説明

コードレス電話装置

【課題】 親機と子機との間で行う登録作業を容易にするとともに、その子機が登録された複数の親機のうち、良好に無線接続できる親機にその子機をリンクさせることが容易に実現できるコードレス電話装置を提供する。
【解決手段】 親機1のコントローラ19は、電話回線6を介して情報を伝送する回線制御部10を制御して、ROM16に登録されている子機3の子機情報をSMSセンタ装置5を通じてショートメッセージとして親機2へ伝送する。親機2は受信したショーメッセージに含まれる子機3の子機情報をROM16に登録し、自己の親機情報をSMSセンタ装置5を通じてショートメッセージとして親機1へ伝送する。親機1は受信した親機2の親機情報をRF回路11を介して子機3へ無線送信し、子機3は受信した親機2の親機情報をROM26に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線に接続される複数の親機と、これらの親機と無線で接続される子機とから成るコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電話回線に接続された親機と、この親機と無線で接続される子機とから成るコードレス電話装置が知られている。このようなコードレス電話装置の子機を使って相手側と通話を行う場合、親機と子機とが無線で接続され、親機が電話回線を介して相手側電話装置と接続される。これにより、子機に入力された音声は、無線で親機へ伝送され、更に、親機から電話回線を介して相手側電話装置へ伝送される。一方、相手側電話装置からの音声は、電話回線を介して親機へ伝送され、更に、親機から無線で子機へ伝送されて子機から出力される。
【0003】
即ち、このようなコードレス電話装置を使うと、子機と親機との間で無線通信を行える範囲内であれば、子機を持ったユーザは、その範囲内のどこにいてもその子機を使って相手側と通話を行うことができる。従って、このようなコードレス電話装置は、例えば、ユーザが部屋を移動しながら通話を行うような場合や、電話回線から遠い部屋にいて通話を行うような場合に非常に便利である。
【0004】
このようなコードレス電話装置の子機は、親機にその子機を識別するための子機情報を登録することにより、その親機の子機として使用することができるように構成されている。このとき、その子機には親子関係となる親機を識別するための親機情報が登録される。また、1つの親機に複数の子機の子機情報を登録することにより、1台の親機と複数の子機とがリンクできるように構成されているものもある。このようなコードレス電話装置は、複数の部屋にこのコードレス電話装置の各子機を置いておくと、各部屋で子機通話を行えるので、1つの家庭で複数の人が電話を使うような場合に好適である。
【0005】
また、複数の親機のそれぞれに同じ子機の子機情報を登録し、必要に応じてリンクする親機をその子機側にて変更することにより、広範囲のエリアで子機通話を可能にしたコードレス電話装置もある。このようなコードレス電話装置は、例えば、広い工場内や障害物の多い建物内であっても、良好な状態で子機通話を行うことを可能にする。即ち、コードレス電話装置で利用できる電波は、非常に微弱であり、広い工場内や鉄筋の壁に囲まれた部屋の中、また、親機と子機とが異なるフロアに存在する場合などでは、子機と特定の親機との無線による通信状態が不安定になる場合がある。そこで、複数の親機をそれぞれ異なる位置に配置しておき、その子機と最も良好に無線通信できる親機にリンクを切り替えるようにすることにより、良好な状態で子機通話できる範囲を拡大することができる。
【0006】
このように、良好に無線通信できる親機にリンクを切り替えるようにするためには、子機の位置に応じて親機を切り替えていくような制御が必要であり、このような制御方式として、近年、DECT(Digital Enhanced Cordless Telephone)方式等が認知されている。尚、DECT方式が採用されていれば、リンクされる複数の親機はメーカーや機種が異なっていても構わない。
【0007】
また、複数の親機を所定エリアの各ゾーン毎に設置し、更に、その各ゾーンに前記複数の親機以外に、子機の位置情報を知るために、子機位置情報検知用の専用親機を設置することにより、前記所定エリア内の子機位置情報を把握して、接続する親機を決定するコードレス電話システムも存在する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2―241126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のコードレス電話装置や特許文献1に記載のコードレス電話システムには、親機、子機間における登録のわずらわしさという問題があった。即ち、1台の子機を複数の親機のそれぞれにリンクできるようにするためには、それぞれの親機に対してその子機の子機情報を登録する登録処理を行う必要がある。そのためには、その子機をそれぞれの親機の無線通信可能エリアへ持っていき、それぞれの親機との間で登録のための無線通信を行って、互いの登録情報を登録する登録処理を行う必要があり、その登録作業に時間と手間がかかるという問題があった。
【0009】
例えば、異なるフロア間での無線通信が不安定になるために、複数のフロアにそれぞれ親機が設置されている場合、ある特定のフロアの親機に登録された子機を他のフロアでも使用可能とするためには、その子機を前記他のフロアへ持っていき、そのフロアに設置された親機との間で登録処理を行うという登録作業が必要であり、その登録作業には時間と手間がかかっていた。
【0010】
また、例えば、既に1つまたは複数の親機が所定エリア内に設置され、それらの親機に登録されている子機を用いてその所定エリア内で子機通話が可能となっている状況において、通話エリアの拡大を目的として新規に親機を増設した場合、その所定エリア内で使用される全ての子機をその増設した親機とリンク可能にするためには、一度、それらの全ての子機をその増設した親機の通信可能エリアへ持っていき、それらの子機とその増設した親機との間で登録処理を行う必要があり、その登録作業に時間と手間がかかるという問題があった。
【0011】
また、複数の親機に同じ子機の子機情報を登録した場合、その子機を前記複数の親機のいずれとリンクさせるかの選択を行う必要があるが、特許文献1に記載の従来技術では、子機位置情報検知用の専用親機を設置する必要があり、コードレス電話装置またはコードレス電話システムが複雑になるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑み、親機と子機との間で行う登録作業を容易にするとともに、その子機が登録された複数の親機のうち、良好に無線接続できる親機にその子機をリンクさせることが容易に実現できるコードレス電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、電話回線に接続された複数の親機と、これらの親機と無線によって接続される子機とを備え、親機には子機を識別するための子機情報が登録され、子機には親機を識別するための親機情報が登録され、親機に登録されている子機情報から識別される子機に前記親機を識別する親機情報が登録されている場合に前記親機と前記子機との無線接続が可能となるコードレス電話装置であって、前記複数の親機のそれぞれは、自己に登録されている子機情報及び自己の親機情報を他の親機へ前記電話回線を介して伝送するとともに、子機情報を伝送した他の親機から伝送されてくる該他の親機の親機情報を自己に登録されている子機情報から識別される子機へ無線によって送信し、前記子機は、自己に登録されている親機情報から識別される親機から無線伝送されてきた前記他の親機の親機情報を登録するようにしたことを特徴とするコードレス電話装置を提供する。
【0014】
この構成によれば、前記複数の親機のうちの1つの親機に登録されている子機情報を電話回線を介して他の親機へ伝送することができる。従って、前記他の親機に前記1つの親機に登録されていた子機情報を登録することができる。また、前記1つの親機は、子機情報を伝送した前記他の親機から伝送されてくる前記他の親機の親機情報を取得し、その取得した他の親機の親機情報を自己に登録されている子機情報から識別される子機へ無線によって送信する。そして、前記子機は、無線によって受信した前記他の親機の親機情報を登録する。これにより、前記子機に前記他の親機の親機情報が登録され、前記他の親機に前記子機の子機情報が登録されることになる。
【0015】
また、本発明は、電話回線に接続された複数の親機と、これらの親機と無線によって接続される子機とを備え、親機には子機を識別するための子機情報が登録され、子機には親機を識別するための親機情報が登録され、親機に登録されている子機情報から識別される子機に前記親機を識別する親機情報が登録されている場合に前記親機と前記子機との無線接続が可能となるコードレス電話装置であって、前記複数の親機のそれぞれは、子機情報が登録される第1の記憶手段と、前記電話回線に接続され該電話回線を介して情報を伝送する回線伝送手段と、第1の記憶手段に登録されている子機情報を他の親機へ伝送するとともに、子機情報を伝送してきた伝送元の他の親機へ自己の親機情報を伝送するように前記回線伝送手段を制御する制御手段と、第1の記憶手段に登録されている子機情報から識別される子機との間で無線による情報の伝送を行うとともに、前記電話回線を介して伝送されてきた他の親機の親機情報を無線によって前記子機へ送信する第1の無線伝送手段とを有し、前記子機は、親機情報が登録される第2の記憶手段と、第2の記憶手段に登録されている親機情報から識別される親機との間で無線による情報の伝送を行う第2の無線伝送手段とを有し、第2の無線伝送手段により受信した前記他の親機からの親機情報を第2の記憶手段に登録することを特徴とするコードレス電話装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、前記複数の親機のうちの1つの親機の制御手段は、前記回線制御手段を制御して、前記1つの親機の第1の記憶手段に登録されている子機情報を電話回線を介して他の親機へ伝送することができる。従って、前記他の親機は、前記1つの親機の第1の記憶手段に登録されている子機情報を自己の第1の記憶手段に登録することができる。また、前記1つの親機は、子機情報を伝送した前記他の親機から伝送されてきた前記他の親機の親機情報を取得し、その取得した他の親機の親機情報を自己の第1の記憶手段に登録されている子機情報から識別される子機へ第1の無線伝送手段によって送信する。そして、前記子機は、第2の無線伝送手段によって受信した前記他の親機の親機情報を第2の記憶手段に登録する。これにより、前記子機の第2の記憶手段に前記他の親機の親機情報が登録され、前記他の親機の第1の記憶手段に前記子機の子機情報が登録されることになる。
【0017】
また、例えば、前記電話回線上には該電話回線に接続されている通信端末機間で文字情報であるショートメッセージの伝送サービスを行うショートメッセージサービスシステムが構築されており、前記複数の親機のそれぞれは、前記ショートメッセージサービスシステムを用いて前記親機情報及び子機情報を文字情報として他の親機へ伝送すると、新たな通信手段を用いることなく、前記複数の親機間で前記親機情報及び子機情報を容易に伝送することができる。
【0018】
また、例えば、前記親機情報及び子機情報は、前記親機及び子機のそれぞれを識別するために前記親機及び子機のそれぞれに割り当てられたIDコードを含むと、前記親機及び子機のそれぞれから無線送信される情報に含まれるIDコードから前記親機及び子機のそれぞれが互いを自己に登録された無線接続可能な子機または親機であるか否かを明確に識別することができる。
【0019】
また、例えば、前記複数の親機のうちの1つの親機と無線接続していた子機が、前記1つの親機の無線通信可能エリア外で前記1つの親機以外の他の親機の無線通信可能エリア内に移動した場合であって、前記他の親機の第1の記憶手段に前記子機の子機情報が登録されている場合には、前記子機は無線接続を前記他の親機に切り替えるようにすると、前記子機が、該子機が登録された複数の親機のいずれかの無線通信可能エリア内に存在する場合には、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、前記子機をその無線通信可能エリア内の親機と無線接続させることができる。
【0020】
また、例えば、前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段から送信される電波の電界強度を各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとの電波の電界強度に基づいて、最も強い電界強度の電波を送信している親機に無線接続すると、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、前記子機を良好に無線接続できる親機とリンクさせることができる。
【0021】
また、例えば、前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段との間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレートを各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとのビットエラーレートに基づいて、最も低いビットエラーレートの親機に無線接続すると、前記親機と子機との無線通信がデジタル方式である場合に、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、前記子機を良好に無線接続できる親機とリンクさせることができる。
【0022】
また、例えば、前記子機は、無線接続する親機を切り替えたことを通知する通知手段を有すると、ユーザが、前記子機が無線接続されている親機が切り替わったことを認識することが容易となる。
【0023】
また、例えば、前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段から送信される電波の電界強度を各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとの電波の電界強度を表示する表示手段を有すると、ユーザが、その表示手段に表示された無線接続可能な各親機ごとの電波の電界強度を参考にして前記子機を良好に無線接続できる親機を選択することができる。
【0024】
また、例えば、前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段との間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレートを各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとのビットエラーレートを表示する表示手段を有すると、前記親機と子機との無線通信がデジタル方式である場合に、ユーザが、その表示手段に表示された無線接続可能な各親機ごとのビットエラーレートを参考にして前記子機を良好に無線接続できる親機を選択することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、電話回線に接続された複数の親機のうちの1つの親機に登録されている子機情報を前記電話回線を介して他の親機へ伝送することができるので、前記他の親機に前記1つの親機に登録されていた子機情報を登録することができる。また、前記1つの親機は、子機情報を伝送した前記他の親機から伝送されてくる前記他の親機の親機情報を取得し、その取得した他の親機の親機情報を自己に登録されている子機情報から識別される子機へ無線によって送信し、前記子機は、無線によって受信した前記他の親機の親機情報を登録する。これにより、前記子機に前記他の親機の親機情報が登録され、前記他の親機に前記子機の子機情報が登録されることになるので、前記子機を前記他の親機の無線通信可能エリアへ持っていくことなく、前記子機を前記他の親機に登録することができる。即ち、登録作業が容易になる。
【0026】
また、本発明によれば、電話回線に接続された複数の親機のうちの1つの親機の制御手段は、前記回線制御手段を制御して、前記1つの親機の第1の記憶手段に登録されている子機情報を電話回線を介して他の親機へ伝送することができるので、前記他の親機に前記1つの親機の第1の記憶手段に登録されている子機情報を自己の第1の記憶手段に登録することができる。また、前記1つの親機は、子機情報を伝送した前記他の親機から伝送されてきた前記他の親機の親機情報を取得し、その取得した他の親機の親機情報を自己の第1の記憶手段に登録されている子機情報から識別される子機へ第1の無線伝送手段によって送信し、前記子機は、第2の無線伝送手段によって受信した前記他の親機の親機情報を第2の記憶手段に登録する。これにより、前記子機の第2の記憶手段に前記他の親機の親機情報が登録され、前記他の親機の第1の記憶手段に前記子機の子機情報が登録されることになるので、前記子機を前記他の親機の無線通信可能エリアへ持っていくことなく、前記子機を前記他の親機に登録することができる。即ち、登録作業が容易になる。
【0027】
また、本発明によれば、前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段から送信される電波の電界強度、または前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段との間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレートを各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとの電波の電界強度またはビットエラーレートに基づいて、最も強い電界強度の電波を送信している親機、または最も低いビットエラーレートの親機に無線接続するので、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、前記子機を良好に無線接続できる親機とリンクさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態のコードレス電話装置の構成を概略的に示す概略図である。図1に示すコードレス電話装置は、公衆電話回線6に接続された親機1、2と、親機1と無線接続(リンク)可能な子機3とから構成されている。尚、子機3は複数であっても構わない。ここで、現時点では、親機1に対して子機3は既に登録済みなので、親機1と子機3とはリンク可能であるが、親機2に対して子機3は未登録なので、親機2と子機3とはリンク不可である。尚、後述する親機2への子機3の登録処理を行った後には、親機2と子機3とはリンク可能となる。
【0029】
また、図1において、5は公衆電話回線6に接続され、ショートメッセージサービス(SMS)を行うSMSセンタ装置である。SMSセンタ装置5は、ストアアンドフォワード、即ち、メッセージの蓄積および転送の形態によって、公衆電話回線6に接続されている通信端末機間のショートメッセージの送受信を行うSMSシステムを構築するものであり、近年、多くの通信端末機のユーザによってこのようなSMSシステムが利用されている。尚、ショートメッセージとは、数十文字程度の予め定められた文字数以内の文字情報である。
【0030】
図1に示すコードレス電話装置は、このSMSセンタ装置5が構築するSMSシステムに加入しており、このシステムを利用してショートメッセージを公衆電話回線6に接続されている他の通信端末機に送信することができる。また、親機1と親機2との間で公衆電話回線6及びSMSC装置5を介してショートメッセージを送受信することも可能である。本発明の1つの特徴は、このSMS機能を利用して、複数の親機間で子機の登録情報をショートメッセージとして交換するという点にある。
【0031】
尚、SMSセンタ装置5には、SMSを要求する通信端末機がシステムに加入しているか否かを識別するために、加入している通信端末機のコーラーID(Caller ID:電話番号)が登録されるようになっており、親機1、2の有するコーラーIDもSMSセンタ装置5に登録されている。
【0032】
図2は、図1に示す親機1の内部構成を示すブロック図である。尚、親機2の内部構成は親機1の内部構成と同一なので、その説明は省略する。図2に示す親機1は、親機1の全体の制御を行うコントローラ19を備えており、コントローラ19は、制御の中心となるCPU18、受信データを一時的に確保したり送信データの生成後の一時確保に使用したりするワーキングメモリとしてのRAM17、各種のプログラムなどが記憶されるROM16、及びインターフェース回路などの周辺回路部(不図示)を有している。このROM16には、親機1に割り当てられたコーラーID、各種データの送受信に関する制御プログラム、接続要求信号を作成する為のプログラム、一般呼出信号に対して応答する為のプログラム、各種制御用データ、及びリンク可能な子機を識別するための子機情報等が記憶されている。尚、前記子機情報等はRAM17に記憶されるようにしても良い。その場合、RAM17は電源遮断時に保存データが消失しないように電池等でバックアップされる。
【0033】
また、親機1は、コントローラ19に接続され、公衆電話回線6を通じてのダイアル発呼/被呼の制御や、公衆電話回線6を通じて文字情報等の各種情報を送受信する通信手順の制御を行う回線制御部(モデム)10と、子機3との間でアンテナ15を介してデータを無線で送受信するRF回路11とを備えている。子機3からの受信データはアンテナ15を通じてRF回路11に取り込まれ、コントローラ19内で処理される。また、データ送信時は、RF回路11がコントローラ19にて処理された送信データをアンテナ15を通じて無線送信する。
【0034】
さらに、親機1は、コントローラ19に接続されたキー入力部12、LCD表示部13、スピーカ出力部14を備えている。キー入力部12は、ユーザが公衆電話回線6へのダイアル発呼、電話帳登録、各種登録情報の変更、ショートメッセージデータの生成などを行うために操作するテンキーなどの操作キーで構成されている。LCD表示部13には、回線制御部10やRF回路11を通じて受信した各種データの内容などが表示される。また、親機1の現在の状態や現在時刻なども表示される。スピーカ出力部14からは警告音などを出力することが可能である。
【0035】
図3は、図1に示す子機3の内部構成を示すブロック図である。図3に示す子機3は、子機3の全体の制御を行うコントローラ29を備えており、コントローラ29は、制御の中心となるCPU28、受信データを一時的に確保したり送信データの生成後の一時確保に使用したりするワーキングメモリとしてのRAM27、各種のプログラムなどが記憶されるROM26、及びインターフェース回路などの周辺回路部(不図示)を有している。このROM26には、各種データの送受信に関する制御プログラム、接続要求信号を作成する為のプログラム、一般呼出信号に対して応答する為のプログラム、各種制御用データ、及びリンク可能な親機を識別するための親機情報等が記憶されている。尚、前記親機情報等はRAM27に記憶されるようにしても良い。その場合、RAM27は電源遮断時に保存データが消失しないように電池等でバックアップされる。
【0036】
また、子機3は、コントローラ29に接続され、親機1との間でアンテナ25を介してデータを無線で送受信するRF回路21を備えている。親機1からの受信データはアンテナ25を通じてRF回路21に取り込まれ、コントローラ29内で処理される。また、データ送信時は、RF回路21がコントローラ29にて処理された送信データをアンテナ25を通じて無線送信する。また、このRF回路21は、アンテナ25で受信した電波の電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を検出してコントローラ29に与える。
【0037】
さらに、子機3は、コントローラ29に接続されたキー入力部22、LCD表示部23、スピーカ出力部24を備えている。キー入力部22は、ユーザが公衆電話回線6へのダイアル発呼、電話帳登録、各種登録情報の変更、ショートメッセージデータの生成などを行うために操作するテンキーなどの操作キーで構成されている。また、キー入力部22のキー操作によって、子機3が登録された親機を検出した際に、任意の親機を指定してリンクを形成することが可能となる。LCD表示部23には、RF回路21を通じて受信した各種データの内容などが表示される。また、子機3の現在の状態や現在時刻なども表示される。スピーカ出力部24からは警告音などを出力することが可能である。
【0038】
次に、このような構成のコードレス電話装置の登録動作を説明する。上述したように、現時点で子機3は、親機2に対しては未登録であるが、親機1に対しては既に登録済みであり、親機1のROM16には登録子機情報として子機3のIDコード、子機番号、子機名が記憶され、子機3のROM26には登録親機情報として親機1のIDコード、親機番号、親機名が記憶されている。
【0039】
IDコードとは、各親機及び子機のそれぞれに付けられている固有の番号であり、各親機及び子機のそれぞれを特定できる番号である。また、親機番号、子機番号、及び、親機名、子機名とは、親子関係を有する親機と子機を便宜的に識別するための番号及び名称である。IDコードは、各親機、子機に固有の番号であり変更されることはないが、親機番号、子機番号、及び、親機名、子機名は親子関係の構成に合わせてユーザによって任意に設定されるものである。親機と子機との通信時には、通信先を特定するためにIDコードが用いられるが、ユーザがこのIDコードを意識することはなく、通常、ユーザは各親機、子機を親機番号、子機番号、または、親機名、子機名によって識別する。
【0040】
図4は、親機2への子機3の登録処理の一例を示すフローチャートである。先ず、ユーザが子機3のキー入力部22により新規の親機である親機2への登録を開始するキー操作を行うと、そのキー操作を認識したコントローラ29は新規親機登録モードに入る(ステップS1)。このときのキー操作により、登録する対象である親機2の情報が入力される。親機2の情報とは、親機2のコーラーIDなどがそれにあたる。
【0041】
そして、その入力された親機2の情報は子機3のIDコードとともにRF回路21、アンテナ25を介して親機1へ無線送信され、アンテナ15、RF回路11を介してその情報を受信した親機1のコントローラ19は新規親機登録モードに入る(ステップS2)。尚、親機1のキー入力部12により新規の親機である親機2の登録を開始するキー操作を行うことにより、親機1を新規親機登録モードにすることも可能である。その場合は、登録したい子機情報がキー入力部12により入力されるようにするのが望ましい。
【0042】
次に、新規親機登録モードになった親機1のコントローラ19は、図5(a)に示すような、受信した親機2のコーラーID、及び、子機の子機情報としてのROM16に記憶されている子機3のIDコード、子機番号、子機名などから成る送信データを生成し、この生成した送信データをSMSを利用してショートメッセージ(文字情報)として親機2へ送信する(ステップS3)。
【0043】
このときのSMSを利用した送信動作を図6を参照して説明する。図6は、親機1から親機2へのショートメッセージの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
先ず、親機1のコントローラ19は、生成した送信データをショートメッセージとして親機2へ送信すべくSMSセンタ装置5のコーラーIDを公衆電話回線6にダイアル発呼する(ステップS11)。すると、公衆電話回線6の図示しない交換機は、親機1のコーラーIDを着呼信号に併せてSMSセンタ装置5に送信し、SMSセンタ装置5は、送信されてきたコーラーIDと自身に登録されているコーラーIDとを比較して親機1がSMSシステムに加入している通信端末機であると判別した場合は、親機1との通信回線を確立する(ステップS12)。
【0045】
そして、親機1との間でショートメッセージ伝送モードに入り、親機1から図5(a)に示す送信データがショートメッセージとして伝送される(ステップS13)。ショートメッセージの伝送が終了すると回線は解放され、SMSセンタ装置5は、親機1から受信したショートメッセージを所定の記憶手段に記憶する(ステップS14)。
【0046】
次に、SMSセンタ装置5は、記憶しているショートメッセージを親機2に送信すべく親機2との接続を行うために、親機2のコーラーIDを公衆電話回線6に対してダイアル発呼する(ステップS15)。この親機2のコーラーIDは、記憶しているショートメッセージとしての送信データ(図5(a))に含まれている。
【0047】
そして、公衆電話回線6の図示しない交換機は、SMSセンタ装置5の発信者IDを着呼信号に併せて親機2に送信し、親機2は、このSMSセンタ装置5の発信者IDを用いて発信装置の判別を行い、判別結果がSMSセンタ装置5からの着呼であった場合、親機2は、自動的にショートメッセージの受信モードに切り替わって、SMSセンタ装置5との通信回線を確立する(ステップS16)。
【0048】
そして、通信回線が確立されるとSMSセンタ装置5から記憶されていたショートメッセージが発信元である親機1のコーラーIDを付けて伝送される(ステップS17)。このときの親機2が受信したショートメッセージとしての受信データを図5(b)に示す。そして、ショートメッセージの伝送が終了すると回線は解放され(ステップS18)、以上で親機1から親機2へのショートメッセージの送信が終了する。
【0049】
このようにして、親機1から親機2へショートメッセージが送信される(図4のステップS3)。そして、親機2のコントローラ19は、この伝送されたショートメッセージとしての受信データ(図5(b))を解析し、受信データに含まれる子機3の子機情報(IDコード、子機番号、子機名)をコントローラ19内のROM16に格納する(ステップS4)。
【0050】
次に、子機3の子機情報を格納した親機2のコントローラ19は、受信データ(図5(b))に含まれる親機1のコーラーID、及び、子機3へ登録する親機情報としての親機2のIDコード、親機2にて子機3に割り当てられた子機番号などから成る図5(c)に示す送信データを生成し、この生成した送信データをSMSを利用してショートメッセージとして親機1へ送信する(ステップS5)。
【0051】
このときのSMSを利用した送信動作を図7を参照して説明する。図7は、親機2から親機1へのショートメッセージの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
先ず、親機2のコントローラ19は、生成した送信データをショートメッセージとして親機1へ送信すべくSMSセンタ装置5のコーラーIDを公衆電話回線6にダイアル発呼する(ステップS21)。すると、公衆電話回線6の図示しない交換機は、親機2のコーラーIDを着呼信号に併せてSMSセンタ装置5に送信し、SMSセンタ装置5は、送信されてきたコーラーIDと自身に登録されているコーラーIDとを比較して親機2がSMSシステムに加入している通信端末機であると判別した場合は、親機2との通信回線を確立する(ステップS22)。
【0053】
そして、親機2との間でショートメッセージ伝送モードに入り、親機2から図5(c)に示す送信データがショートメッセージとして伝送される(ステップS23)。ショートメッセージの伝送が終了すると回線は解放され、SMSセンタ装置5は、親機1から受信したショートメッセージを所定の記憶手段に記憶する(ステップS24)。
【0054】
次に、SMSセンタ装置5は、記憶しているショートメッセージを親機1に送信すべく親機1との接続を行うために、親機1のコーラーIDを公衆電話回線6に対してダイアル発呼する(ステップS25)。この親機1のコーラーIDは、記憶しているショートメッセージとしての送信データ(図5(c))に含まれている。
【0055】
そして、公衆電話回線6の図示しない交換機は、SMSセンタ装置5の発信者IDを着呼信号に併せて親機1に送信し、親機1は、このSMSセンタ装置5の発信者IDを用いて発信装置の判別を行い、判別結果がSMSセンタ装置5からの着呼であった場合、親機1は、自動的にショートメッセージの受信モードに切り替わって、SMSセンタ装置5との通信回線を確立する(ステップS26)。
【0056】
そして、通信回線が確立されるとSMSセンタ装置5から記憶されていたショートメッセージが発信元である親機2のコーラーIDを付けて伝送される(ステップS27)。このときの親機1に伝送されるショートメッセージとしての受信データを図5(d)に示す。そして、ショートメッセージの伝送が終了すると回線は解放され(ステップS28)、以上で親機2から親機1へのショートメッセージの送信が終了する。
【0057】
このようにして、親機2から親機1へショートメッセージが送信される(図4のステップS5)。そして、親機1のコントローラ19は、この伝送されたショートメッセージとしての受信データ(図5(d))を解析し、上述した一連の登録処理に基づく子機3へ登録される親機情報が伝送されてきたことを判別すると、この受信データに含まれる親機2の親機情報(親機2のIDコード、親機2にて子機3に割り当てられた子機番号)を取り出して子機3へ無線伝送する(ステップS6)。
【0058】
そして、子機3は、受信した親機2の親機情報を、子機3のコントローラ29内のROM26に、リンク可能な親機の情報として格納する(ステップS7)。
【0059】
以上のようにして親機2及び子機3への登録処理が終了し、以後、子機3は親機2の無線通信可能エリア内において親機2とリンク可能となる。このようにして、子機3と親機2との間で、直接、無線伝送による登録処理を行うことなく、親機2に対して子機3を登録することができる。即ち、上述のように、SMSを利用して親機1から親機2へ登録情報を転送するとともにSMSを利用して親機2から親機1を介して子機3へ登録情報を転送することにより、子機3と親機2とが直接通信できない位置関係にある場合であっても、親機2への子機3の登録を行うことができる。
【0060】
これにより、子機3を子機登録のために親機2の無線通信可能エリアに持っていく必要が無くなり、登録作業を容易にすることができる。特に、親機1に複数の子機3が登録されている場合であって、それら複数の子機3を全て新たな親機2とリンク可能にする場合には、複数の子機3を親機2の無線通信可能エリアに持っていく必要が無いので、子機登録作業がいっそう容易になることになる。
【0061】
また、上述のようにして親機2への子機3の登録が終了した後には、子機3は親機1及び親機2のいずれともリンク可能となるので、子機3がリンクする親機を選択する必要が生じる。この選択は、ユーザが子機3のキー入力部22を操作することによって行われるようにすることも勿論可能であるが、子機3はこの選択を各親機から無線送信されている無線データを利用して行うようにしている。
【0062】
子機3は、受信した無線データがどの親機より送信されてきたのかを、無線データ内に存在する無線データ送信側情報により判別できる。これは、この無線データ送信側情報がその無線データを送信した親機のIDコードを含んでいるからである。上述の例では、親機1及び親機2への子機3の登録処理を行ったことにより、子機3のコントローラ29内のROM26には親機1と親機2のIDコードが格納されている。従って、子機3は移動中に受信した無線データ内の無線データ送信側情報に含まれるIDコードをROM26内に記憶されているIDコードと比較することにより、リンク可能な親機を検知することができる。
【0063】
そして、このようにして、例えば、親機1にリンクしていた子機3が、リンク可能な親機が親機2のみであると検知した場合、即ち、子機3が親機1の無線通信可能エリア外であって親機2の無線通信可能エリア内に存在している場合、子機3は自動的に親機2へリンクする。このようにすれば、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、子機3をその無線通信可能エリア内の親機と無線接続させることができる。
【0064】
また、このとき、子機3のLCD表示部23に、リンクする親機が親機1から親機2に切り替わったことを通知するための表示をするようにしてもよい。さらに、このとき、スピーカ出力部24より、リンクする親機が切り替わったことを警告するための警告音を出力するようにすることも可能である。このようにすると、ユーザが、子機3が無線接続されている親機が切り替わったことを容易に認識することができる。
【0065】
また、子機3が複数のリンク可能な親機を検知した場合、予め、ユーザが子機3にリンクする親機の優先順位を設定しておき、子機3は検知した複数のリンク可能な親機のうち、優先順位の高い親機に自動的にリンクを切り替えるようにしても良い。
【0066】
また、別の方法として、子機3は、子機3が検知した複数のリンク可能な親機のうち、受信したそれらの親機からの無線データのRSSI(電界強度)が最も強い親機に自動的にリンクを切り替えるようにしても良い。このようにすれば、ユーザが無線接続する親機を切り替える作業をすることなく、子機3を良好に無線接続できる親機とリンクさせることができる。
【0067】
また、子機3が検知したリンク可能な複数の親機を、受信したそれらの親機からの無線データのRSSI(電界強度)が強い順に子機3のLCD表示部23に表示させるようにしても良い。そのようにすると、ユーザはLCD表示部23に表示された無線接続可能な各親機ごとの電波の電界強度を参考にして子機3が良好に無線接続できる親機を選択することができる。
【0068】
また、親機、子機間の無線通信がデジタル方式で行われる場合には、前記RSSIの代わりに、親機、子機間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレート(BER:Bit Error Rate)を用いるようにしても構わない。
【0069】
以上のようにすることにより、子機3が登録された複数の親機のうち、良好に無線接続できる親機に子機3をリンクさせることが容易に実現できる。
【0070】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各部の構成等を適宜に変更して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態のコードレス電話装置の構成を概略的に示す概略図である。
【図2】図1に示す親機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す子機の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す親機への子機の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す登録処理中に伝送される送信データ、受信データのデータ構成を示す図である。
【図6】図1に示す親機1から親機2へのショートメッセージの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す親機2から親機1へのショートメッセージの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1、2 親機
3 子機
5 SMSセンタ装置(ショートメッセージサービスシステム)
6 公衆電話回線
10 回線制御部(回線伝送手段)
11 RF回路(第1の無線伝送手段)
12 キー入力部
13 LCD表示部
14 スピーカ出力部
15 アンテナ
16 ROM(第1の記憶手段)
17 RAM
18 CPU
19 コントローラ(制御手段)
21 RF回路(第2の無線伝送手段)
22 キー入力部
23 LCD表示部(表示手段、通知手段)
24 スピーカ出力部(通知手段)
25 アンテナ
26 ROM(第2の記憶手段)
27 RAM
28 CPU
29 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線に接続された複数の親機と、これらの親機と無線によって接続される子機とを備え、親機には子機を識別するための子機情報が登録され、子機には親機を識別するための親機情報が登録され、親機に登録されている子機情報から識別される子機に前記親機を識別する親機情報が登録されている場合に前記親機と前記子機との無線接続が可能となるコードレス電話装置であって、
前記複数の親機のそれぞれは、自己に登録されている子機情報及び自己の親機情報を他の親機へ前記電話回線を介して伝送するとともに、子機情報を伝送した他の親機から伝送されてくる該他の親機の親機情報を自己に登録されている子機情報から識別される子機へ無線によって送信し、
前記子機は、自己に登録されている親機情報から識別される親機から無線伝送されてきた前記他の親機の親機情報を登録するようにしたことを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項2】
電話回線に接続された複数の親機と、これらの親機と無線によって接続される子機とを備え、親機には子機を識別するための子機情報が登録され、子機には親機を識別するための親機情報が登録され、親機に登録されている子機情報から識別される子機に前記親機を識別する親機情報が登録されている場合に前記親機と前記子機との無線接続が可能となるコードレス電話装置であって、
前記複数の親機のそれぞれは、
子機情報が登録される第1の記憶手段と、
前記電話回線に接続され該電話回線を介して情報を伝送する回線伝送手段と、
第1の記憶手段に登録されている子機情報を他の親機へ伝送するとともに、子機情報を伝送してきた伝送元の他の親機へ自己の親機情報を伝送するように前記回線伝送手段を制御する制御手段と、
第1の記憶手段に登録されている子機情報から識別される子機との間で無線による情報の伝送を行うとともに、前記電話回線を介して伝送されてきた他の親機の親機情報を無線によって前記子機へ送信する第1の無線伝送手段と、
を有し、
前記子機は、
親機情報が登録される第2の記憶手段と、
第2の記憶手段に登録されている親機情報から識別される親機との間で無線による情報の伝送を行う第2の無線伝送手段と、
を有し、第2の無線伝送手段により受信した前記他の親機からの親機情報を第2の記憶手段に登録することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項3】
前記電話回線上には該電話回線に接続されている通信端末機間で文字情報であるショートメッセージの伝送サービスを行うショートメッセージサービスシステムが構築されており、前記複数の親機のそれぞれは、前記ショートメッセージサービスシステムを用いて前記親機情報及び子機情報を文字情報として他の親機へ伝送することを特徴とする請求項2に記載のコードレス電話装置。
【請求項4】
前記親機情報及び子機情報は、前記親機及び子機のそれぞれを識別するために前記親機及び子機のそれぞれに割り当てられたIDコードを含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコードレス電話装置。
【請求項5】
前記複数の親機のうちの1つの親機と無線接続していた子機が、前記1つの親機の無線通信可能エリア外で前記1つの親機以外の他の親機の無線通信可能エリア内に移動した場合であって、前記他の親機の第1の記憶手段に前記子機の子機情報が登録されている場合には、前記子機は無線接続を前記他の親機に切り替えることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のコードレス電話装置。
【請求項6】
前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段から送信される電波の電界強度を各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとの電波の電界強度に基づいて、最も強い電界強度の電波を送信している親機に無線接続することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のコードレス電話装置。
【請求項7】
前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段との間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレートを各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとのビットエラーレートに基づいて、最も低いビットエラーレートの親機に無線接続することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のコードレス電話装置。
【請求項8】
前記子機は、無線接続する親機を切り替えたことを通知する通知手段を有することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のコードレス電話装置。
【請求項9】
前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段から送信される電波の電界強度を各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとの電波の電界強度を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のコードレス電話装置。
【請求項10】
前記子機の第2の無線伝送手段は、前記複数の親機のそれぞれの第1の無線伝送手段との間で行われるデジタル信号伝送のビットエラーレートを各親機ごとに検出する機能を有し、前記子機は、第2の無線伝送手段で検出した前記各親機ごとのビットエラーレートを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のコードレス電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−80824(P2006−80824A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261957(P2004−261957)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】