説明

サウナ装置用面状ヒータ及びサウナ装置

【課題】小さなスペースで多くの遠赤外線とマイナスイオンとを発生させることができるサウナ装置用面状ヒータ及びサウナ装置を提供すること。
【解決手段】面状の炭素繊維ヒータ本体の一面に覆われた布地に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んでサウナ装置用面状ヒータ2,3を構成する。これらのサウナ装置用面状ヒータ2,3をケーシング1に設ける。炭素繊維ヒータ本体が面状に形成されており、この炭素繊維ヒータ本体の一面に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーが練り込まれた布地が覆われているので、ヒータ自体の厚み寸法を薄くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ装置用面状ヒータ及びサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康のために家庭用あるいは業務用のサウナ装置が利用されている。このサウナ装置は、発汗作用を促進させるために、ケーシングの内部にサウナ装置用面状ヒータを備えている。
従来のサウナ装置として、合成樹脂に黒鉛珪石等の粉末状の遠赤外線生成材を混合した合成樹脂板と断熱板との間に面状発熱体を一体化させた面状ヒータを備えたものがある(特許文献1)。
特許文献1のサウナ装置では、面状発熱体を発熱させることで、遠赤外線生成材から遠赤外線を放射してケーシング内に入る人の発汗作用を促進させる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−215959
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、サウナ装置を利用する人を発汗させるには十分であるが、リラクゼーション効果やヒーリング効果(癒し効果)をサウナ装置利用者に与えることができない。
このリラクゼーション効果やヒーリング効果を得るためにマイナスイオンを利用することが考えられる。マイナスイオンを発生させる装置は種々考えられているが、このマイナスイオンをケーシング内に入る人が大量に浴びるようにするには、マイナスイオン発生装置をケーシング内で多数設ける必要がある。
しかしながら、小型化されたサウナ装置では、ケーシング内に人が入るスペースが限られているので、大量のマイナスイオンを発生させるために大きなマイナスイオン発生装置や多量のマイナスイオン発生装置をケーシング内に配置することに限界がある。
【0005】
本発明の目的は、小さなスペースで多くの遠赤外線とマイナスイオンとを発生させることができるサウナ装置用面状ヒータ及びサウナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサウナ装置用面状ヒータは、面状に形成された炭素繊維ヒータ本体の少なくとも一面に布地を覆い、この布地に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだことを特徴とする。
【0007】
この構成の発明では、炭素繊維ヒータ本体によってサウナ装置用面状ヒータが発熱すると、布地に練り込まれた遠赤外線発生パウダーの作用により遠赤外線を放出させて大きな発汗作用を得ることができる。しかも、布地にはマイナスイオン生成パウダーも練り込まれているので、このマイナスイオン生成パウダーの作用によりマイナスイオンを放出させて大きなリラクゼーション効果やヒーリング効果を得ることができる。
ここで、本発明では、炭素繊維は、細長く帯状又は紐状に形成され、それ自体は柔軟で変形自在である。カーボン繊維は、例えば1枚のシート状に成形される。また、遠赤外線発生パウダーは黒鉛珪石、天照石等の遠赤外線を生成・放出する材料の紛状体を例示することができる。マイナスイオン生成パウダーはトルマリンや珪酸塩、炭の紛状体を例示することができる。
本発明では、遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーが布地に練り込まれており、この布地が炭素繊維ヒータ本体に覆われた構成であるから、スペースを取らない。
【0008】
本発明では、前記炭素繊維ヒータ本体を挟んで前記布地と、面状の断熱材とが配置されている構成が好ましい。
この発明では、被設置部に断熱材を向けた状態でサウナ装置用面状ヒータを設置する。この状態でヒータを加熱すると、ヒータの被設置部側が断熱材で断熱されているので、熱が布地に効率的に伝達されることになり、遠赤外線及びマイナスイオンが効率的に放射される。
【0009】
また、本発明のサウナ装置は、前述の構成のサウナ装置用面状ヒータを備えた構成である。
この構成の発明では、前述の効果を奏することができる。
ここで、本発明では、内部に人が横になるスペースが形成され前記サウナ装置用面状ヒータが設けられたカプセル状のケーシングを備え、このケーシングは遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ合成樹脂から成形され、前記サウナ装置用面状ヒータは前記布地が前記スペースに対向して配置された構成が好ましい。
この構成の発明では、ケーシングが遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ合成樹脂から形成されているので、サウナ装置用面状ヒータが発熱することで、ケーシング自体も発熱されて、ケーシング自体から遠赤外線及びマイナスイオンが発生する。そのため、ヒータだけでなくケーシングからも多量の遠赤外線やマイナスイオンがサウナ装置の利用者に放射されることになる。
【0010】
さらに、前記ケーシングは人が横たわるためのロアーケースと、このロアーケースに回動自在に取り付けられ人の上部を覆うアッパーケースとを備え、前記ロアーケースの人が横たわる部分に前記サウナ装置用面状ヒータが配置され、前記アッパーケースの人に対向する部分に前記サウナ装置用面状ヒータが配置されている構成が好ましい。
この構成の発明では、ケーシングをロアーケースとアッパーケースとに分割し、これらを回動自在に連結したので、サウナ装置に利用者が出入りしやすいものとなる。その上、ロアーケースとアッパーケースとにそれぞれサウナ装置用面状ヒータが配置されているので、利用者の正面及び背面から遠赤外線とマイナスイオンとがそれぞれ全身に渡って放射されるので、より大きな発汗効果、リラクゼーション効果及びヒーリング効果を付与することができる。
【0011】
また、前記ケーシングには前記スペース内にマイナスイオンを発生するイオン発生装置が設けられた構成が好ましい。
この構成の発明では、イオン発生装置によってヒータ以外にもマイナスイオンを利用者に放射することができるので、より大きなリラクゼーション効果やヒーリング効果を利用者に付与することができる。
【0012】
さらに、前記ケーシングには前記スペースに向けて遠赤外線を放射する遠赤外線ランプが設けられている構成が好ましい。
この構成の発明では、遠赤外線ランプによってヒータ以外にも遠赤外線を利用者に放射することができるので、より大きな発汗効果を付与することができる。
そして、前記遠赤外線ランプは前記スペースに横たわる人の足裏を放射するように配置されている構成が好ましい。
この構成の発明では、足裏は他の部位に比べて遠赤外線を放射されることで効果的に発汗を生じる箇所であるので、この位置に遠赤外線ランプを配置する本発明では、より大きな発汗効果を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかるサウナ装置を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の全体構成を示す概略縦断面図であり、図2は本実施形態の要部を示す平面図であり、図3は図1とは直交する方向での縦断面図である。
図1及び図2において、本実施形態のサウナ装置は、内部に利用者Pが横になるスペース1Aが形成されたカプセル状のケーシング1を備えている。
このケーシング1は利用者Pが横たわるためのロアーケース10と、このロアーケース10の一端部側(利用者Pの足下側端部)にヒンジ30を介して回動自在に取り付けられ利用者Pの上部を覆うアッパーケース20とを有するものである。
これらのロアーケース10の利用者Pが横たわる部分にサウナ装置用面状ヒータ2が配置され、アッパーケース20の利用者Pに対向する部分にサウナ装置用面状ヒータ3が配置されている。本実施形態では、これらのケース10,20自体を加熱するためにサウナ装置用面状ヒータ2,3以外にヒータを別途設けるものでもよい。
【0014】
これらのロアーケース10とアッパーケース20とは、それぞれ遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ合成樹脂から成形されている。
ここで、遠赤外線発生パウダーとしては、例えば、黒鉛珪石、天照石、石英斑石または石墨千枚岩(宙石)のいずれか一種または二種以上を使用することができ、50〜300メッシュ程度の篩いにかけて選別したものを使用することが好ましい。ケーシング1には必要に応じて炭酸カルシウムを混合させても良く、このように、炭酸カルシウムを混合させた場合には、合成樹脂を軟らかくした状態でケーシング1を形成できるため、サウナ装置用面状ヒータ2,3との密着性を高めることができる。この際、ケーシング1に混合させる前記炭酸カルシウムの量は、ケーシング1の全体の略5〜10重量%であれば良い。
マイナスイオン生成パウダーとしては、例えば、トルマリンや珪酸塩、炭の紛状体を例示することができる。
【0015】
合成樹脂としては、FRP(繊維強化プラスチック)を使用することが好ましいが、例えば、ポリエステルまたはABS等の合成樹脂でもよい。
前述の通り、合成樹脂としては、ポリエステルまたはABS等の合成樹脂を使用することができるが、ケーシング1の成形に際して、溶解させたポリエステルまたはABS等の合成樹脂に遠赤外線生成パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを混合した合成樹脂混合溶液をガラス繊維からなるマットに流し込むことが好ましい。
このように、遠赤外線生成パウダーを混合したFRP(繊維強化プラスチック)を使用することにより、ケーシング1を薄く形成させた場合であっても、その強度を高くすることができ、使用者等がケーシング1の上部に乗ったとしても、折れ曲がることがない。
遠赤外線生成パウダーの量としては、ケーシング1の全体の略0.5重量%よりも少ない場合には、該遠赤外線生成パウダーが生成・放出する遠赤外線の量が十分でなく、80重量%より多い場合には、合成樹脂と遠赤外線生成パウダーとを混合してケーシング1を形成することが困難であるため、ケーシング1の全体の略0.5〜80重量%であれば良く、30重量%以上であることが好ましい。
【0016】
ロアーケース10は、利用者Pを収納するための凹部10Aが形成されており、その凹部10Aにはサウナ装置用面状ヒータ2が凹部10Aの表面と段差がないように埋設されている。このサウナ装置用面状ヒータ2は、利用者Pの肩から足下までの長さ寸法と利用者Pの肩幅よりやや大きな幅寸法とを有する略矩形状に形成されている。
アッパーケース20には、利用者Pの首から腰の位置に対応した第1凹部20Aと、足に対応した第2凹部20Bとがそれぞれ形成されている。第1凹部20Aの一端部、つまり首近傍にはケーシング1のスペース1Aを閉じるための壁部20Cが形成され、第1凹部20Aと第2凹部20Bとの間には第1突起部20Dが形成され、第2凹部20Bの他端部、つまり足先には第2突起部20Eが形成されている。
【0017】
第1凹部20Aの中央部には利用者Pがケーシング1の内部からサウナ装置を操作するための操作パネル4が設けられており、この操作パネル4の両側にはサウナ装置用面状ヒータ3が段差のないように設けられている。
第2凹部20Bにはサウナ装置用面状ヒータ3が段差のないように設けられている。
壁部20Cは、その内側に利用者Pがアッパーケース20を開閉操作するための取っ手21が設けられている。
第1突起部20Dの下端部には利用者Pの中心部(腹部)に向けて遠赤外線を放射する遠赤外線ランプ5が設けられている。第2突起部20Eの下端部には利用者Pの足裏に向けて遠赤外線を放射する遠赤外線ランプ6が設けられている。
【0018】
遠赤外線ランプ5,6は、種々の構造のものを採用できるが、例えば、近赤外線をピーク放射する棒状の近赤外線ランプを原形とし、近赤外線ランプの石英バルブ表面に遠赤外線放射セラミックスをコーティングしてなるもので、通電時、加熱されたコイル状のフィラメント(タングステン線)から熱放射される可視光線や近赤外線を、遠赤外線放射セラミックスに一旦吸収させ、遠赤外線放射セラミックスを加熱することで、遠赤外線放射セラミックスから遠赤外線がピーク放射する仕組みの構造を一例として採用することができる。
【0019】
第1突起部20Dの側壁部にはスペース1A内にマイナスイオンを放射するイオン発生装置7が取り付けられている。このイオン発生装置7は、種々の構造が採用できるが、例えば、ヘアードライヤや空気清浄機に用いられるものであって、ケーシング内にファンとマイナスイオンを供給するイオン発生部とをそれぞれ取り付け、イオン発生部としてハロゲン元素を含んだ材質で形成されたものを一例として採用することができる。
ロアーケース10とアッパーケース20との間にはアッパーケース20の開閉操作を容易にするとともにアッパーケース20の開放状態を維持するシリンダ装置8が一対設けられている。
【0020】
サウナ装置用面状ヒータ2,3の具体的な構造が図4に示されている。図4(A)にはアッパーケース20に取り付けられたサウナ装置用面状ヒータ3の断面構造が示されている。
図4(A)において、サウナ装置用面状ヒータ3は、アッパーケース20に貼付された断熱材91と、この断熱材91の表面に貼付された面状炭素繊維ヒータ本体92と、この面状炭素繊維ヒータ本体92に表面に貼付されスペース1Aに対向した布地93とを備えた構造である。
断熱材91はシート状に形成されるものであって、空気断熱性を有する(スポンジ状の)発泡性材料を全て含む。
【0021】
面状炭素繊維ヒータ本体92は炭素繊維を発熱体として平面略矩形状に形成されたものである。この炭素繊維は、ニクロム線などの金属抵抗線と比較して、安定した抵抗値を示し、かつ熱効率が高く発熱ムラが少ないのでヒータとして好ましい。炭素繊維は、所定の直径の繊維からなるものが好ましく、例えば不織布状、織布状、編布状等に形成される。面状炭素繊維ヒータ本体92は、その相対する2辺に図示しない電極が接続されており、この電極を通じて電気回路が組まれる。電源は特に限定されず、家庭用の電灯線等でよく、温度に応じ制御回路で電圧を調整して面状炭素繊維ヒータ本体92に通電する。なお、面状炭素繊維ヒータ本体92には漏電防止のため、高融点の熱可塑性樹脂(例えばポリエステル系樹脂)、または熱硬化性樹脂(例えばエポキシ系樹脂)等からなる電気絶縁材を被覆するものでもよい。
【0022】
布地93は合成樹脂の生地に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ構造である。
布地93の生地は、パルプあるいはポリエステルやABS等の合成樹脂から成形される。遠赤外線発生パウダーやマイナスイオン発生パウダーは前述の構成のものを利用することができる。
布地93の成形に際して、溶解させたパルプ、あるいは、ポリエステルやABS等の合成樹脂に遠赤外線生成パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを混合し、図示しない型に流し込んでシート状に形成することが好ましい。
【0023】
図4(B)はロアーケース10に取り付けられたサウナ装置用面状ヒータ2の断面構造が示されている。
図4(B)において、サウナ装置用面状ヒータ2は、ロアーケース10の表面に貼付された断熱材91と、この断熱材91の表面に貼付された面状炭素繊維ヒータ本体92と、この面状炭素繊維ヒータ本体92の表面に貼付された布地93と、この布地93の表面に着脱自在に取り付けられた被覆シート94とを備えた構造である。
被覆シート94はネオプレンゴム(商品名)等の発泡ゴムから成形されたシート本体に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ構造である。
遠赤外線発生パウダーやマイナスイオン発生パウダーは前述の構成のものを利用することができる。
被覆シート94の成形に際して、溶解させた発泡ゴムに遠赤外線生成パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを混合し、図示しない型に流し込んでシート状に形成することが好ましい。
【0024】
次に、本実施形態にかかるサウナ装置の作用について説明する。
ケーシング1のスペース1Aに利用者Pが横になった状態で操作パネル4を操作してサウナ装置用面状ヒータ2,3に通電する。
すると、面状炭素繊維ヒータ本体92が発熱し、この熱が布地93に伝達される。さらに、ロアーケース10においては、布地93からの熱が被覆シート94にも伝達される。布地93や被覆シート94に熱が伝わると、その熱によって遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーから遠赤外線やマイナスイオンがスペース1Aに放射され、スペース1Aに横たわる利用者Pがこれらの遠赤外線やマイナスイオンを浴びることになる。
【0025】
スペース1Aには遠赤外線ランプ5,6から遠赤外線が放射され、利用者Pはランプ5,6から放射される遠赤外線を浴びることになる。また、イオン発生装置7が作動してスペース1Aにマイナスイオンが放射され、このマイナスイオンを利用者Pが浴びることになる。
ケーシング1に別途設けられたヒータ(図示せず)によりロアーケース10及びアッパーケース20が加熱され、これらのケース10,20に練り込まれた遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーから遠赤外線やマイナスイオンがスペース1Aに放射され、スペース1A内の利用者Pが遠赤外線やマイナスイオンを浴びることになる。
つまり、ケーシング1のスペース1Aに横たわる利用者Pは頭部を除いて全身に遠赤外線を浴びることで発汗し、マイナスイオンを浴びることで、リラクゼーション効果やヒーリング効果が付与される。
【0026】
従って、本実施形態のサウナ装置用面状ヒータ2,3は、面状の炭素繊維ヒータ本体92の一面に覆われた布地93に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ構成とした。そのため、炭素繊維ヒータ本体92が面状に形成されており、この炭素繊維ヒータ本体92の一面に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーが練り込まれた布地93が覆われているので、ヒータ自体の厚み寸法を薄くすることができる。
【0027】
炭素繊維ヒータ本体92を挟んで布地93と面状の断熱材91とが互いに対向配置されているから、ヒータの被設置部側が断熱材91で断熱されていることから、熱が布地93に効率的に伝達されることになり、遠赤外線及びマイナスイオンが効率的に放射される。
【0028】
ケーシング1を構成するロアーケース10に設けられたサウナ装置用面状ヒータ2は、布地93の表面にネオプレンゴム(商品名)等の発泡ゴムから成形されたシート本体に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んで成形された被覆シート94を設けたから、利用者Pに与える遠赤外線やマイナスイオンの量を大きなものにできる他、利用者Pに接する部位の被覆シート94が柔軟な材料で形成されているので、利用者Pが横たわってもロアーケース10の硬さを感じないで済む。
【0029】
本実施形態のサウナ装置は、前述の構成のサウナ装置用面状ヒータ2,3がケーシング1に取り付けられた構造であるため、ヒータ設置スペースを小さくできる。換言すれば、ケーシング1において利用者Pが横たわるスペース1Aを大きく形成することができるので、サウナ利用者が手足を自由に動かすことができる。
【0030】
ケーシング1は遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ合成樹脂から成形され、サウナ装置用面状ヒータ2,3は布地93がスペース1Aに対向して配置された構成とした。そのため、サウナ装置用面状ヒータ2,3が発熱することで、ケーシング1自体も発熱されて、ケーシング1自体から遠赤外線及びマイナスイオンが発生することになり、多量の遠赤外線やマイナスイオンが利用者Pに供給されるので、より大きな発汗効果、リラクセーション効果及びヒーリング効果を得ることができる。
【0031】
ケーシング1は人が横たわるためのロアーケース10と、このロアーケース10に回動自在に取り付けられ利用者Pの上部を覆うアッパーケース20とを備えたから、サウナ装置に利用者Pが出入りしやすくなる。しかも、ロアーケース10の人が横たわる部分にサウナ装置用面状ヒータ2が配置され、アッパーケース20の利用者Pに対向する部分にサウナ装置用面状ヒータ3が配置されているため、利用者Pの正面及び背面から遠赤外線とマイナスイオンとがそれぞれ全身に渡って放射されるので、より大きな発汗効果、リラクゼーション効果及びヒーリング効果を付与することができる。
【0032】
アッパーケース20にはスペース1A内にマイナスイオンを発生するイオン発生装置7が設けられているので、このイオン発生装置7によって多くのマイナスイオンを利用者Pに放射することができるから、この点からも、より大きなリラクゼーション効果やヒーリング効果を利用者Pに付与することができる。
【0033】
ケーシング1はスペース1Aに向けて遠赤外線を放射する遠赤外線ランプ5,6が設けられているから、これらの遠赤外線ランプ5,6によってヒータ以外にも遠赤外線を利用者Pに放射することができるので、より大きな発汗効果を付与することができる。
遠赤外線ランプ6は利用者Pの足裏に遠赤外線を放射するように配置されている。足裏は他の部位に比べて遠赤外線を放射されることで効果的に発汗を生じる箇所であるので、この位置に遠赤外線ランプ6を配置することで、より大きな発汗効果を付与することができる。
【0034】
操作パネル4がアッパーケース20の内部に設けられているから、利用者Pがケーシング1の内部に入った状態でもサウナ装置を操作することができる。
アッパーケース20は、利用者Pの首から足下までを覆う構成であるため、利用者Pの顔が外部に露出される状態となる。従って、利用者Pが息苦しくなることがない。
【0035】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ケーシング1のスペース1Aに利用者Pが横たわって利用するものとしたが、本発明では、利用者Pが立って利用する構造のものでもよい。この場合、ケーシング1を前面側と背面側とに2分割する構成を採用してもよい。
また、ケーシング1で利用者Pの全体を覆う構造としてもよい。
【0036】
さらに、ロアーケース10とアッパーケース20とのいずれか一方にサウナ装置用面状ヒータ2,3を設ける構成としてもよい。
また、遠赤外線ランプ5,6やイオン発生装置7は必要に応じて設けるものでよく、これらの装置の一方あるいは双方を設けなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、美容や健康のために使用されるサウナ装置一般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態にかかるサウナ装置を示す概略縦断面図。
【図2】前記実施形態の要部を示す平面図。
【図3】図1とは直交する方向での縦断面図。
【図4】サウナ装置用面状ヒータの断面構造を示すもので、(A)はアッパーケースに取り付けられたサウナ装置用面状ヒータの断面図であり、(B)はロアーケースに取り付けられたサウナ装置用面状ヒータの断面図。
【符号の説明】
【0039】
1…ケーシング
2,3…サウナ装置用面状ヒータ
5,6…遠赤外線ランプ
7…イオン発生装置
91…断熱材
92…炭素繊維ヒータ本体
93…布地
94…被覆シート
P…利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に形成された炭素繊維ヒータ本体の少なくとも一面に布地を覆い、この布地に遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだことを特徴とするサウナ装置用面状ヒータ。
【請求項2】
請求項1に記載されたサウナ装置用面状ヒータにおいて、
前記炭素繊維ヒータ本体を挟んで前記布地と、面状の断熱材とが配置されていることを特徴とするサウナ装置用面状ヒータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたサウナ装置用面状ヒータを備えたサウナ装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたサウナ装置において、
内部に人が横になるスペースが形成され前記サウナ装置用面状ヒータが設けられたカプセル状のケーシングを備え、このケーシングは遠赤外線発生パウダー及びマイナスイオン生成パウダーを練り込んだ合成樹脂から成形され、前記サウナ装置用面状ヒータは前記布地が前記スペースに対向して配置されたことを特徴とするサウナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載されたサウナ装置において、
前記ケーシングは人が横たわるためのロアーケースと、このロアーケースに回動自在に取り付けられ人の上部を覆うアッパーケースとを備え、前記ロアーケースの人が横たわる部分に前記サウナ装置用面状ヒータが配置され、前記アッパーケースの人に対向する部分に前記サウナ装置用面状ヒータが配置されていることを特徴とするサウナ装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載されたサウナ装置において、
前記ケーシングには前記スペース内にマイナスイオンを発生するイオン発生装置が設けられたことを特徴とするサウナ装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれかに記載されたサウナ装置において、
前記ケーシングには前記スペースに向けて遠赤外線を放射する遠赤外線ランプが設けられていることを特徴とするサウナ装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたサウナ装置において、
前記遠赤外線ランプは前記スペースに横たわる人の足裏を放射するように配置されていることを特徴とするサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−311890(P2006−311890A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135209(P2005−135209)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(501497345)株式会社リジュー (2)
【Fターム(参考)】