支持板77のX軸方向における両端部には、コーティング装置1の前方側へ延び、先端側がコーティング装置1の幅方向へ向いたL形アーム78,79が設けられ、その先端部にはU字形状のレンズ保持部80,81が設けられている。レンズ保持部80,81の先端形状の大きさは、レンズ10を載置できるともに、U形状の内側に、センタリング装置2のセンタリングロッド18(図3参照)、スピン装置3のスピン軸34(図12参照)、レンズ乾燥装置7のスライドシャフト62(図19参照)が入り込む大きさに形成される。
レンズ保持部80,81がレンズ10を保持する中心位置、センタリング装置2のセンタリングロッド18の中心位置、スピン装置3のスピン軸34の中心位置、レンズ乾燥装置7のターンテーブル61(支持軸63)の中心位置は、X軸座標の同一座標軸上(同一直線上)に配置されている。
【0020】
レンズ保持部80,81の中心間距離L1は、センタリング装置2のセンタリングロッド18とスピン装置3のスピン軸34との中心間距離L2、このスピン軸34とレンズ乾燥装置7のターンテーブル61のレンズ10を支持するスライドシャフト62(スピン軸側)との中心間距離L3と等しくなるように配置されている。したがって、レンズ保持部80,は、センタリングロッド18上のレンズ10をスピン軸34に搬送し、レンズ保持部81は、スピン軸34上のレンズ10をスライドシャフト62に、同時に搬送することができる。
【0021】
以下、本実施形態のコーティング装置によるプライマーコーティングの手順について説明する。
基材として、例えば、チオウレタン樹脂製のレンズ基材を用い、前処理として、アルカリ水溶液や、超音波洗浄によるレンズ10の洗浄を行う。
次いで、コーティング装置1による作業が行われ、図4に示すセンタリング装置2のセンタリング冶具11に、レンズ10をセットする。レンズ10は、外径の大きさに応じた段部d1〜d5のいずれかに適合されることによって、センタリングがされる。レンズ10のセットは、人手によっても機械的にハンドリング装置で行ってもよい。
【0022】
センタリングが終了したレンズ10は、図3に示すように、エアスライドテーブル16が空圧力により上昇させることにより、これに取付けられているセンタリングロッド18がレンズ10の裏面と当接してレンズ10を図20に示すレンズ搬送装置8のレンズ保持部80の高さよりも上側に上昇させる。レンズ10を上昇させた後に、レンズ保持部80をセンタリングロット18の軸部を跨ぐようにして差し込み、この状態からセンタリングロッド18を下降させる。これによって、レンズ10がレンズ保持部80の上に保持される。
他方のレンズ保持部81は、このような作業当初ではスピン装置3のスピン軸34にレンズ10が載置されていないので、レンズ10のない空動作を行う。
【0023】
次に、レンズ保持部80のレンズ10は、レンズ搬送装置8のX軸サーボモータ74の駆動によってスライダ76が移動し、図7に示すように、スピン装置3のスピン軸34の直上方に移動される。そして、サーボモータ25(図6参照)を駆動させて昇降ブロック24を上昇させることによって、スピン軸34の上端部にレンズ10を支持させる。レンズ10は、スピン軸34に設けられた吸着孔39(図10参照)によって、負圧によって吸着されて支持される。未だ、レンズ10を保持していない他方のレンズ保持部81は、レンズ乾燥装置7のスライドシャフト62の上で、レンズ10のない空動作を行う。
スピン軸34上のレンズ10は、レンズ高さ計測センサー4によって、レンズ10の高さ、及び図22のBに示すレンズ10の表面側のセンターからレンズ10のコバ(レンズの上面側周端縁)bまでの高低差h’を検知する。レンズ10の高さを求めるのは、レンズ10を塗布装置5のノズル59aの高さに合わせるためであり、レンズ10の高低差h’を検知するのは、レンズ10の勾配を求め、コート液を塗布する際の、ノズル59aを移動させる軌道を決定するため、及びレンズ10のスピン条件を決定するためである。
【0024】
検知作業は、レンズ高さ計測センサー4のセンサーユニット43,44のセンサー43a,44aと、ミラー43b,44bとの間にレンズ10を挟むようにして行われる。すなわち、サーボモータ51を駆動することによって、スピン軸34を下方位置から上昇させると、レンズ10のセンター位置に設置された一方のセンサー43aのレーザ光43cが、レンズ10によって屈折される。レーザ光43cがミラー43bまで達せず又は達しても屈折されているので、センサー43aまで戻らないので、レンズ10の存在が検知される。このレンズ10のセンターを測ることで、基台9を基準としたレンズ10の高さが分かる。
【0025】
図22のAに示すように、センサー43aのレーザ光が遮断された際に、他方のセンサー44aでは、センサー44aの発光部からのレーザ光44cがミラー44bを介してセンサー43bに戻っているので、レンズ10が存在しないことが分かる。さらに、レンズ10を上昇させると、レーザ光44cがレンズ10に当たり、レーザ光44cの屈折によりミラー44bではレーザ光44cが達しないか又は屈折されてセンサー44aに戻らず、レンズ10の存在が認識される。こうして、レンズ10のセンター位置(頂点)と、レンズ10のセンター以外の任意の位置の高低差hが検出される。
レンズ10の中心からコバbまでの上下方向における高差h’は、レンズ10のセンターの高さと、他方のセンサーユニット44で検出したレンズ10の高低差hを知ることによって導くことができる。
すなわち、2点間の距離が分かれば、図22のBを参照にして、次式から算出できる。
【0026】
【数1】

ここで、Rは、レンズの上面の曲率半径、Dはレンズ10の直径である。
また、実用上は上式の代わりに、次式のような簡略化した近似式を用いて高差h’を算出することができる。
h’=H/4L
なお、上記で算出した曲率半径Rの大きさ、即ちレンズ10の曲率に応じて、次工程でのレンズ10の回転数、回転時間等が定められる。
【0027】
次に、レンズ10のプライマーコーティング作業が行われる。
先ず、ノズル59aのプライマーコーティング作業の直前に、ノズル待機槽6にノズル59aを浸漬させた状態で、少量のコーティング液を吐出させる(空うち作業)。これによって、ノズル59aを浸漬時にノズル59a内に僅かに拡散・混入した溶媒をノズル外に放出し、溶媒が混入し不均一となったコーティング液をレンズ59aに塗布するのを防止できる。この空うち作業は、コート液がレンズ59a上に塗布されない場所であれば、ノズル待機槽の外でおこなってもよい。
コーティング作業は、ノズル59aをレンズ10の中心にセットしておき、図22のCに示すレンズ10の中心cからコバbまでの直線ラインに対して10mm以下の間隔hを開けて、かつその直線ラインに平行にノズル59aをレンズ10の中心の直上方からレンズの上面端縁まで、レンズ10の半径方向へ直線移動させて行う。この動作は、塗布装置5のサーボモータ51によって、スライドユニット53をコーティング装置1の前方側(Y軸)に移動する一方、サーボモータ54によって昇降ブロック56を下降させることによって、ノズル59aの先端部を、レンズ10の中心cからコバbを結ぶ直線ラインに平行に移動することによって行う。コーティング液の塗布作業は、サーボモータ32によってスピン軸34を回転させながら行われる。
【0028】
レンズ10を回転させながらノズル59aを上記のように移動させコート液を吐出することにより、ノズル59aとレンズ10との間隔が10mm以下となるように保ちつつ、ノズル59aがレンズ10上を渦巻き状の軌跡を描きながら移動することができる。この際、レンズ10上に吐出されたコーティング液が、吐出時の勢いとレンズの遠心力によって、塗膜の隙間を埋めるようにしてレンズ表面を広がり、コーティング液をレンズ10の上面全体に塗り残しなく塗布することができる。コーティング液を塗布する際、レンズ10とノズル59aとの間隔が大きすぎると(例えば、20mm以上)、ノズル59aより吐出されたコーティング液が自身の表面張力によりレンズ10表面に達する前に液滴状になって滴下するため、塗膜の塗り残しや気泡の混入が発生する場合がある。本発明においては、レンズ10の高さ及び勾配を計測により求めることによって、レンズ10の形状が変わってもノズルとレンズが一定間隔以下となるように塗布可能であるため、これらの問題を回避することができる。
コーティング液を塗布する際のレンズ10の回転数は、コーティング液の粘度、乾燥速度を考慮して、均一な塗膜が得られるように適切な条件を選択すればよい。また、ノズルの移動速度は、レンズ10の回転数とコート液の吐出速度とのバランスを考慮し、塗り残しなくレンズ10上面全体に塗布できる条件を選択すればよい。プライマー液を塗布する場合の好ましいレンズ10の回転数は50〜100rpmであり、ノズル59aの移動速度が1.5〜4mm/秒である。
コーティング液を塗布した後、レンズ10の回転数を上昇させることにより塗膜を薄膜化し膜厚を調整する。具体的には、レンズ10を600〜1500rpmの回転数で5秒程度回転させる。コーティング層の厚さは7μmである。なお、回転数を上昇させる際の上昇速度や回転数は、レンズ10の曲率や、レンズ10周辺の温度に応じて変更し、適正膜厚になるように調整している。
コーティング作業が終了した後は、塗布装置5はサーボモータ54によって昇降ブロック56を下降させることによって、ノズル59aの先端をノズル待機槽6のコーティング液中に漬ける。
【0029】
このようなレンズ10のコーティング作業中に、レンズ保持部80,81は、図20に示す初期位置に戻し、センタリング装置2のセンタリング冶具11では、段部dにレンズ10をセットしておく。そして、次作業にて一方のレンズ保持部80では、上述したように、センタリングロッド18上のレンズ10を保持して、同じ作業を繰り返すことによってスピン軸34にレンズ10を搬送する。他方のレンズ保持部81では、一方のレンズ保持部80がレンズ10を保持する際に、他方のレンズ保持部81がスピン軸34の周囲に配置され、スピン軸34を下降させることによって、スピン軸34上にあるコーティング液を塗布したレンズ10を保持する。
そして、一方のレンズ保持部80がスピン軸34にレンズ10を搬送すると同時に、他方のレンズ保持部81のレンズ10が、レンズ乾燥装置7のスライドシャフト62の直上方に配置され、スライドシャフト62が上方に突出することによって、レンズ10がスライドシャフト62に支持される。
【0030】
レンズ乾燥装置7では、ターンテーブル61が回転することによって、乾燥処理がされる。レンズ10は、コーティング層を塗布した後は、常温でコーティング層を15分間乾燥(固化)させる。ウレタンプライマーからなるコーティング液は、湿気により固化する性質を有し、ターンテーブル61を1回転させて、コーティング層を固化させたレンズ10を乾燥装置から取り出す。
このように、一方のレンズ保持部80はセンタリング装置2のセンタリングロッド18からスピン装置3のスピン軸34にセンタリング後のレンズ10を搬送し、他方のレンズ保持部81はスピン軸34からレンズ乾燥装置7のスライドシャフト62にコーティング済みのレンズ10を同時に搬送する。コーティング装置1は、順次、この作業を繰り返し行い、レンズ10を同時移動することによって、レンズ保持部を1個備えた装置と比較して、作業時間の短縮とレンズ保持部の必要最小限の移動によって作業を行うことができ、作業時間の短縮と生産コストの軽減を図ることができる。
レンズ乾燥装置7では、レンズ10のコーティング層が固化した後に、レンズ乾燥装置7から取り出される。レンズ乾燥装置7から取り出されたレンズ10は、次工程でフォトクロミックコーティングがされる。
【0031】
図23は、上記実施の形態の図7で説明したスピン装置3のスピン軸34の周囲に設けたカバー46の変形例である。
図23に示すように、カバー91は、内カバー92と外カバー93とによって形成され、外カバー93の上側が円錐台形の筒状部材であって、外カバー93の上縁部に内カバー92が嵌合されて、内カバー92が外カバー93に組付けられている。これらのカバー92,93間には排気孔94が設けられている。この排気孔94の吸入口94aは、内カバー92の下縁部と、基台9に配置されている回収トレイ96との間に形成された隙間によって、形成される。回収トレイ96と基台9の上面との間には、略逆有底円筒形状の中間パネル97が設けられ、中間パネル97の周壁部と外カバーとの下縁との間まで上記排気孔94が延び、この排気孔94の底部に接続されている排気管98に接続されている。排気管98には、図示しない空気吸引手段によって、カバー91内部のスピン軸34の周囲の空気を吸引することができる。
このようにカバー91の内部に空気排気機構を設けることにより、コーティング液を塗布したレンズ10を回転させる際に発生するミストがレンズ10の再付着することが防止でき、より品質の高いコーティング被膜の形成が可能になる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
図6に示すように、スピン軸34は先端部側の径よりも基端側の径を大きくしたが、図24に示すように、スピン装置3のスピン軸34aの径のように、スピン軸34aの基端側から先端部までの径を同じ大きさとした。
これは、コーティング液を塗布する際に、コーティング液がレンズ10から流れ落ちてスピン34に付着した場合、半硬化状態となり粘性を帯びたスピン軸34上のコーティング液は、スピン軸34が回転することにより、糸状となって浮遊し、レンズ10に付着することがある。これを防止する手段として、スピン軸34をレンズ10よりも十分に小さい径とし、レンズ10からコーティング液が流れ落ちた場合でもスピン軸34に付着するのを防止できる。具体的に、上述の実施の形態で説明したスピン軸34の回転数の範囲で、スピン軸34の径は、レンズ径よりも15mm以上小さいことが好ましい。
【0033】
各センサーユニット43,44について、センサー43a及びミラー43bを結ぶ線に対して他方のセンサー44a及びミラー44bを結ぶ線を、同じ水平高さに配置したが、高さ位置については一方のセンサーの高低差を変えてもよい。この場合は、センサーの高低差を踏まえて、レンズ10のコバ位置を求めるようにする。
また、本発明の実施の形態では、プライマー液のコーティングを例としたが、他のコーティング処理にも適用が可能である。
センサーユニット43,44については、2組のセンサーを用いたが1つのセンサーでセンサー位置を変化させて、レンズの中央部と他点の高さ位置を検出して行うことも可能である。但し、時間がかかる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態によるコーティング装置の平面図である。
【図2】図1のコーティング装置に設けられたセンタリング装置の平面図である。
【図3】図2のA−A線方向における断面図である。
【図4】図2のB−B線方向における拡大断面図である。
【図5】図1のコーティング装置に設けられたスピン装置の平面図である。
【図6】図5のC−C線方向の断面図である。
【図7】図5のD−D線方向の断面図である。
【図8】図5のコーティング装置のボールネジを示す断面図である。
【図9】図5のスピン装置の各プーリに巻回されているタイミングベルトを示す平面図である。
【図10】図5のスピン装置のスピン軸の上部を示す断面図である。
【図11】図1のコーティング装置に設けられた高さ計測センサーの平面図である。
【図12】図11のE−E線方向の断面図である。
【図13】Aは、図1の高さ計測センサーのセンサー本体の拡大平面図、Bはそのセンサー本体の拡大側面図である。
【図14】図1のコーティング装置に設けられた塗布装置の平面図である。
【図15】図14のF−F線方向の断面図である。
【図16】図14のG−G線方向の断面図である。
【図17】図1のコーティング装置のベゼルのノズルの待機槽の拡大断面図である。
【図18】図1のコーティング装置の乾燥装置の平面図である。
【図19】図1のコーティング装置の乾燥装置の断面図である。
【図20】図1のコーティング装置に設けられたレンズ搬送装置の断面図である。
【図21】図20のH−H線方向の断面図である。
【図22】Aは、図11で示すレンズ高さ計測センサーのレーザ光でレンズの高さを測定している状態の断面図、Bはレンズのコバ位置の導き方を説明するための断面図、Cはベゼルのノズルによってレンズにコーティング液を塗布している状態の断面図である。
【図23】図1のコーティング装置のスピン装置のカバーの変形例であり、Aは平面図、Bは断面図である。
【図24】本実施の形態のコーティング装置におけるスピン装置の変形例であって、図6に相当する部分の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 プライマーコーティング装置
2 センタリング装置
3 スピン装置
4 レンズ高さ計測センサー
5 塗布装置
6 ノズル待機槽
7 レンズ乾燥装置
8 レンズ搬送装置
10 レンズ
11 センタリング冶具
18 センタリングロッド
34 スピン軸
43,44 センサーユニット
59 ディスペンスバルブ
59a ノズル
62 スライドシャフト
78,79 L形アーム
80,81 レンズ保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの表面を上方に向けてレンズの中心の位置出しを行うセンタリング装置と、レンズの表面にノズルによってコーティング液を塗布する塗布装置と、レンズの表面上のコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズ保持部を設け該レンズをセンタリング装置からコーティング液塗布装置に搬送し、さらに該レンズをコーティング液塗布装置から乾燥装置に搬送するレンズ搬送装置を備えたレンズのコーティング装置において、
前記センタリング装置、前記塗布装置及び前記乾燥装置の各レンズ支持部を等間隔に配置し、
前記レンズ搬送装置の前記レンズ保持部を前記各レンズ支持部と同じ間隔を開けて一対設け、前記レンズ保持部のうち第1のレンズ保持部がレンズを前記センタリング装置のレンズ支持部から前記塗布装置のレンズ支持部に搬送すると同時に、前記レンズ保持部のうち第2のレンズ保持部がレンズを前記塗布装置のレンズ支持部から前記乾燥装置のレンズ支持部に搬送するようにしたことを特徴とするコーティング装置。
【請求項2】
前記塗布装置に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、センサーによって検知するレンズ高さ計測センサーを設けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
【請求項3】
前記レンズ高さ計測センサーが、2組の発光器と受光器とを備え、発光器から受光器へ到達する光をレンズが遮断することによってレンズの高さを求めるようにした請求項2に記載のコーティング装置。
【請求項4】
前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記ノズルを移動させながら回転するレンズ表面にコーティング液を塗布するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング装置。
【請求項5】
前記乾燥装置が回転軸を中心に回転可能なターンテーブルであって、該ターンテーブルに前記乾燥装置のレンズ支持部を複数設け、複数のレンズを乾燥させるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング装置。
【請求項6】
前記塗布装置の非稼動時に溶媒が溜められた前記ノズルの待機槽を設け、該待機槽に前記ノズルの先端を浸漬させるようしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング装置。
【請求項7】
前記コーティング液のレンズへの塗布作業が、レンズのフォトクロミックコーティングの前に行うプライマーコーティングの塗布作業であることを特徴とする請求項1〜6に記載のいずれか1項に記載のコーティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−127775(P2007−127775A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319567(P2005−319567)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)
【Fターム(参考)】