説明

コード・ホイールの位置合わせ不良補正機能及び自動ゲイン制御機能付きの光学エンコーダ

【課題】コード・ホイールの位置合わせ不良を補正する装置及び方法を提供する。
【解決手段】この装置及び方法は、少なくとも第1及び第2の運動検出用フォトディテクタの上方及び下方に配置された上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタを使用する。別の実施形態によれば、光学エンコーダ内の出力回路の利得を自動的に設定する装置及び方法が提供される。光学エンコーダのさらに別の実施形態では、本発明のコード・ホイール位置合わせ不良用機能と自動利得制御機能が組み合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、Tohらの「振幅補正機能付きの光学エンコーダ」という名称で2008年4月30日に出願された米国特許出願第 号を参照することによって、その全体を組み込むものとする。
【0002】
本願で説明される本発明の種々の実施形態は、光学エンコーダ、並びにそれに関連した構成要素、装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
たいていの運動検出又は位置用の従来技術の光学エンコーダは、一般的にそれぞれA、A/、B及びB/と名付けられた4つのフォトダイオード・チャネルを備えている。そのような光学エンコーダは、これらのチャネルを用いて光電流を発生することによって動作し、また通常はエンコーダの中で、互いに関して90度位相がずれるように空間的に配列されている。エンコーダとフォトダイオードのコード・ホイールを互いに関して適切にかつ正確に整列させることは絶対に必要である。そうしないと、そのようなチャネルによって発生された光電流の中に結果として誤差やエラーが生じて、不正確な位置又は運動情報がエンコーダによって発生されることになる。現在では、エンコーダの集積回路(すなわち、「IC」)内に組み込まれたフォトダイオードを用いてコード・ホイールの位置合わせ不良を検出する方法又は装置は存在しない。
【0004】
さらに、たいていの従来技術の運動検出又は位置検出用の光学エンコーダは、周知のバイポーラ工程を用いて設計及び製造される。これにより、たいていのBJT装置に固有の対数−逆対数アーキテクチャを用いて、一定の光電流を得ることができる。しかしながら、CMOS工程の出現により、エンコーダの設計は、より良い拡張性、より低い価格及びより少ない電力を求めて、MOS形装置に適合されている。しかしながら、CMOS工程は、バイポーラ装置に採用されることが多い対数−逆対数アーキテクチャには一般に適していない。その結果、より直接的な従来のトランスインピーダンス(transimpedance)増幅回路をCMOS工程の中で採用する必要がある。しかし、光電流を妥当な電圧出力レベルまで増幅するには、正しい値の抵抗を使用する必要があり、これは従来のトランスインピーダンス増幅回路を使用するCMOS形装置で実行するには難しい提案である。
【0005】
必要とされることは、例えば、エンコーダICの中に組み込まれたフォトダイオードを使用するコード・ホイールの位置合わせ不良を検出するための装置及び方法である。また、必要とされることは、トランスインピーダンス増幅器の利得を自動的に設定する装置及び方法であり、これは入力された光パワーと発生された光電流に依存する。
【発明の概要】
【0006】
幾つかの実施形態では、光学エンコーダが提供される。この光学エンコーダは、コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体、複数の開口が配置されかつほぼ平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイール、第1の垂直部分上に第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタとそれぞれ第1及び第2のフォトディテクタの上部及び下部に配置された第2及び第3の垂直部分上に位置決めされた少なくとも上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタとから構成する光検出器、及びコード・ホイール位置合わせ不良用回路を具備し、ここで、光検出器は発光体と向き合っており、コード・ホイールは発光体と光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、ホイールが回転するときコリメートされた光ビームが第1、第2及び第3の垂直部分上の開口を通過するほぼ平面内に向けられ、第1および第2のフォトディテクタは、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成され、また上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタは、コリメートされたビームの第2及び第3の部分が入射するのに呼応して、コード・ホイール位置合わせ不良用回路に送られる第3及び第4の出力信号を発生するように構成され、この回路が第3及び第4の出力信号の振幅間の差を検出するように構成されて、この差が所定のしきい値を超える場合は、コード・ホイールが位置合わせ不良であることを示すエラー信号を発生する。
【0007】
別の実施形態では、光学エンコーダ内のコード・ホイールの位置合わせ不良を示すエラー信号を発生させる方法が提供される。この方法には、コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体を提供するステップ、複数の開口が配置されかつほぼ平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールを提供するステップ、第1の垂直部分上に第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタとそれぞれ第1及び第2のフォトディテクタの上部及び下部に配置された第2及び第3の垂直部分上に位置決めされた少なくとも上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタとから構成する光検出器を提供するステップ、及びコード・ホイール位置合わせ不良用回路を提供するステップ、コリメートされた光ビームが第1、第2及び第3の垂直部分上の開口を通過するほぼ平面内に向けられるように、コード・ホイールを発光体と光検出器との間で回転させるステップ、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2のフォトディテクタを用いてそれぞれ第1及び第2の出力信号を発生するステップ、コリメートされたビームの第2及び第3の部分が入射するのに呼応して、上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタを用いてそれぞれ第3及び第4の出力信号を発生するステップ、及び所定のしきい値を超えてコード・ホイールが位置合わせ不良であることを示す第3及び第4の出力信号の振幅間の差を検出するステップ、が含まれる。
【0008】
さらに別の実施形態では、光学エンコーダが提供される。この光学エンコーダは、コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体、複数の開口が配置されかつほぼ平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイール、第1の垂直部分上に第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとから構成する光検出器、及びコンパレータ及びデコーダから構成する自動利得制御回路を具備し、ここで、光検出器は発光体と向き合っており、コード・ホイールは発光素子と光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、ホイールが回転するときコリメートされた光ビームが第1及び第2の垂直部分上の開口を通過するほぼ平面内に向けられ、第1および第2のフォトディテクタは、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成され、また第1の自動利得制御用フォトディテクタは、コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、回路に送られる第3の出力信号を発生するように構成され、この回路が第3の出力信号を受信しこの信号をコンパレータを使用して基準電圧と比較するように構成され、このコンパレータの出力に基づいて自動利得回路の利得を設定するデコーダにコンパレータの出力が送られる。
【0009】
さらに別の実施形態では、光学エンコーダ内で自動利得制御を行う方法が提供される。この方法には、コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体を提供するステップ、複数の開口が配置されかつほぼ平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールを提供するステップ、第1の垂直部分上に第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとから構成する光検出器を提供するステップ、及びコンパレータ及びデコーダから構成する自動利得制御回路を提供するステップ、コリメートされた光ビームが第1及び第2の垂直部分上の開口を通過するほぼ平面内に向けられるように、コード・ホイールを発光素子と光検出器との間で回転させるステップ、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1および第2のフォトディテクタを用いて第1及び第2の出力信号を発生するステップ、コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、第1の自動利得制御用フォトディテクタを用いて第3の出力信号を発生してその信号を回路に送るステップ、コンパレータで第3の出力信号と基準電圧とを比較して、そのような比較に基づいてコンパレータから出力を発生するステップ、及びコンパレータの出力をデコーダに与えて、コンパレータの出力に基づいて自動利得回路の利得を設定するステップ、が含まれる。
【0010】
さらに別の実施形態は本願で開示されるか、又は明細書及び図面を読んで理解すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の種々の実施形態の様々な態様は、下記の明細書、図面及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【0012】
【図1】コード・ホイール位置合わせ不良検出機能を有する本発明の光検出器40の1つの実施形態を示す図である。
【図2】図1の光検出器40に対応する本発明の回路120の1つの実施形態を示す図である。
【図3】1つの自動利得制御用フォトディテクタ90aを有する本発明の光検出器40の1つの実施形態を示す図である。
【図4】2個の自動利得制御用フォトディテクタ90a及び90bを有する本発明の光検出器40の1つの実施形態を示す図である。
【図5】3個の自動利得制御用フォトディテクタ90a、90b及び90cを有する本発明の光検出器40の1つの実施形態を示す図である。
【図6】本発明の回路130の1つの実施形態によるブロック図である。
【0013】
これらの図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。同じ番号は、特に断りのない限り、図面全体を通して同じ部品又はステップを指している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
種々の実施形態によれば、コード・ホイールの位置合わせ不良を補正する装置及び方法が提供される。この装置及び方法は、少なくとも第1及び第2の運動検出用フォトディテクタの上方及び下方に配置された上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタを使用する。別の実施形態によれば、光学エンコーダ内の出力回路の利得を自動的に設定する装置及び方法が提供される。さらに別の実施形態では、本発明のコード・ホイール位置合わせ不良用機能と自動利得制御機能が光学エンコーダで組み合わされる。
【0015】
図1に示されている1つの実施形態によれば、光学エンコーダが提供される。この光学エンコーダは、コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体(図1では図示せず)、複数の開口が配置されかつほぼ平面(これも図1では図示せず)内で第1の方向110に回転するように構成されたコード・ホイール、及び第1の垂直部分70上に第1の方向110に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタ41a(A)及び43a(B)を含む光検出器40を具備する。少なくとも上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90bが、それぞれ第1及び第2の運動検出用フォトディテクタ41a及び43aの上方及び下方に配置された第2及び第3の垂直部分80及び85上に配置される。光検出器40は発光体と向き合っており、またコード・ホイールは発光体と光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、コリメートされた光ビームが、それぞれ第1、第2及び第3の垂直部分70、80及び85上の開口を通るほぼ平面内に向けられる。コード・ホイールが回転すると、第1及び第2のフォトディテクタ41a及び43aは、コリメートされたビームの第1の部分50aがそこに入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成される。上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90bは、コリメートされたビームの第2及び第3の部分がそこに入射するのに呼応して、第3及び第4の出力信号を発生するように構成される。これらの出力信号は、コード・ホイール位置合わせ不良用回路(図1には図示せず)に与えられる。この回路は第3及び第4の出力信号の振幅間の差を検出して、この差が所定のしきい値を超えると、コード・ホイールの位置合わせ不良を示すエラー信号を発生するように構成される。
【0016】
引き続き図1を参照して、フォトディテクタ41b(A/)、43b(B/)、42a(A)、44a(B)及び42b(A/)などの別の運動検出用フォトディテクタも、光学エンコーダ10のフォトディテクタ40に含まれることに注意されたい。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90bの表面積は、等しいかほぼ等しい。上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90bに対応する表面積が等しいかほぼ等しい場合、そのようなフォトダイオードによって与えられる光電流も等しくなる。従来のCMOS工程に基づいて作られた装置では、電圧比較をより容易に実行することができるため、これらの電流値は次に、トランスインピーダンス増幅器を用いて電圧信号に変換されることが好ましい。これら2つのコード・ホイール位置合わせ不良用チャネルからの出力電圧は次に、設定マージンを有するヒステリシス値を備えたコンパレータを用いて比較される。コード・ホイール位置合わせ不良用チャネルによって送られた2つの信号間の差がマージンを超えると、エラー信号が発生されて、コード・ホイールとフォトダイオード・チャネルが垂直方向すなわちy軸に関して位置合わせ不良であることが示される。コード・ホイールの位置合わせ不良を検出するために、3つ以上のフォトディテクタ90a及び90bを使用できることに注意されたい。
【0018】
図2は、上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90bが発生した出力信号を受信及び処理するように適合された回路120の1つの実施形態によるブロック図を示す。図示されているように、この回路120は、上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタ90a及び90b、フォトダイオード90a及び90bと動作可能に接続されたトランスインピーダンス増幅器122a及び122b、及びコンパレータ124を具備する。このコンパレータ124は、増幅器122a及び122bによって与えられた信号間の差が所定のしきい値を超えると、コード・ホイールが位置合わせ不良であることを示すエラー信号を出力するように構成されている。増幅器のオフセット、装置の欠陥、塵埃又はインクミスト(ink mist)などの影響から生ずるフォトダイオード90a及び90bがもたらした出力信号の振幅の小さい差を補償するために、コンパレータ124のヒステリシスがコンパレータ124の中に設計されるか、又は動作中に調整又は設定される。このヒステリシスの値は、小さくすなわち数十ミリボルトから約100mVの範囲にする必要がある。増幅器122a及び122bが生じた振幅の差がそのような値を越える場合、エラー信号を発生する必要がある。
【0019】
図3〜図6に例示されているような別の実施形態では、平均光入力が測定される光学エンコーダ内の自動利得制御(AGC)を実行するための装置及び方法が提供される。そのような装置及び方法の3つの異なる実施形態が、本願で説明される。ここでは、少なくとも1つの追加の又は付加的な自動利得制御用フォトダイオードが光検出器40の中で採用されて平均光入力を検出し、これによりコード・ホイール内の1つ以上の開口を通る測定された光電流の平均が出力される。
【0020】
図3は、1つの自動利得制御用フォトダイオード90bを備えた第1のそのような装置を示している。ここで、自動利得制御用フォトダイオード90bは下方に配置され、また運動検出用フォトダイオード41a(A)、43a(B)、41b(A/)、43b(B/)、42a(A)、44a(B)及び42b(A/)から垂直にオフセットされる。図4はそのような第2の装置を示しており、この場合、自動利得制御用フォトダイオード90a及び90bは下方に配置され、また運動検出用フォトダイオード41a(A)、43a(B)、41b(A/)、43b(B/)、42a(A)、44a(B)及び42b(A/)から垂直にオフセットされる。図5は、そのような第3の装置を例示している。ここで、自動利得制御用フォトダイオード90a及び90bは下方に配置され、第1の行の運動検出用フォトダイオード41a’(A)、43a’(B)、41b’(A/)、43b’(B/)、42a’(A)、44a’(B)及び42b’(A/)、及び第2の行の運動検出用フォトダイオード41a(A)、43a(B)、41b(A/)、43b(B/)、42a(A)、44a(B)及び42b(A/)から垂直にオフセットされ、また自動利得制御用フォトダイオード90cがこうした第1及び第2の行の運動検出用フォトダイオードの間に配置される。当業者は、自動利得制御用フォトダイオード及び運動制御用フォトダイオードに関する他の多くの順列、組合せ及び構成も採用することができるが、それらは本発明の範囲の中に入ることは理解されよう。使用する自動利得制御用フォトダイオードの数が多ければそれだけ、光検出器40の感度が増加すると共に、光源の変動又はフォトダイオードの汚染による感度の低下があるだろう。
【0021】
図6は、前述した自動利得制御用フォトダイオードを使用する光学エンコーダ内の自動利得制御回路130のブロック図の1つの実施形態を示す。この回路130は、自動利得制御用フォトダイオード90、トランスインピーダンス増幅器132a、134a、及び142a、ローパスフィルタ144、コンパレータ146、デコーダ148及びトランスインピーダンス増幅器132a、134a、及び142aのそれぞれに関連した可変抵抗を具備している。さらに図3から図5を参照すると、光検出器40内の自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び90cの空間位置は、フォトダイオードの光ビームの部分50aにさらされた表面積が固定されているため、時間が経過してもほとんど変動しない平均光電流出力を生ずることが分かる。自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び90cが発生した比較的一定の光電流は、コンパレータ146に入力され、望ましい基準電圧Vrefと比較される。こうした比較の結果はデコーダ148に送られ、次にこのデコーダ148は適用する利得のレベルを決定する。このようなフィードバック・システムでは、回路130の利得は出力信号Voutが望ましい基準電圧Vrefにほぼ等しくなるように調整される。
【0022】
図6を参照することを続ける。トランスインピーダンス増幅器142aは、自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び90cから送られた光電流を電圧信号Voutに変換し、この電圧信号はローパスフィルタ144に送られて、好ましくないAC成分が除去される。残りのフィルタ処理された信号(Vout_lpf)は、自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び/又は90cが測定し、フィードバック抵抗によって設定された係数で乗算された光電流の平均DC値を示す。このVout_lpfは、特定のアプリケーション及び身近な製造工程に基づいて設定される望ましい基準電圧Vrefと比較される。コンパレータ146の出力はデコーダ148に送られ、このデコーダ148は、Vout_lpfをできるだけVrefに接近するように調整する場合に使用する利得を決定する。同じ利得がそれぞれのチャネルA、B、A/及びB/に適用されるため、これらのチャネルによって与えられる出力電圧はVrefの電圧と一致する。
【0023】
本発明を光学的に利用するために、一方ではチャネルA、B、A/及びB/により送られた光電流と他方では自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び/又は90cとの間には周知で確立された関係が存在する。前述したように、自動利得制御用フォトダイオード90a、90b及び/又は90cは、全ての運動検出用フォトダイオードのチャネルに本質的に対応する平均電流を測定する。これらのチャネルは、光ビームの部分50aがその上をスキャンするとき変動する光量を受け取る。例えば、チャネルAからの光電流が自動利得制御用フォトダイオード90aにより送られた光電流の5倍になるように設計される場合、チャネルAのフィードバック利得は、自動利得制御用フォトダイオード90aに適用された利得の1/5になる。全ての運動検出用チャネルが光ビームの部分50aにさらされる同じ表面積と同じ感応性を有すると仮定すると、そのような方法により、全ての運動検出用フォトダイオード・チャネルの電圧変動が、単に1つの付加的な自動利得制御用フォトダイオード90aを用いる望ましい基準電圧にとどまることが確実にされる。
【0024】
1つの実施形態によれば、自動利得制御に関する補正及びフィードバックを行うためには、1つの自動利得制御用フォトダイオード90a、90b又は90cしか必要とされないことに注意されたい。さらに、本発明の光学エンコーダ10では、一対の運動検出用フォトダイオード41a及び41bしか必要としないことに注意されたい。しかしながら、光検出器40の中で追加された基準電圧及び運動検出用フォトディテクタすなわちフォトダイオードを使用することにより、本発明の光学エンコーダ10の精度や有効性が向上される。
【0025】
本願で開示された本発明の種々の実施形態により、これに限定されることはないが、コード・ホイールの位置合わせ不良を検出する能力が向上された、また光学エンコーダにより与えられた出力信号の自動利得制御の機能が改良された光学エンコーダを提供することを含む幾つかの利点が提供されることは、当業者には明らかになるであろう。また、本発明の種々の実施形態が、コード・ホイールの位置合わせ不良を検出する場合、及び光学エンコーダ又はICに組み込まれた光学エンコーダから精度が向上した位置情報を提供する場合に有効であることは、当業者は理解されよう。
【0026】
さらに、本発明の種々の実施形態は、標準的なCMOS製造工程で使用することに適用及び適合でき、簡単で容易に実行することができ、コード・ホイールが運動検出用フォトダイオードに関して位置合わせ不良であるかどうかを決定し、フォトダイオードの入力電流から結果として生じた出力電圧の変動を調整し、発光体/検出器の距離が変化しても変動しない位置感知方法を提供し、出力電圧の劣化及び部分的な変動に対してかなり無感覚な位置感知方法を提供し、部品間及びフォトダイオードの電流間の変動を最小にする位置感知方法を提供し、高範囲にわたって信号レベルを調整することができ、運動検出器用フォトダイオードの信号の変動に対して本質的に無関係であり、また塵埃やインクミストなどの汚染が存在することから生じる問題を解決する。
【0027】
本願で使用された「垂直」(又は「縦方向」)及び「水平」という用語は、互いにまたコード・ホイールにまた発光体に対して空間的に関係するときにその上に配置された光検出器40及び種々のフォトダイオードの相対的な向きを表すつもりであることに注意されたい。さらに、この技術分野で周知の様々な種類のフォトディテクタを、フォトダイオードに加えて本発明で使用できることに注意されたい。
【0028】
さらに、本願で説明された種々の構成要素、装置及びシステムを作る方法は、本発明の範囲の中に含まれることに注意されたい。
【0029】
以下に、本願発明の種々の実施形態を項番号を付して列挙する。
1.コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体と、
複数の開口が配置され、ほぼ平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、それぞれ前記第1及び第2のフォトディテクタの上部及び下部に配置された第2及び第3の垂直部分上に位置決めされた少なくとも上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタとを備える光検出器と、
コード・ホイール位置合わせ不良用回路と
を具備し、
前記光検出器は前記発光体と向き合っており、前記コード・ホイールは前記発光体と前記光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、ホイールが回転するときコリメートされた光ビームが第1、第2及び第3の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられ、前記第1および第2のフォトディテクタは、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成され、また前記上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタは、コリメートされたビームの第2及び第3の部分が入射するのに呼応して、コード・ホイール位置合わせ不良用回路に送られる第3及び第4の出力信号を発生するように構成され、前記回路は前記第3及び第4の出力信号の振幅間の差を検出するように構成されて、前記差が所定のしきい値を超える場合は、コード・ホイールが位置合わせ不良であることを示すエラー信号を発生する、光学エンコーダ。
2.前記上部コード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタが、前記上部コード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタの第2の光電流発生領域にほぼ等しい第1の光電流発生領域を有する、ことを特徴とする上項1に記載の光学エンコーダ。
3.前記コード・ホイール位置合わせ不良用回路が、前記第3の出力信号及び前記第4の出力信号を受信するように構成されたトランスインピーダンス回路を備える、ことを特徴とする上項1に記載の光学エンコーダ。
4.前記コード・ホイール位置合わせ不良用回路が、前記第3の出力信号を前記第4の出力信号と比較するように構成されたコンパレータを備える、ことを特徴とする上項1に記載の光学エンコーダ。
5.前記コンパレータが自身に関連したヒステリシス値を有する、ことを特徴とする上項4に記載の光学エンコーダ。
6.前記ヒステリシス値が前記回路が発生したエラー信号よりも小さい、ことを特徴とする上項5に記載の光学エンコーダ。
7.光学エンコーダ内のコード・ホイールの位置合わせ不良を示すエラー信号を発生させる方法であって、
コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体を提供するステップと、
複数の開口が配置され、略平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールを提供するステップと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、それぞれ第1及び第2のフォトディテクタの上部及び下部に配置された第2及び第3の垂直部分上に位置決めされた少なくとも上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタとを備える光検出器を提供するステップと、
コード・ホイール位置合わせ不良用回路を提供するステップと、
前記コリメートされた光ビームが前記第1、第2及び第3の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられるように、前記コード・ホイールを前記発光体と前記光検出器との間で回転させるステップと、
前記コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、前記第1及び第2のフォトディテクタを用いてそれぞれ第1及び第2の出力信号を発生するステップと、
前記コリメートされたビームの第2及び第3の部分が入射するのに呼応して、前記上部及び下部のコード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタを用いてそれぞれ第3及び第4の出力信号を発生するステップと、
所定のしきい値を超えてコード・ホイールが位置合わせ不良であることを示す前記第3及び第4の出力信号の振幅間の差を検出するステップと、
を含む方法。
8.前記所定のしきい値が超えられる場合にエラー信号を発生するステップをさらに含む、ことを特徴とする上項7に記載の方法。
9.前記上部コード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタの第2の光電流発生領域にほぼ等しい第1の光電流発生領域を有する前記上部コード・ホイール位置合わせ不良用フォトディテクタを設けるステップをさらに含む、ことを特徴とする上項7に記載の方法。
10.前記第3の出力信号及び前記第4の出力信号を受信するように構成されたトランスインピーダンス回路を設けるステップをさらに含む、ことを特徴とする上項7に記載の方法。
11.前記第3の出力信号を前記第4の出力信号と比較するように構成されたコンパレータを設けるステップをさらに含む、ことを特徴とする上項7に記載の方法。
12.コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体と、
複数の開口が配置され、略平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、前記第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとを備える光検出器と、
コンパレータ及びデコーダを備える自動利得制御回路と
を具備し、
前記光検出器は前記発光体と向き合っており、前記コード・ホイールは前記発光素子と前記光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、前記ホイールが回転するときコリメートされた光ビームが前記第1及び第2の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられ、前記第1および第2のフォトディテクタは、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成され、また前記第1の自動利得制御用フォトディテクタは、コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第3の出力信号を発生するように構成され、前記回路は前記第3の出力信号を受信し前記信号をコンパレータを使用して基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、光学エンコーダ。
13.前記第1及び第2の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第3の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第3の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第4の出力信号を発生するように構成された第2の自動利得制御用フォトディテクタをさらに備えて、前記回路は前記第3及び第4の出力信号を受信し前記信号を前記コンパレータを使用して前記基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、ことを特徴とする上項12に記載の光学エンコーダ。
14.前記第1、第2及び第3の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第4の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第4の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第5の出力信号を発生するように構成された第3の自動利得制御用フォトディテクタをさらに備えて、前記回路は前記第3、第4及び第5の出力信号を受信し前記信号を前記コンパレータを使用して前記基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、ことを特徴とする上項12に記載の光学エンコーダ。
15.前記回路が、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタと前記コンパレータとの間に動作可能に配置されたトランスインピーダンス増幅器をさらに備える、ことを特徴とする上項12に記載の光学エンコーダ。
16.前記回路が、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタと前記コンパレータとの間に動作可能に配置されたローパスフィルタをさらに備える、ことを特徴とする上項12に記載の光学エンコーダ。
17.光学エンコーダ内で自動利得制御を行う方法であって、
コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体を提供するステップと、
複数の開口が配置され、略平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールを提供するステップと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、前記第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとを備える光検出器を提供するステップと、
コンパレータ及びデコーダを備える自動利得制御回路を提供するステップと、
コリメートされた光ビームが第1及び第2の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられるように、前記コード・ホイールを前記発光素子と前記光検出器との間で回転させるステップと、
コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、前記第1及び第2のフォトディテクタを用いて第1及び第2の出力信号を発生するステップと、
コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタを用いて第3の出力信号を発生し、前記第3の出力信号を前記回路に送るステップと、
前記コンパレータで前記第3の出力信号と基準電圧とを比較し、そのような比較に基づいて前記コンパレータから出力を発生するステップと、
前記コンパレータの出力を前記デコーダに与えて、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得回路の利得を設定するステップと、
を含む方法。
18.前記第1及び第2の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第3の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第3の部分が入射するのに呼応して、第4の出力信号を発生するように構成された第2の自動利得制御用フォトディテクタを提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする上項17に記載の方法。
19.前記第4の出力を前記回路に提供して、前記第4の出力を前記コンパレータを用いて前記基準電圧と比較するステップをさらに含む、ことを特徴とする上項18に記載の方法。
20.前記第1、第2及び第3の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第4の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第4の部分が入射するのに呼応して、第5の出力信号を発生するように構成された第3の自動利得制御用フォトディテクタを提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする上項17に記載の方法。
21.前記第5の出力を前記回路に提供して、前記第5の出力を前記コンパレータを用いて前記基準電圧と比較するステップをさらに含む、ことを特徴とする上項20に記載の方法。
【0030】
前述された実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の実施例として考えるべきである。本発明の前述の実施形態に加えて、詳細な説明及び添付した図面を見直すと、本発明の別の実施形態が存在することが分かるであろう。従って、明示的に本願に記載されていない本発明の前述した実施形態の多くの組合せ、置き換え、変更及び修正は、本発明の範囲の中に含まれるであろう。
【符号の説明】
【0031】
40 光検出器
41a、43a、90a、90b フォトディテクタ
130 自動利得制御回路
132a、134a、142a トランスインピーダンス増幅器
144 ローパスフィルタ
146 コンパレータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体と、
複数の開口が配置され、略平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、前記第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとを備える光検出器と、
コンパレータ及びデコーダを備える自動利得制御回路と
を具備し、
前記光検出器は前記発光体と向き合っており、前記コード・ホイールは前記発光素子と前記光検出器との間で回転するように配置及び構成されて、前記ホイールが回転するときコリメートされた光ビームが前記第1及び第2の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられ、前記第1および第2のフォトディテクタは、コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、第1及び第2の出力信号を発生するように構成され、また前記第1の自動利得制御用フォトディテクタは、コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第3の出力信号を発生するように構成され、前記回路は前記第3の出力信号を受信し前記信号をコンパレータを使用して基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得制御回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、光学エンコーダ。
【請求項2】
前記第1及び第2の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第3の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第3の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第4の出力信号を発生するように構成された第2の自動利得制御用フォトディテクタをさらに備えて、前記回路は前記第3及び第4の出力信号を受信し前記信号を前記コンパレータを使用して前記基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得制御回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学エンコーダ。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第4の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第4の部分が入射するのに呼応して、前記回路に送られる第5の出力信号を発生するように構成された第3の自動利得制御用フォトディテクタをさらに備えて、前記回路は前記第3、第4及び第5の出力信号を受信し前記信号を前記コンパレータを使用して前記基準電圧と比較するように構成され、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得制御回路の利得を設定するデコーダに前記コンパレータの出力が送られる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学エンコーダ。
【請求項4】
前記回路が、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタと前記コンパレータとの間に動作可能に配置されたトランスインピーダンス増幅器をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光学エンコーダ。
【請求項5】
前記回路が、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタと前記コンパレータとの間に動作可能に配置されたローパスフィルタをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光学エンコーダ。
【請求項6】
光学エンコーダ内で自動利得制御を行う方法であって、
コリメートされた光ビームを発するように構成された発光体を提供するステップと、
複数の開口が配置され、略平面内で第1の方向に回転するように構成されたコード・ホイールを提供するステップと、
第1の垂直部分上に前記第1の方向に沿って配置された少なくとも第1及び第2のフォトディテクタと、前記第1の垂直部分から縦方向にオフセットされている第2の垂直部分上に配置された少なくとも第1の自動利得制御用フォトディテクタとを備える光検出器を提供するステップと、
コンパレータ及びデコーダを備える自動利得制御回路を提供するステップと、
コリメートされた光ビームが第1及び第2の垂直部分上の開口を通過する略平面内に向けられるように、前記コード・ホイールを前記発光素子と前記光検出器との間で回転させるステップと、
コリメートされたビームの第1の部分が入射するのに呼応して、前記第1及び第2のフォトディテクタを用いて第1及び第2の出力信号を発生するステップと、
コリメートされたビームの第2の部分が入射するのに呼応して、前記第1の自動利得制御用フォトディテクタを用いて第3の出力信号を発生し、前記第3の出力信号を前記回路に送るステップと、
前記コンパレータで前記第3の出力信号と基準電圧とを比較し、そのような比較に基づいて前記コンパレータから出力を発生するステップと、
前記コンパレータの出力を前記デコーダに与えて、前記コンパレータの出力に基づいて前記自動利得制御回路の利得を設定するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第3の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第3の部分が入射するのに呼応して、第4の出力信号を発生するように構成された第2の自動利得制御用フォトディテクタを提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第4の出力を前記回路に提供して、前記第4の出力を前記コンパレータを用いて前記基準電圧と比較するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1、第2及び第3の垂直部分から縦方向にオフセットされている光検出器の第4の垂直部分上に配置され、コリメートされたビームの第4の部分が入射するのに呼応して、第5の出力信号を発生するように構成された第3の自動利得制御用フォトディテクタを提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第5の出力を前記回路に提供して、前記第5の出力を前記コンパレータを用いて前記基準電圧と比較するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73263(P2012−73263A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245525(P2011−245525)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【分割の表示】特願2009−110952(P2009−110952)の分割
【原出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(506200186)アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (154)
【Fターム(参考)】