説明

サブ213nm波長を生成するためのCLBOにおける非臨界位相整合

【課題】今までに利用可能な構造よりも長い寿命、高い安定性、高い損傷閾値を与えるように特に処理された材料を使用して213nm又は213nm未満の波長の光エネルギを効果的且つ効率的に生成する光源を提供することが望ましい。
【解決手段】光エネルギを生成するための方法が提供される。方法は、約998nmの波長の基本周波数レーザエネルギを生成する段階と、基本周波数レーザエネルギの一部を第2高調波周波数レーザエネルギへ変換する段階と、第2高調波周波数レーザエネルギを第4高調波周波数レーザエネルギへ更に変換する段階と、第4高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて、和周波数のレーザエネルギを生成する段階とを含む光エネルギを生成するための方法を提供する。混合は、ホウ酸セシウムリチウム(CLBO)の結晶における非臨界位相整合によって行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体ウエハ検査システムやフォトマスク検査システムなどの検査システムと併せて使用される照明器に関し、特に、そのような検査システムと共に使用されるファイバ増幅器ベースの光源に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業においては、高いスループット及び分解能の向上を示すウエハ及びフォトマスク検査システムの需要が引き続き存在する。後に続く世代のそのような検査システムは、短い波長を有する光エネルギを使用してウエハ又はレチクルを照明することにより高い分解能を得る傾向がある。
【0003】
特定の実用的利点は、213nm又は213nm未満の波長を有する光でウエハ又はレチクルを照明する際に得られる場合がある。高品質ウエハ及びフォトマスク検査システムに適したレーザを供給することは、特別な課題を与える。DUV光エネルギを生成する従来のレーザは、一般に寿命が比較的短く平均出力が低い、大型で高価な装置である。ウエハ検査システム及びフォトマスク検査システムは、一般に、十分なスループット及び適切な欠陥信号対雑音比(SNR)のため、一般に高い平均出力、低いピーク出力、比較的短い波長を有するレーザを必要とする。
【0004】
適切なDUV出力を供給するための主な方法は、長い波長源から短い波長光を生成することを伴う。この波長変更プロセスは一般に周波数変換と呼ばれる。周波数変換は、非効率となる可能性があり、また、周波数変換結晶に対して十分な光を供給するために、高ピーク出力レーザを必要とする可能性がある。
【0005】
213nm未満、特に200nm未満の波長の光を生成することは非常に困難となり得る。半導体検査のために使用される光源は、比較的高い出力と、長い寿命と、安定した性能とを必要とする。高性能検査技術のためのこれらの要件を満たす光源は存在しない。現在のDUV周波数変換されたレーザの寿命及び安定性は、一般に、周波数変換結晶、特に、266、213、200、195nmのようなDUV波長に晒される周波数変換結晶によって制限される。
【0006】
DUVレーザにとって高い効率は重要である。高い効率は、熱の生成が少ない信頼できる小型の低出力基本波レーザ源を可能にする。低出力基本波レーザは、ファイバレーザが使用される場合には、スペクトル広がりを殆ど生み出さない。また、高い効率は、低コスト及び良好な安定性をもたらす傾向もある。これらの理由により、DUVへの効率的な周波数変換が比較的重要である。
【0007】
高速検査は、時間的に連続した一時的なプロファイル又は非常に高い繰り返し率でパルス状をなすプロファイルを有する光源を必要とする。そのような光源は、サンプル上の各結像位置が同じ或いは類似の強度を示すことが望ましいことから必要とされる。類似の強度は、例えば連続光源によって与えられる。また、類似の強度は、多くのパルスが各結像位置で平均化されるように十分高い繰り返し率で光源がパルス駆動される場合に与えられ得る。この場合、レーザのパルス性は一般に測定をもたらさない。
【0008】
高効率周波数変換及び高速検査のための要件は、レーザ光源が、好ましくは比較的高い繰り返し率のパルスモードで動作することである。このようにすると、高い変換効率及び高速検査を光源から得ることができる。
【0009】
この環境において、遠紫外線紫外線(UV−DUV)波長を含む波長を有するレーザベースの照明器又は照明装置は、以前のタイプの照明器を越える利点を与えることができる。十分な出力レベルで動作し、適切なSNRを与え、比較的安価で比較的長い寿命を有するそのような照明装置は、特定の先進的用途における他の照明器よりも好ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5742626号明細書
【特許文献2】特開平8−91997号公報
【特許文献3】特開2005−150252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、今までに利用可能な構造よりも長い寿命、高い安定性、高い損傷閾値を与えるように特に処理された材料を使用して213nm又は213nm未満の波長の光エネルギを効果的且つ効率的に生成する光源を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの態様によれば、光エネルギを生成するための方法が提供される。方法は、約998nmの波長の基本周波数レーザエネルギを生成する段階と、基本周波数レーザエネルギの一部を第2高調波周波数レーザエネルギへ変換する段階と、第2高調波周波数レーザエネルギを第4高調波周波数レーザエネルギへ更に変換する段階と、第4高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて、和周波数のレーザエネルギを生成する段階とを含む。混合は、ホウ酸セシウムリチウム(CLBO)の結晶における非臨界位相整合によって行なわれる。
【0013】
他の実施形態は、他の基本周波数の基本光エネルギを生成する段階と、基本周波数レーザエネルギの一部を例えばラマン線のレーザエネルギへシフトさせ及び/又は第2高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて第3高調波周波数レーザエネルギを生成することを使用する段階とを含む。
【0014】
本発明のこれらの利点及び他の利点は、本発明の以下の詳細な説明及び添付図面から当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】レーザ発振器を示す図である。
【図2】1つ以上のレーザ発振器と1つ以上のファイバレーザ増幅器とを組み合わせた照明器を示す図である。
【図3】テーパ状端部を有する大径ファイバを示す図である。
【図4】フォトニック結晶ファイバの断面の3つの例を示す図である。
【図5】単一の格子を使用するエネルギ拡散の一例を示しており、レーザから出る初期パルスが比較的短い期間にわたって生じて高いピーク出力を示す図である。
【図6】ポンプクラッドを使用するファイバレーザ増幅器へのハイブリッドフォトニック結晶ファイバを示す図である。
【図7】それぞれが同様の出力周波数値を有する複数のファイバレーザ増幅器を含む照明器を示す図である。
【図8】略同じ出力周波数を有する異なる形態の複数のファイバレーザ増幅器を示す図である。
【図9】複数のファイバレーザ増幅器を備える照明器であって、特定のファイバレーザ増幅器が異なる出力周波数を有する照明器を示す図である。
【図10】異なる出力周波数を有する複数のファイバレーザ増幅器の他の形態を示す図である。
【図11】qスイッチされた或いはモードロックされたパルス列を形成する装置を有する照明器を示す図である。
【図12】ファイバレーザ発振器を示す図である。
【図13】能動強度変調器を有するリング状に構成されたファイバレーザを示す図である。
【図14】ポンプクラッドを組み込む光ファイバの4つの断面を示す図である。
【図15】エンドポンピングの一例を示す図である。
【図16】レーザダイオードがポンプコンバイナの使用を伴わずにエンドからファイバをポンプするファイバレーザ発振器を示す図である。
【図17】サイドからポンプするレーザ発振器を示す図である。
【図18】4つの周期の複数の例を伴う異なる格子周波数を有する格子を示す図である。
【図19】チャープ格子を示す図である。
【図20】中実コアを有する偏光保持ファイバの1つのタイプを示す図である。
【図21】偏光保持フォトニック結晶ファイバの2つの断面を示す図である。
【図22】全てが同じ或いは類似の波長を使用する2つのファイバレーザ増幅器及び2つのファイバレーザ発振器を示す図である。
【図23】異なる波長を使用する2つのファイバレーザ増幅器及び2つのファイバレーザ発振器を示す図である。
【図24】レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、及び周波数変換媒体を備える照明器を示す図である。
【図25】入力光が結晶に入る状態の複屈折性結晶を示す図である。
【図26】磁区の方向が連続領域で交互になっている周期分極反転強磁性体を示す図である。
【図27】2つのファイバレーザ増幅器に供給する単一のレーザ発振器を示す図である。
【図28】いずれも同じ或いは類似する周波数を増幅する2つのファイバレーザ増幅器に供給するレーザ発振器を含む照明器を示す図である。
【図29】それぞれがレーザ発振器の利得帯域幅内の異なる波長を増幅する2つのファイバレーザ増幅器に供給するレーザ発振器を有する照明器を示す図である。
【図30】2つのレーザ発振器、2つのファイバレーザ増幅器、及び2つの周波数変換媒体を有する照明器を示す図である。
【図31】2つのレーザ発振器、2つのファイバレーザ増幅器、及び2つの周波数変換媒体を有し、2つのレーザ発振器が異なる波長を発してもよい照明器を示す図である。
【図32】その後に2つの周波数変換媒体に対して供給する単一のファイバレーザ増幅器に供給する単一のレーザ発振器を示す図である。
【図33】1つの周波数変換媒体から出て他の周波数変換媒体で第2の段階の周波数変換を受けるビームを示す図である。
【図34】ファイバレーザ増幅器に入るレーザ発振器からの光を示す図である。
【図35A】レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、周波数変換媒体、及び時間シフト媒体を示す図である。
【図35B】時間シフト媒体としての格子を示す図である。
【図36】ビームスプリッタ及び時間シフト媒体としての機能を果たす1つ以上の反射面を示す図である。
【図37】時間シフト媒体としての機能を果たすエタロンを示す図である。
【図38】レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、周波数変換媒体、及び空間平滑化媒体を示す図である。
【図39A】第1の空間平滑化媒体を示す図である。
【図39B】第2の空間平滑化媒体を示す図である。
【図40A】空間平滑化媒体の第1の更なる例を示す図である。
【図40B】空間平滑化媒体の第2の更なる例を示す図である。
【図40C】空間平滑化媒体の第3の更なる例を示す図である。
【図41】レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、周波数変換媒体、及びスペクトルシフト媒体を示す図である。
【図42A】フォトニック結晶フィルタを示す図である。
【図42B】様々なスペクトルシフト媒体の断面を示す図である。
【図43】ガスを収容するセルを有するスペクトルシフト媒体を示す図である。
【図44】レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、周波数変換媒体、及び像中継システムを含む照明サブシステムを示す図である。
【図45A】図39及び図40に示される形態の下流側に位置してもよい像中継システムの例を示す図である。
【図45B】図39及び図40に示される形態の下流側に位置してもよい像中継システムの例を示す図である。
【図46】一般に暗視野イメージング用に形成された像中継システムを示す図である。
【図47】基本周波数及び第4高調波を混合することによるホウ酸セシウムリチウム(CsLiB10すなわちCLBO)における非臨界位相整合によってサブ213nmレーザエネルギを生成するステップを示す図である。
【図48】ラマンシフトされた第4高調波と基本周波数とを混合することによるCLBOにおける非臨界位相整合によってサブ213nmレーザエネルギを生成するステップを示す図である。
【図49】基本周波数と第3高調波とを混合することによるCLBOにおける非臨界位相整合によってサブ213nmレーザエネルギを生成するステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面の図において、発明を限定的ではなく一例として説明する。
【0017】
この構造によれば、少なくとも1つのレーザ発振器と少なくとも1つのファイバレーザ増幅器を備えるウエハ検査システム又はフォトマスク検査システムのための照明器が提供される。レーザ発振器は固体レーザ又は半導体ダイオードレーザであってもよく、また、レーザ発振器は、qスイッチされた或いはモードロックされたパルス列を形成するための手段を組み込んでもよい。照明器の性能を高めるために、ピーク出力低減ハードウェア、周波数変換媒体、空間シフト媒体、空間平滑化媒体、像中継ハードウェア、時間シフト媒体を含むが、これらに限定されない様々な装置が使用されてもよい。
【0018】
また、この構造は高性能光源を提供することができ、その場合、光エネルギを生成するための新規な方法が提供される。方法は、基本周波数レーザエネルギを生成する段階と、基本周波数レーザエネルギの一部を第2高調波周波数レーザエネルギへ変換する段階と、第2高調波周波数レーザエネルギを第4高調波周波数レーザエネルギへ更に変換する段階と、第4高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて、和周波数のレーザエネルギを生成する段階とを含む。混合は、ホウ酸セシウムリチウム(CLBO)の結晶における非臨界位相整合によって行なわれる。
【0019】
他の実施形態は、他の基本周波数の基本光エネルギを生成する段階と、基本周波数レーザエネルギの一部を例えばラマン線のレーザエネルギへシフトさせ及び/又は第2高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて第3高調波周波数レーザエネルギを生成することを使用する段階とを含む。
【0020】
<ファイバベースの照明器>
図1及び図2は、ウエハ又はフォトマスク検査システムのための照明器を示している。図1はレーザ発振器101を示しており、一方、図2は、1つ以上のレーザ発振器201と1つ以上のファイバレーザ増幅器202とを組み合わせる更にやや複雑な照明器を示している。この構造は、利得媒体が光ファイバを備えるウエハ検査システム又はフォトマスク検査システムのための照明器である。光学結晶の付加を伴う光ファイバ技術は、狭帯域光を広げることにより或いは光を1つの狭帯域波長から他の狭帯域波長へとシフトさせることにより光波長の調整を可能にする。
【0021】
また、この構造は、検査のためにウエハ又はフォトマスクを照明しようとするものであり、1つ以上のレーザを使用してコヒーレント光を生成し、その後、1つ以上のファイバレーザ増幅器を用いてコヒーレント光を増幅することを含む。特定の実施形態において、構造は、後述するようにファイバレーザ増幅器内でシングルモード伝搬を維持してもよい。
【0022】
ファイバレーザ増幅器202のパワーハンドリング能力は、比較的大きな直径を有するファイバを使用することにより高められてもよいが、これは波面の質を低下させる可能性があり、また、ファイバレーザ増幅器202がマルチモード挙動を示す場合がある。この構造において、ファイバレーザ増幅器202は、図3に示されるようにテーパ状端部を有する大径ファイバを備えていてもよい。光子は、大面積入力部301を通じてテーパ領域に入る。コア304のサイズはテーパ領域302で減少し、一方、クラッド303のサイズは減少してもよく或いは一定のままであってもよい。テーパ状端部は、ファイバレーザ増幅器において高次モードを抑える傾向がある。ビームは、ファイバから出て、出力部305へ向けてシングルモードで伝搬し、出力部305を通過する。
【0023】
他の構造は、フォトニック結晶ファイバをファイバレーザ増幅器202に組み込むことにより或いは変性屈折率プロファイルを有する光ファイバを組み込むことにより、シングルモードを伴う高品質波面(すなわち、ガウスビームプロファイル)を与える。フォトニック結晶ファイバはマルチコアファイバであってもよい。図4は、フォトニック結晶ファイバ401、402及び403の断面の3つの例を示している。3つの全ての例において、灰色領域はガラス又はドープガラスを表わしており、白色領域は空気を表わしている。第1のファイバ401は、ドープファイバコア406と、外側クラッド404と、リング形態で配置された空気クラッドの複数のチャネル405とを示している。第2のファイバ402及び第3のファイバ403は、ハニカム形態で配置された空気クラッドチャネルを示している。これらの形態は、一般に、ファイバ長に沿って空間的に均一である。空気クラッドチャネル405は、約50ミクロンよりも大きい直径を有するファイバ内でシングルモードを有する高品質波面を容易にする。
【0024】
モード領域は増大されてもよい。ここで、モード領域は、光ファイバ媒体によって占められる領域であり、シングルモード出力は、ファイバレーザ増幅器を曲げることによって、ファイバレーザ増幅器の端部をテーパ状にすることによって或いはファイバレーザ増幅器202の屈折率を変えることによってファイバレーザ増幅器202内で得られる。
【0025】
レーザ発振器201の帯域幅内で、ファイバレーザ増幅器202を増幅させるための周波数は、イッテルビウム、エルビウム、ツリウム、ネオジム、プラセオジム、又は、ホルミウムなどの適切なランタニド元素でファイバレーザ増幅器202をドープすることによって評価されてもよい。
【0026】
非線形効果は、ファイバレーザ増幅器から出る狭帯域光を広げる可能性があり、一般に望ましくない。広帯域光は、その後の周波数変換プロセスの効率を低下させる可能性がある。この構造において、非線形効果は、光エネルギパルスがファイバレーザ増幅器202に入る前にパルスを拡張させる(経時的に)ことにより、或いは、比較的大きなシングルモード出力を生成できるファイバを使用することにより扱われる。比較的大きなシングルモード出力は、ポンプクラッドを有するハイブリッドフォトニック結晶ファイバをファイバレーザ増幅器202に組み込むことによって得ることができる。
【0027】
パルスのエネルギを経時的に広げることにより、パルスの全エネルギは維持されるが、ピーク出力が減少する可能性がある。図5は、単一格子を使用したエネルギ拡散の一例を示している。この場合、レーザから出る初期パルス501は、比較的短い期間にわたって起こり、高いピーク出力を示す。初期パルス501は格子502を通過することができる。その後のパルス503は、長い期間にわたって起こり、類似した全エネルギを有することができるが、低いピーク出力を有する。集束レンズ504は、パルスレーザビームをファイバ増幅器505へ合焦させることができる。マルチプルパス形態又はマルチプルパルス形態のミラーなどの反射面に加えて、複数の格子が使用されてもよい。
【0028】
エネルギ拡散を達成するため、この構造は、レーザ発振器をポンプしてコヒーレント光を生成し、レーザ発振器をモードロックし或いはqスイッチしてパルス出力ビームを形成し、パルス出力ビームのパルスを広げ、少なくとも1つのファイバレーザ増幅器を用いてコヒーレント光を増幅させることにより、ウエハ又はフォトマスクなどの試験片を照明してもよい。なお、この構成では、前述の構造によって複数のレーザ発振器が使用されてポンプされてもよい。モードロッキング及びqスイッチングは当業者に公知のレーザ技術であるが、一般に、モードロッキングは、レーザ内で各モード毎にレーザエネルギ量を変調して、所望の特性を有するエネルギバーストを選択的に生成することを含む。Qスイッチングは、比較的高いレベルの反転(光学利得及びエネルギ蓄積)をレージング媒体で得ることができるまでレージング作用を防止するためにレーザ装置の光学共振器部分で使用されてもよい。
【0029】
ファイバレーザ増幅器で非線形効果を回避するために使用される第2の技術は、モード領域を増大させることである。この構造は、図6に示されるポンプクラッドを使用してハイブリッドフォトニック結晶ファイバをファイバレーザ増幅器202に組み込んでもよい。比較の目的で、図6は、小さなシングルモードを有するビームを可能にする従来のシングルモードファイバ601を示している。従来のシングルモードファイバ601は、外側クラッド602を持つ比較的小さなドープファイバコア603を有する。ポンプクラッド604を有するハイブリッドフォトニック結晶ファイバは、レーザシングルモードビームを伝搬させることができるとともに、フォトニック結晶構造を有するドープファイバコア607、ポンプクラッド606、及び外側クラッド605を含んでもよい。
【0030】
複数のファイバ増幅照明器は、増大された出力又は増大された数の利用可能な波長を与えることができる。図7は、それぞれが同様の出力周波数値を有する複数のファイバレーザ増幅器を含む照明器を示している。図7から分かるように、照明器は、2つのレーザ発振器701及び703ならびに、2つのファイバレーザ増幅器702及び704を含んでもよい。両方のレーザ発振器701、703は同様の中心周波数λを生成する。ここで、添え字「1」は、レーザ発振器701及び703の出力が増幅されないことを示している。両方のファイバレーザ増幅器702及び704は略同じ周波数を有する光を増幅する。λの前の文字「X」は、増幅器がレーザの出力の強度に係数を乗じたことを示している。
【0031】
また、図8は、異なる形態の略同じ出力を有する複数のファイバレーザ増幅器を示している。図8から分かるように、照明器は、2つのファイバレーザ増幅器802及び803に供給する1つのレーザ発振器801を含んでもよい。両方のレーザ増幅器802及び803は、略同じ周波数を増幅する。図8の形態は、レーザ発振器801から2つのファイバレーザ増幅器802及び803へ出力光を供給するためにビームスプリッタ804又は他の装置を必要としてもよい。図7及び図8における形態は、利用可能な出力を増大させることができ、或いは、同じ検査システム内で明視野イメージング及び暗視野イメージングを可能にするために、略同じ周波数を有する光の複数のチャネルを供給することができる。
【0032】
図9は、複数のファイバレーザ増幅器を備える照明器を示しており、特定のファイバレーザ増幅器が異なる出力周波数を有する。図9は、2つのレーザ発振器901及び903と2つのファイバレーザ増幅器902及び904を有する照明器を示している。両方のレーザ発振器901及び903は同様の中心周波数(λ)を生成する。第1のファイバレーザ増幅器902は、第1のレーザ発振器901の利得帯域幅内で1つの波長λを選択的に増幅してもよく、また、第2のファイバレーザ増幅器904は、第2のレーザ発振器903の利得帯域幅内で異なる波長λを選択的に増幅する。
【0033】
図10は、異なる出力周波数を有する複数のファイバレーザ増幅器の代替的な形態を示している。図10は、1つのレーザ発振器1001ならびに2つのファイバレーザ増幅器1002及び1003を有する照明器を示している。第1のファイバレーザ増幅器1002は、レーザ発振器1001の利得帯域幅内で1つの波長λを有する光を選択的に増幅する。第2のファイバレーザ増幅器1003は、同じレーザ発振器1001の利得帯域幅内で異なる波長λを有する光を選択的に増幅する。この代替的な形態は、レーザ発振器1001から2つのファイバレーザ増幅器1002及び1003へと出力光を供給するために、ビームスプリッタ1004又は他の装置を使用することができる。図9及び図10の形態は、異なる材料及び異なる厚さを有する層の検査を容易にすることができる。
【0034】
図9及び図10の装置は、レーザ発振器をポンプしてコヒーレント光のビームを生成し、コヒーレント光の前記ビームを複数のサブビームに分けるとともに、複数のファイバレーザ増幅器を使用してコヒーレント光のサブビームを増幅させることにより、ウエハ又はフォトマスクなどの試験片を照明するために使用されてもよい。或いは、ファイバレーザ増幅器は、レーザ発振器の利得帯域幅内で同じ或いは同様の波長を増幅してもよい。他の実施形態は、レーザ発振器の利得帯域幅内で異なる波長を増幅する各ファイバレーザ増幅器を伴ってもよい。
【0035】
一般に、図7〜図10の形態と類似する形態では、任意の数のレーザ発振器及びファイバレーザ増幅器が使用されてもよく、また、そのような構造は、コスト及び性能において特定のトレードオフに直面する場合がある。
【0036】
レーザ発振器201は、実質的には固体レーザや半導体ダイオードレーザなどの任意のタイプのレーザであってもよい。半導体レーザは、一般に、数百ミリワットの出力と、600〜900nmの中心波長を有する。
【0037】
ウエハ及びフォトマスク上の小さな特徴の高分解能検査は、比較的短い波長を有する光によって促進させることができる。特定のタイプの検査は、ファイバレーザ増幅器によって出力される光周波数を変換するためのハードウェアを有する照明器を必要とする可能性がある。効率的な周波数変換は、一般に、比較的高いピーク出力を必要とし、また、比較的高いピーク出力の生成は、qスイッチされた或いはモードロックされたパルス列を形成するための1つ又は複数の装置を使用してもよい。
【0038】
図11は、少なくとも1つのレーザ発振器1101と、少なくとも1つのファイバレーザ増幅器1102と、qスイッチ或いはモードロックパルス列形成装置1103を有する検査システムのための照明器を示している。図11の装置を使用する照明は、レーザ発振器をポンプしてコヒーレント光を生成し、前記1つ又は複数のレーザ発振器をモードロックし或いはqスイッチしてパルス状の出力ビームを形成するとともに、1つ以上のファイバレーザ増幅器を用いてコヒーレント光を増幅することを含んでもよい。
【0039】
高いピーク出力は、一般に、効率的な周波数変換において有用であるが、ビームにおけるピーク出力は繰り返し率に反比例する。したがって、比較的低い繰り返し率が比較的高いピーク出力を生み出す。高い繰り返し率は、試験片から反射される信号或いは試験片を通じた信号を取得するために使用される時間領域積分(TDI)センサの性能を高めることができる。
【0040】
qスイッチされた或いはモードロックされたパルス列1103の形成は、受動素子又は能動素子を使用してもよい。受動素子は、例えば、半導体材料又はカーボンナノチューブから形成される可飽和吸収体であってもよい。能動素子は、例えば、音響光学変調器、電気光学変調器、反射率が制御された能動ミラー、或いは、電子スイッチであってもよい。
【0041】
図12はファイバレーザ発振器1206を示しており、この場合、ブラケットは、ブラケットの右側にある全ての構成要素が協働してファイバレーザ発振器を形成することを示している。1つのミラーは、qスイッチされ或いはモードロックされたパルスを生成する可飽和吸収体1201であってもよい。可飽和吸収体1201は、連続波レーザから光を受けるときに短いタイムスケールにわたって吸収性から反射性へと変化するnドープ及びpドープが交互になされた約50〜80個の範囲の層を有する半導体材料から、一般的には、ガリウムヒ素ヘテロ構造から形成されるブラッグリフレクタであってもよい。可飽和吸収体1201とドープファイバ1205との間にコリメータレンズ1207が位置されてもよく、或いは可飽和吸収体1201がドープファイバ1205に対して直接に貼り付けられてもよい。
【0042】
可飽和吸収体1201は、一般に、ファイバの長さに応じて約5〜100MHzを越える範囲の繰り返し率を与えてもよい。可飽和吸収体1201がキャビティの往復時間よりも速く動作する限り、キャビティの長さが繰り返し率を決定する。この構成において、1.875メートルのファイバ長は、一般に、約80MHzの範囲のある場所の繰り返し率をもたらす。
【0043】
ファイバレーザ発振器1206の第2のミラーは出力格子1204である。複数のレーザダイオード1202が利得媒体をポンプしてもよく、ドープファイバ1205がポンプクラッドによって取り囲まれてもよい。ポンプコンバイナ1203は、光をレーザダイオード1202から、ドープファイバ1205を取り囲むポンプクラッドへと方向付けてもよい。
【0044】
図13は、能動強度変調器1302を有するリング状に構成されたファイバレーザ発振器1301の一例を示している。ファイバリング共振器1303は、ポンプクラッドを有する光ファイバを含んでもよい。2つのレーザダイオード1304がポンプエネルギを供給する。図示のようにドープファイバ1305が設けられていてもよい。
【0045】
この構造は、1つ以上のファイバレーザ発振器をポンプしてコヒーレント光を生成することにより照明してもよい。ファイバレーザ発振器は比較的コンパクトで安価となりやすい。照明器は、1つ以上のレーザ発振器と1つ以上のファイバレーザ増幅器とを含んでもよく、その場合、少なくとも1つのレーザ発振器がファイバレーザ発振器である。例えば、図2のレーザ発振器201のうちの1つ以上がファイバレーザ発振器であってもよい。この構造は、ファイバレーザ発振器とファイバレーザ増幅器との組み合わせを含んでもよい。そのような構造は、少なくとも1つのファイバレーザ発振器をポンプしてコヒーレント光を生成するとともに、1つ以上のファイバレーザ増幅器を使用してコヒーレント光を増幅してもよい。ファイバレーザ発振器とファイバ増幅器との組み合わせは、比較的高い出力及び高いビーム品質を与える傾向がある。
【0046】
少なくとも1つのファイバレーザ発振器と少なくとも1つのファイバレーザ増幅器とを有する照明器は、ファイバレーザ発振器のためのポンピングシステムとして1つ以上のレーザダイオード1202を含んでもよい。この個々のレーザダイオード1202は一般に1〜5ワットの範囲のエネルギを生成する。レーザダイオード1202のバー又は配列は10〜40ワットの範囲で生成することができる。レーザダイオード1202は、光ファイバの吸収ピーク付近の波長で光エネルギを生成してもよい。ポンプダイオードは、ファイバレーザ発振器よりも短い波長を有する光を発してもよい。
【0047】
密接に関連する構造は、ファイバレーザ発振器とファイバレーザ増幅器とを備え、且つファイバレーザ発振器又はファイバレーザ増幅器のいずれかがポンプクラッドを組み込む検査システムのための照明器である。図14は、ポンプクラッドを組み込む光ファイバの4つの断面1401、1402、1403及び1404を示している。各断面において、内部の白い円はドープファイバコア1405を表わしている。暗い或いは黒い領域は外部クラッド1407を表わしている。中間又は灰色の領域はポンプクラッド1406を表わしている。
【0048】
ポンプクラッド1406は、ポンプ光を伝搬させることができるようにドーピングを伴わない光ファイバを含む。ポンプクラッド1406は、ファイバの長さの下側へポンプ光を案内する。ポンプ光がドープファイバコア1405を通じて複数間反射し、それにより、ドープファイバコア1405がポンプ光を吸収する可能性が高くなる。ポンプクラッド1406は、ドープファイバコア1405の長さの全体にわたって均一な吸収を容易にする。吸収は、断面1402に示されるようにファイバアセンブリの中心から離れて、ドープファイバコア1405を位置させることにより高められる。非対称な光ファイバ形態1403及び1404は、対称な断面形態1401と比べて吸収を増大させることができる。
【0049】
この構成を用いて、照明は、ファイバレーザ発振器をポンプしてコヒーレント光を生成するとともに、1つ以上のファイバレーザ増幅器を使用してコヒーレント光を増幅することを含んでもよい。ポンピングは、ポンプクラッドを使用してファイバレーザ発振器をポンプすることを含んでもよい。ポンプ光は、発振器のエンドから光をポンプすることによりファイバレーザ発振器に注入されてもよい。図15はエンドポンピングの1つの例を示している。入力ポンプ光1501はファイバレーザ発振器の左側に入る。断面図は、屈折率が最も高いドープファイバコア1502、中心の白色領域、屈折率が中程度のポンプクラッド1503、ドープファイバコアを取り囲む中間の或いは灰色の領域、及びファイバの外側の暗い或いは黒い領域によって表わされる屈折率が低い外側クラッド1504を示している。ポンプクラッド1503は、ポンプレーザ光子吸収を高めることができるとともに、ファイバレーザ発振器の全体にわたって吸収の空間的均一性を高めることができる。なお、図12もポンプクラッドを使用したファイバレーザ発振器のエンドポンピングを示している。幾つかのレーザダイオード1202がポンプエネルギに寄与し、また、ポンプコンバイナ1203がエネルギをポンプクラッドへ方向付ける。エンドポンピングは、ファイバレーザ増幅器及びファイバレーザ発振器に適用されてもよい。
【0050】
図16は、ポンプコンバイナを使用することなくレーザダイオード1602がエンドからファイバをポンプするファイバレーザ発振器又は増幅器1601の図を示している。ファイバ内で生じる光からポンプ光を分離するためにダイクロイックミラー1603が使用されてもよい。
【0051】
ポンプ光は、サイドからファイバレーザ発振器内に交互に注入されてもよい。図17は、サイドからのポンピングの1つの実施形態を示している。ポンプダイオード入力1704は、プリズム1705及び屈折率整合流体又は機械的なカップリング1706を通じてファイバレーザ発振器の左上に入る。プリズム1705の屈折率は、ポンプクラッド1702の屈折率と一致していてもよく或いは屈折率に近くてもよい。屈折率整合流体1706は、プリズム1705とポンプクラッド1702との間の空気と置き換わって反射を最小限に抑えてもよい。
【0052】
構造は、ファイバレーザ発振器のための出力カップリングミラーとしての機能を果たすファイバブラッグ格子を図12の格子1204として使用してもよい。そのような構造では、ファイバレーザ発振器における少なくとも1つのミラーが格子を含んでもよい。格子の構造はミラー又は反射面の反射率にかなりの影響を与える。これは、ミラーにおける周期の数が大きくなればなるほど、反射率も大きくなるからである。また、格子は、ファイバレーザ発振器の広帯域光をフィルタ処理することもできる。周期同士の間の間隔は、利得を受けるファイバの利得帯域幅内の周波数を決定する。そのような構造により、ファイバレーザ発振器が狭帯域出力を有することができる。
【0053】
また、格子は、光の群速度分散を制御することができ、それにより、パルスを壊して、増幅器に入る光のピーク出力を下げる。増幅器に入る光のピーク出力を下げると、増幅器の線形動作を維持することができる。また、格子は、ファイバレーザ発振器が幾つかの別個の狭帯域波長で光を発するように作用してもよい。このようにすると、単一のファイバレーザ発振器が多数の検査波長を供給できる。したがって、照明器は、異なる格子周波数を使用する格子を含んでもよい。
【0054】
図18は、4つの周期1802、1803、1804及び1805の複数の例を伴う異なる格子周波数を有する格子1801を示している。このタイプの格子により、ファイバレーザ発振器は、発振器の利得帯域幅内の4つの別個の波長の狭帯域光を発することができ、それぞれの別個の波長は4つの周期のうちの1つに対応している。
【0055】
格子によってファイバレーザ発振器が広帯域光を発することができてもよい。そのような構造は、チャープ格子、例えば図19のチャープ格子1901を有するファイバレーザ発振器を含む。そのような構造は、連続的に変化する周期を与えることができ、それにより、ファイバレーザ発振器が広帯域出力を有する。
【0056】
短波長光エネルギの利益を享受する特定の用途では、周波数変換結晶を通じて光が伝えられてもよい。周波数変換結晶は、単一の偏光度を示す光エネルギに位相整合を与える。そのような構造において、照明器は、偏光保持ファイバを有するファイバレーザ発振器を含んでもよい。図20は、中実コアを有する偏光保持ファイバの1つのタイプを示している。中心の白色領域はドープファイバコア2004である。ドープファイバコア2004を取り囲む灰色又は中間の領域はポンプクラッド2003である。ポンプクラッドを取り囲む黒色又は暗い領域は外部クラッド2002である。また、構造は、非対称構造を有する異なる材料2001を含み、或いは、中実コアの断面の対称性を低下させるように構成されている。異なる材料2001は、中実コアを複屈折にする内部応力を形成し、その結果、1つの偏光の光を好むファイバが得られる。異なる材料2001は例えばガラス又はポリマーであってもよい。
【0057】
図21は、偏光保持フォトニック結晶ファイバ2101及び2102の2つの断面を示している。第1のファイバ2101の断面内において、図21は、ドープファイバコア2106と、空気クラッド2105と、外部クラッド2104とを示している。ファイバは、非対称構造を有する他の材料2103を含んでもよい。第2のファイバ2102の断面内では、空気チャネルが非対称に配置されてもよい。これらの両方の形態2101及び2102により、フォトニック結晶ファイバは単一偏光の光を好むようになる。したがって、ファイバレーザ発振器又はファイバレーザ増幅器内で光エネルギ偏光が制御されてもよい。
【0058】
この構造では複数のファイバレーザ発振器が使用されてもよい。同じ波長を有する複数のファイバレーザ発振器を使用して、利用可能な出力を増大させ、或いは、明視野及び暗視野イメージングのための別個のチャネルを与えてもよい。したがって、照明器において、ファイバレーザ発振器は同じ或いは類似の発光波長を有してもよい。
【0059】
図22は、2つのファイバレーザ発振器2201及び2203ならびに2つのファイバレーザ増幅器2202及び2204を示している。両方のファイバレーザ発振器2201、2203が同じ発光波長(1λ)を有し、両方のファイバレーザ増幅器が同じ発光波長(Xλ)を有する。添字「1」は、ファイバレーザ発振器2201及び2203からの出力が増幅されないことを示している。「X」値は、ファイバレーザ増幅器2202及び2204からの出力がXの値だけ増幅されることを示している。
【0060】
図23は、2つのファイバレーザ発振器2301及び2303ならびに2つのファイバレーザ増幅器2302及び2304を示している。両方のファイバレーザ発振器2301及び2303が同じ或いは類似の発光波長(1λ)を有する。第1のファイバレーザ増幅器2302は、第1のファイバレーザ発振器2301の利得帯域幅内で1つの波長(Xλ)を増幅してもよく、また、第2のファイバレーザ増幅器2304は、第2のファイバレーザ発振器2303の利得帯域幅内で異なる波長(Xλ)を増幅してもよい。2つのファイバレーザ発振器は、出力ビームを混合して第3の周波数のコヒーレント光を生成できる能力を与えてもよい。
【0061】
最先端のウエハ及びフォトマスク上の小さい特徴の高分解能検査は、198nm又は248nmとなり得るウエハ露光具の波長付近の波長を有する光を必要とする場合がある。ファイバ光学利得媒体を使用する検査システムは、周波数変換媒体を有する照明器の利益を享受できる。図24は、レーザ発振器2401と、ファイバレーザ増幅器2402及び周波数変換媒体2403を備える照明器を示している。
【0062】
周波数変換媒体は、ニオブ酸リチウム、βホウ酸バリウム、リチウムホウ酸バリウム、ホウ酸セシウムリチウムバリウム、又は、他の複屈折結晶などの非線形結晶であってもよい。図25は、入力光2502が結晶中に入っている状態の複屈折結晶2501を示している。周波数変換された光2504及び周波数変換されていない光2503が結晶から出る。
【0063】
また、周波数変換媒体は、周期分極反転ニオブ酸リチウム、マグネシウムストロンチウムニオブ酸リチウム、BaMgF、又は、KTP系列の材料(MTiOXO、ここで、MはK、Rb又はCsであり、XはP又はAsである)などの周期分極反転材料であってもよい。図26は、磁区の方向が連続領域で交互になっている周期分極反転強磁性体を示している。周期分極反転材料の上端2601では、周期の大きさが一定である。周期分極反転材料の下端2602では、材料の長さに沿って周期の大きさが変化し、或いは、周期的なポーリングが「チャープされている」。チャープされる結晶の代わりに、磁区が「扇型に広げられる」(V字形状をなす)周期分極反転結晶が設けられてもよい。用途に応じて他のタイプの周波数変換媒体が設けられてもよい。
【0064】
ファイバレーザ増幅器及び周波数変換媒体を異なる場所に配置すると、光学素子の熱安定性を損なうファイバレーザ増幅器及び関連するポンプダイオードからの廃熱ができないこと、及び有効なスーペース利用を含む特定の利益を与えることができる。
【0065】
図27〜図30は、レーザ発振器、ファイバレーザ増幅器、及び周波数変換媒体の様々な形態を示している。図27は、2つのファイバレーザ増幅器2702及び2703に供給する単一のレーザ発振器2701を示している。両方のファイバレーザ増幅器2702及び2703からの増幅光が同じ周波数変換媒体2704に入ってもよい。図27の構造は、周波数変換ステップの前に付加的な増幅を与えることができる。図28は、いずれも同じ或いは類似する周波数を増幅する2つのファイバレーザ増幅器2802及び2803に供給するレーザ発振器2801を含む照明器を示している。各ファイバレーザ増幅器が単一の周波数変換媒体に供給してもよい。第1のファイバレーザ増幅器2802が1つの周波数変換媒体2804に供給してもよく、一方、第2のファイバレーザ増幅器2803が他の周波数変換媒体2805に供給してもよい。そのような構造は、同じ或いは類似する波長を示す2つの周波数逓倍ビームを供給することができるとともに、高分解能を有する暗視野及び明視野検査の両方を可能にする検査システムで使用されてもよい。
【0066】
図29は、それぞれがレーザ発振器の利得帯域幅内の異なる波長を増幅する2つのファイバレーザ増幅器2902及び2903に供給するレーザ発振器2901を有する照明器を示している。各ファイバレーザ増幅器がそれ自体の周波数変換媒体に供給してもよい。ファイバレーザ増幅器2902が周波数変換管媒体2904に供給してもよく、一方、ファイバレーザ増幅器2903が周波数変換媒体2905に供給してもよく、それにより、異なる波長を有する2つの周波数逓倍ビームが供給される。
【0067】
図30は、2つのレーザ発振器3001及び3002ならびに2つのファイバレーザ増幅器3003及び3004と、2つの周波数変換媒体3005、3006を有する照明器を示している。両方のレーザ発振器が同じ或いは類似する波長を発し、また、両方のファイバレーザ増幅器が同じ或いは類似する波長を増幅する。この形態は、検査システムのための付加的な出力を与え、或いは検査システムが明視野検査のための1つの周波数逓倍ビームと暗視野検査のための同じ周波数を有する他の周波数逓倍ビームとを供給できるようにする。
【0068】
図31は、2つのレーザ発振器3101及び3102、ならびに2つのファイバレーザ増幅器3103及び3104、ならびに2つの周波数変換媒体3105及び3106を有する照明器を示している。2つのレーザ発振器が異なる波長を発してもよい。周波数変換後、照明器は、異なる波長を有する周波数逓倍ビームを供給してもよい。この形態は、高分解能検査のための2つの波長を供給できる。
【0069】
コヒーレント光の周波数の変換は、第2高調波、第3高調波又は第4高調波又は更に高い高調波の生成を伴うことができる。複数の段階の周波数変換が有利な場合がある。例えば、ファイバレーザ増幅器から出る赤外光は、リチウムホウ酸バリウム又は周波数分極反転材料の結晶に入射してもよい。この第1の周波数逓倍媒体から出る周波数逓倍光は、βホウ酸バリウム又はホウ酸セシウムリチウムバリウムの結晶などの第2の周波数逓倍媒体に入ってもよい。第2の周波数変換段階から出る光は、ウエハステッパ又はスキャナの波長に近い波長を有してもよい。ファイバレーザ発振器は、比較的十分な位置決め安定性を与えるとともに、ガウスプロファイルを有するビームを発する。
【0070】
したがって、ウエハの照明は、レーザ発振器をモードロックし或いはqスイッチして、結果として得られるコヒーレント光を少なくとも1つのファイバレーザ増幅器を用いて増幅するとともに、コヒーレント光の周波数を変換することを伴ってもよい。図32は、単一のファイバレーザ増幅器3202に供給する単一のレーザ発振器3201を示しており、ファイバレーザ増幅器3202は、その後、2つの周波数変換媒体3203及び3204に供給する。構造は、レーザファイバ発振器をモードロックし或いはqスイッチして、ファイバレーザ増幅器を用いてコヒーレント光を増幅するとともに、増幅されたビームを2つ以上のサブビームに分割して、各サブビームの周波数を変換することにより照明してもよい。
【0071】
各サブビームの周波数は、図32に示されるように同じ周波数へ変換されてもよく、或いは、図33に示されるように異なる周波数へ変換されてもよい。この場合、一つの周波数変換媒体3303から出るビームは、他の周波数変換媒体3305において第2の段階の周波数変換を受ける。いずれの場合にも、複数の周波数逓倍ビーム(multiple frequency-doubled beams)の存在は、今までに例のない自由度を検査システムに対して与える。
【0072】
周波数変換媒体は入射光の一部だけを変換する。媒体は、逓倍周波数(doubled frequency)を有する何らかの光と、残留基本周波数光と呼ばれる何らかの変換されていない光とを発してもよい。この残留基本周波数光を増幅すると、増幅された残留基本周波数光を他の周波数変換結晶に対して供給できるといったような、特定の利点が得られる。図34は、ファイバレーザ増幅器3402に入るレーザ発振器3401からの光を示している。増幅された光(xλ)は周波数変換媒体3403に入ってもよい。周波数逓倍光(λ)は残留基本周波数光(λ)として周波数変換媒体から出てもよい。残留基本周波数光はファイバレーザ増幅器3404に入ってもよい。或いはファイバレーザ増幅器3404から出る光は他の周波数変換媒体3405に入ることができる。
【0073】
したがって、この構造は、更なるファイバレーザ増幅器を使用して、周波数変換プロセスからの残留基本周波数光を、インライン照明目的で供給されるものよりも大きく増幅することを含んでもよい。そのような構造は、増幅された残留基本周波数光の周波数を変換することによって強化されてもよい。
【0074】
ビームの周波数は、セシウムリチウムサファイアなどの結晶を通じてビームを送ることにより調整されてもよい。セシウムリチウムサファイア結晶が266nmの波長を有する入力光を受ける場合、結晶は、結晶に関連する角度態様に応じて266nm〜320nmの波長を有する光を発することができる。そのような構造は、前述した構造における周波数変換光の周波数を調整させることができる。
【0075】
複屈折結晶は、ビームの出力が特定の閾値を超えるときに入射ビームの周波数を変換することができる。増幅器は、周波数変換前にビームの出力を増大させるために設けられてもよい。ある場合には、試験片を傷つけることを避けるため、周波数変換された光のピーク出力を下げるためのハードウェアが設けられてもよい。したがって、そのような構造は、時間シフト媒体(temporal shifting medium)を含んでもよい。時間シフト媒体は、照明パルスを経時的に広げ、それにより、そのピーク出力を減少させる。図35Aは、レーザ発振器3501、ファイバレーザ増幅器3502、周波数変換媒体3503及び時間シフト媒体3504を示している。時間シフト媒体3504は、格子、エタロン、1つ以上のビームスプリッタ、又は、ビームスプリッタとミラーなどの反射面との組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態をとってもよい。図35Bから分かるように、格子3506は、経時的にパルスを効果的に引き延ばす時間シフト媒体としての機能を果たすことができる。パルス幅Tを有する入力パルス3507が格子3506に入ってもよい。格子3506は、光が距離2Lを移動するために必要な時間だけ、出て行くパルス3508の一方側を遅らせ、それにより、パルスのピーク出力を下げてもよい。
【0076】
図36は、ビームスプリッタ3601及び3602ならびに1つ以上の反射面3603がどのように時間シフト媒体としての機能を果たすことができるのかを示している。ビームは、周波数変換媒体などの伝達装置3604から図36に入る。ビームスプリッタ3601及び3602ならびに反射面3603により、各パルスの一部が異なる経路をとり、それにより、10ナノ秒遅延し、或いは20ナノ秒遅延し、或いは、これらの両方だけ遅延(30ナノ秒の遅延)する。この構成は、パルスを分割して引き延ばし、それにより、ビームのピーク出力を減少させる。遅延がパルス幅を超える場合には、ビームスプリッタが1つのパルスを別個のパルスからなる列へと分割する。そのような構造は、反射面を伴って或いは伴うことなく、任意の数のビームスプリッタを使用して実施されてもよい。
【0077】
図37は、時間シフト媒体としての機能を果たすエタロン3701を示している。この構造のエタロン3701は、反射率が比較的高い表面3702と反射率が比較的低い表面3703とを有するガラスのブロックである。入射パルス3704が低反射率面3703にぶつかり、その光の一部が低反射率面3703から反射される。光の残りの部分は、低反射率面3703を通過して、高反射率面3702に突き当たり、外部へ反射される。エタロン3701内で光子が何度も前後に跳ね返り、その度に光子の一部が逃げる。このようにして、エタロン3701は、1つのパルス3704を一連の反射パルス3705へと分割し、入射パルス3704のピーク出力を減少させることができる。
【0078】
光輝度に空間的均一性を与えるため、この構造は、空間平滑化媒体を更に含んでもよい。空間平滑化媒体は、周波数変換光の輝度の空間的均一性を高めることができる。図38は、レーザ発振器3801、ファイバレーザ増幅器3802、周波数変換媒体3803、及び空間平滑化媒体3804を示している。拡散器、回折光学素子、レンズアレー、ライトパイプ、格子、エタロン、絞り、勾配伝達素子、アポディゼーション装置、レンズ、及び他の光学部品の様々な組み合わせを含む様々な装置が空間平滑化媒体としての機能を果たしてもよい。
【0079】
図39A及び図39Bは、空間的に不均一な入力を受け且つ空間的に均一な出力を伝えるように構成されたホモジナイザロッド3901と集束レンズを有するレンズアレーとを含む2つの空間平滑化媒体を示している。不均一照明は、図示の方向で左からレンズアレー3902にぶつかる。レンズアレー3902は、ビームを多くのサブビームに分割する。集束レンズ3903は、全てのサブビームを、照明が空間的に均一なオーバーラップ面3904に合焦させることができる。簡単にするため、図39Bは、オーバーラップ面3904の2つの点だけで合焦する光を示しているが、図示の形態は、オーバーラップ面の全体にわたって均一な輝度を与えるために使用されてもよい。
【0080】
図40A、40B及び40Cは空間平滑化媒体の3つの更なる例を示している。図40Aにおいて、集束レンズ4001の下流側にあるスリガラス又は回折光学素子の移動ピース4002は、レーザビームからスペックルを除去する。スペックルという用語は、干渉によって引き起こされる短い距離スケールにわたる明暗のパターンのことである。図40Bにおいて、レンズ4004の前にある回折光学素子4003は、空間的にほぼ均一な輝度を瞳孔面上に与えることができる。図40Cの空間平滑化媒体は、瞳孔照明を形作るための回折光学素子4006、レンズ4007、フィールド照明を形作るための回折光学素子4008、及び集束レンズ4009を含んでもよい。そのような構造は、周波数変換された光の空間的均一性を高めることができる。
【0081】
狭帯域光が広帯域光へ変換されてもよい。特定の媒体を通過する光の狭帯域ビームは、ラマン散乱及び四光波混合を受けて、スーパーコンティニュームとして知られる広帯域ビームとして媒体から出てもよい。そのような媒体は、入射光のスペクトルをシフトすることから、「スペクトルシフト媒体」と見なされる。図41は、レーザ発振器4101と、ファイバレーザ増幅器4102、周波数変換媒体4103、及びスペクトルシフト媒体4104を示している。
【0082】
異なる物質がスペクトルシフト媒体としての機能を果たすことができる。スペクトルシフト媒体は、フォトニック結晶ファイバ、又は、以下の元素、すなわち、重水素、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウム、フッ素、及び/又は、窒素のうちの1つ以上を含むガスを備えていてもよい。また、スペクトルシフト媒体は、プラズマ、結晶、ポリマー、又は、エタノールや水酸化アンモニウムを含むがこれらに限定されない液体であってもよい。図42は様々なスペクトルシフト媒体を示している。フォトニック結晶ファイバ4201はスペクトルシフト媒体としての機能を果たすことができる。フォトニック結晶ファイバ4202の断面は、石英ガラスマトリクス4204内に空気チャネル4203を示している。フォトニック結晶ファイバは、断面4205に示されるように空気チャンバがガス4206で満たされる場合、かなり有効なスペクトルシフト媒体としての機能を果たすことができる。他のスペクトルシフト媒体は石英ガラス毛細管4207である。この場合、ガス4209は、石英ガラス4208によって取り囲まれる中空コアを満たす。図43は、ガスを収容するセル4301を有する他のスペクトルシフト媒体を示している。狭帯域光4302が左側に入り、広帯域光4303が右側に入る。
【0083】
スーパーコンティニュームは、レーザをポンプしてコヒーレント光を生成し、1つ以上のファイバレーザ増幅器を使用してコヒーレント光を増幅するとともに、スーパーコンティニュームを形成するためにコヒーレント光の帯域幅を広げることによって形成されてもよい。スーパーコンティニュームを形成するために周波数変換された光及び周波数変換されない光が広げられてもよく、また、複数のビームが扱われてもよい。単一ビーム又は多重ビームの状況においてモードロッキングが使用されてもよい。
【0084】
この構造の照明サブシステムは、照明器、及びビームを検査システムへ中継するための像中継システムの両方を含んでもよい。図44に示されるように、照明サブシステムは、レーザ発振器4401、ファイバレーザ増幅器4402、周波数変換媒体4403、及び像中継システム4404を含んでもよい。
【0085】
図45は、図39及び図40に示される形態の下流側に位置していてもよい像中継システムの2つの例4501及び4506を示している。両方とも、結像光学素子4505及び4509における瞳孔面に対して光を供給することができる。形態4501は3つのレンズ4502、4503及び4504を使用してもよく、一方、形態4506は2つのレンズ4507及び4508を使用してもよい。ここに開示される照明器を像中継システムと組み合わせて照明サブシステムを形成してもよい。
【0086】
図45に示される像中継システムは、一般に、明視野イメージング用に形成されている。図46に示される像中継システムは、一般に、暗視野イメージング用に形成されている。3つのレンズ4601、4602及び4603は協働して瞳孔面内の単一の点を照明する。
【0087】
<CLBOを使用する改良型構造>
DUV周波数変換のためにCLBOを使用すると、高い周波数変換効率、高い損傷閾値、及び比較的良好な安定性を与えることができる。
【0088】
高い周波数変換効率は、レーザパルスのピーク出力、結晶の非線形係数、及び結晶中の相互作用長に依存する。高いピーク出力、大きな非線形係数、長い相互作用長は、高効率変換を生み出す。高いピーク出力は、前述したようにモードロックされたファイバレーザによって供給することができる。CLBO結晶及びBBO(βホウ酸バリウム又はβBaB)結晶は、一般に、DUV周波数変換に適している。いずれも適度な非線形係数を有するが、BBOは一般にCLBOよりも大きい。しかしながら、BBOにおける大きなウォークオフ角は結晶中の相互作用長を制限し、したがって、結果的な周波数変換効率を制限する。また、この大きなウォークオフ角は、BBOにおける高効率変換において低質なビームプロファイルを形成し得る。
【0089】
非臨界位相整合が困難であり或いは不可能な場合には、ウォークオフ効果を補償して効率を大きく高めるために2つの周波数変換結晶が直列に使用されてもよい。しかしながら、2つの周波数変換結晶を使用すると、特に周波数変換プロセスのDUV部分においてコスト及び複雑度が増大する可能性もある。CLBOを使用すると、複数の周波数変換結晶を使用しないで非臨界位相整合を使用することができる。非臨界位相整合は、ウォークオフが存在しないため、長い相互作用長を可能にする。また、周波数変換されたビームにおける空間的なビームプロファイルは、非臨界位相整合においてかなり良好である。これらの理由により、周波数変換においては、特にDUV周波数変換の最後の段階においては非臨界位相整合を使用することが望ましい。しかしながら、特定の結晶においては、臨界的或いは略臨界的な位相整合状態を生み出すことができる唯一の特定の波長組み合わせが存在する。
【0090】
また、CLBOなどの負一軸結晶における位相整合要件は、以下の条件が満たされることも要する。
【数1】

【数2】

【0091】
ここで、nσは結晶の異常軸(extraordinary axis)に沿う屈折率であり、nθは結晶の正常軸(ordinary axis)に沿う屈折率である。θは、変換されるべき光の伝搬ベクトルと結晶の光軸との間の角度である。θが90度でない場合には、位相整合状態が臨界位相整合と呼ばれる。この状態では、ポインティングベクトル及び伝搬ベクトルの方向が分岐する。このウォークオフ効果は、光が結晶を通じて伝搬する際に空間的な重なり合いを減少させる。空間的な重なり合いが減少すると、使用できる結晶の長さが制限され、したがって、周波数変換効率が制限される。θが90度である場合には、位相整合が非臨界であると言われ、ポインティングベクトル及び伝搬ベクトルは一般にウォークオフを示さない。θが90度であることにより、周波数変換効率を高めるために長い結晶を使用することができる。非臨界位相整合においては、数式(2)がnθ(90)=nσに簡素化される。この結果を使用して数式(1)を検討すると、この数式を満たして非臨界位相整合を得るために特定の混合周波数又は波長が必要とされる。したがって、結晶における非臨界位相整合状態を決定するためには、波長値に対する屈折率値を確かめなければならない。
【0092】
CLBOにおいて、波長に対する屈折率値は、一般に、参照することにより本願に組み込まれる、Yusuke Moriらによる論文「Nonlinear Optical Properties of Cesium Lithium Borate」(Japan Journal of Applied Physics,Vol.34,pp.296−298)に記載されている。これらの値を使用すると、非臨界位相整合を生み出す波長組み合わせを決定することができる。
【0093】
213nm未満の合成波長を伴うCLBOの場合、必要とされる混合波長は標準的なレーザ源から利用できない。これにより、特に効率的な高出力レーザが望ましい場合には、これらの短い波長のCLBOにおいて、非臨界位相整合を使用することが難しくなる。混合波長を生成するためにファイバ系レーザを使用することにより、この問題に対する幾つかの解決策を得ることができる。
【0094】
基本周波数レーザ発生器及び周波数変換結晶はいずれも長い寿命を有するのが有効である。前述したファイバレーザ系の基本的なレーザ源は、殆どの場合、50000時間を超える耐用年数、一般的には周波数変換結晶よりも長い寿命を有することができる。高出力周波数変換レーザで使用される標準的な周波数変換結晶は、単位結晶部位当たり200時間程度の比較的短い寿命を有する。266nm、213nm、200nm及び195nmのような波長のDUVで高出力を生成するためには、長い寿命を有する結晶が非常に有益である。CLBOは、その良好な周波数変換効率及び高い透明性に起因して、この用途においては非常に良好な結晶である。しかしながら、標準的なCLBO結晶は、長期の損傷及び劣化に晒される。
【0095】
適切な結晶成長技術、表面処理技術、及び取り扱い技術を使用すると、CLBO結晶の寿命を延ばすことができる。CLBO損傷メカニズムは、バルク損傷と表面損傷とに分けることができる。バルク損傷は、2つの主要な損傷源、すなわち、結晶化欠陥及び結晶内部の不純物によってもたらされる。
【0096】
結晶化欠陥の数は、結晶成長チャンバ内の溶液の均一性を高めることにより減らすことができる。これは、高い粘性が混合を制限するため、困難となり得る。しかしながら、溶液攪拌及び、るつぼ回転を加えることにより、溶液均一性を劇的に高めることができる。結晶内部の主要な不純物は、残留炭酸塩水酸化物である。炭酸塩不純物は、焼結前に水中で出発材料を生成することにより減らすことができる。従来の手法は、結晶の吸湿性及び水酸化物による最終材料における損傷閾値の減少に起因して、水を除去しようとする。この処理は、カルボン酸塩を完全に分解し得る。
【0097】
水酸化物不純物は、成長した結晶を長時間にわたってベークすることによって除去されてもよい。120時間にわたって150℃でベークすると、水酸化物不純物の数をかなり減らすことができる。表面損傷は、結晶中に埋め込まれた残留光学研磨材料によってもたらされる。この材料は、イオンミリング又は他の同様の技術によって除去できる。汚染された結晶材料を切り取るために、約40〜60nmの結晶材料が除去されてもよい。これらの技術のうちの1つ以上を組み合わせて使用すると、結晶損傷閾値をかなり高めることができる。
【0098】
例えば半導体検査の分野では、比較的高い安定性が特に有益である。安定性は、短期間及び長期間の両方にわたって存在することが望ましい。周波数変換されたDUVレーザにおいて、短期間にわたる安定性は、一般に、基本的なレーザ出力を義務付け、ビームプロファイルは一定のままである。また、安定性は、一般に、周波数変換プロセスの変化を義務付けず、前述したようにファイバレーザを使用する利点がある。周波数変換の安定性のため、非臨界位相整合は、他の照明方法及び方式を超える特定の利点を与えることができる。例えば、非臨界位相整合は、一貫したDUV出力の維持を容易にし得る。また、長期間にわたる安定性のため、長い結晶寿命が非常に有益である。周波数変換結晶は、特に266nmの波長又はそれを下回る波長の光を生成すると、寿命が限られてしまう。出力が増大するにつれて、寿命は急速に減る傾向になる。したがって、非臨界位相整合を使用すると、長い結晶寿命を与えることができる。
【0099】
熱ウォークオフは、結晶中に局所的な加熱を引き起こすDUV光の吸収に起因するBBOなどの結晶に伴う問題となり得る。局所的な加熱は、発散されたレーザビーム内でウォークオフ角を変化させる。非臨界位相整合が使用されると、ウォークオフ角はほぼ0度であり、結晶中のDUV光の吸収に起因して最小限の変化が起こる。また、ヒータ又は加熱ユニットを使用して非臨界位相整合状態を維持し且つ本質的に保つことにより、結晶の温度を調整することができる。加熱は、特に、レーザの周囲の大気温度が大きく変動するときに有益となり得る。
【0100】
この構造態様の第1の実施形態は、998.444nm波長の基本波レーザ源に基づいている。その後、このレーザは、第2高調波へと周波数変換された後、第4高調波へと周波数変換される。第4高調波は、その後、非臨界位相整合を使用してCLBO内で混合され、それにより、199.7nmの波長が得られる。基本的なレーザは、LBOなどの標準的な周波数変換結晶、BiBO(三ホウ酸ビスマス)などの新たに開発された結晶、又は、周期分極反転材料を使用して499.222nmに周波数逓倍することができる。周波数変換方法は、良好なビームプロファイルをほぼ維持しつつ効率が高いときに最良の結果をもたらす。2つの周波数変換結晶を直列に使用するとウォークオフが補償され、また、熱ウォークオフ効果は効率を大きく高めることができる。
【0101】
動作時、他の周波数逓倍段階を使用して第2高調波から249.611の第4高調波を生成することができる。第4高調波の生成は、この段階におけるCLBO又はBBOを使用することができる。最後のプロセスは、998.444の基本波長を第4高調波と混合して199.7nmの波長を生成する。波長混合は、CLBOにおいて非臨界位相整合を使用して行なわれる。特定された波長からの僅かな変化は、結晶を温度調整することにより可能である。この場合、温度調整は、場合により、結晶を監視して加熱することにより比較的一定の温度に経時的に維持することを伴う。
【0102】
998.444nmの高出力基本波レーザを得ることは困難となり得る。この基本波長を生成するための1つの方法は、ダイレクトダイオードレーザを使用することである。現在、この波長のダイレクトダイオードレーザは、やや限られたパルス出力を有する。或いは、ファイバレーザ/増幅手法が使用されてもよい。そのような基本波レーザを生成するために、3つのファイバベースの方法を使用することができる。第1の手法は、998.444nmの基本波長を有するファイバレーザを使用することである。この波長を有するレーザの生成は、最近、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、Okhotnikovらによる論文「Mode−Locked ytterbium fiber laser tunable in the 980−1070nm spectral range」(Optics letters,Vol.28,No.17)で実証された。
【0103】
第2の方法は、1996.88nmの波長で動作する周波数逓倍Tm(ツリウム)ファイバレーザを使用する。このレーザは、LBO、BiBO又は周期分極反転材料を使用して周波数逓倍することができる。第3の方法は、998.444nmのラマンシフトされた波長を有するファイバレーザを使用する。
【0104】
第1の実施形態の一例は、図47に示されており、以下の表の例に適合する。
<第1の実施形態の例>
1ω 998.444
2ω 499.222 LBO又はBIBO
4ω 249.611 CLBO又はBBO
4ω+1ω 199.7 CLBO
【0105】
第2の実施形態は、1193.33nmにラマンシフトされる1064nmの波長の基本波レーザ源に基づいている。この場合、レーザのラマンシフトされた波長は、第2高調波周波数又は第2高調波周波数レーザエネルギレベルに周波数逓倍された後、第4高調波へと周波数逓倍される。第4高調波は、その後、非臨界位相整合を使用してCLBO内で混合され、それにより、194.9nmの波長を得てもよい。ラマンシフトされたレーザは、LBO、BiBOなどの標準的な周波数変換結晶又は周期分極反転材料を使用して477.332nmに周波数逓倍することができる。特に良好なビームプロファイルを維持しつつ非常に効率的な周波数変換方法が望ましい。2つの周波数変換結晶を直列に使用するとウォークオフが補償され、また、熱ウォークオフ効果は全体の効率を大きく高めることができる。
【0106】
第4高調波は、他の周波数逓倍段階を使用して第2高調波から238.666nmで生成することができる。この周波数逓倍段階はCLBO又はBBOを使用することができる。最後のステップは、1064nmの基本波長を第4高調波と混合して194.9nmの波長を有する成分を生成することである。混合は、CLBOにおいて非臨界位相整合を使用して行なわれる。これらの波長からの僅かな変化は、結晶を温度調整することにより可能であり、これにより、一般的には再び結晶が得られ、結晶を加熱し及び/又は監視することにより特定の温度が維持される。また、213nm未満のCLBOで非臨界位相整合を生み出すために、1064nmに近い他の基本波長及びラマンシフトが使用されてもよい。
【0107】
第2の実施形態の一例は、図48に示されており、以下の表の例に適合する。
<第2の実施形態の例>
1ω 1064
1ω 1193.33へのラマンシフト
2ω ラマン 477.332 LBO又はBIBO
4ω ラマン 238.666 CLBO又はBBO
4ω+1064 194.9 CLBO
【0108】
参考例は、847.008nmの波長で動作する基本波レーザ源に基づいている。この場合、システムは、レーザ光エネルギを第3高調波へ周波数変換する。その後、システムは、非臨界位相整合を使用してCLBOにおいて第3高調波を基本周波数と混合し、211.75nmの波長を有するレーザビームを生成する。基本波レーザ周波数は、LBO、BiBOなどの標準的な周波数変換結晶又は周期分極反転材料を使用して423.504nmに周波数逓倍することができる。この場合も、良好なビームプロファイルを維持する効率的な周波数変換方法が優れた結果をもたらす。
【0109】
この構成では、2つの周波数変換結晶が一般的に直列に使用されてもよい。第1の結晶は、一般的に当業者に公知のタイプI周波数逓倍を行ない、また、第2の結晶は、第2高調波周波数と基本周波数とのタイプII周波数混合を行ない、282.336nmの波長を有する第3高調波周波数を得る。この段階はLBO、CLBO又はBBOを使用することができる。最後のステップは、847.008nmの基本波長と第3高調波周波数とを混合して、211.75nmの波長を有する合成レーザビームを生成する。組み合わせ或いは混合は、CLBOにおいて非臨界位相整合を使用して行なわれる。先と同様、これらの波長からの僅かな変化は、結晶を温度調整することにより可能である。
【0110】
この手法に伴う大きな課題は、850nmの波長で動作する高出力基本波レーザを得ることである。この基本波長を生成するための1つの方法は、ダイレクトダイオードレーザを使用する。このダイオードレーザは、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、垂直外部キャビティ面発光レーザ(VECSEL)、又は、光学的にポンプされる半導体レーザの形態をなすことができる。現在、この波長のダイレクトダイオードレーザはパルス出力を制限している。他の手法は、Ti:SAF又はCr:LiSAFなどの結晶を利得媒体として使用する固体基本波レーザを用いる。或いは、これらの結晶は、増幅器形態で使用することができるとともに、シードレーザを増幅するために使用できる。シードレーザは、前述した低出力850nmダイオードであってもよい。
【0111】
参考例は、図49に示されており、以下の表の例に適合する。
<参考例>
1ω 847.008nm
2ω 423.504 LBO又はBIBO
3ω 282.336 LBO、CLBO又はBBO
3ω+1ω 211.75 CLBO
【0112】
本明細書に開示された周波数変換の実施形態は、顕微鏡nmフォトマスク修正具、遠隔通信システム、医学的診断・処置システム、及び/又は、物理科学又は生物科学で実験を行なうための実験装置と関連して使用されてもよい。
【0113】
本明細書で与えられた構造及び図示された特定の態様は、限定を意味するものではなく、本発明の教示内容及び利点を依然として組み込みつつ他の構成要素を含んでもよい。このように、特定の実施形態に関連して本発明を説明してきたが、本発明を更に改良できることは言うまでもない。本出願は、一般に本発明の原理に従い且つ本発明が属する当分野での公知の慣習的な実施の範囲内に入る、この開示内容からの逸脱を含む本発明の任意の変形、用途或いは適応を網羅しようとするものである。
【0114】
この出願は、2004年8月25日に出願された「Fiber Amplifier Based Light Source for Semiconductor Inspection」と題される米国仮特許出願第60/604,540号及び2004年10月20日に出願された「Coherent DUV Sources for Semiconductor Wafer Inspection」と題される米国仮特許出願第60/620,814号の利益を主張する2005年2月11日に出願された発明者Chuangらの「Fiber Amplifier Based Light Source for Semiconductor Inspection」と題される米国特許出願第11/056,855号の一部継続出願である2005年7月28日に出願された米国仮特許出願第60/703,209号の利益を主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギを生成するための方法であって、
約998nmの波長の基本周波数レーザエネルギを生成する段階と、
基本周波数レーザエネルギの一部を第2高調波周波数レーザエネルギへ変換する段階と、
第2高調波周波数レーザエネルギを第4高調波周波数レーザエネルギへ更に変換する段階と、
第4高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて、和周波数のレーザエネルギを生成し、前記混合がホウ酸セシウムリチウム(CLBO)の結晶における非臨界位相整合によって行なわれる段階と、
を含む方法。
【請求項2】
基本周波数レーザエネルギがファイバレーザによって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基本周波数レーザエネルギが半導体ダイオードレーザによって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基本周波数レーザエネルギがラマンレーザによって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
基本周波数レーザエネルギを第2高調波周波数レーザエネルギへ変換するために、CLBO結晶、BBO結晶、LBO結晶、BiBO結晶、及び周期分極反転材料を含むグループからの少なくとも1つが使用される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基本周波数レーザエネルギを第2高調波周波数レーザエネルギへ変換するために2つの結晶が使用される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
位相整合状態を維持するためにCLBO結晶の温度が制御される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基本周波数レーザエネルギが周波数逓倍レーザによって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
周波数逓倍レーザは、約1996nmの波長を有するTmドープされたファイバレーザである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
CLBO結晶は、
CLBOの表面をイオン研磨して、サブ表面損傷及び標準的な研磨汚染物質を除去する段階と、
表面をMRF研磨して、サブ表面損傷及び標準的な研磨汚染物質を除去する段階と、
焼結前に水溶液を使用して出発材料を処理する段階と、
結晶成長中に溶液を攪拌する段階と、
少なくとも100時間にわたってCLBO結晶をベークして、任意の残留水分を除去する段階と、
を含むグループからの少なくとも1つにしたがって処理される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
約1064nmの波長の基本周波数レーザエネルギを生成する基本波レーザ源を使用して光エネルギを生成するための方法であって、
基本周波数レーザエネルギの一部を、約1193nmの波長を有するラマン線のレーザエネルギへシフトさせる段階と、
ラマンレーザエネルギを第2高調波周波数レーザエネルギへ変換する段階と、
第2高調波周波数レーザエネルギを第4高調波周波数レーザエネルギへ更に変換する段階と、
第4高調波周波数レーザエネルギを基本周波数レーザエネルギの一部と混合させて、和周波数のレーザエネルギを生成し、前記混合がホウ酸セシウムリチウム(CLBO)の結晶における非臨界位相整合を含む段階と、
を含む方法。
【請求項12】
基本周波数レーザエネルギがファイバレーザによって生成される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基本周波数レーザエネルギが半導体ダイオードレーザによって生成される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
基本周波数レーザエネルギが固体レーザによって生成される請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ラマンレーザエネルギを第2高調波周波数レーザエネルギへ変換するために、CLBO結晶、BBO結晶、LBO結晶、BiBO結晶、及び周期分極反転材料を含むグループからの少なくとも1つが使用される請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ラマンレーザエネルギを第2高調波周波数レーザエネルギへ変換するために2つの結晶が使用される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
位相整合状態を維持するためにCLBO結晶の温度が制御される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
CLBO結晶の処理は、
CLBO結晶の表面をイオン研磨して、サブ表面損傷及び標準的な研磨汚染物質を除去する段階と、
表面をMRF研磨して、サブ表面損傷及び標準的な研磨汚染物質を除去する段階と、
焼結前に水溶液を使用して出発材料を処理する段階と、
結晶成長中に溶液を攪拌する段階と、
少なくとも100時間にわたってCLBO結晶をベークして、任意の残留水分を除去する段階と、
を含むグループからの少なくとも1つにしたがって処理される請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図37】
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【図38】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図41】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43】
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【図44】
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【図45A】
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【図45B】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図12】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−22340(P2012−22340A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225281(P2011−225281)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【分割の表示】特願2008−524137(P2008−524137)の分割
【原出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】