説明

サイリスタ

【課題】 本発明の目的は良好なdV/dt−VCL特性を得る。
【解決手段】 第1導電型のエミッタ層2と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層3と、前記第1導電型のバルク層5と、前記第2導電型の対面ベース層6とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層4が配置されたサイリスタ1において、前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面の端が前記第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のサイリスタは、特許文献1に開示されているように、順にエミッタ層としてのn++層3(以降、エミッタ層と称する)、ベース層としてのp+層2(以降、ベース層と称する)、バルク層としてのn−層1(以降、バルク層と称する)および対面ベース層としてのp++層5(以降、対面ベース層と称する)が配置されており、更に埋め込み層としてのn層6(以降、埋め込み層と称する)を備えている。
【0003】
埋め込み層はベース層およびバルク層間に配置されており、ベース層との接合面を第1接合面(pn接合面)およびバルク層との接合面を第2接合面として有している。すなわち埋め込み層は、第2接合面の端が第1接合面の端に向かって所定の傾斜を有するように、バルク層に埋め込まれており、第1接合面と第2接合面との成す角θにおいて、擬似的な鋭角のベベル角(θ<90度 但しθはベベル角)を有している。
【0004】
ところで一般的なベベル角は、形成した溝の壁面と当該溝に接するpn接合面とによって成す角を示すが、埋め込み層とバルク層とに濃度差がある場合、すなわち埋め込み層が高濃度でありバルク層が低濃度である場合、低濃度のバルク層を擬似的に溝とみなすことができる。これにより、埋め込み層におけける第1接合面および第2接合面の成す角θは、バルク層を擬似的に溝とみなすことにより、90度より小さい鋭角のベベル角を有していると考えることができる。
【0005】
ここで、ベベル角について、特にベベル角と空乏層の拡がりによる電流経路との関係について説明する。
図4に示すように、溝が形成されて、当該溝にpn接合面が接するとき、溝の壁面とpn接合面との成すベベル角θは、θ>90度の関係で示される鈍角のベベル角となる。このような場合、図4に示すように、溝の壁面で伸長する空乏層Wsと、pn接合面を有する埋め込み層の内部で伸長する空乏層Wcとの関係は、Ws<Wcで示される関係となり、埋め込み層の内部で空乏層が拡がりきるより先に、溝部側において電界集中を招き降伏する。これにより、電流は溝部側を迂回する経路を辿ることとなる。また、耐圧は主にpn接合(ベース層3/埋め込み層4)によって決定されることが望ましいが、溝部での電界集中によって耐圧は大幅に低下する。鈍角のベベル角においては、半導体接合のみならず溝の形状によっても耐圧が左右される。
【0006】
一方、図5に示すように、溝とpn接合面が乖離するように埋め込み層が形成されているとき、前記したように埋め込み層における第1接合面および第2接合面の成すベベル角θは、θ<90度の関係で示される鋭角のベベル角となる。このような場合、図5に示すように、第2接合面で伸長する空乏層Wsと、埋め込み層の内部で伸長する空乏層Wcとの関係は、Ws>Wcで示される関係となり、第2接合面から拡がる空乏層が拡がりきるより先に、内部側において電界集中を招き、内部側の方が先に降伏する。これにより、電流は、埋め込み層の端部を迂回することなく、内部側の経路を辿ることとなる。つまり、鋭角のベベル角においては、溝の形状によらずpn接合によって所望の高い耐圧を得ることができる。
【0007】
前記したように、溝とpn接合面が乖離するように埋め込み層が形成されて鋭角のベベル角を有するとき、電流経路は迂回することがなく、図6に示すdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【特許文献1】米国特許4967256
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、最近では更なるdV/dt−VCL特性の改善が望まれており、そのための発明が望まれていた。
【0009】
従って、本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、良好なdV/dt−VCL特性を得ることができるサイリスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面の端が前記第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有することを特徴とする。
【0011】
第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面および前記第2接合面が接して成る端部の濃度は当該埋め込み層における内部側の濃度より低いことを特徴とする。
【0012】
第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面の端が前記第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有すると共に前記第1接合面および前記第2接合面が接して成る端部の濃度は当該埋め込み層における内部側の濃度より低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のサイリスタは、埋め込み層の第1接合面の端が第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有することにより、埋め込み層の内部に向かって電流経路が遷移することにより、
電流経路が埋め込み層の更に内部側を辿ることになり、電流経路をより短縮することができ、従来のサイリスタよりも良好なdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【0014】
更に、本発明の他のサイリスタは、埋め込み層の第1接合面および第2接合面の接する端部において、該端部の濃度が、当該埋め込み層の内部の濃度より低いことにより、ドナー(又はアクセプター)量が端部側より内部側で多くなる。空乏層の伸びはキャリア量に反比例するため、内部側よりも端部側が伸長する。これにより、端部側から内部側に向かって電流経路が遷移することにより、電流経路が埋め込み層の更に内部側を辿ることになり、電流経路をより短縮することができ、従来のサイリスタよりも良好なdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明のサイリスタの実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明では、各実施の形態に用いる図面について同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。尚、実施例ではサージ防護サイリスタとして2方向性2端子のサイリスタを例に説明を行なう。
また、本実施例では第1導電型をn型および第2導電型をp型として説明を行なう。
【実施例1】
【0016】
本発明のサイリスタ1は、図1に示すように表面から裏面に向かって順に、n++層として示されたエミッタ層2と、p+層として示されたベース層3と、n+層として示された埋め込み層4と、n−層として示されたバルク層5と、p+層およびp++層として示された対面ベース層6を備えている。
【0017】
ところで、本発明のサイリスタ1は表面側および裏面側にそれぞれ電極を有しており、これらの電極間において相対する方向性で電気的な特性を得るべく、前記したエミッタ層2、ベース層3、埋め込み層4、バルク層5および対面ベース層6から成る構成を裏面側からも備えており、これらの各構成が隣接するように配置されている。更に本発明のサイリスタ1は、一方の構成のエミッタ層の電極および他方の構成の対面ベース層の電極が共通化されており、更に一方の構成の対面ベース層の電極および他方の構成のエミッタ層の電極も共通化されている。これにより、本発明のサイリスタ1は、いわゆる2方向性2端子構造のサイダック(商標登録)と称される種類のサイリスタ構造である。
【0018】
ところで、2方向性2端子構造のサイリスタ1は、前記したようにエミッタ層、ベース層、埋め込み層、バルク層および対面ベース層から成る構成を2組備えているが、説明を簡便に行なうべく一方の構成を代表例に説明を行なう。尚、以降の説明では、図1における左側の構成、すなわち表面側から順にエミッタ層2、ベース層3、埋め込み層4、バルク層5および対面ベース層6を順に備えた構成を代表例に説明を行なう。
【0019】
サイリスタ1は、図1に示すように表面の両端にn++層として示されたチャネルストッパ7を備えており、該チャネルストッパによって、バルク層5のpn反転を防ぎ、サイリスタの機能として望ましくない漏れ電流(チャネル電流)を抑制することができる。
【0020】
各チャネルストッパが対向する表面の内側には溝が形成されており、該溝内に漏れ電流抑制と所望の耐圧確保のためのシリコンを主成分とするガラス8が埋設されており、この埋設された各ガラス8が対向する表面から順にエミッタ層2、ベース層3、埋め込み層4、バルク層5および対面ベース層6から成る構成が形成されており、当該構成が裏面側からも形成されている。
【0021】
ところで、n−層として示されるバルク層5は、n型の不純物として例えばリン(P)を14乗台(例、1E14cm^−3)の濃度で含む、いわゆる半導体ウェハであり、該半導体ウェハの裏面近傍には対面ベース層6が形成されている。
【0022】
該対面ベース層6は、先ずバルク層5(半導体ウェハ)の裏面にP型の不純物として例えばホウ素(B)をドーピングして、濃度が18乗台のp+として示される領域を設け、更に当該領域に対しP型の不純物をドーピングして、濃度が20乗台のp++として示される領域(オーミック層)を設けることにより形成される。
【0023】
一方、バルク層5の表面近傍にはベース層3が形成されている。
具体的にはバルク層5の表面にp型の不純物として例えばホウ素(B)をドーピングし、濃度が18乗台のp+として示される領域がベース層3として形成される。ベース層3は対面ベース層6と同時に形成することができる。尚、当該ベース層3の表面近傍にはエミッタ層2が形成される。
【0024】
具体的には形成したベース層3の表面にn型の不純物として例えばリン(P)又は砒素(As)などをドーピングして、濃度が20乗台のn++として示される領域がエミッタ層2として形成される。
【0025】
エミッタ層2上には、メッキによってニッケル層9が施された後、該ニッケル層上に半田層10が形成され、これらによってエミッタ層2のための電極が形成される。尚、前記したようにして形成される電極は、対面ベース層6上にも形成されている。
【0026】
ところで、ベース層3の形成に先立ち、バルク層5に埋め込み層4が埋め込み形成されている。
具体的にはバルク層5に、例えばリン(P)又は砒素(As)などをドーピングして、濃度が15〜16乗台のn+として示される領域が埋め込み層4として形成される。このようにして埋め込み層4が形成された後、ベース層5、そしてエミッタ層のためのドーピングが順に行なわれ、ガラス8を埋め込むための溝が形成される。
【0027】
形成される埋め込み層4において、その上面側でベース層に接する面を第1接合面とし、下面側でバルク層に接する面を第2接合面とするとき、第1接合面の端および第2接合面の端が互いにそれぞれ所定の傾斜角度を有して接している。尚、以降の説明では、埋め込み層4において、第1接合面の端および第2接合面の端が互いに接して成す部位を端部と称する。
【0028】
ところで埋め込み層4は、図1に示すように、第1接合面と第2接合面との成す角θにおいて、擬似的な鋭角のベベル角を有している。
【0029】
一般的なベベル角は、溝の壁面と当該溝に接するpn接合面とによって成す角を示すが、本実施例において埋め込み層4はバルク層5より高濃度であることから、この濃度差により低濃度のバルク層5を擬似的に溝とみなすことができる。これによりバルク層5を擬似的に溝とみなすと、埋め込み層4における第1接合面の端および第2接合面の端が成す角θは、鋭角のベベル角を有していると考えることができる。
【0030】
ところで、本発明の埋め込み層4における第2接合面は、従来と異なり第1接合面に向かって所定の傾斜を有している。これにより、エミッタ層2の電極および対面ベース層6の電極に電圧差が与えられて生じる空乏層は、図2に示すように広がる。
【0031】
従って、第2接合面で伸長する空乏層Wsと、埋め込み層の内部側で伸長する空乏層Wcとの関係は、Ws>Wc´>Wcとなり、第2接合面から広がる空乏層が広がりきるより先に、内部側において電界集中を招き、内部側が端部側より先に降伏する。つまり、溝の影響を受けずに所望の耐圧が得られる。これにより、従来のサイリスタでは電流経路が埋め込み層の端部を迂回していたが、本発明のサイリスタでは電流経路が端部を迂回することなく、端部より内側の内部側を電流が流れる。従って、電流経路が短縮されたことにより、本発明のサイリスタ1は、図3(a)に示すように従来と比較して良好なdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【0032】
また、図4および図5に示す従来のサイリスタでは、電流が埋め込み層の端を迂回するように流れていたことから埋め込み層の端に電界集中を招いていたが、本発明のサイリスタ1は埋め込み層4の端を迂回しないことから、電流経路の経路幅を一様な幅寸法にすることができ、電界集中を防止することができる。
【0033】
更に、本発明のサイリスタの埋め込み層4は、図7に示すように内部側から端部に向かって次第に不純物濃度が低減するように設定されており、例えば内部側の濃度は1E15cm^−3に設定され、当該濃度が端部に向かって次第に低減し端部における濃度は14乗台となるように設定されている。
【0034】
従って、エミッタ層の電極および対面ベース層の電極に電圧差が与えられて生じる空乏層は、濃度分布に応じて内部側に拡がる。これにより、拡がる空乏層によって対面ベース側からエミッタ側に流れる電流経路が第1接合面および第2接合面が接する埋め込み層の端を迂回することない。これにより、本発明のサイリスタ1は、図3(a)に示すように従来のサイリスタと比較して良好なdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【0035】
以上説明したように本発明のサイリスタ1によれば、埋め込み層4の第1接合面の端が第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有し、更に埋め込み層4の端部において該端部の濃度が当該埋め込み層の内部側の濃度より低いことにより、埋め込み層の内部に向かって電流経路が遷移することから、電流経路が埋め込み層の更に内部側を辿ることになり、電流経路をより短縮することができ、従来のサイリスタよりも良好なdV/dt−VCL特性を得ることができる。
【0036】
実施例では第1導電型をn型および第2導電型をp型として説明を行なったが、これに限る必要はなく、第1導電型をp型および第2導電型をn型とするサイリスタに本発明を適用してもよい。
【0037】
実施例では、埋め込み層4における不純物濃度の分布と、埋め込み層4における端部の形状とを組み合わせたサイリスタを例に説明を行なったが、良好なdV/dt−VCL特性を得るためには、少なくとも何れか一方の構成を満たしていればよい。
【0038】
尚、埋め込み層4における不純物濃度の分布のみを変更したサイリスタのdV/dt−VCL特性を図3(b)に示し、埋め込み層4における不純物濃度の分布のみを変更したサイリスタのdV/dt−VCL特性を図3(c)に示す。
【0039】
実施例では、ガラスを埋め込む溝が、ベース層3および埋め込み層4との接合面(主接合)より、浅く形成される例で説明を行なったが、これに限る必要はなく、図8に示すように、主接合の位置よりも深い溝を有するサイリスタにも本発明を適用することができる。また、溝は省略することもできる。
【0040】
尚、この場合、主接合が溝に接すると図4に示す鈍角のベベル角になることから、これを避けるべく溝と主接合とが乖離する構造にすることが好ましい。
【0041】
実施例では、2方向性2端子構造のサイリスタを例に説明を行なったが、これに限る必要は無く、単方向性2端子構造のサイリスタに本発明を適用してもよい。
【0042】
実施例において開示した具体的な数値は、本発明の一形態を開示したに過ぎない。従って、本発明と同様な効果を奏功し得るならば、その値を適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のサイリスタを示す図である。
【図2】本発明のサイリスタにおける空乏層の広がりと、電流経路を示す図である。
【図3】本発明のサイリスタの特性を示すグラフである。
【図4】従来のサイリスタにおける空乏層の広がりと、電流経路を示す図である(溝あり)。
【図5】従来のサイリスタにおける空乏層の広がりと、電流経路を示す図である(溝無し)。
【図6】従来のサイリスタの特性を示すグラフである。
【図7】本発明のサイリスタの埋め込み層における不純物濃度の分布を示す図である。
【図8】主接合より深く溝が形成されたサイリスタに本発明を適用した図である。
【符号の説明】
【0044】
1 サイリスタ
2 エミッタ層
3 ベース層
4 埋め込み層
5 バルク層
6 対面ベース層
7 チャネルストッパ
8 ガラス
9 ニッケル層
10 半田層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、
前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面の端が前記第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有することを特徴とするサイリスタ。
【請求項2】
第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、
前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面および前記第2接合面が接して成る端部の濃度は当該埋め込み層における内部側の濃度より低いことを特徴とするサイリスタ。
【請求項3】
第1導電型のエミッタ層と、前記第1導電型と反対の第2導電型のベース層と、前記第1導電型のバルク層と、前記第2導電型の対面ベース層とが順に平行的に配置され、前記ベース層および前記バルク層間に、該バルク層より高濃度の第1導電型の埋め込み層が配置されたサイリスタにおいて、
前記埋め込み層は、前記ベース層と接する面を第1接合面および前記バルク層と接する面を第2接合面とするとき、該第2接合面の端が前記第1接合面に向かって傾斜を有して接し、かつ前記第1接合面の端が前記第2接合面の端に向かって所定の傾斜を有すると共に前記第1接合面および前記第2接合面が接して成る端部の濃度は当該埋め込み層における内部側の濃度より低いことを特徴とするサイリスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−124051(P2008−124051A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302612(P2006−302612)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【出願人】(591132955)株式会社秋田新電元 (29)
【Fターム(参考)】