説明

サスペンションアッセンブリ位置決め方法

【課題】キャンバー角のずれやばらつきを低減するサスペンションアッセンブリ位置決め方法を提供する。
【解決手段】ホワイトボディ12における左右のダンパ取付孔22の位置を測定し、中間点である第1基準位置C1を算出する。サスペンションアッセンブリ20の左右のハブ44け位置を測定し、中間点である第2基準位置C2を算出する。第1基準位置C1と第2基準位置C2とを一致させるようにサスペンションアッセンブリ20の位置をスライドテーブル56により調整する。サスペンションアッセンブリ20を昇降機構59により上昇させ、ホワイトボディ12に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンションアッセンブリを車両枠体に取り付ける際に、車両枠体に対してサスペンションアッセンブリの位置決めをするサスペンションアッセンブリ位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサスペンションは操舵機構、リンク機構、タイヤ取付部、ブレーキ機構及びエンジン等と一体的になったサスペンションアッセンブリとして予め組み立てておくと、車両枠体に対する取り付けが容易で好適である。
【0003】
サスペンションアッセンブリを車両枠体に取り付ける際には、サスペンションアッセンブリと車両枠体との相対的な位置が適切に整合するように位置決めを行う必要がある。このような位置決めを行う方法として、基準指標として形成された車体の基準孔の位置を視覚センサで検出しながらサスペンションアッセンブリを取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、車体の外周コーナ部を検出する一対の位置検出用視覚センサから得られる信号に基づいて、回転昇降テーブルの載置面の位置を調整する。次いで、車両の基準孔を検出するために回転昇降テーブル中央に設けられた位置決め用視覚センサから得られる信号に基づいて回転昇降テーブルの載置面の位置を微調整することにより位置ずれを補正している。
【0004】
【特許文献1】特公平7−10674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両枠体やサスペンションアッセンブリは、複数の加工箇所や複数の機構等が組み合わされた複合体であり各部の寸法誤差が集積することから、取付部の寸法が十分高精度に形成されていない懸念がある。すなわち、図10に示すように、車両枠体1における左右のダンパ取付孔2の中心位置3が、車両枠体1の中心位置に設けられた基準孔4の位置と必ずしも一致していない場合があり得る。また、サスペンションアッセンブリ5の中心位置6がダンパ取付孔2の中心位置3と必ずしも一致していない場合があり得る。
【0006】
したがって、中心位置6を基準孔4に合わせる調整を行っても、ダンパ頭部7とダンパ取付孔2は一致せず、このままサスペンションアッセンブリ5を車両枠体1に組み付けるとダンパ7及びハブ8が傾斜し、左右のキャンバー角にずれθ1及びθ2が生ずる。キャンバー角のずれθ1、θ2はこの後の工程で調整されるが、この調整作業は相当の時間を要し、しかも作業には作業員の習熟や複雑な調整機構を必要とする。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、キャンバー角のずれやばらつきを低減するサスペンションアッセンブリ位置決め方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法は、サスペンションアッセンブリを車両枠体に取り付ける際に、前記車両枠体に対して前記サスペンションアッセンブリの位置決めをするサスペンションアッセンブリ位置決め方法において、前記車両枠体における左右のダンパ取り付け位置を測定する工程と、測定された左右のダンパ取り付け位置の車幅方向の中間点である第1基準位置を算出する工程と、サスペンションアッセンブリの左右のタイヤ取り付け位置を測定する工程と、測定された左右のタイヤ取り付け位置の車幅方向の中間点である第2基準位置を算出する工程と、前記第1基準位置と前記第2基準位置とを一致させるように前記サスペンションアッセンブリ又は前記車両枠体の位置を調整する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
このように、第1基準位置と第2基準位置とを一致させることにより、サスペンションアッセンブリを車両枠体に組み付けたときにキャンバー角のずれやばらつきが抑制される。
【0010】
この場合、前記車両枠体を搬送する搬送ラインの複数のステーションにおいて行われ、前記ダンパ取り付け位置を測定する工程は、前記タイヤ取り付け位置を測定する工程を行うステーションよりも前のステーションで行うとよい。これにより、ダンパ取り付け位置を測定して第2基準位置を算出した後、即時に位置決め調整を行うことが可能で、タクトタイムの短縮を図ることができる。
【0011】
また、前記ダンパ取り付け位置を測定する工程は、非接触方式の距離センサにより前記ダンパ取り付け位置の周辺3箇所以上を走査することにより測定するとよい。これにより、ダンパ取り付け位置の3次元的な位置が特定され、一層正確な測定がなされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法によれば、左右のダンパ取り付け位置の中心である第1基準位置と、タイヤ取り付け位置の中心である第2基準位置とを個別に測定、算出し、この第1基準位置と第2基準位置とを一致させることにより、車両枠体及びサスペンションアッセンブリの寸法誤差の影響が低減され、サスペンションアッセンブリを車両枠体に組み付けたときにキャンバー角のずれやばらつきが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図9を参照しながら説明する。
【0014】
本実施の形態に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法は、図1に示す組付ステーション10において行われる。組付ステーション10は、ホワイトボディ(車両枠体)12をハンガー13により懸架して順次搬送する搬送ライン14と、前工程からホワイトボディ12が最初に搬入される第1サブステーション16と、その次に搬入される第2サブステーション18とからなる。ホワイトボディ12は車両を構成する基礎フレームからなるモノコック構造体であり、エンジンルーム内の左右にはサスペンションアッセンブリ20を取り付けるダンパ取付孔22が設けられている。ホワイトボディ12は、搬送ライン14によってやや高い箇所を搬送される。
【0015】
図2に示すように、第1サブステーション16におけるホワイトボディ12の左右近傍には、先端に非接触式のダンパ孔用距離センサ24を備えるロボット26が設けられている。各ロボット26は産業用の多関節型であって、作業範囲内の任意位置においてダンパ孔用距離センサ24を任意の姿勢に移動可能である。ロボット26は、コントローラ28の作用下に搬送ライン14と同期して動作し、第1サブステーション16に搬入されたホワイトボディ12のダンパ取付孔22の位置をダンパ孔用距離センサ24を用いて計測する。すなわち、ロボット26は、ホワイトボディ12における前輪のホイールハウス30から先端部を挿入し、ダンパ孔用距離センサ24の計測面を上方に向けながら所定の経路R1、R2及びR3(図7参照)に沿って走査し、ダンパ取付孔22の位置を計測する。
【0016】
図3に示すように、サスペンションアッセンブリ20は車両のフロント側の機構であって、サブフレーム32をベースに構成されており、該サブフレーム32の左右には一対のロアアーム34、ダンパッセンブリ36、等速ジョイント38、ブレーキ機構40、操舵ロッド42、ハブ44及びエンジン45が組み付けられている。ダンパッセンブリ36は略同心状に設定されたダンパ46及びスプリング48とからなり、上面には前記ダンパ取付孔22に挿入されるダンパ頭部50が設けられていてる。なお、サスペンションアッセンブリ20の構成が容易に理解可能なように、図1、図3、図8及び図9においてはエンジン45を仮想線で示している。ハブ44は規定のキャンバー角となるように組み立てられており、後の工程でタイヤが取り付けられる。本実施の形態においては、規定のキャンバー角を0°として図示する(図3、図8等)。サスペンションアッセンブリ20はエンジンがない状態のものであってもよい。
【0017】
図1及び図3に示すように、第2サブステーション18は、サスペンションアッセンブリ20を載置し昇降する搭載台51と、載置されたサスペンションアッセンブリ20の左右のハブ44の位置を計測する一対のハブ用距離センサ52とを有する。搭載台51は、ベース台54と、該ベース台54上で左右方向(搬入されたホワイトボディ12の車幅方向)に移動するスライドテーブル56と、スライドテーブル56の位置を検出するリニアセンサ58と、昇降機構59とを有する。スライドテーブル56及び昇降機構59はコントローラ28の作用下に自動的に動作する。
【0018】
搭載台51は、第2サブステーション18に搬入されたホワイトボディ12のエンジンルーム下方に配置され、昇降機構59によりサスペンションアッセンブリ20を上昇させてホワイトボディ12に組み付ける。また、搭載台51はレール60に沿って横方向に移動可能であり、サスペンションアッセンブリ20をホワイトボディ12に組み付け、昇降機構59を下降させた後に横方向に移動し、所定の搬入手段により新たなサスペンションアッセンブリ20がスライドテーブル56上に載置される。
【0019】
ハブ用距離センサ52は、支柱62によってそれぞれ支持されており、昇降機構59が下降している状態のサスペンションアッセンブリ20におけるハブ44の側面の位置を計測可能な高さに配置されている。ハブ用距離センサ52は、規定されたキャンバー角に合わせてハブ44の面に対して垂直に計測可能なように設定されている。各ハブ用距離センサ52で計測された距離信号はコントローラ28に供給される。一方のハブ用距離センサ52は、搭載台51がレール60に沿って移動する際には、干渉することがないように所定の位置に自動的に退避する。
【0020】
図4に示すように、コントローラ28は、所定の外部コントローラと通信を行う同期部70と、ロボット26を駆動するロボット制御部72と、ダンパ孔用距離センサ24の信号を受信してダンパ取付孔22の位置を求める第1信号処理部74と、2つのダンパ取付孔22の車幅方向の中間点に相当する第1基準位置C1を算出する第1基準位置算出部76とを有する。コントローラ28は、さらに、ハブ用距離センサ52の信号を受信してハブ44の位置を求める第2信号処理部78と、2つのハブ44の車幅方向の中間点に相当する第2基準位置C2を算出する第2基準位置算出部80と、第1基準位置C1及び第2基準位置C2に基づいてスライドテーブル56を動作させるスライドテーブル駆動部82と、昇降機構59を動作させる昇降機構駆動部84とを有する。同期部70は、外部コントローラから得られる信号に基づいて搬送ライン14の動作状況を監視し、ホワイトボディ12が第1サブステーション16及び第2サブステーション18に搬入されたことを検知し、各機能部に処理開始の指示を与える。
【0021】
次に、このように構成される組付ステーション10においてサスペンションアッセンブリ20をホワイトボディ12に組み付ける方法について図5を参照しながら説明する。
【0022】
先ず、ステップS1において、同期部70は、ホワイトボディ12が第1サブステーション16に搬入されたことを検知し、これに基づいて左右のダンパ取付孔22の位置を計測するためにロボット26を動作させる。この際、図6に示すように、ロボット26の先端に取り付けられたダンパ孔用距離センサ24をダンパ取付孔22の近傍において板金90との距離を略一定となるように動作させる。
【0023】
また、その移動については、図7に示すように、3つの経路R1、R2及びR3に沿って走査が順に行われる。これらの経路R1、R2及びR3は、ダンパ取付孔22の周囲の略三等分の規定箇所において、外周部よりやや外側のポイントP1から外方に向かって移動し、所定の最外部P2で折り返して内方に向かって移動し、ダンパ取付孔22のエッジP3に到達したときに終了する。エッジP3に到達したときには、板金90がなく、計測信号が著しく変化することからエッジP3に到達したことが認識される。3つの経路R1、R2及びR3の順に計測を行った後、ロボット26を所定の位置に退避させる。
【0024】
なお、ダンパ取付孔22の位置の計測はダンパ孔用距離センサ24に限らず、CCDカメラなどの2次元的な計測手段を用いてもよい。この場合、2箇所からダンパ取付孔22を撮像することにより三角測量の原理により3次元的な位置を認識するようにしてもよい。ダンパ孔用距離センサ24を走査させる手段はロボット26に限らず、専用の移動機構を用いてもよい。走査する移動経路はR1、R2及びR3の3箇所に限らず、4箇所以上でもよい。
【0025】
ステップS2において、第1信号処理部74により、3つのエッジP3からダンパ取付孔22の中心点Oを算出する。この算出処理は、例えば、3つのエッジP3をエッジP31、P32、P33と区別し、エッジP31、P32、P33で設定される面上において、エッジP31とエッジP32とを結ぶ直線の直角二等分線L1と、エッジP31とエッジP33とを結ぶ直線の直角二等分線L2との交点として求められる。この中心点Oは、左右のダンパ取付孔22についてそれぞれ独立的に求められる。
【0026】
このように3以上のエッジP31〜P33によれば、ダンパ取付孔22の3次元的な位置が特定され、一層正確な測定がなされる。
【0027】
また、各経路R1〜R3における計測距離信号から、ダンパ取付孔22の周辺における板金90の傾斜が認識され、所定の処理に供される。
【0028】
ステップS3において、第1基準位置算出部76により、左右のダンパ取付孔22の中心点Oの車幅方向における中間点に相当する第1基準位置C1を算出する。この第1基準位置C1は、例えば、2つの中心点Oの空間上の中点に基づいて算出される。
【0029】
ステップS4において、所定の外部管理コントローラの作用下に搬送ライン14が駆動され、第1サブステーション16にあったホワイトボディ12は、次の第2サブステーション18に搬送される。なお、搬送ライン14では複数のホワイトボディ12が連続且つ間欠的に搬送されることから、第1サブステーション16に対しても前工程から新たなホワイトボディ12が搬入され、ロボット26によりダンパ取付孔22の計測が継続的に行われる。
【0030】
ステップS5において、搭載台51にサスペンションアッセンブリ20が搭載されていることを確認した後、該搭載台51を搬送ライン14の下部までレール60に沿って移動させる。この際、昇降機構59は下降させておく。
【0031】
ステップS6において、同期部70は、搭載台51にサスペンションアッセンブリ20が載置されていることを確認し、ハブ用距離センサ52によりサスペンションアッセンブリ20の左右のハブ44の位置を計測する。なお、サスペンションアッセンブリ20はダンパ頭部50をダンパ取付孔22に挿入することから該ダンパ頭部50の位置を計測してもよいが、ダンパ頭部50の形状は複雑であってハブ用距離センサ52による計測は困難である。これに対して、ハブ44の側面は平面であることからハブ用距離センサ52による計測に適する。また、ハブ44とダンパ頭部50との距離は短く、相対的な位置には誤差の累積がほとんどなく、ハブ44の位置を計測することによりダンパ頭部50の位置は正確に規定される。
【0032】
ステップS7において、第2信号処理部78により、車幅方向における左右のハブ44の中間点に相当する第2基準位置C2を算出する。ここで、ハブ44とダンパ頭部50との間には誤差の累積がほとんどないことから、第2基準位置C2は左右のダンパ頭部50の中間位置とほぼ等価である。
【0033】
この時点では、図8に示すように第1基準位置C1と第2基準位置C2は必ずしも一致せず、誤差εが存在しうる。これは、ホワイトボディ12やサスペンションアッセンブリ20は、複数の加工箇所や複数の機構等が組み合わされた複合体であり各部の寸法誤差が集積することによる。
【0034】
ステップS8において、第1基準位置C1と第2基準位置C2とを一致させるようにスライドテーブル56を車幅方向に駆動し、サスペンションアッセンブリ20の位置を調整する。すなわち、スライドテーブル駆動部82の作用下に、リニアセンサ58又はハブ用距離センサ52の検出信号を参照しながら第1基準位置C1と第2基準位置C2との誤差εだけスライドテーブル56を移動することにより位置決めを行う。
【0035】
これにより、図9に示すように、左右のダンパ取付孔22及び左右のダンパ頭部50は、第1基準位置C1及び第2基準位置C2を基準として左右対称の位置に配置され、ほぼ一致することになる。
【0036】
なお、このステップS8の位置決め工程では、第1基準位置C1及び第2基準位置C2を一致するようにホワイトボディ12とサスペンションアッセンブリ20との相対的な位置の調整を行えばよく、サスペンションアッセンブリ20を移動させるだけでなく、所定の機構によりホワイトボディ12を移動させてもよい。
【0037】
ステップS9において、昇降機構59を上昇させ、左右のダンパ頭部50を対応するダンパ取付孔22に挿入させる。このとき、ダンパ取付孔22及び左右のダンパ頭部50は第1基準位置C1及び第2基準位置C2を基準として左右対称で、ほぼ一致する位置に配置されていることから、ダンパッセンブリ36及びハブ44等の傾斜角はほとんど変化することなく取り付けられ、予め設定・調整されたキャンバー角が維持される。
【0038】
ダンパ頭部50がダンパ取付孔22に挿入されることに伴って、ダンパ頭部50の周囲に設けられた3つのねじ92(図3参照)がダンパ取付孔22の周囲に設けられた3つの取付孔94(図1参照)に挿入され、ねじ92にナットを螺合させて固定する。また、サブフレーム32に設けられたボルトをホワイトボディ12の所定の長孔に挿入してナットにより固定し、サスペンションアッセンブリ20はホワイトボディ12に取り付けられる。第2サブステーション18においてサスペンションアッセンブリ20が取り付けられたホワイトボディ12は、搬送ライン14によって次工程へ搬送される。
【0039】
上述したように、本実施の形態に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法によれば、左右のダンパ取付孔22の第1基準位置C1と、左右のタイヤ取り付け位置であるハブ44の第2基準位置C2とを個別に測定、算出し、第1基準位置C1及び第2基準位置C2が一致するように位置決め調整することにより、ホワイトボディ12及びサスペンションアッセンブリ20の寸法誤差の影響が低減され、キャンバー角のずれやばらつきが抑制される。これにより、キャンバー角のずれを調整する後工程が不要となり、又は該工程における調整時間を大幅に短縮することができる。
【0040】
また、ホワイトボディ12にはサスペンションアッセンブリ20の位置決めのための基準点を設ける必要がない。
【0041】
図5に示す各工程は説明の便宜上、連続的に順次行われるものとして説明したが、第1サブステーション16における処理と第2サブステーション18における処理は並行して行うことができる。ダンパ取付孔22の位置の計測は、3つの経路R1〜R3について走査を行うことからハブ44の位置の計測よりも時間を要するが、第1サブステーション16において予め行っておくことにより、第2サブステーション18に搬入されたホワイトボディ12に対してサスペンションアッセンブリ20の取り付けを迅速に行うこと可能であり、タクトタイムの短縮を図ることができる。
【0042】
なお、上記の説明ではフロント側のサスペンションアッセンブリ20をホワイトボディ12に取り付ける例について説明したが、リア側のサスペンションアッセンブリについても同様の手順により取り付けることができる。リア側のサスペンションアッセンブリは上記の第1サブステーション16及び第2サブステーション18においてフロント側のサスペンションアッセンブリ20の取り付けと同時並行的に行ってもよい。
【0043】
本実施の形態に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法は、車両製造時に限らず、完成車両のメンテナンス時においてサスペンションアッセンブリ20を一度取り外した後に、車両枠体(車両自体を含む)に対して再度取り付ける場合にも適用可能である。また、ストラット型やダブルウィッシュボーン型など種々のサスペンション形式のサスペンションアッセンブリ20に適用可能である。
【0044】
本発明に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】組付ステーションの斜視図である。
【図2】第1サブステーションの一部断面斜視図である。
【図3】サスペンションアッセンブリ及び搭載台の斜視図である。
【図4】コントローラのブロック構成図である。
【図5】本実施の形態に係るサスペンションアッセンブリ位置決め方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】距離センサをダンパ取付孔の近傍において板金との距離を略一定となるように動作させる様子を示す模式断面側面図である。
【図7】距離センサをダンパ取付孔の近傍で走査させる移動経路を示す模式平面図である。
【図8】位置決めを行う前のサスペンションアッセンブリとホワイトボディとの位置関係を示す模式正面図である。
【図9】位置決めを行った後のサスペンションアッセンブリとホワイトボディとの位置関係を示す模式正面図である。
【図10】従来技術に係る位置決め方法によるサスペンションアッセンブリの取り付け状態を示す模式正面図である。
【符号の説明】
【0046】
10…組付ステーション 12…ホワイトボディ
14…搬送ライン 16、18…サブステーション
20…サスペンションアッセンブリ 22…ダンパ取付孔
24…ダンパ孔用距離センサ 26…ロボット
44…ハブ(タイヤ取り付け位置) 50…ダンパ頭部
51…搭載台 52…ハブ用距離センサ
56…スライドテーブル 58…リニアセンサ
59…昇降機構
C1…第1基準位置 C2…第2基準位置
O…中心点 R1〜R3…経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションアッセンブリを車両枠体に取り付ける際に、前記車両枠体に対して前記サスペンションアッセンブリの位置決めをするサスペンションアッセンブリ位置決め方法において、
前記車両枠体における左右のダンパ取り付け位置を測定する工程と、
測定された左右のダンパ取り付け位置の車幅方向の中間点である第1基準位置を算出する工程と、
サスペンションアッセンブリの左右のタイヤ取り付け位置を測定する工程と、
測定された左右のタイヤ取り付け位置の車幅方向の中間点である第2基準位置を算出する工程と、
前記第1基準位置と前記第2基準位置とを一致させるように前記サスペンションアッセンブリ又は前記車両枠体の位置を調整する工程と、
を有することを特徴とするサスペンションアッセンブリ位置決め方法。
【請求項2】
請求項1記載のサスペンションアッセンブリ位置決め方法において、
前記車両枠体を搬送する搬送ラインの複数のステーションにおいて行われ、
前記ダンパ取り付け位置を測定する工程は、前記タイヤ取り付け位置を測定する工程を行うステーションよりも前のステーションで行われることを特徴とするサスペンションアッセンブリ位置決め方法。
【請求項3】
請求項1記載のサスペンションアッセンブリ位置決め方法において、
前記ダンパ取り付け位置を測定する工程は、非接触方式の距離センサにより前記ダンパ取り付け位置の周辺3箇所以上を走査することにより測定することを特徴とするサスペンションアッセンブリ位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−69826(P2007−69826A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261146(P2005−261146)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】