説明

サニタリークランプ

【課題】溶剤、酸、塩基および熱への耐性があり、材料の純度が要求される用途で使用可能であり、一回使用のみで、かつフレキシブルチューブ用の優れた密封および/または接続を提供しつつ、使い捨てにすることで、二次汚染の可能性を排除するクランプ継手を提供する。
【解決手段】各々漏斗状部で終端している一端部を有するバーブコネクタへのサニタリークランプの接続を説明する。サニタリークランプは、第1の端部と第2の端部の間に配設された第1の半円状中心部を有する第1の部材を備えている。第2の部材は、第1の端部と第2の端部の間に配設された第2の半円状中心部を有している。第1と第2の部材の第1の端部は、互いに回転可能に接続するように構成されており、第1の第2の部材の第2の端部が、係合している第1と第2の部材の第2の端部を選択的に係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年4月29日に提出された、米国特許出願番号第12/432,370号の優先権を主張し、その内容全体を本明細書に参照として組み入れる。
【0002】
本発明は、一対のサニタリー接続をともに保持する使い捨てサニタリークランプ(disposable sanitary clamp)に関する。
【背景技術】
【0003】
プラスチックやゴムから成るフレキシブルチューブは、医療、医薬品、バイオ医薬品、飲食料品、およびその他の研究分野において広く用いられている。医療機器から患者への接続といったあるアッセンブリのために、ステンレススチール製のコネクタやクランプを用いて、フレキシブルチューブの端部を接続している。ステンレススチール製のコネクタやクランプは、殺菌可能であるという利点があるため、再使用可能である。しかしながら、ステンレススチールコネクタは、製造費が嵩み、二次汚染を完全に防止することができない。
【0004】
溶剤、酸、塩基、熱への耐性がある材料から製造され、材料の純度が要求される用途で使用可能であるコネクタやクランプを提供することは有益であろう。また、フレキシブルチューブ用の優れた密封および/または接続を提供しつつ、一回のみの使用で使い捨てにすることで、二次汚染の可能性を排除するクランプを提供することは有益だろう。
【発明の概要】
【0005】
ここで説明するサニタリークランプの実施例は、上記の課題に対処可能であり、それらの端部に漏斗状のバーブコネクタ(barb connector)を有するフレキシブルチューブの部位を接続するためのクランプに関する。
【0006】
一実施例において、サニタリークランプは、各々漏斗状部に終端する端部を有するバーブコネクタ対の接続のために提供される。このサニタリークランプは、高分子熱可塑性重合体から構成され、コスト効率の高い使い捨てクランプを提供する。このサニタリークランプは、接続および係止(locked)してコネクタ対の漏斗状端部を収納する円形開口部を形成可能な第1と第2の半円状部材を含む。第1と第2の部材はまた、バーブコネクタ対の配設後に、第1と第2の部材を選択的に係止する係止装置を提供する第2の端部を有している。この実施例において、係止装置は、外歯を有するラチェットを備えている。このラチェットは、第1の部材に接続されている。係止装置は、第2の部材の第2の端部から延在するハウジングも備えている。このハウジングは、ラチェットを収容するように構成されている。また、ハウジングは、内部に形成され、ハウジング内のラチェットの歯の係止と係止解除をする移動経路を規定するロッカーロック(rocker lock)を有する側壁を備えている。
【0007】
係止装置の他の実施例は、ラチェットとハウジングを係合する別の機構を含むことができる。例えば、プライヤー(pliers)を用いて、ラチェットとハウジングを係合することができる。別の実施例において、ハンドルは、ラチェットをハウジングに挿入後に、ラチェットを引っ張ることによりラチェットとハウジングを係合するカム部を備えることができる。第3の実施例において、ハンドルは回動可能で、ラチェットを引き込んでハウジングと係合させる。
【0008】
ラチェットを備えていないサニタリークランプの別の実施例において、サニタリークランプは、接続および係止して、円形開口部を形成可能な第1と第2の半円状部材を備え、第1と第2の部材は、バーブコネクタをその中に配設後に、第1と第2の部材を選択的に係止する係止装置を提供する第2の端部も備えている。第2の部材の第2の端部に、ピンが回動可能に接続され、このピンが回転されて、第1の部材の第2の端部により規定されたアーム間に挿入できる。ピンに締結された(threaded)ハンドルを回転して、第1の部材に圧力を加えることができる。この結果、第1と第2の部材の間に圧力が存在することになり、第2の部材に対する第1の部材の移動を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここでは、添付図面を参照して説明を行い、複数の図面を通して、同一参照符号は同一の部品を示す。
【0010】
【図1A】バーブコネクタの漏斗状端部が配設され、第1と第2の部材を有するサニタリークランプの一例を実装するサニタリーアッセンブリの立面図である。
【0011】
【図1B】Oリングと、バーブコネクタの漏斗状端部対を図1Aのサニタリークランプに配設し、サニタリークランプの一例を実装するサニタリーアッセンブリの立面図である。
【0012】
【図1C】サニタリークランプに係止された図1Bのサニタリーアッセンブリの立面図である。
【0013】
【図2A】図1のサニタリークランプの分解図である。
【0014】
【図2B】ヒンジで接続された図2Aのサニタリークランプの斜視図である。
【0015】
【図2C】は、部分的に閉止位置にある図2Bのサニタリークランプの正面斜視図である。
【0016】
【図3A】平行閉止プライヤーにより係止装置を係止位置に置いた図1のサニタリークランプの側面図である。
【0017】
【図3B】係止位置にある図3Aの係止装置の断面図である。
【0018】
【図4】サニタリークランプの第2の実施例の上面図である。
【0019】
【図5A】第2の実施例によるサニタリークランプのハンドルとアクメねじとを有する係止ノブの立面図である。
【0020】
【図5B】ハンドルの上面を示す係止ノブの上面図である。
【0021】
【図5C】係止ノブの底面図である。
【0022】
【図6A】ラチェットに設置された係止ノブと係止解除位置にあるサニタリークランプの第1部材の部分断面図である。
【0023】
【図6B】係止位置にある係止ノブの部分断面図である。
【0024】
【図7】サニタリークランプの第3実施例の分解斜視図である。
【0025】
【図8】サニタリークランプの第4実施例の側面図である。
【0026】
【図9】仮想線で示されるハンドルを有するサニタリークランプの第4実施例のピンの側面図である。
【0027】
【図10】図9のハンドルの後端図である。
【0028】
【図11】サニタリークランプの第5実施例のピンの側面図である。
【0029】
【図12】サニタリークランプの第5実施例のピンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1Aから3Bについて説明する。サニタリークランプ10の第1の実施例は、漏斗状端部を有する2つのサニタリー接続12を接続するように構成されている。各サニタリー接続12は、一端に設けられ、チューブ(図示せず)に接続するバーブ接続14を有する管状部材13を備えている。各サニタリー接続12は、その終端18に拡張(expanded)円形開口部を有する漏斗状構造16を備えたバーブパイプ14の反対側の一端を備えている。
【0031】
サニタリー接続12対を流動可能かつ密封可能に接続できるサニタリークランプ10は、Elf Atochem North America 社の登録商標であるKynarという製品名で販売されているPVDF(polyvinylidene difluoride:ポリフッ化ビニリデン)重合体などの高分子量熱可塑性重合体から構成できる。Kynarは、通常、高純度、高強度、および溶媒、酸、塩基、および熱への耐性を要求される用途で用いるのに適している。代替品として、PSU(ポリサルフォン)もサニタリークランプ10を構成するのに用いることができる。
【0032】
サニタリークランプ10は、それぞれがヒンジ60で接続された、第1と第2の半円状部材20,40によりそれぞれ形成される。第1の部材20は、平行側壁対25と円形部22の内面の間に形成された内溝(interior groove)24を有するアーチ状の半円状部22を備えている。内溝24は、その間にOリングシール27を有するサニタリー接続対12の漏斗状構造16の終端部18の半円状部を収納できる構造と大きさに構成されている。半円状部22に隣接する第1の部材20の一端34は、ヒンジ60の雄部を形成する延長(extending)タブ26である。第1の部材20の反対側の端部20上に位置し、半円状部22に取り付けられているのは、半円状部22の端部29から実質的に垂直に延びる出張り(ledge)28である。出張り28の内面は、外歯32により、ラチェット30の反対側に沿ってラチェット30を坦持する。
【0033】
サニタリークランプ10の第2の部材40は、その内面41と平行側壁対43との間に内溝(inner groove)44を形成する中央半円状部42を有している。内溝44は、サニタリー接続12の終端対18の間に配設されたOリング27を収容するように構成されている。第2の部材40は、ヒンジ60の雌部を形成する一つの分岐端部(bifurcated end)45を有している。第1と第2の部材20、40は、それらの端部34,45において一緒に接続され、ヒンジ60を構成している。ヒンジ60は、第2の部材40の分岐端部45に第1の部材20の延長タブ26を接続するように形成され、従来の金属クランプと同様に所定の場所でクランプ10を回転させることができる。ヒンジ60は、クランプ10内のサニタリーコネクタ12の配置に干渉しないように、第1と第2の部材20,40の外面上に位置するように構成されている。
【0034】
第2の部材40は、端部45の反対側の端部47から延在し、ヒンジ部60から離れているハウジング46を有している。ハウジング46には、その中に第1の部材20のラチェット(ratchet)30を収納する穴(well)48が形成されている。第2の部材40のハウジング46は、反対側の側壁49を有している。側壁49は互いに鏡像になっているため、ただ1つの側壁46のみを説明する。側壁49の中央部において、その中にロッカーロック(rocker lock)50が形成されている。ロッカーロック50は、各側壁49に直接切り込まれ、これにより、ロッカーロックの中央部を側壁49の材料に接続する接続フランジ53を除き、ロッカーロック50の周囲に隙間/開口(gap/opening)51を残している。ロッカーロック50は、接続フランジ53の周囲を回転する(pivots)。ロッカーロック50の下端50aまたは上端50bのいずれかの上に手動で圧力を加えると、側壁49に対して、ロッカーロック50の反対側の端部50bまたは50aをそれぞれ外側に屈曲させる。隙間/開口51は、第1の部材20のラチェット30上の歯32を収納するような大きさで、ロッカーロック50の上端50bと下端50aに設定されている。ロッカーロック50の上端50bは、ボタン52の外側を延在するように形成され、ロッカーロック50の上端50bを手動で押し下げるのを容易にして、ハウジング46からラチェット30を開放する。
【0035】
図2Cから理解できるように、手動で第1の部材20に下方向の圧力が加えられるので、ラチェット30上の歯32が、ロッカーロック50の内面57に沿って摺動する。図3Aに示すような、平行閉止プライヤー(pliers)対70を用いて、図3に矢印で示すように、出張り28の上面29’と第1と第2の部材20,40のハウジング46とをそれぞれ押し下げることにより完全に閉じる。いったんロッカーロック50の隙間51に歯32がラッチされると、ロッカーロック50のボタン52を押し下げない限り、歯32を開放することはできない。隙間51内部の歯32を固く係止するには、図2Cに示すように、第1の部材20の出張り28に向けて歯32を上に屈曲させて、ハウジング46からラチェット30が簡単に抜けるのを防ぐ。
【0036】
図4〜6Cに示すように、使い捨てサニタリークランプ110用に、閉止(closure)と係止(locking)機構の別の実施例を提供することができる。サニタリークランプ110が、サニタリークランプ10の第1の部材20の代わりに第1の部材120を備えていても、サニタリークランプ110は、サニタリークランプ10に類似している。サニタリークランプ110の第1の部材120は、その出張り128を貫通する貫通開口(through aperture)129を備えている。開口129は、リブ状周辺上縁131により取り囲まれている。上縁131上のリブは、例えば、10度間隔で間隔が空けられている。第2の部材40は変わらない。
【0037】
開口129は、ハンドル122の底面171から延在するアクメねじ(acme thread)174に一体的に接続されたハンドル部172を有する係止ノブ170を収納するように構成されている。第2の実施例のラチェット130は、アクメねじ174を収納する中心空洞(central cavity)176を有する。アクメねじ174は、ラチェット部材130の中心空洞176内に挿入されるように構成されている。ラチェット部材130は、その上縁133に沿って出張り128の底面に接続し得る。代替的に、ラチェット部材130は、出張り128と第1の部材120から最初から離れている別部材であってもよい。別の実施例において、ラチェット130をハウジング46の縦穴48に挿入してから、係止ノブ170で所定の位置に固定される。係止ノブ170は、プライヤー70により第1の実施形態で行ったように、手締め以上にアッセンブリを完全に固く締結するように機能する。
【0038】
その中に設置されたアクメねじ174を有するラチェット130を置き、手動で圧力を加えて第2の部材40の縦穴48と接続したとき、ハンドル部172を時計方向に移動することができ、これにより、アクメねじ174が、ラチェット130とその関連する歯132をロッカーロック50方向に引っ張り、歯132を隙間51に係止し、手締め以上にアッセンブリを締結することができる。図6Aは、係止解除位置にある閉止(closure)を示す。図6Bは、係止位置にある閉止(closure)を示す。閉止が係止位置にあるとき、第2の部材40のハウジング46が、第1の部材120の出張り128へ引き上げられる。ハンドル172の係止位置は、上部材120の開口129のリブ状上縁131を介して、係止解除位置から0〜180度の間で10度ずつ増加するいずれの点であってもよい。第1の部材130のリブ状上縁131と協働する係止ノブ170のハンドル172の底面171に、図5Bに示す一体形成されたラチェット歯180は、ハンドル172がそれ自身の上で係止解除されることを防ぐ。
【0039】
図7に示すサニタリークランプ310の第3の実施例は、第1の半円状部材320と第2の半円状部材340とを含む。第1と第2の半円状部材320,340は、ヒンジ360で結合され、その間のOリングシール27でのサニタリー接続対12の漏斗状構造16の終端部18を収納する溝24,44をそれぞれ規定している。ヒンジ360の反対側の第1の部材320の一端322は、通常、U形状面328を規定する間隔を空けたアーム対324,326を備えることができる。ヒンジ360の反対側の第2の部材340の一端342は、開口344と、開口344内部で互いに向かって突出しているピン対346,348とを規定することができる。ピン対346,348は、第2の部材340の端部342からヒンジ360により規定された回転軸361に並行な方向に延在することができる。ピン380は、第2の部材340により規定されたピン346,348を収納する大きさの開口382を規定できる。ピン380は、開口382の反対側のその一端でねじ部384も規定することができ、ハンドル386は、ピン380のねじ部384の上に締結することができる。
【0040】
第2の部材340の開口344にピン380を挿入して、ピン346,348をピン380により規定された開口382と係合させ、第2の部材340の端部342にピン380を回転可能に結合させることができる。そのため、ヒンジ360により規定された回転軸361に並行な軸の周囲を、ピン380が回動可能である。ヒンジ360から離れたピン380を回転させて、サニタリー接続12の終端18とOリングシール27を、第2の部材340により規定された溝44に挿入することができる。第1の部材320の端部322が、第2の部材340の端部342と接触または近接するように、第1と第2の部材320,340を互いに向かって回転することができる。そして、ピン380を、第1の部材320により規定されたアーム324,326の間の位置に回転し、ハンドル386を回転させて、ハンドル386の底端部388を第1の部材320のU形状面328と係合させることができる。ハンドル386の底端部388と第1の部材320を係合させて、第2の部材340から離れた第1の部材320の回転を防ぎ、サニタリークランプ310によりサニタリー接続12を流動可能に結合できる。
【0041】
図8に示すサニタリークランプ410の第4の実施例は、ヒンジ460で互いに回転可能に結合した第1の部材420と第2の部材440とを含む。第1と第2の部材420,440は、サニタリー接続12の終端18を収納する溝24,44を規定できる。ヒンジ460の反対側の第1の部材420の端部422は、開口424と湾曲カム受容面426とを規定できる。図9に示すピン480は、第1の部材420により規定された開口484を通して装着できる大きさの第1の端部482を有し、ピン480の第1の端部482は、開口424を規定できる。ピン480により規定された留め具486を第1の端部482から離してよく、留め具486は、留め具486と第1の部材420の間の接触により、開口424を通るピン480の移動が制限されるように、第1の部材430により規定された開口424の少なくとも一部よりも大きくし得る。第1の端部482の反対側のピン480の第2の端部488は、ラチェットとして機能する、すなわち第2の端部488の反対側は、複数の歯489を規定できる。
【0042】
サニタリークランプ410は、カム部490を有するハンドル491も備えることができる。カム部490は、図10に示すように、溝492を規定する平行な側壁対490a,490bを備えることができ、ハンドル491も、溝492内で互いの方に向かって延在するピン対494,496も規定できる。溝492は、ピン対494,496で規定された軸に対し円周方向に延在できる。
【0043】
開口424を通して第1の部材420にピン480の第1の端部482を挿入した後、ピン480の第1の端部482を溝492に挿入して、ハンドル491のピン494,496をピン480により規定された開口484と係合し、これによりハンドル491とピン480を回転可能に結合することができる。
【0044】
ハンドル491をピン480に回転可能に結合させて、ハンドル491を回転させると、ハンドル491のカム部490を第1の部材420のカム受容面と係合させることができる。この係合の結果、ハンドル491の回転によりピン494,496をカム受容面426から離して移動させ、これにより、順に、その留め具486と歯489が、第1の部材420により規定された開口424に向けて移動するように、ピン480を移動させることができる。
【0045】
ヒンジ460から離れた第2の部材440の端部442は、ロッカーロック50と隙間51とを有する縦穴48を設けることができ、ロッカーロック50は、接続フランジ53を介して縦穴48に取り付けることができる。
【0046】
第1と第2の部材420,440を互いに離して回転させて、サニタリー接続12の終端部18とOリングシール27とを第2の部材440の溝44に挿入することができる。図9に示すように、ハンドル491を不活性(inactivated)位置にして、ピン480を縦穴48に挿入し、第1と第2部材420,440の端部422,442が、それぞれ互いに接触または近接するように、第1と第2の部材420,440を互いに向かって回転できる。第1と第2の部材420,440を互いの方に向かってそれぞれ回転させることで、第1の部材420をサニタリー接続12の終端18およびOリングシール27と係合させることができる。上述したように、ハンドル491を回転させて、そのカム部490を第1の部材420のカム受容面426と係合させ、これにより縦穴48の外の方向にピン480を引っ張ることができる。縦穴48の外の方向に引っ張られているピン480に応じて、ピン480上の歯489を縦穴48の隙間51に係合させ、これにより縦穴48に対するピン480の移動を制限して、サニタリークランプ410がサニタリー接続12に流動可能に結合する係合位置に、第1と第2の部材420,440をそれぞれ係止する。
【0047】
また、図示したサニタリークランプ10,110,310、および410は、それらの各機能を変えることなく、図示したものと異なる構成を取ることができる。例えば、図11に示すサニタリークランプ210は、図4〜6Cに示すサニタリークランプ110と基本的に同様に機能する。サニタリークランプ210は、ヒンジ260で回動可能に結合した第1と第2の部材220,240をそれぞれ備え、サニタリー接続12の終端部18とOリングシール27とを収納する溝22,44を規定している。ヒンジ260の反対側の第1の部材220の端部222は、開口224を規定し、ピン280が開口224を介して挿入されている。図12に示すピン280は、第1の部材220に接触して、第1の部材220の開口224を通してピン280の移動を制限する留め具282を備え、ピン280は、ねじ端部284とねじ端部284の反対側のラチェット端部286とを備えている。
ピン280のラチェット端部286の2つの反対側には、各々複数の歯288が備えられている。プラス状(plus-sign shaped)ハンドル290を、ピン280のねじ部284上に締結することができる。
【0048】
第2の部材240は貫通穴(through-bore)242を規定できる。穴242を部分的に規定している対向する側壁244は、各々接続用フランジ対248によりその側壁244に結合されたロッカーロック246を備えてよい。ロッカーロック246は、対向する側壁244に向けて内側に付勢され、ロッカーロック246の下端252を対向する側壁244から離れた外側に移動できるボタン250を備えることができる。ロッカーロック246の下端252と側壁244の間に隙間254を形成できる。
【0049】
第2の部材220と第1の部材240とを互いから離して回転して、サニタリー接続12の終端18を第2の部材240の溝44に挿入することができる。第1の部材220を第2の部材240に向けて回転して、ピン280を縦穴242に挿入することができる。ピン280のねじ部284周囲でハンドル290を回転させることができ、これにより順に、ハンドル290に向けて縦穴242から外側の方向にピン280を引っ張る。ピン280のラチェット端部286上の歯289と縦穴242により規定された隙間242との間の係合により、縦穴242の外側の方向へのピン280の移動を防ぐことができる。歯289と縦穴242との間を係合させることで、第2の部材240に対する第1の部材220の移動を防ぎ、これによりサニタリークランプ210を閉止位置に固定できる。
【0050】
それらの類似機能にも関わらず、サニタリークランプ110と比較して、サニタリークランプ210はいくつかの差異を有している。サニタリークランプ110の側壁244は、ロッカーロック246の上部を広げず、これによりボタン250を大きくすることが可能である。ピン280は、ねじ端部とラチェット端部284,286双方を有する一体型部材であるため、部品点数を削減することができる。ハンドル290の形状はプラス字形であるため、ハンドル290を簡単に掴むことができる。
【0051】
現在最も実施可能と考えられるものと、好適な実施例に関して本発明を説明したが、本実施例は開示した実施例に限定されず、むしる各種変形例と添付クレームの要旨と範囲に包含される等価な構成も網羅するのを意図していることを理解すべきである。なお、この範囲は、法的に許されている上記の全ての変形例と等価な構成を包含するような最も広い解釈に一致しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々漏斗状部で終端する一端を有するバーブコネクタ対に接続するためのサニタリークランプであって、
第1の端部と第2の端部の間に配設された第1の半円状中心部を有する第1の部材と、
第1の端部と第2の端部の間に配設された第2の半円状中心部を有する第2の部材とを備え、ここで前記第1と第2の部材の前記第1の端部が、互いに回動可能に接続され、前記第1と第2の部材の前記第2の端部が、係合状態の前記第1と第2の部材の前記第2の端部を選択的に係止する係止機構を含み、
前記係止機構は、前記第1の半円状部の前記第2の端部から延在する出張りと、前記第2の半円状部の前記第2の端部から延在するハウジングと、前記出張りから延在し、外歯を有するラチェットとを含み、前記ハウジングは、前記外歯を収納し、前記外歯と開放可能に係止するよう構成される
ことを特徴とするサニタリークランプ。
【請求項2】
前記出張りは、前記第1の半円状部から直交して延在することを特徴とする請求項1に記載のサニタリークランプ。
【請求項3】
前記ラチェットは、前記出張りの底面から延在している側壁を有し、前記歯が前記ラチェットの前記側壁に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサニタリークランプ。
【請求項4】
前記歯は、前記出張りの前記底面に向けて上側に曲がっていることを特徴とする請求項3に記載のサニタリークランプ。
【請求項5】
前記ハウジングは側壁を有し、
前記側壁のそれぞれは、その中に一体的に形成されたロッカーロックと、前記側壁から前記ロッカーロックの中間部まで延在する接続フランジとを有し、
前記ロッカーロックは、前記ロッカーロックの残りの部分の周囲に隙間を有し、前記側壁に対して前記ロッカーロックが屈曲できることを特徴とする請求項1または2に記載のサニタリークランプ。
【請求項6】
前記隙間は、前記ラチェトの歯の少なくとも1つを固定して収納および係止する大きさであることを特徴とする請求項5に記載のサニタリークランプ。
【請求項7】
前記係止機構は、前記ラチェットに結合されたハンドルを含み、
前記ハンドルは、前記ラチェットを前記ハンドル方向に付勢するように動作可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のサニタリークランプ。
【請求項8】
前記ハンドルから延在しているピンをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のサニタリークランプ。
【請求項9】
前記第1の部材の前記出張りが開口を規定し、前記ピンが前記開口を貫通することを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項10】
前記ラチェットと前記ハンドルが、互いに前記出張りの反対側にあることを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項11】
留め具が、前記ラチェットと前記出張りの間の前記ピンの上に配設され、
前記留め具は、前記出張りに対する前記ピンの移動を制限するよう動作可能であることを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項12】
前記ラチェットが、前記ハンドルの反対側の前記ピンの端部に配設されていることを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項13】
前記ハンドルは、前記ピンにより規定された軸の周囲を回転可能であり、
ねじ式係合が、前記ハンドルの回転に応じて、前記ラチェットを前記ハンドル方向に付勢するように動作可能であることを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項14】
前記ねじ式係合が、前記ラチェットと前記ハンドルの反対側の前記ピンのねじ部とにより規定された空洞の間の係合を含むことを特徴とする請求項13に記載のサニタリークランプ。
【請求項15】
前記ピンと前記ハンドルが、一体的に形成されていることを特徴とする請求項14に記載のサニタリークランプ。
【請求項16】
前記ピンの一端が、前記ラチェットを規定し、前記ピンの反対側の端部がねじ部を規定し、前記ねじ式係合が、前記ピンの前記ねじ部と前記ハンドルにより規定された空洞との係合を含むことを特徴とする請求項13に記載のサニタリークランプ。
【請求項17】
ヒンジが、前記ピンと前記ハンドルとを回転可能に結合することを特徴とする請求項8に記載のサニタリークランプ。
【請求項18】
前記ハンドルがカムを規定し、前記第1の部材がカム受容部を規定し、
前記ハンドルの前記カムは、前記ヒンジにより規定された軸の周囲の前記ハンドルの回転に応じて、前記第1の部材の前記カム受容部に接触するように動作可能であることを特徴とする請求項17に記載のサニタリークランプ。
【請求項19】
前記ハンドルの反対側の前記ハンドルの端部が、前記ラチェットを規定することを特徴とする請求項18に記載のサニタリークランプ。
【請求項20】
前記ハンドルの前記カムが、二つの離隔する側壁を含み、
前記ピンが、前記二つの離隔する側壁の間で前記カムに回転可能に結合されていることを特徴とする請求項18に記載のサニタリークランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−525556(P2012−525556A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508619(P2012−508619)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/032670
【国際公開番号】WO2010/126942
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504432770)ツイン ベイ メディカル,インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】TWIN BAY MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】11590 S.US−31 Williamsburg,Michigan 49690, U.S.A
【Fターム(参考)】