説明

ゴム補強用繊維コードの柔軟化装置、ゴム補強用繊維コードの製造装置及び製造方法

【課題】簡単な構成でゴム補強用繊維コードのスティフネスを調整可能にし、ゴム補強用繊維コードの柔軟化装置の小型化及び低コスト化を図る。
【解決手段】移動する複数のゴム補強用繊維コード61の移動経路に沿ってガイド部材10を配置する。ガイド部材10には、ゴム補強用繊維コード61の本数に応じた数の突起物12をゴム補強用繊維コード61に向かって並設し、中段のガイド部材10に変位手段30を設ける。各ガイド部材10の突起物12に沿ってゴム補強用繊維コード61を配置し、変位手段30により中段のガイド部材10を変位させて各突起物12をジグザグ状に配置する。この突起物12により、ゴム補強用繊維コード61を押し込んで屈曲させ、ジグザグ状に案内して屈曲移動させて柔軟化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤコード等に用いられるゴム補強用繊維コードの柔軟化装置に関し、特に、ディップ処理及び熱延伸処理した繊維コードに機械的な柔軟化処理を施して繊維コードの堅さ(スティフネス)を調整する柔軟化装置、該柔軟化装置を備えたゴム補強用繊維コードの製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種繊維からなる繊維コードは、工業製品又はその原材料として幅広い分野で使用されており、例えば、ナイロンやポリエステルなどの有機繊維等からなるゴム補強用繊維コードは、空気入りタイヤやコンベアベルト、ホース、空気バネ等のゴム工業製品の補強材料(例えばタイヤコード等)として広く使用されている。このゴム補強用繊維コードは、一般に、有機繊維等の原糸に撚糸装置で撚りを加えて作製され、その後、繊維材料とゴム間の接着のために必要なディップ(ディッピング)処理やコード物性の改質処理等の各種処理が施されてゴム補強用繊維コード(ディップコード)となり、そのまわりにゴムが被覆されてゴム製品または中間部材が製造される(特許文献1参照)。
【0003】
図7は、このような従来のゴム補強用繊維コードの処理装置の構成を概略的に示す側面図である。
この処理装置50は、図示のように、1本又は複数本の長尺な繊維コード60をロール51Aから巻き出して供給する巻出装置51と、繊維コード60をディップ液槽52A内のディップ液(接着液)52Bに浸漬してディップ処理するディップ処理装置52と、ディップ処理された繊維コード60をドライゾーン53A、ホットゾーン53B、及びノルマライズゾーン53Cを順次通過させて熱延伸処理等を施すHT(Heat Tension)装置53と、熱延伸処理されたディップコード61を巻き取る巻取装置54と、繊維コード60を以上の経路に沿って移動させ、かつ繊維コード60に対して各部(各処理)毎に所定の張力を付与する複数(図では繊維コード60の経路に沿って5箇所)のプルロール55と、を備えている。
【0004】
この処理装置50では、巻出装置51から供給される繊維コード60に、まず、ディップ処理装置52のディップ液槽52A内を通過させて、ゴムとの接着力を高めるためのディップ液52B、例えばレゾルシン・フォルムアルデヒド(RF)樹脂溶液とゴム・ラテックス(L)水溶液とを混合したRFL液を付着させる。次に、繊維コード60を、HT装置53のドライゾーン53A内を通過させてドライ(乾燥)処理し、付着したディップ液52Bを乾燥した後、ホットゾーン53B内を通過させてホット(高温)処理を行い、乾燥したディップ液52Bを加熱により繊維コード60に接着する。次に、繊維コード60に、ノルマライズゾーン53C内でノルマライズ(標準化)処理を施すが、このとき、高温・高張力の所定の条件で熱延伸処理を行い、繊維の分子配列を整える等して繊維物性を改質・調整し標準化する。
【0005】
以上の各処理を経て製造されたゴム補強用の繊維コード60(ディップコード61)は、表面に形成された接着層により被覆されるゴムと強固に接着するとともに、原糸メーカーや製造ロットの差等で変動するコード物性が、熱延伸処理により均一化される。その結果、例えば繊維コード60がタイヤコードの場合には、ゴムとの接着力が高くなりタイヤの耐久性を向上させることができ、かつコード物性の均一性が高くなりタイヤ性状を安定化させることができる。
【0006】
しかしながら、このようなディップコード61では、付着したディップ液52Bが高温処理により樹脂化してコードのスティフネスが非常に高くなるため、ゴム被覆工程等の後工程での作業性が低くなるとともに、強伸度特性等のコード特性が低下することがある。そこで、従来、ディップコード61を適度なスティフネスに調整して後工程での作業性を確保等するため、ディップコード61に屈曲及び擦過により扱きを与えて機械的な柔軟化処理を施すゴム補強用繊維コードの柔軟化装置が知られている(特許文献2参照)。
【0007】
図8は、この従来の柔軟化装置の要部を概略的に示す側面図である。
この柔軟化装置70は、例えば図7の巻取装置54の手前側に設置してディップコード61の巻き取り前に使用される装置であり、図示のように、ディップコード61の移動経路に沿って所定の距離を隔てて配置された、先端部が所定の曲率で湾曲する一対の押圧体71を備え、この一対の押圧体71を、ディップコード61を挟んで互いに逆側(図では、上側及び下側)に配置している。柔軟化装置70は、この一対の押圧体71の湾曲した先端部を、張力が掛かった状態で移動(図の矢印)するディップコード61に上下方向から接触させ、それぞれ上下方向からディップコード61を押圧して所定の折れ角度θに屈曲させつつ、ディップコード61を押圧体71の先端部で擦過する。この屈曲と擦過によりディップコード61に対して扱きを加えて柔軟化させ、このときの押圧力及び折れ角度θを調節して、ディップコード61のスティフネスを適切に調整する。
【0008】
図9は、特許文献に記載されたものではないが、この従来の柔軟化装置70の具体的な例を示す概略側面図である。
この柔軟化装置70は、図示のように、ディップコード61の移動を案内する回転自在な一対のガイドロール77と、その間に配置され、両端部に上記と同様の押圧体71が取り付けられた揺動部材72とを備えている。揺動部材72は、略長板状をなし、両側面の略中央部に固定された支持軸72Aが固定フレーム(図示せず)等により回転自在に支持されており、支持軸72Aを中心に揺動して両端の押圧体71の先端をディップコード61に対して接触(押圧)及び離間させるようになっている。この揺動部材72の一方の支持軸72Aには、略棒状の支持杆73の一端部が固定され、支持杆73の他端部には揺動部材72を揺動させる駆動源となるピストン・シリンダ機構74(ピストンロッド74A)の先端部が回転自在に連結されている。また、ピストン・シリンダ機構74の下方側の他端部は、連結部材75を介して床面上に設けられた固定台(図示せず)等に回転自在に連結されている。
【0009】
この柔軟化装置70では、ピストン・シリンダ機構74を作動させてピストンロッド74Aを出し入れし、その先端部に連結された支持杆73の端部を上下動させて、支持杆73を揺動部材72の支持軸72Aを中心に所定範囲内で回転させる。この支持杆73の回転により、その端部に固定された支持軸72Aを所定角度内で回転させ、その力で揺動部材72を揺動させて押圧体71の先端をディップコード61に対して接触(押圧)及び離間させる。
【0010】
ここで、上記したゴム補強用繊維コードの処理装置50(図7参照)やゴム補強用繊維コードのゴム被覆装置では、1本の繊維コード60やディップコード61を処理するだけでなく、緯糸を有さない単線の繊維コード60等を複数本(例えば250本)、並列させて同時に処理するのが一般的である。従って、ディップコード61に対する柔軟化処理も複数本同時に行う必要があるため、このような従来の柔軟化装置70では、各押圧体71を全てのディップコード61を押圧可能な大きさに形成し、かつ、それを支える揺動部材72も押圧体71の大きさや重量等に応じたものに形成している。同時に、ディップコード61を案内するガイドロール77も、その本数に応じた数を設けるとともに、押圧体71や揺動部材72の重量等に応じて、駆動源であるピストン・シリンダ機構74も、より大出力のものを使用し、又は、設置個数を増加等させている。
【0011】
そのため、この従来のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置70では、装置70全体が複雑化・大型化して広い設置スペースを要し、装置70の製作や組立等の設置コストが高くなるという問題がある。また、ディップコード61と接触する押圧体71に、ディップコード61からディップ樹脂が剥離して固着した場合には、繊維コードの処理装置50やゴム被覆装置等を停止して押圧体71から固着したディップ樹脂を一つずつ剥がし採る必要がある等、清掃作業に多大な労力と長い時間を要する。その結果、この柔軟化装置70では、清掃作業中は各装置を稼働させることができず、装置の不稼働時間が増加する傾向がある。
【0012】
【特許文献1】特開平11−323691号公報
【特許文献2】特開昭62−149983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、簡単な構成でゴム補強用繊維コードのスティフネスを調整可能にし、ゴム補強用繊維コードの柔軟化装置の小型化及び低コスト化を図るとともに、装置の不稼働時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、移動する緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードの移動経路中に設けられ、該ゴム補強用繊維コードを柔軟化させるゴム補強用繊維コードの柔軟化装置であって、前記ゴム補強用繊維コードと接触して移動を案内する該ゴム補強用繊維コードの本数に応じた数の接触案内手段を有するガイド部材を、前記ゴム補強用繊維コードの移動経路に沿って複数備え、該複数のガイド部材の前記各接触案内手段を前記ゴム補強用繊維コードの移動経路に沿ってジグザグ状に配置し、前記ゴム補強用繊維コードを前記ジグザグ状に配置した各接触案内手段に交互に掛け渡してジグザグ状に屈曲させつつ移動させることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、前記ガイド部材を変位させて、前記接触案内手段を前記ゴム補強用繊維コードに接触しない位置と、接触して屈曲させる前記ジグザグ状の配置位置との間で移動させるガイド部材の変位手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、前記変位手段は、前記ガイド部材の変位量を変化させ、前記接触案内手段により前記ゴム補強用繊維コードを押し込む押込量を調節可能にしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、前記接触案内手段は、前記ゴム補強用繊維コードとの接触面が曲面状に形成された突起物であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、前記ガイド部材は、前記ゴム補強用繊維コード側の面に前記突起物が並設された櫛状部材であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、前記ガイド部材を着脱可能に支持する支持体、及び前記ガイド部材を前記支持体に固定する固定手段を備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードの製造装置であって、前記ゴム補強用繊維コードを供給する供給手段と、前記ゴム補強用繊維コードを移動経路に沿って移動させる移動手段と、請求項1ないし6のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置と、を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置を使用して、緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードを製造するゴム補強用繊維コードの製造方法であって、前記ゴム補強用繊維コードを供給する工程と、該供給されたゴム補強用繊維コードを移動経路に沿って移動させる工程と、該移動するゴム補強用繊維コードを屈曲させて柔軟化する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ゴム補強用繊維コードのスティフネスを簡単な構成で調整でき、ゴム補強用繊維コードの柔軟化装置の小型化及び低コスト化を図ることが可能となり、かつ装置の不稼働時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置は、図9に示す上記した従来の柔軟化装置70と同様に、1本又は複数本(例えば2〜250本)の緯糸を有さない単線の繊維コードに対し、同時に屈曲及び擦過により扱きを加えて機械的な柔軟化処理を施す装置である。以下では、この柔軟化装置を、ディップ処理等を施してディップコード61を製造する処理装置50(図7参照)の、HT装置53と巻取装置54との間に設置し、巻取装置54で巻き取る直前の移動するゴム補強用繊維コード(ディップコード61)を柔軟化させる場合を例に採り説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置を模式的に示す斜視図であり、複数本のゴム補強用繊維コード61が上方から下方に向かって移動(図の矢印S)する場合の例を示している。
なお、図では、一端側の3本の略平行に配列したゴム補強用繊維コード61のみ示しており、4本目から他端側までのゴム補強用繊維コード61の記載は省略しているが、これらは、3本目までと同様に略平行に配列している。また、各ゴム補強用繊維コード61は、全体として略同一面上に配列している。
【0018】
この柔軟化装置1は、図示のように、移動するゴム補強用繊維コード61の移動経路中に設けられており、その移動経路に沿って複数(例えば3〜6本)(図では3本)配置された、各ゴム補強用繊維コード61を屈曲移動させるガイド部材10と、各ガイド部材10の両端部側に設けられたガイド部材10を着脱可能に支持する支持体(ブラケット)20と、ガイド部材10(ここでは上下方向中央のガイド部材10)を変位させるための変位手段30と、を備えている。
【0019】
ガイド部材10は、各ゴム補強用繊維コード61の長手方向(移動方向)と略直交する方向に延びる略棒状の本体部11と、ゴム補強用繊維コード61と接触してその移動を案内する接触案内手段である複数の突起物12とを有し、ここでは、本体部11のゴム補強用繊維コード61側の面に突起物12が並設された櫛状部材に形成されている。また、このガイド部材10は、ゴム補強用繊維コード61と対向する部分の全体に亘って突起物12が設けられ、その両端部側は、支持体20に支持される突起物12がない被支持部となっている。これら各ガイド部材10は、互いに略平行(図では略水平)に、かつゴム補強用繊維コード61の移動方向に所定の間隔(例えば10〜100mm)を隔てて、上下方向に離間して配置されている。
【0020】
図2は、このガイド部材10の一部を拡大して示す斜視図ある。
ガイド部材10の突起物12は、ゴム補強用繊維コード61の本数に応じた数が、図示のように、本体部11の長手方向と略直交し、かつ同一方向に突出して設けられている。また、各突起物12は、それぞれゴム補強用繊維コード61の配列間隔に応じた所定の間隔(例えば略同じ間隔)で略平行に、かつ突起物12間にゴム補強用繊維コード61を通過させるのに充分な隙間、即ち、ゴム補強用繊維コード61の太さよりも広い隙間を開けて並設されている。これら各突起物12は、ゴム補強用繊維コード61との接触面が、例えば断面略円弧状や楕円弧状等の湾曲した曲面状に形成された棒状又は針状等の細長形状のピン部材であり、ここでは、断面円形の略円柱形状に形成されている。
【0021】
本実施形態では、この略円柱形状の突起物12の直径又は半径を、2〜10mmに形成するとともに、ゴム補強用繊維コード61の本数をNとしたとき、それよりも少なくとも1本多い数(N+1本)の突起物12をガイド部材10に設けている。また、突起物12を、ゴム補強用繊維コード61の間隔に対応して、6〜15mmの配列ピッチで配置している。このような突起物12を備えた各ガイド部材10は、図1に示すように、突起物12とゴム補強用繊維コード61とが略直交し、かつ各突起物12間をゴム補強用繊維コード61が通過するように、本体部11の両端部が一対の支持体20に装着されて支持される。また、この支持された状態で、ゴム補強用繊維コード61が、ガイド部材10の本体部11に接触しない、即ち、突起物12の先端部と本体部11との間にゴム補強用繊維コード61が位置するように配置されている。
【0022】
支持体20は、装着したガイド部材10(本体部11の端部)を支持して上記した所定位置に配置し、その移動や回転等を規制するためのものであり、ガイド部材10を固定する固定手段を有する。この支持体20は、例えば柔軟化装置1の固定フレーム(図示せず)等に、上下方向位置を変更可能に取り付けられるとともに、ガイド部材10の設置本数(図では3本)に応じて、その設置個数が増減可能(図では三対)となっている。また、支持体20には、ガイド部材10を容易に着脱可能な装着機構が設けられている。
【0023】
図3は、本実施形態の各支持体20によりガイド部材10を支持した状態を示す図1のX方向から見た側断面図である。
この支持体20は、図示のように、略板状をなし、その中央に上面から下方に向かって延びる略U字状の係合凹部21が、ガイド部材10(本体部11の端部)と係合可能な形状に形成されている。また、この支持体20には、その一方の側面から係合凹部21の一方側の面まで貫通するネジ孔22が、係合凹部21内に装着されるガイド部材10へ向かって形成されている。支持体20は、このネジ孔22に入れた蝶ネジ24の先端で、ガイド部材10を係合凹部21の他方側の面との間に挟み込んで締結して固定する。これにより、各ガイド部材10は、両端部が一対の支持体20の各係合凹部21の底部分に係止して固定・支持され、移動及び回転が規制されて、その位置が維持される。
【0024】
なお、ガイド部材10の固定等をより確実にするため、ガイド部材10の端部に蝶ネジ24の先端部が嵌合可能な凹部又は長手方向に延びる凹溝を形成し、その部分に蝶ネジ24の先端部を挿入して固定するようにしてもよい。また、ガイド部材10を固定する固定手段はこれらに限らず、例えばガイド部材10の両側から一対の狭持部材で挟みこんで固定するクランプ部材により固定する等、支持体20は、ガイド部材10を容易に着脱可能であれば他の構成にしてもよい。
【0025】
これら支持体20の内、変位手段30(図1参照)が設けられた上下方向中央のガイド部材10を支持する一対の支持体20は、略水平に延びるレール(図示せず)に摺動可能に取り付けられる等して、ガイド部材10の長手方向(ゴム補強用繊維コード61と直行する方向)に移動可能となっている。これにより、一対の支持体20は、変位手段30により変位されるガイド部材10とともに、ガイド部材10を支持しつつ移動する。
【0026】
変位手段30は、図1に示すように、ガイド部材10の一方側端部の側方(図では右側方)に固定された略板状の固定部材31と、固定部材31のガイド部材10の逆側(図では右側)の面に設けられた回転部材32と、を有する。回転部材32は、略円盤状をなし、固定部材31側の面の中央部に略円柱状の支持軸32Aが固定され、他方側の面の外周よりにハンドル(又はレバー)32Bが取り付けられている。この回転部材32の支持軸32Aは、固定部材31に形成された貫通孔に挿入されて回転自在に支持されるとともに、そのガイド部材10側の先端部の外周には、所定範囲に亘ってネジ溝(ネジ部)が形成されている。このネジ部に対応して、ガイド部材10(本体部11)の端面にはネジ穴が形成されており、その中に支持軸32A先端のネジ部が嵌め込まれている。
【0027】
本実施形態の変位手段30では、回転部材32を、ハンドル32Bにより支持軸32Aを中心に回転させると、ガイド部材10のネジ穴に噛み合う支持軸32A先端のネジ部が回転する。このネジ作用により、支持軸32Aのネジ部がガイド部材10のネジ穴と噛み合う範囲が変化して出し入れされるが、支持軸32Aは、固定部材31に支持されてその位置が維持されるため、ガイド部材10が支持体20とともに長手方向の両方向に変位(移動)する。変位手段30は、このようにしてガイド部材10を変位させて、ガイド部材10の突起物12をゴム補強用繊維コード61に接触する位置と、接触しない位置との間で移動させて接触及び離間させる。
【0028】
また、変位手段30は、回転部材32の回転によりガイド部材10の変位量を変化させて、突起物12の移動量(後述する突起物12によりゴム補強用繊維コード61を押し込む押込量)を調節可能となっており、その量の目安、例えば移動量を示す所定単位の目盛りが刻まれたメジャーや回転部材32の回転角度表示器等の移動量の表示手段を備えている。なお、変位手段30は、例えばステッピングモータと歯車又はラック・ピニオン機構を組み合わせて構成する等、公知の他の手段を使用してもよく、ガイド部材10の変位を自動化してもよい。
【0029】
本実施形態の柔軟化装置1は、この変位手段30によりガイド部材10を変位させて、複数(ここでは3本)のガイド部材10の各突起物12をゴム補強用繊維コード61の移動経路に沿ってジグザグ状に配置し、ゴム補強用繊維コード61をジグザグ状に配置した各突起物12に交互に掛け渡して移動を案内し、ゴム補強用繊維コード61をジグザグ状に屈曲させつつ移動させて柔軟化させる。
【0030】
図4は、変位手段30によりガイド部材10を変位させてゴム補強用繊維コード61を屈曲させる過程を模式的に示す図1のY方向から見た正面図である。
図4Aに示すように、屈曲前には、変位手段30を有さない上下段(図1参照)のガイド部材(以下、それぞれ上ガイド部材10−1、下ガイド部材10−3という)の各突起物12は、ゴム補強用繊維コード61の移動経路(長手方向)に略平行に配列させる。一方、変位手段30を備える中段のガイド部材(以下、中ガイド部材10−2という)は、変位手段30により長手方向に変位させて、その各突起物12を、上下ガイド部材10−1、3の配列した突起物12の各配列位置からズレた位置に移動させる。このとき、中ガイド部材10−2の各突起物12を、上下ガイド部材10−1、3の突起物12の各配列位置との間に、ゴム補強用繊維コード61を通過させるのに充分な間隔が生じるように配置し、その各間隔に各ゴム補強用繊維コード61を通して各突起物12間に配置する。このときのゴム補強用繊維コード61は、ほぼ直線状である。
【0031】
この状態から、変位手段30により中ガイド部材10−2を変位させて、その突起物12をゴム補強用繊維コード61に向かって移動(図の矢印)させ、突起物12がゴム補強用繊維コード61に接触した後も、中ガイド部材10−2の変位を所定距離続けて行う。これにより、図4Bに示すように、上下ガイド部材10−1、3の各突起物12により上下位置が止められて横方向の移動が抑止されたゴム補強用繊維コード61を、移動する中ガイド部材10−2の突起物12により、その長手方向と略直交する方向に押し込んで屈曲させる。この押込量(距離)(図のL)が所定の値になるまで、中ガイド部材10−2の変位を行い、各ガイド部材10−1、2、3の各突起物12を互い違いに、即ち、ゴム補強用繊維コード61の移動経路に沿ってジグザグ状に配置する。
【0032】
以上のように、変位手段30によりガイド部材10を変位させて、その突起物12をゴム補強用繊維コード61に接触しない位置と、接触して屈曲させるジグザグ状の配置位置との間で移動させ、ゴム補強用繊維コード61を各突起物12に交互に掛け渡して、ゴム補強用コード61及び、その移動経路をジグザグ状に屈曲させる。
【0033】
この柔軟化装置1を使用した製造装置(ここでは、図7に示す処理装置50)により、柔軟化したゴム補強用繊維コード61を製造するときには、まず、所定本数の単線のゴム補強用繊維コード61を、ディップ処理等を施して供給手段(ここでは、処理装置50)から供給する。次に、供給されたゴム補強用繊維コード61を、その移動経路に沿ってプルロール55等の移動手段により移動させるが、この移動開始前に、巻取装置54の直前等に設置した柔軟化装置1により、ゴム補強用繊維コード61(移動経路)を、上記したように各突起物12に掛け渡してジグザグ状に屈曲させる。
【0034】
その状態で、ゴム補強用繊維コード61を移動させて、その移動を各ガイド部材10の突起物12により案内し、ゴム補強用繊維コード61をジグザグ状に屈曲させつつ移動させる。この屈曲及び各突起物12との擦過により、スティフネスが高いゴム補強用繊維コード61に扱きを加えて機械的な柔軟化処理を施し、連続して移動するゴム補強用繊維コード61を、同時に連続して柔軟化させる。その後、巻取装置54で巻き取り、柔軟化したゴム補強用繊維コード61を連続的に製造する。
【0035】
図5は、この屈曲移動して柔軟化処理を受けるゴム補強用繊維コード61を拡大して示す模式図である。
ゴム補強用繊維コード61は、屈曲の折れ角度(図5のθ)等の屈曲の態様により柔軟化の程度及びスティフネスが変化する。本実施形態の柔軟化装置1では、上記したように、突起物12によるゴム補強用繊維コード61の押込量(図5のL)の調節が可能であり、ゴム補強用繊維コード61の屈曲時に、変位手段30により中ガイド部材10−2の変位量を変化させて押込量Lを調節し、折れ角度θを適切な角度に設定する。これにより、柔軟化装置1の発揮する柔軟化効果を調節し、屈曲移動するゴム補強用繊維コード61を適度なスティフネスに調整する。
【0036】
従って、本実施形態の柔軟化装置1によれば、ゴム補強用繊維コード61を屈曲させるために大型の部材やピストン・シリンダ機構等の駆動源、或いはガイドロール等(図9参照)を必要とせず、従来に比べて、装置1の単純化及び小型化(省スペース化)を図ることができる。その結果、この柔軟化装置1では、装置の製造や組立等に必要な設置コストを低減することができる。同時に、ゴム補強用繊維コード61のスティフネスを簡単な構成で適切に調節でき、ゴム被覆工程等の後工程での作業性を確実に確保できるとともに、ゴム補強用繊維コード61の強伸度特性等のコード特性も適切に調節することができる。
【0037】
また、ガイド部材10を支持する支持体20に係合凹部21を形成する等して、ガイド部材10の容易な着脱を可能としたため、ゴム補強用繊維コード61からディップ樹脂が剥離してガイド部材10に固着する等した場合に、ガイド部材10を支持体20から簡単に取り外して交換することができる。その結果、ガイド部材10の清掃等による、柔軟化装置1及び、この装置1が設置された装置の停止時間を削減して不稼働時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。
【0038】
加えて、この柔軟化装置1では、上記したようにガイド部材10を支持する各支持体20(図1参照)が、その上下方向位置が変更可能に取り付けられ、かつ、その設置個数も増減可能である。従って、ゴム補強用繊維コード61の押込量Lに加えて、ガイド部材10の上下方向の間隔(図5のD)や本数を変更することで、ゴム補強用繊維コード61の折れ角度θや屈曲回数等の屈曲の態様を多様に変化させることができ、柔軟化装置1の柔軟化効果の調節を適切に行うことができる。その結果、ゴム補強用繊維コード61のスティフネスの任意の調節が可能であり、ゴム補強用繊維コード61の種類や必要とされるスティフネス等に応じて、ゴム補強用繊維コード61を、所望の最適なスティフネスに調整することができる。
【0039】
なお、ガイド部材10は、それぞれの状況に応じて、1本又は2本、或いは4本以上等、必要な本数設ければよいが、それらを変位させる変位手段30は、全てのガイド部材10に設けてもよく、1本毎のガイド部材10に設けて可動と不可動のガイド部材10を交互に配置してもよい。また、ガイド部材10の突起物12は、全てのゴム補強用繊維コード61に対し同時に柔軟化処理を施せるよう、少なくとも処理本数と同じ数があればよいが、処理本数の変動等に対応するため、それよりも多い数の突起物12を予め設けておいてもよい。更に、突起物12の断面形状は、本実施形態の略円形状以外の他の形状に形成してもよい。
【0040】
図6は、突起物12の他の形状の例を示す断面図である。
この突起物12の断面形状は、図示のように、楕円形状(図6A)や略三角形状(図6B)、矩形状(図6C)、又は、他の多角形状(図6Dでは六角形状)等、円形状以外であってもよい。また、図示は省略するが、突起物12は、ゴム補強用繊維コード61の案内を確実に行うため、全体としてゴム補強用繊維コード61側に向かって湾曲する形状や、ゴム補強用繊維コード61に接触する部分に凹部を形成する等、直線状以外の形状に形成してもよく、断面形状を長手方向で変化させてもよい。これら各例のように、突起物12は、ゴム補強用繊維コード61の移動を案内可能な他の突起形状に形成してもよいが、ゴム補強用繊維コード61との接触面を曲面状に形成した場合には、ゴム補強用繊維コード61への傷や折損、又は切断の発生等が防止できるため、より望ましい。
【0041】
また、この柔軟化装置1では、ゴム補強用繊維コード61と接触して移動を案内する接触案内手段として、ガイド部材10に複数の突起物12を設けたが、突起物12の代わりに、例えば、略板状のガイド部材10に複数の並列した凹溝を形成し、この複数の凹溝内に各ゴム補強用繊維コード61を挿入して移動を案内するようにしてもよい。このように、接触案内手段は、ガイド部材10から突出する突起物12の他に、ガイド部材10に形成された凹溝等の凹部等であってもよい。
【0042】
ここで、本実施形態では、柔軟化装置1を、図7に示すディップ処理等を行う処理装置50に設置した場合の例を説明したが、この柔軟化装置1は、ゴム補強用繊維コード61に対し、後工程での処理又は作業前に使用されるものである。従って、柔軟化装置1は、例えばゴム補強用繊維コード61にゴムを被覆する、カレンダー装置等のゴム被覆装置に設置してもよい。この場合には、柔軟化装置1は、例えばゴム被覆装置の巻出装置から巻き出されてゴム被覆部まで移動するゴム補強用繊維コード61の移動経路中に設置される。従って、この例では、ゴム被覆装置の巻出装置が、ゴム補強用繊維コード61の供給手段となり、同装置のカレンダーロール等がゴム補強用繊維コード61の移動手段となる。
【0043】
(柔軟化試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明した3種類の柔軟化装置1(以下、実施例1、2、3という)と、図9に示す上記した従来の2種類の柔軟化装置70(以下、比較例1、2という)とを使用して、ゴム補強用繊維コード61に柔軟化処理を施して各種の比較を行った。これら各装置は、ディップ処理等を行う処理装置50(図7参照)の巻取装置54の直前に設置し、処理装置50の稼働条件やゴム補強用繊維コード61の種類等、柔軟化装置の構成以外は全て同様の条件で柔軟化を行った。
【0044】
実施例1〜3では、ガイド部材10の突起物12を直径3mmのピン状に形成し、各ガイド部材10をゴム補強用繊維コード61の移動経路に沿って50mm間隔で配置した。実施例1では、このガイド部材10を3本設置し、実施例2では4本、実施例3では5本、それぞれ設置してゴム補強用繊維コード61の柔軟化を行った。これら各実施例1〜3では、共にゴム補強用繊維コード61の折れ角度θ(図5参照)は30°に調節した。一方、比較例1、2は、一対の押圧体71(図9参照)やピストン・シリンダ機構74等を備えた、従来から使用している代表的な2例である。
【0045】
表1に、各実施例のガイド部材10の構成と、比較例及び実施例の各種比較結果を示す。
各比較例と実施例の比較対象は、柔軟化装置の大きさを示す装置体積指数、設置までに要するコストを示す装置コスト指数、処理装置50の不稼働時間を示す清掃時間(比較例)又はガイド部材交換時間(実施例)、及び柔軟化後のゴム補強用繊維コード61の堅さを示すスティフネス指数である。以上の内、清掃時間又はガイド部材交換時間は時間(分)で示し、他は全て、比較例1を100とした指数で表す。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すように、装置体積指数は、比較例1の100、比較例2の95に対し、実施例1、2、3では、それぞれ15、17、19と小さくなっており、実施例では、柔軟化装置を大幅に小型化できることが分かる。装置コスト指数は、比較例1の100、比較例2の105に対し、実施例1、2、3では、それぞれ20、30、40と小さくなっており、ガイド部材10の本数に応じたコストが新たに必要であるものの、全体のコストを削減できることが分かる。比較例1、2の清掃時間は、それぞれ30分、20分必要であったが、実施例1、2、3のガイド部材交換時間は、それぞれ5、7、9分で済み、装置の不稼働時間を短縮できることが分かる。
【0048】
スティフネス指数は、比較例1、2の100に対し、実施例1、2、3では、それぞれ103、100、97であり、比較例と実施例では、ほぼ同程度までゴム補強用繊維コード61を柔軟化できることが分かる。また、実施例1、2、3の順にスティフネス指数が低くなっており、ガイド部材10の本数が多いほど、より柔軟化効果が高くなるとともに、ゴム補強用繊維コード61のスティフネスを調節可能であることが分かる。
【0049】
以上の結果から、本発明により、ゴム補強用繊維コード61のスティフネスを簡単な構成で調整でき、ゴム補強用繊維コード61の柔軟化装置1の小型化及び低コスト化を図ることが可能となり、かつ装置の不稼働時間を短縮できることが証明された。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置を模式的に示す斜視図である。
【図2】本実施形態のガイド部材の一部を拡大して示す斜視図ある。
【図3】支持体によりガイド部材を支持した状態を示す図1のX方向から見た側断面図である。
【図4】変位手段によりガイド部材を変位させてゴム補強用繊維コードを屈曲させる過程を模式的に示す図1のY方向から見た正面図である。
【図5】屈曲移動して柔軟化処理を受けるゴム補強用繊維コードを拡大して示す模式図である。
【図6】突起物の他の形状の例を示す断面図である。
【図7】従来のゴム補強用繊維コードの処理装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図8】従来のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置の要部を概略的に示す側面図である。
【図9】従来のゴム補強用繊維コードの柔軟化装置の具体的な例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・ゴム補強用繊維コードの柔軟化装置、10・・・ガイド部材、11・・・本体部、12・・・突起物、20・・・支持体、21・・・係合凹部、24・・・蝶ネジ、30・・・変位手段、31・・・固定部材、32・・・回転部材、61・・・ゴム被覆用繊維コード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードの移動経路中に設けられ、該ゴム補強用繊維コードを柔軟化させるゴム補強用繊維コードの柔軟化装置であって、
前記ゴム補強用繊維コードと接触して移動を案内する該ゴム補強用繊維コードの本数に応じた数の接触案内手段を有するガイド部材を、前記ゴム補強用繊維コードの移動経路に沿って複数備え、
該複数のガイド部材の前記各接触案内手段を前記ゴム補強用繊維コードの移動経路に沿ってジグザグ状に配置し、前記ゴム補強用繊維コードを前記ジグザグ状に配置した各接触案内手段に交互に掛け渡してジグザグ状に屈曲させつつ移動させることを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、
前記ガイド部材を変位させて、前記接触案内手段を前記ゴム補強用繊維コードに接触しない位置と、接触して屈曲させる前記ジグザグ状の配置位置との間で移動させるガイド部材の変位手段を備えたことを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、
前記変位手段は、前記ガイド部材の変位量を変化させ、前記接触案内手段により前記ゴム補強用繊維コードを押し込む押込量を調節可能にしたことを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、
前記接触案内手段は、前記ゴム補強用繊維コードとの接触面が曲面状に形成された突起物であることを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項5】
請求項4に記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、
前記ガイド部材は、前記ゴム補強用繊維コード側の面に前記突起物が並設された櫛状部材であることを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置において、
前記ガイド部材を着脱可能に支持する支持体、及び前記ガイド部材を前記支持体に固定する固定手段を備えたことを特徴とするゴム補強用繊維コードの柔軟化装置。
【請求項7】
緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードの製造装置であって、
前記ゴム補強用繊維コードを供給する供給手段と、
前記ゴム補強用繊維コードを移動経路に沿って移動させる移動手段と、
請求項1ないし6のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置と、
を備えたことを特徴とするゴム補強用繊維コードの製造装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたゴム補強用繊維コードの柔軟化装置を使用して、緯糸を有さない単線のゴム補強用繊維コードを製造するゴム補強用繊維コードの製造方法であって、
前記ゴム補強用繊維コードを供給する工程と、
該供給されたゴム補強用繊維コードを移動経路に沿って移動させる工程と、
該移動するゴム補強用繊維コードを屈曲させて柔軟化する工程と、
を有することを特徴とするゴム補強用繊維コードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−31564(P2008−31564A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202881(P2006−202881)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】