コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置
【課題】 本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置に関するものである。
【解決手段】 形成体の各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、前記穿孔ずれデータから複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから二値化データに対応付けて変換し、予め定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、全ての閾値候補を試したか判断し、前記全ての閾値候補を試していなかった場合に、再度、実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成する。
【解決手段】 形成体の各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、前記穿孔ずれデータから複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから二値化データに対応付けて変換し、予め定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、全ての閾値候補を試したか判断し、前記全ての閾値候補を試していなかった場合に、再度、実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類等の貴重品は、その性質上、偽造、変造されにくいことが要求される。併せて、貴重品は真偽判別の際に機械処理する必要があるため、機械読み取り要素を備えている必要がある。この防止策としては、これらの貴重品の基材に複数の穿孔で数字等を形成することは知られている。さらに、穿孔による偽造防止技術は、穿孔群の配列等を一部異ならせて情報を付与し、穿孔群に付与された情報を二値化データとして機械読み取りされていることが知られている。
【0003】
例えば、穿孔群の配列等を一部異ならせて情報を付与できる技術として、微細な穿孔列が形成された基材を有する偽造防止形成体であって、上記微細な穿孔列は、上記穿孔列の配列の基準となる直線に沿って直列状に配列され、特定の情報を付与する多数の微細な穿孔から成り、互いに隣接する穿孔間の間隔が同じもの及び異なるものを組み合わせて、穿孔を配列することにより上記特定の情報が付与されていることを特徴とする偽造防止形成体が開示されている(特許文献1)。
【0004】
穿孔で形成された情報によって種別判別をする方法として、物品の種別判定に際し、同物品の所定箇所に一定面積の表示区域を限定して同表示区域内の所定の位置に上記物品の種別に対応した0乃至複数個の貫通穴を形成し、上記表示区域をカメラで写し、その画像から上記表示区域内における上記貫通穴の重心位置を算出して上記物品の種別判定を行うようにしたことを特徴とする、画像処理による種別判定方法が開示されている(特許文献2)。
【0005】
さらに、穿孔群に付与された情報を二値化データとして機械読み取りできる技術として、多数の微細な穿孔が直線上に配置された真偽判別デバイスに穿孔の位置を変化させて付与した「0」、「1」からなる二値化データの読み取り装置であって、上記真偽判別デバイスの画像信号を撮像する画像入力装置と、上記画像信号を入力してデジタル画像データに変換した上でバックグラウンドの濃度ムラを除去して穿孔部分を抽出する浮動二値化処理を行い、各穿孔の画素数から重心座標を求めて穿孔部座標算出を行い、基準となる穿孔箇所の座標位置から傾き及び歪みを補正し、傾きや歪みのない穿孔座標データから二値化データ領域を抽出し、所定の閾値を用いて穿孔群の配置を示す穿孔座標データを上記直線上で所定のピッチ上の点にある穿孔を「0」、上記所定のピッチ上にない穿孔を「1」として二値化データに変換し、上記「0」、「1」に変換された二値化データをコード変換して表示画像を生成し、上記表示画像を画像モニタを用いて表示する画像処理装置を備えたことを特徴とする二値化データの読み取り装置が開示されている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特許第3388389号公報(第1−5頁、第1図)
【特許文献2】特開平03−255307号公報(第1−3頁、第1−4図)
【特許文献3】特許第3385357号公報(第1−6頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開平03−255307号公報は、金板部分の40mm×40mmの表示区域に20mm程度の間隔で直径6mm程度の貫通孔を形成し、形成された金板をカメラで写し、孔の重心位置を算出している。この方法では、1mm以下の孔や、孔の間隔が狭いもの、さらに、金板ではなく、紙等の変形しやすい基材で判別する場合、重心位置の算出が困難になる問題があった。よって、このような物品の画像処理による種別方法では、孔の径が広く、孔の間隔が広く、基材の種類を特定しなければ読み取り不可能になる問題があった。
【0008】
特許第3385357号公報は、閾値(読み取りパラメータ)を入力する際、試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出し、固定された所定の閾値(読み取りパラメータ)とし、読み取りを行っていた。貴重品に付与されるコード情報が付与された穿孔群は、流通段階での摩擦等で変形した場合は、適切な閾値(読み取りパラメータ)は変化し、あらかじめ定められた所定の閾値(読み取りパラメータ)では、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体のコード情報が読み取り不可能になる問題があった。また、穿孔は微細なために穿孔の変形、劣化が肉眼で気づくことが困難な場合も多く、見た目には気づかないまま、コード情報が読み取り不可能になる問題があった。
【0009】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出す必要がなく、閾値が固定されることなく、貴重品に付与されるコード情報が付与された穿孔群は、1mm以下の穿孔で、間隔が狭く、紙等の変形しやすい基材であってもコード情報が読み取り不可能となることが軽減し、穿孔が流通段階での摩擦等で劣化、変形した場合においても、微細な穿孔群に付与されたコード情報を容易に、かつ、安定して読み取り可能となる。本発明は上記課題が解決されるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記穿孔座標データをずれ量測定部で前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、前記穿孔ずれデータから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから比較演算部で前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0011】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記デジタル画像データを面積量測定部で前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得し、前記穿孔面積データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔面積データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0012】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記デジタル画像データをパターン測定部であらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得し、前記穿孔類似データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔類似データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0013】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0014】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0015】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0016】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0017】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記穿孔座標データを前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得するずれ量測定部と、前記穿孔ずれデータから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0018】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記デジタル画像データを前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得する面積量測定部と、前記穿孔面積データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔面積データから前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0019】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記デジタル画像データをあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得するパターン測定部と、前記穿孔類似データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔類似データから前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0020】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0021】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0022】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0023】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体から読み取られた穿孔ずれデータ、穿孔面積データ又は穿孔類似データから複数の閾値候補を取得し、誤り訂正処理で訂正された二値化データが正しいと判断されて、コード情報が得られるまで複数の閾値で繰り返し読み取りを試みることが可能であるため、従来のように試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出す必要がなく、従来よりも大幅に読み取りエラーが減少される。貴重品に付与された情報が付与された穿孔群は、1mm以下の穿孔で、間隔が狭く、紙等の変形しやすい基材であってもコード情報が読み取り可能となり、穿孔が流通段階での摩擦等で劣化、変形した場合においても、閾値は穿孔状態を反映しながら動的に決定可能であるため、微細な穿孔群に付与されたコード情報を容易に、かつ、安定して読み取り可能となる。これにより、穿孔群に付与されたコード情報を読み取る際の読み取りエラーが大幅に減少できるため、穿孔群が付与された貴重品を円滑に運用することができる。
【0025】
また、穿孔群の劣化状態(読み取り困難度合い)を示すことが可能になり、(劣化状態により、)製品の劣化に対する警鐘として用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る読み取り装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明するが、本発明の読み取り装置は、下記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で発明の実施の形態に種々の変更を加えることができることはいうまでもない。
【0027】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置に関するものである。形成体の基材は、紙、プラスチック、金属等、特に限定されるものではない。よって、形成体は、銀行券、パスポート、有価証券、カード、切手、印紙類等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重印刷物に適用できる。また、チケット、切手、収入印紙等の切り離し部分にコード情報が付与された穿孔群を用いることができる。本発明は、特に紙基材に穿孔が施された場合において、従来よりも読み取り精度が向上したものである。情報が付与された穿孔群は、図1(a)乃至図1(d)について詳細に説明する。
【0028】
図1(a)乃至図1(d)の穿孔は円形及び多角形の形状を用いて説明する。図1(a)については、穿孔の位置によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、穿孔の位置(t)を基準位置とした場合、上から2行目の直線上の穿孔において、穿孔の位置(t)をもとに計算された格子点(交点)からずれている穿孔(s’)を「1」とし、ずれていない穿孔(s)を「0」とすると、行の左から「0101000」と二値化データを表現することができる。また、同様に3行目においてずれている穿孔(s’)を「0」とし、ずれていない穿孔(s)を「1」とすると、行の左から「1100101」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0029】
図1(b)については、横列の穿孔間隔によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、穿孔間隔(u、u’)は、穿孔間隔の広い(u)と、穿孔間隔(u)より穿孔間隔が狭い(u’)に区分けされ、穿孔間隔が大、小、大、小、大、小となっており、これによって、「101010」あるいは「010101」の二値化データを表現することができる。同様に3行目の穿孔間隔(u、u’)は、穿孔間隔が大、大、小、小、大、小となっており、これによって、「110010」あるいは「001101」と情報を表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0030】
図1(c)については、穿孔の大きさによって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、直径の大きな穿孔(v’)を「1」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「0」とすると、「0101010」と二値化データを表現することができる。また、直径の大きな穿孔(v’)を「0」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「1」とすると、「1010101」と二値化データを表現することができる。同様に3行目の直線上の穿孔において、直径の大きな穿孔(v’)を「1」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「0」とすると、「0110100」と二値化データを表現することができる。また、直径の大きな穿孔(v’)を「0」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「1」とすると、「1001011」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0031】
図1(d)については、穿孔の種類によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、多角形の穿孔(w’)を「1」、円形の穿孔(w)を「0」とすると、「0101010」と二値化データを表現することができる。また、多角形の穿孔(w’)を「0」、円形の穿孔(w)を「1」とすると、「1010101」と二値化データを表現することができる。同様に3行目の直線上の穿孔において、多角形の穿孔(w’)を「1」、円形の穿孔(w)を「0」とすると、「0110100」と二値化データを表現することができる。また、多角形の穿孔(w’)を「0」、円形の穿孔(w)を「1」とすると、「1001011」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0032】
図1(a)乃至図1(d)は二種類の穿孔からなる穿孔群によってコード情報を形成している。図1(a)又は図1(b)については、穿孔群の特定方向の穿孔の位置、間隔によって二値化データを付与しているが、横方向、縦方向、斜め方向等、特に限定されるものではない。穿孔の大きさは50〜500μm程度であり、穿孔の形状は特に限定されるものではない。図1(a)乃至図1(d)に示す穿孔の位置、間隔、大きさ及び形状のいずれか少なくとも二つ以上を組み合わせた穿孔群であっても差し支えない。穿孔は、微細であるために、位置、間隔、大きさ及び形状の違いがあっても肉眼で認識することが困難であるため、コード情報が付与されているか否か肉眼では判断することができない。よって、上記記載の貴重品の偽造防止技術として適用可能である。
【0033】
(読み取り装置2a)
図2に示すコード情報が付与された穿孔群を有する形成体1を読み取り装置2aは、画像取得部3、画像処理部4、コード情報表示部5からなる。画像取得部3は、照明部3a、撮影部3b、画像信号変換部3cを有する。画像処理部4は、デジタル画像データ変換部4a、ずれ量測定部4b(穿孔のずれによってコード情報が付与された場合)、閾値算出部4c、閾値選択部4d、比較演算部4e、訂正二値化データ生成部4f、誤り訂正判断部4g、閾値変更部4h及びコード情報生成部4jからなる。また、画像処理部4は、図示しないが、記憶部、制御部を有している。画像取得部3に有する画像信号変換部3cは、画像処理部4に設けても良い。この場合の、コード情報が付与された穿孔群内に埋め込まれたコード情報は、誤り符合データとして形成されている。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部を設ける。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部を設ける。
【0034】
照明部3aから光を照射し、形成体1をCCDカメラ、スキャナ等の撮影部3bで撮影し画像信号A1を取得し、画像信号A1を画像信号変換部3cで図3(a)に示すデジタル画像データA2に変換する。得られたデジタル画像データA2は、画像処理部4のデジタル画像データ変換部4aで、図3(b)に示す各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する。デジタル画像データ変換部4aは、個々の穿孔をナンバリングするとともに、穿孔の大きさをピクセル量として計測し、個々の穿孔ごとの重心(XY座標)を算出する穿孔部座標の算出を行うことで、すべての穿孔を画像データからXY座標を示す穿孔座標データA3(数値データ)に置き換える。
【0035】
形成体1に穿孔のずれによってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部4b’を設け、穿孔面積データA4’を取得する。形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4b”の代わりにパターン測定部4b”を設け、あらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データA4”を取得する。穿孔の大きさの差異によってコード情報を付与した場合は、あらかじめ定められた基準となる穿孔面積を設けて面積の類似度から穿孔面積データA4’を求めることができる。
【0036】
例えば、穿孔ずれデータA4は、形成体1の穿孔がY方向のずれによってコード情報が付与されている場合は、図3(a)に示す穿孔ずれデータA4を生成するために必要な各穿孔基準を求める必要がある。この場合、各穿孔基準は、二点以上の基準となる穿孔座標(ここでは四点)の穿孔座標B1、B2、B3、B4からあらかじめ設定された分割パラメータによって決定される。例えば、穿孔座標B1、B2、B3、B4から、あらかじめ設定された分割パラメータ(Y方向の穿孔の数)によってB1からB2間を等間隔に分割し、また、あらかじめ設定された分割パラメータ(X方向の穿孔の数)によってB1からB3間を等間隔に分割し、格子状の各交点が穿孔座標データA3の各穿孔基準となり、この基準から穿孔座標データA3のY方向のずれ量を求め、図4(a)に示すY方向のずれ量の穿孔ずれデータA4を取得する。ここでいう、基準となる穿孔座標B1、B2、B3、B4は、一例であり、特に限定されるものではない。
【0037】
図4(a)に示す得られた穿孔ずれデータA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得する。複数の閾値候補A5は、図4(b)で示すように穿孔ずれデータA4を昇順に並べた各データの中間値を用いても良いし、あらかじめ入力されたパラメータと穿孔ずれデータA4を用いて計算しても良い。図4(b)に示す閾値算出部4cで得られた複数の閾値候補A5から、図4(c)に示すように閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する。
【0038】
閾値選択部4dで選択された実施していない一つの閾値A6に基づいてを用いて穿孔座標データA3及び穿孔ずれデータA4は、比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する。二値化データに対応付けは、例えば、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔のうち、一方を「0」、他方を「1」に変換して二値化データA7を生成する。図5では、閾値よりY方向にずれ量が大きい穿孔を1とし、閾値よりY方向にずれ量が少ない穿孔を0としている。本発明はこれに限定されることなく、閾値よりY方向にずれ量が大きい穿孔を0とし、閾値よりY方向にずれ量が少ない穿孔を1としてもよい。また、二値化データへの対応付けは、「0」、「1」に限定されるものではなく、1つの穿孔の差異を4段階に分類し、それぞれを「00」「01」「10」「11」に対応付けるやり方等もある。
【0039】
得られた二値化データA7は、訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成する。訂正された二値化データA7’が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断する。訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻す。訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択する。閾値変更部4hですべての閾値候補A5を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試した場合は、読み取り失敗とする。訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する。コード情報A8は、コード情報表示部5で表示する。
【0040】
訂正二値化データ生成部4fでは例えば、巡回符号、BCH符号、リードソロモン符号のいずれかによる誤り訂正を行うことによって訂正された二値化データを得ることができる。
【0041】
英数字又は文字等を「0」、「1」の二値コードに変換したアルゴリズムを逆にたどれば、形成体1の穿孔群から得られた「0」、「1」の二値化データを英数字又は文字等にコード変換する。このアルゴリズムは、例えば、7ビットで表現するASCIIコードや二次元バーコード等、無数に存在するが、独自のアルゴリズムを用いて変換することで情報の秘匿性を一段と高めることができる。例えば、二値化データA6が、「0100011000110010」の場合、コード情報生成部4jで得られるコード情報A8は、「F2」となる。
【0042】
コード情報生成部4jで得られたコード情報A8をコード情報表示部5で表示する。コード情報表示部5は特に限定されることなく、一般的なブラウン管モニタ、液晶モニタ等が挙げられる。また、小型のものでも良い。以上の画像処理を行うことで、穿孔の間隔、位置、大きさの少なくともいずれかを変化させて形成体1に付与した「0」又は「1」の二値化データの読み取りはほぼ完了し、以上の画像処理を行えば微小な穿孔位置等の差を検出することが可能となる。
【0043】
(読み取り装置2aの改良)
読み取り装置2aにおいて、デジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する手段で、下記に示す(1)乃至(4)の少なくとも一つの処理を施すことによって読み取り精度、読み取り速度は向上する。図6、図7及び図8を用いて説明する。
【0044】
(1)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する前処理に、デジタル画像データA2又は(2)に示す穿孔画像データA2−2は、図6に示す穿孔領域データ抽出部4kで複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する。図7(a)に示す形成体1の少なくとも一部を含む領域のデジタル画像データA2は、画像処理時間を最小限にするため、形成体1の穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、図7(b)に示す原画像データA2−1が得られる。
【0045】
(2)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する前処理に、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1は、図6に示す穿孔画像データ変換部4mで浮動二値化処理する。これは、形成体1の厚薄等によるバックグラウンドの濃度ムラを除去して穿孔部分を抽出する浮動二値化処理し、図7(c)に示す穿孔画像データA2−2に変換する。浮動二値化処理は、白/黒を色分けする閾値を固定することなく、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1を、濃淡モフォロジーのオープニング処理を指定回数実施し、得られたバックグラウンドの画像データと、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1の差分を取ることで、地合いの濃淡等による明部のノイズを除去した穿孔部だけの明瞭な画像が得られる処理である。
【0046】
(3)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する後処理に、穿孔座標データA3又は(4)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみは、図6に示す穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正をする。図8(a)に示すような穿孔座標補正データA3−1に変換する。穿孔座標補正データ変換部4nは、形成体1を画像取得部2にセットした際に生じる微小な傾き、及び基材が紙である場合に特に問題となるしわや温湿度による歪みを補正する必要がある。例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出する。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。この場合、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、四点の穿孔座標(B1、B2、B3、B4)であり、上記記載の穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1によって、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。なお、補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)と、穿孔ずれデータA4を生成するための各穿孔の基準となる格子状の交点を得るための穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は同一でも異なっていても良い。
【0047】
(4)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する後処理に、穿孔座標データA3又は穿孔座標補正データA3−1は、図6に示す二値化領域データ抽出部4pで図8(b)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pは、あらかじめ定められた二値化データ領域又は非二値化データ領域を基準として二値化データを付与していない穿孔座標を除外した上で二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pで得られた二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみをずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。
【0048】
例えば穿孔ずれデータA4は、形成体1の穿孔がY方向のずれによってコード情報が付与されている場合は、あらかじめ定められた四点の基準となる穿孔座標B1、B2、B3、B4から、図8(a)に示したように座標補正によって補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'を算出する。補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'からあらかじめ設定された分割パラメータによって格子状の交点から各穿孔基準が得られ、各穿孔座標データA3−2をずれ量測定部4bで基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、Y方向のずれ量の穿孔ずれデータA4を取得する。
【0049】
(読み取り装置2b)
図9は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置の一例を示す図である。
【0050】
図9に示すようにコード情報が付与された穿孔群を有する形成体1を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置2bは、形成体1を搬送するための画像取得部3を備えた搬送装置6、画像処理部4、コード情報表示部5からなる。搬送装置6は、画像取得部3、ロータリエンコーダ7、マーク検知センサ9を備え、画像取得部3は、照明部3a、撮影部3bを有する。ロータリエンコーダ7は、画像処理部4に形成体1の搬送と同期して画像信号を入力するための基準となる同期信号を得るためのものである。画像処理部4は、カメラ電源I/F部8、タイミング制御部10、画像信号変換部3c、デジタル画像データ変換部4a、ずれ量測定部4b(穿孔のずれによってコード情報が付与された場合)、閾値算出部4c、閾値選択部4d、比較演算部4e、訂正二値化データ生成部4f、誤り訂正判断部4g、閾値変更部4h及びコード情報生成部4jからなる。また、画像処理部4は、穿孔領域データ抽出部4k、穿孔画像データ変換部4m、穿孔座標補正データ変換部4n、二値化領域データ抽出部4pを設けることができる。画像処理部4に有する画像信号変換部3cは、画像取得部3に設けても良い。また、画像処理部4は、図示しないが、記憶部、制御部を有している。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部を設ける。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部を設ける。
【0051】
画像取得部3は、照明部3a、撮影部3bからなり、形成体1に照明部3aから光を照射し、形成体1の透過光画像又は反射光画像を撮影部3bで撮影し画像信号を取得する。照明部3aは、形成体1に光を照射して撮影部3bで透過光画像又は反射光画像が得られれば特に限定されるものではなく、例えば、LED白色光を照射する調光付き照明が挙げられる。照明部3aは、撮影部3bとの間隔が広い場合は、形成体1に施した微細な穿孔から通過する光量が十分に得られないため、高輝度で演色性及び指向性に優れた光を発生するメタルハライド光源を設けても良い。
【0052】
撮影部3bは、高速で搬送される形成体1の高分解能なカラー画像信号を出力するカメラとして、各種モノクロカメラ、CCDカラーラインセンサカメラ、3CCDカラーラインセンサカメラ、TDIカラーラインセンサカメラ、CCDカラーエリアセンサカメラ又は上下左右にシフトしながら撮像した入力画像データを合成することでカメラの本来の分解能よりも高い解像度が得られるCCDカラーエリアセンサカメラが挙げられる。
【0053】
また、画像処理部4は、撮影部3bに電源を供給するとともに、撮影部3bからの画像信号のインターフェース機能を持つカメラ電源I/F部8と、マーク検知センサ9から出力される形成体1の先頭信号とロータリエンコーダ7から出力される搬送同期信号を入力して画像入力に必要な信号を生成するタイミング制御部10と、カメラ電源I/F部8から得られる画像信号をタイミング制御部10から出力される信号を用いて画像信号(入力画像データ)を得る。
【0054】
画像取得部3を備えた搬送装置6で得られた撮影された画像信号は、画像処理部4でコード情報に変換され、コード情報表示部5でコード情報が表示される。
【0055】
(読み取り装置2c)
図9は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合、例えば、銀行券のように大量に、かつ、高速で処理する鑑査機、ATM、自動販売機等へ搭載する場合のシステムの読み取り装置の一例を示したが、図10では、出入国管理時のパスポート検査等を対象としたシステム構成であり、小型、軽量化を図るための工夫がなされている。
【0056】
画像処理部4の基本構成は図9で説明した装置と同様であるが、搬送系を必要としないため以下のシステム構成とした。図10に読み取り装置2cを示す。形成体1は、照明部3aと透過性に優れたガラス板又はフィルム12の間に挿入される。照明部3aは軽薄とするため白色LED光源とし、照明電源13から電源が供給される。この白色LED光源を支持する板を位置決めガイド14として利用することで形成体1の撮影領域を設定する。また、照明部3aを支持する板を付き当て位置決めガイド14として利用することで形成体1を定位置にセットすることができる。
【0057】
また、照明部3aと透過性に優れたガラス板又はフィルム12の間隔を0.5mm程度とし、形成体1が紙ぐせやしわ等によって浮き上がることを防止した。透過光画像又は反射光画像は平面ミラー15を介して撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)で撮像される。
【0058】
撮影部3bは、例えば穿孔位置又は穿孔間隔の差を正確に入力するために極めて高性能な分解能が要求される。特に、二値化データを形成体1に盛り込む際に、目視では判別できない程度な微小な差とした場合、撮影部を構成する受光素子の個々の境界部分が不感体となり、高精度な計測を困難とする。そのため、撮影部は大きく、重いカメラとなるが、このような撮影部では画像取得部が巨大となり実用面で問題となる。よって、撮影部3bは、上下左右に1/4画素ずつシフトしながら撮像することでカメラの本来の分解能の4倍相当の分解能を得ることができるCCDカラーエリアセンサカメラを用いている。また、平面ミラー15は、撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)の焦点距離が長いと画像取得部3が大型化するため、平面ミラー15を介することで撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)をコンパクトに納めることを可能としている。
【0059】
当然のことながら、収納スペースにゆとりがある場合は、平面ミラー15を用いる必要はない。また、平面ミラー15の代わりに光ファイバー等を用いても何ら問題はない。形成体1の透過光画像又は反射光画像を平面ミラー又は光ファイバーを介して撮像し、撮影部3bの焦点距離を短くすることができる。撮影部3bで撮像された画像データはカメラI/Fカード16を介して画像処理部4に送られる。なお、撮影部3bの電源もカメラI/Fカード16を介して画像処理部4から送られる。
【0060】
なお、本発明の読み取り装置2a、2b、2cは上記構成に限定されることなく、例えば、画像取得部を設けないで、ユーザが形成体を読み取り、読み取られたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3をネットワーク、郵送等によって本発明の読み取り装置2a、2b、2c、2dに送付して、送付されたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3からコード情報を生成しても良い。
【0061】
(真偽判別装置)
図2、図6、図9及び図10に示した読み取り装置2a、2b、2cの画像処理部4に基準コード情報保存部18、真偽判別演算部19、訂正二値化データ判別部20を設けることによって、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を読み取り、本物か否か判断する真偽判別を行うことができる(図示せず)。形成体1は図2、図6、図9及び図10に示した読み取り装置2a、2b、2cによって形成体1の訂正された二値化データA7’を生成し、訂正二値化データ判別部20によって訂正された二値化データA7’が誤っていた場合は、読み取り失敗とし、「偽」と判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4eでコード情報A8を生成し、基準コード情報保存部18にあらかじめ定められた基準コード情報A9を読み出し、形成体1から得られたコード情報A8を真偽判別演算部19で比較照合し、基準コード情報A8と形成体1から得られたコード情報A7が一致した場合に「正」と判断して、異なっていた場合に「偽」と判断して、真偽判別を行うことができる。
【0062】
(読み取り方法)
図11は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法の第1の例の流れ図を示す。
【0063】
第1の工程は、画像取得部で図1(a)乃至図1(d)に示した形成体に照明部3aから光を照射し、形成体1の透過光画像又は反射光画像を撮影部3bで撮影し画像信号A1からデジタル画像データA2を取得する。
【0064】
第2の工程は、第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する。
【0065】
第3の工程は、第2の工程で変換した穿孔座標データA3をずれ量測定部4bで格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部によって各穿孔の面積量を求め、穿孔面積データA4’を取得する。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部よってあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データA4”を取得する。
【0066】
第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔ずれデータA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。または、第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔面積データA4’から閾値算出部4cで穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。又は、第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔類似データA4”から閾値算出部4cで基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。
【0067】
第5の工程は、第4の工程で求めた複数の閾値候補A5から、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する。
【0068】
第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔ずれデータA4及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。または、第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔面積データA4’及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。または、第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔類似データA4”及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。
【0069】
第7の工程は、第6の工程で変換した二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成する。
【0070】
第8の工程は、第7の工程で訂正された二値化データA7’が誤り訂正判断部4gで正しいか否かを判断する。
【0071】
第9の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻り、訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択する。すべての閾値候補A5を試した場合は読み取り失敗とする。
【0072】
第10の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する。
【0073】
上記工程によって、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体のコード情報が読み取り可能となり、コード情報A8は、コード情報表示部5で表示する。
【0074】
(読み取り方法の改良)
図11の読み取り方法において、デジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する工程で、下記に示す(1)乃至(4)の少なくとも一つの処理を施すことによって読み取り精度、読み取り速度は向上する(図示せず)。
【0075】
(1)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する前に、デジタル画像データA2又は(2)に示す穿孔画像データA2−2は、穿孔領域データ抽出部4kで複数の穿孔が形成された領域のみ抽出し、原画像データA2−1を取得した後、穿孔座標データA3を算出する。
【0076】
(2)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する前に、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで浮動二値化処理して穿孔画像データA2−2に変換した後、穿孔座標データA3を算出する。
【0077】
(3)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する後に、穿孔座標データA3又は(4)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみは、穿孔座標補正データ変換部4nで基準となるあらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正をする。例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)を基に、すべての穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出する。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。この場合、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、四点の穿孔座標(B1、B2、B3、B4)であり、上記記載の穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1によって、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。なお、補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)と、穿孔ずれデータA4を生成するための各穿孔の基準となる格子状の交点を得るための穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は同一でも異なっていても良い。
【0078】
(4)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部で各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する後に、穿孔座標データA3又は穿孔座標補正データA3−1は、二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pで得られた二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみをずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。
【0079】
なお、本発明の読み取り方法は上記構成に限定されることなく、例えば、画像取得部を設けない場合、第2の工程又は第3の工程から始まり、ユーザが形成体を読み取り、読み取られたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3をネットワーク、郵送等によって本発明の読み取り装置2a、2b、2cに送付して、送付されたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3からコード情報を生成しても良い。
【0080】
(真偽判別方法)
図11に示した読み取り方法、読み取り方法の改良において、第9の工程の閾値変更部4hですべての閾値候補A5を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試した場合は、読み取り失敗とし、「偽」と判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に、第10の工程で訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する(図示せず)。
【0081】
第10の工程で得られたコード情報A8を第11の工程で基準コード情報保存部18にあらかじめ定められた基準コード情報A9を読み出す(図示せず)。
【0082】
第10の工程で読み出された基準コード情報A9と、第9の工程で得られたコード情報A8を第11の工程の真偽判別演算部19で比較照合し、基準コード情報A9と形成体1から得られたコード情報A8が一致した場合に「正」と判断し、異なっていた場合に「偽」と判断し、真偽判別を行うことができる(図示せず)。
【0083】
(読み取りプログラム)
読み取り方法、読み取り方法の改良の工程をプログラム化してコンピュータ装置によって実行することができる。
【0084】
(真偽判別プログラム)
真偽判別方法の工程をプログラム化してコンピュータ装置によって実行することができる。
【0085】
(実施例)
(サンプル作製)
図12に示すように紙基材に穿孔の形状が円で、大きさが直径200μmで16個×16個の穿孔群を作製した。16個×16個の穿孔群の穿孔のピッチは、600μmであり、16個×16個の内部に当たる12個×12個の穿孔群のうち、一部の穿孔を100μmY方向にずらし、形成体P1を作製した。Y方向にずらした穿孔、Y方向にずれていない穿孔によってコード情報「F」を付与した。上記1バイトのコード情報は誤り訂正符号を加え、3バイトの二値化データ「01001010 10111001 01101010」として穿孔群内に埋め込まれている。穿孔は、レーザ加工機(CO2レーザ)で作製した。形成体P1と同一なものを10枚(P1〜P10)用意し、形成体P1〜P10を表1に示した薬品に浸漬することで劣化させて水準1から水準10を作製した。図12、図13、図14、図15及び図16はイメージ図で表したものであるため穿孔の数、ずれは、実施例、比較例とは一致しないものである。
【0086】
図9に示した装置を用いて、水準1から水準10の読み取りを行った。形成体に画像取得部3からなる照明部3aから光を照射して撮影部3bで透過光画像を撮影し、画像信号A1を得た。画像信号A1は、画像信号変換部3cで図13(a)に示すデジタル画像データA2に変換した。得られたデジタル画像データA2は、穿孔領域データ抽出部4kで図13(b)に示す穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、原画像データA2−1を抽出した。穿孔領域データ抽出部4kで得られた原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで図13(c)に示す浮動二値化処理し、穿孔画像データA2−2に変換した。
【0087】
穿孔画像データ変換部4mで得られた穿孔画像データA2−2は、デジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔部座標の算出をし、図13(d)に示すXY座標を示す穿孔座標データA3に変換した。デジタル画像データ変換部4aで得られた穿孔座標データA3は、穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び歪み補正して図14(a)に示す穿孔座標補正データA3−1に変換した。これは、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出した。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1は、図14(b)に示すように二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された領域のみ、穿孔座標データA3−2として抽出した。補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'および形成体1の二値化データが付与された穿孔座標データA3−2から、穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'から図14(c)に示すようにあらかじめ設定された分割パラメータ(二値化データが付与されたY方向の穿孔の数である12個)によってB1'からB2'間を12個の線で等間隔に設定し、また、あらかじめ設定された分割パラメータ(二値化データが付与されたX方向の穿孔の数である12個)によってB1'からB3'間を12個の線で等間隔に設定し、格子状の144個ある各交点(Q)が穿孔座標データA3−2の各穿孔基準となる。
【0088】
二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2をずれ量測定部4bで穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'から得られた144個ある各穿孔基準となる穿孔座標から図15(a)に示すようなY方向のずれ量である穿孔ずれデータA4を求めた。
【0089】
図15(a)に示した穿孔差異測定部4bで得られた穿孔ずれデータA4から図15(b)に示した閾値算出部4cで複数の閾値候補A5を算出し取得する。複数の閾値候補A5は、図15(b)で示すように穿孔ずれデータA4を昇順に並べ、各データの平均値を求めることで算出した。閾値算出部4cで得られた複数の閾値候補A5から、図15(c)に示す閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択した。
【0090】
閾値選択部4dで選択された実施していない一つの閾値A6を用いて、二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2を比較演算部4eで比較し、図16に示すように、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔を「0」とし、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を「1」として変換して二値化データA7を得た。
【0091】
比較演算部4eで得られた二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いてリードソロモン符号で誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成した。訂正二値化データ生成部4fで得られた訂正された二値化データA7’が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断し、訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻り、訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択し、すべての閾値候補A5を試した場合は読み取り失敗とする。
【0092】
第10の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’である「01001010 10111001 01101010」をコード情報生成部4jでコード情報A8であるFを生成する。
【0093】
水準1から水準10に関してすべて正しいコード情報の読み取りが可能であった。
【0094】
(比較例)
あらかじめ固定した閾値を有する判別装置を用いて、水準1から水準10の読み取りを行った。実施例と同様に、1バイトのコード情報「F」に誤り訂正符号を加え、3バイトの二値化データを形成体に埋め込んでいる。形成体に画像取得部3からなる照明部3aから光を照射して撮影部3bで透過光画像を撮影し、画像信号A1を得た。画像信号A1は、画像信号変換部3cで図13(a)に示すデジタル画像データA2に変換した。得られたデジタル画像データA2は、穿孔領域データ抽出部4kで図13(b)に示す穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、原画像データA2−1を抽出した。穿孔領域データ抽出部4kで得られた原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで図13(c)に示す浮動二値化処理し、穿孔画像データA2−2に変換した。
【0095】
穿孔画像データ変換部4mで得られた穿孔画像データA2−2は、デジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔部座標の算出をし、図13(d)に示すXY座標を示す穿孔座標データA3に変換した。デジタル画像データ変換部4aで得られた穿孔座標データA3は、穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び歪み補正して図14(a)に示す穿孔座標補正データA3−1に変換した。これは、例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出した。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1は、図14(b)に示すように二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された領域のみ、穿孔座標データA3−2として抽出した。
【0096】
二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2をあらかじめ固定され定められた閾値(40μmのずれ)を用いて、二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2を比較演算部4eで比較し、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔を「0」とし、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を「1」として変換して二値化データA7を得た。
【0097】
比較演算部4dで得られた二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いてリードソロモン符号で誤り訂正し、訂正された二値化データA7'を生成した。
【0098】
訂正された二値化データA7'が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に、コード情報生成部4jでコード情報A8である「F」を生成した。
【0099】
水準1から水準8に関して読み取りが可能であり、コード情報である「F」が得られたが、水準9、10に関しては、訂正された二値化データA7’が誤っており、正しいコード情報が得られなかった。
【0100】
結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
表1のように、比較例で読み取れなかった水準が、実施例では読み取り可能となった。なお、真偽判別方法、真偽判別装置等については上記記載の発明を実施するための最良の形態で述べている。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る読み取り装置2aのイメージを示す図である。
【図3】形成体から読み取った画像信号A1を画像処理部4で処理された画像のイメージを示す図である。
【図4】穿孔差異データA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得し、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する説明図である。
【図5】比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する説明図である。
【図6】本発明に係る読み取り装置2aの読み取り精度、読み取り速度を上げた例のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図7】形成体を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図8】形成体を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図9】本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置2bの一例を示す図である。
【図10】小型、軽量化を図るための工夫がなされている読み取り装置2cの一例を示す図である。
【図11】本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法の流れ図である。
【図12】本発明の実施例のサンプルを示すイメージ図である。
【図13】サンプル(水準1〜10)を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図14】サンプル(水準1〜10)を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図15】穿孔差異データA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得し、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する説明図である。
【図16】比較演算部4eで差異がある穿孔と差異がない穿孔を二値化データに対応付けて変換する説明図である。
【符号の説明】
【0104】
1、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10 形成体
2a、2b、2c 読み取り装置
3 画像取得部
3a 照明部
3b 撮影部
3c 画像信号変換部
4 画像処理部
4a デジタル画像データ変換部
4b ずれ量測定部
4b’ 面積量測定部
4b” パターン測定部
4c 閾値算出部
4d 閾値選択部
4e 比較演算部
4j コード情報生成部
4f 訂正二値化データ生成部
4g 誤り訂正判断部
4k 穿孔領域データ抽出部
4m 穿孔画像データ変換部
4n 穿孔座標補正データ変換部
4p 二値化領域データ抽出部
5 コード情報表示部
6 搬送装置
7 ロータリエンコーダ
8 カメラ電源I/F部
9 マーク検知センサ
10 タイミング制御部
12 透過性に優れたガラス板又はフィルム
13 照明電源
14 位置決めガイド
15 平面ミラー
16 カメラI/Fカード
18 基準コード情報保存部
19 真偽判別演算部
20 訂正二値化データ判別部
A1 画像信号
A2 デジタル画像データ
A2−1 原画像データ
A2−2 穿孔画像データ
A3 穿孔座標データ
A3−1 穿孔座標補正データ
A3−2 二値化データが付与された穿孔座標データ
A4 穿孔差異データ
A4’ 穿孔面積データ
A4” 穿孔類似データ
A5 複数の閾値候補
A6 実施していない一つの閾値
A7 二値化データ
A7’ 訂正された二値化データ
A8 コード情報
A9 あらかじめ定められた基準コード情報
B1、B2、B3、B4 穿孔座標
B1'、B2'、B3'、B4' 補正穿孔座標
Q 交点(各穿孔基準)
s ずれていない穿孔
s’ ずれている穿孔
t 穿孔の位置
u 穿孔間隔の広い
u’ 穿孔間隔が狭い
v 小さな穿孔
v’ 大きな穿孔
w 円形の穿孔
w’ 多角形の穿孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類等の貴重品は、その性質上、偽造、変造されにくいことが要求される。併せて、貴重品は真偽判別の際に機械処理する必要があるため、機械読み取り要素を備えている必要がある。この防止策としては、これらの貴重品の基材に複数の穿孔で数字等を形成することは知られている。さらに、穿孔による偽造防止技術は、穿孔群の配列等を一部異ならせて情報を付与し、穿孔群に付与された情報を二値化データとして機械読み取りされていることが知られている。
【0003】
例えば、穿孔群の配列等を一部異ならせて情報を付与できる技術として、微細な穿孔列が形成された基材を有する偽造防止形成体であって、上記微細な穿孔列は、上記穿孔列の配列の基準となる直線に沿って直列状に配列され、特定の情報を付与する多数の微細な穿孔から成り、互いに隣接する穿孔間の間隔が同じもの及び異なるものを組み合わせて、穿孔を配列することにより上記特定の情報が付与されていることを特徴とする偽造防止形成体が開示されている(特許文献1)。
【0004】
穿孔で形成された情報によって種別判別をする方法として、物品の種別判定に際し、同物品の所定箇所に一定面積の表示区域を限定して同表示区域内の所定の位置に上記物品の種別に対応した0乃至複数個の貫通穴を形成し、上記表示区域をカメラで写し、その画像から上記表示区域内における上記貫通穴の重心位置を算出して上記物品の種別判定を行うようにしたことを特徴とする、画像処理による種別判定方法が開示されている(特許文献2)。
【0005】
さらに、穿孔群に付与された情報を二値化データとして機械読み取りできる技術として、多数の微細な穿孔が直線上に配置された真偽判別デバイスに穿孔の位置を変化させて付与した「0」、「1」からなる二値化データの読み取り装置であって、上記真偽判別デバイスの画像信号を撮像する画像入力装置と、上記画像信号を入力してデジタル画像データに変換した上でバックグラウンドの濃度ムラを除去して穿孔部分を抽出する浮動二値化処理を行い、各穿孔の画素数から重心座標を求めて穿孔部座標算出を行い、基準となる穿孔箇所の座標位置から傾き及び歪みを補正し、傾きや歪みのない穿孔座標データから二値化データ領域を抽出し、所定の閾値を用いて穿孔群の配置を示す穿孔座標データを上記直線上で所定のピッチ上の点にある穿孔を「0」、上記所定のピッチ上にない穿孔を「1」として二値化データに変換し、上記「0」、「1」に変換された二値化データをコード変換して表示画像を生成し、上記表示画像を画像モニタを用いて表示する画像処理装置を備えたことを特徴とする二値化データの読み取り装置が開示されている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特許第3388389号公報(第1−5頁、第1図)
【特許文献2】特開平03−255307号公報(第1−3頁、第1−4図)
【特許文献3】特許第3385357号公報(第1−6頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開平03−255307号公報は、金板部分の40mm×40mmの表示区域に20mm程度の間隔で直径6mm程度の貫通孔を形成し、形成された金板をカメラで写し、孔の重心位置を算出している。この方法では、1mm以下の孔や、孔の間隔が狭いもの、さらに、金板ではなく、紙等の変形しやすい基材で判別する場合、重心位置の算出が困難になる問題があった。よって、このような物品の画像処理による種別方法では、孔の径が広く、孔の間隔が広く、基材の種類を特定しなければ読み取り不可能になる問題があった。
【0008】
特許第3385357号公報は、閾値(読み取りパラメータ)を入力する際、試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出し、固定された所定の閾値(読み取りパラメータ)とし、読み取りを行っていた。貴重品に付与されるコード情報が付与された穿孔群は、流通段階での摩擦等で変形した場合は、適切な閾値(読み取りパラメータ)は変化し、あらかじめ定められた所定の閾値(読み取りパラメータ)では、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体のコード情報が読み取り不可能になる問題があった。また、穿孔は微細なために穿孔の変形、劣化が肉眼で気づくことが困難な場合も多く、見た目には気づかないまま、コード情報が読み取り不可能になる問題があった。
【0009】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出す必要がなく、閾値が固定されることなく、貴重品に付与されるコード情報が付与された穿孔群は、1mm以下の穿孔で、間隔が狭く、紙等の変形しやすい基材であってもコード情報が読み取り不可能となることが軽減し、穿孔が流通段階での摩擦等で劣化、変形した場合においても、微細な穿孔群に付与されたコード情報を容易に、かつ、安定して読み取り可能となる。本発明は上記課題が解決されるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記穿孔座標データをずれ量測定部で前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、前記穿孔ずれデータから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから比較演算部で前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0011】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記デジタル画像データを面積量測定部で前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得し、前記穿孔面積データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔面積データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0012】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、前記デジタル画像データをパターン測定部であらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得し、前記穿孔類似データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、前記閾値に基づいて前記穿孔類似データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換し、前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0013】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0014】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0015】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0016】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、さらに含むコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法である。
【0017】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記穿孔座標データを前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得するずれ量測定部と、前記穿孔ずれデータから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0018】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記デジタル画像データを前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得する面積量測定部と、前記穿孔面積データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔面積データから前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0019】
また、本発明は、基材の所定の領域に二種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記二種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記二種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、前記デジタル画像データをあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得するパターン測定部と、前記穿孔類似データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔類似データから前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0020】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0021】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0022】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【0023】
また、本発明は、前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、さらに備えてなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体から読み取られた穿孔ずれデータ、穿孔面積データ又は穿孔類似データから複数の閾値候補を取得し、誤り訂正処理で訂正された二値化データが正しいと判断されて、コード情報が得られるまで複数の閾値で繰り返し読み取りを試みることが可能であるため、従来のように試行錯誤しながら適切な閾値(読み取りパラメータ)を見出す必要がなく、従来よりも大幅に読み取りエラーが減少される。貴重品に付与された情報が付与された穿孔群は、1mm以下の穿孔で、間隔が狭く、紙等の変形しやすい基材であってもコード情報が読み取り可能となり、穿孔が流通段階での摩擦等で劣化、変形した場合においても、閾値は穿孔状態を反映しながら動的に決定可能であるため、微細な穿孔群に付与されたコード情報を容易に、かつ、安定して読み取り可能となる。これにより、穿孔群に付与されたコード情報を読み取る際の読み取りエラーが大幅に減少できるため、穿孔群が付与された貴重品を円滑に運用することができる。
【0025】
また、穿孔群の劣化状態(読み取り困難度合い)を示すことが可能になり、(劣化状態により、)製品の劣化に対する警鐘として用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る読み取り装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明するが、本発明の読み取り装置は、下記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で発明の実施の形態に種々の変更を加えることができることはいうまでもない。
【0027】
本発明は、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法及びその読み取り装置に関するものである。形成体の基材は、紙、プラスチック、金属等、特に限定されるものではない。よって、形成体は、銀行券、パスポート、有価証券、カード、切手、印紙類等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重印刷物に適用できる。また、チケット、切手、収入印紙等の切り離し部分にコード情報が付与された穿孔群を用いることができる。本発明は、特に紙基材に穿孔が施された場合において、従来よりも読み取り精度が向上したものである。情報が付与された穿孔群は、図1(a)乃至図1(d)について詳細に説明する。
【0028】
図1(a)乃至図1(d)の穿孔は円形及び多角形の形状を用いて説明する。図1(a)については、穿孔の位置によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、穿孔の位置(t)を基準位置とした場合、上から2行目の直線上の穿孔において、穿孔の位置(t)をもとに計算された格子点(交点)からずれている穿孔(s’)を「1」とし、ずれていない穿孔(s)を「0」とすると、行の左から「0101000」と二値化データを表現することができる。また、同様に3行目においてずれている穿孔(s’)を「0」とし、ずれていない穿孔(s)を「1」とすると、行の左から「1100101」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0029】
図1(b)については、横列の穿孔間隔によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、穿孔間隔(u、u’)は、穿孔間隔の広い(u)と、穿孔間隔(u)より穿孔間隔が狭い(u’)に区分けされ、穿孔間隔が大、小、大、小、大、小となっており、これによって、「101010」あるいは「010101」の二値化データを表現することができる。同様に3行目の穿孔間隔(u、u’)は、穿孔間隔が大、大、小、小、大、小となっており、これによって、「110010」あるいは「001101」と情報を表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0030】
図1(c)については、穿孔の大きさによって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、直径の大きな穿孔(v’)を「1」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「0」とすると、「0101010」と二値化データを表現することができる。また、直径の大きな穿孔(v’)を「0」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「1」とすると、「1010101」と二値化データを表現することができる。同様に3行目の直線上の穿孔において、直径の大きな穿孔(v’)を「1」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「0」とすると、「0110100」と二値化データを表現することができる。また、直径の大きな穿孔(v’)を「0」とし、それに比べ小さな穿孔(v)を「1」とすると、「1001011」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0031】
図1(d)については、穿孔の種類によって「0」、「1」を表現した例であり、例えば、上から2行目の直線上の穿孔において、多角形の穿孔(w’)を「1」、円形の穿孔(w)を「0」とすると、「0101010」と二値化データを表現することができる。また、多角形の穿孔(w’)を「0」、円形の穿孔(w)を「1」とすると、「1010101」と二値化データを表現することができる。同様に3行目の直線上の穿孔において、多角形の穿孔(w’)を「1」、円形の穿孔(w)を「0」とすると、「0110100」と二値化データを表現することができる。また、多角形の穿孔(w’)を「0」、円形の穿孔(w)を「1」とすると、「1001011」と二値化データを表現することができる。また、1行目、4行目、5行目、6行目及び7行目も同様に情報を付与することができる。
【0032】
図1(a)乃至図1(d)は二種類の穿孔からなる穿孔群によってコード情報を形成している。図1(a)又は図1(b)については、穿孔群の特定方向の穿孔の位置、間隔によって二値化データを付与しているが、横方向、縦方向、斜め方向等、特に限定されるものではない。穿孔の大きさは50〜500μm程度であり、穿孔の形状は特に限定されるものではない。図1(a)乃至図1(d)に示す穿孔の位置、間隔、大きさ及び形状のいずれか少なくとも二つ以上を組み合わせた穿孔群であっても差し支えない。穿孔は、微細であるために、位置、間隔、大きさ及び形状の違いがあっても肉眼で認識することが困難であるため、コード情報が付与されているか否か肉眼では判断することができない。よって、上記記載の貴重品の偽造防止技術として適用可能である。
【0033】
(読み取り装置2a)
図2に示すコード情報が付与された穿孔群を有する形成体1を読み取り装置2aは、画像取得部3、画像処理部4、コード情報表示部5からなる。画像取得部3は、照明部3a、撮影部3b、画像信号変換部3cを有する。画像処理部4は、デジタル画像データ変換部4a、ずれ量測定部4b(穿孔のずれによってコード情報が付与された場合)、閾値算出部4c、閾値選択部4d、比較演算部4e、訂正二値化データ生成部4f、誤り訂正判断部4g、閾値変更部4h及びコード情報生成部4jからなる。また、画像処理部4は、図示しないが、記憶部、制御部を有している。画像取得部3に有する画像信号変換部3cは、画像処理部4に設けても良い。この場合の、コード情報が付与された穿孔群内に埋め込まれたコード情報は、誤り符合データとして形成されている。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部を設ける。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部を設ける。
【0034】
照明部3aから光を照射し、形成体1をCCDカメラ、スキャナ等の撮影部3bで撮影し画像信号A1を取得し、画像信号A1を画像信号変換部3cで図3(a)に示すデジタル画像データA2に変換する。得られたデジタル画像データA2は、画像処理部4のデジタル画像データ変換部4aで、図3(b)に示す各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する。デジタル画像データ変換部4aは、個々の穿孔をナンバリングするとともに、穿孔の大きさをピクセル量として計測し、個々の穿孔ごとの重心(XY座標)を算出する穿孔部座標の算出を行うことで、すべての穿孔を画像データからXY座標を示す穿孔座標データA3(数値データ)に置き換える。
【0035】
形成体1に穿孔のずれによってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部4b’を設け、穿孔面積データA4’を取得する。形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、穿孔座標データA3をずれ量測定部4b”の代わりにパターン測定部4b”を設け、あらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データA4”を取得する。穿孔の大きさの差異によってコード情報を付与した場合は、あらかじめ定められた基準となる穿孔面積を設けて面積の類似度から穿孔面積データA4’を求めることができる。
【0036】
例えば、穿孔ずれデータA4は、形成体1の穿孔がY方向のずれによってコード情報が付与されている場合は、図3(a)に示す穿孔ずれデータA4を生成するために必要な各穿孔基準を求める必要がある。この場合、各穿孔基準は、二点以上の基準となる穿孔座標(ここでは四点)の穿孔座標B1、B2、B3、B4からあらかじめ設定された分割パラメータによって決定される。例えば、穿孔座標B1、B2、B3、B4から、あらかじめ設定された分割パラメータ(Y方向の穿孔の数)によってB1からB2間を等間隔に分割し、また、あらかじめ設定された分割パラメータ(X方向の穿孔の数)によってB1からB3間を等間隔に分割し、格子状の各交点が穿孔座標データA3の各穿孔基準となり、この基準から穿孔座標データA3のY方向のずれ量を求め、図4(a)に示すY方向のずれ量の穿孔ずれデータA4を取得する。ここでいう、基準となる穿孔座標B1、B2、B3、B4は、一例であり、特に限定されるものではない。
【0037】
図4(a)に示す得られた穿孔ずれデータA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得する。複数の閾値候補A5は、図4(b)で示すように穿孔ずれデータA4を昇順に並べた各データの中間値を用いても良いし、あらかじめ入力されたパラメータと穿孔ずれデータA4を用いて計算しても良い。図4(b)に示す閾値算出部4cで得られた複数の閾値候補A5から、図4(c)に示すように閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する。
【0038】
閾値選択部4dで選択された実施していない一つの閾値A6に基づいてを用いて穿孔座標データA3及び穿孔ずれデータA4は、比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する。二値化データに対応付けは、例えば、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔のうち、一方を「0」、他方を「1」に変換して二値化データA7を生成する。図5では、閾値よりY方向にずれ量が大きい穿孔を1とし、閾値よりY方向にずれ量が少ない穿孔を0としている。本発明はこれに限定されることなく、閾値よりY方向にずれ量が大きい穿孔を0とし、閾値よりY方向にずれ量が少ない穿孔を1としてもよい。また、二値化データへの対応付けは、「0」、「1」に限定されるものではなく、1つの穿孔の差異を4段階に分類し、それぞれを「00」「01」「10」「11」に対応付けるやり方等もある。
【0039】
得られた二値化データA7は、訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成する。訂正された二値化データA7’が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断する。訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻す。訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択する。閾値変更部4hですべての閾値候補A5を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試した場合は、読み取り失敗とする。訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する。コード情報A8は、コード情報表示部5で表示する。
【0040】
訂正二値化データ生成部4fでは例えば、巡回符号、BCH符号、リードソロモン符号のいずれかによる誤り訂正を行うことによって訂正された二値化データを得ることができる。
【0041】
英数字又は文字等を「0」、「1」の二値コードに変換したアルゴリズムを逆にたどれば、形成体1の穿孔群から得られた「0」、「1」の二値化データを英数字又は文字等にコード変換する。このアルゴリズムは、例えば、7ビットで表現するASCIIコードや二次元バーコード等、無数に存在するが、独自のアルゴリズムを用いて変換することで情報の秘匿性を一段と高めることができる。例えば、二値化データA6が、「0100011000110010」の場合、コード情報生成部4jで得られるコード情報A8は、「F2」となる。
【0042】
コード情報生成部4jで得られたコード情報A8をコード情報表示部5で表示する。コード情報表示部5は特に限定されることなく、一般的なブラウン管モニタ、液晶モニタ等が挙げられる。また、小型のものでも良い。以上の画像処理を行うことで、穿孔の間隔、位置、大きさの少なくともいずれかを変化させて形成体1に付与した「0」又は「1」の二値化データの読み取りはほぼ完了し、以上の画像処理を行えば微小な穿孔位置等の差を検出することが可能となる。
【0043】
(読み取り装置2aの改良)
読み取り装置2aにおいて、デジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する手段で、下記に示す(1)乃至(4)の少なくとも一つの処理を施すことによって読み取り精度、読み取り速度は向上する。図6、図7及び図8を用いて説明する。
【0044】
(1)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する前処理に、デジタル画像データA2又は(2)に示す穿孔画像データA2−2は、図6に示す穿孔領域データ抽出部4kで複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する。図7(a)に示す形成体1の少なくとも一部を含む領域のデジタル画像データA2は、画像処理時間を最小限にするため、形成体1の穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、図7(b)に示す原画像データA2−1が得られる。
【0045】
(2)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する前処理に、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1は、図6に示す穿孔画像データ変換部4mで浮動二値化処理する。これは、形成体1の厚薄等によるバックグラウンドの濃度ムラを除去して穿孔部分を抽出する浮動二値化処理し、図7(c)に示す穿孔画像データA2−2に変換する。浮動二値化処理は、白/黒を色分けする閾値を固定することなく、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1を、濃淡モフォロジーのオープニング処理を指定回数実施し、得られたバックグラウンドの画像データと、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1の差分を取ることで、地合いの濃淡等による明部のノイズを除去した穿孔部だけの明瞭な画像が得られる処理である。
【0046】
(3)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する後処理に、穿孔座標データA3又は(4)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみは、図6に示す穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正をする。図8(a)に示すような穿孔座標補正データA3−1に変換する。穿孔座標補正データ変換部4nは、形成体1を画像取得部2にセットした際に生じる微小な傾き、及び基材が紙である場合に特に問題となるしわや温湿度による歪みを補正する必要がある。例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出する。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。この場合、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、四点の穿孔座標(B1、B2、B3、B4)であり、上記記載の穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1によって、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。なお、補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)と、穿孔ずれデータA4を生成するための各穿孔の基準となる格子状の交点を得るための穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は同一でも異なっていても良い。
【0047】
(4)デジタル画像データA2を穿孔座標データA3に変換する後処理に、穿孔座標データA3又は穿孔座標補正データA3−1は、図6に示す二値化領域データ抽出部4pで図8(b)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pは、あらかじめ定められた二値化データ領域又は非二値化データ領域を基準として二値化データを付与していない穿孔座標を除外した上で二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pで得られた二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみをずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。
【0048】
例えば穿孔ずれデータA4は、形成体1の穿孔がY方向のずれによってコード情報が付与されている場合は、あらかじめ定められた四点の基準となる穿孔座標B1、B2、B3、B4から、図8(a)に示したように座標補正によって補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'を算出する。補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'からあらかじめ設定された分割パラメータによって格子状の交点から各穿孔基準が得られ、各穿孔座標データA3−2をずれ量測定部4bで基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、Y方向のずれ量の穿孔ずれデータA4を取得する。
【0049】
(読み取り装置2b)
図9は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置の一例を示す図である。
【0050】
図9に示すようにコード情報が付与された穿孔群を有する形成体1を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置2bは、形成体1を搬送するための画像取得部3を備えた搬送装置6、画像処理部4、コード情報表示部5からなる。搬送装置6は、画像取得部3、ロータリエンコーダ7、マーク検知センサ9を備え、画像取得部3は、照明部3a、撮影部3bを有する。ロータリエンコーダ7は、画像処理部4に形成体1の搬送と同期して画像信号を入力するための基準となる同期信号を得るためのものである。画像処理部4は、カメラ電源I/F部8、タイミング制御部10、画像信号変換部3c、デジタル画像データ変換部4a、ずれ量測定部4b(穿孔のずれによってコード情報が付与された場合)、閾値算出部4c、閾値選択部4d、比較演算部4e、訂正二値化データ生成部4f、誤り訂正判断部4g、閾値変更部4h及びコード情報生成部4jからなる。また、画像処理部4は、穿孔領域データ抽出部4k、穿孔画像データ変換部4m、穿孔座標補正データ変換部4n、二値化領域データ抽出部4pを設けることができる。画像処理部4に有する画像信号変換部3cは、画像取得部3に設けても良い。また、画像処理部4は、図示しないが、記憶部、制御部を有している。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部を設ける。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部を設ける。
【0051】
画像取得部3は、照明部3a、撮影部3bからなり、形成体1に照明部3aから光を照射し、形成体1の透過光画像又は反射光画像を撮影部3bで撮影し画像信号を取得する。照明部3aは、形成体1に光を照射して撮影部3bで透過光画像又は反射光画像が得られれば特に限定されるものではなく、例えば、LED白色光を照射する調光付き照明が挙げられる。照明部3aは、撮影部3bとの間隔が広い場合は、形成体1に施した微細な穿孔から通過する光量が十分に得られないため、高輝度で演色性及び指向性に優れた光を発生するメタルハライド光源を設けても良い。
【0052】
撮影部3bは、高速で搬送される形成体1の高分解能なカラー画像信号を出力するカメラとして、各種モノクロカメラ、CCDカラーラインセンサカメラ、3CCDカラーラインセンサカメラ、TDIカラーラインセンサカメラ、CCDカラーエリアセンサカメラ又は上下左右にシフトしながら撮像した入力画像データを合成することでカメラの本来の分解能よりも高い解像度が得られるCCDカラーエリアセンサカメラが挙げられる。
【0053】
また、画像処理部4は、撮影部3bに電源を供給するとともに、撮影部3bからの画像信号のインターフェース機能を持つカメラ電源I/F部8と、マーク検知センサ9から出力される形成体1の先頭信号とロータリエンコーダ7から出力される搬送同期信号を入力して画像入力に必要な信号を生成するタイミング制御部10と、カメラ電源I/F部8から得られる画像信号をタイミング制御部10から出力される信号を用いて画像信号(入力画像データ)を得る。
【0054】
画像取得部3を備えた搬送装置6で得られた撮影された画像信号は、画像処理部4でコード情報に変換され、コード情報表示部5でコード情報が表示される。
【0055】
(読み取り装置2c)
図9は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合、例えば、銀行券のように大量に、かつ、高速で処理する鑑査機、ATM、自動販売機等へ搭載する場合のシステムの読み取り装置の一例を示したが、図10では、出入国管理時のパスポート検査等を対象としたシステム構成であり、小型、軽量化を図るための工夫がなされている。
【0056】
画像処理部4の基本構成は図9で説明した装置と同様であるが、搬送系を必要としないため以下のシステム構成とした。図10に読み取り装置2cを示す。形成体1は、照明部3aと透過性に優れたガラス板又はフィルム12の間に挿入される。照明部3aは軽薄とするため白色LED光源とし、照明電源13から電源が供給される。この白色LED光源を支持する板を位置決めガイド14として利用することで形成体1の撮影領域を設定する。また、照明部3aを支持する板を付き当て位置決めガイド14として利用することで形成体1を定位置にセットすることができる。
【0057】
また、照明部3aと透過性に優れたガラス板又はフィルム12の間隔を0.5mm程度とし、形成体1が紙ぐせやしわ等によって浮き上がることを防止した。透過光画像又は反射光画像は平面ミラー15を介して撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)で撮像される。
【0058】
撮影部3bは、例えば穿孔位置又は穿孔間隔の差を正確に入力するために極めて高性能な分解能が要求される。特に、二値化データを形成体1に盛り込む際に、目視では判別できない程度な微小な差とした場合、撮影部を構成する受光素子の個々の境界部分が不感体となり、高精度な計測を困難とする。そのため、撮影部は大きく、重いカメラとなるが、このような撮影部では画像取得部が巨大となり実用面で問題となる。よって、撮影部3bは、上下左右に1/4画素ずつシフトしながら撮像することでカメラの本来の分解能の4倍相当の分解能を得ることができるCCDカラーエリアセンサカメラを用いている。また、平面ミラー15は、撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)の焦点距離が長いと画像取得部3が大型化するため、平面ミラー15を介することで撮影部3b(CCDカラーエリアセンサカメラ)をコンパクトに納めることを可能としている。
【0059】
当然のことながら、収納スペースにゆとりがある場合は、平面ミラー15を用いる必要はない。また、平面ミラー15の代わりに光ファイバー等を用いても何ら問題はない。形成体1の透過光画像又は反射光画像を平面ミラー又は光ファイバーを介して撮像し、撮影部3bの焦点距離を短くすることができる。撮影部3bで撮像された画像データはカメラI/Fカード16を介して画像処理部4に送られる。なお、撮影部3bの電源もカメラI/Fカード16を介して画像処理部4から送られる。
【0060】
なお、本発明の読み取り装置2a、2b、2cは上記構成に限定されることなく、例えば、画像取得部を設けないで、ユーザが形成体を読み取り、読み取られたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3をネットワーク、郵送等によって本発明の読み取り装置2a、2b、2c、2dに送付して、送付されたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3からコード情報を生成しても良い。
【0061】
(真偽判別装置)
図2、図6、図9及び図10に示した読み取り装置2a、2b、2cの画像処理部4に基準コード情報保存部18、真偽判別演算部19、訂正二値化データ判別部20を設けることによって、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を読み取り、本物か否か判断する真偽判別を行うことができる(図示せず)。形成体1は図2、図6、図9及び図10に示した読み取り装置2a、2b、2cによって形成体1の訂正された二値化データA7’を生成し、訂正二値化データ判別部20によって訂正された二値化データA7’が誤っていた場合は、読み取り失敗とし、「偽」と判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4eでコード情報A8を生成し、基準コード情報保存部18にあらかじめ定められた基準コード情報A9を読み出し、形成体1から得られたコード情報A8を真偽判別演算部19で比較照合し、基準コード情報A8と形成体1から得られたコード情報A7が一致した場合に「正」と判断して、異なっていた場合に「偽」と判断して、真偽判別を行うことができる。
【0062】
(読み取り方法)
図11は、本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法の第1の例の流れ図を示す。
【0063】
第1の工程は、画像取得部で図1(a)乃至図1(d)に示した形成体に照明部3aから光を照射し、形成体1の透過光画像又は反射光画像を撮影部3bで撮影し画像信号A1からデジタル画像データA2を取得する。
【0064】
第2の工程は、第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する。
【0065】
第3の工程は、第2の工程で変換した穿孔座標データA3をずれ量測定部4bで格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。なお、形成体1に穿孔の大きさによってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりに面積量測定部によって各穿孔の面積量を求め、穿孔面積データA4’を取得する。また、形成体1に穿孔の形状によってコード情報が付与された場合は、ずれ量測定部4bの代わりにパターン測定部よってあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データA4”を取得する。
【0066】
第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔ずれデータA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。または、第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔面積データA4’から閾値算出部4cで穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。又は、第4の工程は、第3の工程で取得した穿孔類似データA4”から閾値算出部4cで基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を求める。
【0067】
第5の工程は、第4の工程で求めた複数の閾値候補A5から、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する。
【0068】
第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔ずれデータA4及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。または、第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔面積データA4’及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。または、第6の工程は、第5の工程で選択された実施していない一つの閾値A6を用いて穿孔類似データA4”及び穿孔座標データA3から比較演算部4eで基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化し、二値化データA7を生成する。
【0069】
第7の工程は、第6の工程で変換した二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成する。
【0070】
第8の工程は、第7の工程で訂正された二値化データA7’が誤り訂正判断部4gで正しいか否かを判断する。
【0071】
第9の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻り、訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択する。すべての閾値候補A5を試した場合は読み取り失敗とする。
【0072】
第10の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する。
【0073】
上記工程によって、コード情報が付与された穿孔群を有する形成体のコード情報が読み取り可能となり、コード情報A8は、コード情報表示部5で表示する。
【0074】
(読み取り方法の改良)
図11の読み取り方法において、デジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する工程で、下記に示す(1)乃至(4)の少なくとも一つの処理を施すことによって読み取り精度、読み取り速度は向上する(図示せず)。
【0075】
(1)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する前に、デジタル画像データA2又は(2)に示す穿孔画像データA2−2は、穿孔領域データ抽出部4kで複数の穿孔が形成された領域のみ抽出し、原画像データA2−1を取得した後、穿孔座標データA3を算出する。
【0076】
(2)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する前に、デジタル画像データA2又は原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで浮動二値化処理して穿孔画像データA2−2に変換した後、穿孔座標データA3を算出する。
【0077】
(3)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する後に、穿孔座標データA3又は(4)に示す二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみは、穿孔座標補正データ変換部4nで基準となるあらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正をする。例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)を基に、すべての穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出する。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び/又は線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。この場合、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、四点の穿孔座標(B1、B2、B3、B4)であり、上記記載の穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1によって、各穿孔基準を得るための基準となる穿孔座標は、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。なお、補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)と、穿孔ずれデータA4を生成するための各穿孔の基準となる格子状の交点を得るための穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は同一でも異なっていても良い。
【0078】
(4)第1の工程で取得したデジタル画像データA2をデジタル画像データ変換部で各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔座標の算出をし、XY座標を示す穿孔座標データA3に変換する後に、穿孔座標データA3又は穿孔座標補正データA3−1は、二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみを抽出する。二値化領域データ抽出部4pで得られた二値化データが付与された穿孔座標データA3−2のみをずれ量測定部4bであらかじめ定められた基準となる格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータA4を取得する。
【0079】
なお、本発明の読み取り方法は上記構成に限定されることなく、例えば、画像取得部を設けない場合、第2の工程又は第3の工程から始まり、ユーザが形成体を読み取り、読み取られたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3をネットワーク、郵送等によって本発明の読み取り装置2a、2b、2cに送付して、送付されたデジタル画像データA2又は穿孔座標データA3からコード情報を生成しても良い。
【0080】
(真偽判別方法)
図11に示した読み取り方法、読み取り方法の改良において、第9の工程の閾値変更部4hですべての閾値候補A5を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試した場合は、読み取り失敗とし、「偽」と判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に、第10の工程で訂正された二値化データA7’をコード情報生成部4jでコード情報A8を生成する(図示せず)。
【0081】
第10の工程で得られたコード情報A8を第11の工程で基準コード情報保存部18にあらかじめ定められた基準コード情報A9を読み出す(図示せず)。
【0082】
第10の工程で読み出された基準コード情報A9と、第9の工程で得られたコード情報A8を第11の工程の真偽判別演算部19で比較照合し、基準コード情報A9と形成体1から得られたコード情報A8が一致した場合に「正」と判断し、異なっていた場合に「偽」と判断し、真偽判別を行うことができる(図示せず)。
【0083】
(読み取りプログラム)
読み取り方法、読み取り方法の改良の工程をプログラム化してコンピュータ装置によって実行することができる。
【0084】
(真偽判別プログラム)
真偽判別方法の工程をプログラム化してコンピュータ装置によって実行することができる。
【0085】
(実施例)
(サンプル作製)
図12に示すように紙基材に穿孔の形状が円で、大きさが直径200μmで16個×16個の穿孔群を作製した。16個×16個の穿孔群の穿孔のピッチは、600μmであり、16個×16個の内部に当たる12個×12個の穿孔群のうち、一部の穿孔を100μmY方向にずらし、形成体P1を作製した。Y方向にずらした穿孔、Y方向にずれていない穿孔によってコード情報「F」を付与した。上記1バイトのコード情報は誤り訂正符号を加え、3バイトの二値化データ「01001010 10111001 01101010」として穿孔群内に埋め込まれている。穿孔は、レーザ加工機(CO2レーザ)で作製した。形成体P1と同一なものを10枚(P1〜P10)用意し、形成体P1〜P10を表1に示した薬品に浸漬することで劣化させて水準1から水準10を作製した。図12、図13、図14、図15及び図16はイメージ図で表したものであるため穿孔の数、ずれは、実施例、比較例とは一致しないものである。
【0086】
図9に示した装置を用いて、水準1から水準10の読み取りを行った。形成体に画像取得部3からなる照明部3aから光を照射して撮影部3bで透過光画像を撮影し、画像信号A1を得た。画像信号A1は、画像信号変換部3cで図13(a)に示すデジタル画像データA2に変換した。得られたデジタル画像データA2は、穿孔領域データ抽出部4kで図13(b)に示す穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、原画像データA2−1を抽出した。穿孔領域データ抽出部4kで得られた原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで図13(c)に示す浮動二値化処理し、穿孔画像データA2−2に変換した。
【0087】
穿孔画像データ変換部4mで得られた穿孔画像データA2−2は、デジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔部座標の算出をし、図13(d)に示すXY座標を示す穿孔座標データA3に変換した。デジタル画像データ変換部4aで得られた穿孔座標データA3は、穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び歪み補正して図14(a)に示す穿孔座標補正データA3−1に変換した。これは、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出した。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1は、図14(b)に示すように二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された領域のみ、穿孔座標データA3−2として抽出した。補正穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'および形成体1の二値化データが付与された穿孔座標データA3−2から、穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'から図14(c)に示すようにあらかじめ設定された分割パラメータ(二値化データが付与されたY方向の穿孔の数である12個)によってB1'からB2'間を12個の線で等間隔に設定し、また、あらかじめ設定された分割パラメータ(二値化データが付与されたX方向の穿孔の数である12個)によってB1'からB3'間を12個の線で等間隔に設定し、格子状の144個ある各交点(Q)が穿孔座標データA3−2の各穿孔基準となる。
【0088】
二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2をずれ量測定部4bで穿孔座標B1'、B2'、B3'、B4'から得られた144個ある各穿孔基準となる穿孔座標から図15(a)に示すようなY方向のずれ量である穿孔ずれデータA4を求めた。
【0089】
図15(a)に示した穿孔差異測定部4bで得られた穿孔ずれデータA4から図15(b)に示した閾値算出部4cで複数の閾値候補A5を算出し取得する。複数の閾値候補A5は、図15(b)で示すように穿孔ずれデータA4を昇順に並べ、各データの平均値を求めることで算出した。閾値算出部4cで得られた複数の閾値候補A5から、図15(c)に示す閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択した。
【0090】
閾値選択部4dで選択された実施していない一つの閾値A6を用いて、二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2を比較演算部4eで比較し、図16に示すように、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔を「0」とし、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を「1」として変換して二値化データA7を得た。
【0091】
比較演算部4eで得られた二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いてリードソロモン符号で誤り訂正し、訂正された二値化データA7’を生成した。訂正二値化データ生成部4fで得られた訂正された二値化データA7’が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断し、訂正された二値化データA7’が誤っていた場合に、閾値変更部4hですべての閾値候補を試したか判断し、すべての閾値候補A5を試していなかった場合に、再度、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する工程に戻り、訂正された二値化データA7’が正しいと判断されるまで繰り返して閾値変更部4hで実施していない一つの閾値A6を閾値選択部4dで選択し、すべての閾値候補A5を試した場合は読み取り失敗とする。
【0092】
第10の工程は、第8の工程で訂正された二値化データA7’が正しい場合に、訂正された二値化データA7’である「01001010 10111001 01101010」をコード情報生成部4jでコード情報A8であるFを生成する。
【0093】
水準1から水準10に関してすべて正しいコード情報の読み取りが可能であった。
【0094】
(比較例)
あらかじめ固定した閾値を有する判別装置を用いて、水準1から水準10の読み取りを行った。実施例と同様に、1バイトのコード情報「F」に誤り訂正符号を加え、3バイトの二値化データを形成体に埋め込んでいる。形成体に画像取得部3からなる照明部3aから光を照射して撮影部3bで透過光画像を撮影し、画像信号A1を得た。画像信号A1は、画像信号変換部3cで図13(a)に示すデジタル画像データA2に変換した。得られたデジタル画像データA2は、穿孔領域データ抽出部4kで図13(b)に示す穿孔群が形成された領域より1mm程度大きな領域を切り出してグレー処理を行い、原画像データA2−1を抽出した。穿孔領域データ抽出部4kで得られた原画像データA2−1は、穿孔画像データ変換部4mで図13(c)に示す浮動二値化処理し、穿孔画像データA2−2に変換した。
【0095】
穿孔画像データ変換部4mで得られた穿孔画像データA2−2は、デジタル画像データ変換部4aで各穿孔部分の画像から重心座標を求めて穿孔部座標の算出をし、図13(d)に示すXY座標を示す穿孔座標データA3に変換した。デジタル画像データ変換部4aで得られた穿孔座標データA3は、穿孔座標補正データ変換部4nであらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び歪み補正して図14(a)に示す穿孔座標補正データA3−1に変換した。これは、例えば、穿孔座標データA3(数値データ)からあらかじめ定められた補正するための四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)をもとに、すべての穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、穿孔座標補正データA3−1を算出した。四点の基準となる穿孔座標(B1、B2、B3、B4)は、穿孔座標の傾き量及び線形一次の歪みを求めて、補正穿孔座標(B1'、B2'、B3'、B4')となる。穿孔座標補正データ変換部4nで得られた穿孔座標補正データA3−1は、図14(b)に示すように二値化領域データ抽出部4pで二値化データが付与された領域のみ、穿孔座標データA3−2として抽出した。
【0096】
二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2をあらかじめ固定され定められた閾値(40μmのずれ)を用いて、二値化領域データ抽出部4pで抽出された二値化データが付与された穿孔座標データA3−2を比較演算部4eで比較し、格子状の交点の穿孔基準にある穿孔を「0」とし、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を「1」として変換して二値化データA7を得た。
【0097】
比較演算部4dで得られた二値化データA7を訂正二値化データ生成部4fであらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いてリードソロモン符号で誤り訂正し、訂正された二値化データA7'を生成した。
【0098】
訂正された二値化データA7'が正しいか否か誤り訂正判断部4gで判断し、訂正された二値化データA7’が正しい場合に、コード情報生成部4jでコード情報A8である「F」を生成した。
【0099】
水準1から水準8に関して読み取りが可能であり、コード情報である「F」が得られたが、水準9、10に関しては、訂正された二値化データA7’が誤っており、正しいコード情報が得られなかった。
【0100】
結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
表1のように、比較例で読み取れなかった水準が、実施例では読み取り可能となった。なお、真偽判別方法、真偽判別装置等については上記記載の発明を実施するための最良の形態で述べている。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】コード情報が付与された穿孔群を有する形成体の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る読み取り装置2aのイメージを示す図である。
【図3】形成体から読み取った画像信号A1を画像処理部4で処理された画像のイメージを示す図である。
【図4】穿孔差異データA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得し、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する説明図である。
【図5】比較演算部4eで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する説明図である。
【図6】本発明に係る読み取り装置2aの読み取り精度、読み取り速度を上げた例のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図7】形成体を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図8】形成体を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図9】本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体を搬送ラインで読み取る場合の読み取り装置2bの一例を示す図である。
【図10】小型、軽量化を図るための工夫がなされている読み取り装置2cの一例を示す図である。
【図11】本発明に係るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法の流れ図である。
【図12】本発明の実施例のサンプルを示すイメージ図である。
【図13】サンプル(水準1〜10)を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図14】サンプル(水準1〜10)を本発明の読み取り装置で読み取った場合のデジタル画像データのイメージを示す図である。
【図15】穿孔差異データA4から閾値算出部4cで格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を区分けするための必要な複数の閾値候補A5を取得し、閾値選択部4dで実施していない一つの閾値A6を選択する説明図である。
【図16】比較演算部4eで差異がある穿孔と差異がない穿孔を二値化データに対応付けて変換する説明図である。
【符号の説明】
【0104】
1、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10 形成体
2a、2b、2c 読み取り装置
3 画像取得部
3a 照明部
3b 撮影部
3c 画像信号変換部
4 画像処理部
4a デジタル画像データ変換部
4b ずれ量測定部
4b’ 面積量測定部
4b” パターン測定部
4c 閾値算出部
4d 閾値選択部
4e 比較演算部
4j コード情報生成部
4f 訂正二値化データ生成部
4g 誤り訂正判断部
4k 穿孔領域データ抽出部
4m 穿孔画像データ変換部
4n 穿孔座標補正データ変換部
4p 二値化領域データ抽出部
5 コード情報表示部
6 搬送装置
7 ロータリエンコーダ
8 カメラ電源I/F部
9 マーク検知センサ
10 タイミング制御部
12 透過性に優れたガラス板又はフィルム
13 照明電源
14 位置決めガイド
15 平面ミラー
16 カメラI/Fカード
18 基準コード情報保存部
19 真偽判別演算部
20 訂正二値化データ判別部
A1 画像信号
A2 デジタル画像データ
A2−1 原画像データ
A2−2 穿孔画像データ
A3 穿孔座標データ
A3−1 穿孔座標補正データ
A3−2 二値化データが付与された穿孔座標データ
A4 穿孔差異データ
A4’ 穿孔面積データ
A4” 穿孔類似データ
A5 複数の閾値候補
A6 実施していない一つの閾値
A7 二値化データ
A7’ 訂正された二値化データ
A8 コード情報
A9 あらかじめ定められた基準コード情報
B1、B2、B3、B4 穿孔座標
B1'、B2'、B3'、B4' 補正穿孔座標
Q 交点(各穿孔基準)
s ずれていない穿孔
s’ ずれている穿孔
t 穿孔の位置
u 穿孔間隔の広い
u’ 穿孔間隔が狭い
v 小さな穿孔
v’ 大きな穿孔
w 円形の穿孔
w’ 多角形の穿孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記穿孔座標データをずれ量測定部で前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、
前記穿孔ずれデータから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから比較演算部で前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項2】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記デジタル画像データを面積量測定部で前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得し、
前記穿孔面積データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔面積データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項3】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記デジタル画像データをパターン測定部であらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得し、
前記穿孔類似データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔類似データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項4】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、更に含む請求項1、2又は3記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項5】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、更に含む請求項1、2、3又は4記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項6】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、更に含む請求項1、2、3、4又は5記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項7】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、更に含む請求項1、2、3、4、5又は6記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項8】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記穿孔座標データを前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得するずれ量測定部と、
前記穿孔ずれデータから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項9】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記デジタル画像データを前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得する面積量測定部と、
前記穿孔面積データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔面積データから前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項10】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記デジタル画像データをあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得するパターン測定部と、
前記穿孔類似データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔類似データから前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項11】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、更に備えてなる請求項8、9又は10記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項12】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10又は11記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項13】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10、11又は12記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項14】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10、11、12又は13記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項1】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記穿孔座標データをずれ量測定部で前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得し、
前記穿孔ずれデータから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから比較演算部で前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項2】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記デジタル画像データを面積量測定部で前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得し、
前記穿孔面積データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔面積データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項3】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り方法において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得し、前記取得されたデジタル画像データはデジタル画像データ変換部で各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換し、
前記デジタル画像データをパターン測定部であらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得し、
前記穿孔類似データから閾値算出部で複数の閾値を形成し、
前記複数の閾値候補から、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択し、
前記閾値に基づいて前記穿孔類似データ及び前記穿孔座標データから比較演算部で前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換し、
前記二値化データを訂正二値化データ生成部であらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成し、
前記訂正された二値化データが正しいか否か誤り訂正判断部で判断し、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、閾値変更部ですべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻し、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データをコード情報生成部でコード情報を生成して読み取るコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項4】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、更に含む請求項1、2又は3記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項5】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、更に含む請求項1、2、3又は4記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項6】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、更に含む請求項1、2、3、4又は5記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項7】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、更に含む請求項1、2、3、4、5又は6記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り方法。
【請求項8】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔の一方は、格子状の交点に形成し、他方は、前記格子状の交点からずれて形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記穿孔座標データを前記格子状の交点からのずれ量を求め、穿孔ずれデータを取得するずれ量測定部と、
前記穿孔ずれデータから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔ずれデータから前記格子状の交点の穿孔基準にある穿孔と、前記格子状の交点の穿孔基準からずれた穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項9】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、大きさが異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記デジタル画像データを前記穿孔の面積量を求め、穿孔面積データを取得する面積量測定部と、
前記穿孔面積データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔面積データから前記穿孔面積の大きい穿孔と、前記穿孔面積の小さい穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項10】
基材の所定の領域に2種類の穿孔からなる穿孔群を設け、前記2種類の穿孔は、形状が異なって形成し、前記2種類の穿孔によってコード情報が生成される形成体の読み取り装置において、
前記形成体の前記所定の領域を含むデジタル画像データを取得する取得部と、
前記取得されたデジタル画像データを各穿孔のXY座標を示す穿孔座標データに変換するデジタル画像データ変換部と、
前記デジタル画像データをあらかじめ定められた基準パターンと、類似しているか否か類似度を求め、穿孔類似データを取得するパターン測定部と、
前記穿孔類似データから複数の閾値候補を取得する閾値算出部と、
前記複数の閾値候補から、実施していない一つの閾値を選択する閾値選択部と、
前記閾値に基づいて前記穿孔座標データ及び前記穿孔類似データから前記基準パターンに類似度が高い穿孔と、前記基準パターンに類似度が低い穿孔を二値化データに対応付けて変換する比較演算部と、
前記二値化データをあらかじめ定められた誤り訂正符号データを用いて誤り訂正し、訂正された二値化データを生成する訂正二値化データ生成部と、
前記訂正された二値化データが正しいか否か判断する誤り訂正判断部と、
前記訂正された二値化データが誤っていた場合に、すべての閾値候補を試したか判断し、前記すべての閾値候補を試していなかった場合に、再度、閾値選択部で実施していない一つの閾値を選択する処理に戻す閾値変更部と、
前記訂正された二値化データが正しい場合に、前記訂正された二値化データからコード情報を生成するコード情報生成部からなるコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項11】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔領域データ抽出部で前記複数の穿孔が形成された領域のみ抽出する処理を、更に備えてなる請求項8、9又は10記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項12】
前記デジタル画像データ変換部は、前記デジタル画像データを穿孔画像データ変換部で浮動二値化処理する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10又は11記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項13】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データを穿孔座標補正データ変換部であらかじめ定められた補正するための基準となる穿孔座標から傾き補正及び/又は歪み補正する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10、11又は12記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【請求項14】
前記デジタル画像データ変換部は、前記穿孔座標データ又は前記補正された穿孔座標データを二値化領域データ抽出部で二値化データが付与された穿孔座標データのみを抽出する処理を、更に備えてなる請求項8、9、10、11、12又は13記載のコード情報が付与された穿孔群を有する形成体の読み取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−108824(P2007−108824A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295984(P2005−295984)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
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